無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム
【課題】無線通信ネットワーク内の複数の端末に確実に電力を供給することが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う無線通信送信回路10、無線通信受信回路30と、自装置の電力状況を取得する電力状況取得部72と、自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する無線電力送信回路50と、を備える。
【解決手段】無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う無線通信送信回路10、無線通信受信回路30と、自装置の電力状況を取得する電力状況取得部72と、自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する無線電力送信回路50と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時においては、無線で電力を伝送することが可能な無線送電装置が提案されており、無線送電装置の一例は例えば下記の特許文献1に記載されている。より詳細には、特許文献1に記載されている無線送電装置は、電力伝送の効率化を図ることを目的とし、受電装置による電力の受電結果に応じた画面を表示する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−238548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した無線電力伝送では、ネットワーク内の複数の端末において、各端末のそれぞれで電力残量が相違してしまう事態が生じてしまう。例えば無線電力を供給する供給装置に近接した端末は、電力が十分に供給されるため、長時間の使用が可能である。一方、供給装置から離れた端末は、電力供給が不十分になり、長時間使用できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線通信ネットワーク内の複数の端末に確実に電力を供給することが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う無線通信部と、自装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0007】
また、自装置の電力残量を取得する電力残量取得部と、前記電力残量が所定値以下の場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置に前記電力供給要求を送信するものであってもよい。
【0008】
また、前記所定の条件は、自装置が電源に接続されていることを示す条件、または自装置の電力残量が所定値以上であることを示す条件であってもよい。
【0009】
また、前記無線通信部は、無線通信ネットワークのアクセスポイントを介して、他装置から送信された前記電力供給要求を受信するものであってもよい。
【0010】
また、前記無線通信部は、前記自装置の電力状況を前記アクセスポイントに送信し、前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記アクセスポイントにより判断されるものであってもよい。
【0011】
また、前記無線通信部は、無線通信ネットワークを介して接続された他装置から前記電力供給要求を受信するとともに、前記自装置の電力状況を当該他装置に送信し、前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記電力供給要求を送信した他装置により判断されるものであってもよい。
【0012】
また、前記電力供給部により電力を供給する他装置の位置を取得する位置取得部を備え、前記電力供給部は、前記他装置の位置に基づいて電力を供給するものであってもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された任意の端末装置から電力供給要求を取得する電力供給要求取得部と、他の端末装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、前記電力状況に基づいて、電力供給が可能な端末装置に前記電力供給要求を送信する電力供給要求送信部と、を有する、無線通信装置と、前記電力状況を前記無線通信装置に送信する電力状況送信部と、前記電力供給要求を受信する電力供給要求受信部と、前記電力供給要求に応じて、前記電力供給要求を前記無線通信装置へ送信した前記任意の端末装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、を有する前記端末装置と、を備える、無線通信システムが提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行うステップと、自装置の電力状況を取得するステップと、前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給するステップと、を備える、無線通信方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う手段、自装置の電力状況を取得する手段、記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、無線通信ネットワーク内の複数の端末に確実に電力を供給することが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態にかかる無線通信システム500の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置としてのアクセスポイント100と、複数の携帯端末(ユーザ端末(A)200、ユーザ端末(B)202、ユーザ端末(C)204)とから構成されている。アクセスポイント100と各ユーザ端末200,202,204とは、無線通信ネットワークにより互いに通信可能に接続されている。アクセスポイント100及び各ユーザ端末200,202,204は、例えばUWBのMB−OFDM方式に対応した無線通信装置である。
【0019】
本実施形態の無線通信システム500において、各ユーザ端末は、後述する手法により他のユーザ端末に対して電力を供給可能に構成されている。図2は、各ユーザ端末200,202,204の構成を示す模式図である。各ユーザ端末200,202,204は、アクセスポイント100と無線通信を行い、アクセスポイント100に対して電力状況情報を送信する。アクセスポイント100は、各ユーザ端末から送信された電力状況情報を受信する。ここで、電力状況情報には、各ユーザ端末の電力残量情報(電池残量情報)、およびAC電源500に接続されているか否かの情報(AC電源接続情報)が含まれる。そして、アクセスポイント100は、電力残量が少なく、電力を供給すべきユーザ端末が存在する場合、そのユーザ端末の位置検出を行い、無線で電力を供給するよう他のユーザ端末に指示する。このため、図2に示すように、各ユーザ端末200,202,204は、無線通信送信回路10、無線通信受信回路30、無線電力受信回路50、無線電力送信回路52を備えている。
【0020】
無線通信送信回路10は、エンコーダ12、インターリーバ14、マッパー16、IFFT18、DA変換回路(DAC)20、RF回路22、を有している。また、無線通信受信回路30は、RF回路32、AD変換回路(ADC)34、FFT36、チャネル補正部(Channel Compensation)38、デマッパー40、デインターリーバ42、デコーダ44、を有している。
【0021】
また、各ユーザ端末200,202,204は、送受信切換部60、MAC(データリンク層)70、アンテナ80,82,84を備えている。送受信切換部60は、RF回路22,32とアンテナ80の間に接続され、送受信を切り換える機能を有している。MAC70は、ユーザ端末の制御部として機能し、無線通信送信回路10から送信する送信データの生成、無線通信受信回路30で受信した受信データの取得を行う。また、後述するように、MAC70は、他のユーザ端末から取得した電力状況情報に応じて無線電力送信回路52による無線電力送信を制御する。
【0022】
無線通信送信回路10では、MAC70から送られた送信データがエンコーダ12で符号化され、インターリーバ14でインターリーブされる。インターリーブされた送信データは、マッパー16で周波数マッピングが行われ、IFFT18で逆高速フーリエ変換される。IFFT18の出力は、DA変換回路20でアナログ信号に変換され、RF回路22にてアップコンバージョンされて、アンテナ80から送信される。
【0023】
無線通信受信回路10では、アンテナ80で受信された信号がRF回路32で変調され、AD変換回路34でアナログ信号に変換される。アナログ信号はFFT36により高速フーリエ変換されて、チャネル補正部38に送られる。チャネル補正部38は、受信信号のチャネルを補正する処理を行う。チャネル補正部38により補正された信号は、デマッパー40に送られ、周波数デマッピングが行われる。デマッピングされた信号は、デインターリーバ42に送られる。デインターリーバ42では、インターリーブされている受信信号を元に戻す処理を行う。デインターリーバ42から出力された受信信号は、デコーダ44に送られ、デコードが行われる。デコーダ44からの出力は、MAC70に送られる。
【0024】
各ユーザ端末200,202,204は、MUSICなどに代表される到来方向推定アルゴリズムや、相関器を用いた測距システム、複数のアクセスポイントを用いた3点測位方法などの手法により他のユーザ端末の位置を検出する。
【0025】
図3は、ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の一例を示す模式図であって、相関器を用いた測距システムにより位置を検出する回路の例を示している。図3に示すように、位置検出回路は、相互相関器46を有して構成される。相互相関器46による位置検出では、アクセスポイント100の受信側で事前に保持する相関信号と、送信側が送信してきた信号との相互相関を取り、相関ピークを検出することでユーザ端末への距離、方向を測定する。例えば、相互相関器46は、受信信号が直列に入力される複数のシフトレジスタを含み、各シフトレジスタの出力と事前に保持する相関信号との相互相関をとることで、送受信器間の距離、方向を検出できる。位置検出回路は、アナログ回路、デジタル回路のいずれでも構成できる。相互相関器46をアナログ回路で構成した場合は、図2に示すように、RF回路32の後段に相互相関器46が配置され、相互相関器46で検出されたユーザ端末の位置情報は、ユーザ位置推定情報1としてMAC70に送られる。
【0026】
また、図4は、ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の他の例を示す模式図であって、到来方向推定アルゴリズムにより位置を検出する回路の例を示している。図4に示す位置検出回路を用いる場合は、アンテナ80として複数のアンテナ80a〜80cが設けられる。また、RF回路32、AD変換回路34、FFT36として、複数のRF回路32a〜32c、複数のAD変換回路34a〜34c、および複数のFFT36a〜36cが設けられる。FFT36a〜36cの出力は、到来方向推定アルゴリズム処理部48へ入力される。図4に示す位置検出回路は、複数のアンテナ80a〜80cで受信した信号の位相差や振幅差を用いて、到来方向推定アルゴリズム処理部48で処理をすることにより、到来方向推定を行う。到来方向推定アルゴリズムとしてはアダプティブアレーアンテナで一般的に用いられるMUSIC(Multiple Signal Classification)などを使用することができる。到来方向推定アルゴリズム処理部48は、デジタル回路で構成されるため、図1のチャネル補正部38に組み込むことができる。到来方向推定アルゴリズム処理部48で検出されたユーザ端末の位置情報は、ユーザ位置推定情報2としてMAC70に送られる。
【0027】
無線電力受信回路50は、アンテナ82を介して他のユーザ端末から電力の供給を受ける。無線電力受信回路50は、電源回路54に接続され、他のユーザ端末から供給された電力は電源回路54に蓄積される。電源回路54は、乾電池のような直流電源、または商用電源のような交流電源などを用いて、入力電力から出力電力を生成する回路である。無線電力受信回路50に供給された電力は電源回路54に蓄積されるか、または電源回路254に蓄積されずにそのまま回路動作に利用される。
【0028】
無線電力送信回路54は、他のユーザ端末に対して電力を供給する回路である。このため、無線電力送信回路54は、電源回路52に接続され、電源回路52から他のユーザ端末に送信する電力を受ける。また、無線電力送信回路54は、各ユーザ端末に電力を送信するためのアンテナ84に接続されている。
【0029】
無線電力受信回路50は、MAC70に対して受信レベル情報を送信する。また、電源回路52は、MAC70に対して電力残量情報、AC電源接続情報を送信する。MAC70は、受信レベル情報、電力残量情報、AC電源接続情報等の情報を無線通信送信回路10から他のユーザ端末へ送信する。これにより、他のユーザ端末は、これらの情報に応じて電力の供給を制御することができる。従って、各ユーザ端末は、他のユーザ端末から受信した受信レベル情報に応じてアンテナ84の指向性を変化させたり、送信電力レベルを制御することが可能となる。また、後述するように、各ユーザ端末は、電力残量情報、AC電源接続情報に応じて電力供給を行うか否かを決定することができる。
【0030】
各ユーザ端末200,202,204と通信を行うアクセスポイント100は、各ユーザ端末と同様に構成された、無線通信送信回路10、無線通信受信回路30、送受信切換部60、MAC(データリンク層)70、アンテナ80を備えている。一方、アクセスポイント100は、ユーザ端末との間で電力の受け渡しを行わないため、無線電力受信回路50、無線電力送信回路52、アンテナ80,82は備えていない。
【0031】
図1は、アクセスポイント100と各ユーザ端末200,202,204とが、無線通信可能に接続された状態を示している。図1では、ユーザ端末(A)200への充電が必要な程度まで、ユーザ端末200の電力残量が低下しているものとする。このとき、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100との無線通信を利用して、電力残量が少ないこと、電力の供給を受ける必要があることをアクセスポイント100に通知する。
【0032】
アクセスポイント100は、無線通信ネットワークで接続している全てのユーザ端末の電力状況を把握するために、各ユーザ端末に電力状況情報の送信要求を送る。これに対し、各ユーザ端末は、アクセスポイント100に対して電力状況情報を送信する。
【0033】
図1の例では、ユーザ端末(B)202はAC電源300に接続されている。このため、ユーザ端末(B)202からアクセスポイント100に対して、電力残量情報とともに、AC電源300に接続されている旨のAC電源接続情報が送られる。
【0034】
アクセスポイント100は、各ユーザ端末の電力状況情報を取得すると、ユーザ端末(B)202がAC電源に接続されていることを把握し、ユーザ端末(B)202に対して、ユーザ端末(A)200へ無線電力を供給する要求を送信する。ユーザ端末(B)202は、アクセスポイント100からの要求を受けると、上述した位置検出回路により、ユーザ端末(A)200の位置を把握する。また、上述したように、アクセスポイント100は無線通信送信回路10、無線通信受信回路30と同一の構成を備えているため、電力を供給すべきユーザ端末(A)200の位置を検出することができる。従って、アクセスポイント100がユーザ端末(A)200の位置を検出し、検出した位置情報をユーザ端末(B)202へ送信することもできる。
【0035】
アクセスポイント100から無線電力を供給する旨の要求を受けたユーザ端末(B)202は、図5に示すように、ユーザ端末(A)200に向けて無線電力を供給する。図5では、有効的に無線電力を供給するために、ユーザ端末200の方向に無線電力を供給する指向性を付けているが、指向性を向けることなく電力供給を行うことも可能である。指向性を付ける場合は、電力を供給するアンテナ84をフェーズドアレーアンテナのような電子的制御アンテナ、またはアンテナ方向を機械的に制御可能なアンテナから構成し、ユーザ端末の位置情報に基づいて、無線電力送信回路50により指向性を制御する。
【0036】
次に、ユーザ端末の無線電力送信回路52から他のユーザ端末の無線電力受信回路50へ電力を供給する手法について説明する。無線電力送信部52は、電磁誘導型、電波受信型、磁場共鳴型、電場共鳴型などの動作原理に従って動作する電力交換部51を含む。また、無線電力受信部50は、これらの原理に従って動作する電力交換部251を含む。以下では、図6A〜6Dに基づいて、各動作原理に従って動作する電力交換部51、電力交換部251の構成を具体的に説明する。
【0037】
図6Aは、電磁誘導型で動作する電力交換部51および電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Aに示したように、電磁誘導型で動作する電力交換部51は、交流電流源V、コンデンサC1、およびインダクタL1を含み、電力交換部251は、インダクタL2、コンデンサC2、コンデンサC3、およびダイオードD1を含む。かかる構成において、交流電流源Vから交流電流が出力されると、インダクタL1に交流電流が流れ、インダクタL1の周囲に磁束が生じる。そして、当該磁束によりインダクタL2に流れる交流電流をダイオードD1およびコンデンサC3が整流し、電力交換部251において直流電流が得られる。
【0038】
図6Bは、電波受信型で動作する電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Bに示したように、電波受信型で動作する電力交換部251は、アンテナ251a、共振回路251b、コンデンサC4、コンデンサC5、ダイオードD2、ダイオードD3、コンデンサC6、およびコンデンサC7を含む。かかる構成において、アンテナ251aにより電波が受信されると、アンテナ251aから共振回路251bに交流電流が供給され、共振回路251bが当該交流電流を共振により増幅する。さらに、増幅された交流電流をダイオードD3およびコンデンサC6などからなる整流回路が整流することにより直流成分が抽出され、電力交換部251において直流電流が得られる。なお、電波受信型の場合、無線電力送信回路52は、無線通信送信回路10と同様に構成することができる。
【0039】
図6Cは、磁場共鳴型で動作する電力交換部51および電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Cに示したように、磁場共鳴型で動作する電力交換部51はコンデンサC8およびインダクタL3を含み、電力交換部251はコンデンサC9およびインダクタL4を含む。磁場共鳴型の場合、インダクタL3,L4に生じる磁場共鳴により、電力交換部251のインダクタL4に生じる電力を取得することができる。
【0040】
また、図6Dは、電場共鳴型で動作する電力交換部51および電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Dに示したように、電場共鳴型で動作する電力交換部51および電力交換部251は誘電体で構成される。
【0041】
上記の磁場共鳴型および電場共鳴型は、固有の振動数を有する振動子を2つ並べた場合に、一方に加えた振動が他方にも伝わる共鳴の原理を利用した方法である。このような磁場共鳴型および電場共鳴型は、伝送効率が高いため、数メートルの距離で数キロワット程度の電力を伝送し得る。
【0042】
次に、図7及び図8に基づいて、各ユーザ端末200,202,204の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例について説明する。図7に示すように、ユーザ端末(A)200の電力残量が「小」であり、ユーザ端末(B)202の電力残量が「大」であり、ユーザ端末(C)204の電力残量が「中」であるものとする。ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100との無線通信を利用して、電力残量が少なく、充電が必要であることをアクセスポイント100に通知する。また、図1の場合と同様に、アクセスポイント100は、各ユーザ端末200,202,204から電力状況情報を取得し、各ユーザ端末200,202,204の電力残量を把握する。
【0043】
そして、各ユーザ端末から電力状況情報を取得したアクセスポイント100は、最も電力残量の多いユーザ端末(B)202を、電力を供給する端末として指定し、ユーザ端末(A)200に対して電力を供給するよう、ユーザ端末(B)202に対して指令(無線電力供給要求)を出す。アクセスポイント100から無線電力供給要求を受けたユーザ端末(B)202は、図8に示すように、ユーザ端末(A)200に向けて無線電力を供給する。
【0044】
図9及び図10は、アクセスポイント100が存在せず、ユーザ端末200,202,204間でピコネットを形成している無線通信システム500を示している。この場合、図8に示すように、各ユーザ端末200,202,204は、相互に無線通信を行うことが可能である。電力残量が少なくなったユーザ端末(A)200は、ピコネット内の他のユーザ端末202,204に対して、各ユーザ端末202,204の電力状況情報の送信要求を行う。これにより、ユーザ端末(A)200は、ユーザ端末(B)204がAC電源300に繋がっていることを把握することができる。そして、AC電源300に繋がっていることが把握されたユーザ端末(B)204に対して、無線電力供給の要求を送る。無線電力供給の要求を受けたユーザ端末(B)202は、図10に示すように、ユーザ端末(A)200の位置を検出し、ユーザ端末(A)200に対して無線電力の供給を行う。
【0045】
また、図11及び図12は、図9及び図10と同様にユーザ端末200,202,204間でピコネットを形成している場合において、各ユーザ端末200,202,204の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を示している。この場合、電力残量が少なくなったユーザ端末(A)200は、ピコネット内の他のユーザ端末202,204に対して、各ユーザ端末202,204の電力状況情報の送信要求を行う。そして、電力状況情報を取得したユーザ端末(A)200は、最も電力残量が大きいユーザ端末(B)202を自端末への電力供給端末として選択し、ユーザ端末(B)204に無線電力供給の要求を送る。電力供給の要求を受けたユーザ端末(B)202は、図12に示すように、ユーザ端末(A)200の位置を検出し、ユーザ端末(A)に対して無線電力の供給を行う。
【0046】
図13は、各ユーザ端末のMAC70の機能構成を示すブロック図である。各ユーザ端末における無線電力供給の制御は、主としてMAC70により行われる。図13に示すように、MAC70は、電力状況情報取得部72、ユーザ端末位置取得部74、電力状況情報送信部76、電力送信指令部78、制御部79を備える。電力状況情報取得部72は、自端末に関する電力状況情報を取得する。ユーザ端末位置取得部74は、図3、図4に示す位置検出回路の出力(ユーザ位置推定情報1,2)に基づいて、ユーザ端末の位置を取得する。電力状況情報送信部76は、アクセスポイント100または他のユーザ端末に対して電力状況情報を送る。電力送信指令部78は、無線電力送信回路52による無線電力供給を行うための指令を出す。制御部79は、ユーザ端末情報、ユーザ端末位置に応じて無線電力送信回路50へ送信電力方向情報、送信電力レベル情報を送るため、送信電力方向指令部76、送信電力レベル司令部78を制御する。
【0047】
上述したように、アクセスポイント100は、ユーザ端末200,202,204と同様に構成され、ユーザ端末200,202,204のMACに対応する構成要素を備えている。図14は、アクセスポイント100のMACの機能構成を示すブロック図である。図14に示すように、アクセスポイント100のMACは、電力供給要求取得部102、電力状況情報取得部104、電力供給要求送信部106、制御部108を備える。電力供給要求取得部102は、電力残量が低下したユーザ端末から送信された電力供給要求を取得する。電力状況情報取得部104は、各ユーザ端末から送信された電力状況情報を取得する。電力供給要求送信部106は、電力状況情報に基づいて制御部108により選択された電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求を送信する。制御部108は、電力供給可能なユーザ端末を選択する。
【0048】
なお、図13及び図14に示す機能ブロックは、ハードウェア、又は演算処理部(CPU)とこれを機能させるソフトウエア(プログラム)によって構成することができる。これらの機能ブロックを演算処理部とソフトウエアによって構成した場合、そのプログラムは、各ユーザ端末200,202,204、またはアクセスポイント100が備えるメモリ等の記録媒体に格納されることができる。以下に説明する処理は、MACが備える機能ブロックにより実現されることができる。
【0049】
次に、本実施形態の無線通信システム500における処理について説明する。図15は、図1及び図2で説明したように、アクセスポイント100がユーザ端末に対して電力供給要求を出す場合の処理を示すフローチャートである。
【0050】
先ず、ステップS11では、ユーザ端末(A)200が、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。ここでは、ユーザ端末(A)200は、電力残量に基づいて、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。
【0051】
ステップS11で無線電力提供を要求する必要があると判断した場合は、ステップS12へ進み、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100に対して電力供給要求を送信する。また、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100に対して位置推定用信号を送信する。一方、ステップS11で無線電力提供を要求する必要がないと判断した場合は、ステップS15へ進み、無線通信のみを継続する。
【0052】
アクセスポイント100は、ステップS21において、ユーザ端末(A)200から送信された電力供給要求、位置推定用信号を受信する。次のステップS22では、ユーザ端末(A)200の付近のユーザ端末に対して、電力状況情報の送信要求信号を送信する。
【0053】
ユーザ端末(B)202は、ステップS31において、アクセスポイント100から送られた電力状況情報の送信要求信号を受信する。次のステップS32では、電力状況情報をアクセスポイント100に対して送信する。
【0054】
アクセスポイント100は、ステップS23において、ユーザ端末(B)202から送られた電力状況情報を受信する。また、ステップS23では、電力状況情報の送信要求信号を受信した他のユーザ端末からも電力状況情報を受信する。そして、次のステップS24では、受信した電力状況情報に基づいて、電力供給可能なユーザ端末が存在しているか否かを判定する。ここでは、電力残量が多いユーザ端末、またはAC電源300に接続されているユーザ端末を電力供給可能なユーザ端末と判定する。
【0055】
アクセスポイント100は、ステップS24で電力供給可能なユーザ端末が存在していると判断した場合は、ステップS25へ進み、電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求を送信する。その後、ステップS26では、ユーザ端末(B)202に対してユーザ端末(A)200の位置情報を送信する。ここで、ユーザ端末(A)200の位置情報は、ステップS21で受信した位置推定用信号に基づいて、図3、図4の位置検出回路により検出される。一方、ステップS24で電力供給可能なユーザ端末が存在していないと判断した場合は、ステップS27へ進み、ユーザ端末(A)200に対して電力供給拒否信号を送信する。
【0056】
ユーザ端末(B)202は、ステップS33において、アクセスポイント100から送られた電力供給要求を受信する。次のステップS34では、アクセスポイント100からユーザ端末(A)200の位置情報を受信する。そして、次のステップS35では、ユーザ端末(A)200に対して無線電力を供給する。この際、ユーザ端末(B)202は、ユーザ端末(A)200の位置情報に基づいて、電力供給の指向性をユーザ端末(A)200に向けることができる。
【0057】
ユーザ端末(A)200は、ステップS13において、アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信しているか否かを判定する。アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信していない場合は、ステップS14へ進み、無線通信ネットワークを介して無線通信を行うとともに、ユーザ端末(B)202から無線で電力の供給を受ける。一方、電力供給拒否信号を受信している場合は、ステップS15へ進み、電力供給を受けることなく無線通信のみを継続する。
【0058】
図16は、図15と同様に、アクセスポイント100がユーザ端末に対して電力供給要求を出す場合の処理を示すフローチャートであって、電力を供給するユーザ端末(B)202が、自身で電力供給先のユーザ端末(A)200の位置を検出する処理を示している。
【0059】
先ず、ステップS41では、ユーザ端末(A)200が、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。ユーザ端末(A)200は、電力残量に基づいて、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。
【0060】
ステップS41で無線電力提供を要求する必要があると判断した場合は、ステップS42へ進み、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100に対して電力供給要求を送信する。一方、ステップS41で無線電力提供を要求する必要がないと判断した場合は、ステップS47へ進み、無線通信のみを継続する。
【0061】
アクセスポイント100は、ステップS51において、ユーザ端末(A)200から送信された電力供給要求を受信する。次のステップS52では、ユーザ端末(A)200の付近のユーザ端末に対して、電力状況情報の送信要求信号を送信する。
【0062】
ユーザ端末(B)202は、ステップS61において、アクセスポイント100から送られた電力状況情報の送信要求信号を受信する。次のステップS62では、電力状況情報をアクセスポイント100に対して送信する。
【0063】
アクセスポイント100は、ステップS53において、ユーザ端末(B)202から送られた電力状況情報を受信する。また、ステップS53では、電力状況情報の送信要求信号を送信した他のユーザ端末からも電力状況情報を受信する。そして、次のステップS54では、電力状況情報に基づいて、電力供給可能なユーザ端末が存在しているか否かを判定する。
【0064】
アクセスポイント100は、ステップS54で電力供給可能なユーザ端末が存在していると判断した場合は、ステップS55へ進み、電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求を送信する。このとき、アクセスポイント100は、電力供給要求を送信しているユーザ端末(A)200を特定する端末特定情報を電力供給要求とともに送信する。一方、ステップS54で電力供給可能なユーザ端末が存在していないと判断した場合は、ステップS56へ進み、ユーザ端末(A)200に対して電力供給拒否信号を送信する。
【0065】
ユーザ端末(A)200は、ステップS43において、アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信しているか否かを判定する。アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信していない場合は、ステップS44へ進み、位置推定用信号をユーザ端末(B)202へ送信する。一方、電力供給拒否信号を受信している場合は、ステップS47へ進み、無線通信のみを継続する。
【0066】
ユーザ端末(B)202は、ステップS63において、アクセスポイント100から送られた電力供給要求を受信する。次のステップS64では、ユーザ端末(A)200から位置推定用信号を受信する。ユーザ端末(B)202は、アクセスポイント100から受信した端末特定情報に基づいて、位置推定信号がユーザ端末(A)200から送信されたことを認識できる。そして、次のステップS65では、ユーザ端末(A)200に対して無線電力を供給する。
【0067】
ユーザ端末(A)200は、ステップS45において、ネットワークを介して無線通信を行うとともに、ユーザ端末(B)202から無線で電力の供給を受ける。
【0068】
図17は、アクセスポイント100が存在せず、ユーザ端末200,202,204間でピコネットを形成している場合の処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS71では、ユーザ端末(A)200が、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。ユーザ端末(A)200は、電力残量に基づいて、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。
【0069】
ユーザ端末(A)200は、ステップS71で無線電力提供を要求する必要があると判断した場合は、ステップS72へ進み、電力状況情報の送信要求信号を他のユーザ端末(ここでではユーザ端末(B)202を例示する)へ送信する。一方、ステップS71で無線電力提供を要求する必要がないと判断した場合は、ステップS77へ進み、無線通信のみを継続して行う。
【0070】
ユーザ端末(B)202は、ステップS81で電力状況情報の送信要求信号を受信すると、次のステップS82において、ユーザ端末(A)200に対して電力状況情報を送信する。
【0071】
ユーザ端末(A)200は、ステップS73でユーザ端末(B)202から送られた電力状況情報を受信する。また、ステップS73では、他のユーザ端末から送られた電力状況情報も受信する。そして、次のステップS74では、各ユーザ端末から送られた電力状況情報に基づいて、電力供給可能なユーザ端末が存在しているか否かを判定する。ユーザ端末(A)200は、ステップS74で電力供給可能なユーザ端末が存在していると判断した場合は、ステップS75へ進み、電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求と位置推定用信号を送信する。
【0072】
ユーザ端末(B)202は、ステップS83において、ユーザ端末(A)200から送られた電力供給要求と位置推定用信号を受信する。そして、次のステップS84では、ユーザ端末(A)200に対して無線で電力を供給する。
【0073】
ユーザ端末(A)200は、ステップS76において、無線通信を行うとともに、ユーザ端末(B)202から無線で電力の供給を受ける。
【0074】
以上説明したように本実施形態によれば、ユーザ端末から他のユーザ端末へ無線電力を供給することが可能となる。従って、電力提供が可能なユーザ端末から電力残量が低下しているユーザ端末に対して電力を供給することで、システム内の任意のユーザ端末の電力が低下してしまうことを確実に抑止できる。これにより、例えば会議室での複数のユーザ端末が使用される場合において、AC電源300に接続されたユーザ端末から他のユーザ端末への電力供給が可能となり、ユーザ端末がAC電源300に接続されているか否かに関わらず、会議室内の全てのユーザ端末について電力低下を抑えることが可能となる。
【0075】
また、ユーザ端末ごとのバッテリーの使用時間に関わらず、バッテリー容量の小さいユーザ端末はバッテリー容量の大きいユーザ端末から電力の供給を受けることで、ネットワーク内の特定のユーザ端末のみが電力残量低下により使用不能となるなることを確実に抑止できる。また、事前に確立している無線通信ネットワークを利用できるため、電力状況や端末位置を把握することで、追加するシステムを低減できる。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態にかかる無線通信システムの構成を示す模式図である。
【図2】各ユーザ端末の構成を示す模式図である。
【図3】ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の一例を示す模式図である。
【図4】ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の他の例を示す模式図である。
【図5】アクセスポイントから無線電力を供給する旨の要求を受けたユーザ端末(B)がユーザ端末(A)に向けて無線電力を供給している様子を示す模式図である。
【図6A】電磁誘導型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図6B】電波受信型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図6C】磁場共鳴型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図6D】電場共鳴型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図7】各ユーザ端末の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を説明するための模式図である。
【図8】各ユーザ端末の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を説明するための模式図である。
【図9】アクセスポイントが存在せず、ユーザ端末間でピコネットを形成している無線通信システムを示す模式図である。
【図10】アクセスポイントが存在せず、ユーザ端末間でピコネットを形成している無線通信システムにおいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を説明するための模式図である。
【図11】ユーザ端末間でピコネットを形成している場合において、各ユーザ端末の電力残量に基づいて電力供給を行うユーザ端末を決定する例を示す模式図である。
【図12】ユーザ端末間でピコネットを形成している場合において、各ユーザ端末の電力残量に基づいて電力供給を行うユーザ端末を決定する例を示す模式図である。
【図13】各ユーザ端末のMACの機能構成を示すブロック図である。
【図14】アクセスポイントのMACの機能構成を示すブロック図である。
【図15】アクセスポイントがユーザ端末に対して電力供給要求を出す場合の処理を示すフローチャートである。
【図16】電力を供給するユーザ端末(B)が、自身で電力供給先のユーザ端末(A)の位置を検出する場合の処理を示すフローチャートである。
【図17】アクセスポイントが存在せず、ユーザ端末間でピコネットを形成している場合の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 無線通信送信回路
30 無線通信受信回路
50 無線電力供給回路
72 電力状況情報取得部
100 アクセスポイント
200,202,204 ユーザ端末
102 電力供給要求取得部
104 電力状況取得部
106 電力供給要求送信部
79,108 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時においては、無線で電力を伝送することが可能な無線送電装置が提案されており、無線送電装置の一例は例えば下記の特許文献1に記載されている。より詳細には、特許文献1に記載されている無線送電装置は、電力伝送の効率化を図ることを目的とし、受電装置による電力の受電結果に応じた画面を表示する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−238548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した無線電力伝送では、ネットワーク内の複数の端末において、各端末のそれぞれで電力残量が相違してしまう事態が生じてしまう。例えば無線電力を供給する供給装置に近接した端末は、電力が十分に供給されるため、長時間の使用が可能である。一方、供給装置から離れた端末は、電力供給が不十分になり、長時間使用できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線通信ネットワーク内の複数の端末に確実に電力を供給することが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う無線通信部と、自装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、を備える、無線通信装置が提供される。
【0007】
また、自装置の電力残量を取得する電力残量取得部と、前記電力残量が所定値以下の場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置に前記電力供給要求を送信するものであってもよい。
【0008】
また、前記所定の条件は、自装置が電源に接続されていることを示す条件、または自装置の電力残量が所定値以上であることを示す条件であってもよい。
【0009】
また、前記無線通信部は、無線通信ネットワークのアクセスポイントを介して、他装置から送信された前記電力供給要求を受信するものであってもよい。
【0010】
また、前記無線通信部は、前記自装置の電力状況を前記アクセスポイントに送信し、前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記アクセスポイントにより判断されるものであってもよい。
【0011】
また、前記無線通信部は、無線通信ネットワークを介して接続された他装置から前記電力供給要求を受信するとともに、前記自装置の電力状況を当該他装置に送信し、前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記電力供給要求を送信した他装置により判断されるものであってもよい。
【0012】
また、前記電力供給部により電力を供給する他装置の位置を取得する位置取得部を備え、前記電力供給部は、前記他装置の位置に基づいて電力を供給するものであってもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された任意の端末装置から電力供給要求を取得する電力供給要求取得部と、他の端末装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、前記電力状況に基づいて、電力供給が可能な端末装置に前記電力供給要求を送信する電力供給要求送信部と、を有する、無線通信装置と、前記電力状況を前記無線通信装置に送信する電力状況送信部と、前記電力供給要求を受信する電力供給要求受信部と、前記電力供給要求に応じて、前記電力供給要求を前記無線通信装置へ送信した前記任意の端末装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、を有する前記端末装置と、を備える、無線通信システムが提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行うステップと、自装置の電力状況を取得するステップと、前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給するステップと、を備える、無線通信方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う手段、自装置の電力状況を取得する手段、記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、無線通信ネットワーク内の複数の端末に確実に電力を供給することが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態にかかる無線通信システム500の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置としてのアクセスポイント100と、複数の携帯端末(ユーザ端末(A)200、ユーザ端末(B)202、ユーザ端末(C)204)とから構成されている。アクセスポイント100と各ユーザ端末200,202,204とは、無線通信ネットワークにより互いに通信可能に接続されている。アクセスポイント100及び各ユーザ端末200,202,204は、例えばUWBのMB−OFDM方式に対応した無線通信装置である。
【0019】
本実施形態の無線通信システム500において、各ユーザ端末は、後述する手法により他のユーザ端末に対して電力を供給可能に構成されている。図2は、各ユーザ端末200,202,204の構成を示す模式図である。各ユーザ端末200,202,204は、アクセスポイント100と無線通信を行い、アクセスポイント100に対して電力状況情報を送信する。アクセスポイント100は、各ユーザ端末から送信された電力状況情報を受信する。ここで、電力状況情報には、各ユーザ端末の電力残量情報(電池残量情報)、およびAC電源500に接続されているか否かの情報(AC電源接続情報)が含まれる。そして、アクセスポイント100は、電力残量が少なく、電力を供給すべきユーザ端末が存在する場合、そのユーザ端末の位置検出を行い、無線で電力を供給するよう他のユーザ端末に指示する。このため、図2に示すように、各ユーザ端末200,202,204は、無線通信送信回路10、無線通信受信回路30、無線電力受信回路50、無線電力送信回路52を備えている。
【0020】
無線通信送信回路10は、エンコーダ12、インターリーバ14、マッパー16、IFFT18、DA変換回路(DAC)20、RF回路22、を有している。また、無線通信受信回路30は、RF回路32、AD変換回路(ADC)34、FFT36、チャネル補正部(Channel Compensation)38、デマッパー40、デインターリーバ42、デコーダ44、を有している。
【0021】
また、各ユーザ端末200,202,204は、送受信切換部60、MAC(データリンク層)70、アンテナ80,82,84を備えている。送受信切換部60は、RF回路22,32とアンテナ80の間に接続され、送受信を切り換える機能を有している。MAC70は、ユーザ端末の制御部として機能し、無線通信送信回路10から送信する送信データの生成、無線通信受信回路30で受信した受信データの取得を行う。また、後述するように、MAC70は、他のユーザ端末から取得した電力状況情報に応じて無線電力送信回路52による無線電力送信を制御する。
【0022】
無線通信送信回路10では、MAC70から送られた送信データがエンコーダ12で符号化され、インターリーバ14でインターリーブされる。インターリーブされた送信データは、マッパー16で周波数マッピングが行われ、IFFT18で逆高速フーリエ変換される。IFFT18の出力は、DA変換回路20でアナログ信号に変換され、RF回路22にてアップコンバージョンされて、アンテナ80から送信される。
【0023】
無線通信受信回路10では、アンテナ80で受信された信号がRF回路32で変調され、AD変換回路34でアナログ信号に変換される。アナログ信号はFFT36により高速フーリエ変換されて、チャネル補正部38に送られる。チャネル補正部38は、受信信号のチャネルを補正する処理を行う。チャネル補正部38により補正された信号は、デマッパー40に送られ、周波数デマッピングが行われる。デマッピングされた信号は、デインターリーバ42に送られる。デインターリーバ42では、インターリーブされている受信信号を元に戻す処理を行う。デインターリーバ42から出力された受信信号は、デコーダ44に送られ、デコードが行われる。デコーダ44からの出力は、MAC70に送られる。
【0024】
各ユーザ端末200,202,204は、MUSICなどに代表される到来方向推定アルゴリズムや、相関器を用いた測距システム、複数のアクセスポイントを用いた3点測位方法などの手法により他のユーザ端末の位置を検出する。
【0025】
図3は、ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の一例を示す模式図であって、相関器を用いた測距システムにより位置を検出する回路の例を示している。図3に示すように、位置検出回路は、相互相関器46を有して構成される。相互相関器46による位置検出では、アクセスポイント100の受信側で事前に保持する相関信号と、送信側が送信してきた信号との相互相関を取り、相関ピークを検出することでユーザ端末への距離、方向を測定する。例えば、相互相関器46は、受信信号が直列に入力される複数のシフトレジスタを含み、各シフトレジスタの出力と事前に保持する相関信号との相互相関をとることで、送受信器間の距離、方向を検出できる。位置検出回路は、アナログ回路、デジタル回路のいずれでも構成できる。相互相関器46をアナログ回路で構成した場合は、図2に示すように、RF回路32の後段に相互相関器46が配置され、相互相関器46で検出されたユーザ端末の位置情報は、ユーザ位置推定情報1としてMAC70に送られる。
【0026】
また、図4は、ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の他の例を示す模式図であって、到来方向推定アルゴリズムにより位置を検出する回路の例を示している。図4に示す位置検出回路を用いる場合は、アンテナ80として複数のアンテナ80a〜80cが設けられる。また、RF回路32、AD変換回路34、FFT36として、複数のRF回路32a〜32c、複数のAD変換回路34a〜34c、および複数のFFT36a〜36cが設けられる。FFT36a〜36cの出力は、到来方向推定アルゴリズム処理部48へ入力される。図4に示す位置検出回路は、複数のアンテナ80a〜80cで受信した信号の位相差や振幅差を用いて、到来方向推定アルゴリズム処理部48で処理をすることにより、到来方向推定を行う。到来方向推定アルゴリズムとしてはアダプティブアレーアンテナで一般的に用いられるMUSIC(Multiple Signal Classification)などを使用することができる。到来方向推定アルゴリズム処理部48は、デジタル回路で構成されるため、図1のチャネル補正部38に組み込むことができる。到来方向推定アルゴリズム処理部48で検出されたユーザ端末の位置情報は、ユーザ位置推定情報2としてMAC70に送られる。
【0027】
無線電力受信回路50は、アンテナ82を介して他のユーザ端末から電力の供給を受ける。無線電力受信回路50は、電源回路54に接続され、他のユーザ端末から供給された電力は電源回路54に蓄積される。電源回路54は、乾電池のような直流電源、または商用電源のような交流電源などを用いて、入力電力から出力電力を生成する回路である。無線電力受信回路50に供給された電力は電源回路54に蓄積されるか、または電源回路254に蓄積されずにそのまま回路動作に利用される。
【0028】
無線電力送信回路54は、他のユーザ端末に対して電力を供給する回路である。このため、無線電力送信回路54は、電源回路52に接続され、電源回路52から他のユーザ端末に送信する電力を受ける。また、無線電力送信回路54は、各ユーザ端末に電力を送信するためのアンテナ84に接続されている。
【0029】
無線電力受信回路50は、MAC70に対して受信レベル情報を送信する。また、電源回路52は、MAC70に対して電力残量情報、AC電源接続情報を送信する。MAC70は、受信レベル情報、電力残量情報、AC電源接続情報等の情報を無線通信送信回路10から他のユーザ端末へ送信する。これにより、他のユーザ端末は、これらの情報に応じて電力の供給を制御することができる。従って、各ユーザ端末は、他のユーザ端末から受信した受信レベル情報に応じてアンテナ84の指向性を変化させたり、送信電力レベルを制御することが可能となる。また、後述するように、各ユーザ端末は、電力残量情報、AC電源接続情報に応じて電力供給を行うか否かを決定することができる。
【0030】
各ユーザ端末200,202,204と通信を行うアクセスポイント100は、各ユーザ端末と同様に構成された、無線通信送信回路10、無線通信受信回路30、送受信切換部60、MAC(データリンク層)70、アンテナ80を備えている。一方、アクセスポイント100は、ユーザ端末との間で電力の受け渡しを行わないため、無線電力受信回路50、無線電力送信回路52、アンテナ80,82は備えていない。
【0031】
図1は、アクセスポイント100と各ユーザ端末200,202,204とが、無線通信可能に接続された状態を示している。図1では、ユーザ端末(A)200への充電が必要な程度まで、ユーザ端末200の電力残量が低下しているものとする。このとき、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100との無線通信を利用して、電力残量が少ないこと、電力の供給を受ける必要があることをアクセスポイント100に通知する。
【0032】
アクセスポイント100は、無線通信ネットワークで接続している全てのユーザ端末の電力状況を把握するために、各ユーザ端末に電力状況情報の送信要求を送る。これに対し、各ユーザ端末は、アクセスポイント100に対して電力状況情報を送信する。
【0033】
図1の例では、ユーザ端末(B)202はAC電源300に接続されている。このため、ユーザ端末(B)202からアクセスポイント100に対して、電力残量情報とともに、AC電源300に接続されている旨のAC電源接続情報が送られる。
【0034】
アクセスポイント100は、各ユーザ端末の電力状況情報を取得すると、ユーザ端末(B)202がAC電源に接続されていることを把握し、ユーザ端末(B)202に対して、ユーザ端末(A)200へ無線電力を供給する要求を送信する。ユーザ端末(B)202は、アクセスポイント100からの要求を受けると、上述した位置検出回路により、ユーザ端末(A)200の位置を把握する。また、上述したように、アクセスポイント100は無線通信送信回路10、無線通信受信回路30と同一の構成を備えているため、電力を供給すべきユーザ端末(A)200の位置を検出することができる。従って、アクセスポイント100がユーザ端末(A)200の位置を検出し、検出した位置情報をユーザ端末(B)202へ送信することもできる。
【0035】
アクセスポイント100から無線電力を供給する旨の要求を受けたユーザ端末(B)202は、図5に示すように、ユーザ端末(A)200に向けて無線電力を供給する。図5では、有効的に無線電力を供給するために、ユーザ端末200の方向に無線電力を供給する指向性を付けているが、指向性を向けることなく電力供給を行うことも可能である。指向性を付ける場合は、電力を供給するアンテナ84をフェーズドアレーアンテナのような電子的制御アンテナ、またはアンテナ方向を機械的に制御可能なアンテナから構成し、ユーザ端末の位置情報に基づいて、無線電力送信回路50により指向性を制御する。
【0036】
次に、ユーザ端末の無線電力送信回路52から他のユーザ端末の無線電力受信回路50へ電力を供給する手法について説明する。無線電力送信部52は、電磁誘導型、電波受信型、磁場共鳴型、電場共鳴型などの動作原理に従って動作する電力交換部51を含む。また、無線電力受信部50は、これらの原理に従って動作する電力交換部251を含む。以下では、図6A〜6Dに基づいて、各動作原理に従って動作する電力交換部51、電力交換部251の構成を具体的に説明する。
【0037】
図6Aは、電磁誘導型で動作する電力交換部51および電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Aに示したように、電磁誘導型で動作する電力交換部51は、交流電流源V、コンデンサC1、およびインダクタL1を含み、電力交換部251は、インダクタL2、コンデンサC2、コンデンサC3、およびダイオードD1を含む。かかる構成において、交流電流源Vから交流電流が出力されると、インダクタL1に交流電流が流れ、インダクタL1の周囲に磁束が生じる。そして、当該磁束によりインダクタL2に流れる交流電流をダイオードD1およびコンデンサC3が整流し、電力交換部251において直流電流が得られる。
【0038】
図6Bは、電波受信型で動作する電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Bに示したように、電波受信型で動作する電力交換部251は、アンテナ251a、共振回路251b、コンデンサC4、コンデンサC5、ダイオードD2、ダイオードD3、コンデンサC6、およびコンデンサC7を含む。かかる構成において、アンテナ251aにより電波が受信されると、アンテナ251aから共振回路251bに交流電流が供給され、共振回路251bが当該交流電流を共振により増幅する。さらに、増幅された交流電流をダイオードD3およびコンデンサC6などからなる整流回路が整流することにより直流成分が抽出され、電力交換部251において直流電流が得られる。なお、電波受信型の場合、無線電力送信回路52は、無線通信送信回路10と同様に構成することができる。
【0039】
図6Cは、磁場共鳴型で動作する電力交換部51および電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Cに示したように、磁場共鳴型で動作する電力交換部51はコンデンサC8およびインダクタL3を含み、電力交換部251はコンデンサC9およびインダクタL4を含む。磁場共鳴型の場合、インダクタL3,L4に生じる磁場共鳴により、電力交換部251のインダクタL4に生じる電力を取得することができる。
【0040】
また、図6Dは、電場共鳴型で動作する電力交換部51および電力交換部251の構成を示した説明図である。図6Dに示したように、電場共鳴型で動作する電力交換部51および電力交換部251は誘電体で構成される。
【0041】
上記の磁場共鳴型および電場共鳴型は、固有の振動数を有する振動子を2つ並べた場合に、一方に加えた振動が他方にも伝わる共鳴の原理を利用した方法である。このような磁場共鳴型および電場共鳴型は、伝送効率が高いため、数メートルの距離で数キロワット程度の電力を伝送し得る。
【0042】
次に、図7及び図8に基づいて、各ユーザ端末200,202,204の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例について説明する。図7に示すように、ユーザ端末(A)200の電力残量が「小」であり、ユーザ端末(B)202の電力残量が「大」であり、ユーザ端末(C)204の電力残量が「中」であるものとする。ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100との無線通信を利用して、電力残量が少なく、充電が必要であることをアクセスポイント100に通知する。また、図1の場合と同様に、アクセスポイント100は、各ユーザ端末200,202,204から電力状況情報を取得し、各ユーザ端末200,202,204の電力残量を把握する。
【0043】
そして、各ユーザ端末から電力状況情報を取得したアクセスポイント100は、最も電力残量の多いユーザ端末(B)202を、電力を供給する端末として指定し、ユーザ端末(A)200に対して電力を供給するよう、ユーザ端末(B)202に対して指令(無線電力供給要求)を出す。アクセスポイント100から無線電力供給要求を受けたユーザ端末(B)202は、図8に示すように、ユーザ端末(A)200に向けて無線電力を供給する。
【0044】
図9及び図10は、アクセスポイント100が存在せず、ユーザ端末200,202,204間でピコネットを形成している無線通信システム500を示している。この場合、図8に示すように、各ユーザ端末200,202,204は、相互に無線通信を行うことが可能である。電力残量が少なくなったユーザ端末(A)200は、ピコネット内の他のユーザ端末202,204に対して、各ユーザ端末202,204の電力状況情報の送信要求を行う。これにより、ユーザ端末(A)200は、ユーザ端末(B)204がAC電源300に繋がっていることを把握することができる。そして、AC電源300に繋がっていることが把握されたユーザ端末(B)204に対して、無線電力供給の要求を送る。無線電力供給の要求を受けたユーザ端末(B)202は、図10に示すように、ユーザ端末(A)200の位置を検出し、ユーザ端末(A)200に対して無線電力の供給を行う。
【0045】
また、図11及び図12は、図9及び図10と同様にユーザ端末200,202,204間でピコネットを形成している場合において、各ユーザ端末200,202,204の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を示している。この場合、電力残量が少なくなったユーザ端末(A)200は、ピコネット内の他のユーザ端末202,204に対して、各ユーザ端末202,204の電力状況情報の送信要求を行う。そして、電力状況情報を取得したユーザ端末(A)200は、最も電力残量が大きいユーザ端末(B)202を自端末への電力供給端末として選択し、ユーザ端末(B)204に無線電力供給の要求を送る。電力供給の要求を受けたユーザ端末(B)202は、図12に示すように、ユーザ端末(A)200の位置を検出し、ユーザ端末(A)に対して無線電力の供給を行う。
【0046】
図13は、各ユーザ端末のMAC70の機能構成を示すブロック図である。各ユーザ端末における無線電力供給の制御は、主としてMAC70により行われる。図13に示すように、MAC70は、電力状況情報取得部72、ユーザ端末位置取得部74、電力状況情報送信部76、電力送信指令部78、制御部79を備える。電力状況情報取得部72は、自端末に関する電力状況情報を取得する。ユーザ端末位置取得部74は、図3、図4に示す位置検出回路の出力(ユーザ位置推定情報1,2)に基づいて、ユーザ端末の位置を取得する。電力状況情報送信部76は、アクセスポイント100または他のユーザ端末に対して電力状況情報を送る。電力送信指令部78は、無線電力送信回路52による無線電力供給を行うための指令を出す。制御部79は、ユーザ端末情報、ユーザ端末位置に応じて無線電力送信回路50へ送信電力方向情報、送信電力レベル情報を送るため、送信電力方向指令部76、送信電力レベル司令部78を制御する。
【0047】
上述したように、アクセスポイント100は、ユーザ端末200,202,204と同様に構成され、ユーザ端末200,202,204のMACに対応する構成要素を備えている。図14は、アクセスポイント100のMACの機能構成を示すブロック図である。図14に示すように、アクセスポイント100のMACは、電力供給要求取得部102、電力状況情報取得部104、電力供給要求送信部106、制御部108を備える。電力供給要求取得部102は、電力残量が低下したユーザ端末から送信された電力供給要求を取得する。電力状況情報取得部104は、各ユーザ端末から送信された電力状況情報を取得する。電力供給要求送信部106は、電力状況情報に基づいて制御部108により選択された電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求を送信する。制御部108は、電力供給可能なユーザ端末を選択する。
【0048】
なお、図13及び図14に示す機能ブロックは、ハードウェア、又は演算処理部(CPU)とこれを機能させるソフトウエア(プログラム)によって構成することができる。これらの機能ブロックを演算処理部とソフトウエアによって構成した場合、そのプログラムは、各ユーザ端末200,202,204、またはアクセスポイント100が備えるメモリ等の記録媒体に格納されることができる。以下に説明する処理は、MACが備える機能ブロックにより実現されることができる。
【0049】
次に、本実施形態の無線通信システム500における処理について説明する。図15は、図1及び図2で説明したように、アクセスポイント100がユーザ端末に対して電力供給要求を出す場合の処理を示すフローチャートである。
【0050】
先ず、ステップS11では、ユーザ端末(A)200が、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。ここでは、ユーザ端末(A)200は、電力残量に基づいて、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。
【0051】
ステップS11で無線電力提供を要求する必要があると判断した場合は、ステップS12へ進み、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100に対して電力供給要求を送信する。また、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100に対して位置推定用信号を送信する。一方、ステップS11で無線電力提供を要求する必要がないと判断した場合は、ステップS15へ進み、無線通信のみを継続する。
【0052】
アクセスポイント100は、ステップS21において、ユーザ端末(A)200から送信された電力供給要求、位置推定用信号を受信する。次のステップS22では、ユーザ端末(A)200の付近のユーザ端末に対して、電力状況情報の送信要求信号を送信する。
【0053】
ユーザ端末(B)202は、ステップS31において、アクセスポイント100から送られた電力状況情報の送信要求信号を受信する。次のステップS32では、電力状況情報をアクセスポイント100に対して送信する。
【0054】
アクセスポイント100は、ステップS23において、ユーザ端末(B)202から送られた電力状況情報を受信する。また、ステップS23では、電力状況情報の送信要求信号を受信した他のユーザ端末からも電力状況情報を受信する。そして、次のステップS24では、受信した電力状況情報に基づいて、電力供給可能なユーザ端末が存在しているか否かを判定する。ここでは、電力残量が多いユーザ端末、またはAC電源300に接続されているユーザ端末を電力供給可能なユーザ端末と判定する。
【0055】
アクセスポイント100は、ステップS24で電力供給可能なユーザ端末が存在していると判断した場合は、ステップS25へ進み、電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求を送信する。その後、ステップS26では、ユーザ端末(B)202に対してユーザ端末(A)200の位置情報を送信する。ここで、ユーザ端末(A)200の位置情報は、ステップS21で受信した位置推定用信号に基づいて、図3、図4の位置検出回路により検出される。一方、ステップS24で電力供給可能なユーザ端末が存在していないと判断した場合は、ステップS27へ進み、ユーザ端末(A)200に対して電力供給拒否信号を送信する。
【0056】
ユーザ端末(B)202は、ステップS33において、アクセスポイント100から送られた電力供給要求を受信する。次のステップS34では、アクセスポイント100からユーザ端末(A)200の位置情報を受信する。そして、次のステップS35では、ユーザ端末(A)200に対して無線電力を供給する。この際、ユーザ端末(B)202は、ユーザ端末(A)200の位置情報に基づいて、電力供給の指向性をユーザ端末(A)200に向けることができる。
【0057】
ユーザ端末(A)200は、ステップS13において、アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信しているか否かを判定する。アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信していない場合は、ステップS14へ進み、無線通信ネットワークを介して無線通信を行うとともに、ユーザ端末(B)202から無線で電力の供給を受ける。一方、電力供給拒否信号を受信している場合は、ステップS15へ進み、電力供給を受けることなく無線通信のみを継続する。
【0058】
図16は、図15と同様に、アクセスポイント100がユーザ端末に対して電力供給要求を出す場合の処理を示すフローチャートであって、電力を供給するユーザ端末(B)202が、自身で電力供給先のユーザ端末(A)200の位置を検出する処理を示している。
【0059】
先ず、ステップS41では、ユーザ端末(A)200が、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。ユーザ端末(A)200は、電力残量に基づいて、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。
【0060】
ステップS41で無線電力提供を要求する必要があると判断した場合は、ステップS42へ進み、ユーザ端末(A)200は、アクセスポイント100に対して電力供給要求を送信する。一方、ステップS41で無線電力提供を要求する必要がないと判断した場合は、ステップS47へ進み、無線通信のみを継続する。
【0061】
アクセスポイント100は、ステップS51において、ユーザ端末(A)200から送信された電力供給要求を受信する。次のステップS52では、ユーザ端末(A)200の付近のユーザ端末に対して、電力状況情報の送信要求信号を送信する。
【0062】
ユーザ端末(B)202は、ステップS61において、アクセスポイント100から送られた電力状況情報の送信要求信号を受信する。次のステップS62では、電力状況情報をアクセスポイント100に対して送信する。
【0063】
アクセスポイント100は、ステップS53において、ユーザ端末(B)202から送られた電力状況情報を受信する。また、ステップS53では、電力状況情報の送信要求信号を送信した他のユーザ端末からも電力状況情報を受信する。そして、次のステップS54では、電力状況情報に基づいて、電力供給可能なユーザ端末が存在しているか否かを判定する。
【0064】
アクセスポイント100は、ステップS54で電力供給可能なユーザ端末が存在していると判断した場合は、ステップS55へ進み、電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求を送信する。このとき、アクセスポイント100は、電力供給要求を送信しているユーザ端末(A)200を特定する端末特定情報を電力供給要求とともに送信する。一方、ステップS54で電力供給可能なユーザ端末が存在していないと判断した場合は、ステップS56へ進み、ユーザ端末(A)200に対して電力供給拒否信号を送信する。
【0065】
ユーザ端末(A)200は、ステップS43において、アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信しているか否かを判定する。アクセスポイント100から送られた電力供給拒否信号を受信していない場合は、ステップS44へ進み、位置推定用信号をユーザ端末(B)202へ送信する。一方、電力供給拒否信号を受信している場合は、ステップS47へ進み、無線通信のみを継続する。
【0066】
ユーザ端末(B)202は、ステップS63において、アクセスポイント100から送られた電力供給要求を受信する。次のステップS64では、ユーザ端末(A)200から位置推定用信号を受信する。ユーザ端末(B)202は、アクセスポイント100から受信した端末特定情報に基づいて、位置推定信号がユーザ端末(A)200から送信されたことを認識できる。そして、次のステップS65では、ユーザ端末(A)200に対して無線電力を供給する。
【0067】
ユーザ端末(A)200は、ステップS45において、ネットワークを介して無線通信を行うとともに、ユーザ端末(B)202から無線で電力の供給を受ける。
【0068】
図17は、アクセスポイント100が存在せず、ユーザ端末200,202,204間でピコネットを形成している場合の処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS71では、ユーザ端末(A)200が、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。ユーザ端末(A)200は、電力残量に基づいて、無線電力提供を要求する必要があるか否かを判定する。
【0069】
ユーザ端末(A)200は、ステップS71で無線電力提供を要求する必要があると判断した場合は、ステップS72へ進み、電力状況情報の送信要求信号を他のユーザ端末(ここでではユーザ端末(B)202を例示する)へ送信する。一方、ステップS71で無線電力提供を要求する必要がないと判断した場合は、ステップS77へ進み、無線通信のみを継続して行う。
【0070】
ユーザ端末(B)202は、ステップS81で電力状況情報の送信要求信号を受信すると、次のステップS82において、ユーザ端末(A)200に対して電力状況情報を送信する。
【0071】
ユーザ端末(A)200は、ステップS73でユーザ端末(B)202から送られた電力状況情報を受信する。また、ステップS73では、他のユーザ端末から送られた電力状況情報も受信する。そして、次のステップS74では、各ユーザ端末から送られた電力状況情報に基づいて、電力供給可能なユーザ端末が存在しているか否かを判定する。ユーザ端末(A)200は、ステップS74で電力供給可能なユーザ端末が存在していると判断した場合は、ステップS75へ進み、電力供給可能なユーザ端末に対して、電力供給要求と位置推定用信号を送信する。
【0072】
ユーザ端末(B)202は、ステップS83において、ユーザ端末(A)200から送られた電力供給要求と位置推定用信号を受信する。そして、次のステップS84では、ユーザ端末(A)200に対して無線で電力を供給する。
【0073】
ユーザ端末(A)200は、ステップS76において、無線通信を行うとともに、ユーザ端末(B)202から無線で電力の供給を受ける。
【0074】
以上説明したように本実施形態によれば、ユーザ端末から他のユーザ端末へ無線電力を供給することが可能となる。従って、電力提供が可能なユーザ端末から電力残量が低下しているユーザ端末に対して電力を供給することで、システム内の任意のユーザ端末の電力が低下してしまうことを確実に抑止できる。これにより、例えば会議室での複数のユーザ端末が使用される場合において、AC電源300に接続されたユーザ端末から他のユーザ端末への電力供給が可能となり、ユーザ端末がAC電源300に接続されているか否かに関わらず、会議室内の全てのユーザ端末について電力低下を抑えることが可能となる。
【0075】
また、ユーザ端末ごとのバッテリーの使用時間に関わらず、バッテリー容量の小さいユーザ端末はバッテリー容量の大きいユーザ端末から電力の供給を受けることで、ネットワーク内の特定のユーザ端末のみが電力残量低下により使用不能となるなることを確実に抑止できる。また、事前に確立している無線通信ネットワークを利用できるため、電力状況や端末位置を把握することで、追加するシステムを低減できる。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態にかかる無線通信システムの構成を示す模式図である。
【図2】各ユーザ端末の構成を示す模式図である。
【図3】ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の一例を示す模式図である。
【図4】ユーザ端末の位置を検出する位置検出回路の他の例を示す模式図である。
【図5】アクセスポイントから無線電力を供給する旨の要求を受けたユーザ端末(B)がユーザ端末(A)に向けて無線電力を供給している様子を示す模式図である。
【図6A】電磁誘導型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図6B】電波受信型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図6C】磁場共鳴型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図6D】電場共鳴型で動作する電力交換部の構成を示した説明図である。
【図7】各ユーザ端末の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を説明するための模式図である。
【図8】各ユーザ端末の電力残量に基づいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を説明するための模式図である。
【図9】アクセスポイントが存在せず、ユーザ端末間でピコネットを形成している無線通信システムを示す模式図である。
【図10】アクセスポイントが存在せず、ユーザ端末間でピコネットを形成している無線通信システムにおいて、電力供給を行うユーザ端末を決定する例を説明するための模式図である。
【図11】ユーザ端末間でピコネットを形成している場合において、各ユーザ端末の電力残量に基づいて電力供給を行うユーザ端末を決定する例を示す模式図である。
【図12】ユーザ端末間でピコネットを形成している場合において、各ユーザ端末の電力残量に基づいて電力供給を行うユーザ端末を決定する例を示す模式図である。
【図13】各ユーザ端末のMACの機能構成を示すブロック図である。
【図14】アクセスポイントのMACの機能構成を示すブロック図である。
【図15】アクセスポイントがユーザ端末に対して電力供給要求を出す場合の処理を示すフローチャートである。
【図16】電力を供給するユーザ端末(B)が、自身で電力供給先のユーザ端末(A)の位置を検出する場合の処理を示すフローチャートである。
【図17】アクセスポイントが存在せず、ユーザ端末間でピコネットを形成している場合の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 無線通信送信回路
30 無線通信受信回路
50 無線電力供給回路
72 電力状況情報取得部
100 アクセスポイント
200,202,204 ユーザ端末
102 電力供給要求取得部
104 電力状況取得部
106 電力供給要求送信部
79,108 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う無線通信部と、
自装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、
前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
自装置の電力残量を取得する電力残量取得部と、
前記電力残量が所定値以下の場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置に前記電力供給要求を送信する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、自装置が電源に接続されていることを示す条件、または自装置の電力残量が所定値以上であることを示す条件である、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、無線通信ネットワークのアクセスポイントを介して、他装置から送信された前記電力供給要求を受信する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線通信部は、前記自装置の電力状況を前記アクセスポイントに送信し、
前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記アクセスポイントにより判断される、請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記無線通信部は、無線通信ネットワークを介して接続された他装置から前記電力供給要求を受信するとともに、前記自装置の電力状況を当該他装置に送信し、
前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記電力供給要求を送信した他装置により判断される、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記電力供給部により電力を供給する他装置の位置を取得する位置取得部を備え、
前記電力供給部は、前記他装置の位置に基づいて電力を供給する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項8】
無線通信ネットワークを介して接続された任意の端末装置から電力供給要求を取得する電力供給要求取得部と、他の端末装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、前記電力状況に基づいて、電力供給が可能な端末装置に前記電力供給要求を送信する電力供給要求送信部と、を有する、無線通信装置と、
前記電力状況を前記無線通信装置に送信する電力状況送信部と、前記電力供給要求を受信する電力供給要求受信部と、前記電力供給要求に応じて、前記電力供給要求を前記無線通信装置へ送信した前記任意の端末装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、を有する前記端末装置と、
を備える、無線通信システム。
【請求項9】
無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行うステップと、
自装置の電力状況を取得するステップと、
前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給するステップと、
を備える、無線通信方法。
【請求項10】
無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う手段、
自装置の電力状況を取得する手段、
前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う無線通信部と、
自装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、
前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
自装置の電力残量を取得する電力残量取得部と、
前記電力残量が所定値以下の場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置に前記電力供給要求を送信する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、自装置が電源に接続されていることを示す条件、または自装置の電力残量が所定値以上であることを示す条件である、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、無線通信ネットワークのアクセスポイントを介して、他装置から送信された前記電力供給要求を受信する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線通信部は、前記自装置の電力状況を前記アクセスポイントに送信し、
前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記アクセスポイントにより判断される、請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記無線通信部は、無線通信ネットワークを介して接続された他装置から前記電力供給要求を受信するとともに、前記自装置の電力状況を当該他装置に送信し、
前記自装置の電力状況が前記所定の条件を満たしているか否かは、前記電力供給要求を送信した他装置により判断される、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記電力供給部により電力を供給する他装置の位置を取得する位置取得部を備え、
前記電力供給部は、前記他装置の位置に基づいて電力を供給する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項8】
無線通信ネットワークを介して接続された任意の端末装置から電力供給要求を取得する電力供給要求取得部と、他の端末装置の電力状況を取得する電力状況取得部と、前記電力状況に基づいて、電力供給が可能な端末装置に前記電力供給要求を送信する電力供給要求送信部と、を有する、無線通信装置と、
前記電力状況を前記無線通信装置に送信する電力状況送信部と、前記電力供給要求を受信する電力供給要求受信部と、前記電力供給要求に応じて、前記電力供給要求を前記無線通信装置へ送信した前記任意の端末装置へ無線で電力を供給する電力供給部と、を有する前記端末装置と、
を備える、無線通信システム。
【請求項9】
無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行うステップと、
自装置の電力状況を取得するステップと、
前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給するステップと、
を備える、無線通信方法。
【請求項10】
無線通信ネットワークを介して接続された他装置と通信を行う手段、
自装置の電力状況を取得する手段、
前記自装置の電力状況が所定の条件を満たした場合に、無線通信ネットワークを介して接続された他装置からの電力供給要求に応じて、当該他装置へ無線で電力を供給する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−253763(P2009−253763A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100744(P2008−100744)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]