説明

無線通信装置

【課題】簡便な構成でダイバーシティ効果を得ることができる無線通信装置を提供する。
【解決手段】無線通信装置は、チャネルCH1、及びチャネルCH2の送信信号を送信する無線通信装置であって、第1アンテナ11及び第2アンテナ12と、チャネルCH1用の第1端子18、及びチャネルCH2用の第2端子19が設けられているデュアルバンド送受信回路と、第1端子18、第2端子19からの送信信号が入力される第1分波器13と、第1分波器13からの送信信号を第1及び第2アンテナに分配する第2分波器14と、第1分波器13と第2分波器14とを結ぶ伝送路17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置に関し、特に詳しくは第1のアンテナ、及び第2のアンテナを有する無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つのアンテナを用いて周波数帯の異なる信号を処理する方法が開示されている(特許文献1)。この方法では、5GHzと2.4GHzの信号を2つのアンテナで検波している。そして、制御信号を用いて、どちらのアンテナからの信号を使用するか決定している。さらに、ダイプレクサ(分波器)で2.4GHzの信号と5GHzの信号を分配している。この制御信号はOFDMプロセッサを含むベースバンドプロセッサから、アンテナとダイプレクサの間に設けられたスイッチに出力されている。
【0003】
なお、関連技術として、複数のアンテナを用いて送受信を行う通信装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1の通信装置では、マルチキャリア伝送システムにおいて、高周波信号をキャリア毎に分波する分波器を有している。そして、通信装置は、分波器で分波された信号を補正した後、復調している。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開公報第2005/0054383号公報
【特許文献2】特開平10−210099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載の装置構成について、図8を用いて説明する。図8は、特許文献2に記載の装置構成を簡略化して示すブロック図である。図8に示すように、第1のアンテナ71が第1伝送路73を介してスイッチ75に接続されている。また、第2アンテナ72が第2伝送路74を介してスイッチ75に接続されている。第1アンテナ71、及び第2アンテナ72はデュアルバンドアンテナである。そして、スイッチ75には、制御回路76からの制御信号が入力されている。この制御信号によって、スイッチ75が使用するアンテナを切換えている。
【0006】
そして、スイッチ75からの受信信号は、第1送受信回路77、又は第2送受信回路78に入力される。第1送受信回路77は、2.4GHzの信号に対する回路であり、第2送受信回路78は、5GHzの信号に対する回路である。そして、第1送受信回路77、及び第2送受信回路78はベースバンドプロセッサやRF信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンドプロセッサに接続するRF回路によって構成されている。ここでは、スイッチ75によって、第1アンテナ71、及び第2アンテナ72の一方が選択される。アンテナの切換えは、受信信号のパワーレベルによって行われる。すなわち、パワーレベルの大きい方のアンテナが選択される。
【0007】
しかしながら、特許文献2の方法では、一方のアンテナからの信号しか使用されないため、十分なダイバーシティ効果を得ることができないという問題がある。また、アンテナを切換えるために、受信信号のパワーレベルを測定する回路を設ける必要がある。従って、スイッチ、制御回路、測定用回路などを設けなければならず、装置構成が複雑になる。特に、ベースバンドプロセッサを含むLSIに分波器を組み込むことは困難であるため、スイッチや制御回路などを別回路として、設ける必要がある。送受信回路に付属して制御回路やその配線を付加する必要がある。このため、構成が複雑化するという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る無線通信装置は、第1周波数帯域に属する周波数を有する信号が入力される第1端子および前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域に属する周波数を有する信号が入力される第2端子を備え、前記第1端子または前記第2端子を介して入力された信号に対して所定の処理を行う無線回路と、入力された信号の周波数が属する周波数帯域に応じて当該入力された信号を前記第1端子または前記第2端子のいずれか一に出力する第1分波器と、それぞれ別に設けられ、前記第1および第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を受信可能な第1および第2アンテナと、前記第1アンテナが受信した信号と前記第2アンテナが受信した信号を合成して前記第1分波器に供給する第2分波器と、を有することを特徴とするものである。上記の構成では、第1及び第2のアンテナを用いているため、高いダイバーシティ効果を得ることができる。さらに、分波器よりもアンテナ側に制御信号を出力する制御回路を別途設ける必要がなくなるため、装置構成を簡素化することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る無線通信装置は、第1端子と第2端子とを備え、第1周波数帯域に属する周波数を有する信号を第1端子から出力すると共に前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を前記第2端子から出力する無線回路と、前記第1端子から出力された信号または前記第2端子から出力された信号が入力され、入力された信号を出力する第1分波器と、前記第1分波器が出力した信号を第1の信号と第2の信号とに分割する第2分波器と、前記第1の信号を受けて放射する第1アンテナと、前記第2の信号を受けて放射する第2アンテナと、を有することを特徴とする無線通信装置である。上記の構成では、第1及び第2のアンテナを用いているため、高いダイバーシティ効果を得ることができる。上記の構成では、第1及び第2のアンテナを用いているため、高いダイバーシティ効果を得ることができる。さらに、分波器よりもアンテナ側に制御信号を出力する制御回路を別途設ける必要がなくなるため、装置構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡便な構成で、高いダイバーシティ効果を実現することができる無線通信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
【0012】
本実施の形態にかかる無線通信装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。無線通信装置100は、無線通信を行うための第1アンテナ11、及び第2アンテナ12を有している。さらに無線通信装置は、第1分波器13、第2分波器14、無線回路20、伝送路17を有している。無線回路20は、第1送受信回路15、第2送受信回路16、第1端子18、及び第2端子19を有している。第1送受信回路15には、第1端子18が設けられ、第2送受信回路16には、第2端子19が設けられている。無線回路20は、具体的には、半導体集積回路(LSI)や機能部品を集合させたモジュールが考えられる。
【0013】
本実施の形態では、無線通信装置100がデュアルバンドの無線機であるとして説明する。すなわち、無線通信装置100は異なる周波数帯の送受信信号を取り扱う。無線通信装置100は、例えば、チャネルCH1とチャネルCH2の信号を送受信する。そして、チャネルCH1とチャネルCH2の信号が送信又は受信される。チャネルCH1とチャネルCH2では、異なる周波数帯が使用され、異なるデータが送受信される。ここでは、UWB(MB−OFDM方式、WiMedia PHY spec.ver.1.1準拠)の場合を例として説明する。
【0014】
第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、送信信号を空間に放射するともに、空間から到来する受信信号を捕捉する。第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、互いに近い位置に配置されている。第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は近接して配置されている。第1アンテナ11、及び第2アンテナ12のいずれも、後述する第1送受信回路15、及び第2送受信回路16の取り扱う周波数を全て処理することができる。例えば、第1送受信回路15がバンドグループ1(3168〜4752GHz)の送受信処理を行い、第2送受信回路16がバンドグループ3(6336〜7920GHz)の送受信処理を行うとする。バンドグループ1の信号がチェンネルCH1に対応し、バンドグループ3の信号がチャネルCH2に対応する。すなわち、第1送受信回路15、及び第2送受信回路16は異なるチャネルの信号に対して送受信処理を行う。なお、以下では、チャネルCH1及びチャネルCH2の二つのチャネルを用いて具体的な動作の例を説明するが、チャネルの数は二つに限定されない。二つ以上の複数のチャネルを用いて行う無線通信においても本実施の形態は適用できる。例えば、バンドグループ4、5,6による無線通信を行うようにしてもよい。
【0015】
第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、バンドグループ1、及びバンドグループ3の送信信号を空間に放射する。また、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は空間から到来するバンドグループ1、及びバンドグループ3の受信信号を捕捉する。ここでは、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12はバンドグループ1、及びバンドグループ3を含む3〜10GHzの帯域にわたって使用可能なワイドバンドアンテナとしている。すなわち、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12はチャネルCH1に対応するバンドグループ1の信号、チャネルCH2に対応するバンドグループ3の信号ともに、送受信することができる。第1アンテナ11は、3〜10GHzの帯域の信号を放射、及び捕捉する。第2アンテナ12も、3〜10GHzの帯域の信号を放射、及び捕捉する。第1アンテナ11、及び第2アンテナ12を広帯域用アンテナとすることで、チャネルCH1、及びチャネルCH2の信号を送受信することができる。
【0016】
第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、第2分波器14に接続されている。第2分波器14は、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12で受信された受信信号を合成する。また、第2分波器14は、後述する伝送路17からの送信信号を、第1アンテナ11及び第2アンテナ12に分配する。第2分波器14は、3つのポートを有している。すなわち、第2分波器14には、第1アンテナ11に接続されたポートと、第2アンテナ12に接続されたポートと、伝送路17に接続されたポートが設けられている。第2分波器14は、第1アンテナ11側と第2アンテナ12側が互いに干渉しないように、アイソレーション機能を有している。
【0017】
第2分波器14は、伝送路17に接続されている。伝送路17は、例えば、金属配線であり、第1分波器13に接続されている。すなわち、第2分波器14と第1分波器13の間には、伝送路17が設けられている。伝送路17は、同軸のケーブルでもよく、配線パターンであってもよい。第1分波器13と第2分波器14は、伝送路17を介して接続されている。このように、伝送路17は、第2分波器14と第1分波器13を結ぶ回路である。伝送路17は、第1送受信回路15、及び第2送受信回路16が取り扱う周波数をすべて通過可能である。すなわち、バンドグループ1、及びバンドグループ3の信号が伝送路17を通過する。第2分波器14で合成された受信信号は、伝送路17を伝わって、第1分波器13に入力する。また、第1分波器13からの送信信号は、伝送路17を伝わって、第2分波器14に入力する。
【0018】
第1分波器13は、第2分波器14で合成された受信信号を分配する。分配された受信信号は、第1端子18又は第2端子19に伝送される。第1分波器13は、3つのポートを有している。すなわち、第1分波器13には、第1端子18に接続されたポートと、第2端子19に接続されたポートと、伝送路17に接続されたポートが設けられている。第1分波器13は、第1送受信回路15が取り扱う受信信号と第2送受信回路16で取り扱う受信信号が互いに干渉するのを防ぐためのアイソレーション機能を有している。また、第1分波器13は、フィルタリング機能を有しており、周波数に応じて受信信号を分配する。例えば、バンドグループ1の受信信号をチャネルCH1用の第1端子18に分配し、バンドグループ3の受信信号をチャネルCH2用の第2端子19に分配する。
【0019】
ここで、第1分波器13の構成について図2、及び図3を用いて説明する。図2は、第1分波器13の構成を示すブロック図である。図3は、第1分波器13の特性を示す図である。図3において、横軸は周波数を示し、縦軸は挿入損失を示している。図2に示すように、第1分波器13は第1ポート、第2ポート、及び第3ポートを有している。第1ポートは、アンテナ側のポートであり、伝送路17に接続されている。第2ポートは、第1送受信回路15側のポートであり、第1端子18に接続されている。第3ポートは、第2送受信回路16側のポートであり、第2端子19に接続されている。
【0020】
第1分波器13は、図3に示すような伝達特性を有している。第1ポートから第3ポートの通過損失特性は、低周波数帯で減衰の大きい特性を示している。従って、第1ポートから第3ポートまでの間で、低周波数帯の信号が減衰する。高周波数帯では、第1ポートから第3ポートの通過損失が低くなっているため、高周波数帯の信号は第1ポートから第3ポートまでの間を通過する。一方、第1ポートから第2ポートの通過損失は、高周波数帯で、高くなっている。従って、第1ポートから第2ポートまでの間で、高周波数帯の信号が減衰する。低周波数帯では、第1ポートから第2ポートの通過損失が低くなっているため、低周波数帯の信号は第1ポートから第2ポートまでの間を通過する。このため、第1ポートに高周波数帯の受信信号が入力された場合、第2ポートへ伝送されない。また、第1ポートに低周波数帯の受信信号が入力された場合、第3ポートへ伝送されない。
【0021】
従って、バンドグループ3の受信信号は、第1ポートから第3ポートに伝送される。バンドグループ3の受信信号は、第1ポートから第2ポートまでの間における減衰が大きいため、第2ポートからは送出されない。一方、バンドグループ1の受信信号は、第1ポートから第2ポートへ伝送される。また、バンドグループ1の受信信号は、第1ポートから第3ポートまでの間における減衰が大きいため、第2ポートからは送出されない。
【0022】
このように、第1分波器13は、帯域通過型フィルタの特性を有している。第1分波器13は、第1端子18側へバンドグループ1の信号を通過し、他の帯域の信号を減衰する。また、第1分波器13は、第2端子19側へバンドグループ3の信号を通過し、他の帯域の信号を減衰する。なお、第1端子18と第2端子19間は、一定量以上のアイソレーションを有しているため、第2ポートから第3ポートの間では、全ての周波数帯の信号が伝送されない。
【0023】
第1端子18には、バンドグループ1の受信信号が入力される。バンドグループ1の受信信号は、第1分波器13から、第1端子18を通じて、第1送受信回路15に入力される。第1送受信回路15は、バンドグループ1の信号の送受信処理を行う。すなわち、第1送受信回路15は、バンドグループ1の受信信号に対して復調処理を行う。これにより、チャネルCH1用の受信信号をベースバンドの信号に変換することができる。また、第1送受信回路15は、ベースバンドの信号がチャネルCH1用の送信信号になるよう、変調処理を行う。
【0024】
第2端子19には、バンドグループ3の受信信号が入力される。バンドグループ3の受信信号は、第1分波器13から、第2端子19を通じて、第2送受信回路16に入力される。第2送受信回路16は、バンドグループ3の信号の送受信処理を行う。すなわち、第2送受信回路16は、バンドグループ3の受信信号に対して復調処理を行う。これにより、チャネルCH2用の受信信号をベースバンドの信号に変換することができる。また、第2送受信回路16は、ベースバンドの信号に対して変調処理を行う。これにより、ベースバンドのデータがチャネルCH2用の送信信号に変換される。
【0025】
第1送受信回路15と第2送受信回路16は排他的に動作する。すなわち、一方の送受信回路が動作している間は、他方の送受信回路は動作しない。従って、バンドグループ1の信号を送受信しているときは、第1送受信回路15が動作し、バンドグループ3の信号を送受信しているときは、第2送受信回路16が動作する。このように、一方の送受信回路が動作しているときは、他方の送受信回路が休止する。よって、チャネルCH1、及びチャネルCH2のいずれかで無線通信が行われる。
【0026】
例えば、チャネルCH1のデータを送信する場合、第1送受信回路15がデータを変調する。これにより、バンドグループ1の送信信号が生成される。そして、この送信信号が第1分波器13、伝送路17、及び第2分波器14を通じて、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12に伝送される。そして、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、バンドグループ1の送信信号を空間に放出する。
【0027】
チャネルCH2のデータを送信する場合、第2送受信回路16がデータを変調する。これにより、バンドグループ3の送信信号が生成される。そして、この送信信号が第1分波器13、伝送路17、及び第2分波器14を通じて、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12に伝送される。そして、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、バンドグループ3の送信信号を空間に放出する。
【0028】
また、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12が受信信号を捕捉した場合、第2分波器14によって受信信号が合成される。すなわち、第1アンテナ11で受信された受信信号と、第2アンテナ12で受信された受信信号が第2分波器14で電力合成される。合成された受信信号は、伝送路17を通じて、第1分波器13に伝送される。
【0029】
第1分波器13は、周波数に応じて、受信信号を第1端子18又は第2端子19に分配している。従って、受信信号がバンドグループ1である場合、第1分波器13の第1ポートから第2ポートを通って、第1端子18まで伝送される。そして、第1送受信回路15は、バンドグループ1の受信信号に対して復調処理を行う。一方、受信信号がバンドグループ3である場合、第1分波器13の第1ポートから第3ポートを通って、第2端子19まで伝送される。そして、第2送受信回路16は、第2バンドグループの受信信号に対して復調処理を行う。
【0030】
また、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12は、マルチパスの環境下で、到来方向の違う電波を同時に捕らえることが可能なよう設計されている。よって、高いダイバーシティ効果を実現することができる。本実施の形態にかかる無線通信装置100は、特に、床面や壁面で電波が反射される室内での利用に好適である。
【0031】
次に、第2分波器14、及び第1分波器13の回路構成について図4、及び図5を用いて説明する。図4は、第2分波器14の構成の一例を示す回路図であり、図5は、第1分波器13の構成の一例を示す回路図である。
【0032】
図4に示すように、第2分波器14は、3つのポートを有している。すなわち、第1アンテナ11側のポートと、第2アンテナ12側のポートと、伝送路17側のポートが、第2分波器14に設けられている。第1アンテナ11側のポートと、第2アンテナ12側のポートの間には、インピーダンスを整合するための抵抗21が設けられている。そして、第1アンテナ11で受信した受信信号と第2アンテナ12で受信した受信信号が合成されて、伝送路17側のポートに出力される。また、伝送路17からの送信信号が第2分波器14によって分配されて、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12に入力される。第2分波器14は、例えば、送信信号の電力を1/2に分配して、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12にそれぞれ出力する。第2分波器14は、受信信号の電力を分配、合成する電力合成分配器となる。第1アンテナ11側と第2アンテナ12側とが互いに干渉しないように、第2分波器14はアイソレーション機能を有している。従って、第1アンテナ11で受信した受信信号は第2アンテナ12に送出されず、第2アンテナ12で受信した受信信号は第1アンテナ11に送出されない。
【0033】
図5に示すように、第1分波器13は、3つのポートを有している。すなわち、伝送路17側の第1ポートと、第1端子18側の第2ポートと、第2端子19側の第3ポートとが、第1分波器13に設けられている。第1ポートには、分岐合成回路24が設けられている。分岐合成回路24の具体的な実現手段としては種々のものがあるが、例えば、その一例としてパワースプリッタがある。分岐合成回路24がパワースプリッタであるとすれば、パワースプリッタは、電量を合成、分配する回路であり、例えば第2分波器14と同様の回路を用いることができる。第1ポートと第2のポートの間には、フィルタ22が設けられている。フィルタ22はバンドパスフィルタ(BPF)であり、バンドグループ1の信号を通過し、バンドグループ3の信号を遮断する。第1ポートと第3のポートの間には、フィルタ23が設けられている。フィルタ23はBPFであり、バンドグループ3の信号を通過し、バンドグループ1の信号を遮断する。これにより、第1端子18には、バンドグループ1の信号が入力され、第2端子19には、バンドグループ3の信号が入力される。このように、フィルタ22とフィルタ23とは、異なる帯域の信号を通過させる。すなわち、フィルタ22とフィルタ23の通過帯域が異なっている。なお、フィルタ22、及びフィルタ23として、バンドパスフィルタの代わりに、ローパスフィルタやハイパスフィルタを用いてもよい。
【0034】
また、第1端子18側と第2端子19側とは一定量以上のアイソレーションを有している。よって、第1端子18からの送信信号は、第2端子19に入力されず、第2端子19からの送信信号は、第1端子18に入力されない。従って、第1分波器13よりもアンテナ側で切換え用の制御信号が不要となるため、構成を簡略化することができる。
【0035】
次に、本実施の形態にかかる無線通信装置100の具体的構成例について図6を用いて説明する。図6は、無線通信装置100の構成を示す回路図である。図6に示す無線通信装置100では、第1送受信回路15と第2送受信回路16がデュアルバンド送受信回路31(LSI31)に含まれている。すなわち、デュアルバンド送受信回路31が、チャネルCH1、及びチャネルCH2の信号に対する送受信処理を行う。なお、デュアルバンド送受信回路31は1つのLSIから構成されている。図6に示す無線通信装置100の基本的構成は、図1に示した構成と同様であるため、重複する構成については、説明を省略する。従って、第1アンテナ11、第2アンテナ12、第1分波器13、第2分波器14、伝送路17の構成については説明を省略する。
【0036】
デュアルバンド送受信回路31は、第1端子18、及び第2端子19を有する無線回路である。この第1端子18、及び第2端子19は、上記の通り、第1分波器13に接続される。さらに、デュアルバンド送受信回路31は、送受信処理を行うため、ベースバンドプロセッサ32、DAC(デジタルアナログコンバータ)33、フィルタ34、アンプ35、直交変調器36、オシレータ37、PLL回路38、アンプ39、ADC(アナログデジタルコンバータ)40、フィルタ41、アンプ42、アンプ43、直交復調器44、スイッチ51、スイッチ52、アンプ53、アンプ54、アンプ55、アンプ56、スイッチ57、スイッチ58を有している。
【0037】
デュアルバンド送受信回路31は、直交変復調処理を行う。すなわち、ベースバンドプロセッサ32から出力されるベースバンドの直交信号に対して、変調処理を行う。これにより、バンドグループ1、又はバンドグループ3の送信信号が生成される。また、バンドグループ1、又はバンドグループ3の直交信号に対して、復調処理を行う。これにより、ベースバンドの受信信号が生成される。
【0038】
まず、送信処理を行うための構成について説明する。デュアルバンド送受信回路31には、信号を変調するため、DAC33、フィルタ34、アンプ35、直交変調器36、オシレータ37、PLL回路38、アンプ39が設けられている。なお、オシレータ37、及びPLL回路38は、後述するように、信号を復調するためにも用いられる。すなわち、オシレータ37及びPLL回路38は、変調、及び復調に用いられる共通回路部分となる。また、ベースバンドプ32、DAC33、フィルタ34、アンプ35、直交変調器36、スイッチ51、スイッチ52、スイッチ57、アンプ53、及びアンプ55が信号を送信するための送信回路81となる。すなわち、図6の一点鎖線で囲まれる領域に含まれるベースバンドプ32、DAC33、フィルタ34、アンプ35、直交変調器36、スイッチ51、スイッチ52、スイッチ57、アンプ53、及びアンプ55が送信回路81を構成する。
【0039】
ベースバンドプロセッサ32は、ベースバンドの信号が出力される。ベースバンドプロセッサ32からのデジタル信号がDAC33に入力される。なお、ここでは直交変調を行うため、ベースバンドプロセッサ32からは、2本の信号ラインが示されている。すなわち、2本の信号ラインのうち、一方が同相チャネル成分(Iチャネル成分)を示し、他方が直交チャネル成分(Qチャネル成分)を示している。
【0040】
DAC33は、ベースバンドプロセッサ32からのデジタル信号をアナログ信号に変換して、フィルタ34に出力する。フィルタ34は、ノイズを低減するためのローパスフィルタである。フィルタ34は、ベースバンドの信号を通過して、ベースバンドよりも周波数の高い信号を遮断する。これにより、ノイズを除去することができる。そして、フィルタ34からの信号は、アンプ35で増幅され、直交変調器36に入力される。直交変調器36は、同相チャネル成分と直交チャネル成分を合成する。
【0041】
また、直交変調器36には、オシレータ37、及びPLL回路38を含む共通回路部分からのPLL信号がアンプ39を介して入力される。オシレータ37は、例えば、水晶発振器であり、所定の周波数の信号を発信する。そして、オシレータ37からの信号は、PLL回路38に入力される。PLL回路38は、PLL信号を出力する。なお、直交変調を行うため、PLL回路38と直交変調器36の間には、2本の信号ラインが接続されている。各々のPLL信号がアンプ39で増幅されて、直交変調器36に入力される。そして、直交変調器36は、PLL信号に基づいて、ベースバンドプロセッサ32からの送信信号の周波数を変換する。これにより、バンドグループ1、又はバンドグループ3の周波数の送信信号が生成される。すなわち、チャネルCH1での送信を行う場合、バンドグループ1の送信信号が生成され、チャネルCH2での送信を行う場合、バンドグループ3の送信信号が生成される。このように、直交変調器36は、バンドグループ1、及びバンドグループ3の信号を変調可能である。直交変調器36は、ベースバンドの信号を変調して、送信信号を出力している。
【0042】
そして、直交変調器36からの送信信号は、スイッチ57に入力される。さらに、スイッチ57には、ベースバンドプロセッサ32からの制御信号が入力されている。スイッチ57は、ベースバンドプロセッサ32からの制御信号に基づいて、チャネルの切換を行う。例えば、スイッチ57は、チャネルCH1で送信を行う場合、直交変調器36を低周波数用のアンプ55に接続する。これにより、バンドグループ1の送信信号は、アンプ55に入力する。一方、スイッチ57は、チャネルCH2で送信を行う場合、直交変調器36を高周波数用のアンプ53に接続する。これにより、バンドグループ3の送信信号は、アンプ53に入力する。このように、スイッチ57は、チャネルに応じて、アンプ53、及びアンプ55のどちらを使うか選択している。周波数に応じてアンプ53とアンプ55とを使い分けることで、広帯域用ではないアンプを用いることができる。よって、アンプからの出力を安定することができる。
【0043】
例えば、高い周波数帯での送信を行う場合、制御信号によってスイッチ57がアンプ53と直交変調器36とを接続する。送信信号はアンプ53で増幅されてスイッチ51に入力する。一方、低い周波数帯での送信を行う場合、制御信号によってスイッチ57が直交変調器36とアンプ55を接続する。この場合、送信信号はアンプ55で増幅されて、スイッチ52に入力する。このように、使用するチャネルに応じて、スイッチ57を切換える。
【0044】
アンプ53で増幅された送信信号は、スイッチ51に入力される。また、スイッチ51には、ベースバンドプロセッサ32からの制御信号が入力されている。この制御信号は、送信と受信とを切換えるための信号である。送信を行う場合、スイッチ51は、アンプ53と第2端子19を接続する。これにより、バンドグループ3の送信信号が第2端子19に入力される。そして、バンドグループ3の送信信号が、第1分波器13、伝送路17、及び第2分波器14を介して、第1アンテナ11、第2アンテナ12から空間に放射される。
【0045】
一方、アンプ55で増幅された送信信号は、スイッチ52に入力される。また、スイッチ52には、ベースバンドプロセッサ32の制御信号が入力されている。この制御信号は、送信と受信とを切換えるための信号である。送信を行う場合、スイッチ52は、アンプ55と第1端子18を接続する。これにより、バンドグループ1の送信信号が第1端子18に入力される。そして、バンドグループ1の送信信号が、第1分波器13、伝送路17、及び第2分波器を介して、第1アンテナ11、第2アンテナ12から空間に放射される。
【0046】
次に、受信信号を復調する処理について説明する。また、ベースバンドプ32、ADC33、フィルタ41、アンプ42アンプ43、直交復調器44、スイッチ58、アンプ56、アンプ54、スイッチ51、及びスイッチ52が受信回路82となる。すなわち、図6の点線で囲まれる領域に含まれるベースバンドプ32、ADC33、フィルタ41、アンプ42アンプ43、直交復調器44、スイッチ58、アンプ56、アンプ54、スイッチ51、スイッチ52が、受信回路82を構成する。上記のように、バンドグループ1の受信信号は、第1端子18に入力される。一方、バンドグループ3の受信信号は、第2端子19に入力される。まず、バンドグループ1の受信信号について説明する。
【0047】
バンドグループ1の受信信号は、第1端子18を介してスイッチ52に入力する。スイッチ52には、上記のように、送信、受信を切換える制御信号が、ベースバンドプロセッサ32から入力されている。従って、受信を行なう場合、スイッチ52は、第1端子18をアンプ56と接続する。そして、バンドグループ1の受信信号がアンプ56で増幅されて、スイッチ58に入力する。スイッチ58には、上記のように、チャネルを切換える制御信号がベースバンドプロセッサ32から入力されている。従って、スイッチ58は、アンプ56と直交復調器44を接続する。これにより、アンプ56からの受信信号は、直交復調器44に入力される。
【0048】
また、直交復調器44には、直交変調器36と同様に、PLL回路38からのPLL信号がアンプ43を介して入力されている。直交復調器44は、PLL信号に基づいて周波数をベースバンドまで下げて、直交信号を取り出している。すなわち、直交復調器44は、位相が90°異なるベースバンドの信号を生成する。なお、直交復調器44からベースバンドプロセッサ32までには、2本の信号ラインが示されている。ベースバンドに変換された信号は、アンプ42で増幅されて、フィルタ41に入力する。
【0049】
フィルタ41は、チャネルフィルタであり、例えば、LPF(ローパスフィルタ)を用いることができる。そして、ベースバンドの信号を通過して、ベースバンドよりも周波数の高い信号を遮断する。フィルタ41からのアナログ信号は、ADC(アナログデジタルコンバータ)40でデジタル信号に変換される。ADC40からのデジタル信号は、ベースバンドプロセッサ32に入力される。
【0050】
このように、デュアルバンド送受信回路31は、送受信処理を行っている。また、送受信を切換えるスイッチ51、スイッチ52がデュアルバンド送受信回路31内に設けられている。さらに、チャネルを切換えるスイッチ57、スイッチ58がデュアルバンド送受信回路31内に設けられている。従って、デュアルバンド送受信回路31用のLSIとは別に制御回路を付加する必要がなくなる。よって、送受信を行う回路の構成を簡略化することができる。すなわち、第1分波器13よりもアンテナ側に制御信号を出力する制御回路を別途設ける必要がなくなる。これにより、簡便な構成の回路で、高いダイバーシティ効果を実現することができる。すなわち、LSIに組み込むことが困難な分波器よりもアンテナ側に、制御回路や制御信号用の配線を設ける必要がなくなる。LSI内で制御用信号用の配線が完結しているため、LSI化を容易に行うことができる。これにより、回路構成を簡略化することができる。
【0051】
次に、ベースバンドプロセッサ32での処理について、図7を用いて説明する。図7は、ベースバンドプロセッサ32内での処理を説明するための図である。まず、図7を用いてデータを送信する処理について説明する。また、図7の右側には、送信用のOFDM信号(TX)と受信用のOFDM信号(RX)が示されている。さらに、送信用のOFDM信号(TX)と受信用のOFDM信号(RX)の間に伝達関数が示されている。この伝達関数によって、送信用のOFDM信号(TX)が受信用のOFDM信号(RX)となる。
【0052】
送信データに基づくOFDM信号TXに、FEC(Foward Error Correction)エンコード処理を行う。これにより、エラー訂正の符号が付加される。なお、上記のように、FECエンコード処理を行う前のOFDM信号TXのスペクトル波形が示されている。FECエンコード処理を行った後、インターリーブ処理を行う。これにより、データの並び替えが行われる。並び替えを行った後、シリアル・パラレル変換処理を行う。すなわち、シリアルの送信データをパラレルの送信データに変換する。このシリアル・パラレル変換は、一度に複数のキャリアを用いて送信するために行われる。ここで、複数のキャリアのそれぞれがサブキャリアとなる。
【0053】
そして、パラレルの送信データのそれぞれをサブキャリア変調する。例えば、個々のサブキャリアを多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などでサブキャリア変調する。サブキャリア変調された信号は、サブキャリア周波数別の信号として逆フーリエ変換される。例えば、IFFT(高速フーリエ逆変換)処理によって離散逆フーリエ変換を行う。そして、合成された信号がマルチパスフェーディング伝送路を介して、図3に示したDAC33に出力される。このように、送信変調は、サブキャリア毎に行われる。また、マルチキャリアの多重は、IFFTによって一括してデジタル処理される。送信データをサブキャリア変調した後、逆フーリエ変換して、サブキャリアを合成している。サブキャリアを合成することで、多重化されたマルチキャリアの信号が出力される。図7に示すように、送信用のOFDM信号(TX)が伝達関数によって、受信用のOFDM信号(RX)となる
【0054】
次に、データを受信する処理について説明する。データを受信する処理は、データを送信する処理と逆になる。図3に示したADC40からマルチパスデーディング伝送路を介して、ベースバンドの受信信号が入力される。そして、AGC(Automatic Gain Control)によって、受信信号のレベルが調整される。レベルを調整した後、パラレルの受信データをフーリエ変換する。例えば、デジタルの受信信号をFFT(高速フーリエ変換)処理によって離散フーリエ変換して、サブキャリア別の信号とする
【0055】
サブキャリア別の信号とした後、サブキャリア復調処理を行う。これにより、サブキャリア別に復調される。その後、パラレル・シリアル変換する。これにより、パラレルの受信データがシリアルの受信データに変換される。そして、シリアルの受信データに対して、デインターリーブ処理を行う。これにより、データが並び替えられて、並びが元に戻る。そして、FECデコード処理を行い、データを読み取る。このように、受信復調は、サブキャリア毎に行われる。また、マルチキャリアの分離・分波は、FFTによって一括してデジタル処理される。このように、受信信号を、フーリエ変換して、マルチキャリアを分離・分波している。マルチキャリアをサブキャリアに分離・分波した後、サブキャリア復調している。
【0056】
このように、ベースバンドプロセッサ32では、OFDM変復調処理が行われている。なお、変調処理と復調処理が異なる回路によって実施されてもよい。この場合、送信用の無線通信装置と受信用の無線通信装置とが別個に得られる。従って、上記の構成を送信用の無線通信機器だけに適用してもよく、また、受信用の無線通信装置だけに適用してもよい。
【0057】
上記の構成によって、UWB(Ultra Wide Band)のハイバンド・ローバンド回路構成を簡単化することができる。相互相関性のない2つのアンテナからの受信信号を合成することで、簡単にダイバーシティ効果を実現することができる。また、2つの広帯域のアンテナからの受信信号を合成している。すなわち、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12を、チャネルCH1、及びチャネルCH2の周波数帯の信号を送受信可能な広帯域アンテナとする。よって、広帯域で高いダイバーシティ効果を実現することができる。また、上記の構成は、W−LAN(Wireless Local Area Network)に適用可能である。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものでなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記の説明では、通信方式がMB−OFDM(Multi Band−Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式であるとして説明したが、通信方式は特に限定されるものではない。2以上のチャネルで無線通信を行うものであればよい。また、WiMAXの規格の無線通信装置やWi−Fiでの無線通信装置に適用してもよい。複数の無線規格を統合したダイバーシティ回路に適用することも可能である。もちろん、3以上のアンテナが用いられていてもよい。また、デュアルバンド送受信回路31をチャネル毎に異なるチップからなる回路としてもよい。すなわち、第1端子18を有する第1送受信回路15と第2端子19を有する第2送受信回路16が物理的に異なるチップで構成されていてもよい。
【0059】
なお、上記の説明では、図3に示した第1送受信回路15、及び第2送受信回路16が排他的に動作するとしたが、第1送受信回路15、及び第2送受信回路16を同時に動作させてもよい。例えば、W−LANや携帯電話などで、2.4GHzと5GHzの信号を同時に送信、又は受信する場合、第1送受信回路15、及び第2送受信回路16を同時に動作させる。すなわち、第1送受信回路15の第1端子18と第2送受信回路16の第2端子19から同時に信号が出力されることになる。そして、第1アンテナ11、及び第2アンテナ12から異なる周波数帯の信号が同時に出力される。このように、異なるチャネルの信号を同時に送信する場合、第1分波器13によって、異なる周波数帯の信号が合成される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる無線通信装置に用いられる第1分波器の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる無線通信装置に用いられる第1分波器の特性を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態にかかる無線通信装置に用いられる第2分波器の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる無線通信装置に用いられる第1分波器の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる無線通信装置の具体的構成例を示す回路図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる無線通信装置のベースバンドプロセッサでの処理を説明するための図である。
【図8】特許文献2に記載の通信装置の構成を簡略化して示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
11 第1アンテナ
12 第2アンテナ
13 第1分波器
14 第2分波器
15 第1送受信回路
16 第2送受信回路
17 伝送路
18 第1端子
19 第2端子
20 無線回路
21 抵抗
22 フィルタ
23 フィルタ
24 分岐合成回路(パワースプリッタ)
31 デュアルバンド送受信回路(LSI)
32 ベースバンドプロセッサ
33 DAC
34 フィルタ
35 アンプ
36 直交変調器
37 オシレータ
38 PLL回路
39 アンプ
40 ADC
41 フィルタ
42 アンプ
43 アンプ
44 直交復調器
51 スイッチ
52 スイッチ
53 アンプ
54 アンプ
55 アンプ
56 アンプ
57 スイッチ
58 スイッチ
71 第1アンテナ
72 第2アンテナ
73 第1伝送路
74 第2伝送路
75 スイッチ
76 制御回路
77 第1送受信回路
78 第2送受信回路
81 送信回路
82 受信回路
100 無線通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数帯域に属する周波数を有する信号が入力される第1端子および前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域に属する周波数を有する信号が入力される第2端子を備え、前記第1端子または前記第2端子を介して入力された信号に対して所定の処理を行う無線回路と、
入力された信号の周波数が属する周波数帯域に応じて当該入力された信号を前記第1端子または前記第2端子のいずれか一に出力する第1分波器と、
それぞれ別に設けられ、前記第1および第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を受信可能な第1および第2アンテナと、
前記第1アンテナが受信した信号と前記第2アンテナが受信した信号を合成して前記第1分波器に供給する第2分波器と、
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記無線回路は、前記第1端子から、前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号を出力すると共に、前記第2端子から、前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を出力し、
前記第1分波器は、前記第1端子から出力された信号または前記第2端子から出力された信号を出力し、
前記第2分波器は、前記第1分波器から出力された信号を前記第1および第2アンテナのそれぞれに分配し、
前記第1および第2アンテナのそれぞれは、前記第2分波器によって分配された信号を放射することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記第2分波器は、前記第1分波器から出力された信号を、前記第1アンテナが受ける信号の電力と前記第2アンテナが受ける信号の電力とが略同一となるように、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナのそれぞれに分配することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記第1端子から前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号が出力されている間は、前記第2端子から前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号が出力されず、
前記第2端子から前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号が出力されている間は、前記第1端子から前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号が出力されないことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線回路は、
前記第1端子に対して前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号を出力すると共に、前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号が前記第1端子から入力される第1送受信回路と、
前記第2端子に対して前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を出力すると共に、前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号が前記第2端子から入力される第2送受信回路と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記第1送受信回路は、前記第2送受信回路が動作しているときは停止し、前記第2送受信回路は、前記第1送受信回路が動作しているときは停止することを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記無線回路は、
前記第1端子に対して前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号を出力すると共に、前記第2端子に対して前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を出力する送信回路と、
前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号が前記第1端子から入力されると共に、前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号が前記第2端子から入力される受信回路と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記第1分波器と前記第2分波器とを接続する伝送路をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記第1分波器は、
前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号は通過させ、前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号は遮断する第1フィルタと、
前記第2周波数帯域に属する周波数を有する信号は通過させ、前記第1周波数帯域に属する周波数を有する信号は遮断する第2フィルタと、
を有することを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項10】
第1端子と第2端子とを備え、第1周波数帯域に属する周波数を有する信号を第1端子から出力すると共に前記第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域に属する周波数を有する信号を前記第2端子から出力する無線回路と、
前記第1端子から出力された信号または前記第2端子から出力された信号が入力され、入力された信号を出力する第1分波器と、
前記第1分波器が出力した信号を第1の信号と第2の信号とに分割する第2分波器と、
前記第1の信号を受けて放射する第1アンテナと、
前記第2の信号を受けて放射する第2アンテナと、
を有することを特徴とする無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−284412(P2009−284412A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136714(P2008−136714)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】