説明

無電解めっき方法及び金属めっき物

難めっき材へ密着力よく金属めっきする方法を提供することを目的とする。 本発明は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤で被めっき材を表面処理し、150℃以上の高温で熱処理し、貴金属化合物を含む溶液で表面処理をし、無電解めっきすることを特徴とする金属めっき方法である。又は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤と貴金属化合物をあらかじめ混合もしくは反応させた液で被めっき材を表面処理し、150℃以上の高温で熱処理し、無電解めっきすることを特徴とする金属めっき方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、無電解めっき皮膜の密着性を発現しにくい難めっき材への無電解めっきの方法に関する。
【背景技術】
電気・電子部品を実装するに際し、対象物に金属めっきをする技術は重要であり、これまで開発が行われてきた。このうち、半導体ウェハーに代表される、導電性の低い鏡面物等の難めっき材へ金属をめっきすることは技術的に難しく、様々な方法が工夫されている。このような方法には、前処理としてめっきの対象物にシランカップリング剤を用いる、すなわち対象物と金属皮膜の間にシランカップリング剤を介在させる方法がある。
従来の、めっき対象物と金属皮膜の間にシランカップリング剤を介在させ密着性が良好なめっき皮膜を得る方法として、特開平7−102380号公報が挙げられる。しかし、この文献記載の処理方法は、シランカップリング剤をウレタン系樹脂と共に使用するものであり、シランカップリング剤は被めっき材であるガラス繊維とウレタン系樹脂との両者に強く結合し、こうしてガラス繊維に結合したウレタン系樹脂が無電解めっきの金属皮膜と密着性を向上させるというものである。また、特開平7−102380号公報には、被めっき物をウレタン系樹脂と共にシランカップリング剤で処理し、乾燥後、120℃で5分間熱処理することが記載されているが、この熱処理は、被めっき材表面へのシランカップリング剤の結合及びウレタン系樹脂とシランカップリング剤の結合反応を確実に行うためである。
また、特開平8−39728号公報には、シランカップリング剤を用いためっき対象物の表面処理の後、乾燥温度が150℃を越える場合、シランカップリング剤の溶液の溶媒とともにシランカップリング剤も蒸発するため、シランカップリング剤層の厚さがばらつくことが述べられている。これまで通常、シランカップリング剤を塗布した後、シランカップリング剤を被めっき材へ固着させるための乾燥温度は150℃以下で実施されていた。
その他に、これまでシランカップリング剤を用いた技術として、特定のシランカップリング剤と貴金属化合物を組み合わせた前処理剤を使用する方法(国際公開 01/49898号パンフレット参照)、特定のシランカップリング剤及び還元剤を加えた前処理剤で順にめっき対象物を処理する方法(国際公開 01/81652号パンフレット参照)、アルカリ金属塩を含有する溶液及び特定のシランカップリング剤で順にめっき対象物を処理する方法(特開2002−226972号公報参照)、特定のシランカップリング剤及び貴金属化合物を特定の割合で含有する前処理液(特開2003−13241号公報参照)、が提案されている。これらの従来技術には難めっき材に金属のめっきを施すために有効なものもあるが、いずれもシランカップリング剤をめっき対象物に適用した後、溶剤を乾燥させるために60〜120℃程度にするのみであり、特に加熱処理を検討してはいない。
【特許文献1】 特開平7−102380号公報
【特許文献2】 特開平8−39728号公報
【特許文献3】 国際公開第01/49898号パンフレット
【特許文献4】 国際公開第01/81652号パンフレット
【特許文献5】 特開2002−226972号公報
【特許文献6】 特開2003−13241号公報
【発明の開示】
本発明では、導電性の低い材料や、鏡面物、粉体、樹脂布等、難めっき材へさらに密着力良く金属めっきするための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特に表面処理に及ぼす温度の影響に注目した研究の結果、以下の本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の態様は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤で被めっき材を表面処理し、該被めっき材を150℃以上の高温で熱処理し、貴金属化合物を含む溶液で表面処理し、無電解めっきすることを特徴とする金属めっき方法である。
また、本発明の第2の態様は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤と貴金属化合物をあらかじめ混合もしくは反応させた液で被めっき材を表面処理し、該被めっき材を150℃以上の高温で熱処理し、無電解めっきすることを特徴とする金属めっき方法である。
本発明者らは、めっき対象物と金属皮膜に介在させたシランカップリング剤の加熱による構造変化に特に着目した。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に用いるシランカップリング剤の熱重量損失データである。具体的には、アゾール系化合物とエポキシシラン系化合物との反応により得られたシランカップリング剤である、イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤の熱重量損失(TGA)のデータを示す。得られたデータから、シランカップリング剤が熱分解に基づいて構造変化を生じていることが分かる。検討の結果、シランカップリング剤塗布後に150℃以上で熱処理することが、カップリング剤を介在させた場合の無電解めっき皮膜の密着力向上に大きな効果があることを見出した。このとき、シランカップリング剤がいわゆる熱分解現象を起こし、ガラス化するために、強固な密着力が発現したと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の方法では、最適な熱処理温度は、カップリング剤の種類によるが、通常150℃以上必要である。特に、本発明に用いるシランカップリング剤として好ましい、アゾール系化合物とエポキシシラン系化合物との反応により得られたシランカップリング剤の場合には、図1に示すように150℃以上になると熱分解による構造変化が始まり、特に250℃以上で大きな構造変化が生じる。そのため本発明では、200℃以上、特には250℃以上で熱処理をすることが望ましい。
熱処理を実施する雰囲気は窒素等の不活性ガス雰囲気が望ましいが、被めっき材の耐熱性が高い場合には、酸素雰囲気でも構わない。但しその際は、温度については200℃以上であって被めっき物の熱による損傷がない温度にする必要がある。加熱処理を施す時間は、3〜60分が望ましい。
次に、本発明に用いる一分子中に金属捕捉能を持つ官能基を有するシランカップリング剤について説明する。
本発明に有用な金属捕捉能を持つ官能基としては、これらに制限されるものではないが、アミノ基、カルボキシル基、アゾール基、水酸基、メルカプト基等が挙げられる。これらの中でもアゾール基が特に好ましい。
アゾール基としては、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、セレナゾール基、ピラゾール基、イソオキサゾール基、イソチアゾール基、トリアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、テトラゾール基、オキサトリアゾール基、チアトリアゾール基、ベンダゾール基、インダゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾトリアゾール基等が挙げられる。中でもイミダゾール基が特に好ましい。
本発明で用いるシランカップリング剤は、上記の金属捕捉能を有する官能基の他に−SiX基を有する化合物であり、X、X、Xはアルキル基、ハロゲンやアルコキシ基等を意味し、被めっき物への固定が可能な官能基であればよい。X、X、Xは同一でもまた異なっていてもよい。好ましいものとしては、アゾール系化合物とエポキシシラン系化合物との反応で得られたシランカップリング剤を例示することができる。
このようなアゾール系化合物と反応させるエポキシシラン系化合物(エポキシ基含有シラン化合物)としては、下記式で示されるエポキシシランカップリング剤が好ましい。式中、R、Rは水素又は炭素数が1〜3のアルキル基、nは0〜3を表す。

アゾール系化合物と前記エポキシ基含有シラン化合物との反応は、特開平6−256358号公報に説示されている条件で行うことができる。例えば、80〜200℃でアゾール系化合物1モルに対して0.1〜10モルのエポキシ基含有シラン化合物を滴下して5分〜2時間反応させる。その際、溶媒は特に不要であるが、クロロホルム、ジオキサン、メタノール、エタノール等の有機溶媒を用いてもよい。
本発明で使用するのに特に好ましいシランカップリング剤は、イミダゾール化合物とエポキシシラン系化合物の反応生成物である。この二者の反応は、次のようになる。下記式中、R及びRは水素又は炭素数1〜3のアルキル基、Rは水素又は炭素数1〜20のアルキル基、Rはビニル基又は炭素数1〜5のアルキル基、nは0〜3を表す。

本発明に使用するシランカップリング剤のその他の例として、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
貴金属化合物としては、無電解めっき液から被めっき物表面に銅やニッケル等を析出させる際の触媒効果を示すパラジウム、銀、白金、金等の塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、アンモニウム塩等のアンミン錯体等が挙げられるが、特に塩化パラジウム又は硝酸銀が好ましい。貴金属化合物は、溶液特に水溶液として用いることが好ましく、溶液中の濃度は10〜300mg/Lが好ましい。水以外に用いることのできる溶媒は、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどを例示することができる。
本発明の第1の態様では、上記のシランカップリング剤でまず被めっき物を表面処理する。このときの溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノールなどを例示することができる。その後、めっき対象物を150℃以上の高温で熱処理する。この熱処理工程によって、上述したように、最終的にシランカップリング剤を介した金属皮膜と被めっき材との強い密着性が実現される。熱処理工程の後、貴金属化合物を含む溶液で被めっき物をさらに表面処理し、その後に無電解めっきによって金属皮膜を形成する。
一方、本発明の第2の態様では、前処理剤として、予め上記のシランカップリング剤と貴金属化合物を含む溶液を混合若しくは反応させた液を用意し、この液を用いて被めっき材を表面処理する。その後、150℃以上の高温で熱処理し、この工程によって同様に最終的な金属皮膜と被めっき材との強い密着性が実現できる。熱処理工程の後に、被めっき材の無電解めっきを行う。
上記のシランカップリング剤と貴金属化合物をあらかじめ混合もしくは反応させた液には、第1の態様の場合と同様に、以下の適当な溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、トルエン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等やこれらを混合した溶液を使用できる。
第1及び第2の態様において、表面処理をする際のシランカップリング剤の濃度は、0.001〜10重量%が好ましい。0.001重量%未満の場合、基材の表面に付着する化合物量が低くなりやすく、効果を得にくい。また、10重量%を超えると付着量が多すぎて乾燥しにくかったり、粉末の凝集を起こしやすくなる。
布状や板状の下地に対して表面処理を行う場合は、浸漬処理や刷毛塗り等の手法を用い、その後に溶媒を揮発させる方法が一般的である。しかし、これに限定されるものではなく、表面に均一にシランカップリング剤を付着させる方法であればよい。粉体に対しては、浸漬処理後に溶媒を揮発させて強制的に溶液中に含まれるシランカップリング剤を下地表面に付着させる方法がある。この他には、このシランカップリング剤の均一な成膜性により浸漬処理状態で下地表面に吸着が可能であることから、処理後に溶媒を瀘過分離して湿った粉体を乾燥させる方法も可能である。これらの場合、乾燥後あるいは乾燥に引き続き、前記熱処理が行われる。
めっき前処理を行う前に、被めっき材の洗浄を行ってもよい。特に密着性を要求される場合は従来のクロム酸等によるエッチング処理を用いてもよい。
本発明の金属めっき方法では、上記の表面処理及び加熱処理の後に、無電解めっきを行う。この段階で被めっき材に銅、ニッケル、コバルト、スズ、金等の金属をめっきすることができる。驚くことに、シランカップリング剤に貴金属を捕捉した後、150℃以上で熱処理することにより、還元工程を入れることなく無電解めっきすることが可能となる。もちろん、熱処理後、還元剤としてジメチルアミンボラン、次亜リン酸ナトリウム溶液等で処理することが有効な場合もある。また、無電解めっきを行って金属薄膜を形成させ、導電性のない下地にある程度の導電性を持たせた後、電気めっきや卑なる金属との置換めっきを行うことも可能である。
被めっき材としては、シリコンやインジウム−リン、ガリウム砒素等の半導体ウェハー、ガラス、ポリアラミド、ポリイミドや液晶ポリマー等の樹脂、アルミナ等のセラミックス等難めっき材と呼ばれているものが列挙できる。もちろん、耐熱性さえあればそのような素材に対して本発明の方法を適用し、好適に無電解めっきすることが可能である。
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。実施例及び比較例では、以下に示す方法で、無電解めっきを行った。めっき膜厚は、めっき物をへき開し、断面をSEM観察により測定した。
【実施例1】
イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤を0.1重量%含んだ水溶液に、室温でパラジウム濃度90mg/Lになるように塩化パラジウムを添加して、めっき前処理剤を調製した。この液に、膜厚15nmのTaNをスパッタしたシリコンウェハーを60℃で10分間浸漬し流水で水洗後、大気雰囲気中290℃で20分間加熱処理をした。室温まで冷却した後、10%硫酸水溶液に浸漬し、水洗後、無電解銅めっき液を用いて60℃で15分間めっきを行った。
結果を観察したところ、銅はシリコンウェハー全面にめっきされた。銅めっきの膜厚は100nmであった。また、テープ剥離テストにより、銅皮膜の密着性をテストした結果、テープに銅の剥がれは観察されず、密着性は良好であった。テープ剥離テストは、粘着テープ(ニチバン製セロテープ(登録商標)CT−18)を空気を巻き込まないようにめっき面に貼り、さらに消しゴムで5回テープの上をなぞった後、一気にテープをはがし、どれだけめっきが剥離するかを観察することにより、実施した。
【実施例2】
イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤を0.02重量%含んだメタノール溶液を用意した。この溶液に、膜厚15nmのTaNをスパッタしたシリコンウェハーを室温で10分間浸漬後、窒素雰囲気中350℃で30分間加熱処理を行った。その後、シリコンウェハーを室温まで冷却した後、パラジウム濃度150mg/Lの塩化パラジウム水溶液に60℃で10分間さらに浸漬した。このシリコンウェハーを流水で水洗後、無電解銅めっき液を用いて60℃で15分間めっきを行った。
結果を観察したところ、銅はシリコンウェハー全面にめっきされた。銅めっきの膜厚は100nmであった。また、実施例1と同様のテープ剥離テストにより銅皮膜の密着性をテストした結果、密着性は良好であった。
【実施例3】
イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤を0.1重量%含んだ水溶液に、室温でパラジウム濃度15mg/Lになるように塩化パラジウムを添加して、めっき前処理剤を調製した。この液にアラミド樹脂繊維を60℃で10分間浸漬し、流水で水洗後、窒素雰囲気中150℃で20分間加熱処理をした。この樹脂繊維を室温まで冷却した後、10%硫酸水溶液に浸漬し、水洗後、無電解銅めっき液を用いて60℃で15分間めっきを行った。
結果を観察したところ、銅は全面にめっきされた。めっき物のCu含有率は15.1%であった。Cu含有率は、めっき前後の重量変化により計測した。また、実施例1と同様のテープ剥離テストにより銅皮膜の密着性をテストした結果、テープに銅の剥がれは観察されず、密着性は良好であった。
【実施例4】
イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤を0.1重量%含んだ水溶液に、室温でパラジウム濃度100mg/Lになるように塩化パラジウムを添加して、めっき前処理剤を調製した。この液にアラミド樹脂繊維を60℃で10分間浸漬し、流水で水洗後、窒素雰囲気中200℃で1時間加熱処理をした。このアラミド樹脂繊維を室温まで冷却した後、無電解銅めっき液を用いて60℃で15分間めっきを行った。結果を観察したところ、銅は全面にめっきされた。めっき物のCu含有率を実施例3と同様に求めたところ、14.8%であった。また、実施例1と同様のテープ剥離テストにより銅皮膜の密着性をテストした結果、テープに銅の剥がれは観察されず、密着性は良好であった。
(比較例1)
加熱処理を130℃20分間で行った以外は実施例1と同様にして、膜厚15nmのTaNをスパッタしたシリコンウェハーに一連の処理を行った。その結果、銅は全面にめっきされ、得られた銅皮膜の膜厚は100nmであった。しかし、実施例1と同様のテープ剥離テストにより密着性を評価した結果は不良で、強く水洗するとめっきが剥離した。
(比較例2)
イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの等モル反応生成物であるシランカップリング剤を0.1重量%含んだ水溶液に、室温でパラジウム濃度15mg/Lになるように塩化パラジウムを添加して、めっき前処理剤を調製した。この液にアラミド樹脂繊維を60℃で10分間浸漬し、水洗後、無電解銅めっき液を用いて60℃で15分間めっきを行った。
結果を観察したところ、銅は全面にめっきされた。めっき物のCu含有率を実施例3と同様に求めたところ14.4%であった。実施例1と同様のテープ剥離テストにより、銅皮膜の密着性をテストした結果、不良で、テープに銅が付着した。
産業上の利用の可能性
本発明の方法を用いれば、従来、被めっき剤と金属皮膜の密着力が不足していたいわゆる難めっき素材へ、密着力良く金属めっきをすることが可能となる。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤で被めっき材を表面処理し、該被めっき材を150℃以上の高温で熱処理し、貴金属化合物を含む溶液で表面処理し、無電解めっきすることを特徴とする金属めっき方法。
【請求項2】
一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤と貴金属化合物をあらかじめ混合もしくは反応させた液で被めっき材を表面処理し、該被めっき材を150℃以上の高温で熱処理し、無電解めっきすることを特徴とする金属めっき方法。
【請求項3】
一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するシランカップリング剤がアゾール系化合物とエポキシシラン系化合物との反応により得られたシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属めっき方法。
【請求項4】
金属補足能を持つ官能基がイミダゾール基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属めっき方法。
【請求項5】
貴金属化合物がパラジウム化合物又は銀化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属めっき方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属めっき方法により金属めっきをしためっき物。

【国際公開番号】WO2004/108986
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506729(P2005−506729)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004674
【国際出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(591007860)株式会社日鉱マテリアルズ (545)
【Fターム(参考)】