説明

焼き網の洗浄方法およびその装置

【課題】焼き網の洗浄装置において、従前より各々の方法がとられ、また装置が使用されているが、1枚ごとの洗浄のために処理能力に問題があった。
【解決手段】搬送ベルト上に焼き網1枚分の移動を規制する部材を設け、その上に複数枚の焼き網を重ねた状態にて、その上部より高圧の角度を変化させ、回転した洗浄水を噴射し通過させることにより、焼き網どうしが擦り合い研磨作用を発生させ数枚同時に洗浄可能となるため処理能力を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水を噴射することによる焼き網の洗浄方法と、その装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従前より使用されている高圧水噴射による焼き網の洗浄装置としては、特許文献1にて示されるような定められた冶具に焼き網を装着し、その固定冶具を機械的動力にて回転させ、さらに噴射ノズル本体を回転させるために機械動力を使用するものがある。
【0003】
また、搬送コンベアを使用したものとしては、特許文献2に示すようなものもあるが、噴射ノズル本体を回転揺動させる構造になっており処理としては1枚ごとの搬送構造になっている。
【0004】
さらにワヤイヤーブラシを使用した装置として特許文献3に示された構造の洗浄装置があるが処理は1枚ごとの構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−295549
【特許文献2】特開昭63−130032
【特許文献3】特開2000−93317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の高圧水噴射による洗浄装置は、装置全体の規模を小型化することに主眼を置いているため処理能力が低下し大量の焼き網を効率よく洗浄処理することの必要性に対しての対応に困難があった。さらに小型化をするために装置各部の要素が複雑な構造になり保守面の専門技術の必要性が発生する。
【0007】
また、ワイヤーブラシ式においては直接焼き網に接触するためワイヤーブラシの消耗が生じ交換保守の作業の必要性が生じ消耗品の維持が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前項に記載した問題点を解決するために、ノズル先端部にて直線状に噴射する高圧水を高速で回転させ、連続的に角度を変化させながら高圧水を噴射するノズルを使用したものである。
【0009】
高圧水を回転させ噴射することにより焼き網全体に洗浄水を噴射することができ、放射状に拡散した高圧水の噴射に比較し、より効果の高い洗浄を可能にする。
【0010】
前項に記載した噴射ノズルを搬送ベルトの上部に固定することによりノズルを揺動させることなく簡易的な構造にて高圧の洗浄水を噴射させることが可能となった。
【0011】
さらに、搬送ベルト上の焼き網を移動規制する部材を1枚分規制する固定ピンにて1枚のみの焼き網を移動規制しその上に数枚重ねて高圧洗浄水を噴射することにより、重ねられた2枚目、3枚目が噴射された高圧のサイクロン状の洗浄水により焼き網自体を揺動させものである。
【0012】
重ねた状態で揺動させることにより焼き網どうしが擦り合い研磨作用による洗浄効果を生み出し高圧水の通過による洗浄に合わせ、より効果の高い洗浄が可能となるものである。
【0013】
搬送ベルト上の焼き網移動規制部材としは、他に焼き網の周囲を固定する形状のものでも、1枚のみ規制するものであれば同様の効果を得るこが可能である。
【発明の効果】
【0014】
上述した解決手段により1本の噴射ノズルにて1度に数枚の焼き網の洗浄が可能となる。
【0015】
さらに噴射ノズルを数列配置することにより処理枚数を増加することができ処理能力を高めることが可能となる。
【0016】
また、装置の構造が簡略化され保守作業の必要性が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の装置概要を側面より表した説明図である。 矢印は搬送ベルト1の進行方向を示す
【図2】図1におけるA−A線断面を表した説明図である。
【図3】本装置にて焼き網9の移動を表した説明図である。 1の矢印は搬送ベルトの進行方向を示す 2の矢印はノズルの噴射状態を示す
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態は、図1にて示す移動規制部材2を設けた搬送ベルト1と、高圧水噴射ノズル3にて構成され、図2に示すように高圧水噴射ノズル3を3列に配置固定した。
【0019】
付帯機材とし高圧水噴射ノズル3を固定した噴射カバー4と噴射された洗浄水の貯水シンク5、さらに給水タンク6を設け洗浄水を高圧水噴射ノズル3に供給する高圧水ポンプ7、搬送ベルトを駆動する搬送ベルトモータ8にての構造になっている。
【0020】
図3にて示すよう、搬送ベルト1に設けた移動規制部材2の上に焼き網9を3枚重ねて設置することにより搬送ベルト2の進行方向に移動し高圧水噴射ノズル3の下を通過する。
【0021】
通過する時に噴射される洗浄水の連続または間欠的に変化する角度と回転により、重ねて設置された焼き網9自体が揺動し、高圧水の通過と相互研磨作用にて付着物を除去し洗浄を行う。
【0022】
作業形態は、図1にて搬送ベルト2の上流部にて作業員が手動手段で焼き網を数枚重ねた状態で設置し、洗浄された焼き網は搬送ベルト2の下流部にて金網のカゴ等に収容される・
【産業上の利用可能性】
【0023】
一度使用した業務用焼き網を洗浄し、再使用のための供給を目的とする業務を事業の一環とする業種に方法と装置を提供する。
【符号の説明】
【0024】
1 搬送ベルト
2 移動規制部材
3 高圧水噴射ノズル
4 噴射カバー
5 貯水シンク
6 給水タンク
7 高圧水ポンプ
8 搬送ベルトモータ
9 焼き網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ベルト上に設けた焼き網の移動規制部材により担持された複数枚重ねた焼き網に対して、その上部より連続的または間欠的に噴射角度を変化させながら高圧水噴射ノズルから高圧洗浄水を噴射して通過する焼き網を洗浄することを特徴とする焼き網の洗浄方法。
【請求項2】
焼き網の移動規制部材を設けた搬送ベルトとその上部に噴射角度が自在に変化する高圧水噴射ノズルを備えたことを特徴とする焼き網の洗浄装置。
【請求項3】
前記焼き網の移動規制部材が焼き網1枚分を規制する固定ピンであることを特徴とする請求項2記載の焼き網の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−253429(P2010−253429A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108869(P2009−108869)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(509021269)
【Fターム(参考)】