説明

照光付き電気部品

【課題】 本発明は、照光ムラを無くすると共に照光効率が良くすることができ、更に組立性に優れた照光付きスライド型の電気部品を提供すること。
【解決手段】 本発明に係わる移動体9には、この移動体9を介して操作部材6を照光可能な照光部材11を配設すると共に照光部材11の電極部(図示せず)に電気的に接続可能な第1可動接点12を一体形成した基台10が保持され、この基台10と対向する側には、第1可動接点12に電気的に接続して照光部材11に給電可能な給電パターン15aを形成した固定部材15が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照光付き電気部品に係わり、照光部材の光を導光して操作部材を照光可能な照光付き電気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等に用いられる照光付き電気部品として、特許文献1および特許文献2の構成が公知である。
まず、特許文献1を図5、図6で説明すると、上部ケース200と下部ケース210とが配設され、下部ケース210の中仕切板211には、ターミナル212が固定されると共に、光源220が取り付けられている。
【0003】
また、上部ケース200の内部には、上部ケース200および下部ケース210と別体のインナーケース230が配設され、このインナーケース230下部に回路基板240が配設され、この回路基板240には、光源220の光が通過可能な透孔241が形成されている。
また、上部ケース200の内部でインナーケース230と回路基板240との間には、4方向用のスイッチのスライダ250が配設されて、4方向にスライド可能になっている。また、上部ケース200と下部ケース210およびインナーケース230に支持されて、4方向に傾倒可能な4方向用スイッチのアクチュエータ260が配設されている。
【0004】
前記アクチュエータ260は、下部側に形成した係合部261が回路基板240の透孔241を介して1個の光源220と対向する用に配設されている。また、アクチュエータ260には、上方に延びる軸部262が突設され、この軸部262の上端部側が上部ケース200から上方に突き抜けており、軸部262の上端部に4方向用のスイッチ切換ノブ280が固着されている。
また、上部ケース200内部には、4方向用スイッチの自動復帰用のスプリング290が配設され、このスプリング290でアクチュエータ260が上方に弾性付勢されている。
【0005】
また、上方ケース200の内部で、図5に示すインナーケース230の右側には、2方向用スイッチのスライダ300が配設され、この2方向用のスライダ300は、上部ケース200と回路基板240の上面との間に直線方向にスライド可能となっている。
前記スライダ300には、上方に延びる操作棒301が突設されている。この2方向用のスライダ300の下面には、底側が開口した中空状の円筒形に形成された4本の収納部302が形成され
【0006】
前記2方向用のスライダ300は、2方向スイッチの一部品を構成すると共に、1個の光源220からの光を導光体310を介して2方向用の切換ノブ320のマーク321まで透過する透過体ともなっている。また、2方向用のスライダ300の下面が回路基板240の透孔241を介して導光体310と対向している。
前記2方向の切換ノブ320は、光透過性の合成樹脂からなり、略L字状をなして、2方向用のスライダ300の操作棒301の上端に嵌合固定されている。
そして、1個の光源220からの光で光透過性の合成樹脂からな導光体310により導かれた光が透過体としての2方向用のスライダ300を透過して上方のマーク321が照光するようになっている。
【0007】
また、2方向用のスライダ300の一側面には、ボール350がスプリング360を圧縮した状態で収納されて、ボール350が上部ケース200の内面に弾接している。前記ボール350が弾接する上部ケース200の内面には、ボール350が係脱可能な切換溝(図示せず)が形成されて2方向用スイッチの切換機構となっている。
前記2方向用スイッチの切換機構は、切換ノブ320をスライド操作することによりスライダ300がスライドし、ボール350が溝に係脱して、中立位置および第1位置および第2位置に切り換え可能になっている。
また、ボール350が溝を係脱することで、スライダ300を介して切換ノブ320にクリック感が伝達されるようになっている。
【0008】
また、2方向用のスライダ300の下面には、2方向用スイッチのコンタクト370が配設され、この2方向用スイッチのコンタクト370は、スライダ300の下面に形成した収納部302に収納される4本のコイルバネ371と2枚のプレートコンタクト372と4個の接点ボール373とからなり、接点ボール373がコイルバネ371に弾性付勢されてプレートコンタクト372を介して回路基板240上を摺動可能になっている。
また、導光体310は、下部ケース210の中仕切板211の上面と回路基板240の下面との間に収納されており、水平な導光部311と、光源220と対向する受光面312と、導光部311の端部の設けられ回路基板240の透孔242に嵌合してスライダ300の下面と対向する投光部313とからなっている。
【0009】
このような構成の従来の照光付き電気部品の操作を説明すると、まず、2方向用スイッチの操作において、中立位置にある2方向の切換ノブ320を図6に示す矢印A方向、またはB方向にスライドさせると、スライダ300が第1位置または第2位置に位置する。
【0010】
その際、受光面312から導光体310に侵入した光源220の光は、導光部311を経て投光部313に達して、2方向のスライダ300の内部を透過して2方向用の切換ノブ320を経て2方向用のマーク321を照光させる。
前記投光部313は、矢印A方向およびB方向にスライドする2方向用の切換ノブ320のスライド方向に横長状に形成されており、矢印A方向およびB方向にスライドする2方向用の切換ノブ320のマーク321を常時照光するようになっている。尚、4方向用のスイッチにおいては、点灯した1個の光源220の光が回路基板の第1透孔241を通過してアクチュエータ26の内部を透過して4方向の切換ノブ280を経て、4方向のマーク281を照光させる。
【特許文献1】特開平9−102234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前述したような従来の照光付き電気部品は、2方向用スライダ300のスライドの区間全域にわたって照光を行うので、余分なところまで照光する必要があり、光源220の照光効率が悪くなると共に、切換ノブ320がスライドすると光源220からの距離が変化して照光ムラが発生する問題があった。
また、2方向用スイッチのコンタクト370は、スライダ300の下面に形成した収納部302に、4本のコイルバネ371と2枚のプレートコンタクト372と4個の接点ボール373とをバラバラの状態で収納していたので組立性が悪かった。
本発明は前述のような課題を解決して、照光ムラを無くすると共に照光効率が良くて、更に組立性に優れた照光付きスライド型の電気部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明の照光付きスライド型の電気部品は、移動可能に保持されると共に光が透過可能な移動体と、この移動体を移動操作可能で前記移動体を透過した光によって照光可能な操作部材とを備え、前記移動体には、前記移動体を介して前記操作部材を照光可能な照光部材を配設すると共に前記照光部材の電極部に電気的に接続可能な可動接点を一体形成した基台が保持され、前記基台と対向する側には、前記可動接点に電気的に接続して前記照光部材に給電可能な給電パターンを形成した固定部材が配設されていることを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第2の手段として、前記可動接点は、金属板を折り曲げ形成して前記給電パターンに摺接可能な摺動子片からなり、前記摺動子片は、前記照光部材の電極部が接続可能な接続部を形成した基部と、前記給電パターンに摺接可能な接点部とが形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第3の手段として、前記摺動子片は、前記基部の一部を前記基台に埋設すると共に前記基台から露出する部分の前記基部を前記接続部としたことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第4の手段として、前記移動体と前記基台とは、異なる材質で形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、前記課題を解決するための第5の手段として、前記基台は、前記移動体にスナップ係止されて抜け止めされていることを特徴とする。
また、前記課題を解決するための第6の手段として、前記摺動子片は、前記照光部材の前記電極部の陽極側と陰極側とに接続される互いに絶縁された一対の摺動子片によって形成され、この一対の前記摺動子片は、1枚の金属板で一体形成して前記基台に埋設後に前記一対の摺動子片を接続する切断部を切断して形成したことを特徴とする。
【0015】
また、前記課題を解決するための第7の手段として、前記基台には、埋設後の前記摺動子片の前記切断部を切断可能な切断孔が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の照光付き電気部品の移動体には、移動体を介して操作部材を照光可能な照光部材を配設すると共に照光部材の電極部に電気的に接続可能な可動接点を一体形成した基台が保持され、基台と対向する側には、可動接点に電気的に接続して照光部材に給電可能な給電パターンを形成した固定部材が配設されているので、移動体と共に照光部材を搭載した基台も移動するので、操作部材を効率よく照光でき、周囲が暗くても操作部材を明るく点灯することができ操作性が良い。
【0017】
また、可動接点は、金属板を折り曲げ形成して給電パターンに摺接可能な摺動子片からなり、前記摺動子片は、照光部材の電極部が接続可能な接続部を形成した基部と、給電パターンに摺接可能な接点部とが形成されているので、プレス等で高精度に打ち抜き加工することができ加工性に優れている。
【0018】
また、摺動子片は、基部の一部を基台に埋設すると共に基台から露出する部分の基部を接続部としたので、照光部材を表面実装等で摺動子片に確実に接続できる。また、摺動子片を基部に容易に保持することができる。
【0019】
また、移動体と基台とは、異なる材質で形成されているので、摺動性に優れた材質を移動体に用い、保持強度に優れた材質を基台を用いることで、操作性に優れていると共に機械的強度に優れた照光付き電気部品を提供できる。
【0020】
また、基台は、移動体にスナップ係止されて抜け止めされているので、組立が容易である。
【0021】
また、摺動子片は、照光部材の電極部の陽極側と陰極側とに接続される互いに絶縁された一対の摺動子片によって形成され、この一対の前記摺動子片は、1枚の金属板で一体形成して基台に埋設後に一対の摺動子片を接続する切断部を切断して形成したので、基台と摺動子片とが一体化されており、組立時の取り扱いが容易となり更に項見立て性に優れている。
【0022】
また、基台には、埋設後の摺動子片の切断部を切断可能な切断孔が形成されているので、切断部を切断孔から切断して一対の摺動子片を確実に絶縁することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、車両等に用いられるドアミラースイッチ等の照光付き電気部品の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に関する照光付き電気部品の平面図であり、図2は図1の2−2断面図であり、図3は本発明に係わる基台の斜視図であり、図4は本発明に係わる基台の製造方法を説明する平面図である。
【0024】
まず、本発明の照光付き電気部品1は、図1に示すように、外周部が樹脂材料等からなる上ケース2で囲まれており、この上ケース2の図示下部側には、4方向用スイッチ3が配設され、この4方向用スイッチ3は、外形が略矩形状で材質がアクリル等の光透過性の樹脂材料からなる切換ノブ4を有し、この切換ノブ4の表面に、例えば操作方向を示すマーク4aが上下左右の4箇所に形成されている。前記マーク4a以外の部分は、不透明な塗料が塗布されて、図示を省略した光源からの光によってマーク4aが照光するようになっている。
そして、例えばマーク4aが形成された部分の切換ノブ4を押圧操作することにより、4方向用スイッチ回路を切り換え可能になっている。
【0025】
また、図1に示す上ケース2の上部側には、2方向用スイッチ5が配設され、この2方向用スイッチ5は、外形が略楕円形状で材質がアクリル等の光透過性の樹脂材料からなる操作部材6を有し、この操作部材6は矢印Cの図示左方向および矢印Dの右方向にスライド操作することにより2方向用スイッチ回路が切り換え可能になっている。
前記操作部材6の表面には、例えばL、Rの2個の表示マーク6a、6aが形成され、該表示マーク6a、6a以外の部分は、不透明な塗料が塗布され、後述する照光部材11から出射された光によって、操作部材6が照光されて表示マーク6a、6aが浮かび上がるようになっている。
また、操作部材6の図示左側の上ケース2には、サイドミラーを収納位置、若しくは使用位置に位置させるサイドミラーの収納状態と使用状態をデザイン化して表示した操作スイッチ7が形成されている。
尚、左右いずれのサイドミラーを操作するかを2方向用スイッチ5で指定し、操作スイッチ7でサイドミラーの収納または使用を指定する、あるいは4方向用スイッチ3で角度を調整するようになっている。
【0026】
前記2方向用スイッチ5は、図2に示すように、操作部材6の下面側に形成した導光体保持部6bに導光体8の先端部が保持されている。
前記導光体8は、形状が角柱状で材質がアクリル等の光透過性の樹脂材料からなり、図2において上部側の先端部8aが操作部材6の導光体保持部6bに保持されると共に、下部側の幅広部8bが移動体9の嵌合溝9aに嵌合支持されている。また、導光体8は、下端部に円弧状の入射部8cが形成され、この入射部8cに後述する照光部材xの光が照射されると、導光体8内部に効率よく入射させることができるようになっている。
【0027】
前記移動体9は、ポリアセタール等の合成樹脂からなり、嵌合溝9aの下部に連設されて光源挿入部9bが形成され、この光源挿入部9bに後述する照光部材xが位置するようになっている。
また、移動体9の嵌合溝9aを挟んで互いに対向する第1側壁9cには、操作部材6に形成したスナップ脚(図示せず)がスナップ係合可能な係合孔9dが形成され、この係合孔9dにスナップ脚をスナップ係合させることで、操作部材6と移動体9とが一体化され、操作部材6の矢印C方向およびD方向への操作で移動体9も同方向に移動するようになっている。
【0028】
また、図2に示す移動体9の下部側には、所定の隙間を挟んで互いに対向する一対の第2側壁9eが形成され、この第2側壁9eに第2係合孔9fが形成されている。
また、互いに対向する一対の第2側壁9eに挟まれた隙間部分には、所定厚さの基台10が配設されている。前記基台10は、材質がガラス入りPBT等の合成樹脂からなり、図3、図4に示すように、角凹10aが形成されると共に、この角凹10aの図示奥側に3個の切断孔10bが形成されている。
【0029】
また、移動体9には、上ケース2の内面に弾性付勢するボール(図示せず)が内挿されて、このボールによって、移動体9を中立位置と、矢印C方向にスライド移動させた第1の位置と、矢印D方向にスライド移動させた第2の位置の3つのポジションでクリック感が得られるようになっている。
【0030】
また、基台10には、図3、図4に示すように、角凹10aが形成されると共に、この角凹10aの図示奥側に3個の切断孔10bが形成されている。また、移動体9には、上ケース2の内面に弾性付勢するボール(図示せず)が内挿されて、このボールによって、移動体9を中立位置と、矢印C方向にスライド移動させた第1の位置と、矢印D方向にスライド移動させた第2の位置の3つのポジションでクリック感が得られるようになっている。
【0031】
前記上ケース2の内面には、3つのポジションに対応したそれぞれの位置に、ボールが係合可能な凹部が形成れて、クリック感が発生するようになっている。
また、基台10には、図示左右の側面から係合爪10cが突出形成され、この係合爪10cを移動体9の第2係合孔9fにスナップ係合することにより、移動体9と基台10とが一体化されるようになっている。
また基台10の角凹10aには、チップ状の発光ダイオード等からなる照光部材11が位置決め可能になっており、角凹10a周辺の基台10には、一対の第1可動接点12、12の基部12aがインサート成形等で一部が埋設されて一体化されている。
【0032】
前記第1可動接点12は、弾性を有する金属板を折り曲げて、後述する給電パターンxに摺接可能な摺動子片からなっている。
そして、第1可動接点12は、基部12aが基台10に埋設され、この基部12aの一部を角凹10aの底面から露出させた接続部12bを有し、基台10の図示奥側に基部12aを延出させてアーム部12cが形成され、このアーム部12cを基台10の裏面側に折り曲げ、この折り曲げ先端部に後述する給電パターンxに摺接可能な接点部12dが形成されている。
【0033】
前記一対の第1可動接点12は、一方の接続部12bに、角凹10aに位置決めした照光部材11の陽極側の電極部(図示せず)が、また、他方の接続部12bに、陰極側の電極部(図示せず)が、それぞれ半田等で電気的に接続可能になっている。即ち、第1可動接点12を介して照光部材11に通電することにより照光部材11が点灯するようになっている。
また、基台10には、一対の第1可動接点12の外側で切断孔10b近傍には、第1可動接点12と同材質で摺動子片からなる第2可動接点13が埋設されて一体化されている。
【0034】
前記第2可動接点13は、基部13aが基台10に埋設され、基台10の図示奥側に基部13aを延出させてアーム部13bが形成され、このアーム部13bを第1可動接点12と同様に基台10の裏面側に折り曲げ、この折り曲げ先端部に後述する2方向用スイッチパターン15bに摺接可能な接点部13cが形成されている。
前記第2可動接点13は、操作部材6の矢印C方向、または矢印D方向へのスライドに対応して、2方向用スイッチ5の回路が切り換えられるようになっている。
【0035】
前記基台10に埋設される第1、第2可動接点12、13は、1枚の金属板をプレス加工で打ち抜きして、図4に示すように切断部14で繋がって一体形成され、基台10にインサート等で埋設後に、切断孔10bから切断部14を切断して分離可能になっている。そのために、第1、第2回路接点12、13は、基台10に埋設されて一体化されると共に、それぞれが絶縁されている。
また、基台10と所定の隙間を有して対向する図示下方側には、プリント基板からなる固定部材15が配設され、この固定部材15の上面で第1可動接点12が摺接する部分には、給電パターン15aが形成されて第1可動接点12を介して照光部材11に通電可能になっている。
【0036】
また、固定部材15の上面で、給電パターン15aの外側には、第2可動接点13が摺接可能な2方向用スイッチパターン15bが形成されている。
また、上ケース2の下部が開放されており、この開放部分に下ケース16がスナップ係合、または圧入等で固着されて、上ケース2の開放された下部が密閉されている。また、下ケース16によって、固定部材15が上ケース2内部に固定されるようになっている。
【0037】
このような本発明の照光付き電気部品1の操作を説明すると、例えば車のエンジンを起動し、ヘッドライト等を点灯しているときは、照光部材11は、第1可動接点12を介して給電パターン15aから給電されて常時点灯した状態になっている。
そして、中立位置にある2方向用スイッチ5の操作部材6を、例えば表示マークL側の矢印C方向にスライド移動させると、2方向用スイッチ5の回路が切り換えられて第1の回路を構成する。
【0038】
前記2方向用スイッチ5が第1の回路を構成した状態で、4方向用スイッチ3の切換ノブ4を傾倒操作すると、左側のサイドミラーの向きを所望の方向に操作可能になっている。
また、2方向用スイッチ5の操作部材6を、例えば表示マークR側の矢印D方向にスライド移動させると、2方向用スイッチ5の回路が切り換えられて第2の回路を構成する。
前記2方向用スイッチ5が第2の回路を構成した状態で、4方向用スイッチ3の切換ノブ4を傾倒操作すると、右側のサイドミラーの向きを所望の方向に操作可能になっている。
【0039】
例えば、2方向用スイッチ5が第1の回路を構成した状態で、4方向用スイッチ3の切換ノブ4を上方に傾倒させると左側のサイドミラーが上側に傾倒し、4方向用スイッチ3の切換ノブ4を下方に傾倒させると、左側のサイドミラーが下側に傾倒し、切換ノブ4を左側に傾倒させると、左側のサイドミラーが左側に傾倒し、切換ノブ4を右側に傾倒させると、左側のサイドミラーが右側に傾倒するようになっている。
また、2方向用スイッチ5の操作部材6が中立位置にあるときは、4方向用スイッチ3の切換ノブ4をいずれの方向に傾倒操作しても、サイドミラーは傾倒しないので、誤操作するおそれがない。
尚、本実施の形態においては、チップ状の照光部材11を、基台10に載置し第1可動接点12に該照光部材11の電極部を接続し、これを移動体9に取り付ければよいので、照光部材11に熱的なダメージを殆ど与えず、また簡単に作業を行うことができる。
【0040】
また、本発明の実施の形態では、移動体9をスライド移動するもので説明したが、移動体9を上ケース2に回動可能に支持して、操作部材6を回動操作するようにしたものでも良い。
また、第1可動接点12を1枚の金属板を打ち抜いた摺動子片で説明したが、
アーム部12cを基部12aと別部材で形成し、基部12aに半田付けしても良い。また、埋設せずに、カシメ等の方法で基台10に取り付けても良い。
また、本発明の照光付き電気部品を車のサイドミラーを操作するもので説明したが、車以外のもに使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に関する照光付き電気部品の平面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】本発明に係わる基台の斜視図である。
【図4】本発明に係わる基台の製造方法を説明する平面図である。
【図5】従来の照光付き電気部品の要部断面図ある。
【図6】従来の照光付き電気部品の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 本発明の照光付き電気部品
2 上ケース
3 4方向用スイッチ
4 切換ノブ
5 2方向用スイッチ
6 操作部材
8 導光体
9 移動体
9d 第1係合孔
9f 第2係合孔
10 基台
10a 角凹
10b 切断孔
10c 係合爪
11 照光部材
12 第1可動接点(可動接点)
12a 基部
12b 接続部
12c アーム部
12d 接点部
13 第2可動接点
13a 基部
13b アーム部
13c 接点部
14 切断部
15 固定部材
15a 給電パターン
15b 2方向用スイッチパターン
16 下ケース



【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能に保持されると共に光が透過可能な移動体と、この移動体を移動操作可能で前記移動体を透過した光によって照光可能な操作部材とを備え、前記移動体には、前記移動体を介して前記操作部材を照光可能な照光部材を配設すると共に前記照光部材の電極部に電気的に接続可能な可動接点を一体形成した基台が保持され、前記基台と対向する側には、前記可動接点に電気的に接続して前記照光部材に給電可能な給電パターンを形成した固定部材が配設されていることを特徴とする照光付き電気部品。
【請求項2】
前記可動接点は、金属板を折り曲げ形成して前記給電パターンに摺接可能な摺動子片からなり、前記摺動子片は、前記照光部材の電極部が接続可能な接続部を形成した基部と、前記給電パターンに摺接可能な接点部とが形成されていることを特徴とする請求項1記載の照光付き電気部品。
【請求項3】
前記摺動子片は、前記基部の一部を前記基台に埋設すると共に前記基台から露出する部分の前記基部を前記接続部としたことを特徴とする請求項2記載の照光付き電気部品。
【請求項4】
前記移動体と前記基台とは、異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照光付き電気部品。
【請求項5】
前記基台は、前記移動体にスナップ係止されて抜け止めされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の照光付き電気部品。
【請求項6】
前記摺動子片は、前記照光部材の前記電極部の陽極側と陰極側とに接続される互いに絶縁された一対の摺動子片によって形成され、この一対の前記摺動子片は、1枚の金属板で一体形成して前記基台に埋設後に前記一対の摺動子片を接続する切断部を切断して形成したことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の照光付き電気部品。
【請求項7】
前記基台には、埋設後の前記摺動子片の前記切断部を切断可能な切断孔が形成されていることを特徴とする請求項6記載の照光付き電気部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−156104(P2006−156104A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344418(P2004−344418)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】