説明

照度均一化装置、露光装置、露光方法および半導体デバイスの製造方法

【課題】不純物を効率的に除去する照度均一化光学系を提供する。
【解決手段】本発明による照度均一化光学系(351a、351b)は、複数の光学素子(3511a、3511b)を含み、前記複数の光学素子に光を照射して前記複数の光学素子からの光を集光して照度を均一化する照度均一化光学系であって、前記複数の光学素子の間に、不純物を吸着する吸着素子(1011)を配置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度均一化装置および該照度均一化装置を使用する露光装置および該露光装置を使用する半導体デバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11〜14nm)のEUV(Extreme Ultraviolet)光(極端紫外線)を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている(たとえば、特許文献1)。この技術は、最近ではEUVリソグラフィと呼ばれており、従来の波長190nm程度の光線を用いた光リソグラフィでは実現不可能な、70nm以下の解像力を得られる技術として期待されている。
【特許文献1】特開2003-14893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
EUV光を使用した露光装置においては、EUV光源の標的材料(ターゲット)やターゲットがスパッタリングした周辺部材などが粒子として飛散し、光学素子を汚染して、たとえば、反射率を低下させるなどの問題を生じる。このような飛散粒子をデブリと呼称する。また、デブリの他にも、水分、一酸化炭素、二酸化炭素および有機物ガスなどによって、露光装置中の反射鏡の多層膜表面において酸化膜やカーボン皮膜が形成されやすくなる。デブリや上記の物質を含め、露光装置中の反射鏡の反射率を低下させる物質を総じて不純物と呼称する。
【0004】
このように不純物は、光学素子の反射率を低下させ、露光装置のスループットを低下させるので、できるだけ低減する必要がある。
【0005】
したがって、不純物を効率的に除去する照度均一化光学系に対するニーズがある。また、高いスループットを実現することのできる露光装置および半導体製造方法に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による照度均一化光学系は、その表面の照度が相対的に低い部分に不純物を吸着する吸着素子を配置したことを特徴とする。
【0007】
本発明による照度均一化光学系においては、表面の照度が相対的に低い部分に吸着素子を配置するので、吸着素子の照度への影響を小さくすることができる。
【0008】
本発明による照度均一化光学系は、複数の光学素子を含み、前記複数の光学素子に光を照射して前記複数の光学素子からの光を集光して照度を均一化する照度均一化光学系であって、前記複数の光学素子の間に、不純物を吸着する吸着素子を配置したことを特徴とする。
【0009】
本発明による照度均一化光学系においては、照度均一化光学系を構成する複数の光学素子の間に、吸着素子を配置したので、光の径路の大部分は、吸着素子によって妨げられることはなく、吸着素子の照度への影響を小さくすることができる。
【0010】
本発明の一実施形態による照度均一化光学系は、フライアイミラーを備えたことを特徴とする。
【0011】
本実施形態による照度均一化光学系においては、フライアイミラーを構成する複数の光学素子の間に、吸着素子を配置したので、光の径路の大部分は、吸着素子によって妨げられることはなく、吸着素子の照度への影響を小さくすることができる。
【0012】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、前記吸着素子が金属、ガラスまたはセラミックからなることを特徴とする。
【0013】
本実施形態によれば、吸着素子から放出されるガスは少ないので、吸着素子によって露光装置内が汚染される程度は小さい。
【0014】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、前記吸着素子を冷却するための冷却装置をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
本実施形態によれば、冷却装置によって吸着素子を低温に維持することにより、吸着素子の吸着効率を向上させることができる。
【0016】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、不純物が、前記吸着素子によって吸着されやすくなるように、前記吸着素子の周辺にガスを供給する装置をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
本実施形態によれば、不純物の流れがガスによって妨げられるので、不純物が吸着素子によって吸着されやすくなる。
【0018】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、前記ガスが不活性ガスであることを特徴とする。
【0019】
本実施形態によれば、ガスが、露光装置内の多層膜反射鏡表面のカーボン皮膜や酸化膜を生成する原因となることはない。
【0020】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、前記ガスが酸化性ガスであることを特徴とする。
【0021】
本実施形態によれば、露光装置内の反射鏡に既にカーボン皮膜が存在する場合には、カーボン皮膜を酸化によって除去することができる。
【0022】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、前記ガスが還元性ガスであることを特徴とする。
【0023】
本実施形態によれば、露光装置内の反射鏡に既に酸化膜が存在する場合には、酸化膜を還元によって除去することができる。
【0024】
本発明の他の実施形態による照度均一化光学系は、不純物が、前記吸着素子によって吸着されやすくなるように、前記吸着素子の周辺に、前記不純物に電場または磁場をかける装置をさらに備えたことを特徴とする。
【0025】
本実施形態によれば、電場または磁場をかけることにより、露光装置内の不純物の流れを変えて、不純物が吸着素子によって吸着されやすくなるようにすることができる。
【0026】
本発明による露光装置は、本発明による照度均一化光学系を含むことを特徴とする。
【0027】
本発明による露光装置によれば、露光装置内の不純物が低減されるので、多層膜反射鏡の反射効率の低下が防止される。したがって、露光装置の高いスループットを維持することができる。
【0028】
本発明による露光方法は、本発明による露光装置を使用して露光転写を行うことを特徴とする。
【0029】
本発明による露光方法によれば、高いスループットを維持することができる。
【0030】
本発明による半導体デバイスの製造方法は、本発明による露光装置を使用して、露光転写する工程を有することを特徴とする。
【0031】
本発明による半導体デバイスの製造方法においては、露光装置の高いスループットを維持することができるので、高いスループットで半導体デバイスを製造することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、不純物を効率的に除去する照度均一化光学系、高いスループットを実現することのできる露光装置および半導体製造方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるEUV露光装置の構成を示す図である。
【0034】
EUV露光装置は、後で詳細に説明するEUV光源31と、照明光学系33と、投影光学系41と、を含む。
【0035】
EUV光源31から放出されたEUV光は、コリメータミラーとして作用する凹面反射鏡34を介してほぼ平行光束となり、一対のフライアイミラー35aおよび35bからなる照度均一化光学系(オプティカルインテグレータ)35に入射する。ここで、光径路上、EUV光源31に近いフライアイミラー35bを第1のフライアイミラーと呼称し、EUV光源31から遠いフライアイミラー35aを第2のフライアイミラーと呼称する。
【0036】
こうして、フライアイミラー35aの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグレータ35の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される。実質的な面光源からの光は平面反射鏡36により偏向された後、マスク(レチクル)M上に細長い円弧状の照明領域を形成する。ここで、円弧状の照明領域を形成するための開口板は、図示していない。マスクMの表面で反射された光は、その後、投影光学系41の多層膜反射鏡M1、M2、M3、M4、M5、M6で順に反射されて、露光光1として、マスクMの表面に形成されたパターンの像を、レジスト3を塗布したウエハ2(感応基板)上に形成する。
【0037】
EUV光源として、特に有力視されているのがレーザプラズマEUV光源(以下では、LPP(Laser Produced Plasma)と記載することがある)と放電プラズマEUV光源である。LPPは、パルスレーザ光を真空容器内の標的材料(ターゲット)上に集光し、標的材料をプラズマ化して、このプラズマから輻射されるEUV光を利用するものである。また、Dense Plasma Focus(DPF)などの放電プラズマを用いたEUV光源は小型であり、EUV光量が多く低コストである。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態によるEUV光源31の構成を示す図である。本実施形態のEUV光源は、LPP方式のEUV光源である。LPP方式のEUV光源においては、真空中に、たとえばノズル205などによってターゲットを供給し、集光点Pにおいて該ターゲットにレーザ集光レンズ201によって集光したパルスレーザLを照射し、高温のプラズマを発生させ、これから放射される、たとえば13.5ナノメータのEUV光を利用する。ターゲット材としては、金属薄膜、不活性ガスおよび液滴などが使用される。発生したEUV光は、集光ミラー203によって集光され、露光装置の照明光学系33へ送られる。
【0039】
ここで、図2に示すように、ターゲットを供給するノズル205の中心軸と、レーザ光の中心軸と、集光ミラー203で反射された主光線の軸とは互いに直交するよう配置してもよい。このように配置することにより、互いに干渉することが防止される。
【0040】
ここで、デブリによる光学素子の汚染について説明する。デブリは、ターゲットが飛散したものや、ターゲットがスパッタリングした周辺部材などが飛散したものからなる。デブリが多層膜表面に付着したり、デブリによって多層膜表面が削り取られたりすることにより、光学素子の表面粗さを増加させたり、光の干渉性を変化させたり、光を吸収させることになり、EUV光源に使用される多層膜反射鏡(集光ミラー)の反射効率が低下する。また、EUV光は、ほとんど全ての物質に吸収されるのでEUV露光装置内は真空状態に保持される。このため、デブリもEUV露光装置のEUV光源から照明光学系および投影光学系に広く拡散し、これらの光学系中の多層膜反射鏡の反射効率を同様に低下させる。この結果、EUV露光装置のスループットが低下する。このようにデブリなどの不純物は、露光装置のスループットを低下させるので、できるだけ低減する必要がある。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施形態による照度均一化光学系351の構成を示す図である。図3(a)は、第2のフライアイミラー35aの構成を示す図であり、図3(b)は、第1のフライアイミラー351b、第2のフライアイミラー351aおよび集光ミラー351cの構成を示す断面図である。なお、集光ミラー351cは、図1には図示していない。
【0042】
図3に示すように、第1のフライアイミラー351bおよび第2のフライアイミラー351aは、それぞれ、多数の反射素子3511bおよび3511aから構成されている。凹面反射鏡34によってコリメートされた光は、第1のフライアイミラー351bの多数の反射素子3511bによって波面分割され、各々の反射面からの光が集光されて複数の光源像が形成される。これらの複数の光源像が形成される位置の近傍には、第2のフライアイミラー351aの反射素子のそれぞれが位置決めされている。このように、照度均一化光学系351は、凹面反射鏡34によってコリメートされた光に基づいて2次光源として多数の光源像を形成する。
【0043】
図3に示すように、本実施形態においては、第1のフライアイミラー351bの反射素子3511bの間および第2のフライアイミラー351aの反射素子3511aの間に、不純物を吸着するためのフォイルトラップ1011が設けられている。本実施形態において、フォイルトラップ1011は、それぞれの面が互いに平行となるように一定の方向に配置されている。
【0044】
フォイルトラップ1011は、ここの反射素子の間にもれなく配置してもよいが、1個おき、または複数個おきなど、選択的に配置してもよい。
【0045】
フォイルトラップ1011は、反射素子の間に接着剤を使用して結合してもよい。あるいは、配列した複数の反射素子の両端から挟み込んで結合してもよい。また、井桁状、すのこ状、又はすだれ状のフォイルトラップを反射素子から離して近接配置してもよい。接着剤を使用しない場合には、接着剤からの放出ガスにより、反射素子の反射率が低下する恐れがない。
【0046】
図3(b)に示すように、フォイルトラップ1011の寸法、特に高さは、光の経路をできるだけ遮断せずに、不純物を有効に吸着できるものとする。フライアイミラーにおいてそれぞれの反射素子の周辺部の照度は低いので、光の経路が遮断された場合でも、全体の照度への影響は小さい。このように、フライアイミラーにおいて、複数の反射素子の間にフォイルトラップ(吸着素子)を配置することにより、全体の照度を低下させずに有効に不純物を吸着し、除去することができる。照度均一化光学系において、不純物を除去することにより、投影光学系41の多層膜反射鏡が不純物によって汚染されるのを防止することができる。
【0047】
通常、フォイルトラップを露光装置の光路空間中に設置した場合、光の輝度低下や照度不均一の原因となる。露光装置において、光の輝度が低下するとスループットが低下する。また、露光装置において、マスク照射領域内の照度が不均一であると、見かけ上の収差が増大して、ウエハ上に投影されたマスク・パターンの線幅異常が増加する。この結果、焼き付けられた半導体デバイスの不良品率が高くなる。これに対して、本実施形態においては、EUV光の輝度低下や照度不均一をできるだけ抑えながら、不純物を効率的に除去することができる。
【0048】
図4は、本発明の第2の実施形態による照度均一化光学系353の構成を示す図である。図4(a)は、第2のフライアイミラー353aの構成を示す図であり、図4(b)は、第1のフライアイミラー353b、第2のフライアイミラー353aおよび集光ミラー353cの構成を示す断面図である。なお、集光ミラー353cは、図1には図示していない。
【0049】
本実施形態においては、第2のフライアイミラー353aにおけるフォイルトラップ1013の配列方向が、第1の実施形態の第2のフライアイミラー351aにおけるフォイルトラップ1011の配列方向と異なる。
【0050】
図4(b)に示すように、フォイルトラップ1013の寸法、特に高さは、光の経路をできるだけ遮断せずに、不純物を有効に吸着できるものとする。フライアイミラーにおいてそれぞれの反射素子の周辺部の照度は低いので、光の経路が遮断された場合でも、全体の照度への影響は小さい。このように、フライアイミラーにおいて、複数の反射素子の間にフォイルトラップ(吸着素子)を配置することにより、全体の照度を低下させずに有効に不純物を吸着し、除去することができる。照度均一化光学系において、不純物を除去することにより、投影光学系41の多層膜反射鏡が不純物によって汚染されるのを防止することができる。
【0051】
図5は、本発明の第3の実施形態による第1のフライアイミラー355bの構成を示す平面図である。本実施形態において、フォイルトラップ1015は、第1のフライアイミラー355bにおいて、照度の低い部分に対応する位置に設置する。具体的に、光源31の集光ミラー203には、集光ミラー203を保持する支柱が存在し、第1のフライアイミラー355bにおいて、該支柱の影が照度の低い部分として存在する。図5に示すように、この部分にフォイルトラップ1015を配置する。本実施形態においては、フォイルトラップ1015は、第1のフライアイミラー355bから離して配置する。フォイルトラップ1015は、光の径路を妨げないようなサポートによって支持してもよい。本実施形態においては、本来照度の低い部分にフォイルトラップ1015を配置するので、フォイルトラップ1015による全体の照度への影響は小さい。
【0052】
上記の全ての実施形態において、フォイルトラップの材質は、比較的放出ガスの少ない、金属、ガラスまたはセラミックなどが好ましい。フォイルトラップの表面の粗さを大きくした方が、接触面積が大きくなるので吸着効率は向上する。そこで、フォイルトラップの材質として、活性炭やポーラスなセラミック(多孔性のセラミック)などを用いてもよい。また、フォイルトラップを低温に保持することにより、吸着効率は向上する。フォイルトラップを低温に保持するには、一例としてペルチェ素子などを使用する。
【0053】
上記の全ての実施形態において、不純物の進行を妨げ、フォイルトラップに吸着されやすくするように、フォイルトラップを設ける照度均一化光学系の近辺にガスを供給してもよい。使用するガスとしては、たとえば、ヘリウム、アルゴン、窒素などのEUV光の吸光の少ないガスや、反射鏡表面にカーボン皮膜や酸化膜を生成する原因とならない不活性ガスなどが好ましい。また、露光装置内の反射鏡に既にカーボン皮膜が存在する場合には、カーボン皮膜を酸化によって除去するために、酸素、水、一酸化窒素などの酸化性ガスを使用してもよい。あるいは、露光装置内の反射鏡に既に酸化膜が存在する場合には、酸化膜を還元によって除去するために、水素や一酸化炭素などの還元性ガスを使用してもよい。
【0054】
上記の全ての実施形態において、フォイルトラップに吸着されやすくするように、不純物がイオン化されている場合には、不純物に電場または磁場をかけて不純物の進行方向を変化させてもよい。不純物がイオン化されていない場合には、不純物に予め電子線やレーザ光線などを照射してイオン化してもよい。
【0055】
上記において、本発明がEUV露光装置に適用される実施形態について説明したが、本発明は、他の波長の光を使用する露光装置にも適用することができる。
【0056】
上記のように、本発明による照度均一化光学系によれば、EUV光の輝度低下や照度不均一をできるだけ抑えながら、不純物を効率的に除去することができる。また、本発明による照度均一化光学系を備えた、本発明による露光装置によれば、露光装置内の不純物が低減されるので、多層膜反射鏡の反射効率の低下が防止される。したがって、露光装置の高いスループットを維持することができる。
【0057】
以下、本発明に係わる半導体デバイスの製造方法の実施の形態の例を説明する。図6は、本発明の半導体デバイス製造方法の実施形態の一例を示す流れ図である。この例の製造工程は以下の各工程を含む。
【0058】
(1)ウエハを製造するウエハ製造工程(またはウエハを準備するウエハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(またはマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウエハに必要な露光処理を行うウエハプロセッシング工程
(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5)できたチップを検査するチップ検査工程
なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程からなっている。
【0059】
これらの主工程の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウエハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング工程は、以下の各工程を含む。
【0060】
(1)絶縁層となる誘電体膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜などを形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリングなどを用いる)
(2)この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程
(3)薄膜層やウエハ基板などを選択的に加工するためにマスク(レクチル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程
(4)レジストパターンにしたがって薄膜層や基板を加工するエッチング工程(たとえばドライエッチング技術を用いる)
(5)イオン・不純物注入拡散工程
(6)レジスト剥離工程
(7)さらに加工されたウエハを検査する検査工程
なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
【0061】
本実施形態においては、上記リソグラフィ工程において、本発明による照度均一化光学系を備えた本発明による露光装置を使用している。したがって、露光装置の高いスループットを維持することができるので、高いスループットで半導体デバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態によるEUV露光装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるEUV光源の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による照度均一化光学系の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による照度均一化光学系の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による照度均一化光学系の構成を示す図である。
【図6】本発明の半導体デバイス製造方法の実施形態の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0063】
351b、353b、355b…第1のフライアイミラー、351a、353a…第2のフライアイミラー、1011、1013、1015…フォイルトラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照度均一化光学系であって、その表面の照度が相対的に低い部分に不純物を吸着する吸着素子を配置したことを特徴とする照度均一化光学系。
【請求項2】
複数の光学素子を含み、前記複数の光学素子に光を照射して前記複数の光学素子からの光を集光して照度を均一化する照度均一化光学系であって、前記複数の光学素子の間に、不純物を吸着する吸着素子を配置したことを特徴とする照度均一化光学系。
【請求項3】
フライアイミラーを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の照度均一化光学系。
【請求項4】
前記吸着素子が薄い板状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照度均一化光学系。
【請求項5】
前記吸着素子が金属、ガラスまたはセラミックからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の照度均一化光学系。
【請求項6】
前記吸着素子を冷却するための冷却装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の照度均一化光学系。
【請求項7】
不純物が前記吸着素子によって吸着されやすくなるように、前記吸着素子の周辺にガスを供給する装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の照度均一化光学系。
【請求項8】
前記ガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項7に記載の照度均一化光学系。
【請求項9】
前記ガスが酸化性ガスであることを特徴とする請求項7に記載の照度均一化光学系。
【請求項10】
前記ガスが還元性ガスであることを特徴とする請求項7に記載の照度均一化光学系。
【請求項11】
不純物が前記吸着素子によって吸着されやすくなるように、前記吸着素子の周辺に、前記不純物に電場または磁場をかける装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の照度均一化光学系。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の照度均一化光学系を含むことを特徴とする露光装置。
【請求項13】
請求項12に記載された露光装置を使用して露光転写を行うことを特徴とする露光方法。
【請求項14】
請求項12に記載された露光装置を使用して露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−153396(P2008−153396A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339080(P2006−339080)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構「極端紫外線(EUV)露光システムの開発」に関する委託研究)産業活力再生特別措置法第30条の規定を受ける特許出願
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】