説明

照明システムおよび明るさ設定方法

【課題】光源の明るさ設定に関するユーザの多様な要求に応えることが可能な照明システムおよび明るさ設定方法を提供する。
【解決手段】リモコン1の発光部15は、ダウンボタン11等の操作部が操作されている間、調光用信号を継続して送信する。調光部22は、リモコン1から調光用信号を受信した際、調光用信号の継続時間が所定時間(例えば、1秒)未満である場合には、光源21の明るさを、所定の割合だけ変更し、調光用信号の継続時間が所定時間以上である場合には、調光用信号を受信している間、光源21の明るさを、所定の割合よりも小さい割合で継続的に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムおよび明るさ設定方法に関し、特には、リモコンによって照明の明るさを調節できる照明システムおよび明るさ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開平2−148599号公報)には、リモコンおよび照明器具を備えた照明システムが記載されている。
【0003】
この照明システムでは、リモコンの明るさ調節用ボタンが単発で操作されると、照明器具は、光源の明るさを10%だけ変化させ、また、リモコンの明るさ調節用ボタンが連続して操作されると、照明器具は、0.5秒ごとに、光源の明るさを10%ずつ変化させる。
【特許文献1】特開平2−148599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明システムでは、光源の明るさが段階的(10%ごと)に調節される。このため、例えば、光源の明るさが10%未満ごとに段階的に調節される場合より、明るさの調節時間、および、明るさ調節用ボタンの操作時間を短くできる。よって、明るさの調節時間、および、明るさ調節用ボタンの操作時間を短くしたいというユーザの要求には応えることができる。
【0005】
しかしながら、この照明システムは、光源の明るさをよりきめ細かく調節したいというユーザの要求に応えることができない。
【0006】
本発明の目的は、光源の明るさ設定に関するユーザの多様な要求に応えることが可能な照明システムおよび明るさ設定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の照明システムは、光源を有する照明器具と、前記光源の明るさを調節するリモコンと、を含む照明システムであって、前記リモコンは、前記光源の明るさを調節するための操作部と、前記操作部が操作されている間、調光用信号を継続して送信する送信部と、を含み、前記照明器具は、前記調光用信号を受信した際、前記調光用信号の継続時間が所定時間未満である場合には、前記光源の明るさを、所定の変化幅だけ変更し、前記調光用信号の継続時間が前記所定時間以上である場合には、前記調光用信号の受信が終了するまで、前記光源の明るさを、前記所定の変化幅よりも狭い変化幅で継続的に変更する調光部を、含む。
【0008】
また、本発明の明るさ設定方法は、光源を有する照明器具と、前記光源の明るさを調節するための操作部を有するリモコンと、を含む照明システムが行う明るさ設定方法であって、前記リモコンが、前記操作部が操作されている間、調光用信号を継続して送信する送信ステップと、前記照明器具が、前記調光用信号を受信した際、前記調光用信号の継続時間が所定時間未満である場合には、前記光源の明るさを、所定の変化幅だけ変更し、前記調光用信号の継続時間が前記所定時間以上である場合には、前記調光用信号の受信が終了するまで、前記光源の明るさを、前記所定の変化幅よりも狭い変化幅で継続的に変更する調光ステップと、を含む。
【0009】
上記発明によれば、調光用信号の継続時間に応じて、光源の明るさの変更の仕方が変わる。このため、ユーザは、リモコンの操作部の操作時間を変更することによって、光源の明るさの変更の仕方を選択できる。よって、光源の明るさ設定に関するユーザの多様な要求に応えることが可能になる。
【0010】
なお、前記操作部は、前記光源の明るさを上げるためのアップボタンと、前記光源の明るさを下げるためのダウンボタンと、の少なくとも一方を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光源の明るさ設定に関するユーザの多様な要求に応えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の照明システムを示したブロック図である。
【0014】
図1において、照明システムは、リモコン1と、照明器具2とを含む。
【0015】
リモコン1は、ダウンボタン11と、アップボタン12と、オン/オフボタン13と、発光部15とを含む。ダウンボタン11と、アップボタン12と、オン/オフボタン13とは、操作ボタン群14に含まれる。照明器具2は、光源21と、調光部22とを含む。調光部22は、駆動回路22aと、受光部22bと、調光制御部22cとを含む。
【0016】
ダウンボタン11は、光源21の明るさを調節するための操作部であり、光源21の明るさを暗くするために操作される。
【0017】
アップボタン12は、光源21の明るさを調節するための操作部であり、光源21の明るさを明るくするために操作される。
【0018】
オン/オフボタン13は、光源21をオン/オフするために操作される。
【0019】
発光部15は、送信部の一例であり、ダウンボタン11等の操作部が操作されている間、調光用信号を継続して送信する。
【0020】
具体的には、発光部15は、ダウンボタン11が操作されている間、光源21の明るさをダウンさせるための調光用信号(以下「ダウン信号」と称する。)を赤外線信号で継続して送信し、また、アップボタン12が操作されている間、光源21の明るさをアップさせるための調光用信号(以下「アップ信号」と称する。)を赤外線信号で継続して送信する。
【0021】
光源21は、例えば、蛍光ランプまたは白熱ランプであり、調光部22から供給される電力が大きくなるほど、明るい光を出力する。
【0022】
調光部22は、リモコン1から調光用信号を受信した際、調光用信号の継続時間が所定時間(例えば、1秒)未満である場合には、光源21の明るさを、所定の変化幅だけ変更する。
【0023】
例えば、光源21が最も明るいときの100%(以下、単に「100%」と称する。)の明るさで発光しているときに、ダウン信号の継続時間が所定時間未満であると、調光部22は、光源21を最も明るいときの70%(以下、単に「70%」と称する。)の明るさに変更する。
【0024】
また、光源21が70%の明るさで発光しているときに、ダウン信号の継続時間が所定時間未満であると、調光部22は、光源21を最も明るいときの50%(以下、単に「50%」と称する。)の明るさに変更する。
【0025】
また、光源21が50%の明るさで発光しているときに、ダウン信号の継続時間が所定時間未満であると、調光部22は、光源21を最も明るいときの30%(以下、単に「30%」と称する。)の明るさに変更する。
【0026】
また、光源21が30%の明るさで発光しているときに、アップ信号の継続時間が所定時間未満であると、調光部22は、光源21を50%の明るさに変更する。
【0027】
また、光源21が50%の明るさで発光しているときに、アップ信号の継続時間が所定時間未満であると、調光部22は、光源21を70%の明るさに変更する。
【0028】
また、光源21が70%の明るさで発光しているときに、アップ信号の継続時間が所定時間未満であると、調光部22は、光源21を100%の明るさに変更する。
【0029】
また、調合部22は、調光用信号の継続時間が所定時間以上である場合には、調光用信号の受信が終了するまで、光源21の明るさを、上述した所定の変化幅よりも狭い変化幅で継続的に変更する。
【0030】
例えば、ダウン信号の継続時間が所定時間になると、調光部22は、ダウン信号の受信が終了するまで、光源21の明るさを1%ずつ暗くしていく。
【0031】
また、アップ信号の継続時間が所定時間になると、調光部22は、アップ信号の受信が終了するまで、光源21の明るさを1%ずつ明るくしていく。
【0032】
駆動回路22aは、調光制御部22cによって制御され、交流電源3から光源21に供給する電力を調節する。
【0033】
受光部22bは、リモコン1からの調光用信号を受け付ける。受光部22bは、その受け付けた調光用信号を、調光制御部22cに提供する。
【0034】
調光制御部22cは、受光部22bから調光用信号を受け付けると、その調光用信号の継続時間をカウントする。
【0035】
調光制御部22cは、調光用信号の継続時間が所定時間未満であると、光源21の明るさが所定の変化幅だけ変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する。
【0036】
また、調光制御部22cは、調光用信号の継続時間が所定時間になると、調光用信号の受信が終了するまで、光源21の明るさがその所定の変化幅よりも狭い変化幅で変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する。
【0037】
次に、動作を説明する。
【0038】
なお、以下では、所定時間として1秒を用いる。なお、所定時間は1秒に限らず適宜変更可能である。
【0039】
ユーザが、ダウンボタン11を1秒より短い時間の間押すと、発光部15は、継続時間が1秒未満のダウン信号を送信する。
【0040】
受光部22bは、継続時間が1秒未満のダウン信号を受信すると、そのダウン信号を調光制御部22cに提供する。
【0041】
調光制御部22cは、光源21が100%の明るさで発光しているときに、継続時間が1秒未満のダウン信号を受け付けると、光源21の明るさが70%の明るさに変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを70%の明るさに変更する。
【0042】
調光制御部22cは、光源21が70%の明るさで発光しているときに、継続時間が1秒未満のダウン信号を受け付けると、光源21の明るさが50%の明るさに変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを50%の明るさに変更する。
【0043】
調光制御部22cは、光源21が50%の明るさで発光しているときに、継続時間が1秒未満のダウン信号を受け付けると、光源21の明るさが30%の明るさに変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを30%の明るさに変更する。
【0044】
また、ユーザが、アップボタン12を1秒より短い時間の間押すと、発光部15は、継続時間が1秒未満のアップ信号を送信する。
【0045】
受光部22bは、継続時間が1秒未満のアップ信号を受信すると、そのアップ信号を調光制御部22cに提供する。
【0046】
調光制御部22cは、光源21が30%の明るさで発光しているときに、継続時間が1秒未満のアップ信号を受け付けると、光源21の明るさが50%の明るさに変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを50%の明るさに変更する。
【0047】
調光制御部22cは、光源21が50%の明るさで発光しているときに、継続時間が1秒未満のアップ信号を受け付けると、光源21の明るさが70%の明るさに変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを70%の明るさに変更する。
【0048】
調光制御部22cは、光源21が70%の明るさで発光しているときに、継続時間が1秒未満のアップ信号を受け付けると、光源21の明るさが100%の明るさに変更するように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを100%の明るさに変更する。
【0049】
また、ユーザがダウンボタン11を1秒以上押し続けると、発光部15は、継続時間が1秒以上のダウン信号を送信する。
【0050】
受光部22bは、継続時間が1秒以上のダウン信号を受信すると、その継続時間が1秒以上のダウン信号を、調光制御部22cに提供する。
【0051】
調光制御部22cは、ダウン信号の継続時間が1秒になると、ダウン信号の受信が終了するまでの間、光源21の明るさが1%ずつ暗くなるように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。
【0052】
駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを1%ずつ継続的に暗くしていく。
【0053】
また、ユーザがアップボタン12を1秒以上押し続けると、発光部15は、継続時間が1秒以上のアップ信号を送信する。
【0054】
受光部22bは、継続時間が1秒以上のアップ信号を受信すると、その継続時間が1秒以上のアップ信号を、調光制御部22cに提供する。
【0055】
調光制御部22cは、アップ信号の継続時間が1秒になると、アップ信号の受信が終了するまでの間、光源21の明るさが1%ずつ明るくなるように、交流電源3から光源21に供給される電力を変更する旨の指示を、駆動回路22aに提供する。
【0056】
駆動回路22aは、その指示に従って、交流電源3から光源21に供給される電力を変更して、光源21の明るさを1%ずつ継続的に明るくしていく。
【0057】
図2は、アップボタン12によって光源21の明るさを段階的に変化させたときの光源21の明るさの推移の一例を説明するための説明図である。
【0058】
図3は、アップボタン12によって光源21の明るさを連続的(無段階)に変化させたときの光源21の明るさの推移の一例を説明するための説明図である。
【0059】
本実施例によれば、調光用信号の継続時間に応じて、光源21の明るさの変更の仕方が変わる。このため、ユーザは、リモコン1のダウンボタン11およびアップボタン12の操作時間を変更することによって、光源21の明るさの変更の仕方を選択できる。よって、光源の明るさ設定に関するユーザの多様な要求に応えることが可能になる。
【0060】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0061】
例えば、所定の変化幅は、上記に限らず適宜変更可能である。
【0062】
また、リモコン1は、ダウンボタン11とアップボタン12との少なくともいずれか一方を有していればよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施例の照明システムを示したブロック図である。
【図2】光源21の明るさの推移の一例を説明するための説明図である。
【図3】光源21の明るさの推移の一例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 リモコン
11 ダウンボタン
12 アップボタン
13 オン/オフボタン
14 操作ボタン群
15 発光部
2 照明器具
21 光源
22 調光部
22a 駆動回路
22b 受光部
22c 調光制御部
3 交流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する照明器具と、前記光源の明るさを調節するリモコンと、を含む照明システムであって、
前記リモコンは、前記光源の明るさを調節するための操作部と、前記操作部が操作されている間、調光用信号を継続して送信する送信部と、を含み、
前記照明器具は、前記調光用信号を受信した際、前記調光用信号の継続時間が所定時間未満である場合には、前記光源の明るさを、所定の変化幅だけ変更し、前記調光用信号の継続時間が前記所定時間以上である場合には、前記調光用信号の受信が終了するまで、前記光源の明るさを、前記所定の変化幅よりも狭い変化幅で継続的に変更する調光部を、含む、照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明システムにおいて、
前記操作部は、前記光源の明るさを上げるためのアップボタンと、前記光源の明るさを下げるためのダウンボタンと、の少なくとも一方を含む、照明システム。
【請求項3】
光源を有する照明器具と、前記光源の明るさを調節するための操作部を有するリモコンと、を含む照明システムが行う明るさ設定方法であって、
前記リモコンが、前記操作部が操作されている間、調光用信号を継続して送信する送信ステップと、
前記照明器具が、前記調光用信号を受信した際、前記調光用信号の継続時間が所定時間未満である場合には、前記光源の明るさを、所定の変化幅だけ変更し、前記調光用信号の継続時間が前記所定時間以上である場合には、前記調光用信号の受信が終了するまで、前記光源の明るさを、前記所定の変化幅よりも狭い変化幅で継続的に変更する調光ステップと、を含む明るさ設定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の明るさ設定方法において、
前記操作部は、前記光源の明るさを上げるためのアップボタンと、前記光源の明るさを下げるためのダウンボタンと、の少なくとも一方を含む、明るさ設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−71521(P2008−71521A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246800(P2006−246800)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】