説明

照明モジュールの光源の支持体

【課題】 自動車の照明モジュールおよび/または信号モジュールのための光源装置をアクセス性高く製造することを可能にする、光源の支持体を提供する
【解決手段】 この光源の支持体は、第1のプリント回路板(24)に固定された光源の支持体(2)であって、この第1のプリント回路板(24)を受容するように作られており、かつ光源(28)のための孔(10)を有している第1のハウジングと、支持体(2)の位置決めおよび固定を行うための位置決め/固定手段(6)とを備えている。この支持体は、さらに、フレキシブルプリント回路板と第1のプリント回路板とを電気的に接続するために、第1のプリント回路板に相対的にフレキシブルプリント回路板の位置を決める働きをする、フレキシブルプリント回路板(18)の位置決め手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明モジュールまたは信号モジュールの光源の支持体に関する。具体的には、本発明は、プリント回路板上に取り付けられた光源の支持体に関し、より詳細には、一定の照明出力を必要とする照明装置の電界発光型の光源のための支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDとも呼ばれる電界発光型のダイオードを用いた光源が、今日においては、種々の理由によって、放電ランプやハロゲンランプなどの、より古典的な素子を用いた光源よりも好まれるようになっている。電界発光型のダイオードは、いくつかの利点を備えている。
第1に、この型のダイオードは、全方向に光を放射するのではなくて、そのダイオードから成る光源を支持している基板の支持面に面している半空間に光を放射し、したがって、このような、より指向性の高い光放射を用いることによって、エネルギー損失量を放電ランプやハロゲンランプより相当に少なくすることができることが、以前から知られている。さらに、この型のダイオードは、最近、放射出力の点で改良されている。最後に、LEDは、放電ランプやハロゲンランプに比して、同一の放射出力においても、より少ない電力しか消費しない。LEDは扱いやすく、また、その独特の形状から、特に、フレキシブルタイプの電子的支持体上にそれらを配置することによって、その形状に関連付けて、複雑な表面を形成しうるという新しい可能性が示唆されている。しかしながら、パワーLEDにおいては、熱放出に関連したいくつかの重大な制約が、いまなお存在している。用語「パワーLED」は、少なくとも約30ルーメンの光束を放射する電界発光型のダイオードを意味している。電子部品、特にパワーダイオードを冷却するために、この電子部品を、冷却用の放熱体に取り付けることが知られている。放熱体内に生じる自然対流によって、冷却が行われる。そのために、電子部品を十分に冷却できるほど大きな放熱体が用いられる。
【0003】
電界発光型の光源は、基板上に、または基板であると同時にLEDが固定されるプリント回路板でもあるプリント回路板上に直接、半導体層を取り付けることによって形成されることが多い。電界発光型のダイオードを備えた光源のこのような実装方法は、特に、照明装置の光源、とりわけ自動車用ヘッドライトの光源などの高出力光源に対して用いられる。
【0004】
電力供給線に接続され、かつ冷却されなければならない、照明装置または信号装置の光源は、正確に位置決めしうるものでなければならない。そのためには、適切な支持体がなければならない。
【0005】
特許文献1は、自動車用照明装置のための基板上に配置される、LEDの支持体を開示している。基板は、LEDから成る光源を作動させるための電極を備えている。支持体は、支持体自体に対する、光源の大まかな位置決め手段、および基板の電極と、支持体に一体化されているコネクタとの間の電気的接続手段を備えている。電気的接続手段として、圧力下において、基板の上面上の対応する電気接点と接続する、弾性的な電気接点が設けられている。熱放出は、支持体の開口によってむき出しにされた基板の下面を、放熱体上に配置することによってなされている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている支持体は、いくつかの欠点を有している。具体的には、その支持体は、光源の正確な位置決めではなくて、浮動的な位置決めしか行わない。したがって、照明モジュールまたは照明装置への、光源の支持体の取り付け操作には、照明モジュールまたは照明装置の光学的性能を保証するために、精密な取り扱いが要求される。さらに、コネクタが支持体に一体化されているために、電力供給モジュールへの光源の接続操作が困難になる場合がある。実際、光源が配置されている位置の近傍において、照明装置へのアクセス性は悪くなることが多い。
【0007】
特許文献2は、照明モジュールへのLEDの取り付け方法の一実施例を開示している。LEDから成る4つの光源が、支持体に固定されるプリント回路板上に配置されている。支持体は、支持体の対向し合う2つの端部に形成されたくぼみの底部に、それぞれ支持された2つの細片を有する固定手段によって放熱体上に固定されている。しかしながら、この照明装置は複雑であり、アクセス性が低い場合には、電力供給モジュールへの光源の接続操作は、やはり困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ヨーロッパ特許公開第1630474号公報
【特許文献2】フランス国特許公開第2922167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、自動車用の光モジュール内に、簡単に組み込むことができる、光源の支持体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、次の要素を備えている、照明モジュールおよび/または信号モジュールのための、第1のプリント回路板に固定された光源の支持体を提供する。
− 第1のプリント回路板を受容するようになっており、かつ光源のための開口を有する第1のハウジング。
− 照明モジュールおよび/または信号モジュールにおいて、支持体の位置決め、および固定を行うための位置決め/固定手段。
− 第2のプリント回路板であるフレキシブルプリント回路板の位置決め手段。
この位置決め手段は、フレキシブルプリント回路板と第1のプリント回路板との間の電気的接続を可能にするために、第1のプリント回路板にフレキシブルプリント回路板の位置を決める働きをする。
【0011】
本発明による支持体は、支持体に対するフレキシブルプリント回路板の位置決めを確実にし、それによって、フレキシブルプリント回路板の導電体と、第1のプリント回路板の導電体との間の信頼性の高い精密な電気的接続を、組み立て(通常、工場における)前に確立することを可能にする。したがって、支持体とフレキシブルプリント回路板との間の機械的および電気的な接続を確実にしながら、支持体にフレキシブルプリント回路板の一部分を取り付けることができる。これによって、フレキシブルプリント回路板の可撓性が確保されるため、組み立て体(光源装置)の向きに大きな自由度が得られる。特許文献1に開示されている支持体は、コネクタが一体化されているために、本発明の支持体において得られる、向きの自由度を得ることができない。本発明は、さらに、第1のプリント回路板の支持体を、放熱体に直接固定することを可能にしている。本明細書におけるフレキシブルプリント回路板は、可撓性のポリマーから成る絶縁材料内に導体経路が形成されているプリント回路板である。このタイプのプリント回路板は、通常、リボン形状を呈しており、当業者には、「フレックスボード」(他のプリント回路板における、導体経路を保持している剛性板とは異なる)という名称でも知られている。このようなフレキシブルプリント回路板の利点は、その両端の向きを、互いに相対的に変更することができるということである。さらに、フレキシブルプリント回路板を別の方向に曲げることによって、異なる形状とすることができる。
【0012】
本発明の有利な一実施例によれば、好ましくは、フレキシブルプリント回路板に形成されている対応する孔と組み合うようになっているピンである、少なくとも1つの素子が、フレキシブルプリント回路板の位置決め手段に含まれている。
【0013】
通常、このフレキシブルプリント回路板は、支持体の2つのピンを挿入される2つの孔を有している。これらのピンは、挿入後、恒久的な機械的接続を確実にするために、頭付けによって太くされる。支持体へのフレキシブルプリント回路板の位置決めおよび保持を確実にするには、この簡単で容易な接続で十分である。実際、このような支持体、光源、およびフレキシブルプリント回路板を有するユニットを操作したときに、その電気的接続部に応力が及ぼされることはない。
【0014】
本発明の有利な一態様によれば、本発明による光源の支持体は、フレキシブルプリント回路板を受容するように作られた第2のハウジングを備えており、第1のハウジングと第2のハウジングとは、フレキシブルプリント回路板を、好ましくは第1のプリント回路板の端部の1つの近傍で、第1のプリント回路板上に位置させるように互いに配置されている。支持体のこの構成によって、フレキシブルプリント回路板と第1のプリント回路板との間の電気的接続を、容易に行うことができる。例えばフレキシブルプリント回路板を、第1のプリント回路板の端部の1つの近傍で、第1のプリント回路板上に位置させるために、第2のハウジングを、第1のハウジングの延長上に配置してもよい。
【0015】
本発明の有利な一態様によれば、第2のハウジングには、第1のハウジングの開口に隣接する開口が設けられている。
【0016】
重ね合わされたフレキシブルプリント回路板と、第1のプリント回路板との間のボンディング作業を行なうために、第2のハウジングのこの開口を用いて、フレキシブルプリント回路板にアクセスすることができる。
【0017】
本発明の有利な一態様によれば、フレキシブルプリント回路板の長手方向端に作用するようになっている案内手段が、フレキシブルプリント回路板の位置決め手段に含まれている。
【0018】
通常、向かい合う、長手方向に延びる2つの縁取りから成るこの案内手段によって、支持体および第1のプリント回路板に対するフレキシブルプリント回路板の整合が良好に行われる。
【0019】
本発明の有利な一実施例によれば、第1のハウジングは、支持体の厚さ方向の凹入部を形成することによって作り出された縁を有しており、この縁は、第1のハウジングの開口の少なくとも一部を囲んでいる。このために、第1のプリント回路板を、第1のハウジング上に置くという単純な動作によって、第1のプリント回路板を据え付けることができる。この縁は、第1のハウジングの開口の少なくとも三方を、完全に囲んでいることが好ましい。これによって、第1のプリント回路板の位置決めがより容易になる。一変形実施例によれば、支持体は、厚さ方向に実質的に一定の素子であり、第1のハウジングは、支持体の厚さ方向に凹入部を形成することによって作り出された縁を有している。
【0020】
本発明の有利な一実施例によれば、支持体は、フレキシブルプリント回路板を受容するように作られており、かつ第1のハウジングのリセスの延長上で、支持体の厚さ方向に形成されたリセスによって作り出された縁を有する第2のハウジングを備えている。
【0021】
この構成によって、簡単な一般的な測定法を用いて行う、第1のプリント回路板とフレキシブルプリント回路板とのアライメントが可能になる。これによって、支持体は簡単化され、したがって製造は容易となる。
【0022】
本発明の有利な一実施例によれば、第2のハウジングの縁は、支持体に対する、フレキシブルプリント回路板のアクセスを可能にするために、外部に向かって開いている。縁は、この開いている口の両側に隅部を有しており、したがって、支持体の外部に延びるフレキシブルプリント回路板の保持部を形成している。
【0023】
この隅部によって、フレキシブルプリント回路板を、長手方向軸に沿って固定することができ、したがって、長手方向軸に沿って正確に位置決めすることができる。
【0024】
本発明の有利な一実施例によれば、第1および/または第2のハウジングの縁取りは、支持体上に第1のプリント回路板を保持する保持手段を有している。本発明の一実施例によれば、この保持手段は、正確な位置決めのために用いられる変形可能な突起、および/または第1のプリント回路板を保持するために用いられる弾性的なフックなどのクリップ手段である。
【0025】
通常、先が尖っているか、または角ばっている突起が、第1のプリント回路板、および支持体の縁の寸法に対して、ある程度の製造公差を許容しながら、第1のプリント回路板をぴったりと取り付けることを可能にしている。この突起によって、例えば第1のプリント回路板をハウジング内にきちんと置くだけで、第1のプリント回路板を固定することができる。第1のプリント回路板をハウジング内に置くと、これらの突起は変形し、したがって、第1のプリント回路板に対して強い保持力を働かせる。
【0026】
また、本発明は、前述の支持体を備えた光源装置を提供するものである。この光源装置においては、光源は、第1のプリント回路板上に取り付けられており、この第1のプリント回路板は、支持体内に受容されており、かつフレキシブルプリント回路板が、好ましくは機械的および電気的に、支持体に接続されている。
【0027】
本発明の有利な一実施例によれば、フレキシブルプリント回路板は、挿入することによって、フレキシブルプリント回路板の孔と係合する、支持体の対応する少なくとも1つのピンによって、支持体に機械的に接続されており、ピンの先端部は、フレキシブルプリント回路板の孔への挿入後に、好ましくは頭付けによって、太くされている。
【0028】
本発明の有利な一実施例によれば、フレキシブルプリント回路板の、支持体側の端部が、第1のプリント回路板に重ね合わされており、かつレーザボンディングまたは「ホットバー」タイプの熱ボンディングによって、第1のプリント回路板に電気的に接続されている。
【0029】
本発明の有利な一実施例によれば、フレキシブルプリント回路板の、支持体側の端部が、第1のプリント回路板の近傍に配置されており、かつワイヤボンディングによって、第1のプリント回路板に電気的に接続されている。
【0030】
本発明の有利な一実施例によれば、この光源装置は、フレキシブルプリント回路板の、支持体と反対側の端部に、コネクタを備えている。
【0031】
さらに本発明は、上述の支持体、または上述の光源装置を備えている照明モジュールまたは信号モジュールを提供するものである。本発明の有利な一実施例によれば、光源装置は、冷却部材、例えば放熱体、好ましくはフィンを備える放熱体に固定されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態における支持体の斜視図である。
【図2】コネクタを付けたフレキシブルプリント回路板を備える、図1の支持体の斜視図である。
【図3】図2の支持体、および裏面に光源を固定されている第1のプリント回路板を備える、本発明による光源装置の斜視図である。
【図4】第1のプリント回路板の、光源を固定されている主面と反対側の主面を熱界面シートで覆った、図3の光源装置の斜視図である。
【図5】図3の光源装置の、線A−Bにおける断面図、および部分拡大断面図である。
【図6】電界発光型のダイオードを備える第1のプリント回路板の斜視図である。
【図7】図3の光源装置の一部の詳細図である。
【図8】第1のプリント回路板の保持手段の一実施例を備える、図7の光源装置の斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態による支持体の斜視図である。
【図10】図4の光源装置を放熱体上に配置した照明モジュールの斜視図である。
【図11】リフレクタを有する図10の照明モジュールを2つ備える、本発明による照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
添付図面を参照して、以下の説明を読むことによって、本発明の他の特性および利点が、よりよく理解されると思う。
【0034】
以下に記述される本発明の説明において、支持体、および参照している図面に示されている装置のいくつかの素子、またはいくつかの部品に対して、例えば「上」および「下」などの、方向に関する用語が用いられている。これらの用語は、図面に描かれているものに関して相対的に解釈されるべきであって、絶対的な方向を示すものではない。図面に描かれている支持体、およびその支持体を有する光源装置は、実際には、様々な位置および向きをもって、照明モジュール内に据え付けることができる。
【0035】
図1〜図5、図7、図8に示されている支持体2は、本発明の第1の実施形態に対応している。図1〜図4、図7、図8は、照明モジュールの1つの素子に固定される側から見た支持体を示している。この支持体2は、比較的に一定厚さの平坦な素子から成っている。支持体2は、電気絶縁材料で作られた部品であり、PBT系またはPBTP系(ポリエステル系のプラスチック材料であるポリブチレンテレフタレート系、またはブチレンポリテレフタレート系の略称である)の、射出成形されたプラスチック材料から成っていることが好ましい。すなわち、支持体2に用いられる材料は、光源から放出された熱によって生じる温度(通常、約120℃)に対して、耐熱性を有しなければならない。
【0036】
この支持体は、LEDが固定されている第1のプリント回路板を保持するように作られている。このような、LEDを備えた第1のプリント回路板が、図6に示されている。LEDは、電源に接続されたときに光を放射する光放射素子、すなわち光源28を形成している。この光源28は、光源28への給電用の電極を保持している基板27に取り付けられている。基板27は、第1のプリント回路板24の一方の主面に固定されている。基板27の電極(図示せず)は、第1のプリント回路板24の導体経路に接続されている。基板27は、電気絶縁性であり、かつ図示されている例においては、第1のプリント回路板の他方の主面に広がっている熱伝導部に向かって熱を伝達させることができるように、熱伝導性でもある。しかしながら、変形実施例(図示せず)においては、基板と第1のプリント回路板とは、同一の部品を構成していてもよい。本発明による支持体は、このような変形実施例にも適用しうる。
【0037】
支持体2は、照明モジュール内に位置決めするための2つのピン4、および2つの固定用の孔6を備えている。支持体2は、さらに、矩形の窪みを形成することによってつくり出された窪み部を有している。この窪み部は、光源を取り付けられた第1のプリント回路板の端部を受容するようになっているU字形の縁13を有している。縁13は、光源のために設けられた第1のハウジングを区画している。第1のプリント回路板の両主面へのアクセスを可能にするための開口10が、第1のハウジングに形成されている。第1のプリント回路板、および第1のハウジングの外寸法に対して、ある程度の公差を許容しながら、第1のプリント回路板の外側端とコンタクトするための、また正確な位置決めを可能にするための、先がとがっているか、または丸まっている突起14が、U字形の縁13に沿って離散的に配置されている。第1のプリント回路板24が第1のハウジング内に挿入されると、突起14は、第1のハウジングの縁13に向かうように、第1のプリント回路板24の主面に実質的に平行な方向に変形する。そうすると、突起14は、その弾性によって、変形方向と反対方向の保持力を働かせ、したがって、第1のプリント回路板24は、支持体2の第1のハウジング内に確実に留められる。
【0038】
縁13の延長上の支持体2に、すなわち、図1および図2において、支持体2の右側に、第2のハウジングが形成されている。この第2のハウジングは、縁16の領域まで延びている。この第2のハウジングは、さらに、第2のハウジングに収容されて、固定されたフレキシブルプリント回路板へのアクセスを可能にするように形成された開口12を有している。
【0039】
図2に示すように、フレキシブルプリント回路板18(「フレックスボード」または「フレキシブルプリンテッドサーキット」とも呼ばれる)が、光源とコネクタ22とを電気的に接続するために用いられる。図2のフレキシブルプリント回路板18は、その長手方向に沿って延在しており、かつコネクタ22に電気的に接続されている4本の導体経路(図示せず)を有している。4本の導体経路のうちの2本は、光源に電気エネルギーを供給するために用いられ、他の2本は、CTN(負の温度係数)タイプのサーミスタ、すなわち、温度の上昇に反比例して抵抗値が減少する抵抗に接続するために用いられる。このサーミスタ(図示せず)によって、光源28の近傍の基板27の領域における支配的な温度をチェックすることができる。しかしながら、このような温度監視手段の存在は必須ではないことに注意されたい。フレキシブルプリント回路板18の各導体経路は、支持体側で、第1のプリント回路板24の対応する電気接点にコンタクするようになっている電気接点20に終端している。フレキシブルプリント回路板の支持体側の端部は、支持体の縁16および縁13の一部に連結するために、幅が広がった形状を有している。フレキシブルプリント回路板のこの幅広の部分には、支持体2のピン8を挿入させるための2つの孔が設けられている。このような構成によって、フレキシブルプリント回路板の正確な位置決め、支持体に対する電気接点20の正確な位置決めが行われる。
【0040】
図3は、光源(第1のプリント回路板の、図3に示されている側の主面の反対側の主面上にあるから、図3には示されていない)を有する第1のプリント回路板24が、そのハウジング内に設置されている場合の、図2の支持体を示している。そのハウジングは、U字形の縁13で囲まれたハウジングと、フレキシブルプリント回路板のためのハウジングとの両方から成っている。第1のプリント回路板24の一部は、その電気接点(図示せず)が、フレキシブルプリント回路板の電気接点20に対向して位置するように、フレキシブルプリント回路板を覆っている。
【0041】
フレキシブルプリント回路板の電気接点20を、第1のプリント回路板24の対応する電気接点にボンディングするために、第2のハウジングの開口12を利用することができる。ボンディングのタイプは、レーザタイプであっても、「ホットバー」タイプの熱ボンディングであってもよい。ホットバーボンディングは、サーモード(ボンディングに必要な熱を供給するために用いられる接触加熱素子)を用いて、2つのプリント回路板(主として、剛体のプリント回路板上にフレキシブルプリント回路板)をボンディングすることを可能にする手法である。ボンディング作業中、サーモードは、フレキシブルプリント回路板を正確に保持し、かつ第1のプリント回路板の各スロットに、フレキシブルプリント回路板の対応するクリップの全てが同時にボンディングされる間中、十分なコンタクトを与えることができる、あらかじめ定められた圧力で、所定の部分にあてがわれている。ボンディングのプロセスは、3つの連続した期間、すなわち、アセンブル期間、ボンディング操作継続期間、冷却期間に分かれた、段階的な温度プロファイルを有することを特徴としている。このプロセスによって、所定の部分間を、恒久的に電気機械的に結合することができる。
【0042】
当業者に公知の、ボンディング以外の方法、または蝋付け方法を用いることもできる。
【0043】
図4に示すように、熱界面シート26が、第1のプリント回路板24の、LEDを保持している主面の反対側の主面上に配置されている。この熱界面シート26は、第1のプリント回路板と、支持体が固定されており、かつ熱界面シート26が貼り付けられている放熱体、または熱拡散体(図示せず)との間の良好な熱伝導を確実にするように働く。
【0044】
図5は、第1のプリント回路板24および光源28を装備した支持体2の、図3のA−B軸に沿う断面図である。この断面図は、第1のプリント回路板のためのハウジングを形成している、支持体の縁取りが段差形状の断面を有していることを示している。図5の破線で描かれた円内の、段差の拡大断面図には、ハウジングの縁取り上に存在している、先が狭まった形状の突起14のうちの1つが示されている。突起14は、一般に、三角形形状または半円状の、ハウジングおよび/または支持体の主面に平行な断面を有しており、かつハウジングおよび/または支持体の主面に概ね直角に延在している。ハウジングへの第1のプリント回路板の挿入およびセンタリングを容易にするために、突起14は、ハウジングの外側で傾斜した端部を有している。
【0045】
第1のプリント回路板の外側表面(ハウジングに相対的に)は、熱界面シート26を受容することができるように、支持体の対応する表面に対して調整しうるようになっていると有利である(図4)。
【0046】
図7は、本質的には図3と同じであるが、支持体内に受容されており、ハウジングの縁取りに沿って配置された、先が狭まった形状の突起14によって、所定の位置に保持されている第1のプリント回路板を、さらに詳細に示している。
【0047】
図1〜図7を参照して説明した第1のプリント回路板をそのハウジング内に保持するための手段の代替手段または補足手段が、図8に示されている。支持体102は、第1のプリント回路板24のためのハウジングの相対する2つの縁にそれぞれ1つずつ配置されたフック127を備えている。これらのフック127は弾性的であり、第1のプリント回路板24の据え付け時には、それらの先端が撓められ、第1のプリント回路板24の挿入後には、それらの先端が最初の形状に戻るように作られている。ハウジングの相対する2つの縁の各々に、それぞれ少なくとも1つのフックが配置される限り、フックの数は変更可能である。
【0048】
本発明の第2の実施形態が、図9に示されている。第1の実施形態の支持体2と同様に、支持体1002は、電気絶縁材料で作られた、概ね薄板状の素子であり、PBT系の、射出成形されたプラスチック材料から成ることが好ましい。支持体1002は、固定および位置決めのための2つの孔1006を有している。第1の実施形態の支持体2と対照的に、支持体1002は、第1の実施形態における、第1のプリント回路板24のための第1のハウジングの開口10に相当する単一の開口すなわち窓しか有していない。図9においては、第1のプリント回路板24は、矩形のむき出しのノッチによって形成されたハウジング内に受容されている。それらのむき出しのノッチすなわち縁取りは、図9においては、支持体の下側の主面に形成されているから、表わされていない。支持体1002は、第1の実施形態の支持体2と同様に、支持体の端部、具体的には、第1のプリント回路板24の電気接点1020に対応する端部近傍に配置された2つのピン1008を有している。これらのピンは、フレキシブルプリント回路板1018の対応する孔と係合する。ピン1008の先端は、熱成形されて、頭付けによってリベットを用いた固定手段を取り付けられている。例えば超音波技術などの、当業者に公知の他の技術を用いてもよい。フレキシブルプリント回路板1018は、フレキシブルプリント回路板1018の、支持体側の端部に形成された4つの電気接点1032に終端する4本の導体経路を有している。これらの4つの電気接点1032と、第1のプリント回路板の対応する電気接点1020との間の接続線1030は、線付け技術、すなわち「ワイヤボンディング」技術によって付けられている。線付け技術は、高速の熱圧縮および/または超音波ボンディングによって、同一の材料同士または異なる材料同士を結合させるプロセスである。一般的に金またはアルミニウムから成るマイクロワイヤ(またはリボンワイヤ)が、第1のプリント回路板の電気接点(「ボンディングパッド」)の表面、およびフレキシブルプリント回路板の電気接点の対応する点との融合によってボンディングされる。
【0049】
フレキシブルプリント回路板の端子すなわち電気接点1032と、第1のプリント回路板の対応する電気接点1020とを接続するのに適切な別の電気的接続技術を用いることもできる。
【0050】
したがって、第2の実施形態の支持体1002は、第1の実施形態の支持体2と同様に、支持体に相対的に、フレキシブルプリント回路板を正確に位置決めすることができ、したがって、フレキシブルプリント回路板の電気接点と第1のプリント回路板の電気接点との間に、信頼性の高い接続技術を適用することができる。第1のプリント回路板を受容するために支持体に形成されているハウジングは、図9の設定においては支持体の下側、すなわち、フレキシブルプリント回路板を受容するための主面と反対側の主面に形成されている。実際、第1のプリント回路板の背面、すなわち、光源がある主面と反対側の主面は、基板および第1のプリント回路板の熱界面シートを介して放熱体と接することができるようにむき出しであることが重要である。第1の実施形態と対照的に、フレキシブルプリント回路板1018は、第1のプリント回路板の、光源を有する主面に対応する側の、支持体の主面上に取り付けられている。
【0051】
フレキシブルプリント回路板の固定および位置決めのための、2つのピン1008に対する補完手段または代替手段として、例えば第1の実施形態の支持体2におけるように、縁取りまたはノッチを形成する、支持体内のくぼみまたはリセスを用いてもよい。
【0052】
図10は、放熱体34上に上述の光源装置を取り付けた一例を示している。固定用の孔6は、支持体2を放熱体34に固定するための、ねじまたはリベットなどの固定手段を取り付けることができるように作られている。第1のプリント回路板24の背面は、熱界面シートを介して、放熱体の対応する表面に接している。放熱体は、LEDから成る光源28によって発生した熱を分散させる働きをするフィン32を備えている。
【0053】
第1の実施形態による支持体2をそれぞれに備えた2つの照明モジュールを有する照明装置30が、図11に示されている。照明装置30は、両照明モジュールに共通の放熱体34を備えている。図4および図5に示されているアセンブリ(光源装置)が2つ、放熱体34上に配置されている。各アセンブリは、支持体2、第1のプリント回路板上の電界発光型の光源28、および一端にコネクタ22を有するフレキシブルプリント回路板を備えている。フレキシブルプリント回路板の他端は、支持体2に機械的に接続されており、かつ第1のプリント回路板に電気的に接続されている。2つの照明モジュールの各々は、それぞれ反射放物凹面を有するリフレクタ36、38を備えている。第2の照明モジュールのリフレクタ38の内側の空間には、光源から出射された光のうちの一部しか、リフレクタ38の外に出ていかないように、レンズ40が設けられている。
【0054】
フレキシブルプリント回路板18の可撓性によって、図11の照明装置を有するヘッドライトの構造および形状がどのようなものであっても、電力供給電子回路へのコネクタ22の極めて容易な接続を可能にしながら、光源の支持体の向きに大きな自由度を与えることができる。
【0055】
上述の支持体は、複数の光源を有する照明モジュールに適用することができることが有利である。その場合には、一端に、図2〜図4および図10のコネクタ22と同様のコネクタを有し、他端において、光源の数と同じ数だけ分岐しているフラットケーブルまたはより好ましくはフレキシブルプリント回路板を用いることができる。各分岐は、本発明による支持体に接続される。したがって、コネクタから通じている導体経路は、分岐のレベルに応じて増加する。それに代えて、またはそれに加えて、照明装置に組み込まれるアセンブリ(光源装置)の性質に応じて、および設けられる照明機能および/または信号機能に応じて、それらの導体経路のうちのいくつかは、いくつかの光源用に特定されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
2、102、1002 支持体
4、8、1008 ピン
6、1006 孔
10、12 開口
13、16 縁
14 突起
18、1018 フレキシブルプリント回路板
20、1020、1032 電気接点
22 コネクタ
24 第1のプリント回路板
26 熱界面シート
27 基板
28 光源
30 照明装置
32 フィン
34 放熱体
36、38 リフレクタ
40 レンズ
127 フック
1030 接続線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明モジュールおよび/または信号モジュールのための、第1のプリント回路板(24)に固定された光源(28)の支持体(2、102、1002)であって、
前記第1のプリント回路板(24)を受容するように作られており、かつ前記光源(28)のための開口(10)を有している第1のハウジングと、
前記照明モジュールおよび/または信号モジュールにおいて前記支持体(2、102、1002)の位置決めおよび固定を行うための位置決め/固定手段(4、6、1006)とを備えている支持体(2、102、1002)において、
前記支持体(2、102、1002)は、さらに、第2のプリント回路板であるフレキシブルプリント回路板(18、1018)の位置決め手段(8、16、1008)を備えており、この位置決め手段は、前記フレキシブルプリント回路板と、前記第1のプリント回路板との間の電気的接続を可能にするために、前記第1のプリント回路板に相対的に前記フレキシブルプリント回路板の位置を決める働きをするようになっていることを特徴とする支持体(2、102、1002)。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント回路板(18、1018)に形成されている対応する孔と組み合うように作られたピン(8、1008)である、少なくとも1つの素子が、前記位置決め手段(8、16、1008)に含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項3】
前記支持体(2、102、1002)は、前記フレキシブルプリント回路板(18、1018)を受容するように作られた第2のハウジングを備えており、前記第1のハウジングと該第2のハウジングとは、前記フレキシブルプリント回路板を、好ましくは前記第1のプリント回路板の端部の1つの近傍で、前記第1のプリント回路板上に位置させるように互いに配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項4】
前記第2のハウジングは、前記第1のハウジングの開口(10)に近隣する開口(12)を有することを特徴とする、請求項3に記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント回路板の長手方向端に作用するように作られた案内手段(16)が、前記フレキシブルプリント回路板(18、1018)の位置決め手段(8、16、1008)に含まれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項6】
前記第1のハウジングは、前記支持体(2)の厚さ方向にリセスを形成することによって作り出された縁(13)を有しており、この縁(13)は、少なくとも部分的に、前記第1のハウジングの開口を囲んでいることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項7】
前記第1および/または第2のハウジングの縁(13、16)は、前記支持体(2)上に前記第1のプリント回路板(24)を保持する保持手段を有していることを特徴とする、請求項6に記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項8】
前記保持手段は、正確な位置決めのために用いられる変形可能な突起(14)、および/または弾性的なフック(127)などのクリップ手段であることを特徴とする、請求項7に記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント回路板(18、1018)を受容するように作られており、かつ前記第1のハウジングのリセスの延長上で、前記支持体の厚さ方向に形成されたリセスによって作り出された縁を有している第2のハウジングを備えていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項10】
前記第2のハウジングの縁取りは、前記支持体に対する、前記フレキシブルプリント回路板のアクセスを可能にするために外向きの開口を有しており、この縁は、この開口の両側に隅部を有しており、したがって、前記支持体の外部に延びる前記フレキシブルプリント回路板の保持部を形成していることを特徴とする、請求項9に記載の支持体(2、102、1002)。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の支持体(2、102、1002)を備えた光源装置であって、光源(28)が、第1のプリント回路板(24)上に取り付けられており、この第1のプリント回路板(24)は、前記支持体(2、102、1002)内に受容されており、かつフレキシブルプリント回路板(18、1018)は、好ましくは機械的および電気的に、前記支持体に接続されている光源装置。
【請求項12】
前記フレキシブルプリント回路板(18、1018)は、挿入によって、該フレキシブルプリント回路板の孔と組み合っている、前記支持体の対応する少なくとも1つのピン(8、1008)によって、前記支持体(2、102、1002)に機械的に接続されており、前記ピン(8、1008)の先端部が、前記フレキシブルプリント回路板の孔への挿入後に、好ましくは頭付けによって、太くされていることを特徴とする、請求項11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記フレキシブルプリント回路板(18)の、前記支持体(2、102、1002)側の端部が、前記第1のプリント回路板(24)に重ね合わされており、かつレーザボンディングまたは「ホットバー」タイプの熱ボンディングによって、前記第1のプリント回路板に電気的に接続されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の光源装置。
【請求項14】
前記フレキシブルプリント回路板(1018)の、前記支持体(1002)側の端部が、前記第1のプリント回路板(24)に沿って配置されており、かつワイヤボンディングによって、前記第1のプリント回路板に電気的に接続されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の光源装置。
【請求項15】
前記フレキシブルプリント回路板(18、1018)の、前記支持体(2、102、1002)と反対側の端部に、コネクタ(22)を備えていることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の支持体、または請求項11〜15のいずれか1つに記載の光源装置を備えている照明モジュールまたは信号モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−77040(P2011−77040A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−218072(P2010−218072)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】