説明

照明器具

【課題】照明光と影像を合わせた空間演出が可能である画像投影装置付き照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、光色が可変可能な発光素子4aと;前記発光素子4aの照射方向側に投影するように配設されたプロジェクタ1と;プロジェクタ1から投影される画像と、画像の雰囲気に合った照明シーンとを連動して制御する制御手段と;を備えるプロジェクタ1付き照明装置10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、LED等の発光素子を光源として、照明の光色を変えることができるとともに、画像投影装置を有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LEDの高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源としてLEDを用いた屋内又は屋外で使用される長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。この照明器具は、LEDを基板に複数実装して所定の光量を得るようにしたもので、例えば、天井面等に直接的に取付けられる、いわゆる直付タイプのベース照明として用いられている。
【0003】
一方、生活様式の多様化に伴って、これら照明器具に求められる機能としては、単に、周囲を明るく照らすのみではなく、周囲の環境や光が生体に与える影響等を考慮して、使用者の快適性を充足することが望まれている。
【0004】
さらに、近年一般家庭において、影像鑑賞のため、画像投影装置よりも床面側に照明装置を備えた照明装置付きプロジェクタも普及されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−185757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、先行技術文献に記載の照明装置を備えるプロジェクタは、天井面の配線器具のコネクタに取り付けられ、プロジェクタ本体の床面に対向する面に照明装置が配設されているため、照明装置をいくらLED化することで薄型にしても、天井面からの高さ方向が高くなる。さらに、スクリーンや壁面に影像を投影させることができる範囲は一方向であるとともに、照明装置およびプロジェクタを連動させ、臨場感を高めることはできなかった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、照明光と影像を合わせた空間演出が可能である画像投影装置付き照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による投影装置付き照明装置は、光色が可変可能な照明手段と;前記照明手段の照射方向側に投影するように配設された投影手段と;投影手段から投影される画像と、画像の雰囲気に合った照明シーンとを連動して制御する制御手段と;を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、表現可能な光色の範囲を広くして多様な照明環境の実現が可能であるとともに、照明光と影像を合わせた様々な空間演出を効果的に行うことができる投影装置付き照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る照明制御システムを示す構成図である。
【図2】同照明装置を示す簡略断面図。
【図3】同照明装置を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。
【0012】
図1において、室内の照明空間には、照明装置10取り付け面に設置された引掛けシーリングにアダプタ2を取り付け、さらに投影手段としてのプロジェクタ1が照明装置10のアダプタ2に接続され使用される形式である。このように、プロジェクタ1から投影された画像や影像とともに、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって屋内空間を演出するものである。
【0013】
図1において、照明装置10は、本体10と光源部4と、点灯装置5と、取付部としてのアダプタ2と、カバー部材6とを具備している。照明装置10には、さらに、プロジェクタ本体1およびコネクタ1aならびに投射部1bを備えている。
【0014】
なお、照明装置取付面としての天井面20に設置された引掛けシーリングに電気的かつ機械的に接続されるアダプタ2を供え、アダプタ2の床面側には、プロジェクタ1のコネクタ1aが接続可能な接続部を有している。
【0015】
照明装置本体10は、金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシ7であり、略中央に後述する取付部を配設するための円形状の開口7aが形成されている。
【0016】
光源部4は、基板3と基板3に実装された複数の発光素子4aとを備えている。基板3は、所定の幅寸法を有した円弧状の4枚の基板が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル上に形成されている。
【0017】
基板3は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。
【0018】
発光素子4aは、LEDであり、表面実装形のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数列、本実施形態では内周側および外周側の2列に亘って実装されている。
【0019】
LEDパッケージは、赤、緑色、青色、電球色および白色に発光するものが用いられている。
【0020】
なお、色の配列は特定されず順不同でもよくさらには、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0021】
点灯装置5は、回路基板とこの回路基板に実装された制御用IC、トランス、コンデンサなどの回路部品を備え、交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を解してその直流出力を点灯装置に供給し、発光素子を点灯制御するようになっている。なお、後述するが、照明装置10の点灯装置5のほか、プロジェクタ用制御装置5bも設けられており、これらはそれぞれ配線を介してコネクタの端子に接続されている。
【0022】
カバー部材6は、アクリル樹脂などの透光性を有し、略円形状に形成され、本体の周縁に取り付けられる。
【0023】
プロジェクタ1は、箱形の筐体1cの上面に、前述の照明装置10を取り付けるアダプタ2の下面側に取り付け可能なコネクタ1aを有しており、アダプタ2下面側にプロジェクタ用コネクタ1aを引掛けることで電気的に接続される。また、筐体1cの下面側には回動可能な投射部としてのレンズ1bが備え付けられている。なお、プロジェクタ1の回動可能な投射レンズ1bは、カバー部材6の中心から突出した状態で取り付けられる。
【0024】
また、プロジェクタ1は、例えばプロジェクタ受信部に対して映像データをワイヤレスで送信可能な送信装置が同一空間内に設置がされていても、さらには、ネットワークを介して接続可能な携帯通信端末機能を有する端末を用いて、情報サーバからモード設定情報、つまり、照明制御プログラムや画像、映画作品などをダウンロードして、これを設定情報入出力部を介して記憶部などに格納するようにしてもよい。
【0025】
具体的には、使用者が端末を用いて情報サーバにアクセスし、画像や映画作品に適した照明制御プログラムを検索してダウンロードし、このプログラムを制御手段に送信し、記憶部に格納する。したがって、モードを再現する場合には、ダウンロードした照明制御プログラムに従って発光色が制御され表現されるようになる。
【0026】
さらに、情報サーバには、既存の音楽作品や映画作品等のイメージに合わせた照明制御プログラムが格納されており、使用者は、それらの作品の鑑賞とともに、作品に適した照明制御プログラムをダウンロードすることもできる。この作品および作品に適した照明制御プログラムには、インターネットサイトからの検索やCD等に付された例えば、QRコード等の情報を読み取ることによりアクセスできる。
【0027】
照明装置10およびプロジェクタ1を操作する携帯通信端末としても赤外線リモコン送信器30は、例えば周波数38kHzのパルス状の特定のコード化された赤外線リモコン制御信号を送信するもので、タッチパネル方式であり、タップ、ドラッグ、フリック操作が行え、フェーダ機能を有している。点灯操作、消灯操作、モード選択操作などが可能で、複数の照明手段における光源の発光色を多様的に変更操作できるようになっていても構わない。さらに、プロジェクタ1のオンオフ、作品の選択などの変更操作もできるようになっていても構わない。なお、この赤外線リモコン送信器は、機能的に制御手段に組み込まれて一体化された操作部であっても構わない。
【0028】
また、制御手段は、リモコン信号受信部と、モード選択部と、モード設定部と調光手段、プロジェクト再生部、選択部などを備えている。
【0029】
調光制御手段には、PWM制御回路およびこのPWM制御回路に接続されたスイッチング制御回路が設けられている。このPWM制御回路およびスイッチング制御回路は、各照明手段に対応しても受けられている。
【0030】
このようなモードの設定の方法によれば、照明の専門的知識を有しない使用者であっても容易に適切な照明環境を実現できる。
【0031】
このように、ワイヤレスで受信された画像データや映画作品などを鑑賞する場合、その鑑賞作品に適した照明プログラムを同時に送信することで臨場感あふれる影像を伴った空間の演出を簡単に行うことができる。
【0032】
さらに、照明装置10の下面に回動可能な投射レンズ1bが配設されているので、例えば、照明装置10の下面側からからカバー部材6の外方へ突出している投射レンズ1bを回動させながら、魚の影像を360度空間の側壁に向けて投影方向を変動させながら照射することができるとともに、照明装置10からの照射光を、海の中にいるような色、揺らぎなどを照射させることで、部屋の周壁を魚が泳ぎ回る影像と、あたかも海中にいるかのような照明シーンを演出することができる。
【0033】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、照明装置10およびプロジェクタ1には、信号線などによって制御手段が接続されている。この制御手段は、操作手段である赤外線リモコン送信器によって操作できるようになっている、なお、照明装置およびプロジェクタ1との接続は、無線で行われる場合であってもよい。
【0034】
さらに、発光素子は、LEDや有機EL等の固体発光素子が適用できる。さらに、発光素子の個数は、特段限定されるものではない。
【0035】
プロジェクタ1用の制御装置5bと点灯装置5aは、別体であっても一体であっても、両者を制御可能な制御装置であっても構わない。また、プロジェクタ1は、照明装置10のアダプタ2に電気的に接続されているが、取り付け、接続に関しては、これに限定されるものではない。プロジェクタ1の投射レンズ1bは、照明装置10の下面側に限定されるものではなく、照明装置10の側面や、照明装置10に着脱可能なものであっても構わない。
【0036】
な画像や映画作品に合わせた照明シーンの演出について説明したが、照明シーンに合った画像を投影することも可能であり、どちらが主体となり制御されていても構わない。さらに、例えば時計機能を有しており、光と時間を表示するような目覚まし機能を有していたり、生活リズムに適した、快適な目覚めや睡眠を促進するような機能を有したりしていても構わない。
【符号の説明】
【0037】
1・・・プロジェクタ本体、2・・・アダプタ、3・・・基板、10・・・照明装置






【特許請求の範囲】
【請求項1】
光色が可変可能な照明手段と;
前記照明手段の照射方向側に投影するように配設された投影手段と;
投影手段から投影される画像と、画像の雰囲気に合った照明シーンとを連動して制御する制御手段と;
を具備することを特徴とする投影装置付き照明装置。
【請求項2】
前記投影手段の投射レンズは、回動可能であることを特徴とする請求項1または2記載の投影装置付き照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−186118(P2012−186118A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50109(P2011−50109)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】