説明

照明用反射板およびそれを用いてなる情報表示用バックライト装置

【課題】本発明は、形状保持性と柔軟性・軽量性とを兼ね備えた照明用反射板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも一方の面側の、波長400〜700nmに対する平均反射率が85%以上である高分子膜からなる反射材料であって畝状の凹凸形状を有する反射材料1と、可とう性を有する補強材料とを含んでなり、補強材料が反射材料1の前記一方の面側の裏側から凹部の底部同士を繋ぐようにして凹凸形状を補強する、照明用反射板である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を反射分配する照明用反射板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明用反射板の反射材料としては、鏡面仕上げされた金属や、ボイドなどで生じる界面や透明誘電体の積層構造を反射に利用した高分子膜などが知られている。高分子膜は、温度や湿気の影響などによる劣化の影響が小さく、軽量で反射効率の良い反射材料を得られる上、ボイドで生じた界面を利用した高分子膜などでは拡散反射とすることで均一に光を供給することが容易となるなど優れた特性を有することから、情報表示用バックライト装置など大きな面積で均一に光る必要のある照明用の反射材料として積極的に使用されている。
【0003】
従来の高分子膜材を使用した立体構造材としては、例えば特許文献1には、照明用反射板としてアルミ板に高分子膜を貼り付けて折り曲げ加工したものが開示されている。しかしながら、かかる構造材は頑丈で形状をしっかり保持できるが、加工工程や輸送中などに製品が外力を受けると製品形状に歪みが残り易く設計時の光学性能を発揮し難くなる上、フレームへの設置も困難になるといった問題があった。また、重量が重い上、深く曲げたり様々な形状が複合されたような複雑な形状を実現することが難しいという問題もあった。
【0004】
また例えば特許文献2には、1mm厚程度の白色高分子膜を折り曲げ加工したものが開示されている。しかしながら、かかる構造材には、加工工程や設置時に折り曲げ部を深く曲げたり拡げたりすると素材が破断し易い上、膜材に応力歪みが残存しやすく高精度な形状を維持し難いという問題があった。
【特許文献1】特開平11−198284号公報([0022]〜[0045]段落)
【特許文献2】特開2003―22701号公報([0012]〜[0018]段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、形状保持性と柔軟性・軽量性とを兼ね備えた照明用反射板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。
【0007】
[1]少なくとも一方の面側の反射率が85%以上である高分子膜からなる反射材料が反射板の底部と連続する側部を形成し、当該底部と当該側部との境界において前記一方の面側の裏側であって、かつ底部と側部のなす角の鈍角側に溝を有する照明用反射板。
【0008】
[2]上記[1]記載の照明用反射板を用いてなる情報表示用バックライト装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、形状保持性と柔軟性・軽量性とを兼ね備えた照明用反射板を提供することができる。すなわち、光学的設計を忠実に再現し、かつ、フレーム等への実装作業における位置決め等、設置時や搬送時の取り扱い性に優れた照明用反射板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】照明用反射板の概念図である。
【図2】テープ状の補強材料による照明用反射板の裏面概念図である。
【図3】反射材料1の概念図である。
【図4】折り曲げ加工による畝状突起を有する反射材料の概念図である。
【図5】桟状部材の貼り合わせによる畝状突起を有する反射材料の概念図である。
【図6】照明用反射板の断面概念図である。
【図7】頂上部の頂点部分の断面概念図である。
【図8】反射材料が折れ曲がる部分を展開した際の溝部分の断面概念図例1である。
【図9】反射材料が折れ曲がる部分を展開した際の溝部分の断面概念図例2である。
【図10】反射材料が折れ曲がる部分を展開した際の溝部分の断面概念図例3である。
【図11】複数の反射材料1を含んでなる照明用反射板の概念図である。
【図12】テープ状の連結材料により一体化された照明用反射板の裏面概念図である。
【図13】反射材料1と平面状の反射材料からなる照明用反射板例の概念図である。
【図14】井桁状の形状を有する照明用反射板例の概念図である。
【図15】反射材料2の例の概念図である。
【図16】井桁状の形状を形成するために反射材料1に入れる切り欠き例の概念図である。
【図17】表面形状の差違部分を特に処理していない例の概念図である。
【図18】表面形状の差違部分を塞いだ例の概念図1である。
【図19】表面形状の差違部分を塞いだ例の概念図2である。
【図20】表面形状の差違部分の素材を重ね合わせた例の概念図1である。
【図21】表面形状の差違部分の素材を重ね合わせた例の概念図2である。
【図22】連結材料に目張り材の機能を持たせた例の概念図である。
【図23】反射材料の断裁形状例の概念図である。
【図24】図23の断裁形状に裁断した反射材料に畝状の凹凸を付与して反射材料1としたものの概念図である。
【図25】実施例6の概略図である。
【図26】実施例6の設置性自由度を評価した際の概念図である。
【図27】実施例6に穴を開けた設置安定性評価用サンプルの概念図である。
【図28】設置安定性評価台を横から見た概念図である。
【図29】バックライト正面輝度評価時の冷陰極管とサンプルの横断面概念図および正面輝度分布概念図を重ね合わせて表現した図である。
【図30】実施例8の反射材料1の展開概略図である。
【図31】実施例8の反射材料2の展開概略図である。
【図32】実施例9の反射材料1の展開概略図である。
【図33】実施例9の反射材料1の断面概略図である。
【図34】実施例9の照明用反射板サンプルの断面概略図である。
【図35】バックライト正面輝度評価2におけるバックライト設定の概念図である。
【図36】バックライト正面輝度評価2における輝度測定範囲の概念図である。
【図37】反射板の底部と連続する側部を形成する照明用反射板の断面概念図である。
【図38】反射板の底部と連続する側部を形成する照明用反射板における側部開閉に関する断面概念図である。
【図39】反射板の底部と連続する側部を形成する照明用反射板例の概念図である。
【図40】反射板の底部と連続する側部を形成する照明用反射板例の裏面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の照明用反射板は、高分子膜からなる反射材料を有する。当該高分子膜として、
(1)熱可塑性プラスチックに有機、無機の染料、微粒子などを添加したもの
(2)構成する樹脂成分に該樹脂成分とは非相溶性の樹脂、および/または有機もしくは無機の粒子を混合して溶融押出しした後、少なくとも1方向に延伸し、内部に微細なボイドを形成させたもの
(3)発泡性粒子を添加し、溶融押出することによって発泡させたもの
(4)炭酸ガスなどの気体を注入して押出発泡させたもの
など、見かけ上白色性を有するものであることは好ましい態様である。特に、反射率・輝度が向上するものとして、上記(2)の態様が好ましい。また、積層フィルムとして、例えば上記(2)の粒子の粒径や種類、樹脂成分組成の違いなどにより各層におけるボイドの大きさを制御し、表層のボイドのサイズを内層のそれよりも細かくしたものも、特に好ましい。
【0012】
当該高分子膜を構成する熱可塑性樹脂としては、溶融押出しによってフィルムを形成し得るものであればよく、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィドなどを挙げることができる。特に、寸法安定性や機械的特性が良好で、可視光線域における吸収がほとんどないなどの点から、ポリエステルが好ましい。
【0013】
ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどを挙げることができる。これらのポリエステルはホモポリマーとして用いることが好ましいが、コポリマーとして用いてもよい。コポリマーとして用いる場合の共重合成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、炭素数2〜15のジオール成分等を挙げることができ、より具体的には例えば、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、スルホン酸塩基含有イソフタル酸、およびこれらのエステル形成性化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、数平均分子量400〜20,000のポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。
【0014】
反射材料には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤、たとえば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、滑剤、有機、無機の微粒子、耐光剤、帯電防止剤、核剤、カップリンブ剤などが混練や塗布などにより添加されていてもよい。例えば長期に渡って安定に光学特性を発揮するためには、耐光剤を含有することは好ましく、最表面側に耐光剤を含有する保護層を有することはより好ましい。耐光剤としては、ヒンダードアミン系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾエート系、蓚酸アニリド系などの有機系の光安定剤やそれらの光安定化構造を含む共重合ポリマー、あるいはゾルゲルなどの無機系の光安定剤を用いることができる。好適に用いられる耐光剤の具体例を以下に示す。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
ヒンダードアミン系: ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物。
【0016】
サリチル酸系: p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート。
ベンゾフェノン系: 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン。
【0017】
ベンゾトリアゾール系: 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェノール)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2(2’ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−アクリロイルエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール。
【0018】
シアノアクリレート系: エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート。
【0019】
上記以外: ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス(4−tーオクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ・t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチルジチオカーバメート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ・t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ハイドロキシベンゾエート、2−エトキシ−2’−エチルオキザックアシッドビスアニリド、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール。
【0020】
本発明の照明用反射板において、反射材料の反射特性は、その少なくとも一方面側の、波長400〜700nmに対する平均反射率が85%以上であることで定義される。波長400〜700nmに対する平均反射率とは、JIS Z 8722に準じて400〜700nmの波長範囲の分光反射率を10nm間隔で測定し、各測定値の算術平均値をとったものである。反射効率を高めるために、当該平均反射率としては87%以上が好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
【0021】
また、照明用反射板が光学特性を発揮するように与えられている立体構造が製造過程や使用中に簡単に変化することがないように、反射材料として、150℃×30分の暴露条件における熱収縮率が1.8%以下である二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることは好ましく、当該熱収縮率としてより好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。
【0022】
本発明の照明用反射板に用いられる反射材料は、用途に合わせて複合した材料を用いることが出来る。例えば、反射効率を上げるために、反射特性の異なる材料を2枚貼り合わせて用いることは好ましい態様の一つである。また、照明用反射板の裏に光が漏れることを嫌う用途においては、黒色などの着色フィルムや金属箔と貼り合わせることは好ましい態様の一つである。好適に用いられる複合の具体例を以下に示す。
【0023】
複合相手素材:ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、アルミ箔、鉄箔、銅箔。
複合方法:粘着、接着、熱融着。
【0024】
また、反射材料を構成する材料の裏面側に、印刷や蒸着によって遮光層や伝熱層、導電層、絶縁層を形成することも好ましい態様の一つである。複合される部分としては、構成材全面に限られるものではなく、一部のみ、あるいは部分毎に別々の複合形態を用いてもよい。
【0025】
本発明の照明用反射板において、反射材料の表面形状としては、光学特性や易設置性や取り扱い性向上などの要求に合わせて、平面形状、畝状や波状、鋸歯状、鮫肌状、井桁状、市松模様状やディンプル状などの凹凸形状やそれぞれの組み合わせなど、適宜設計して用いることが出来る。また、当該形状を照明用反射板の裏側に形成することも、照明用反射板表面の光学的な影響や物理的な制約を小さくしながら、易設置性や取り扱い性向上などの要求を達成するためには好ましい態様である。特に部材を貼り合わせることによって当該形状を形成する場合、反射板表面への光学的な影響が小さいため、張り合わせる部材の素材や大きさ、形状を選択出来る範囲が広がるために好ましい態様である。同様の理由から、複合した材料を用いた反射材料においては、当該形状を照明用反射板の裏側にあたる素材に形成することは好ましい態様である。
【0026】
反射材料は、次述する反射材料1の畝状の凹凸形状の他、後述する補強材料により補強されない、より細かい畝状突起を有していてもよい。当該畝状突起は、軽量かつ薄厚な反射板を取り扱う際に折れ曲がり難くなるために好ましい態様である。畝状突起の形状や配置、組み合わせは、照明用反射板の取り扱い性や設計上必要とする構造に応じて選択することが出来るものである。たとえば、畝状突起による光学的な影響や物理的な制約を小さくするためには、該畝状突起を光源の下に配置するような構成は好ましい態様であり、当該畝状突起の寸法としては幅0.5〜10mm、高さ0.5〜10mmの範囲内が好ましく、より好ましくは幅0.5〜5mm、高さ0.5〜5mm、さらに好ましくは幅1〜3mm、高さ1〜3mmである。当該畝状突起を形成する手段としては、折り曲げ加工、熱プレス、桟状部材の貼り合わせなどから、照明用反射板の要求特性や製作工程に合わせて選択することが出来る。
【0027】
第1の本発明の照明用反射板は、少なくとも一方の面側の反射率が85%以上である高分子膜からなる反射材料であって畝状の凹凸形状を有する反射材料1を有する。畝状の凹凸形状を有する反射材料1を設けてなることにより、蛍光灯や冷陰極管等の線状光源同士の光の混合を防ぐとともに、線状光源を効率的に面光源とし、鮮明な表示を可能とすることができる。
【0028】
反射材料1の有する畝状の凹凸形状としては、線状光源の形状等、用途に合わせて適宜選択し得る。蛍光灯や冷陰極管などの線状光源を面光源として使用するための照明用反射板として使用するためには、隣接する頂上部の頂点間の間隔Dは0.5〜500mmの範囲内であることが好ましく、底部から頂上部の頂点までの高さHは0.5〜500mmの範囲内であることが好ましい。特に、直径2〜6mmの冷陰極管を使用する場合には、前記Dは10〜50mmの範囲内であることがより好ましく、前記Hは3〜15mmの範囲内であることがより好ましい。高密度に配置された光源に対応する場合など凸部を鋭角に形成するためには、反射材料1の凸部の稜線部分をなす直線に対して垂直な断面形状において、稜線部分の頂点の曲率半径Rが1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.8mm以下、さらに好ましくは0.7mm以下である。
【0029】
反射材料1は、その少なくとも凸部の稜線部分の裏側に溝を有することが好ましい。当該溝を有することにより、折り曲げによるストレスを軽減して皺や破断等の表面形状や材質の著しい劣化を防ぎながら光学設計に沿った凸部形状を忠実に再現することができる。
【0030】
溝は例えば次に示す具体例から反射材料1の材質や厚みにより適宜選ぶことができる。
溝形状:V字型、U字型、コの字型、直線型
溝構成:押し潰し、くり貫き、一部切断
例えば、反射材料の厚みがそれほど厚くなく内部に空隙を有する素材である場合には、押し潰しによりV字型やU字型の溝を形成することは、素材強度を著しく低下することがないために好ましい態様である。一方内部の空隙による界面反射により反射率を上げているタイプの反射材料においては、内部の空隙を潰してしまうことで反射率が低下するのを防ぐために、反射材料の表層を一部切断して溝を形成することは好ましい態様である。図8,9,10に、反射材料が折れ曲がる部分を展開した際の、溝部分9の断面の例を示す。
【0031】
ただし反射材料1は、凸部の稜線部分に実質的に貫通部を持たないことが好ましい。ここで言う貫通部とは、ミシン目の切断部のように反射材料の表面側から裏面側まで素材を貫通する部分のことである。当該貫通部を持たないことで、そこから光が漏れるのを防ぐことができる。
【0032】
本発明の照明用反射板において、複数の反射材料を含んでなることは、光学設計に忠実な反射板形状を工業的に実現する上で好ましい態様である。
【0033】
例えば、複数の反射材料1を含んでなることは、複雑な配光パターンを実現する上で好ましい態様である。
【0034】
また、反射材料1に加えて、本発明で規定する反射材料であって畝状の凹凸形状を有しない反射材料2をさらに含んでなることは、光源形状や配置に対応した複雑な表面形状を有する照明用反射板を実現する上で好ましい態様である。例えば、U字型の冷陰極管を複数用いた照明に本発明の照明用反射板を用いる場合、図13に例を示すように、冷陰極管の直線部を挟むように畝状の凹凸を有する反射材料1を配し、冷陰極管が曲がっている部分に平面状の反射材料を配するように組み合わせることは、光学設計と物理的限定条件を両立する上で好ましい態様の一つである。また、大型の液晶TV用バックライト装置などのように照明用反射板の上に光源を支持するための部材を設置する必要があるような場合、光源を支持する部材を設置する部分は反射板が平面状となる面積を大きくし、該支持部材を設置する必要がない部分は立体構造となる面積を大きくとることも光学設計と物理的限定条件を両立する上で好ましい態様の一つである。
【0035】
また、反射材料1と反射材料2とを組み合わせる好ましい態様の一つとして、図14に例を示すような井桁状(parallel crosses)の形状がある。当該形状の凹凸を有する態様とすることにより、光の拡散範囲と分離範囲を調整することが可能となり、反射板の部分部分における光の色成分や照度をセンサーで感知して制御する場合などに、制御性と照明としての要求特性のバランスに応じた照明用反射板形状を提供することが可能になる。井桁状の凹凸は例えば、反射材料1の、畝の長手方向と直交する方向に切り欠きを入れ、当該切り欠き部分に図15に示されるような形状の反射材料2を挿入することで形成することができる。切り欠き形状やその切り欠きに挿入する反射材料の形状は、所望の光学的な設計に合わせて選択することが出来る。
【0036】
尚、反射材料2には、前述のような、反射材料1の有する畝状の凹凸形状よりも細かい、補強材料により補強されない畝状突起を有していてもよい。
【0037】
本発明の照明用反射板において、反射材料同士の境界の形状は要求される特性に応じて設計することができる。例えば、反射材料同士の表面連続性が要求される用途において、組み合わされる反射材料同士の表面形状が異なる場合に、一方の反射材料で差違部分をカバーすることや差違部分を目張り材で塞ぐことは好ましい態様である。特に表面形状の差違を処理していない例を図17に示し、表面形状の差違部分を塞いだものの例を図18および図19に示す。また、差違部分における機能面の連続性を得るために、組み合わされる反射材料を重ね合わせて用いることは好ましい態様である。重ね合わせて用いたものの例を図20および図21に示す。
【0038】
第1の本発明の照明用反射板は、前記反射材料1の他に可とう性を有する補強材料を含んでなり、当該補強材料が反射材料1の前記一方の面側の裏側から凹部の底部同士を繋ぐようにして凹凸形状を補強することを特徴とする。このような構成を有することによって、高分子材料としての柔軟性・軽量性を有しながら形状保持性も備えた照明用反射板を実現することが可能になる。
【0039】
補強材料の素材は、用途に合わせて高分子膜、布帛、不織布など可とう性を有する素材から適宜に選択できる。
【0040】
用途に合わせて補強材料に、反射、遮光、伝熱、放熱、導電、絶縁等の機能性付与することは好ましい態様である。例えば、補強材料も反射材料としての反射性能を満足するものであることは好ましい。
【0041】
また、補強材料の素材として、前述のような反射材料の素材も好ましく援用できる。
【0042】
廃棄性やリサイクル性を考慮した場合、補強材料に反射材料と同系の高分子材料を用いることは好ましい態様である。例えば、反射材料1および補強材料がポリエステルフィルムからなることは、廃棄性やリサイクル性に優れる他、反射板の軽量化や素材物性の安定性にも優れる点で好ましい。
【0043】
またさらに、補強材料に反射材料と同じ主成分からなる高分子材料を用いることは特に好ましい。
【0044】
補強の態様として、一つの補強材料が反射材料全体を補強するかあるいは部分的に補強するかは、用途に合わせて適宜選択し得る。例えば、軽量化や使用量の節減のために、テープ状の補強材料で部分的に連結することは好ましい態様の一つである。また、生産工程の簡略化を意図する場合や照明用反射板に高い形状保持性を求める用途においては、全体を補強材料で一体化することは好ましい態様である。
【0045】
また、反射材料と補強材料の全接触面を一体化させるか、部分的に一体化させるかは、用途や構成素材に合わせて適宜選択すればよい。反射材料と補強材料の全接触面を一体化させることは強固に一体化するためには好ましい態様であり、部分的に一体化させることは、熱収縮率差や熱膨張率差を吸収し照明用反射板全体として構造の歪みが発生しにくくなるために好ましい。
【0046】
反射材料と補強材料とを一体化させる手段は、用途に合わせて適宜選択すればよく、例えば、粘着剤、接着剤、熱融着、鈎留め、ネジ止め、ミシン掛けなどを挙げることができる。例えば、ポリエステル2軸延伸フィルムからなる補強材料を粘着剤により反射材料と一体化させることは、反射材料を熱的あるいは物理的なダメージによって劣化させることがないため好ましい態様の一つである。
【0047】
本発明の照明用反射板において、前述のように複数の反射材料を含んでなるものの場合、これらを連結する連結材料を含んでなることが、反射材料の位置のずれにより所望の光学特性が損なわれるのを防ぐ上で好ましい。
【0048】
連結材料の素材は用途に合わせて高分子膜、布帛、不織布、FRP、金属箔などから適宜に選択できる。輸送中や作業中に受ける衝撃などによる歪みの発生を防ぎ、望ましい形状に沿わすことが出来るように照明用反射板が変形に対して追従することが可能になるために連結材料が可とう性示すことは好ましい態様である。
【0049】
用途に合わせて連結材料に、反射、遮光、伝熱、放熱、導電、絶縁等の機能性付与することは好ましい態様である。例えば、連結材料も反射材料としての反射性能を満足するものであることは好ましい。
【0050】
また、補強材料の素材として、前述のような反射材料の素材も好ましく援用できる。
【0051】
また、補強材料が連結材料の役割を兼ねるような構成とすることは、反射板の構成を単純にすることで、信頼性の向上や軽量化やコストダウンを可能とする上で好ましい。
【0052】
廃棄性やリサイクル性を考慮した場合、連結材料に反射材料と同系の高分子材料を用いることは好ましい態様である。例えば、反射材料1、補強材料及び連結材料がポリエステルフィルムからなることは、廃棄性やリサイクル性に優れる他、反射板の軽量化や素材物性の安定性にも優れる点で好ましい。
【0053】
またさらに、連結材料に反射材料と同じ主成分からなる高分子材料を用いることは特に好ましい。
【0054】
連結の態様として、一つの連結材料が複数の反射材料全体を連結するかあるいは部分的に連結するかについては、連結材料が可とう性を有し補強材料の役割を兼ねる場合には、前述の補強材料のとおり、用途に合わせて適宜選択し得る。一方、連結材料が可とう性を有しないものである場合には、反射板としての柔軟性を阻害しないよう、部分的に配置することが好ましい。
【0055】
また、反射材料と連結材料の全接触面を一体化させるか、部分的に一体化させるかは、用途や構成素材に合わせて適宜選択すればよい。反射材料と連結材料の全接触面を一体化させることは強固に一体化するためには好ましい態様であり、部分的に一体化させることは、熱収縮率差や熱膨張率差を吸収し照明用反射板全体として構造の歪みが発生しにくくなるために好ましい。
【0056】
反射材料と連結材料とを一体化させる手段は、用途に合わせて適宜選択すればよく、例えば、粘着剤、接着剤、熱融着、鈎留め、ネジ止め、ミシン掛けなどを挙げることができる。例えば、ポリエステル2軸延伸フィルムからなる連結材料を粘着剤により反射材料と一体化させることは、反射材料を熱的あるいは物理的なダメージによって劣化させることがないため好ましい態様の一つである。
【0057】
また、連結材料に前述の目張り材の機能を持たせることも好ましい態様の一つである。連結材料に目張り材の機能を持たせた例を図22に示す。
【0058】
本発明においては、図23のような形状に断裁した反射材料1に図24のように畝状の凹凸形状を付与した後に補強材料で補強することにより複雑な形状をした照明用反射板を実現することが可能である。
【0059】
次に、第2の本発明の照明用反射板は、反射材料が反射板の底部と連続する側部を形成し、当該底部と当該側部との境界において前記一方の面側の裏側に溝を有することを特徴とする。従来品は、当該底部と当該側部との境界において通常、貫通部を有するミシン目を採用していたが、溝を採用することによって、照明筐体の内部形状に追従する良好な設置性を持ちながら、反射板の設置の際や間違った設置を修正する際に、当該底部と当該側部との境界から破損してしまうことを防ぐことが出来る。また、底部と側部の境界において破断等の表面形状や材質の著しい劣化を防いで光学設計を忠実に再現するためにも好ましい態様である。また、底部と側部との境界が実質的に貫通部を持たないことは、貫通部から光が漏れるのを防ぐ上でも好ましい。
【0060】
第2の本発明における溝や反射材料については、前述の第1の本発明におけるものを援用することができる。
【0061】
また、第1の本発明と第2の本発明とを組み合わせた態様とすることも好ましい。
【0062】
本発明の照明用反射板において、設計時の光学特性を維持する上で、70℃、90%RHの環境下で24時間暴露前・後の底辺長辺側寸法と底辺短辺側寸法をそれぞれW0,W,L0,Lとし、当該暴露前後の寸法変化量の差の絶対値をΔW(=|W0−W|),ΔL(=|L0−L|)としたとき、
ΔW/W0≦0.02 かつ ΔL/L0≦0.02
であることが好ましく、
ΔW/W0≦0.01 かつ ΔL/L0≦0.01
であることがより好ましく、
ΔW/W0≦0.007 かつ ΔL/L0≦0.007
であることがさらに好ましい。
【0063】
熱寸法安定性を得る上で、構成材が熱可塑性高分子を主成分とする場合には、使用温度以上、好ましくは70℃以上の温度で反射板の形状への熱固定をすることが好ましい。
【0064】
本発明の照明用反射板は、様々な光源形状に対応した任意の光学設計を反映する立体構造を得やすいため、看板用光源や液晶TV用バックライトなどの情報表示用バックライト装置としてことさら好ましい態様として用いることが出来る。
【実施例】
【0065】
[測定・評価方法]
(1)平均反射率
分光式色差計として日本電色工業(株)製SE−2000型を用い、JIS Z 8722に準じて400〜700nmの波長範囲の分光反射率を10nm間隔で測定し、各測定値の算術平均値をとった。
【0066】
(2)反射材料等の熱収縮率
150℃の乾熱下で、30分間熱処理を行い、熱処理前の原長に対する収縮率を算出した。試料数は、n=5とした。
【0067】
(3)頂上部の頂点の曲率半径R
反射材料1における畝の断面を直尺(シンワ測定(株)製 C型JIS1級 150mm)の目盛りと一緒に、デジタルカメラ(キャノン(株)製 IXY DIGITAL 400)にて撮影し、10倍に拡大した写真から、頂点部の曲率に沿った円(図7参照。)の直径φをノギスで計測し、同様に測定した直尺の目盛りから倍率Xを計算して実際の曲率半径R(=φ/2X)を求めた。なお、ミシン目によって素材が貫通されている部分と連続している部分がある場合には、素材が連続している部分をもとに曲率半径を求めた。求めた曲率半径を、下記の基準にて評価した。
A:R≦0.7mm
B:0.7mm<R≦1.0mm
C:1.0mm<R。
【0068】
(4)折り目の外観(実施例1〜5、比較例1,2)
反射材料1に出来る全ての折り目について、概観観察および拡大観察(東海産業(株)製 ピーク・ルーペ 22×を使用。)を行い、下記の基準にて評価した。
(概観観察)
A:いずれの折り目にも著しい皺は観察されず、折り目が直線状に形成されている。
B:少なくとも一部の折り目に皺はあるが、折り目はほぼ直線状に形成されている。
C:少なくとも一部の折り目に大きな皺によって、折り目がジグザグになっている部分がある。
(拡大観察)
A:いずれの折り目にも著しい皺は観察されない。
B:少なくとも一部の折り目に皺が発生している
C:少なくとも一部の折り目に亀裂が発生している。
【0069】
(5)折り目の外観(実施例10,11、比較例8〜10)
反射板の底部およびそれと連続する側部を形成する反射材料における、当該底部と当該側部との境界部について概観観察および拡大観察(東海産業(株)製 ピーク・ルーペ 22×を使用。)を行い下記の基準にて評価した。
A:著しい皺は観察されず、境界が直線状に形成されている。
B:皺はあるが、境界はほぼ直線状に形成されている。
C:大きな皺によって、境界がジグザグになっている部分がある。
【0070】
(6)光漏れ(実施例10,11、比較例8〜10)
上記(5)の境界部分を蛍光灯に透かして目視観察し、下記の基準にて評価した。
A:境界に光漏れは観察されない。
B:境界にランダムな光漏れは観察されないが、等ピッチの光漏れが観察される。
C:境界にランダムで顕著な光漏れが観察される。
【0071】
(7)側部の開閉性(実施例10,11、比較例8〜10)
上記(5)の境界部分について、下記の範囲で開閉を行った。境界部分の観察は、反射材料の表裏両側から概観観察や拡大観察(東海産業(株)製 ピーク・ルーペ 22×を使用。)を行い、亀裂や折り目以外の部分まで及ぶ皺の発生・成長などをもって著しい損傷とした。尚、下記条件における角度は、底部と側部との境界部分における角度とする。
C:70°〜100°の範囲で10回開閉を行った後に、境界部分の折り目に著しい損傷が観察される。
B:上記Cの開閉では著しい損傷が観察されなかったが、さらに50°〜110°の範囲で10回開閉を行った後に、境界部分の折り目に著しい損傷が観察される。
A:上記C,Bの開閉では著しい損傷が観察されなかった。
【0072】
(8)寸法変化(ΔD,ΔH)(実施例1〜5、比較例1,2)
70℃、90%RHの環境下で24時間暴露し、暴露前・後の隣接する頂上部の頂点間の間隔をD0,D、暴露前・後の底部から頂上部の頂点までの高さをH0,Hとしてノギスで測定し、当該暴露前後の寸法の差の絶対値ΔD(=|D0−D|)、ΔH(=|H0−H|)のとる値により下記の基準にて評価した。
C:1.0mmを超える。
B:1.0mm以下であるが、0.5mmを超える。
A:0.5mm以下である。
【0073】
(9)寸法変化(ΔW/W0、ΔL/L0)(実施例10,11、比較例8)
70℃、90%RHの環境下で24時間暴露し、暴露前・後の底部の長辺側寸法をW0,W、暴露前・後の底部の短辺側寸法をL0,Lとし、当該暴露前後の寸法の差の絶対値ΔW(=|W0−W|),ΔL(=|L0−L|)としたとき、ΔW/W0とΔL/L0のとる値により下記の基準にて評価した。
C:ΔW/W0とΔL/L0とのいずれかが0.2を超える。
B:ΔW/W0とのいずれもが0.2以下であるが、それらのいずれかが0.007を超える。
A:ΔW/W0とΔL/L0とのいずれもが0.007以下である。
【0074】
(10)設置性自由度(実施例6,7、比較例3〜6)
ランプ間隔26mm、湾曲部の半径13mm、直管部の長さ132mm、2mmφのU字型の冷陰極管を想定した針金モデルを準備し、サンプルの150mmの辺と水平になるようにランプモデルの直管部がくるようにして、サンプル底面からランプまでの距離3mmの位置に評価対象を設置可能かどうかを評価した。
A:物理的干渉が無いように設置することが可能。
B:物理的干渉が有り設置出来ない。
実施例6の設置の概念図を図26に示す。
【0075】
(11)設置安定性(実施例6,7、比較例3〜6)
1mm厚で170mm×190mmのアルミ板を準備し、各辺から20mm内側に位置する130mm×150mmの長方形の対角に当たる2カ所に5mmφで長さ20mmの金属ピンを立てた。長辺が上側、金属ピン側が表側になるように70°の角度でアルミ板を設置し、設置安定性評価台とした。設置安定性評価台を横から見た概略図を図28に示す。
【0076】
評価対象に対して、各辺から10mm内側に位置する130mm×150mmの長方形の対角に当たり設置安定性評価台のピンの位置と同じになる2カ所に、6mmφ穴を開け、設置安定性評価用サンプルとした。
【0077】
各サンプルの穴を金属ピンに通すように設置安定性評価台にセットした後、設置安定性評価台を軽く揺らしてサンプルがずれないかどうかをみることで、設置安定性を評価した。
A:安定してセットすることが出来た。
B:サンプルがずれた。
穴を開け設置安定性評価用サンプルとした実施例6の照明用反射板の概念図を図27に示す。
【0078】
(12)設置適応性(実施例6,7、比較例3〜5)
直径20cmの鋼管を用い、サンプルの短辺が当該鋼管の長さ方向と平行になるように当該鋼管の表面に5分間押しつけて変形させた後、直ちにサンプルの裏面(補強材側)をガラス側にして平面ガラス板上に各サンプルを置いた。置いてから10分後に平面ガラス上のサンプル形状を観察し、次の基準にて設置適応性を評価した。
A:サンプルがガラス面形状に沿って設置されている。
B:サンプル長辺の中央がガラスから浮き上がっている。
【0079】
(13)バックライト正面輝度(実施例6,7、比較例3〜6)
直下型バックライトとして、多摩電気工業(株)製201BLM02(冷陰極管の間隔:26mm)を用いて測定を行った。当該バックライト内に貼り合わせられていた既製のフィルムを剥がし、冷陰極管の支持部材と干渉しないように中央付近に150mm×170mmのスペースを空けた後述の材料aを張り付けた。スペースの150mmの辺は冷陰極管と平行で、一方の端部が内側の最も近い冷陰極管の中心線を設置平面におろした場所から7mmとなるようした。スペースの中に一方の170mmの辺に合わせて測定対象の照明用反射板を両面テープで貼った。実施例6,7、比較例3,5,6においては、畝状の凹凸形状の凸部の稜線部分が隣り合う冷陰極管同士の中間に位置するようにセットした。なお、比較例4の反射材料1と反射材料2は、実施例6の反射材料1と反射材料2の配置と同じ配置になるように貼り付けた。その状態で透明PMMA板を取付け、冷陰極線管を1時間点灯して光源を安定させた後に、透明PMMA板側正面より、輝度ムラ測定器として有限会社イマイズミ商会製EYESCALE−3を用い、カメラとバックライトユニット表面までの距離1m、カメラのレンズ絞りf16、シャッタースピード1/250秒の設定にて、輝度(cd/m)を測定した。有効な輝度データ範囲は、冷陰極管に垂直な方向には170mmの中央78mm、冷陰極管と平行な方向には150mmの中央80mmに囲まれた四角形部分とした。
【0080】
得られた輝度データを冷陰極管に水平な方向を列、冷陰極管に対して垂直な方向を行とする表として解析を行った。冷陰極管に対して垂直な方向の輝度分布を評価するために各行の輝度データを解析すると、冷陰極管の位置と一致する部分で輝度が極大値となる輝度分布を示していた。この輝度の極大値をピーク(Px1〜Pxn,nはピークの数、xはx行目を示す)とし、隣り合うピーク間で最も輝度の低くなる極小値をボトム(Qx1〜Qxm,mはボトムの数、xはx行目を示す、Qx1はPx1とPx2の間における最低輝度の値とする)とした。冷陰極管と水平な方向の行ピーク輝度平均値PxA、行ボトム輝度平均値QxAは以下の式より求めた。
PxA=(Px1+Px2+・・・+Pxn)/n
QxA=(Qx1+Qx2+・・・+Qxm)/m
ピークを中心とする26mm分を1サイクルとし、Sサイクル分(Sは整数)の輝度の平均をもって行平均輝度SxAとした。本実施例および比較例においては、n=m=S=3が78mm幅に相当した。次に有効輝度データ範囲において、各行のPxA、QxA、SxAの値の平均値を求めることで、ピーク輝度平均値、ボトム輝度平均値、平均輝度を得た。表3に示す正面輝度特性の各数値は大きいほど好ましいものである。
【0081】
図29に、サンプルを評価する際の冷陰極管およびサンプルの横断面と、対応する輝度分布を重ね合わせた概念図を示す。
【0082】
(14)光学的分理性(実施例8,9、比較例7)
直下型バックライトとして、多摩電気工業(株)製201BLM02(冷陰極管の間隔:26mm)を用いて測定を行った。当該バックライト内に貼り合わせられていた既製のフィルムを剥がし、冷陰極管の支持部材と干渉しないように中央付近に100mm×100mmのスペースを空けた後述の材料aを張り付けた。スペースは冷陰極管4本が入るような位置とし、中央の冷陰極管2本の間の真ん中が、スペースの一方の辺の中央にくるようにし、冷陰極管とスペースの他方の辺が平行になるよう設定した。スペースの中に測定対象の照明用反射板を両面テープで貼った。実施例8,9においては、畝状の凹凸形状の凸部の稜線部分が隣り合う冷陰極管同士の中間に位置するようにセットした。100mm×100mmのスペース中央26mm×15mmの長方形の対角にとなるように、2本の冷陰極管に幅5mmの黒色テープを巻き付けた。バックライトの反射材料面から上部に取り付ける透明PMMA板の間を塞ぐように図35に概略図を示すように、冷陰極管の位置に切り欠きを入れた後述の材料aを100mm×100mm角の筒状に加工したものを、丁度照明用反射板サンプルを囲うようにセットし、その状態で透明PMMA板を取付け、冷陰極線管を1時間点灯して光源を安定させた後に、透明PMMA板側正面より、輝度ムラ測定器として有限会社イマイズミ商会製EYESCALE−3を用い、カメラとバックライトユニット表面までの距離1m、カメラのレンズ絞りf16、シャッタースピード1/250秒の設定にて、輝度(cd/m)を測定した。
【0083】
得られた輝度データを冷陰極管に水平な方向を列、冷陰極管に対して垂直な方向を行とする表として解析を行った。冷陰極管に対して垂直な方向の輝度分布を評価するために各行の輝度データを解析すると、冷陰極管の位置と一致する部分で輝度が極大値となる輝度分布を示していた。この輝度の極大値をピーク(Px1〜Pxn,nはピークの数、xはx行目を示す)とした。輝度のサンプリング箇所はピーク間で15列であった。また、冷陰極管と平行な方向で輝度をサンプリングした箇所は54行であった。ピーク間の15列および54行のデータのうち、15列の中央9列および54行の中央24行の輝度データを有効データ範囲とした。測定範囲における有効データ範囲として用いたのは図36に示す2カ所であり、それぞれの平均をもって評価に使用した。有効データ範囲で列方向の最大輝度と最小輝度の差を平均輝度で割った値をZとして評価を行った。Zの値が大きいほど光の分離という面では好ましいものである。
【0084】
[材料]
各実施例・比較例で用いた材料を、以下にまとめる。
【0085】
(材料a)
2軸延伸PETフィルムに耐光剤のコーティングを施した、東レ(株)製193E60Vを材料aとした。材料aの膜厚は193μm、平均反射率は98%、フィルム長手方向の熱収縮率は0.7%であった。
【0086】
(材料b)
2軸延伸PETフィルムである東レ(株)製188E60Lを材料bとした。材料bの膜厚は188μm、平均反射率は98%、フィルム長手方向の熱収縮率は1.1%であった。
【0087】
(材料c)
材料bに対して200℃でアニール加工を施し、材料cとした。材料cのフィルム長手方向の熱収縮率は0.6%であった。
【0088】
(材料d)
2軸延伸PETフィルムである東レ(株)製188S10を材料dとした。材料dの膜厚は188μm、フィルム長手方向の熱収縮率は1%であった。
【0089】
(材料e)
材料dに対して200℃でアニール加工を施し、材料eとした。材料eのフィルム長手方向の熱収縮率は0.5%であった。
【0090】
[実施例1]
(反射材料1)
材料aの耐光剤含有層の逆側から折り目部分にボール径0.5mmのボールペンで直線状に押し跡をつけて溝を形成した後、頂上部の間隔Wが33mm、頂上部の折り目角度が90度、高さHが8mmで各面が平面で構成される畝状の凹凸形状になるように折り曲げ、反射材料1とした。
【0091】
(補強材料)
材料dの一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、補強材料とした。
【0092】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料を、反射材料1の凹部の底部同士を繋ぐようにしてその底面全体に貼り付けて補強した。
【0093】
得られた反射板は、表1に示すとおり、極めて優れた特性であった。
【0094】
[実施例2]
(反射材料1)
実施例1で用いたのと同様の反射材料1を用いた。
【0095】
(補強材料)
材料eの一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、補強材料とした。
【0096】
(照明用反射板の組み立て)
上記補強材料を、上記反射材料1の凹部の底部同士を繋ぐようにしてその底面全体に貼り付けて補強した。
【0097】
得られた反射板は、表1に示すとおり、極めて優れた特性であった。
【0098】
[実施例3]
(反射材料1)
材料aに対し、耐光剤含有層の逆側に、その全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を介して材料eを貼り付けて複合させた。当該複合フィルムに対し、照明用反射板の組み立てにおいて折り目とする部分の両脇5mmずつ、すなわち1mm幅の材料eの貼り付け部分を除去して、反射材料aの裏側を剥き出しにした。以降は実施例1と同様にして、反射材料1を成形した。
【0099】
(補強材料)
材料eの一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、補強材料とした。
【0100】
(照明用反射板の組み立て)
上記補強材料を、上記反射材料1の凹部の底部同士を繋ぐようにしてその底面全体に貼り付けて補強した。
【0101】
得られた反射板は、表1に示すとおり、極めて優れた特性であった。
【0102】
[実施例4]
(反射材料1)
材料aの耐光剤含有層が表になるようにして、頂上部の間隔・折り目角度・高さ等、畝の形状は実施例1と同様になるように折り曲げて反射材料1とした。
【0103】
(補強材料)
材料eの一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、補強材料とした。
【0104】
(照明用反射板の組み立て)
上記補強材料を、上記反射材料1の凹部の底部同士を繋ぐようにしてその底面全体に貼り付けて補強した。
【0105】
得られた反射板は、実施例2に比べると折り目に皺が入って直線性が悪化しているものであった。
【0106】
[実施例5]
(反射材料1)
反射材料aに対し、耐光剤含有層の逆側に、その全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を介して材料eを貼り付けて複合させた。当該複合フィルムに対し、折り目とする部分にミシン目を入れ、頂上部の間隔・折り目角度・高さ等、畝の形状は実施例1と同様になるように折り曲げて反射材料1とした。
【0107】
(補強材料)
材料eの一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、補強材料とした。
【0108】
(照明用反射板の組み立て)
上記補強材料を、上記反射材料1の凹部の底部同士を繋ぐようにしてその底面全体に貼り付けて補強した。
【0109】
得られた反射板は、実施例2に比べると頂上部の頂点の曲率半径Rがミシン目の貫通していない部分で大きく、またミシン目との境目に亀裂が観察され品位は低下していた。
【0110】
[比較例1]
(反射材料1)
材料aの耐光剤含有層が表になるようにして、折り目とする部分にミシン目を入れ、頂上部の間隔・折り目角度・高さ等、畝の形状は実施例1と同様になるように折り曲げて反射材料1とした。
【0111】
(補強材料)
補強材料は用いなかった。
【0112】
得られた反射板は、湿熱下において大きく寸法が変化してしまう不安定なものだった。
【0113】
[比較例2]
(反射材料1)
材料aに対し、耐光剤含有層の逆側に、その全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を介して0.5mm厚のアルミ板を貼り付けて複合させた。当該複合材料に対して、プレス機を用いてプレスをかけ、材料aの耐光剤含有層が表になるようにして、頂上部の間隔・折り目角度・高さ等、畝の形状は実施例1と同様になるように折り曲げた。
【0114】
(補強材料)
補強材料は用いなかった。
【0115】
得られた反射板は、頂上部の頂点の曲率半径Rが大きなものであった。
【0116】
【表1】

【0117】
[実施例6]
(反射材料1)
材料aを、90mm×206mmに切り取り、その耐光剤含有層の逆側から、短辺端から14mm,(9mm,9mm,14mm)(下付数字は繰り返し数を表す。)の位置に、ボール径0.5mmのボールペンで長辺と平行な直線状になるように押し跡をつけて溝を形成した。次いで、その断面形状が底辺12mmとそれぞれの二等辺9mmの二等辺三角形となる畝を形成するように折り曲げて、90mm×170mmの反射材料1とした。
【0118】
(反射材料2)
材料aを60mm×170mmに切り取り、平面状の反射材料2とした。
【0119】
(補強材料・連結材料)
材料cを150mm×170mmに切り取り、その一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、連結材料の役割も兼ねる補強材料とした。
【0120】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料上に反射材料1と反射材料2とを図24に示すように並べて両面接着テープを介して貼り付け、150mm×170mmの照明用反射板を得た。
【0121】
得られた照明用反射板は表2に示すとおり極めて優れた特性であった。
【0122】
[実施例7]
補強材料・連結材料を形成する材料として材料cに代えて材料dを用いた以外は実施例6と同様にして、照明用反射板を得た。
【0123】
得られた照明用反射板は表2に示すとおり極めて優れた特性であった。
【0124】
[比較例3]
補強材料・連結材料を形成する材料として材料cに代えて1mm厚のアルミ板を用いた以外は実施例6と同様にして、照明用反射板を得た。
【0125】
得られた照明用反射板は実施例6,7に比べて設置適応性に劣るものだった。
【0126】
[比較例4]
(反射材料1)
反射材料1は用いなかった。
【0127】
(反射材料2)
材料aを150mm×170mmに切り取り、平面状の反射材料2とした。
【0128】
(補強材料)
実施例6と同様の補強材料を用いた。
【0129】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料上に両面接着テープを介して反射材料2を貼り付け、150mm×170mmの照明用反射板を得た。
【0130】
得られた照明用反射板は、実施例6に比べると輝度特性が劣っていた。
【0131】
[比較例5]
(反射材料1)
材料aを、150mm×206mmに切り取り、その耐光剤含有層の逆側から、短辺端から14mm、(9mm、9mm、14mm)(下付数字は繰り返し数を表す。)の位置に、ボール径0.5mmのボールペンで長辺と平行な直線状になるように押し跡をつけて溝を形成した。次いで、その断面形状が底辺12mmとそれぞれの二等辺9mmの二等辺三角形となる畝を形成するように折り曲げて、150mm×170mmの反射材料1とした。
【0132】
(反射材料2)
反射材料2は用いなかった。
【0133】
(補強材料)
1mm厚アルミ板を150mm×170mmに切り取り、その一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け補強材料とした。
【0134】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料上に両面接着テープを介して反射材料1を貼り付け、150mm×170mmの照明用反射板を得た。
【0135】
得られた照明用反射板は、設置性自由度および設置適応性がやや劣っていたものの、輝度特性は優れていた。
【0136】
[比較例6]
(反射材料1)
実施例6と同様の反射材料1を用いた。
【0137】
(反射材料2)
実施例6と同様の反射材料2を用いた。
【0138】
(補強材料)
補強材料は用いなかった。
【0139】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料を用いず、反射材料1と反射材料2とを並べて、照明用反射板として評価した。
【0140】
反射材料1と反射材料2とを並べたものは、優れた輝度特性と設置性自由度を有していたが、設置安定性に劣るものだった。
【0141】
【表2】

【0142】
[実施例8]
(反射材料1)
材料aを100mm×124mmに切り取り、その耐光剤含有層の逆側から、短辺端から20mm,(8mm,8mm,18mm),8mm,8mm,20mm(下付数字は繰り返し数を表す。)の位置に、ボール径0.5mmのボールペンで長辺と平行な直線状になるように押し跡をつけて溝を形成した。また、図30のように、高さ3mm底辺2mmの二等辺三角形状の穴と、当該二等辺三角形の底辺の中央から底辺に垂直の方向に切り込みを入れた。当該材料を、断面形状が底辺8mmで二等辺の長さも8mmの正三角形となる畝を形成するように折り曲げて、100mm×100mmの反射材料1とした。
【0143】
(他の反射材料)
材料aを100mm×4mmに切り取り、その耐光剤含有層の逆側から、向かい合う短辺中央部同士を結ぶように、ボール径0.5mmのボールペンで長辺と平行な直線状になるように押し跡をつけて溝を形成した(図31参照。)。次いで、図15に示すような形状に折り曲げて他の反射材料とした。これを本実施例のために5本準備した。
【0144】
(補強材料)
材料bを100mm×100mmに切り取り、その一方の面の全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を貼り付け、補強材料とした。
【0145】
(照明用反射板の組み立て)
反射材料1の切り込み部に上記他の反射材料を挿入した後、補強材料上に反射材料1と他の反射材料とを組み合わせたものを両面接着テープを介して貼り付け、100mm×100mmの照明用反射板を得た。
【0146】
得られた照明用反射板は、表3に示すとおり光学的分離性の優れた特性を示した。
【0147】
[実施例9]
(反射材料1)
材料aを100mm×124mmに切り取り、その耐光剤含有層の逆側から、短辺端から20mm,(8mm,8mm,18mm),8mm,8mm,20mm(下付数字は繰り返し数を表す。)の位置に、ボール径0.5mmのボールペンで長辺と平行な直線状になるように押し跡をつけて溝を形成した(図32参照。)。次いで、その断面形状が底辺8mmと二等辺8mmの正三角形となる畝を形成するように折り曲げて、図33に示すような100mm×100mmの反射材料1を得た。
【0148】
(補強材料)
実施例8と同様のものを用いた。
【0149】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料上に両面接着テープを介して反射材料1を貼り付け、100mm×100mmの照明用反射板を得た。
【0150】
得られた照明用反射板は、表3に示すとおり光学的分離性の優れた特性を示した。
【0151】
[比較例7]
(反射材料1)
反射材料1は用いなかった。
【0152】
(反射材料2)
材料aを100mm×100mmに切り取り、平面状の反射材料2とした。
【0153】
(補強材料)
実施例8と同様のものを用いた。
【0154】
(照明用反射板の組み立て)
補強材料上に両面接着テープを介して反射材料2を貼り付け、100mm×100mmの照明用反射板を得た。
【0155】
得られた照明用反射板は、表3に示すとおり光学的分離性において劣った特性を示した。
【0156】
【表3】

【0157】
[実施例10]
材料aを長辺570mm×短辺450mmに切り取り、その耐光剤含有層の逆側から、短辺両端から10mmおよび60mmの位置に、ボール径0.5mmのボールペンで長辺と平行な直線状になるように押し跡をつけて溝を形成した。
【0158】
図37で示すように短辺両端から60mmの溝にそって150°内側に折り曲げ側部を形成し、次いで短辺両端から10mmの溝にそって150°外側に折り曲げ縁部を形成して、反射板を形成した。
【0159】
得られた反射板は、表4に示すとおり、極めて優れた特性であった。
【0160】
[実施例11]
材料aの耐光剤含有層の逆側に、その全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を介して材料dを貼り付けて複合させた。
【0161】
当該複合フィルムを長辺570mm×短辺450mmに切り取った。次いで、短辺両端から10mmおよび60mmの位置の長辺と平行な直線を折り目とする部分として、その両脇5mmずつ、すなわち1mm幅の材料dの貼り付け部分を除去して、材料aの裏側を剥き出しにした上で、当該折り目部分に沿って0.05mm深さの切れ目状の溝を入れた。
【0162】
実施例10と同様に折り曲げて反射板を得た。
【0163】
得られた反射板は、表4に示すとおり、極めて優れた特性であった。
【0164】
[比較例8]
材料bを長辺570mm×短辺450mmに切り取った。次いで、短辺両端から10mmおよび60mmの位置の長辺と平行な直線を折り目とする部分として、当該直線上にミシン目を入れた。次いで、実施例10と同様にして折り曲げて反射板を成形した。
【0165】
得られた反射板は、境界部分から等ピッチに光が漏れるものであった。また、湿熱下において若干の寸法変化があった。
【0166】
[比較例9]
ボールペンの押し跡による溝を付与しなかった以外は実施例10と同様にして、反射板を成形した。
【0167】
得られた反射板は、境界に皺が入って直線性が悪いものであった。
【0168】
[比較例10]
材料aの耐光剤含有層の逆側に、その全面に両面接着テープ(日東電工(株)製#500)を介して材料cを貼り付けて複合させた。
【0169】
当該複合フィルムを長辺570mm×短辺450mmに切り取った。次いで、短辺両端から10mmおよび60mmの位置の長辺と平行な直線を折り目とする部分として、当該直線上にミシン目を入れた。次いで、実施例10と同様の方向に境界に大きな損傷が入らない範囲で折り曲げて反射板を成形した。
【0170】
得られた反射板は、境界部分から等ピッチで光が漏れるものであり、また側部の開閉性も悪かった。
【0171】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明の照明用反射板は、様々な光源形状に対応した任意の光学設計を反映する立体構造を得やすいため、看板用光源や液晶TV用バックライトなどの情報表示用バックライト装置としてことさら好ましい態様として用いることが出来る。
【符号の説明】
【0173】
1 反射材料1
2 補強材料
3 凸部の稜線部分
4 反射材料
5 畝状突起
6 頂点間の間隔D
7 高さH
8 頂点の曲率半径Rを求めるための円
9 溝
10 反射材料に複合した材料
11 連結材料
12 平面状の反射材料
13 U字型の冷陰極管
14 表面形状の差違を塞ぐ形状に加工した反射材料
15 目張り材の機能を持たせた連結材料
16 反射材料2
17 反射材料1
18 補強材料・連結材料
19 正面輝度評価用の照明用反射板サンプル
20 冷陰極管
21 正面輝度分布曲線
22 U字型の冷陰極管を想定した針金モデル
23 6mmφの穴
24 アルミ板
25 金属ピン
26 設置角度
27 黒テープ
28 100mm×100mm各の筒状に加工した材料a
29 ピーク位置
30 有効データ範囲
31 輝度データ測定範囲
32 底部
33 側部
34 底部と側部の境界
35 折り曲げ角度A
36 縁部
37 最も折った状態の折り曲げ角度AcMAX
38 最も開いた状態の折り曲げ角度AoMAX
39 折り曲げ角度差ΔA(=AoMAX−AcMAX)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面側の、波長400〜700nmに対する平均反射率が85%以上である高分子膜からなる反射材料が反射板の底部と連続する側部を形成し、当該底部と当該側部との境界において前記一方の面側の裏側であって、かつ底部と側部のなす角の鈍角側に溝を有する照明用反射板。
【請求項2】
請求項1記載の照明用反射板を用いてなる情報表示用バックライト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−78838(P2012−78838A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239953(P2011−239953)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【分割の表示】特願2005−517032(P2005−517032)の分割
【原出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】