説明

照明装置とそれを用いた画像表示装置

【課題】照明光を走査することで、領域分割照明ができると共に、薄型で、部品数が少なく、固定境界部がない照明装置およびそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光源1から出射した光線3を導光体6内で多重反射させた後、導光板7のエッジから入射させる。導光板7内部で全反射を繰り返す光は、光偏向領域形成体8と光偏向領域形成体10によって選択される領域から照明光12として出射する構成からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶テレビなどの非自発光型表示装置に用いられる照明装置とそれを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示パネルを用いた液晶表示装置には、光源として冷陰極蛍光管を利用したバックライト照明が広く使用されている。また近年では、より鮮明で、自然な色調を再現するために赤色光、緑色光、青色光の3色の発光ダイオード(LED素子)を用いたバックライト照明も注目されており、精力的に開発が進められている。また照明装置の構成としては、大画面液晶TV用には、冷陰極蛍光管やLED素子を拡散板を介して液晶パネルの直下に配列した、直下型面状照明装置が用いられている。冷陰極蛍光管を用いた直下型面状照明装置では液晶表示装置として暗い画像を表示する時にも面全体が一定の輝度で発光しているので、電力が無駄に消費される課題がある。また液晶パネルが黒表示になっていても実際には照明光が漏れてコントラストを劣化させるという課題もあった。これらの課題に対してLED素子を用いた直下型面状照明装置においては、照明領域を複数の領域に分割し、表示画像に応じて個々の照明領域の輝度を制御することにより消費電力の低減や、コントラストを向上する方法が開示されている(特許文献1)。更に、直下型面状照明装置を用いると液晶表示装置全体の厚みが薄くできないという課題に対しては、エッジライト型面状照明装置において、導光部に対向して複数の領域分割された反射体を間隙をあけて相対させ、個々の反射体を導光部に密着させることによって、導光部から領域分割された照明光が出射するという方法が開示されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−142409号公報
【特許文献2】特開2005−258403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の直下型面状照明装置においては、薄型化が困難であるという課題があった。また、従来のエッジライト型面状照明装置においては、導光板下部に複数の反射体を敷設する必要があったので、薄型化が困難でありまた部品数が増加するという課題があった。また、面状照明装置に固定境界があり、照明領域と非照明領域を切り替えるので液晶表示パネルが黒表示をしていても、照明領域にある黒画素と非照明領域にある黒画素とでは輝度が異なるため固定境界部で不要なコントラストが目立つという課題もあった。本発明は上記課題を解決するためになされたもので、領域分割照明ができると共に、薄型で、部品数が少なく、固定境界部がない面状照明装置およびそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の照明装置は、光源と前記光源から出射した光を走査する主走査手段と、前記走査方向と直交する方向に前記光源から出射した光を走査する副走査手段と、表示画像の輝度分布と照明光の走査位置の情報に基づいて前記照明光の強度を制御する光量制御手段とからなるものである。このような構成とすることにより、表示画像の輝度の高い領域を照明する時に光源から出射する光量を高くし、表示画像の輝度の低い領域を照明する時には光量を低くするように制御できるので、コントラストを向上できる。また、消費電力を削減できる。更に、照明領域を走査するので、領域の境界が固定されず、不要なコントラストを抑制し、画質を向上できる。また、上記構成において前記光源から出射した光を内部反射により導光する導光板と、前記導光板の少なくとも一方の主面に光偏向領域を形成する複数の光偏向領域形成体を設け、前記光偏向領域形成体を順次駆動することにより前記光偏向領域を走査する構成としても良い。このような構成とすることにより、導光板によって照明光を必要な領域に導くので、照明装置を薄型化することができる。また、上記構成において前記光源から出射した光を内部反射により導光し、一側面から出射する導光体と、前記導光体の側面から出射した光を導光する前記導光板とを設けた構成としても良い。
【0005】
このような構成とすることにより、導光体に入射した光を導光体側面の大きさに広げて導光板に入射させることが出来るので、小型で均一な照明光が得られる。また、上記構成において前記光源から出射した光を走査する主走査手段と、前記走査された光を内部反射により導光する導光板と、前記導光板の少なくとも一方の主面に光偏向領域を形成する複数の光偏向領域形成体を設け、前記光偏向領域形成体を順次駆動することにより前記光偏向領域を、前記主走査手段の走査方向と直交する方向に走査する構成としても良い。このような構成とすることにより、光偏向領域形成体による走査を一軸だけに出来るので、光偏向領域形成体の数を削減し、導光板の構造を簡略化できる。また、上記構成において前記光源がレーザ光源であり、前記主走査手段もしくは前記副走査手段のいずれかを回折素子とする構成にしても良い。このような構成とすることにより、走査手段として反射作用以外に回折作用を利用できるので、走査手段の選択の幅が広がる。またレーザ光を用いることにより、色の純度が向上する。更にRGBの3原色のレーザ光を用いれば、色再現範囲を拡大することが出来る。また、上記構成において前記主走査手段から直線偏光の光が出射する構成にしても良い。このような構成にすることにより、偏光を利用する光変調素子と組み合わせた場合に光変調素子の光利用効率を向上できる。また、上記構成において前記光量制御手段が前記光源の駆動電流を制御する構成としても良い。このような構成とすることにより、光源の電力を制御を行えるので、照明装置の電力を削減できる。また上記構成において前記光量制御手段が前記光源の駆動電流を制御すると共に、前記光偏向領域形成体の駆動量を制御する構成にしても良い。このような構成とすることにより、更にコントラストを向上させることが出来る。また、上記構成において隣接する前記光偏向領域形成体を同時に駆動する期間を設けた構成としてもよい。このような構成とすることにより、隣接する領域間の境界で発生する不要なコントラストを更に目立たなくして画質を向上することが出来る。また、本発明の画像表示装置は光変調素子と、前記光変調素子を照明するための照明装置とを備え、前記照明装置が上記記載の照明装置である構成としたものである。このような構成とすることにより、低消費電力でコントラストの高い画像表示装置が得られる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の照明装置によれば、画像の輝度分布に応じて照明光量を変化できるので、コントラストの高い照明が得られ、また輝度の低い領域では光源電力を下げられるので消費電力の低い照明装置が得られる。更にこの照明装置を用いた画像表示装置の高画質化と低消費電力化を実現できるという大きな効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお同一要素には同一符号を附し、説明を省略する場合がある。
【0008】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1にかかる照明装置を示す図で、図1(a)は構成の概要を示す斜視図、図1(b)は平面図、図1(c)は100A−100A線に沿って切断した断面の概略図である。図1において、1は光源であり、青色レーザ光源1a、赤色レーザ光源1b、緑色レーザ光源1cからなる。2はダイクロイックミラーであり、波長選択性のあるミラーである。3は光源1から出射した光線であり、赤・緑・青の3原色の光線である。4はレンズであり光線3を収束する。5はミラーであり、6は導光体である。導光体6は導光棒6aとリフレクタ6bとからなり、導光棒6aの側面から出射した光をリフレクタ6bにより反射して、一側面からのみ出射するように構成されている。7は導光板である。8は第1の光偏向領域形成体であり、8aはそのうちの一つのユニットである。光偏向領域形成体としては、超音波振動子を用いることが出来る。9は吸収体であり、光偏向領域形成体8から伝播した振動を吸収する。10は第2の光偏向領域形成体であり、10aはそのうちの一つのユニットである。11は吸収体であり、光偏向領域形成体10から伝播した振動を吸収する。12は導光板7の主面から出射した照明光である。13はカバープレートであり、透明な弾性体で出来た板である。カバープレート13は導光板7の主面に対向して設けられている。以下、これらの図面をもとにして本実施の形態の照明装置の動作を説明する。図1において、青色レーザ光源1a、赤色レーザ光源1bおよび緑色レーザ光源1cから出射した光線はダイクロイックミラー2により同軸化される。光線3は同軸化された3原色の光である。光線3はレンズ4によって導光棒6aの入射端面に集光される。ミラー5は集光された光線3を導光棒6aの向きに折り曲げる。導光棒6aに入射した光線は内部で反射を繰り返すとともに側面から一部の光線が出射するので導光棒6a全体がほぼ均一な線状光源となる。導光棒6aの周囲にはリフレクタ6bがあるので、出射した光線は、大部分が導光板7の側面に入射する。導光板7に入射した光線は内部で反射を繰り返し内部全体に広がることとなる。ここで、カバープレート13の周縁に設けられた複数の光偏向領域形成体の中から8aおよび10aを選択して駆動すると超音波振動により励起された表面弾性波がカバープレート13と導光板7の間を8aおよび10aから、それぞれ対向する吸収体9aと11aに進行する。このときカバープレート13と導光板7の接触状態が表面弾性波によって変化するので、導光板7の内部で全反射を繰り返していた光線が表面弾性波の進行経路に沿って外部に出射するようになる。カバープレート13と導光板7の接触状態の変化は表面弾性波の経路8a−9aと10a−11aの交点において最も大きいので照明光12の出射する領域が最も明るくなる。導光板7において、照明光が出射する領域は光偏向領域形成体のユニットの選択の仕方によって任意に選ぶことが出来るので、必要な領域を選択的に照明することが出来る。なお、本構成においては同時に2つの領域を照明しようとすると、場合によっては4箇所の明るい領域が出来ることになるが、この場合には時分割で2つの領域を照明することにより、余分な照明領域が出来ることを避けることが出来る。本発明の実施の形態においては、導光板の表面に光偏向領域形成体を2つの直交する方向に設けたことにより、薄型で部品点数の少ない、任意領域照明可能な照明装置を提供することが出来る。このような照明装置を液晶表示装置の背面照明装置として用いれば、色再現性を改善でき、低消費電力化と画質改善に大きな効果を発揮することが出来る。
【0009】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2にかかる照明装置の構成を示す図であり、同図において図1と同一物については同一番号を附して説明を省略する。図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)の101A−101Aで切断した断面図である。14はポリゴンミラースキャナであり、15は駆動回路である。16はフレネルレンズである。フレネルレンズ16はその焦点位置がポリゴンミラースキャナ14の反射点と一致するように設けられており、ポリゴンミラースキャナ14によって走査された光を図2(a)の面内で平行光として導光板7に入射させる。図2において同軸化された3原色の光線3はポリゴンミラースキャナ14によって反射・走査された後、フレネルレンズ16を通過して導光板7に入射し、導光板7の内部を全反射しながら伝播していく。図2(a)においては、ポリゴンミラースキャナ14で反射された光の光路を実線と破線とで示しているが、実線はある時点での光の経路、破線はその他の種々の時点での光の経路を示す。光が実線の経路を伝播している時に光偏向領域形成体8aを駆動すると、照明光12が出射する。本発明の実施の形態においては、ポリゴンミラースキャナで光を走査するようにしたことで、ポリゴンミラースキャナの走査方向について、照明の分割領域がなくなるので、領域境界でのコントラスト差が発生せず、液晶表示装置の背面照明装置として用いれば、画質改善により大きな効果を発揮することが出来る。
【0010】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3にかかる照明装置の構成を示す図であり、同図において図1と同一物については同一番号を附して説明を省略する。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)の102A−102Aで切断した断面図である。図3において、17は偏光ビームスプリッタであり、P偏光を透過し、S偏光を反射する。18は直角プリズムである。19はアクロマティック半波長板であり、440nmから650nmの波長の光に対して大凡180度の位相差を与える。直線偏光の光線の偏光面とアクロマティック波長板の光学軸が45度をなす場合、入射光と出射光では偏光面が90度回転する。また直線偏光の光線の偏光面とアクロマティック波長板の光学軸がα度をなす場合、入射光と出射光では偏光面が2α度回転する。アクロマティック波長板19は図示しない回転機構により支持されており、入射光の偏光面に対して光学軸のなす角度を任意に設定できるようになっている。20はシリンドリカルレンズで、入射した光線を導光板7の厚み方向に集光する。偏光ビームスプリッタ17aに入射したレーザ光線はP偏光とS偏光に分離し、P偏光は透過し、S偏光は反射する。反射されたS偏光は直角プリズム18で反射され、アクロマティック波長板19aで偏光面が90度回転させられてP偏光となる。従って偏光ビームスプリッタ17aと直角プリズム18を出射する光はどちらもP偏光となる。アクロマティック波長板19bの光学軸を偏光面と合わせれば、光は偏光ビームスプリッタ17bを透過して次の偏光ビームスプリッタに到達する。一方アクロマティック波長板19bの光学軸を偏光面と45度の角度をなすようにすれば光は偏光ビームスプリッタ17bで反射されて、シリンドリカルレンズ20を通過した後、導光板7に入射する。それぞれの偏光ビームスプリッタとアクロマティック波長板の組で入射する光の偏光面に対して光学軸を0度と45度で切り替えることにより、光を導光板7に対して走査することが出来る。なお、光線3を図3(a)の平面内で左右に振ることで、偏光ビームスプリッタでの反射位置を変えて光を連続的に走査することも可能である。実施の形態3の構成においては、偏光ビームスプリッタと半波長板とで、光を走査するようにしたことで、走査方向について、照明の分割領域がなくなるので、領域境界でのコントラスト差が発生せず、液晶表示装置の背面照明装置として用いれば、画質改善により大きな効果を発揮することが出来るとともに、直線偏光を導光板7に入射させることが出来るので、導光板7から偏光の揃った照明光12が得られ、液晶パネルと組み合わせた時に、光利用効率のよい表示装置を提供することが出来るという効果も得られる。
【0011】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4にかかる照明装置の構成を示す図であり、同図において図3と同一物については同一番号を附して説明を省略する。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)の103A−103Aで切断した断面図である。図4において、21は光偏向素子であり、EO素子、ガルバノミラーなどを用いることが出来る。また、光源としてレーザ光源を用いれば、光偏向素子としてAO素子を用いることが出来るようになり、AO素子やEO素子を用いれば機械的可動部がなくなるので、信頼性が向上する。ガルバノミラーを用いれば簡単な機構で大きな偏向角を取ることが出来る。22は偏向された光線である。図4(a)、(b)においては、偏光ビームスプリッタ17および、光偏向素子21で走査された光の光路を実線と破線とで示しているが、実線はある時点での光の経路、破線はその他の種々の時点での光の経路を示す。23は拡散板であり、入射した光を拡散透過させる。図4に示した構成において偏光ビームスプリッタ17によって一方向に走査される直線偏光は光偏向素子21によって、最初の走査方向と直交する方向に走査され、拡散板23を通過して、照明光12として出射する。実施の形態4の構成においては、偏光ビームスプリッタと半波長板とで、光を走査し、さらに光偏向素子21によって直交方向に光走査することで、照明の分割領域がなくなるので、領域境界でのコントラスト差が発生せず、液晶表示装置の背面照明装置として用いれば、画質改善により大きな効果を発揮することが出来るとともに、直線偏光を導光板7に入射させることが出来るので、拡散板23から偏光の揃った照明光12が得られ、液晶パネルと組み合わせた時に、光利用効率のよい表示装置を提供することが出来るという効果も得られる。
【0012】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態5にかかる照明装置を示す図で、図5(a)は構成の概要を示す斜視図、図5(b)は平面図、図5(c)は104A−104A線に沿って切断した断面の概略図である。同図において図1と同一物については同一番号を附して説明を省略する。図5において24はミラー、25は回転ミラーである。回転ミラー25は円筒形を切断した断面をミラーとして、円筒の軸を回転軸としてある。回転軸と同軸に入射する光を回転軸に垂直な面内で走査することが出来る。26は光偏向素子である。27は偏向された光線である。図5においては、回転ミラー25および、光偏向素子26で走査された光の光路を実線と破線とで示しているが、実線はある時点での光の経路、破線はその他の種々の時点での光の経路を示す。図5に示した構成において回転ミラー25によって走査される光は光偏向素子26によって、最初の走査方向と直交する方向に走査され、拡散板23を通過して、照明光12として出射する。実施の形態5の構成においては、回転ミラー25によって光を走査し、さらに光偏向素子21によって直交方向に光走査することで、照明の分割領域がなくなるので、領域境界でのコントラスト差が発生せず、液晶表示装置の背面照明装置として用いれば、画質改善により大きな効果を発揮することが出来る。また、光源1を直線偏光のレーザ光とすれば、直線偏光を導光板7に入射させることが出来るので、拡散板23から偏光の揃った照明光12が得られ、液晶パネルと組み合わせた時に、光利用効率のよい表示装置を提供することが出来るという効果も得られる。
【0013】
また、回転ミラー25と光偏向素子を用いたことで小型で部品点数の少ない照明装置を提供することが出来る。
【0014】
(実施の形態6)
図6は、本実施の形態にかかる照明装置をバックライトユニットとして用いた液晶表示装置の構成を示す図で、(a)は概略斜視図、(b)は液晶表示パネル31側からみた平面図、(c)は105A−105A線に沿った断面概略図である。以下、図6を用いて、本実施の形態の液晶表示装置の構成について説明する。
【0015】
本実施の形態の液晶表示装置は、液晶表示パネル31と、この液晶表示パネル31を照明するためのバックライトユニットとを備えている。そして、このバックライトユニットが実施の形態1で説明した照明装置である。以下では、上記照明装置をバックライトユニット30として説明する。液晶表示パネル31は、透過型または半透過型構成で、例えばTFTアクティブマトリクス型構成からなり、表示領域には図6に示すように赤色画素部(Rサブピクセル)R、緑色画素部(Gサブピクセル)Gおよび青色画素部(Bサブピクセル)Bを1つの画素35とする多数の画素が設けられており、TFTにより駆動される。そして、2枚のガラス基板32、34の間に液晶33が設けられており、この液晶33を駆動するためのTFTはガラス基板32、34の一方に形成されているが、図示していない。36は出射側偏光フィルムであり、37は入射側偏光フィルムである。この液晶表示パネル31は、従来から使用されている構成であるので、さらなる説明を省略する。
【0016】
導光板7の一方の主面部から出射する照明光12はR光、G光およびB光を合波した光である。液晶表示パネル31の入射側偏光フィルム37を透過した照明光12は直線偏光となる。液晶33はTFTにより駆動され、照明光12の偏光面を切り替えて画素35から出射する光のスイッチングを行う。この時、照明光12の走査に応じて、画素35のTFTの動作を同期して行うことにより、所望の画像を表示することが出来る。本実施の形態の液晶表示装置によれば、画像の輝度分布に応じて照明光量を変化できるので、コントラストの高い画像が得られ、また輝度の低い領域では光源電力を下げられるので消費電力の低い液晶表示装置が得られるという大きな効果を奏する。バックライトユニットとして、実施の形態3乃至5で説明したような偏光方向を揃えた照明光が得られる照明装置を用いて、バックライトユニットから出射するレーザ光12の偏光軸角度を、液晶表示パネル31の出射側偏光フィルム36の偏光軸角度に対してあらかじめ設定した角度になるように、バックライトユニット30と液晶表示パネル31とを配置すれば、入射側偏光フィルム37を省くことも可能である。例えば、液晶33に電圧を印加しない状態で、液晶33を透過し、かつ出射側偏光フィルム36を透過するように、液晶表示パネル31とバックライトユニット30とを配置すればノーマリホワイト表示となり、液晶33に電圧を印加すると照明光12は液晶33を透過しなくなるので黒表示となる。逆に、液晶33に電圧を印加しない状態で液晶33により遮断されるように配置すればノーマリブラック表示で、液晶33に電圧を印加すると照明光12は液晶33を透過し、かつ出射側偏光フィルム36を透過して白表示が得られる。
【0017】
このように、バックライトユニット30側の偏光フィルムを設けないようにすることで、レーザ光源1から出射する照明光12を効率よく液晶表示パネル31に入射させることができ、高輝度化および低消費電力化を可能とすることができる。またレーザ光源を用いることにより、レーザ光源1を構成するR光源1a、G光源1bおよびB光源1cの発光波長は非常に色純度のよいものが得られるので色再現範囲を大幅に拡大することができる。この結果、従来の冷陰極蛍光管やLED光源を使用する方式に比べて、さらに高画質の画像表示を得ることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の照明装置によれば、薄型の構成で照明光を走査することができるので、照明の必要な領域のみ光を照射することができ、コントラスト向上、省電力化が可能な照明装置およびそれを用いた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)本発明の実施の形態1にかかる照明装置の構成の概要を示す斜視図(b)導光板の一方の主面部側から見た平面図(c)100A−100A線に沿って切断した断面の概略図
【図2】本発明の実施の形態2にかかる照明装置の構成を説明するための図で、(a)導光板の一方の主面部側から見た平面図(b)101A−101A線に沿った断面図
【図3】本発明の実施の形態3にかかる照明装置の構成を説明するための図で、(a)導光板の一方の主面部側から見た平面図(b)は102A−102A線に沿った断面図
【図4】本発明の実施の形態4にかかる照明装置の構成を説明するための図で、(a)導光板の一方の主面部側から見た平面図(b)103A−103A線に沿った断面図
【図5】(a)本発明の実施の形態5にかかる照明装置の構成の概要を示す斜視図(b)導光板の一方の主面部側から見た平面図(c)104A−104A線に沿って切断した断面の概略図
【図6】(a)実施の形態1にかかる面状照明装置をバックライトユニットとして用いた液晶表示装置の構成を示す概略斜視図(b)液晶表示パネル側からみた平面図(c)105A−105A線に沿った断面概略図
【符号の説明】
【0020】
1 光源
1a 青色レーザ光源
1b 赤色レーザ光源
1c 緑色レーザ光源
2 ダイクロイックミラー
3 光線
4 レンズ
5 ミラー
6 導光体
7 導光板
8,10 光偏向領域形成体
9,11 吸収体
12 照明光
13 カバープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示素子を照明する照明装置であって、光源と前記光源から出射した光を走査する主走査手段と、前記走査方向と直交する方向に前記光源から出射した光を走査する副走査手段と、表示画像の輝度分布と照明光の走査位置の情報に基づいて前記照明光の強度を制御する光量制御手段とからなる照明装置。
【請求項2】
前記光源から出射した光を内部反射により導光する導光板と、前記導光板の少なくとも一方の主面に光偏向領域を形成する複数の光偏向領域形成体を設け、前記光偏向領域形成体を順次駆動することにより前記光偏向領域を走査することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源から出射した光を内部反射により導光し、一側面から出射する導光体と、前記導光体の側面から出射した光を導光する前記導光板とを設けたことを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源から出射した光を走査する主走査手段と、前記走査された光を内部反射により導光する導光板と、前記導光板の少なくとも一方の主面に光偏向領域を形成する複数の光偏向領域形成体を設け、前記光偏向領域形成体を順次駆動することにより前記光偏向領域を、前記主走査手段の走査方向と直交する方向に走査することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源がレーザ光源であり、前記主走査手段もしくは前記副走査手段のいずれかを回折素子としたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項6】
前記主走査手段から直線偏光の光が出射することを特徴とする請求項1乃至5記載の照明装置。
【請求項7】
前記光量制御手段が前記光源の駆動電流を制御することを特徴とする請求項1乃至6記載の照明装置。
【請求項8】
前記光量制御手段が前記光源の駆動電流を制御すると共に、前記光偏向領域形成体の駆動量を制御することを特徴とする請求項1乃至6記載の照明装置。
【請求項9】
隣接する前記光偏向領域形成体を同時に駆動する期間を設けたことを特徴とする請求項1乃至6記載の照明装置。
【請求項10】
光変調素子と、前記光変調素子を照明するための照明装置とを備え、前記照明装置が請求項1乃至8記載の照明装置であることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−122242(P2010−122242A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64741(P2007−64741)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】