説明

照明装置及び投射型映像表示装置

【課題】スペックルノイズが目立つことなく、偏光方向を制御可能とする照明装置、投射型映像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る照明装置は、コヒーレント光を出射する光源と、第1の入射領域に入射する光を第1の直線偏光方向に揃えるとともに、第2の入射領域に入射する光を第1の直線偏光方向と直交する第2の直線偏光方向に揃える偏光変換部と、光源から出射したコヒーレント光を、第1の入射領域または第2の入射領域において走査させる光走査部と、偏光変換部からの出射光を拡散させ、各点から出射される拡散光が被照明領域を重ねて照明する光拡散素子と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光などのコヒーレント光を使用する照明装置、及び、コヒーレント光を用いてマイクロディスプレイを照明し、スクリーン上に映像を投射する投射型映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光源からの照明光を、液晶やMEMSなどの光変調素子(マイクロディスプレイ)を用いて映像化し、スクリーンに投影するプロジェクタ(投射型映像表示装置)が知られている。このようなプロジェクタでは、その光源に高圧水銀ランプなどの白色光源を用いたものが知られており、液晶などの2次元光変調素子を照明し得られた画像を投射光学系で拡大してスクリーン上に映像を投射している。
【0003】
しかしながら、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプは、寿命が比較的短くプロジェクタなどに利用した場合、頻繁にランプを交換する必要がある。また、装置自体が大型化してしまうという欠点もある。さらには、環境負荷の観点から水銀を使用する高圧水銀ランプの仕様は好ましいものとはいえない。このような欠点を解消するため、レーザー光を光源として使用するプロジェクタも提案されている。半導体レーザーは、高圧水銀ランプなどと比較して高寿命であり、また、装置全体の小型化を図ることも可能である。
【0004】
このように、プロジェクタの次世代光源として期待されているレーザー光は直進性に優れるため、LEDなどと比較しても光入射効率の向上を図ることができると考えられる。しかしながら、レーザー光を光源として用いた場合、コヒーレンスの高さに起因するスペックルノイズが発生し、映像を見難くしてしまう欠点がある。
【0005】
スペックルノイズは、コヒーレントなレーザー光を光源とした場合、照射対象表面の微少凹凸からの散乱光が干渉することで生ずる斑点状のノイズであって、プロジェクタで発生した場合には画質劣化の原因となるのみならず、観察者に対して生理的不快感をもたらすこともある。このスペックルノイズを低減するため、レーザー光が通過する拡散板を振動させる、レーザースペクトルの波長スペクトルを拡大する、レーザー光の照射対象となるスクリーン自体を振動させるなど、各種試みが行われている。このようなスペックルノイズ低減の試みとして、特許文献1には、コヒーレント光が通過する拡散素子を回転運動させることで、スペックルノイズの低減を図る無スペックル・ディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−208089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されるスペックルノイズ低減方法では、拡散素子到達前に生じていたスペックルノイズ(干渉パターン)は平均化できるものの、拡散中心からスクリーンへの入射光線角度はスクリーン上のいずれの点においても不変であるため、スクリーン各点の光散乱特性も一定となり、結果としてスクリーン上で発生するスペックルノイズの除去効果は殆ど得られないという問題があった。
【0008】
このような、コヒーレント光を原因として生ずるスペックルは、コヒーレント光を光源
として使用するプロジェクタ(投射型映像表示装置)のみならず、コヒーレント光を使用する様々な照明装置において問題となっている。
【0009】
ところで、光源に使用されるレーザーは、種類・状況によっては特定の振動方向の偏光成分に揃っていない、もしくは揃っていても振動方向が一定でない場合がある。例えば、ブリュースターウィンドウのないガスレーザー(偏光成分が揃っていない)や、面発光レーザー(ランダム偏光:偏光は揃っているが振動方向が変化する)等が挙げられる。このようなレーザーを光源に用いた場合、入射偏光が揃っている必要がある液晶パネルやLCOSなどの光変調素子、また、偏光成分ごとに視差画像を表示する3Dディスプレイ等の用途では光利用効率の低下、もしくは偏光成分のクロストークによる画質の低下等、様々な問題が生じる可能性がある。
【0010】
さらに、両眼用の視差画像を異なる偏光で出力し、偏光フィルターを備えた観察具にて立体映像を出力するための3次元映像出力装置においては、異なる偏光で映像を出力するために偏光ごとに別々の光学系を用いなくてはならず、光学系全体の大型化が必要である問題があった。一方、一つの光学系であるが液晶デバイスを用いて偏光を時分割で切り替えて出射する場合は、例えば汎用的に用いられているTN液晶デバイスの場合、応答速度が十分でない場合が多く、光利用効率の低下や視差画像のクロストークが生じる問題があった。
【0011】
本発明は、コヒーレント光を光源とした場合に生ずるスペックルを抑制するとともに、偏光方向を自在に制御可能な照明光を出射する照明装置、及び、このような照明光を表示映像形成のために使用する投射型映像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのため、本発明に係る照明装置は、
コヒーレント光を出射する光源と、
第1の入射領域に入射する光を第1の直線偏光方向に揃えるとともに、第2の入射領域に入射する光を前記第1の偏光方向と直交する第2の直線偏光方向に揃える偏光変換部と、
前記光源から出射したコヒーレント光を、前記第1の入射領域または前記第2の入射領域において走査させる光走査部と、
前記偏光変換部からの出射光を拡散させ、各点から出射される拡散光が被照明領域を重ねて照明する光拡散素子と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
さらに本発明に係る照明装置において、前記光走査部は、前記第1の入射領域における走査と、前記第2の入射領域における走査を交互に実行することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明に係る照明装置において、前記偏光変換部は、偏光素子と、波長板を備え、前記偏光素子は、入射する光を前記第1の直線偏光方向の光と前記第2の直線偏光方向の光に分離し、互いに隣接した前記第1の入射領域に対向する第1の出射領域と前記第2の入射領域に対向する第2の出射領域より出射し、
前記波長板は前記第1の出射領域または前記第2の出射領域から出射される光に位相差を生じさせ、出射される光をいずれか一方の直線偏光方向に揃えることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明に係る照明装置において、前記偏光素子は、偏光ビームスプリッターであることを特徴とする。
【0016】
さらに本発明に係る照明装置において、前記偏光素子は、偏光分離が可能な複屈折性素子を積層してなることを特徴とする。
【0017】
さらに本発明に係る照明装置において、前記複屈折性素子は、等方性屈折率を有する層と異方性屈折率を有する層を有することを特徴とする。
【0018】
さらに本発明に係る照明装置において、前記等方性屈折率を有する層は屈折率等方性ポリマーであり、前記異方性屈折率を有する層は液晶であることを特徴とする。
【0019】
さらに本発明に係る照明装置において、前記光拡散素子は、ホログラムであることを特徴とする。
【0020】
さらに本発明に係る照明装置において、前記ホログラムは、第2の光拡散素子の像を記録したものであることを特徴とする。
【0021】
さらに本発明に係る照明装置において、前記ホログラムは、透過型ホログラム、反射型ホログラムの何れかであることを特徴とする。
【0022】
さらに本発明に係る照明装置において、前記ホログラムは、前記偏光変換部から前記第1の直線偏光方向に揃えられた光を入射し、第1の再生像を形成する第1の要素ホログラムと、
前記偏光変換部から前記第2の直線偏光方向に揃えられた光を入射し、第2の再生像を形成する第2の要素ホログラムと、を有することを特徴とする。
【0023】
さらに本発明に係る照明装置において、
前記光拡散素子は、拡散板であることを特徴とする。
【0024】
さらに本発明に係る照明装置において、前記光拡散素子は、レンズアレイであることを特徴とする。
【0025】
また本発明に係る投射型映像表示装置は、
コヒーレント光を出射する光源と、
第1の入射領域に入射する光を第1の直線偏光方向に揃えるとともに、第2の入射領域に入射する光を前記第1の直線偏光方向と直交する第2の直線偏光方向に揃える偏光変換部と、
前記光源から出射したコヒーレント光を、前記第1の入射領域または前記第2の入射領域において走査させる光走査部と、
像が形成される像形成領域を有する光変調素子と、
前記偏光変換部からの出射光を拡散させ、各点から出射される拡散光が像形成領域を重ねて照明する光拡散素子と、
前記光変調素子の像をスクリーンに投影する投射光学系と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の照明装置によれば、光走査部でコヒーレント光を走査することで、光拡散素子の各点からの拡散光は、被照明領域を時間的に異なる角度で照射することとなり、被照明領域で発生するスペックルを時間的に変化させ、観察者に不可視の状態とさせることが可能となる。さらに、本発明の投射型映像表示装置では、スクリーンに対しても時間的に異なる角度で照射することで、スクリーン上で発生するスペックルを効果的に抑制することができる。
【0027】
さらに、偏光変換部にて偏光成分を揃えることで、光変調素子やホログラムなど、偏光選択性を有する光学素子での光利用効率の向上を図ると共に、クロストークなどの画質劣
化を抑制することが可能となる。また偏光変換はレーザービームの状態で行うことができるため光学系の小型化を図ることが可能となる。さらに、偏光変換部への入射位置を変更することで、異なる偏光方向の直線偏光成分を選択的に得ることができ、投射型映像表示装置などにおいて立体用視差画像を時分割で表示するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を備えた投射型映像表示装置の構成を示す図
【図2】本発明の実施形態に係る照明装置の構成を示す図
【図3】本発明の実施形態に係る照明装置で使用するホログラム作成の様子を示す図
【図4】本発明の実施形態に係る光走査の様子を示す図
【図5】本発明の実施形態に係る偏光分離部の一例(偏光ビームスプリッターアレイを使用)を示す図
【図6】本発明の実施形態に係る偏光分離部の一例(複屈折素子を使用)を示す図
【図7】本発明の実施形態の偏光分離部複屈折素子の例を示す図
【図8】他の実施形態に係る照明装置を備えた投射型映像表示装置の構成を示す図
【図9】他の実施形態に係る照明装置の構成を示す図
【図10】他の実施形態に係る照明装置で使用するホログラム作成の様子を示す図
【図11】他の実施形態に係る光拡散素子照明の応用例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0029】
では、本発明の実施形態に係る照明装置、及び、投射型映像表示装置について図面を参照しつつ説明を行う。図1は、本発明の実施形態に係る照明装置を備えた投射型映像表示装置の構成を示す図である。なお、以下に説明する図面は、模式的に示した図であって、実際の形状、寸法、配置とは異なっている。
【0030】
本実施形態の投射型映像表示装置10は、照明装置20と、映像を形成するための光変調素子31、光変調素子31で形成された映像をスクリーン41に投射する投射光学系32を備えている。なお、図では、映像が投影されるスクリーン41面をX−Y平面、それに直交する軸をZ軸としている。スクリーン41には、スクリーン41で反射された映像を観察する反射型スクリーン、あるいは、スクリーン41を透過した映像を観察する透過型スクリーンどちらを使用することもできる。
【0031】
本実施形態の照明装置20は、光源11、光走査部15、照明光学系25、偏光変換部26、光拡散素子21(ホログラム)を有して構成されている。
【0032】
光源11は、コヒーレント光としてのレーザー光を出射する半導体レーザー装置など各種レーザー装置が使用される。光走査部15は、回動中心Raを中心として反射面を回動させることのできるミラーデバイスであって、ポリゴンミラー、ガルバノスキャナ、MEMSスキャナのような可動ミラーを機械的に回動させるミラーデバイスが用いられる。この他、音響光学効果スキャナのような屈折率を変調させるものなど各種形態を採用することができる。
【0033】
光走査部15にて時間的に走査されたコヒーレント光は、照明光学系25に入射される。この照明光学系25は、光走査部15で走査されたコヒーレント光を平行光に変換する光学系であって、1ないし複数枚の光学レンズで構成される。なお、照明光学系25は、必ずしも設ける必要はないが、偏光変換部26における偏光変換を行うことを考慮すると、平行光に変換した方が好ましい。
【0034】
偏光変換部26は、偏光素子としてのビームスプリッターアレイ、λ/2波長板(波長
板)を構成要素として有し、光走査部15にて走査されたコヒーレント光が入射された際、直交する2つの直線偏光成分(p偏光成分、s偏光成分)の何れかを出力するように設計された光学デバイスである。特に、本実施形態では、偏光変換部26の入射面における入射領域に応じて、どちらかの直線偏光成分が出力される。例えば、第1の入射領域に入射された場合にはp偏光成分のみが、また、第2の入射領域に入射された場合にはs偏光成分のみが偏光変換部26の出射面から出力される。この偏光変換部26の具体的構成例については、後で詳しく説明する。
【0035】
図2は、図1の投射型映像表示装置における照明装置20を部分的に取り出した図である。ここでは、光走査部15による走査光にて走査される光拡散素子21について説明する。光拡散素子21は、走査光Laが入射されることで被照明領域、本実施形態においては、光変調素子31の像形成領域全体を照明する光学素子であって、本実施形態では透過型ホログラムが用いられている。光拡散素子21としてホログラムを採用したことで、走査光Laの入射位置に因らず、常に同一の再生像を得ることが可能となり、被照明領域となる光変調素子31全体をムラ無く照明することができる。また、ホログラムに入射させる走査光Laのビーム断面形状、あるいは、その入射角度などに自由度を持たせることができ、装置のレイアウトなどを自在なものとすることができる。
【0036】
なお、光拡散素子21には、このようなホログラムに限ることなく、各点から出射される拡散光を重ねて照明できる光学素子であればよく、各点から出射される拡散光が被照明領域全体を照明することが好ましい。例えば、微細なレンズがアレイ状に配列されて構成されたレンズアレイ、あるいは、オパールガラス、すりガラス、樹脂拡散板など、いわゆる通常の拡散板を用いてもよい。なお、本発明における光拡散素子における「拡散」とは、入射光を所定の方向に角度的に拡げて出射することを指し、回折光学素子やレンズアレイ等によう拡散角が十分に制御された場合のみならず、オパールガラス等の散乱粒子により出射角を拡げる場合も含まれるものとする。
【0037】
本実施形態で使用する光拡散素子21としての透過型ホログラムは、記録された再生像として拡散板像27iを再生する。コヒーレント光L1は、回動する光走査部15で反射され、照明光学系25で平行光に変換されるとともに、偏光変換部26でどちらか一方向の直線偏光に揃えられた走査光Laとなり光拡散素子21の入射面上を往復して走査する。図にはある時刻t1、t2についての走査光La(t1)、La(t2)の様子が示されている。なお、偏光変換部26の出射面側にλ/4波長板を配置し、偏光変換部26から出射された直線偏光状態を円偏光状態に変換することとしてもよい。本実施形態の光拡散素子21は、所定の入射角を有する光(再生照明光)に対して、再生像を形成する透過型ホログラムが用いられている。光走査部15にて走査される走査光Laは、何れの走査位置においても、この透過型ホログラムに対する再生照明光となるように設定されている。なお、本実施形態で使用する透過型ホログラムの作成については後で説明する。
【0038】
図2に示されるように、時刻t1のときの走査光La(t1)は、光拡散素子21にて再生光としての照明光Lb(t1)を出射し拡散板像27iを形成する。また、時刻t2のときの走査光La(t2)は、光拡散素子21にて照明光Lb(t2)を出射し、同じ拡散板像27iを形成する。このように走査光Laが走査されることで、光拡散素子21の何れの入射位置を照射するときにも拡散板像27iが形成される。この拡散板像27iが被照明領域全体を含むように位置させることで、何れの走査位置においても被照明領域全体を均一に照明することが可能となる。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に係る照明装置で使用される透過型ホログラムを記録(作成)する際の構成(干渉露光)を示す図である。拡散板28の背面側からレーザー光を照射し、前方に拡散した物体光Obをホログラム記録材料29の一方の面から入射させる。そ
の際、拡散板28の各点からの拡散光(物体光Ob)は、ホログラム記録材料29の少なくとも使用領域全面を照明するよう拡散させる。
【0040】
そして、ホログラム記録材料29の同じ面から参照光R(平行光)が照射される。物体光Obと参照光Rを同時に入射させ、ホログラム記録材料29中で干渉させる。なお、物体光Obと参照光とは干渉性を有する必要がある。そのため、同一の光源から発振されたレーザー光を分割して一方を物体光Ob、他方を参照光Rとして使用することなどが考えられる。
【0041】
ホログラム記録材料29は加熱、紫外線照射等の後処理を経て面上の各点において、同じ位置に拡散板像を再生する透過型ホログラム21が作成される。また、記録時に用いられる物体光Obの照射には、オパールガラスやすりガラスといった拡散板28のみならず、レンズアレイなど、各点からの拡散光が使用領域全面を照明できる光学素子(光拡散素子21と峻別できるよう「第2の光拡散素子」と呼ぶ)を用いることとしてもよい。なお、本実施形態では、物体光Obと参照光Rとを干渉させることで干渉縞の記録(干渉露光)を行うこととしたが、計算機にて計算された干渉縞を直接、ホログラム記録材料21に記録する、いわゆる計算機合成ホログラムを採用するものであってもよい。
【0042】
マイクロディスプレイなどの光変調素子31は、光拡散素子21からの照明光Lbにて照明され、画素毎に照明光を透過して映像を形成する。このとき照明光Lbの偏光方向は、偏光変換部26で直交する2つの偏光方向のどちらかに揃えられている。また、2つの直線偏光方向は、偏光変換部26の入射領域を変更することで変更可能とされている。本実施形態では、偏光変換部26への入射領域を光走査部15で異ならせることで、2つの直線偏光方向を選択することができる。
【0043】
例えば、光拡散素子21がs偏光の照明光Lbを出射するときには光変調素子31にて右眼用の像を形成し、光拡散素子21がp偏光の照明光Lbを出射するときには光変調素子31にて左眼用の像を形成することで、スクリーン41に視差画像による立体観察用映像を投射することが可能となる。観察者は、偏光機能、あるいは、シャッター機能を有する眼鏡を用いることで立体像を観察することができる。また、従来のTN液晶デバイスを用いた立体映像再生では、十分でなかった応答速度の向上を図ることができ、光利用効率を向上させると共に、クロストークなどの画質低下を抑えることが可能となる。
【0044】
光変調素子31で変調された変調光Lcは、投射光学系32で拡大され映像再生光Ldとしてスクリーン41上に投射され、反射、あるいは、透過される映像を観察者に観察させる。このときスクリーン41の面上に投射されたコヒーレント光は互いに干渉することでスペックルを生じさせる。しかしながら、本実施形態では、光走査部15によってコヒーレント光が走査されるため、結果としてスクリーン41に投射する映像再生光Ldを経時的に変化させ、このスペックルを極めて効果的に目立たなくしている。
【0045】
例えば、図1に示されるスクリーン上の点P1においては、時刻t1における映像再生光Ld(t1)と、時刻t2における映像再生光Ld(t2)が異なる入射角度で照射されることとなる。図に示す他の点P2や図示しない他の点においても同様であって、映像再生光Ldは、入射角度を時間的に変化させつつスクリーン41上に映像を投射する。したがって、ごく短い時間ではスクリーン上に形成されるスペックルも、映像再生光Ldが時間によって異なる入射角度で照射されることで平均化され、スクリーン41に投射される像を観察する観察者には十分に目立たない状態となる。
【0046】
観察者によって観察されるスペックルには、このようにスクリーン41上でのコヒーレント光の散乱を原因として発生するスペックルだけではなく、投射型映像表示装置10の
各種光学素子上で発生するものもある。本実施形態では、走査光Laが光拡散素子21を走査することで、光拡散素子21の異なる点からの拡散光が異なるスペックルパターンを生成し、それらがスクリーン41上で無相関に重ね合わせられることで十分に目立たない状態とすることが可能となる。
【0047】
以上、本発明の実施形態に係る照明装置、投射型映像表示装置について説明したが、この照明装置にて使用する各種構成の実施形態について説明する。前述の実施形態では、光走査部15の走査形態については詳細を説明しなかったが、光走査部15の走査は、出射する2つの直線偏光方向それぞれについて1次元的、2次元的に走査してもよい。何れの場合においても光拡散素子21上の各点からの拡散光が被照明領域全体を十分に照明できることが必要とされる。
【0048】
図4には、各直線偏光方向について1次元的に走査を行う場合の光走査部15の実施形態(図2を立体的に示したもの)が示されている。本実施形態の光走査部15は直交する2軸回転可能とされており、光源11からのコヒーレント光を照明光学系25上で走査する。この走査は、照明光学系25上に示す実線と破線の矢印の2方向について行われる。偏光変換部26、光拡散素子21上にも同様の矢印が示されているが、これらは、照明光学系25上での実線、破線の矢印に対応している。すなわち、偏光変換部26において、実線で示される走査を行うときには第1の直線偏光方向に揃える第1の領域が走査され、破線で示される走査を行うときには、第1の直線偏光方向と直交する第2の直線偏光方向に揃える第2の領域が走査される。例えば、実線の矢印の走査ではp偏光方向のコヒーレント光が、破線の矢印の走査ではs偏光方向のコヒーレント光が偏光変換部26から出射される。
【0049】
偏光変換部26から出射された実線矢印(第1の直線偏光方向)の走査光は、光拡散素子21としての透過ホログラムへと入射する。光拡散素子21上には、×印(走査終了付近)における拡散板像28i形成の様子が記載されている。この×印のみならず、実線矢印の何れの点においても光拡散素子21は、同一の拡散板像28iを形成する。一方、偏光変換部26から出射された破線矢印(第2の直線偏光方向)の走査光は、光拡散素子21としての透過ホログラムへと入射する。この破線矢印についても×印(走査終了付近)における拡散板像28i形成の様子が記載されており、破線矢印の何れの点においても光拡散素子21は、同一の拡散板像28iを形成する。
【0050】
このように本実施形態では、偏光変換部26の第1の入射領域と、第2の入射領域をそれぞれ、光走査部15にて走査することで偏光方向が直交する2本のコヒーレント光を得、そして光拡散素子21、すなわち本実施形態においては透過型ホログラムにて同一の拡散板像を得ることができる。なお、本実施形態では、それぞれの直線偏光方向について1本の走査ラインで走査することとしたが、このような場合、走査領域がライン状で済むため、光拡散素子21を小型化することができる。ライン状の走査で十分に被照明領域を得るためには、ホログラムを用いることが好ましい。
【0051】
このような形態に限らず、各直線偏光方向について、複数本の走査ライン、あるいは、面上の走査領域で走査することとしてもよい。このような実施形態は、オパールガラスのような通常の拡散板を用いた場合に有効である。各点からの拡散光の照度分布が一定でない場合であっても照度の平均化を図り、被照明領域全体を均一に照明することが可能となる。
【0052】
では、次に本発明の実施形態に係る偏光変換部26の詳細について図5〜図7を用いて説明を行う。本実施形態における偏光変換部26は、偏光素子としてのビームスプリッターアレイ、λ/2波長板(波長板)を構成要素として有し、光走査部15にて走査された
コヒーレント光が入射された際、直交する2つの直線偏光成分(p偏光成分、s偏光成分)の何れかを出力するように設計された光学デバイスである。偏光変換部26の入射面における入射領域に応じて、どちらかの直線偏光成分が出力される。例えば、第1の入射領域に入射された場合にはp偏光成分のみが、また、第2の入射領域に入射された場合にはs偏光成分のみが偏光変換部26の出射面から出力される。
【0053】
図5に記載の偏光変換部26は、偏光ビームスプリッターアレイ261を使用した実施形態である。偏光ビームスプリッターアレイ261は、プリズムで挟まれた複数の薄膜260を有し、各薄膜260は入射面に対して傾斜した構成となっている。入射光は、薄膜260にて入射光をp偏光成分とs偏光成分とに分離する。また、隣接する薄膜260は分離された一方のコヒーレント光を出射面に導く光反射素子として機能する。
【0054】
また、偏光ビームスプリッターアレイ261の出射側には、λ/2波長板262が走査方向に沿って短冊状に配設されており、薄膜260を透過した出射光、もしくは、薄膜260にて回折した出射光の一方を、他方の出射光の偏光方向に揃える。なお、このλ/2波長板262を偏光ビームスプリッターアレイ261の出射面に貼り付けることとしてもよい。λ/2波長板262と偏光ビームスプリッターアレイ261を一体化することで、部品点数の数を少なくするとともにレイアウトの簡素化が図られる。
【0055】
また、本実施形態の偏光ビームスプリッターアレイ261は、2種類の入射領域(入射領域A、入射領域B)が設けられており、入射光が入射する入射領域の違いによって、偏光変換部26、すなわち、偏光ビームスプリッターアレイ261とλ/2波長板262を介して出射される出射光の偏光方向が制御される。
【0056】
図5(a)の場合では、入射領域Aに光が入射した場合であって、この場合、直進光はp偏光方向の直線偏光、反射光はs偏光方向の直線偏光に分離されるが、直進光はλ/2波長板262にて反射光と位相が揃えられ、出射光はs偏光方向の直線偏光となる。一方、図5(b)の場合では、入射領域Bに光が入射した場合であって、この場合、直進光はp偏光方向の直線偏光、反射光はs偏光方向の直線偏光に分離されるが、反射光がλ/2波長板262にて直進光と位相が揃えられ、出射光はp偏光方向の直線偏光となる。
【0057】
以上が、偏光ビームスプリッターアレイ261とλ/2波長板262の組み合わせで構成した偏光変換部26の例であるが、図6に示される形態は、直線偏光方向によって屈折率が異なる複屈折性素子263を用いた実施形態となっている。このような複屈折性を有するデバイスでは、前述の偏光ビームスプリッターなどと比較して、加工や配置の点などにおいて優位性があり、小型の光学系において期待できる。
【0058】
図6に示されるように本実施形態の偏光変換部26は、2枚の複屈折性素子263a、263bを接合したものとなっている。まず、1つの複屈折性素子263について図7を用いて説明する。
【0059】
図7は、図6で説明した複屈折性素子263示す図であって、直線偏光方向によって屈折率が異なる複屈折性効果を利用したものとなっている。2枚の透明基板271a、271bの間にはシール材272を介した空間が形成されている。この空間には、液晶分子を多く含む液晶リッチ層274Aと、ポリマー材料を多く含むポリマーリッチ層274Bが、コヒーレント光の光軸に対して傾斜して形成されている。
【0060】
液晶リッチ層274Aは、直線偏光方向によって異なる屈折率を有する複屈折性を有するものであって、s偏光の偏光成分に対してはポリマーリッチ層274Bの屈折率npと略同じ常光屈折率noを、また、p偏光の偏光成分に対してはポリマーリッチ層274B
の屈折率npと異なる異常光屈折率neとなるように設定されている。したがって、光源11から出射されたコヒーレント光について、s偏光成分は、液晶リッチ層274Aとポリマーリッチ層166Bの界面を直進して透過し、p偏光成分は、界面にて回折して異なる方向に出射される。
【0061】
本実施形態の複屈折性材料についても液晶以外に各種材料を使用することができる。また、本実施形態の複屈折性素子263の作成方法は、まず、複屈折性材料とポリマー(モノマーでもよい)からなる混合物を透明基板271a、272b間にて封止しておき、干渉縞を露光させることで行われる。このとき、干渉縞の明部においてポリマーの光重合反応が始まり、液晶分子はその長軸方向を移動方向に配向させつつ、暗部に析出される(重合誘起層分離)こととなり、液晶リッチ層274Aとポリマーリッチ層274Bが形成されることとなる。
【0062】
本実施形態では、複屈折性材料として、液晶を用いることとしたが、この形態に限られるものではなく、例えば、アモルファス高分子、低分子ガラス状化合物、両親媒性化合物など各種材料を使用することができる。
【0063】
図6に戻り、本実施形態では、このような界面において、所定の偏光方向、すなわち本実施形態においてはp偏光方向のみを回折する複屈折性素子263を2枚接合することで、偏光方向が異なるとともに平行光とされた2本の出射光が得られる。この実施形態においても後段の複屈折素子263bの出射側には、走査方向に沿った短冊状のλ/2波長板264が配置(出射面に貼り付けてもよい)されており、偏光方向が揃えられている。
【0064】
図6(a)の場合では、入射領域Aに光が入射した場合であって、この場合、直進光はs偏光方向の直線偏光、回折光はp偏光方向の直線偏光に分離されるが、回折光はλ/2波長板264にて回折光と位相が揃えられ、出射光はs偏光方向の直線偏光となる。一方、図6(b)の場合では、入射領域Bに光が入射した場合であって、この場合、直進光はs偏光方向の直線偏光、回折光はp偏光方向の直線偏光に分離されるが、直進光がλ/2波長板264にて回折光と位相が揃えられ、出射光はp偏光方向の直線偏光となる。
【0065】
以上、2つの形態の偏光変換部26について説明したが、このような形態のみならず、入射領域に応じて異なる直線偏光成分を出射できる光学素子であれば、楔形の複屈折結晶を複数組み合わせて構成するなど、各種形態を採用することができる。
【0066】
図1の実施形態では、透過型の光拡散素子21を使用したが、光拡散素子21としては反射型のものを用いることとしてもよい。図8〜図10は、光拡散素子21として反射型ホログラムを使用したときの実施形態であって、各図は、それぞれ図1〜図3の透過型のものと対応した図となっている。
【0067】
図8、図9は、それぞれ投射型映像表示装置、照明装置の構成を示す図であって、光拡散素子21として反射型ホログラムを使用した実施形態となっている。前述の実施形態と同様、光走査部15からの走査光Laは、光拡散素子21の入射面を時間的に位置を変えつつ走査を行う。反射型ホログラムでこの入射面が、反射面としても機能し、反射された再生像は、前実施形態と同様、被照明領域としての光変調素子31の像形成領域全体を照明する。光拡散素子21の何れの点を走査した場合にも、各点から出射される拡散光は、被照明領域を重ねて照明することで、被照明領域に対する入射角度を時間的に異ならせることが可能となる。したがって、前実施形態と同様、スクリーン41上で発生するスペックル、並びに、投射型映像表示装置10の各種光学素子で発生するスペックルを十分に目立たなくすることができる。
【0068】
図10は、本実施形態で使用する反射型ホログラムを作成する際の構成(干渉露光)を示した図である。拡散板28の背面側からレーザー光を照射し、前方に拡散した物体光Obをホログラム記録材料29の一方の面から入射させる。その際、拡散板28からの各点からの拡散光(物体光Ob)は、ホログラム記録材料29の少なくとも使用領域全面を照明するよう拡散させる。
【0069】
そして、ホログラム記録材料29の他の面から参照光R(平行光)が照射される。物体光Obと参照光Rを同時に入射させ、ホログラム記録材料29中で干渉させる。
【0070】
ホログラム記録材料29は加熱、紫外線照射等の後処理を経て面上の各点において、同じ位置に拡散板像を再生する反射型ホログラム21が作成される。なお、前実施形態と同様、物体光Obの照射には、オパールガラスやすりガラスといった拡散板28だけでなく、レンズアレイなど、各点からの拡散光が使用領域全面を照明できる光学素子(第2の光拡散素子)であればよい。また、この反射型ホログラムについても計算機合成ホログラムを使用することとしてもよい。
【0071】
図11は、本発明の他の実施形態に係る照明装置の構成の一部(偏光変換26と光拡散素子21)を示した図であって、光拡散素子21には領域毎に異なる再生像が記録された透過型ホログラムが使用されている。
【0072】
前述したように本実施形態の光拡散素子21は、入射領域に応じて異なる偏光方向の出射光を出力することができる。また、図6で説明した場合には、偏光変換部の出射面側においても出射領域毎に異なる偏光方向を出力することが可能である。このような場合、偏光変換部26の出射領域に応じて透過型ホログラムの再生像を異ならすことができる。すなわち、偏光変換部26への入射領域を変更することで、光拡散素子21による再生像を変更することが可能となる。
【0073】
図11(a)は、偏光変換部26の入射領域Aに光が入射した場合であって、この場合、p偏光方向に揃えられた出射光が出力される。この出射光は、光拡散素子21としての透過型ホログラムの入射領域aに入射させるよう配置するとともに、入射領域aに対応する領域には第1の拡散板像28i_aを記録しておく。したがって、入射領域Aが走査さ
れたときには、入射領域aを記録した部分が走査されることで第1の拡散板像28i_a
が再生される。
【0074】
一方、図11(b)は、偏光変換部26の入射領域Bに光が入射した場合であって、この場合、s偏光方向に揃えられた出射光が出力される。この出射光は、透過型ホログラムの入射領域bに入射させるよう配置するとともに、入射領域bに対応する領域には第2の拡散板像28i_bを記録しておく。したがって、入射領域Bが走査されたときには、入
射領域bを記録した部分が走査されることで第2の拡散板像28i_bが再生される。
【0075】
このような実施形態では、第1の拡散板像28i_aと第2の拡散板像28i_bの再生位置を異ならせておくことで、例えば第1の拡散板像28i_aの位置、第2の拡散板像
28i_bの位置にそれぞれ右眼用、左眼用の光変調素子31を配置することで、立体映
像を再生出力することができる。このような場合、図1で説明した実施形態のように光走査部15の走査位置に応じて、光変調素子31の出力映像を異ならせる必要が無いため映像再生の制御が簡略化できる。また、それぞれの光変調素子31で常に像を形成することができるため、映像の時間解像度を向上させることも可能となる。
【0076】
以上、本実施形態によれば、スペックルノイズが目立つことなく、偏光方向を選択的に出射可能な照明装置、並びに、この照明装置にて光変調素子を照明することでスペックル
ノイズが目立たない映像を提供することのできる投射型映像表示装置を提供することが可能となる。
【0077】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0078】
10…投射型映像表示装置
11…光源
15…光走査部
20…照明装置
25…照明光学系
26…偏光変換部
261…偏光ビームスプリッターアレイ
262…λ/2波長板
263…複屈折素子
264…λ/2波長板
271…透明基板
272…シール材
273…液晶分子
274A…ポリマーリッチ層
274B…液晶リッチ層
28…拡散板
28i…拡散板像
29…ホログラム記録材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コヒーレント光を出射する光源と、
第1の入射領域に入射する光を第1の直線偏光方向に揃えるとともに、第2の入射領域に入射する光を前記第1の偏光方向と直交する第2の直線偏光方向に揃える偏光変換部と、
前記光源から出射したコヒーレント光を、前記第1の入射領域または前記第2の入射領域において走査させる光走査部と、
前記偏光変換部からの出射光を拡散させ、各点から出射される拡散光が被照明領域を重ねて照明する光拡散素子と、を備えたことを特徴とする
照明装置。
【請求項2】
前記光走査部は、前記第1の入射領域における走査と、前記第2の入射領域における走査を交互に実行することを特徴とする
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記偏光変換部は、偏光素子と、波長板を備え、前記偏光素子は、入射する光を前記第1の直線偏光方向の光と前記第2の直線偏光方向の光に分離し、互いに隣接した前記第1の入射領域に対向する第1の出射領域と前記第2の入射領域に対向する第2の出射領域より出射し、
前記波長板は前記第1の出射領域または前記第2の出射領域から出射される光に位相差を生じさせ、出射される光をいずれか一方の直線偏光方向に揃えることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記偏光素子は、偏光ビームスプリッターであることを特徴とする
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記偏光素子は、偏光分離が可能な複屈折性素子を積層してなることを特徴とする
請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
前記複屈折性素子は、等方性屈折率を有する層と異方性屈折率を有する層を有することを特徴とする
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記等方性屈折率を有する層は屈折率等方性ポリマーであり、前記異方性屈折率を有する層は液晶であることを特徴とする
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記光拡散素子は、ホログラムであることを特徴とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記ホログラムは、第2の光拡散素子の像を記録したものであることを特徴とする
請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記ホログラムは、透過型ホログラム、反射型ホログラムの何れかであることを特徴とする
請求項8または請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記ホログラムは、前記偏光変換部から前記第1の直線偏光方向に揃えられた光を入射し、第1の再生像を形成する第1の要素ホログラムと、
前記偏光変換部から前記第2の直線偏光方向に揃えられた光を入射し、第2の再生像を形成する第2の要素ホログラムと、を有することを特徴とする
請求項8から請求項10の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光拡散素子は、拡散板であることを特徴とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記光拡散素子は、レンズアレイであることを特徴とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
コヒーレント光を出射する光源と、
第1の入射領域に入射する光を第1の直線偏光方向に揃えるとともに、第2の入射領域に入射する光を前記第1の直線偏光方向と直交する第2の直線偏光方向に揃える偏光変換部と、
前記光源から出射したコヒーレント光を、前記第1の入射領域または前記第2の入射領域において走査させる光走査部と、
像が形成される像形成領域を有する光変調素子と、
前記偏光変換部からの出射光を拡散させ、各点から出射される拡散光が像形成領域を重ねて照明する光拡散素子と、
前記光変調素子の像をスクリーンに投影する投射光学系と、を備えることを特徴とする
投射型映像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−226272(P2012−226272A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96308(P2011−96308)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】