照明装置
【課題】横断歩道を横断し始める前の歩行者がいる歩行者滞留スペースにおいて、その歩行者滞留スペースを照明することができるようにした照明装置を提供することを目的としている。
【解決手段】横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、夜間であることを条件として歩行者滞留スペースを照明し、夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する横断歩道を照明する。又は、横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、夜間であって信号が進行禁止の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペースのみを照明し、夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース及び横断歩道を照明する。
【解決手段】横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、夜間であることを条件として歩行者滞留スペースを照明し、夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する横断歩道を照明する。又は、横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、夜間であって信号が進行禁止の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペースのみを照明し、夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース及び横断歩道を照明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運転手の運転上の判断基準は、視覚情報が大半を占めている。運転手は現在のみの視覚情報から判断を行っているのではなく、過去の情報と現在の情報とを比較し、未来の状態を推測して、次に行うべき行動について判断を行っている。
【0003】
また、横断歩道又は交差点において注意を情報板で行うのは走行している車両に対して確認事項を増やす結果となり運転手の注意が散漫になる恐れがあるが、照明による注意は元々の確認事項である視覚情報を援助するものであり効果的である。
【0004】
照明としては、車両の前照灯によるものがある。しかし、車両の前照灯による照明の効果は、対象となる物体の反射率によって非常に異なったものになってしまう。交差点等に備え付けられた照明によると、背景となる路面を明るくし、対象物の輝度の差を明確にする事ができる。これにより対象物の反射率の如何に関らず視認性を向上できる。
【0005】
従来の横断歩道を照明する照明装置としては、例えば、横断歩道のみを照明範囲として人がいるということを感知した場合にのみ照明するようなものがある。また、他の例として、信号機の状態と連動するものもあるが、それは歩行者信号が進行可能の時のみ照明を行うものである。更に、周囲の照度のみによって横断歩道を照明するか否かを決めるものもあった。これらは、いずれも横断歩道のみを照明するだけであった。
【0006】
【特許文献1】特開2001−338773
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の技術では、以下のような問題点があった。
【0008】
(1)信号が進行可能になると同時に横断歩道のみを照明した場合、ドライバーはまず信号を見て交差点に進入するので歩行者の発見が遅れる。特に歩行者滞留スペースにいて、まさに横断歩道に入ろうとする歩行者の発見は遅れてしまう。
【0009】
(2)横断歩道のみを照明するようにすると信号が進行禁止となっている時間中に照明することは好ましくない。これは横断歩道のみを照明する角度に照明を設置すると、その角度の関係から停車等している車両にその照明を当ててしまうことになり、そのドライバーがまぶしくなってしまうためである。
【0010】
(3)歩行者滞留スペースのみを照明するということができない。そのため信号待ちの歩行者の存在が気付きにくくなってしまう。
【0011】
(4)横断歩道のみを照明する場合、その外側である歩行者滞留スペースは照明されず、歩行者の動きを連続で捉えることができず、歩行者の発見が遅れる。
【0012】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、横断歩道を横断し始める前の歩行者がいる歩行者滞留スペースにおいて、その歩行者滞留スペースを照明することができるようにした照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
夜間であることを条件として歩行者滞留スペース(210)を照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する横断歩道(220)を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【0014】
[2]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
夜間であって信号が進行禁止の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース(210)のみを照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース(210)及び横断歩道(220)を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【0015】
[3]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段(110)と歩行者滞留スペース照明手段(100)と夜間検知手段(40)と信号入力手段(30)と歩行者滞留スペース照明制御手段(70)と横断歩道照明制御手段(80)を具備し、
前記横断歩道照明手段(110)は前記横断歩道(220)を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段(100)は前記歩行者滞留スペース(210)を照明し、
前記夜間検知手段(40)は夜間であることを検知し、
前記信号入力手段(30)は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、前記歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【0016】
[4]歩行者感知手段(50)を具備し、
前記歩行者感知手段(50)は歩行者がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段(50)により歩行者がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段(50)により歩行者がいることを感知し、かつ前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする[3]項に記載の照明装置。
【0017】
[5]車両感知手段(60)を具備し、
前記車両感知手段(60)は右折車がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段(60)により右折車がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段(60)により右折車がいることを感知し、かつ前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする[3]項に記載の照明装置。
【0018】
[6]前記信号は、歩行者信号(10)又は車両信号(20)である
ことを特徴とする[1]〜[5]項のいずれか1項に記載の照明装置。
【0019】
[7]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段(110)と歩行者滞留スペース照明手段(100)と夜間検知手段(40)と歩行者感知手段(50)と車両感知手段(60)と信号入力手段(30)と歩行者滞留スペース照明制御手段(70)と横断歩道照明制御手段(80)と照明延長制御手段(90)を具備し、
前記横断歩道照明手段(110)は前記横断歩道(220)を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段(100)は前記歩行者滞留スペース(210)を照明し、
前記夜間検知手段(40)は夜間であることを検知し、
前記歩行者感知手段(50)は歩行者がいることを感知し、
前記車両感知手段(60)は右折車がいることを感知し、
前記信号入力手段(30)は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段(50)が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段(60)が右折車がいることを感知しているときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段(50)が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段(60)が右折車がいることを感知し、かつ、前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が、歩行者信号(10)が進行禁止、車両信号(20)が進行可能、又は車両信号(20)が進行禁止以外の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御し、
前記照明延長制御手段(90)は、前記信号入力手段(30)により入力された歩行者信号(10)の状態が進行禁止の状態であっても、前記横断歩道照明手段(110)及び前記歩行者滞留スペース照明手段(100)の点灯時間を延長させ得て、その延長時間は長くとも交差側の車両信号(20)が進行可能になるまでとするように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【0020】
[8]前記横断歩道照明手段(110)及び前記歩行者滞留スペース照明手段(100)は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置されている
ことを特徴とする[3]〜[7]項のいずれか1項に記載の照明装置。
【0021】
[9]横断歩道(220)及び歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段(1000)と夜間検知手段(40)と点灯制御手段とを具備し、
前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段(1000)は前記横断歩道(220)及び歩行者滞留スペース(210)を照明し、
前記夜間検知手段(40)は夜間であることを検知し、
前記点灯制御手段は前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段(1000)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【0022】
前記本発明は次のように作用する。
本発明の照明装置は、横断歩道(220)又は前記横断歩道(220)を横断始める前の歩行者が待機していることもある歩行者滞留スペース(210)に照明を当てることによって、交通の運用を円滑にすることにより安全を図るものである。
【0023】
夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、歩行者滞留スペース照明制御手段(70)が歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させることにより、歩行者滞留スペース(210)にいる歩行者を照らすことができる。これによって、ドライバーが横断歩道(220)を渡ろうとしている人がいるかいないかを容易に判断できるようにする。夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、信号が進行可能又は進行注意の状態であるときは、横断歩道照明制御手段(80)が横断歩道照明手段(110)を点灯させることによって、歩行者滞留スペース(210)と横断歩道(220)の両方を照明することができる。このことにより、歩行者滞留スペース(210)又は横断歩道(220)にいる歩行者を連続的に照明することができるようになる。ここで、信号とは、歩行者信号(10)又は車両信号(20)である。
【0024】
本発明の照明装置は、歩行者がいることをアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段(100)と横断歩道照明手段(110)を点灯させるので、その点灯によって歩行者がいることをドライバーは確認できるようになる。
【0025】
車両がいることをアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段(100)と横断歩道照明手段(110)を点灯させるので、その点灯によってドライバーは歩行者の有無が確認できるようになる。
【0026】
本発明の照明装置は、夜間であって、歩行者及び右折車がいることを感知した場合であって、信号が進行可能又は進行注意の状態であるときは、横断歩道照明手段(110)及び歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させる。歩行者滞留スペース(210)と横断歩道(220)の両方を照明することができることにより、歩行者を連続的に照明することができるようになる。その上、信号が進行禁止の状態であっても、横断歩道照明手段(110)及び歩行者滞留スペース照明手段(100)の点灯時間を延長させることができるので、横断が間に合わない歩行者や信号を無視して渡ろうとする歩行者をも照明することができる。その延長時間は長くとも車両信号(20)が進行可能になるまでとするように制御しているので、車両が通行を始める時にまぶしさを感じさせないようにすることができる。
【0027】
更に、横断歩道照明手段(110)及び歩行者滞留スペース照明手段(100)は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置することによって、車両に対して照明を当てることを少なくし、ドライバーが幻惑することを少なくすることができる。
【0028】
横断歩道(220)と歩行者滞留スペース(210)の両方を照明できる照明手段が、夜間を検知すると、横断歩道(220)と歩行者滞留スペース(210)の両方を照明する。これによって、1台の照明手段によって横断歩道(220)と歩行者滞留スペース(210)の両方を夜間の間、照明させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明にかかる照明装置によれば、歩行者滞留スペースを照明することができるので、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるかいないかをドライバーは容易に確認することができるようになる。
【0030】
歩行者滞留スペースと横断歩道の両方を照明することができることにより、歩行者を連続的に照明することができるようになる。これによって、ドライバーは交差点内の横断歩道及び歩行者滞留スペースにいる歩行者を容易に確認することができ、歩行者滞留スペースに歩行者がいるにもかかわらず、横断歩道に歩行者が突然現れるように見えるということがなくなる。
【0031】
横断歩道照明手段及び歩行者滞留スペース照明手段は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置しているので、ドライバーに対するまぶしさを軽減させることができる。
【0032】
歩行者がいることを感知して点灯するようにしたので、歩行者がいる場合はその歩行者がいることを確認することができ、歩行者がいない場合は歩行者がいないにもかかわらず点灯するというような無駄を省くことができる。同様に右折車がいることを感知して点灯するようにしたので、右折車は歩行者がいるかいないかを容易に確認することができ、右折車がいないにもかかわらず、点灯するというような無駄を省くことができる。
【0033】
更に、信号が進行禁止の状態であっても、点灯時間を延長することができるので、横断が間に合わなかった歩行者や信号を無視して渡ろうとする歩行者に関しても照明することができ、さらに交通の安全が図れる。その上、その点灯時間の延長時間は、車両信号が進行可能になるまでと制限することにより、車両が通行を始める時に照明によるまぶしさをドライバーに感じさせないという効果がある。
【0034】
1台の照明手段によって横断歩道と歩行者滞留スペースの両方を夜間の間、照明できるので、歩行者を連続的に照明することができるようになる。さらに照明手段を安価にでき、その制御も簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。各図は本発明の一実施の形態を説明している。図1は、本発明の一実施の形態の概念的なブロック図を示している。本実施の形態の照明装置は、図1に示すように、歩行者信号10と車両信号20とから信号入力手段30へ信号の状態を入力できるように接続されている。信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60は、それぞれ歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90に接続されている。歩行者滞留スペース照明手段100は、歩行者滞留スペース照明制御手段70と照明延長制御手段90に接続されている。横断歩道照明手段110は、横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90に接続されている。歩行者滞留スペース照明制御手段70、横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90は、それぞれ信号入力手段30、夜間検知手段40、歩行者感知手段50又は車両感知手段60からの情報に応じて、歩行者滞留スペース照明手段100又は横断歩道照明手段110の点灯、消灯を制御する。
【0036】
歩行者信号10と車両信号20は「進行可能」、「進行注意」、「進行禁止」の状態を遷移し、信号入力手段30はその状態を歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90に伝達する。歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90は、信号入力手段30からの信号の状態、夜間検知手段40からの夜間であるか否かを示す信号、歩行者感知手段50からの歩行者がいるかいないかを示す信号、車両感知手段60からの車両があるかないかの信号を受け取り、それらを総合的に判断する。その判断の結果、歩行者滞留スペース照明制御手段70は歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させるか否かを制御し、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110を点灯させるか否かを制御する。照明延長制御手段90は、歩行者滞留スペース照明手段100又は横断歩道照明手段110の点灯時間を延長させるように制御する。
【0037】
なお、ここで、「進行可能」とは、日本では一般的に青色の灯火を指し、より具体的には、「歩行者は、進むことができる。車(軽車両は除く)や路面電車は、直進・左折・右折することができる。」ことを意味する。「進行注意」とは、日本では一般的に黄色の灯火、又は歩行者専用信号機にあっては青色の灯火の点滅を指す。より具体的には、「歩行者は、横断を始めてはならず、横断中の歩行者はすみやかに横断を終えるか、横断を止めて引き返さなければならない。車や路面電車は、停止位置から先へ進んではならない。ただし、信号が黄に変わった時に停止位置に近づいていて、安全に停止することができない場合は、そのまま進むことができる。」ことを意味し、歩行者専用信号機にあっては「歩行者は、横断を始めてはならず、横断中の歩行者はすみやかに横断を終えるか、横断を止めて引き返さなければならない。」ことを意味する。「進行禁止」とは、日本では一般的に赤色の灯火を指し、より具体的には、「歩行者は、横断をしてはいけない。車や路面電車は、停止位置から先へ進んではならない。」ことを意味する。
【0038】
なお、歩行者滞留スペース照明制御手段70は、(1)夜間検知手段40にのみ接続されている場合、(2)信号入力手段30と夜間検知手段40に接続されている場合、(3)夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(4)夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(5)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(6)信号入力手段30と夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(7)夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合、(8)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合がある。
【0039】
横断歩道照明制御手段80は、(1)信号入力手段30と夜間検知手段40に接続されている場合、(2)夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(3)夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(4)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(5)信号入力手段30と夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(6)夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合、(7)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合がある。
【0040】
照明延長制御手段90は、(1)信号入力手段30にのみ接続されている場合、(2)信号入力手段30と夜間検知手段40に接続されている場合、(3)信号入力手段30と歩行者感知手段50に接続されている場合、(4)信号入力手段30と車両感知手段60に接続されている場合、(5)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(6)信号入力手段30と夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(7)信号入力手段30と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合、(8)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合がある。
【0041】
次に作用を説明する。夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合に、歩行者滞留スペース照明制御手段70がその検知したことを受け取り、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させる制御を行う。このことにより、歩行者滞留スペース210にいる歩行者を照らすことができ、ドライバーが横断歩道220を渡ろうとしている人がいるかいないかを容易に判断できるようにする。夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合に、横断歩道照明制御手段80は信号入力手段30より歩行者信号10又は車両信号20が進行可能又は進行注意の状態であることを受け取ったときは、横断歩道照明手段110を点灯させる。このことによって、歩行者滞留スペース210と横断歩道220の両方を照明することができ、歩行者滞留スペース210又は横断歩道220にいる歩行者を連続的に照明することができるようになる。
【0042】
また、この照明装置は、歩行者感知手段50が歩行者を感知したことを歩行者滞留スペース照明制御手段70又は横断歩道照明制御手段80が受け取ったときに、つまり歩行者がいることを更なるアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110を点灯させるので、その点灯によって歩行者がいることをドライバーは確認できるようになる。
【0043】
この照明装置は、車両感知手段60が車両がいることを感知したことを歩行者滞留スペース照明制御手段70又は横断歩道照明制御手段80が受け取ったときに、つまり車両がいることを更なるアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110を点灯させるので、その点灯によってドライバーは歩行者の有無が確認できるようになる。
【0044】
この照明装置は、夜間検知手段40が夜間であることを検知したこと、歩行者感知手段50が歩行者を感知したこと、車両感知手段60が車両がいることを感知したこと、歩行者信号10又は車両信号20が進行可能又は進行注意であることを信号入力手段30を通して、歩行者滞留スペース照明制御手段70又は横断歩道照明制御手段80が受け取ったとき、つまり夜間であって、歩行者及び右折車がいることを感知した場合であって、信号が進行可能又は進行注意の状態であるときは、歩行者滞留スペース照明手段100及び横断歩道照明手段110を点灯させる。このことにより、歩行者滞留スペース210と横断歩道220の両方を照明することができ、歩行者を連続的に照明することができるようになる。その上、歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止の状態であることを信号入力手段30を通して照明延長制御手段90が受け取った場合は、歩行者滞留スペース照明手段100及び横断歩道照明手段110の点灯時間を延長させることができる。これによって、横断が間に合わない歩行者や信号を無視して渡ろうとする歩行者をも照明することができる。その延長時間は長くとも車両信号が進行可能になるまでとするように制御しているので、車両が通行を始める時にまぶしさを感じさせないようにすることができる。
【0045】
更に、歩行者滞留スペース照明手段100及び横断歩道照明手段110は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置することによって、車両に対して照明を当てることを少なくし、ドライバーが幻惑することを少なくすることができる。
【0046】
図2は、進行禁止の場合の照明状況を説明する図である。具体的には、交差点においてどのように歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110とが取り付けられるか、及び夜間であり歩行者信号10が進行禁止の場合の照明を説明する図である。歩行者滞留スペース210は、横断歩道220を渡ろうとしている歩行者が待機している場所である。もちろんのことながら、横断歩道220の手前の場所が歩行者滞留スペース210である。歩行者滞留スペース照明手段100は、歩行者滞留スペース210を照らす位置に配置されている。横断歩道照明手段110は、横断歩道220を照らす位置に配置されている。図2は夜間の場合を示しているので、夜間検知手段40が夜間であることを検知し、歩行者滞留スペース照明制御手段70はその検知信号に応じて、歩行者滞留スペース照明手段100が歩行者滞留スペース210を照明するように制御している。なお、この場合、歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止であることが信号入力手段30により横断歩道照明制御手段80へ伝えられているので、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110を消灯させている、つまり点灯させていない。
【0047】
なお、車両信号20は進行禁止であり、図2の下から上へ向かう自動車230が横断歩道220手前に止まっており、この自動車230は右折しようとしている。この際に、歩行者滞留スペース210が歩行者滞留スペース照明手段100により照らされているので、歩行者滞留スペース210には歩行者がいるということが自動車230のドライバーには確認できる。
【0048】
図3は、進行可能の場合の照明状況を説明する図である。具体的には、歩行者信号10と車両信号20が図2の進行禁止の状態から進行可能の状態へと変わった場合の歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110の照明を説明する図である。歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止の状態から進行可能の状態に変わると、歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止から進行可能の状態に変わったことを信号入力手段30から横断歩道照明制御手段80に伝えられ、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110を点灯するように制御する。このように点灯することによって、歩行者滞留スペース210と横断歩道220の両方が照らされることになり、自動車230のドライバーに歩行者滞留スペース210内又は横断歩道220内に歩行者がいるか否かということを容易に視認させることができるようになる。
【0049】
図4は、交差点において歩行者感知手段50と車両感知手段60とが取り付けられる位置を立体的に示した図である。歩行者感知手段50は歩行者滞留スペース210に歩行者がいるかいないかを感知するものであるので、歩行者滞留スペース210の付近に設置する。より具体的には、歩行者用信号機の付いたポールの下の方に設けてあり、赤外線等で人を感知することができる。車両感知手段60は右折車がいるかいないかを感知するものであるので、横断歩道220前の右折車が停止する位置の付近に設置する。より具体的には、交差点の流入路であり右折車が停止する右折車線の交差点手前である停止線の上方に設けてあり、超音波等で車両を検知することができる。
【0050】
夜間検知手段が夜間であることを検知するとは、例えば周囲の照度を測定すること又は時刻等で夜間を検知すること等によって行われる。
【0051】
図5は、横断歩道照明手段110を取り付ける位置について説明する図である。柱111は、横断歩道照明手段110を取り付ける柱である。柱111は、歩行者信号10又は車両信号20の付いたポールを代用してもよい。
【0052】
横断歩道照明手段110の向きは車両の進行方向に対してなるべく同じ向きになるようにする。これは照明が車両の進行方向の逆向きから照らされた場合は対象物がシルエットになってしまうためである。
【0053】
横断歩道照明手段110の照明の範囲を限定することにより周囲の民家、農地に対する光害を最小限にすることができる。通常の道路照明は、高さ8m、10m、12mに設置され、全体を照らすことに適している。一方、本照明装置の照明の取付位置を一般の照明よりも低くし、光源から照明される位置までの距離を短くすることにより集中した照明を行うことができる。
【0054】
一般的に人がまぶしさを感じるのは視線の上下30度の角度内に強い光源がある場合であり、その範囲外から照明を行えば歩行者への影響は少ないと言える。柱111の高さ又は横断歩道照明手段110を設置する高さは、道路の幅及び歩行者へのまぶしさを考慮して調整する。すなわち、横断歩道照明手段110は横断歩道220の両端に設置するため、横断歩道220の長さ(道路の幅)の半分を照らすことができればよい。調整の仕方としては、横断歩道照明手段110に備えるルーバーの角度を変えることにより、又は幻惑を抑える可変ルーバーにより対応することができる。また、歩行者滞留スペース照明手段100は、歩行者がまぶしさを感じないようにするために横断歩道照明手段110とほぼ同程度の位置に設置する。
【0055】
また、横断歩道照明手段110及び歩行者滞留スペース照明手段100の向きは、交差点内側から外側に向けて照明を行うように設置する。より具体的には、図3や図4に示すように、交差点の四隅の角に歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110とを配置し、その照明の向きを交差点の中心から外側を照らすようにする。このことによって、横断歩道220前にいる自動車230に対して照明を当てることを少なくし、自動車230のドライバーが幻惑することを少なくすることができる。
【0056】
市街地にあるような交差点又は横断歩道は周囲も明るいため照明のまぶしさは比較的気にならないが、市街地を離れた交差点又は横断歩道では周囲が暗いため同じ照明でもまぶしさを強く感じることとなる。そのため交差点又は横断歩道の周囲の状況にあった照明をするために照明器具の光源(電球)を選択できるようにする。電球交換による照度の設定により照明器具の機能を単純化し安価にできる。またLED式の照明を用いる場合はその素子の数で照度を設定する。
【0057】
次に、信号機の状態に応じた点灯制御を説明する。夜間において、歩行者信号10又は車両信号20の状態による横断歩道照明手段110の点灯制御は、歩行者信号10の進行禁止(いわゆる赤)、車両信号20の進行可能(いわゆる青)、車両信号20の進行禁止(いわゆる赤)のいずれか1つ以上を用いて行われる。信号機の状態の情報に限定したため回路設計や施工が簡略化できるとともに既設の交差点に対しての設置も容易に行える。図6は、点灯期間を説明する図である。具体的には、歩行者信号10と車両信号20の状態により、横断歩道照明手段110が点灯されている期間を示す図である。以下に説明する(論理1)、(論理2)、(論理3)のいずれか1つにより、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110の点灯を制御する。
【0058】
(論理1)歩行者信号10の進行禁止時間以外(赤以外)を横断歩道照明手段110の点灯条件とする。つまり、歩行者信号10が進行可能(青)の時間と歩行者信号10が進行注意(青点滅)の時間中に横断歩道照明手段110を点灯する。図6の点灯期間Aがこの制御の仕方を示している。
【0059】
(論理2)車両信号20の進行可能(青)時間を横断歩道照明手段110の点灯条件とする。つまり、歩行者信号10が進行可能(青)の時間と、歩行者信号10が進行注意(青点滅)の時間と、歩行者信号10が進行禁止(赤)で車両信号20が進行可能(青)の状態(概ね2秒)の時間中に横断歩道照明手段110を点灯する。図6の点灯期間Bがこの制御の仕方を示している。
【0060】
(論理3)車両信号20の進行禁止時間以外(赤以外)を横断歩道照明手段110の点灯条件とする。つまり、歩行者信号10が進行可能(青)の時間と、歩行者信号10が進行注意(青点滅)の時間と、歩行者信号10が進行禁止(赤)で車両信号20が進行可能(青)の時間(概ね2秒)と、歩行者信号10が進行禁止(赤)で車両信号20が進行注意(黄)の時間(概ね3秒)の時間中に横断歩道照明手段110を点灯する。図6の点灯期間Cがこの制御の仕方を示している。
【0061】
(論理2)、(論理3)の状況は歩行者に通行権がない期間もあるが、横断が間に合わなかった人や信号無視をしてしまった人に関しても照明することができ、より安全である。
【0062】
なお、上記以外に照明延長制御手段90、例えばタイマーを設置することにより延長時間を設ける事ができる。このタイマーは、細かい設定(1秒単位の設定等)を行うことができる。但し、点灯時間の延長は交差側の車両信号20が進行可能(青)になるまでとする。これは交差側の車両が通行を始める時に照明によるまぶしさを感じさせないようにするためである。
【0063】
次に、この改良として、夜間検知手段40が夜間判定を行い、夜間であると判断された場合、上述した点灯条件中に歩行者又は右折車の感知があった場合にのみ横断歩道照明手段110を点灯させることも可能である。図7は、感知信号を付加した場合の点灯条件を示すタイムチャートである。図7において、Aは車両信号20の状態を表しており、Bは歩行者信号10の状態を表しており、Cは上記(論理2)によって点灯条件を満たしていることを表している。DとEは、歩行者感知手段50又は車両感知手段60が歩行者又は右折車を感知した場合を表している。
【0064】
上記(論理2)によって点灯条件を満たしており、さらに歩行者感知手段50又は車両感知手段60が歩行者又は右折車を感知した場合(図7のD)に横断歩道照明手段110を点灯する。点灯条件を満たさなくなった時(図7のD)に横断歩道照明手段110を滅灯し、感知条件をクリアする。点灯条件を満たしていない時に感知があった場合(図7のE)は、次に点灯条件を満たした時に横断歩道照明手段110を点灯させる。
【0065】
上記(論理2)のみならず、(論理1)又は(論理3)の点灯条件を満たした場合であっても、同様に制御することができる。
【0066】
図8は、車両感知手段60が感知をする領域を説明する図である。車両感知手段60が車両感知を行う際に、その感知を広い面で行える感知器(例えば画像式車両感知器)を用いることにより、狭い範囲で感知を行う超音波式車両感知器より早く点灯させることができる。車両感知手段60として超音波式車両感知器を用いると、図8(1)が示すように車両を感知できるのは停止線間際である。車両感知手段60として画像式車両感知器を用いると、図8(2)が示すように右折レーンに進入した時点で感知が行える。これによりすばやく横断歩道照明手段110を点灯させることができ、より交通の安全を図ることができる。さらに、図8(3)が示すように停止線を越えて停止してしまった場合でも画像式車両感知器であれば、右折車を感知することができ、歩行者信号10又は車両信号20の次の進行可能の信号で横断歩道照明手段110を点灯させることができる。
【0067】
横断待ち歩行者を対象とした照明である横断歩道照明手段110を、夜間であって歩行者又は車両を感知した場合に信号機の状態に関係なく点灯させるよう制御し、その横断歩道照明手段110と対応する横断歩道220の歩行者信号10の信号の状態により、滅灯させるように制御する。車両のドライバーに照明による影響を与えない歩行者滞留スペース210ヘの照明なので、信号機の状態に関係なく点灯することができ、これにより停止している車両のドライバーに対しても歩行者の存在を知らせることができ、より安全である。
【0068】
歩行者感知手段50により歩行者感知で点灯させる場合は、点灯していない時との違いにより、ドライバーに対し歩行者の存在を強く知らせることができる。
【0069】
車両感知手段60により車両感知で点灯させる場合は、右折車がいる場合、常に歩行者の有無をドライバーが確認できることにより安全性が高まる。
【0070】
なお、横断中に横断歩道照明手段110の照明のみでは、横断歩道220内に明暗を生じさせてしまい危険である。したがって、横断歩道照明手段110が点灯する場合は、必ず歩行者滞留スペース照明手段100も点灯させるように歩行者滞留スペース照明制御手段70及び横断歩道照明制御手段80が制御する。
【0071】
図9は、歩行者滞留スペース照明手段100の点灯条件を説明する図である。図9(1)は、夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合であって、歩行者信号10と車両信号20が進行禁止であり、歩行者感知手段50が歩行者を感知した場合又は車両感知手段60が右折車を感知した場合に、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させるように制御し、これによって歩行者滞留スペース210が照明される。図9(2)は、夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合であって、歩行者信号10と車両信号20が進行可能であり、横断歩道照明手段110が点灯された場合に、歩行者が歩行者滞留スペース210にいないにもかかわらず、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させ、横断歩道220内に明暗を生じさせないようにしている。図9(3)は、夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合であり、歩行者信号10と車両信号20が進行禁止ではあるが、歩行者感知手段50が歩行者を感知せず、車両感知手段60が右折車を感知していない場合は、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させないように制御している。
【0072】
歩行者滞留スペース照明手段100又は横断歩道照明手段110に使用する照明の一例として、LED式の照明を用いてもよい。電球の球切れのように突然機能が低下することもなく、寿命が長く省エネであることで安全面でも維持費においても電球式より適している。更に、LED素子の向きを個々に変えられるものとすると、照明範囲を自由に選択することもできるものとなり、より効果的である。
【0073】
なお、本実施例においては、歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110との2つの照明を有するものを示したが、一台の照明によって、横断歩道220と歩行者滞留スペース210の両方を照明するようにしてもよい。この場合、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000と夜間検知手段40と点灯制御手段とを備えている。
【0074】
図10は、横断歩道220と歩行者滞留スペース210を照明する一台の照明装置を説明する図である。横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000は、上記した歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110の両方の照明の機能を有している。つまり、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の照明範囲は、横断歩道220上のみではなく横断歩道220及び歩行者滞留スペース210である。横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の点灯制御を行う点灯制御手段は、歩行者滞留スペース照明制御手段70、横断歩道照明制御手段80、又は歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80の両方の機能を有している。これによって、横断歩道220のみを照らす場合よりも、自動車230のドライバーは横断歩道220の歩行者を早期に発見することができ、安全な運転をすることができるようになる。このため、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の設置位置は、横断歩道220の交差点内側の端付近である。その際の照明条件は、夜間である場合である。点灯制御手段は夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合に、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000を点灯させるように制御する。
【0075】
更に、信号入力手段30、歩行者感知手段50、車両感知手段60を備えることによって、照明条件として、(1)夜間である場合のみならず、(2)夜間であって信号の状態が進行可能又は進行注意の場合、(3)(2)の条件に加えて、歩行者がいる場合、(4)(2)の条件に加えて、右折車がいる場合、又は(5)(2)の条件に加えて、歩行者かつ右折車がいる場合、のいずれかを採用することもできる。点灯制御手段は、信号入力手段30、夜間検知手段40、歩行者感知手段50、車両感知手段60の各情報に応じて、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の点灯を制御する。
【0076】
歩行者滞留スペース照明制御手段70、横断歩道照明制御手段80、照明延長制御手段90は、ハードウェア回路にて実現することができるが、コンピュータを用いて制御することによって実現することもできる。コンピュータによる場合は、制御方法はプログラムによって実現する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施の形態の概念的なブロック図である。
【図2】進行禁止の場合の照明状況を説明する図である。
【図3】進行可能の場合の照明状況を説明する図である。
【図4】交差点において歩行者感知手段と車両感知手段とが取り付けられる位置を立体的に示した図である。
【図5】横断歩道照明手段を取り付ける位置について説明する図である。
【図6】点灯期間を説明する図である。
【図7】感知信号を付加した場合の点灯条件を示すタイムチャートである。
【図8】車両感知手段が感知をする領域を説明する図である。
【図9】歩行者滞留スペース照明手段の点灯条件を説明する図である。
【図10】横断歩道と歩行者滞留スペースを照明する一台の照明装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0078】
10…歩行者信号
20…車両信号
30…信号入力手段
40…夜間検知手段
50…歩行者感知手段
60…車両感知手段
70…歩行者滞留スペース照明制御手段
80…横断歩道照明制御手段
90…照明延長制御手段
100…歩行者滞留スペース照明手段
110…横断歩道照明手段
111…柱
210…歩行者滞留スペース
220…横断歩道
230…自動車
1000…横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運転手の運転上の判断基準は、視覚情報が大半を占めている。運転手は現在のみの視覚情報から判断を行っているのではなく、過去の情報と現在の情報とを比較し、未来の状態を推測して、次に行うべき行動について判断を行っている。
【0003】
また、横断歩道又は交差点において注意を情報板で行うのは走行している車両に対して確認事項を増やす結果となり運転手の注意が散漫になる恐れがあるが、照明による注意は元々の確認事項である視覚情報を援助するものであり効果的である。
【0004】
照明としては、車両の前照灯によるものがある。しかし、車両の前照灯による照明の効果は、対象となる物体の反射率によって非常に異なったものになってしまう。交差点等に備え付けられた照明によると、背景となる路面を明るくし、対象物の輝度の差を明確にする事ができる。これにより対象物の反射率の如何に関らず視認性を向上できる。
【0005】
従来の横断歩道を照明する照明装置としては、例えば、横断歩道のみを照明範囲として人がいるということを感知した場合にのみ照明するようなものがある。また、他の例として、信号機の状態と連動するものもあるが、それは歩行者信号が進行可能の時のみ照明を行うものである。更に、周囲の照度のみによって横断歩道を照明するか否かを決めるものもあった。これらは、いずれも横断歩道のみを照明するだけであった。
【0006】
【特許文献1】特開2001−338773
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の技術では、以下のような問題点があった。
【0008】
(1)信号が進行可能になると同時に横断歩道のみを照明した場合、ドライバーはまず信号を見て交差点に進入するので歩行者の発見が遅れる。特に歩行者滞留スペースにいて、まさに横断歩道に入ろうとする歩行者の発見は遅れてしまう。
【0009】
(2)横断歩道のみを照明するようにすると信号が進行禁止となっている時間中に照明することは好ましくない。これは横断歩道のみを照明する角度に照明を設置すると、その角度の関係から停車等している車両にその照明を当ててしまうことになり、そのドライバーがまぶしくなってしまうためである。
【0010】
(3)歩行者滞留スペースのみを照明するということができない。そのため信号待ちの歩行者の存在が気付きにくくなってしまう。
【0011】
(4)横断歩道のみを照明する場合、その外側である歩行者滞留スペースは照明されず、歩行者の動きを連続で捉えることができず、歩行者の発見が遅れる。
【0012】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、横断歩道を横断し始める前の歩行者がいる歩行者滞留スペースにおいて、その歩行者滞留スペースを照明することができるようにした照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
夜間であることを条件として歩行者滞留スペース(210)を照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する横断歩道(220)を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【0014】
[2]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
夜間であって信号が進行禁止の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース(210)のみを照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース(210)及び横断歩道(220)を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【0015】
[3]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段(110)と歩行者滞留スペース照明手段(100)と夜間検知手段(40)と信号入力手段(30)と歩行者滞留スペース照明制御手段(70)と横断歩道照明制御手段(80)を具備し、
前記横断歩道照明手段(110)は前記横断歩道(220)を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段(100)は前記歩行者滞留スペース(210)を照明し、
前記夜間検知手段(40)は夜間であることを検知し、
前記信号入力手段(30)は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、前記歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【0016】
[4]歩行者感知手段(50)を具備し、
前記歩行者感知手段(50)は歩行者がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段(50)により歩行者がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段(50)により歩行者がいることを感知し、かつ前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする[3]項に記載の照明装置。
【0017】
[5]車両感知手段(60)を具備し、
前記車両感知手段(60)は右折車がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段(60)により右折車がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段(60)により右折車がいることを感知し、かつ前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする[3]項に記載の照明装置。
【0018】
[6]前記信号は、歩行者信号(10)又は車両信号(20)である
ことを特徴とする[1]〜[5]項のいずれか1項に記載の照明装置。
【0019】
[7]横断歩道(220)又は歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段(110)と歩行者滞留スペース照明手段(100)と夜間検知手段(40)と歩行者感知手段(50)と車両感知手段(60)と信号入力手段(30)と歩行者滞留スペース照明制御手段(70)と横断歩道照明制御手段(80)と照明延長制御手段(90)を具備し、
前記横断歩道照明手段(110)は前記横断歩道(220)を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段(100)は前記歩行者滞留スペース(210)を照明し、
前記夜間検知手段(40)は夜間であることを検知し、
前記歩行者感知手段(50)は歩行者がいることを感知し、
前記車両感知手段(60)は右折車がいることを感知し、
前記信号入力手段(30)は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段(70)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段(50)が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段(60)が右折車がいることを感知しているときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段(80)は、前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段(50)が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段(60)が右折車がいることを感知し、かつ、前記信号入力手段(30)により入力された信号の状態が、歩行者信号(10)が進行禁止、車両信号(20)が進行可能、又は車両信号(20)が進行禁止以外の状態であるときは、前記横断歩道照明手段(110)を点灯させるように制御し、
前記照明延長制御手段(90)は、前記信号入力手段(30)により入力された歩行者信号(10)の状態が進行禁止の状態であっても、前記横断歩道照明手段(110)及び前記歩行者滞留スペース照明手段(100)の点灯時間を延長させ得て、その延長時間は長くとも交差側の車両信号(20)が進行可能になるまでとするように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【0020】
[8]前記横断歩道照明手段(110)及び前記歩行者滞留スペース照明手段(100)は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置されている
ことを特徴とする[3]〜[7]項のいずれか1項に記載の照明装置。
【0021】
[9]横断歩道(220)及び歩行者滞留スペース(210)を照らす照明装置であって、
横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段(1000)と夜間検知手段(40)と点灯制御手段とを具備し、
前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段(1000)は前記横断歩道(220)及び歩行者滞留スペース(210)を照明し、
前記夜間検知手段(40)は夜間であることを検知し、
前記点灯制御手段は前記夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段(1000)を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【0022】
前記本発明は次のように作用する。
本発明の照明装置は、横断歩道(220)又は前記横断歩道(220)を横断始める前の歩行者が待機していることもある歩行者滞留スペース(210)に照明を当てることによって、交通の運用を円滑にすることにより安全を図るものである。
【0023】
夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、歩行者滞留スペース照明制御手段(70)が歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させることにより、歩行者滞留スペース(210)にいる歩行者を照らすことができる。これによって、ドライバーが横断歩道(220)を渡ろうとしている人がいるかいないかを容易に判断できるようにする。夜間検知手段(40)が夜間であることを検知した場合に、信号が進行可能又は進行注意の状態であるときは、横断歩道照明制御手段(80)が横断歩道照明手段(110)を点灯させることによって、歩行者滞留スペース(210)と横断歩道(220)の両方を照明することができる。このことにより、歩行者滞留スペース(210)又は横断歩道(220)にいる歩行者を連続的に照明することができるようになる。ここで、信号とは、歩行者信号(10)又は車両信号(20)である。
【0024】
本発明の照明装置は、歩行者がいることをアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段(100)と横断歩道照明手段(110)を点灯させるので、その点灯によって歩行者がいることをドライバーは確認できるようになる。
【0025】
車両がいることをアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段(100)と横断歩道照明手段(110)を点灯させるので、その点灯によってドライバーは歩行者の有無が確認できるようになる。
【0026】
本発明の照明装置は、夜間であって、歩行者及び右折車がいることを感知した場合であって、信号が進行可能又は進行注意の状態であるときは、横断歩道照明手段(110)及び歩行者滞留スペース照明手段(100)を点灯させる。歩行者滞留スペース(210)と横断歩道(220)の両方を照明することができることにより、歩行者を連続的に照明することができるようになる。その上、信号が進行禁止の状態であっても、横断歩道照明手段(110)及び歩行者滞留スペース照明手段(100)の点灯時間を延長させることができるので、横断が間に合わない歩行者や信号を無視して渡ろうとする歩行者をも照明することができる。その延長時間は長くとも車両信号(20)が進行可能になるまでとするように制御しているので、車両が通行を始める時にまぶしさを感じさせないようにすることができる。
【0027】
更に、横断歩道照明手段(110)及び歩行者滞留スペース照明手段(100)は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置することによって、車両に対して照明を当てることを少なくし、ドライバーが幻惑することを少なくすることができる。
【0028】
横断歩道(220)と歩行者滞留スペース(210)の両方を照明できる照明手段が、夜間を検知すると、横断歩道(220)と歩行者滞留スペース(210)の両方を照明する。これによって、1台の照明手段によって横断歩道(220)と歩行者滞留スペース(210)の両方を夜間の間、照明させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明にかかる照明装置によれば、歩行者滞留スペースを照明することができるので、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるかいないかをドライバーは容易に確認することができるようになる。
【0030】
歩行者滞留スペースと横断歩道の両方を照明することができることにより、歩行者を連続的に照明することができるようになる。これによって、ドライバーは交差点内の横断歩道及び歩行者滞留スペースにいる歩行者を容易に確認することができ、歩行者滞留スペースに歩行者がいるにもかかわらず、横断歩道に歩行者が突然現れるように見えるということがなくなる。
【0031】
横断歩道照明手段及び歩行者滞留スペース照明手段は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置しているので、ドライバーに対するまぶしさを軽減させることができる。
【0032】
歩行者がいることを感知して点灯するようにしたので、歩行者がいる場合はその歩行者がいることを確認することができ、歩行者がいない場合は歩行者がいないにもかかわらず点灯するというような無駄を省くことができる。同様に右折車がいることを感知して点灯するようにしたので、右折車は歩行者がいるかいないかを容易に確認することができ、右折車がいないにもかかわらず、点灯するというような無駄を省くことができる。
【0033】
更に、信号が進行禁止の状態であっても、点灯時間を延長することができるので、横断が間に合わなかった歩行者や信号を無視して渡ろうとする歩行者に関しても照明することができ、さらに交通の安全が図れる。その上、その点灯時間の延長時間は、車両信号が進行可能になるまでと制限することにより、車両が通行を始める時に照明によるまぶしさをドライバーに感じさせないという効果がある。
【0034】
1台の照明手段によって横断歩道と歩行者滞留スペースの両方を夜間の間、照明できるので、歩行者を連続的に照明することができるようになる。さらに照明手段を安価にでき、その制御も簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。各図は本発明の一実施の形態を説明している。図1は、本発明の一実施の形態の概念的なブロック図を示している。本実施の形態の照明装置は、図1に示すように、歩行者信号10と車両信号20とから信号入力手段30へ信号の状態を入力できるように接続されている。信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60は、それぞれ歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90に接続されている。歩行者滞留スペース照明手段100は、歩行者滞留スペース照明制御手段70と照明延長制御手段90に接続されている。横断歩道照明手段110は、横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90に接続されている。歩行者滞留スペース照明制御手段70、横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90は、それぞれ信号入力手段30、夜間検知手段40、歩行者感知手段50又は車両感知手段60からの情報に応じて、歩行者滞留スペース照明手段100又は横断歩道照明手段110の点灯、消灯を制御する。
【0036】
歩行者信号10と車両信号20は「進行可能」、「進行注意」、「進行禁止」の状態を遷移し、信号入力手段30はその状態を歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90に伝達する。歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80と照明延長制御手段90は、信号入力手段30からの信号の状態、夜間検知手段40からの夜間であるか否かを示す信号、歩行者感知手段50からの歩行者がいるかいないかを示す信号、車両感知手段60からの車両があるかないかの信号を受け取り、それらを総合的に判断する。その判断の結果、歩行者滞留スペース照明制御手段70は歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させるか否かを制御し、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110を点灯させるか否かを制御する。照明延長制御手段90は、歩行者滞留スペース照明手段100又は横断歩道照明手段110の点灯時間を延長させるように制御する。
【0037】
なお、ここで、「進行可能」とは、日本では一般的に青色の灯火を指し、より具体的には、「歩行者は、進むことができる。車(軽車両は除く)や路面電車は、直進・左折・右折することができる。」ことを意味する。「進行注意」とは、日本では一般的に黄色の灯火、又は歩行者専用信号機にあっては青色の灯火の点滅を指す。より具体的には、「歩行者は、横断を始めてはならず、横断中の歩行者はすみやかに横断を終えるか、横断を止めて引き返さなければならない。車や路面電車は、停止位置から先へ進んではならない。ただし、信号が黄に変わった時に停止位置に近づいていて、安全に停止することができない場合は、そのまま進むことができる。」ことを意味し、歩行者専用信号機にあっては「歩行者は、横断を始めてはならず、横断中の歩行者はすみやかに横断を終えるか、横断を止めて引き返さなければならない。」ことを意味する。「進行禁止」とは、日本では一般的に赤色の灯火を指し、より具体的には、「歩行者は、横断をしてはいけない。車や路面電車は、停止位置から先へ進んではならない。」ことを意味する。
【0038】
なお、歩行者滞留スペース照明制御手段70は、(1)夜間検知手段40にのみ接続されている場合、(2)信号入力手段30と夜間検知手段40に接続されている場合、(3)夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(4)夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(5)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(6)信号入力手段30と夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(7)夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合、(8)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合がある。
【0039】
横断歩道照明制御手段80は、(1)信号入力手段30と夜間検知手段40に接続されている場合、(2)夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(3)夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(4)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(5)信号入力手段30と夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(6)夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合、(7)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合がある。
【0040】
照明延長制御手段90は、(1)信号入力手段30にのみ接続されている場合、(2)信号入力手段30と夜間検知手段40に接続されている場合、(3)信号入力手段30と歩行者感知手段50に接続されている場合、(4)信号入力手段30と車両感知手段60に接続されている場合、(5)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50に接続されている場合、(6)信号入力手段30と夜間検知手段40と車両感知手段60に接続されている場合、(7)信号入力手段30と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合、(8)信号入力手段30と夜間検知手段40と歩行者感知手段50と車両感知手段60に接続されている場合がある。
【0041】
次に作用を説明する。夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合に、歩行者滞留スペース照明制御手段70がその検知したことを受け取り、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させる制御を行う。このことにより、歩行者滞留スペース210にいる歩行者を照らすことができ、ドライバーが横断歩道220を渡ろうとしている人がいるかいないかを容易に判断できるようにする。夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合に、横断歩道照明制御手段80は信号入力手段30より歩行者信号10又は車両信号20が進行可能又は進行注意の状態であることを受け取ったときは、横断歩道照明手段110を点灯させる。このことによって、歩行者滞留スペース210と横断歩道220の両方を照明することができ、歩行者滞留スペース210又は横断歩道220にいる歩行者を連続的に照明することができるようになる。
【0042】
また、この照明装置は、歩行者感知手段50が歩行者を感知したことを歩行者滞留スペース照明制御手段70又は横断歩道照明制御手段80が受け取ったときに、つまり歩行者がいることを更なるアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110を点灯させるので、その点灯によって歩行者がいることをドライバーは確認できるようになる。
【0043】
この照明装置は、車両感知手段60が車両がいることを感知したことを歩行者滞留スペース照明制御手段70又は横断歩道照明制御手段80が受け取ったときに、つまり車両がいることを更なるアンド条件として、歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110を点灯させるので、その点灯によってドライバーは歩行者の有無が確認できるようになる。
【0044】
この照明装置は、夜間検知手段40が夜間であることを検知したこと、歩行者感知手段50が歩行者を感知したこと、車両感知手段60が車両がいることを感知したこと、歩行者信号10又は車両信号20が進行可能又は進行注意であることを信号入力手段30を通して、歩行者滞留スペース照明制御手段70又は横断歩道照明制御手段80が受け取ったとき、つまり夜間であって、歩行者及び右折車がいることを感知した場合であって、信号が進行可能又は進行注意の状態であるときは、歩行者滞留スペース照明手段100及び横断歩道照明手段110を点灯させる。このことにより、歩行者滞留スペース210と横断歩道220の両方を照明することができ、歩行者を連続的に照明することができるようになる。その上、歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止の状態であることを信号入力手段30を通して照明延長制御手段90が受け取った場合は、歩行者滞留スペース照明手段100及び横断歩道照明手段110の点灯時間を延長させることができる。これによって、横断が間に合わない歩行者や信号を無視して渡ろうとする歩行者をも照明することができる。その延長時間は長くとも車両信号が進行可能になるまでとするように制御しているので、車両が通行を始める時にまぶしさを感じさせないようにすることができる。
【0045】
更に、歩行者滞留スペース照明手段100及び横断歩道照明手段110は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置することによって、車両に対して照明を当てることを少なくし、ドライバーが幻惑することを少なくすることができる。
【0046】
図2は、進行禁止の場合の照明状況を説明する図である。具体的には、交差点においてどのように歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110とが取り付けられるか、及び夜間であり歩行者信号10が進行禁止の場合の照明を説明する図である。歩行者滞留スペース210は、横断歩道220を渡ろうとしている歩行者が待機している場所である。もちろんのことながら、横断歩道220の手前の場所が歩行者滞留スペース210である。歩行者滞留スペース照明手段100は、歩行者滞留スペース210を照らす位置に配置されている。横断歩道照明手段110は、横断歩道220を照らす位置に配置されている。図2は夜間の場合を示しているので、夜間検知手段40が夜間であることを検知し、歩行者滞留スペース照明制御手段70はその検知信号に応じて、歩行者滞留スペース照明手段100が歩行者滞留スペース210を照明するように制御している。なお、この場合、歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止であることが信号入力手段30により横断歩道照明制御手段80へ伝えられているので、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110を消灯させている、つまり点灯させていない。
【0047】
なお、車両信号20は進行禁止であり、図2の下から上へ向かう自動車230が横断歩道220手前に止まっており、この自動車230は右折しようとしている。この際に、歩行者滞留スペース210が歩行者滞留スペース照明手段100により照らされているので、歩行者滞留スペース210には歩行者がいるということが自動車230のドライバーには確認できる。
【0048】
図3は、進行可能の場合の照明状況を説明する図である。具体的には、歩行者信号10と車両信号20が図2の進行禁止の状態から進行可能の状態へと変わった場合の歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110の照明を説明する図である。歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止の状態から進行可能の状態に変わると、歩行者信号10又は車両信号20が進行禁止から進行可能の状態に変わったことを信号入力手段30から横断歩道照明制御手段80に伝えられ、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110を点灯するように制御する。このように点灯することによって、歩行者滞留スペース210と横断歩道220の両方が照らされることになり、自動車230のドライバーに歩行者滞留スペース210内又は横断歩道220内に歩行者がいるか否かということを容易に視認させることができるようになる。
【0049】
図4は、交差点において歩行者感知手段50と車両感知手段60とが取り付けられる位置を立体的に示した図である。歩行者感知手段50は歩行者滞留スペース210に歩行者がいるかいないかを感知するものであるので、歩行者滞留スペース210の付近に設置する。より具体的には、歩行者用信号機の付いたポールの下の方に設けてあり、赤外線等で人を感知することができる。車両感知手段60は右折車がいるかいないかを感知するものであるので、横断歩道220前の右折車が停止する位置の付近に設置する。より具体的には、交差点の流入路であり右折車が停止する右折車線の交差点手前である停止線の上方に設けてあり、超音波等で車両を検知することができる。
【0050】
夜間検知手段が夜間であることを検知するとは、例えば周囲の照度を測定すること又は時刻等で夜間を検知すること等によって行われる。
【0051】
図5は、横断歩道照明手段110を取り付ける位置について説明する図である。柱111は、横断歩道照明手段110を取り付ける柱である。柱111は、歩行者信号10又は車両信号20の付いたポールを代用してもよい。
【0052】
横断歩道照明手段110の向きは車両の進行方向に対してなるべく同じ向きになるようにする。これは照明が車両の進行方向の逆向きから照らされた場合は対象物がシルエットになってしまうためである。
【0053】
横断歩道照明手段110の照明の範囲を限定することにより周囲の民家、農地に対する光害を最小限にすることができる。通常の道路照明は、高さ8m、10m、12mに設置され、全体を照らすことに適している。一方、本照明装置の照明の取付位置を一般の照明よりも低くし、光源から照明される位置までの距離を短くすることにより集中した照明を行うことができる。
【0054】
一般的に人がまぶしさを感じるのは視線の上下30度の角度内に強い光源がある場合であり、その範囲外から照明を行えば歩行者への影響は少ないと言える。柱111の高さ又は横断歩道照明手段110を設置する高さは、道路の幅及び歩行者へのまぶしさを考慮して調整する。すなわち、横断歩道照明手段110は横断歩道220の両端に設置するため、横断歩道220の長さ(道路の幅)の半分を照らすことができればよい。調整の仕方としては、横断歩道照明手段110に備えるルーバーの角度を変えることにより、又は幻惑を抑える可変ルーバーにより対応することができる。また、歩行者滞留スペース照明手段100は、歩行者がまぶしさを感じないようにするために横断歩道照明手段110とほぼ同程度の位置に設置する。
【0055】
また、横断歩道照明手段110及び歩行者滞留スペース照明手段100の向きは、交差点内側から外側に向けて照明を行うように設置する。より具体的には、図3や図4に示すように、交差点の四隅の角に歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110とを配置し、その照明の向きを交差点の中心から外側を照らすようにする。このことによって、横断歩道220前にいる自動車230に対して照明を当てることを少なくし、自動車230のドライバーが幻惑することを少なくすることができる。
【0056】
市街地にあるような交差点又は横断歩道は周囲も明るいため照明のまぶしさは比較的気にならないが、市街地を離れた交差点又は横断歩道では周囲が暗いため同じ照明でもまぶしさを強く感じることとなる。そのため交差点又は横断歩道の周囲の状況にあった照明をするために照明器具の光源(電球)を選択できるようにする。電球交換による照度の設定により照明器具の機能を単純化し安価にできる。またLED式の照明を用いる場合はその素子の数で照度を設定する。
【0057】
次に、信号機の状態に応じた点灯制御を説明する。夜間において、歩行者信号10又は車両信号20の状態による横断歩道照明手段110の点灯制御は、歩行者信号10の進行禁止(いわゆる赤)、車両信号20の進行可能(いわゆる青)、車両信号20の進行禁止(いわゆる赤)のいずれか1つ以上を用いて行われる。信号機の状態の情報に限定したため回路設計や施工が簡略化できるとともに既設の交差点に対しての設置も容易に行える。図6は、点灯期間を説明する図である。具体的には、歩行者信号10と車両信号20の状態により、横断歩道照明手段110が点灯されている期間を示す図である。以下に説明する(論理1)、(論理2)、(論理3)のいずれか1つにより、横断歩道照明制御手段80は横断歩道照明手段110の点灯を制御する。
【0058】
(論理1)歩行者信号10の進行禁止時間以外(赤以外)を横断歩道照明手段110の点灯条件とする。つまり、歩行者信号10が進行可能(青)の時間と歩行者信号10が進行注意(青点滅)の時間中に横断歩道照明手段110を点灯する。図6の点灯期間Aがこの制御の仕方を示している。
【0059】
(論理2)車両信号20の進行可能(青)時間を横断歩道照明手段110の点灯条件とする。つまり、歩行者信号10が進行可能(青)の時間と、歩行者信号10が進行注意(青点滅)の時間と、歩行者信号10が進行禁止(赤)で車両信号20が進行可能(青)の状態(概ね2秒)の時間中に横断歩道照明手段110を点灯する。図6の点灯期間Bがこの制御の仕方を示している。
【0060】
(論理3)車両信号20の進行禁止時間以外(赤以外)を横断歩道照明手段110の点灯条件とする。つまり、歩行者信号10が進行可能(青)の時間と、歩行者信号10が進行注意(青点滅)の時間と、歩行者信号10が進行禁止(赤)で車両信号20が進行可能(青)の時間(概ね2秒)と、歩行者信号10が進行禁止(赤)で車両信号20が進行注意(黄)の時間(概ね3秒)の時間中に横断歩道照明手段110を点灯する。図6の点灯期間Cがこの制御の仕方を示している。
【0061】
(論理2)、(論理3)の状況は歩行者に通行権がない期間もあるが、横断が間に合わなかった人や信号無視をしてしまった人に関しても照明することができ、より安全である。
【0062】
なお、上記以外に照明延長制御手段90、例えばタイマーを設置することにより延長時間を設ける事ができる。このタイマーは、細かい設定(1秒単位の設定等)を行うことができる。但し、点灯時間の延長は交差側の車両信号20が進行可能(青)になるまでとする。これは交差側の車両が通行を始める時に照明によるまぶしさを感じさせないようにするためである。
【0063】
次に、この改良として、夜間検知手段40が夜間判定を行い、夜間であると判断された場合、上述した点灯条件中に歩行者又は右折車の感知があった場合にのみ横断歩道照明手段110を点灯させることも可能である。図7は、感知信号を付加した場合の点灯条件を示すタイムチャートである。図7において、Aは車両信号20の状態を表しており、Bは歩行者信号10の状態を表しており、Cは上記(論理2)によって点灯条件を満たしていることを表している。DとEは、歩行者感知手段50又は車両感知手段60が歩行者又は右折車を感知した場合を表している。
【0064】
上記(論理2)によって点灯条件を満たしており、さらに歩行者感知手段50又は車両感知手段60が歩行者又は右折車を感知した場合(図7のD)に横断歩道照明手段110を点灯する。点灯条件を満たさなくなった時(図7のD)に横断歩道照明手段110を滅灯し、感知条件をクリアする。点灯条件を満たしていない時に感知があった場合(図7のE)は、次に点灯条件を満たした時に横断歩道照明手段110を点灯させる。
【0065】
上記(論理2)のみならず、(論理1)又は(論理3)の点灯条件を満たした場合であっても、同様に制御することができる。
【0066】
図8は、車両感知手段60が感知をする領域を説明する図である。車両感知手段60が車両感知を行う際に、その感知を広い面で行える感知器(例えば画像式車両感知器)を用いることにより、狭い範囲で感知を行う超音波式車両感知器より早く点灯させることができる。車両感知手段60として超音波式車両感知器を用いると、図8(1)が示すように車両を感知できるのは停止線間際である。車両感知手段60として画像式車両感知器を用いると、図8(2)が示すように右折レーンに進入した時点で感知が行える。これによりすばやく横断歩道照明手段110を点灯させることができ、より交通の安全を図ることができる。さらに、図8(3)が示すように停止線を越えて停止してしまった場合でも画像式車両感知器であれば、右折車を感知することができ、歩行者信号10又は車両信号20の次の進行可能の信号で横断歩道照明手段110を点灯させることができる。
【0067】
横断待ち歩行者を対象とした照明である横断歩道照明手段110を、夜間であって歩行者又は車両を感知した場合に信号機の状態に関係なく点灯させるよう制御し、その横断歩道照明手段110と対応する横断歩道220の歩行者信号10の信号の状態により、滅灯させるように制御する。車両のドライバーに照明による影響を与えない歩行者滞留スペース210ヘの照明なので、信号機の状態に関係なく点灯することができ、これにより停止している車両のドライバーに対しても歩行者の存在を知らせることができ、より安全である。
【0068】
歩行者感知手段50により歩行者感知で点灯させる場合は、点灯していない時との違いにより、ドライバーに対し歩行者の存在を強く知らせることができる。
【0069】
車両感知手段60により車両感知で点灯させる場合は、右折車がいる場合、常に歩行者の有無をドライバーが確認できることにより安全性が高まる。
【0070】
なお、横断中に横断歩道照明手段110の照明のみでは、横断歩道220内に明暗を生じさせてしまい危険である。したがって、横断歩道照明手段110が点灯する場合は、必ず歩行者滞留スペース照明手段100も点灯させるように歩行者滞留スペース照明制御手段70及び横断歩道照明制御手段80が制御する。
【0071】
図9は、歩行者滞留スペース照明手段100の点灯条件を説明する図である。図9(1)は、夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合であって、歩行者信号10と車両信号20が進行禁止であり、歩行者感知手段50が歩行者を感知した場合又は車両感知手段60が右折車を感知した場合に、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させるように制御し、これによって歩行者滞留スペース210が照明される。図9(2)は、夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合であって、歩行者信号10と車両信号20が進行可能であり、横断歩道照明手段110が点灯された場合に、歩行者が歩行者滞留スペース210にいないにもかかわらず、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させ、横断歩道220内に明暗を生じさせないようにしている。図9(3)は、夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合であり、歩行者信号10と車両信号20が進行禁止ではあるが、歩行者感知手段50が歩行者を感知せず、車両感知手段60が右折車を感知していない場合は、歩行者滞留スペース照明手段100を点灯させないように制御している。
【0072】
歩行者滞留スペース照明手段100又は横断歩道照明手段110に使用する照明の一例として、LED式の照明を用いてもよい。電球の球切れのように突然機能が低下することもなく、寿命が長く省エネであることで安全面でも維持費においても電球式より適している。更に、LED素子の向きを個々に変えられるものとすると、照明範囲を自由に選択することもできるものとなり、より効果的である。
【0073】
なお、本実施例においては、歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110との2つの照明を有するものを示したが、一台の照明によって、横断歩道220と歩行者滞留スペース210の両方を照明するようにしてもよい。この場合、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000と夜間検知手段40と点灯制御手段とを備えている。
【0074】
図10は、横断歩道220と歩行者滞留スペース210を照明する一台の照明装置を説明する図である。横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000は、上記した歩行者滞留スペース照明手段100と横断歩道照明手段110の両方の照明の機能を有している。つまり、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の照明範囲は、横断歩道220上のみではなく横断歩道220及び歩行者滞留スペース210である。横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の点灯制御を行う点灯制御手段は、歩行者滞留スペース照明制御手段70、横断歩道照明制御手段80、又は歩行者滞留スペース照明制御手段70と横断歩道照明制御手段80の両方の機能を有している。これによって、横断歩道220のみを照らす場合よりも、自動車230のドライバーは横断歩道220の歩行者を早期に発見することができ、安全な運転をすることができるようになる。このため、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の設置位置は、横断歩道220の交差点内側の端付近である。その際の照明条件は、夜間である場合である。点灯制御手段は夜間検知手段40が夜間であることを検知した場合に、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000を点灯させるように制御する。
【0075】
更に、信号入力手段30、歩行者感知手段50、車両感知手段60を備えることによって、照明条件として、(1)夜間である場合のみならず、(2)夜間であって信号の状態が進行可能又は進行注意の場合、(3)(2)の条件に加えて、歩行者がいる場合、(4)(2)の条件に加えて、右折車がいる場合、又は(5)(2)の条件に加えて、歩行者かつ右折車がいる場合、のいずれかを採用することもできる。点灯制御手段は、信号入力手段30、夜間検知手段40、歩行者感知手段50、車両感知手段60の各情報に応じて、横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段1000の点灯を制御する。
【0076】
歩行者滞留スペース照明制御手段70、横断歩道照明制御手段80、照明延長制御手段90は、ハードウェア回路にて実現することができるが、コンピュータを用いて制御することによって実現することもできる。コンピュータによる場合は、制御方法はプログラムによって実現する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施の形態の概念的なブロック図である。
【図2】進行禁止の場合の照明状況を説明する図である。
【図3】進行可能の場合の照明状況を説明する図である。
【図4】交差点において歩行者感知手段と車両感知手段とが取り付けられる位置を立体的に示した図である。
【図5】横断歩道照明手段を取り付ける位置について説明する図である。
【図6】点灯期間を説明する図である。
【図7】感知信号を付加した場合の点灯条件を示すタイムチャートである。
【図8】車両感知手段が感知をする領域を説明する図である。
【図9】歩行者滞留スペース照明手段の点灯条件を説明する図である。
【図10】横断歩道と歩行者滞留スペースを照明する一台の照明装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0078】
10…歩行者信号
20…車両信号
30…信号入力手段
40…夜間検知手段
50…歩行者感知手段
60…車両感知手段
70…歩行者滞留スペース照明制御手段
80…横断歩道照明制御手段
90…照明延長制御手段
100…歩行者滞留スペース照明手段
110…横断歩道照明手段
111…柱
210…歩行者滞留スペース
220…横断歩道
230…自動車
1000…横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
夜間であることを条件として歩行者滞留スペースを照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する横断歩道を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
夜間であって信号が進行禁止の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペースのみを照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース及び横断歩道を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段と歩行者滞留スペース照明手段と夜間検知手段と信号入力手段と歩行者滞留スペース照明制御手段と横断歩道照明制御手段を具備し、
前記横断歩道照明手段は前記横断歩道を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段は前記歩行者滞留スペースを照明し、
前記夜間検知手段は夜間であることを検知し、
前記信号入力手段は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合に、前記歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記信号入力手段により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
歩行者感知手段を具備し、
前記歩行者感知手段は歩行者がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段により歩行者がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段により歩行者がいることを感知し、かつ前記信号入力手段により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
車両感知手段を具備し、
前記車両感知手段は右折車がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段により右折車がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段により右折車がいることを感知し、かつ前記信号入力手段により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
前記信号は、歩行者信号又は車両信号である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段と歩行者滞留スペース照明手段と夜間検知手段と歩行者感知手段と車両感知手段と信号入力手段と歩行者滞留スペース照明制御手段と横断歩道照明制御手段と照明延長制御手段を具備し、
前記横断歩道照明手段は前記横断歩道を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段は前記歩行者滞留スペースを照明し、
前記夜間検知手段は夜間であることを検知し、
前記歩行者感知手段は歩行者がいることを感知し、
前記車両感知手段は右折車がいることを感知し、
前記信号入力手段は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段が右折車がいることを感知しているときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段が右折車がいることを感知し、かつ、前記信号入力手段により入力された信号の状態が、歩行者信号が進行禁止、車両信号が進行可能、又は車両信号が進行禁止以外の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御し、
前記照明延長制御手段は、前記信号入力手段により入力された歩行者信号の状態が進行禁止の状態であっても、前記横断歩道照明手段及び前記歩行者滞留スペース照明手段の点灯時間を延長させ得て、その延長時間は長くとも交差側の車両信号が進行可能になるまでとするように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
前記横断歩道照明手段及び前記歩行者滞留スペース照明手段は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置されている
ことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
横断歩道及び歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段と夜間検知手段と点灯制御手段とを具備し、
前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段は前記横断歩道及び歩行者滞留スペースを照明し、
前記夜間検知手段は夜間であることを検知し、
前記点灯制御手段は前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合に、前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項1】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
夜間であることを条件として歩行者滞留スペースを照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する横断歩道を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
夜間であって信号が進行禁止の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペースのみを照明し、
夜間であって信号が進行可能又は進行注意の場合であることを条件としてその信号に対応する歩行者滞留スペース及び横断歩道を照明する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段と歩行者滞留スペース照明手段と夜間検知手段と信号入力手段と歩行者滞留スペース照明制御手段と横断歩道照明制御手段を具備し、
前記横断歩道照明手段は前記横断歩道を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段は前記歩行者滞留スペースを照明し、
前記夜間検知手段は夜間であることを検知し、
前記信号入力手段は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合に、前記歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記信号入力手段により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
歩行者感知手段を具備し、
前記歩行者感知手段は歩行者がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段により歩行者がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記歩行者感知手段により歩行者がいることを感知し、かつ前記信号入力手段により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
車両感知手段を具備し、
前記車両感知手段は右折車がいることを感知し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段により右折車がいることを感知したときに、前記歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって前記車両感知手段により右折車がいることを感知し、かつ前記信号入力手段により入力された信号の状態が進行可能又は進行注意の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
前記信号は、歩行者信号又は車両信号である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
横断歩道又は歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
横断歩道照明手段と歩行者滞留スペース照明手段と夜間検知手段と歩行者感知手段と車両感知手段と信号入力手段と歩行者滞留スペース照明制御手段と横断歩道照明制御手段と照明延長制御手段を具備し、
前記横断歩道照明手段は前記横断歩道を照明し、
前記歩行者滞留スペース照明手段は前記歩行者滞留スペースを照明し、
前記夜間検知手段は夜間であることを検知し、
前記歩行者感知手段は歩行者がいることを感知し、
前記車両感知手段は右折車がいることを感知し、
前記信号入力手段は信号の状態を入力し、
前記歩行者滞留スペース照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段が右折車がいることを感知しているときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御し、
前記横断歩道照明制御手段は、前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合であって、前記歩行者感知手段が歩行者がいることを感知し、前記車両感知手段が右折車がいることを感知し、かつ、前記信号入力手段により入力された信号の状態が、歩行者信号が進行禁止、車両信号が進行可能、又は車両信号が進行禁止以外の状態であるときは、前記横断歩道照明手段を点灯させるように制御し、
前記照明延長制御手段は、前記信号入力手段により入力された歩行者信号の状態が進行禁止の状態であっても、前記横断歩道照明手段及び前記歩行者滞留スペース照明手段の点灯時間を延長させ得て、その延長時間は長くとも交差側の車両信号が進行可能になるまでとするように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
前記横断歩道照明手段及び前記歩行者滞留スペース照明手段は、交差点内側から外側に向けて照明を行うように配置されている
ことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
横断歩道及び歩行者滞留スペースを照らす照明装置であって、
横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段と夜間検知手段と点灯制御手段とを具備し、
前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段は前記横断歩道及び歩行者滞留スペースを照明し、
前記夜間検知手段は夜間であることを検知し、
前記点灯制御手段は前記夜間検知手段が夜間であることを検知した場合に、前記横断歩道・歩行者滞留スペース照明手段を点灯させるように制御する
ことを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−72741(P2006−72741A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255790(P2004−255790)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
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