説明

照明装置

【課題】LEDの照明装置に用いられるレンズに色温度を調整する機能を持たせることにより、所望の色温度を持つ白色LEDを得る。
【解決手段】照明装置2は、筐体4と板状部材6から構成される。板状部材6の上面には、フレネルレンズ部8が形成され、板状部材6はオレンジ色に着色されて形成されている。また、筐体4の底部にはLED10が配置され、LED10の直上には蛍光体12が設けられている。LED10に電流が供給されることにより、LED10が発光し、LED10で発光した光は板状部材6を透過する。板状部材6を透過した光は色温度を調節されるため、所望の色温度を持つ照明装置2を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを用いた照明装置に関し、特にLEDの光をレンズを介して外部に透過させる照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、白色LED(発光ダイオード)を用いた照明装置が実用化されている。これは、青色LEDに黄色系の蛍光体を組み合わせることにより白色を発光させるものである。以下に示す特許文献1では、青色LEDと蛍光体により得られた光を光学レンズを用いて外部に放出する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−101023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
白色LEDは青色LEDを用いて構成されるものであるが、青色LEDの持つVF(順方向電圧)はすべてのLEDで一定ではないため、白色LEDの色温度には、ばらつきがあった。このため、製品化された白色LEDは、ランクという色温度の範囲を設定して販売されている。このように、白色LEDを用いた照明装置を設計する場合は、所定のランクの白色LEDを用いて設計するが、当該ランクに含まれる白色LEDであっても色温度にばらつきが生じていた。このため、白色LEDの色温度を厳密に管理することができず、ユーザーの希望する色温度を発色する照明装置を実現することは困難であった。現在のLEDパッケージメーカーでは、2650K以下の色温度の白色LEDを安定的に量産できないのが現状である。また、6500Kの白色を3000Kに色補正したり、3000Kの白色を2800Kに補正したりして、色温度を下げることにより、LEDの発熱による蛍光体の劣化が原因となり、照明装置の寿命が下がるという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、レンズに色温度を調整する機能を持たせることにより、所望の色温度を持つ白色LEDを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に係る発明は、一方に開放する断面コの字形状の筐体と、前記筐体の断面コの字形状の底面に固定されるLEDと、前記LEDの光を透過させる材料からなり、前記LEDの発光部に対向する位置でかつ、前記筐体の開放部を覆う位置に固定される板状部材と、から構成される照明装置において、前記板状部材は、前記LEDから発光された光の色温度を変化させ、かつ、前記LEDから発光された光を集光させることを特徴とする照明装置によって構成される。この構成によれば、LEDで発せられた光の色温度が板状部材によって変化させられるので、LEDの色温度のばらつきを板状部材によって低減させることができる。また、板状部材はレンズとしての効果と色温度を調整する効果の両方を有するため、照明装置をコンパクトに構成することができる。また、従来の照明装置では、LEDの直上に蛍光体を配置する構成であったが、本発明はLEDから一定の間隔をもって板状部材が配置されるため、従来のように蛍光体が劣化して色温度が変化してしまうという問題点を解消することができる。
【0006】
また、本発明は、前記板状部材は、所定の色に着色されることを特徴とする照明装置として構成することもできる。この構成によれば、板状部材が所定の色に着色されているため、LEDで発せられた光の色温度をレンズを通過する際に変化させることができる。板状部材の着色の色は、ユーザーが希望する色温度とLEDの発する光の色温度の双方に応じて設定されるものであり、例えば、板状部材は、オレンジ色や肌色に着色されるものである。
【0007】
また、本発明は、前記板状部材は、内部に蛍光体が混入されることを特徴とする照明装置として構成することもできる。この構成によれば、板状部材内に蛍光体が混入されているため、LEDで発せられた光の色温度を変化させることができる。板状部材内の蛍光体の混入のさせ方は、ユーザーが希望する色温度とLEDの発する光の色温度に応じて設定されるものであり、蛍光体の混入密度を大きくしたり、小さくすることにより、色温度を変化させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、板状部材に色温度を変化させる機能と光を集光する機能を備えたため、所望の色温度の光を発することのできる照明装置を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施するための第1の実施形態について図面とともに説明する。図1は、第1実施形態の照明装置2を説明するための図であり、図1(a)は照明装置2の全体構成を示す斜視図、図1(b)は照明装置2を上から見た図、図1(c)は図1(b)のc−c線における断面図である。
【0010】
図1(a)において、照明装置2は、LEDを内部に配置する筐体4と、筐体4の上部の開放部に固定される板状部材6より構成されている。筐体4は、略正方形の底部を有し、底部の各辺から延びる壁部より構成されており、4つの壁部の上端側は開放部となっている。板状部材6は、筐体4の開放部を塞ぐような状態で、筐体4に固定されている。板状部材6は樹脂で成形されるものであり、用いられる樹脂としてはアクリル、ポリカーボネイド、シリコン等が挙げられる。また、板状部材6は、筐体4の内部に配置されるLEDの光を外部に透過させることのできる材料より形成されるが、本実施形態の板状部材6は、LEDが発光する色温度を変化させることが可能なオレンジ色に着色されて形成されている。
【0011】
また、図1(b)および図1(c)に示すように、板状部材6の図中上側の面には、フレネルレンズ部8が形成されている。フレネルレンズ部8は、板状部材6の表面の形状を加工することにより形成されるものであり、例えば、板状部材6の表面側に熱を加えながらプレス成形を行なうことにより成形される。フレネルレンズ部8が、板状部材6の内部を透過してきた光を集光し、フレネルレンズ部8の形状に応じた方向に透過させるものである。なお、本実施形態のフレネルレンズ部8は、同心円状のレンズ部の集合により構成されており、レンズの部分は、板状部材6の上面のすべての領域にわたって形成されている。なお、上記フレネルレンズ部8は、レーザーによる削り出し成形で作成することもできる。
【0012】
また、図1(c)に示すように、発光素子であるLED10は、筐体4の底部に配置されるものである。LED10は図示しない電源より電流を供給され、所望の色の光を発光するものである。本実施形態では、照明装置2は白色の光を発光するものであり、LED10には青色LEDが用いられている。このLED10を上部から覆う位置には、蛍光体12が配置されている。蛍光体12は、青色を発光するLEDの光の色を白色に変化させるものであり、本実施形態では、蛍光体として黄色系の蛍光体が用いられている。なお、蛍光体の種類はこれに限られず、黄緑色系の色を蛍光体として用いることもできる。
【0013】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。照明装置2は、図示しない電源よりLED10に電流が供給されることにより、LED10が発光する。LED10で発せられた青色の光は、蛍光体12により白色の光となって板状部材6に入射する。本実施形態のLED10および蛍光体12では、約3000Kの色温度の白色を発光するものとされている。その後、白色の光は板状部材6内を透過し、フレネルレンズ部8によって集光され、所定の方向に向けて外部に放出されるが、オレンジ色に着色された板状部材6内を通過することにより、約3000Kで板状部材6に入射した白色の光は、約2200Kの白色の光となって板状部材6から外部に放出されるのである。その後、フレネルレンズ部8より放出された光は、照明装置2の光として利用される。
【0014】
したがって、本発明の第1の実施形態においては、板状部材6にオレンジ色の着色を施すことにより、LED10および蛍光体12が発光する光の色温度を変化させることができるため、LED10および蛍光体12の色温度のランク内の色温度のばらつきを低減することができる。同時に、板状部材6にフレネルレンズ部8が形成されているため、一枚の板状部材6によって、色温度の変化および光の集光の両方の機能を充足させることができ、照明装置2をコンパクトなものとすることができる。
【0015】
なお、本実施形態では、板状部材6をオレンジ色に着色したものを用いて説明したが、板状部材6の着色の状態は適宜変更することができるものである。例えば、板状部材6のオレンジ色の着色を薄くすることによって、約3000Kの白色を約2000K程度の色温度とすることができ、また、板状部材6のオレンジ色の着色を濃くすることにより、約3000Kの白色を約2700K程度の色温度とすることができる。また、板状部材6のオレンジ色を肌色に変更することにより、約6000Kの白色を約4000Kの色温度とすることができるのである。
【0016】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は第2の実施形態の照明装置14を説明するための図であり、図2(a)は照明装置14の全体構成を示す斜視図、図2(b)は照明装置14を上から見た図、図2(c)は図2(b)のc−c線における断面図である。
【0017】
図2(a)において、照明装置14は、LEDを内部に配置する筐体16と、筐体16の上部の開放部に固定される板状部材18より構成されている。筐体16は、長方形の底部を有し、底部の各辺から延びる壁部より構成されており、4つの壁部の上端側は開放部となっている。板状部材18は、筐体16の開放部を塞ぐような状態で、筐体16に固定されている。板状部材18は樹脂で成形されるものであり、用いられる樹脂としてはアクリル、ポリカーボネイド、シリコン等が挙げられる。また、板状部材18は、筐体16の内部に配置されるLEDの光を外部に透過させることのできる材料より形成されるが、本実施形態の板状部材18は、LEDが発光する色温度を変化させることが可能なオレンジ色に着色されて形成されている。
【0018】
また、図2(b)および図2(c)に示すように、板状部材18の図中上側の面には、フレネルレンズ部20が形成されている。フレネルレンズ部20は、板状部材18の表面の形状を加工することにより形成されるものであり、例えば、板状部材18の表面側に熱を加えながらプレス成形を行なうことにより成形される。フレネルレンズ部20が、板状部材18の内部を透過してきた光を集光し、フレネルレンズ部20の形状に応じた方向に透過させるものである。なお、本実施形態のフレネルレンズ部20は、同心円状のレンズ部の集合により構成されており、レンズの部分は、板状部材18の上面のすべての領域にわたって形成されている。また、本実施形態では、同心円状のフレネルレンズが横方向に5つ並べられることにより、フレネルレンズ部20を構成しているが、フレネルレンズの数や配置方向はこれに限られない。
【0019】
また、図2(c)に示すように、発光素子であるLED22は、筐体16の底部に配置されるものである。LED22は図示しない電源より電流を供給され、所望の色の光を発光するものである。本実施形態では、照明装置14は白色の光を発光するものであり、LED22には青色LEDが用いられている。このLED22を上部から覆う位置には、蛍光体24が配置されている。蛍光体24は、青色を発光するLEDの光の色を白色に変化させるものであり、本実施形態では、蛍光体として黄色系の蛍光体が用いられている。なお、蛍光体の種類はこれに限られず、黄緑色系の色を蛍光体として用いることもできる。また、本実施形態では、LED22および蛍光体24は、板状部材18に設けられた5つのフレネルレンズの位置に対応して、横方向に5つ等間隔に設けられている。
【0020】
次に、第2の実施形態の作用について説明する。照明装置14は、図示しない電源よりLED22に電流が供給されることにより、LED22が発光する。LED22で発せられた青色の光は、蛍光体24により白色の光となって板状部材18に入射する。本実施形態のLED22および蛍光体24では、約6000Kの色温度の白色を発光するものとされている。その後、白色の光は板状部材18内を透過し、フレネルレンズ部20によって集光され、所定の方向に向けて外部に放出されるが、オレンジ色に着色された板状部材18内を通過することにより、約6000Kで板状部材18に入射した白色の光は、約2200Kの白色の光となって板状部材18から外部に放出されるのである。その後、フレネルレンズ部20より放出された光は、照明装置14の光として利用される。
【0021】
したがって、本発明の第2の実施形態においては、板状部材18にオレンジ色の着色を施すことにより、LED22および蛍光体24が発光する光の色温度を変化させることができるため、LED22および蛍光体24の色温度のランク内の色温度のばらつきを低減することができる。同時に、板状部材18にフレネルレンズ部20が形成されているため、一枚の板状部材18によって、色温度の変化および光の集光の両方の機能を充足させることができ、照明装置14をコンパクトなものとすることができる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図3は第3の実施形態の照明装置14を説明するための図であり、図3(a)は照明装置26の全体構成を示す斜視図、図3(b)は照明装置26を上から見た図、図3(c)は図3(b)のc−c線における断面図である。
【0023】
図3(a)において、照明装置26は、LEDを内部に配置する筐体28と、筐体28の上部の開放部に固定される板状部材30より構成されている。筐体28は、長方形の底部を有し、底部の各辺から延びる壁部より構成されており、4つの壁部の上端側は開放部となっている。板状部材30は、筐体28の開放部を塞ぐような状態で、筐体28に固定されている。板状部材30は樹脂で成形されるものであり、用いられる樹脂としてはアクリル、ポリカーボネイド、シリコン等が挙げられる。また、板状部材30は、筐体28の内部に配置されるLEDの光を外部に透過させることのできる材料より形成されるが、本実施形態の板状部材30は、LEDが発光する色温度を変化させることが可能なオレンジ色に着色されて形成されている。
【0024】
また、図3(b)および図3(c)に示すように、板状部材30の図中上側の面には、フレネルレンズ部32が形成されている。フレネルレンズ部32は、板状部材30の表面の形状を加工することにより形成されるものであり、例えば、板状部材30の表面側に熱を加えながらプレス成形を行なうことにより成形される。フレネルレンズ部32が、板状部材30の内部を透過してきた光を集光し、フレネルレンズ部32の形状に応じた方向に透過させるものである。なお、本実施形態のフレネルレンズ部32は、同心円状のレンズ部の集合により構成されており、レンズの部分は、板状部材30の上面のすべての領域にわたって形成されている。また、本実施形態では、同心円状のフレネルレンズが周方向に3つ並べられることにより、フレネルレンズ部32を構成しているが、フレネルレンズの数はこれに限られない。
【0025】
また、図3(c)に示すように、発光素子であるLED34は、筐体28の底部に配置されるものである。LED34は図示しない電源より電流を供給され、所望の色の光を発光するものである。本実施形態では、照明装置26は白色の光を発光するものであり、LED34には青色LEDが用いられている。このLED34を上部から覆う位置には、蛍光体36が配置されている。蛍光体36は、青色を発光するLEDの光の色を白色に変化させるものであり、本実施形態では、蛍光体として黄色系の蛍光体が用いられている。なお、蛍光体の種類はこれに限られず、黄緑色系の色を蛍光体として用いることもできる。また、本実施形態では、LED34および蛍光体36は、板状部材30に設けられた5つのフレネルレンズの位置に対応して、周方向に3つ等間隔に設けられている。
【0026】
次に、第3の実施形態の作用について説明する。照明装置26は、図示しない電源よりLED34に電流が供給されることにより、LED34が発光する。LED34で発せられた青色の光は、蛍光体36により白色の光となって板状部材30に入射する。本実施形態のLED34および蛍光体36では、約6000Kの色温度の白色を発光するものとされている。その後、白色の光は板状部材30内を透過し、フレネルレンズ部32によって集光され、所定の方向に向けて外部に放出されるが、オレンジ色に着色された板状部材30内を通過することにより、約6000Kで板状部材30に入射した白色の光は、約2200Kの白色の光となって板状部材30から外部に放出されるのである。その後、フレネルレンズ部32より放出された光は、照明装置26の光として利用される。
【0027】
したがって、本発明の第3の実施形態においては、板状部材30にオレンジ色の着色を施すことにより、LED34および蛍光体36が発光する光の色温度を変化させることができるため、LED34および蛍光体36の色温度のランク内の色温度のばらつきを低減することができる。同時に、板状部材30にフレネルレンズ部32が形成されているため、一枚の板状部材30によって、色温度の変化および光の集光の両方の機能を充足させることができ、照明装置26をコンパクトなものとすることができる。
【0028】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図4は第4の実施形態の照明装置38を説明するための図であり、図4(a)は照明装置38の全体構成を示す斜視図、図4(b)は照明装置38を上から見た図、図4(c)は図4(b)のc−c線における断面図である。
【0029】
図4(a)において、照明装置38は、LEDを内部に配置する筐体40と、筐体40の上部の開放部に固定される板状部材42より構成されている。筐体40は、長方形の底部を有し、底部の各辺から延びる壁部より構成されており、4つの壁部の上端側は開放部となっている。板状部材42は、筐体30の開放部を塞ぐような状態で、筐体40に固定されている。板状部材42は樹脂で成形されるものであり、用いられる樹脂としてはアクリル、ポリカーボネイド、シリコン等が挙げられる。また、板状部材42は、筐体40の内部に配置されるLEDの光を外部に透過させることのできる材料より形成されるが、本実施形態の板状部材42は、LEDが発光する色温度を変化させることが蛍光体が内部に混入された樹脂より形成されている。板状部材42の内部に混入された蛍光体は、青色を発光するLEDの光の色を白色に変化させるものであり、本実施形態では、蛍光体として黄色系の蛍光体が用いられている。
【0030】
また、図4(b)および図4(c)に示すように、板状部材42の図中上側の面には、フレネルレンズ部44が形成されている。フレネルレンズ部44は、板状部材42の表面の形状を加工することにより形成されるものであり、例えば、板状部材42の表面側に熱を加えながらプレス成形を行なうことにより成形される。フレネルレンズ部44が、板状部材42の内部を透過してきた光を集光し、フレネルレンズ部44の形状に応じた方向に透過させるものである。なお、本実施形態のフレネルレンズ部44は、同心円状のレンズ部の集合により構成されており、レンズの部分は、板状部材42の上面のすべての領域にわたって形成されている。
【0031】
また、図4(c)に示すように、発光素子であるLED46は、筐体40の底部に配置されるものである。LED46は図示しない電源より電流を供給され、所望の色の光を発光するものである。本実施形態では、照明装置38は白色の光を発光するものであり、LED46には青色LEDが用いられている。なお、本実施形態のLED46を上部から覆う位置には、蛍光体は配置されていない。
【0032】
次に、第4の実施形態の作用について説明する。照明装置38は、図示しない電源よりLED46に電流が供給されることにより、LED46が発光する。LED46で発せられた青色の光は、板状部材42に入射する。本実施形態のLED46では、約420から480nmの波長領域の青色を発光するものとされている。その後、青色の光は板状部材42内を透過し、フレネルレンズ部44によって集光され、所定の方向に向けて外部に放出されるが、蛍光体が混入された板状部材42内を通過することにより、板状部材42に入射した青色の光は、約6000Kの白色の光となって板状部材42から外部に放出されるのである。その後、フレネルレンズ部44より放出された光は、照明装置38の光として利用される。
【0033】
したがって、本発明の第4の実施形態においては、板状部材42に蛍光体を混入させることにより、LED46が発光する青色の光を白色に変化させることができるため、LED46の青色のランク内のばらつきを低減することができる。同時に、板状部材42にフレネルレンズ部44が形成されているため、一枚の板状部材42によって、色の変化および光の集光の両方の機能を充足させることができ、照明装置38をコンパクトなものとすることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、板状部材42内に蛍光体を混入させたものを用いて説明したが、板状部材42内の黄色の蛍光体の混入の状態は適宜変更することができるものである。例えば、板状部材42内の黄色の蛍光体の混入度合いを大きくすることによって、青色を約4000K程度の色温度の白色とすることができ、また、板状部材42内の蛍光体の混入度合いを小さくすることによって、青色を約7000K程度の色温度の白色とすることができる。
【0035】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図5は第5の実施形態のLEDパッケージ48を説明するための図であり、図5(a)はLEDパッケージ48を上から見た図、図5(b)は、図5(a)のb−b線断面図である。図5において、LEDパッケージ48は、樹脂製の筐体50と筐体50の上面に固定される板状部材52より構成されている。また、板状部材52の上面には、フレネルレンズ部54が形成されており、さらに、板状部材52内には、蛍光体が混入されている。また、筐体50の底面には、青色の光を発光するLED56が配置されている。
【0036】
上述したように、本発明の第5の実施形態においては、板状部材42に蛍光体を混入させることにより、LED54が発光する青色の光を約6000Kの白色に変化させることができるため、LED54の青色のランク内のばらつきを低減することができる。同時に、板状部材52にフレネルレンズ部54が形成されているため、一枚の板状部材52によって、色の変化および光の集光の両方の機能を充足させることができ、LEDパッケージ48をコンパクトなものとすることができる。さらに、本実施形態では、LEDパッケージ48内に板状部材52を組み込むため、構造をさらにコンパクトなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明装置2の構成を示すための図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態の照明装置14の構成を示すための図である。
【図3】本発明に係る第3実施形態の照明装置26の構成を示すための図である。
【図4】本発明に係る第4実施形態の照明装置38の構成を示すための図である。
【図5】本発明に係る第5の実施形態のLEDパッケージ48の構成を示すための図である。
【符号の説明】
【0038】
2 照明装置
4 筐体
6 板状部材
8 フレネルレンズ部
10 LED
12 蛍光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に開放する断面コの字形状の筐体と、
前記筐体の断面コの字形状の底面に固定されるLEDと、
前記LEDの光を透過させる材料からなり、前記LEDの発光部に対向する位置でかつ、前記筐体の開放部を覆う位置に固定される板状部材と、
から構成される照明装置において、
前記板状部材は、前記LEDから発光された光の色温度を変化させ、かつ、前記LEDから発光された光を集光させることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記板状部材は、所定の色に着色されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記板状部材は、内部に蛍光体が混入されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−141038(P2009−141038A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314219(P2007−314219)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(507038881)株式会社ファーストシステム (7)
【Fターム(参考)】