説明

熱い脆性材料用の空気及び水搬送/冷却装置

【課題】ボイラにより生じる重灰、又は燃焼、焼成等の種々の工業プロセスにおいて生じる灰及びスラグのような熱い脆性材料用の空気及び水搬送/冷却装置を提供する。
【解決手段】ボイラ2又は焼却炉に接続された調整された金属容器1を主として備え、燃焼室を出た材料3は重力効果によりボイラ又は焼却炉から落下する。前記容器1の内部には金属コンベヤベルト4が配置され、その上に冷却されるべき熱い脆性材料3が置かれる。材料3の冷却は、金属容器1の内部に設置された噴射ノズル5のシステムを介して熱い脆性材料3に対して散布された霧状の水と一体化された、外部雰囲気から取り出された空気流の供給を通じて生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボイラにより生じる重灰、又は燃焼、焼成等の種々の工業プロセスにおいて生じる灰及びスラグのような熱い脆性材料用の空気及び水搬送/冷却装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
【課題を解決するための手段】
【0003】
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】真空動作される燃焼室2から生じる熱い脆性材料3用の本発明による搬送/冷却装置の模式的側面図である。
【図2】加圧動作される燃焼室7から生じる熱い脆性材料3用の本発明による搬送/冷却装置の模式的側面図である。
【図3】スロットを備えたベルトを有する本発明による搬送/冷却装置の模式的側面図である。
【図4】本発明による熱い脆性材料3の搬送/冷却装置の模式的平面図である。
【図5】金属容器1の小さい側面パネル16にある散布システムのノズル5の平面−立体配置の模式図である。
【図6】金属容器1の上蓋にある散布システムのノズル5の平面−立体配置の模式図である。
【図7】量制御のためにコンベヤベルト4に設置された重量計測システム8の詳細模式図である。
【図8】量制御のために金属容器1に設置された鉄製ストラップ15の詳細模式図である。
【図9】スロット6を備えた板を有する金属コンベヤベルト4の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の新規な特徴、目的及び利点は以下の説明から、また種々の図が示すいくつかの実施例に関する添付図面から非限定的に理解されるであろう。
【0006】
このことに関し、種々の図面における同じ参照番号は類似の、あるいは対応する部分を示すことを明確にしておく。
【0007】
本発明による搬送/冷却装置は詳細にはボイラ又は焼却炉2、7から生じる重灰及び他の燃焼副産物等の熱い脆性材料3の搬送に密封された金属容器1に挿入された鋼製金属ベルト4を有する駆動手段を用いる。
【0008】
熱い脆性材料3は重力効果によりボイラ又は焼却炉2、7を出、その下に金属コンベヤベルト4が置かれ、その上に材料3が落ちて排出領域9に向って移動する連続層を形成する。
【0009】
金属ベルト4から落下し、容器1の底に落ちた小さな粒子サイズの粉末状材料はチェーン又は金属ネットの付いた削ぎ落とし搬送手段10の使用により出口9に向って搬送される。
【0010】
熱交換表面を増すためにベルト上の灰の分布を最適化するようにコンベヤベルト4の速度は搬送される材料3量と個々の冷却の必要性の度合いに対して調整できる。
【0011】
800/900℃に近い温度で燃焼室から出た脆性材料3の冷却は空気流と容器1の内部で霧状にされると水ジェットとの共同供給により行われる。
【0012】
外部の空気は、搬送/冷却システムが真空動作されるボイラ2に接続されるときに燃焼室に生じる真空を用いることにより空気吸入口を通じて金属容器1に引き入れられる。燃焼が圧力7の下で生じるボイラ又は焼却炉の下流に搬送/冷却システムが設置される場合には、冷却空気は強制循環システムの助けを借りて金属容器1の内部に誘導される。
【0013】
空気流は空気吸入口12から入り、金属容器1を通過して、排出領域9に向って金属ベルト4により搬送される熱い材料3が進む流れに逆らって向けられる。
【0014】
冷却工程の効率を改善するために、コンベヤベルト4の金属板はスロット6を備え、それを通って冷却空気が移動連続層の底に到達し、材料3層の内部に流れる。そのようにして、金属容器1には更なる空気吸入口11が設けられ、その配置により前のものとは異なる更なる冷却流を発生するようになっている。
【0015】
吸入口11により吸引される第二の空気流に関し、その一部は排出領域9に向ってコンベヤベルト4の下の容器1の底を流れ、そこで空気吸入口12から来る第一の流れと混ざり、一方残りの部分はコンベヤベルト4の金属板に作られたスロット6を通って流れる。コンベヤベルトの上部と下部の間に存在する圧力差を利用することにより、空気は熱い材料3の移動連続層の厚さ全体を通過してその底及び内側の層を冷却する。
【0016】
コンベヤベルト4の板に作られるスロット6の寸法、数及び配置は搬送される材料3の化学的・物理的特徴と所望の冷却度の関数として、起こりえる漏れを防止するように定められる。
【0017】
吸入弁11から入る流れの二つの冷却部に対する使用空気の割合は排出領域9に近接する金属容器1の下部に置かれた調整機構13により測定し分けることができる。
【0018】
冷却空気の量は空気吸入口11、12と金属容器1内に達成される圧力差の関数であり、吸入弁の調整部材に作用することにより測定できる。
【0019】
空気は、金属ベルト4の前進走行と戻り走行の両方において、熱い材料3、輻射加熱された金属容器1の壁、金属ベルトとの空気の直接対流熱交換により、材料3が放出する熱を、また最後には搬送された材料3にある未燃焼物の起こり得る後燃焼による熱を吸収する。特定の場合、金属コンベヤベルト4が前進走行において熱い脆性材料3からの熱を吸収し、それを戻り走行中に冷却空気に放出することにより再生熱交換器として働くことを明確にしておくと好都合である。
【0020】
搬送/冷却装置がボイラ又は真空動作される焼却炉2に適用されるときは、このように加熱された空気は燃焼室に引き入れられ、それは主燃焼空気と混合され、そうして熱い材料3の冷却段階中に蓄積された熱エネルギーの一部を回収する。そうではなくてシステムが加圧動作される燃焼室7に適用されるときは、空気は揮発性物質を回収する適当なフィルタリングの後、直接大気に排出される。
【0021】
金属ベルト4により搬送される熱い材料3の温度を更に下げるために、空冷システムが水冷システムと一体化される。
【0022】
水冷システムは所定数のノズル5で作られ、これは空気のみの冷却能力が所望の熱削減を保証するほど十分でないときに作動される。排出領域9に向う前進走行中に金属ベルト4により搬送される熱い脆性材料3の上部に霧状ジェットが向けられるようにノズル5は配置される。
【0023】
霧状水を散布するシステムの一体化は搬送される材料3の熱交換を増加させ、従って、空気のみで行われる冷却と比較して金属容器1の水平寸法を小さくできる。
【0024】
散布システムはまた目的が搬送される材料3の温度の低下であるだけでなく、その材料の所定の湿潤化を達成することである用途においても使用できる。
【0025】
その中のノズル5の数、それらの金属容器1内部の平面−立体配置及び各単一ノズル5の種類は搬送される材料3の化学的・物理的特性、その材料の量及び所望の冷却度によって予め定められる。
【0026】
散布システムは、水と空気の成分の量を適当に測定し分けることにより冷却を最適化する必要性に対して水と空気を共に霧状にするように圧縮空気ネットワークに接続される。
【0027】
ノズル5の容量、介在シーケンス及び作動の持続時間は、金属容器1内部に設置された温度センサ14と、材料3の量の値とにより受信される信号のオンライン処理を通じて材料3の温度、その材料の量のレベルにより定められる。
【0028】
搬送される熱い脆性材料3の量の瞬間値は、コンベヤベルト4に直接接続された重量計測システム8を利用するか、搬送される材料3の層の高さの検出に適した金属容器1の上蓋にヒンジされた鉄製ストラップ15を用いるかして測定できる。
【0029】
特許請求の範囲により規定される保護範囲からはみ出ることなく、例示的に、しかし非限定的に述べられた発明の実施例に対し、機能上等価な他のものを用いて要素のいくつかの変形、調整、追加、変更及び交換を成し得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0030】
1 金属容器
2 ボイラ又は焼却炉
3 熱い脆性材料
4 コンベヤベルト
5 ノズル
6 スロット
7 ボイラ又は焼却炉
8 重量計測システム
9 排出領域
10 削ぎ落としコンベヤ
11 吸入口
12 吸入口
14 温度センサ
15 鉄製ストラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主としてボイラ又は焼却炉2、7に接続された密封された金属容器1を備える、ボイラ及び種々の工業プロセスにより発生する固体の熱い脆性材料3の搬送/冷却装置であって、金属コンベヤベルト4が配置され、その上で熱い脆性材料3が収集され、それが重力効果により燃焼室を出て材料の移動連続層を形成し、その冷却が霧状の水ジェット及び空気流の共同供給を通じて行われることを特徴とする搬送/冷却装置。
【請求項2】
前記コンベヤベルト4が、排出領域9に向って前進走行中に前記材料3から熱を吸収し、戻り走行においてそれを空気に放出する再生熱交換器から成ることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項3】
前記装置がボイラ又は焼却炉の下に設置でき、外部雰囲気に対して真空又は圧力の下に燃焼が生じることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項4】
装置が真空下で動作するときに前記熱い材料3から取られた熱エネルギーの回収を可能にし、前記材料3により放出された熱を用いて加熱された空気を前記ボイラ2の前記燃焼室に導入し、そうしてそれを主燃焼空気と混合することにより前記回収が行われることを特徴とする請求項3に記載の搬送/冷却装置。
【請求項5】
空気吸入口11、12から前記金属容器1への吸入空気量を、冷却を最適化するために調整できることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項6】
前記容器に付着し、排出領域に向って搬送される材料の粉末を前記容器1の底から削ぎ落とすために、チェーン又は金属ネットの付いた削ぎ落としコンベヤ10が設けられることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項7】
前記燃焼室2、7から生じる熱い脆性材料3の冷却を増すために、所定数のノズル5により構成される霧状の水を散布するシステムが用いられることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項8】
中にあるノズルの数5、前記金属容器1の内部のそれらの平面−立体配置及び各単一ノズル5のタイプが、搬送される材料3の化学的・物理的特性、その材料の量及び所望の冷却度により予め設定されることを特徴とする請求項7に記載の搬送/冷却装置。
【請求項9】
前記ノズル5の容量、介在シーケンス及び作動の持続時間が前記材料3の温度とその材料の量のレベルによって定められることを特徴とする請求項7又は8に記載の搬送/冷却装置。
【請求項10】
前記金属容器1の内部にいくつかの温度センサ14が設置され、その信号が霧状の水を散布するシステムの動作を調整するために用いられることを特徴とする請求項9に記載の搬送/冷却装置。
【請求項11】
前記ノズル5のスプレー角度が前記熱い材料3により形成される移動層の表面全体を覆うことを特徴とする請求項8に記載の搬送/冷却装置。
【請求項12】
水と空気の量を適切に測定し分けることにより冷却を最適化する必要性に対して前記二つの成分を共に霧状にするために前記霧状の水を散布するシステムのノズルが圧縮空気プラントに接続されることを特徴とする請求項7に記載の搬送/冷却装置。
【請求項13】
前記装置が、前記冷却手段(空気と水)の強度を調整するのに適した基準値の決定を可能にする前記金属ベルト4により搬送される前記熱い脆性材料3の量制御システムを備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項14】
搬送される前記熱い脆性材料3の前記量制御が前記コンベヤベルト4に直接接続される重量計測システム8を用いることにより行われることを特徴とする請求項13に記載の搬送/冷却装置。
【請求項15】
搬送される前記熱い脆性材料3の前記量制御が前記金属容器1の蓋にヒンジされた鉄製ストラップ15を用いることにより行われることを特徴とする請求項13に記載の搬送/冷却装置。
【請求項16】
前記金属ベルト4の上を移動する前記熱い脆性材料3により形成される連続層の層全体を通る冷却空気流の通過を可能にするために、前記金属コンベヤベルト4の板が適当なスロット6を備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送/冷却装置。
【請求項17】
前記金属コンベヤベルト4の板に作られた前記スロット6の寸法、数及び配置が、搬送される前記材料3が漏れて前記金属容器1の底に落下するのを防止するように搬送される前記材料3のタイプと量の関数として、また主として粒子サイズに対して定められることを特徴とする請求項16に記載の搬送/冷却装置。
【請求項18】
個々の冷却の必要性、あり得る未燃焼物の存在に対して前記金属ベルト4の前記板に作られた前記スロット6を通り抜ける冷却空気流の割合を調整できることを特徴とする請求項16に記載の搬送/冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−109191(P2009−109191A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35241(P2009−35241)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【分割の表示】特願2003−582469(P2003−582469)の分割
【原出願日】平成15年4月7日(2003.4.7)
【出願人】(504267769)マガルディ リチェルケ エ ブレヴェッティ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (3)
【Fターム(参考)】