説明

熱アシスト磁気記録用の積層型交換結合付着(LECA)媒体

【課題】HAMRデータ記憶システムにおいてスイッチングすることができる、高K材料を用いた記憶媒体の提供。
【解決手段】本発明による装置は、第1のキュリー温度を有する磁性材料の第1の層、及び第1の層に隣接して配置された磁性材料の第2の層をそれぞれが含む、互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含み、第2の層が第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、磁性材料の第2の層が第2のキュリー温度よりも高く加熱されると、第1の層の磁性粒子が不安定になる。高温で垂直方向に結合が分離された積層構造を用いることによってより小さいスイッチング体積が得られるため、記録温度が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ記憶媒体に関するものであり、より詳細には、熱アシスト磁気記憶システムに用いるための媒体に係るものである。
【背景技術】
【0002】
熱アシスト磁気記録(HAMR)は、熱エネルギーを利用して、磁気記憶媒体の磁性粒子の磁化反転に対するエネルギー障壁を低下させる。粒子の磁化方向の熱支援による反転を実現するためには、書き込み温度を、記憶媒体に用いられる材料のキュリー温度(T)にきわめて近いものにしなければならない。さらにTを、媒体の上部を被覆する潤滑剤の沸点(例えば650K)よりも低くしなければならない。
【0003】
磁性材料のTと磁気異方性(K)の間には、強い相関がある。一般に、Kが高い材料は高いTを有している。例えばFeNiPtなどの磁性材料の単結晶薄膜では、Tを下げるとKも著しく低下する。そうした物理的な事実のために、HAMRを用いて効率的に磁気記録の面密度を高めることは困難である。
【0004】
記憶媒体に記憶されるデータ・ビットは、記憶媒体の複数の磁性材料粒子の磁化方向によって表される。粒子の磁化方向は、書き込み動作時に記録ヘッドにより形成される磁界によって定められる。書き込み中に媒体がキュリー温度まで加熱されても、媒体粒子の磁化がゼロに近いため、記録ヘッドからの磁界と媒体粒子の磁化との相互作用によって与えられるゼーマン・エネルギーはきわめて小さい。結果として、媒体粒子には、所望される書き込みの磁化方向と相対する方向との間で大きい違いが現れない。したがって、記録されたビットを冷却すると、多くの粒子が望ましくない磁化方向に凍結される可能性がある。
【0005】
この問題に対処する1つの方法は、FePt/FeRhの2層構造体を有するデータ記憶媒体を使用することである。加熱すると、FeRh層の磁化を瞬時にゼロ(すなわち反強磁性状態)から1000emu/cm超に変化させることができる。FePt粒子がFeRh粒子の上部に配置される場合、軟磁性のFeRhはFePt粒子のスイッチング磁界を低下させる。しかし、FeRhとFePtはどちらも化学的には規則構造を有し、製造中に熱処理を必要とするため、いずれの薄膜も微細粒子の層にすることが困難である。さらに前述の2層設計では、上層を用いて熱安定性を高めていたが、不連続な下層は比較的大きい単位サイズを有し、それが熱の支援によるスイッチング効果を制限していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
HAMRデータ記憶システムにおいてスイッチングさせることができる、高K材料を用いた記憶媒体が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含む装置が提供され、各2層構造体は、第1のキュリー温度を有する磁性材料でできた第1の層、及び第1の層に隣接して配置された磁性材料でできた第2の層を有し、第2の層が第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、磁性材料でできた第2の層が第2のキュリー温度よりも高く加熱されると、第1の層の磁性粒子が不安定になる。
【0008】
この装置は、第1の層と第2の層との間に配置された交換結合制御層をさらに含むことができる。交換結合制御層は、約0nm〜約5nmの厚さを有することができる。
【0009】
第1の層の磁性粒子は、約1nm〜約10nmの直径を有することができ、第2の層の磁性粒子は、約1nm〜約1000nmの直径を有することができる。第1の層は、約2nm〜約30nmの厚さを有することができ、第2の層は、約0.5nm〜約30nmの厚さを有することができる。
【0010】
各2層体のうちの磁性材料でできた第1の層は、複層構造体にすることができる。
【0011】
各2層体の第1の層は、第1の粒子間交換結合を有する第1の複数の磁性材料粒子を含むことができ、各2層体の第2の層は、第2の粒子間交換結合を有する第2の複数の磁性材料粒子を含むことができ、第2の粒子間交換結合は、第1の粒子間交換結合よりも大きい。
【0012】
本発明の他の観点によれば、磁性材料でできた第3の層の両側に配置された磁性材料でできた第1の層及び第2の層を含む装置が提供され、第1の層及び第2の層が、第3の層のキュリー温度よりも高いキュリー温度を有し、磁性材料でできた第3の層がそのキュリー温度よりも高く加熱されると、第1の層及び第2の層の磁性粒子が不安定になる。
【0013】
この装置は、第1の層と第3の層との間に配置された交換結合制御層をさらに含むことができる。交換結合制御層は、約0nm〜約5nmの厚さを有することができる。
【0014】
本発明の他の観点によれば、磁性材料の第3の層の両側に配置された磁性材料でできた第1の層及び第2の層を含む装置が提供され、第1の層及び第2の層が、第3の層のキュリー温度よりも低いキュリー温度を有し、磁性材料の第1の層及び第2の層がそれらのキュリー温度よりも高く加熱されると、第3の層の磁性粒子が不安定になる。
【0015】
この装置は、第1の層と第3の層との間に配置された交換結合制御層をさらに含むことができる。交換結合制御層は、約0nm〜約5nmの厚さを有することができる。
【0016】
本発明の他の観点によれば、互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含む装置が提供され、各2層構造体が、第1のキュリー温度を有する磁性材料でできた第1の層、及び第1の層に隣接して配置された磁性材料でできた第2の層を含み、第2の層が第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、第1の層の磁性粒子が約1nm〜約10nmの直径を有し、第2の層の磁性粒子が約1nm〜約1000nmの直径を有する。
【0017】
本発明の他の観点によれば、互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含む装置が提供され、各2層構造体が、第1のキュリー温度を有する磁性材料でできた第1の層、及び第1の層に隣接して配置された磁性材料でできた第2の層を含み、第2の層が第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、磁気材料でできた第1の層及び第2の層が、室温では互いに磁気的に結合され、磁気材料でできた層のうちの1層がそのキュリー温度よりも高く加熱されると磁気的に結合が分離される。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一態様に従って構成された記憶媒体を利用できる、ディスク・ドライブ10の形態のデータ記憶装置の図である。ディスク・ドライブ10は、ディスク・ドライブの様々な構成要素を含むように大きさ及び構成が決められたハウジング12(この図では上側部分が取り除かれ、下側部分が見えるようになっている)を有している。ディスク・ドライブ10は、ハウジング内に、少なくとも1つの磁気記憶媒体16を回転させるためのスピンドル・モータ14を有している。ハウジング12内には少なくとも1つのアーム18が含まれ、アーム18はそれぞれ、記録ヘッド又はスライダ22を有する第1の端部20、及び軸受26によって軸上に旋回可能に取り付けられた第2の端部24を有している。アーム18を旋回させて、記録ヘッド22をディスク16の所望のセクタ又はトラック27上に位置決めするために、アームの第2の端部24にはアクチュエータ・モータ28が配置されている。アクチュエータ・モータ28は、この図には示されていないが、当分野でよく知られている制御装置によって調節される。
【0019】
熱アシスト磁気記録(HAMR)の場合、媒体の局所的な領域の温度を上昇させてその領域の磁化のスイッチングを容易にするために、電磁放射、例えば可視光、赤外光又は紫外光をデータ記憶媒体の表面に向ける。最近のHAMR記録ヘッドの設計は、スライダ上に、記憶媒体を局所的に加熱するために光を記憶媒体まで案内する薄膜の導波路を含んでいる。導波路内に光を発射するために、グレーティング・カプラを用いることができる。
【0020】
図1はディスク・ドライブを示しているが、本発明を、トランスデューサ及び記憶媒体を含み、記憶媒体を加熱して記憶媒体のビットのスイッチングを容易にする他の記憶装置に適用することも可能である。そうした他の記憶装置には、例えばプローブ型のデータ記憶装置を含むことができる。
【0021】
図2は、HAMR記録ヘッド22及び磁気記憶媒体16の概略的な側面図である。この実施例は、垂直磁気記録ヘッド及び垂直磁気記憶媒体を示しているが、本発明を、熱アシスト記録の使用が望ましい可能性がある他のタイプの記録ヘッド及び/又は記憶媒体と共に用いることも可能であることが理解されるであろう。
【0022】
図2の実施例では、ヘッド22は、主書き込み磁極30、及びヨーク又はペデスタル35によって磁気的に結合されたリターン磁極又は反対磁極32を備えた書き込み部を含んでいる。ヘッド22は、書き込み磁極30のみを有し、リターン磁極32又はヨーク35を伴わないように構成することも可能であることが理解されるであろう。ヘッド22を励磁するために、励磁コイル33がヨーク又はペデスタル35を囲んでいる。HAMRヘッド22は、図示されていないが、読み取り部を含むこともでき、それは、当分野で一般的に知られている従来型の任意の読み取りヘッドとすることができる。記憶媒体16は、記録ヘッド22に隣接して又はその下に配置される。ヘッドと媒体の間の相対的移動を、矢印62によって示す。
【0023】
図2に示すように、記録ヘッド22は、書き込み磁極30が記憶媒体16に書き込み磁界Hを印加する位置に近接させて、磁気記憶媒体16を加熱するための構造体を含むこともできる。媒体16は、基板38、ヒート・シンク層40、シード層41、磁気記録層42及び保護層43を含んでいる。コイル33内の電流によって生成される磁界Hを用いて、媒体の記録層のビット44の磁化方向を制御する。
【0024】
媒体を加熱するための構造体には、例えば符号50によって概略的に示した平面光導波路を含むことができる。導波路50は、例えば紫外光、赤外光又は可視光とすることができる電磁放射の供給源52からエネルギーを伝える。供給源52は、例えばレーザ・ダイオード、又は光ビーム54を導波路50に対して方向付けるための他の適切なレーザ光源とすることができる。光ビーム54を導波路50内に結合させるために、周知の様々な技術を用いることができる。例えば光源52は、光ファイバ及び外部の光学系と共に機能して、光ファイバからの光ビーム54を導波路上の回折格子に対して視準することができる。或いは、導波路50にレーザを取り付けてもよく、外部の光学系の構成を必要とせずに、光ビーム54を導波路50内に直接結合させることが可能である。光ビーム54が導波路50内に結合された後、光は導波路50を通り、記録ヘッド22の空気軸受面(ABS)に隣接して形成された導波路50の截頭端部56に向かって伝播する。媒体が記録ヘッドに対して矢印62によって示すように移動すると、光58は導波路の端部を出て、媒体の一部60を加熱する。
【0025】
図3は、本発明の一態様に従って構成された記憶媒体70の概略図である。この媒体は、積層型交換結合付着(LECA、Laminated Exchange Coupling Adhesion)媒体と呼ばれる。「付着」という語は、室温では各層が互いに磁気的に結合されるが、書き込み温度では、層の1つがそのキュリー温度よりも高く加熱されると、粒子間及び層間の結合が消失することを示している。記憶媒体70は、下層構造体74の上に複合薄膜の磁気記録層72を含んでいる。この実施例では、下層構造体は、基板76、軟磁性の下層として働くことができるヒート・シンク層78、及びヒート・シンク層上のシード層80を含んでいる。
【0026】
基板76は、セラミック・ガラス、非晶質ガラス、アルミニウム、又はNiPにより被覆されたAlMgなど、任意の適切な材料で製造することができる。ヒート・シンク層78は、約10nm〜約1000nmの厚さを有することができ、Cu、Ag、Al、Au、CuZr、CoFe、FeCoB、FeAlN、FeAlSi、NiFe、CoZrNb又はFeTaNなど、任意の適切な材料で製造することができる。ヒート・シンク層78は、複数の積層を含むこともできる。記録層の上に、保護層及び/又は潤滑層82を設けることができる。
【0027】
複合薄膜の磁気記録層は第1の層(又は下層)84を含み、この実施例において層84は、酸化物とすることができる結合分離材料88によって隔離された、磁性粒子86を有するグラニュラ(粒状)層である。磁性記録用の複合薄膜は、実質的に連続した層である第2の層(又は上層)90をさらに含んでいる。第2の層は、第1の層の粒子よりも大きい磁性粒子92を有することができる。層90の粒子92も、酸化物94によって隔離することができる。一実施例では、層84は約2nm〜約30nmの範囲の厚さを有することができ、層90は約0.5nm〜約30nmの範囲の厚さを有することができる。層84及び90は、第1の2層構造体を形成する。層90は、連続層でも不連続層でもよい。本明細書において使用されるとき、粒子隔離として使用される酸化物のドーピングが少ないほど、又は酸化物のドーピングがない場合には、連続層に含まれる磁性粒子の交換結合は強まり、粒子隔離として使用される酸化物のドーピングが多いほど、不連続層に含まれる磁性粒子の交換結合は弱まる。
【0028】
複合薄膜の磁気記録層は、層84と同様のものとすることができる追加の層96及び98、並びに層90と同様のものとすることができる層100及び102を含んでいる。この実施例では、層96は、酸化物とすることができる結合分離材料106によって隔離された磁性粒子104を有するグラニュラ層であり、層98は、酸化物とすることができる結合分離材料110によって隔離された磁性粒子108を有するグラニュラ層である。層100は、酸化物とすることができる結合分離材料114によって隔離された磁性粒子112を有するグラニュラ層とすることができ、層102は、酸化物とすることができる結合分離材料118によって隔離された磁性粒子116を有するグラニュラ層とすることができる。層96及び100は第2の2層構造体を形成し、層98及び102は第3の2層構造体を形成する。
【0029】
層84、94及び96は、層90、100及び102による磁気結合がない場合に、熱的に不安定になるグラニュラ構造を有する高K、高Tの層である。層90、100及び102は低T層であり、記録温度よりも低い温度で互いに連続的に交換結合される粒子を有している。層90、100及び102は交換結合層と呼ばれる。
【0030】
層間の交換結合の調整を可能にするために、各層の間に任意選択の交換結合制御層120、122、124、126及び128を設けることができる。任意選択の交換結合制御層の厚さは、第1の層と第2の層との間の交換結合の量を制御するように変更することができる。交換結合制御層は、約0nm〜約5nmの厚さを有することができ、例えばPt、Ir、Rh、Pd又はRuにより製造することができる。
【0031】
シード層は約1nm〜約50nmの厚さを有することができ、それを用いて、続いて被着される層の向き及び粒径などの特性を制御できる。例えばシード層は、層84の向きを制御するPtなどの面心立方材料、又は続いて被着される層の粒径を制御し、そのエピタキシャル成長を容易にするRuやRhなどの材料、或いはそれらの組み合わせとすることができる。シード層は、CoCr、CoCrRu、Ru、Pt、Pd、Rh、Ta、TiC、インジウム錫酸化物(ITO)、AlN、ZnO、又は他の金属酸化物などの材料の1つ又は複数の層により製造できる。保護層82は、ダイヤモンドライク炭素など任意の適切な材料により製造することができる。
【0032】
本発明の一態様によれば、様々なキュリー温度及び様々な粒子間交換結合を有する磁性材料層を含む、薄膜記録層を備えた複合HAMR記憶媒体が提供される。記憶媒体の記録層は、少なくとも2つの異なる機能(すなわち磁性)要素を含む。層84、96及び98の磁性成分は、例えばCoPt、CoXPt合金、CoX/Pt多層体、CoXPd合金、CoX/Pd多層体、FePt、FeYPt合金又はTbFeCoとすることができる(ただし、Xは、例えばCr、B、Ni、Taなどとすることができ、Yは、例えばCu、Ni、Co、B、Ag、Au、Mnなどとすることができる)。キュリー温度は材料に依存するため、異なる組成を用いることによって、各層を異なるキュリー温度を有するように構成することができる。粒径は、層84、96及び98では約1nm〜約10nm、層90、100及び102では約1nm〜約1000nmとすることができる。実際には粒子は円形ではないが、こうした粒径は粒子の直径にほぼ等しい面内寸法である。
【0033】
図3の実施例では、高K、高Tの層84、96及び98は、高い異方性及びより小さい粒子を有し、単独では記憶温度(又は室温(RT))において熱的に不安定である。一方、低T層90、100及び102は、同等の(又はより小さい)異方性を有するが、粒子間交換結合がずっと大きい粒子を有する。粒子間交換結合は、粒状磁性材料の磁気相互作用によって生じる磁気エネルギーである。各層において粒子は1つの面の中に配置され、面の厚さ全体にわたって延びている。磁気結合はきわめて短い範囲の相互作用であるため、相互作用のエネルギーは、層のミクロ構造、具体的には粒界の特性によって決まる。
【0034】
記録温度では、低T層(この実施例では層90、100及び102)がキュリー温度よりも高い温度まで加熱され、非磁性になる。したがって、記録温度での低T層による高T層の粒子間の結合は、記憶温度での結合よりも小さくなる。しかし記憶温度では、低T層による高T層の粒子間の粒子間交換結合が高まるため、多層媒体の熱安定性が高められる。
【0035】
高T、高Kの粒子は小さく(例えば5nm)、十分に結合が分離された粒状のミクロ構造を有するものとすることができる。実質的に連続する層(この実施例では層90、100及び102)は、高T層の上部にエピタキシャル成長させることが可能な低T磁性層であり、次の高T層をエピタキシャル成長させることもできる。
【0036】
一般に、Kが高い材料は高いTを有する。磁性材料のTと磁気異方性(K)の間の強い相関は、Co/Pt多層系においても観察される。したがって、高T層をCo/Ptなどの多層体で構成することが可能である。
【0037】
図4は、図3の媒体の層に使用することができる多層構造体130の側面図である。多層構造体130は、例えばCo/Pt層とすることができる複数の層132を含んでいる。層内の磁性粒子134は、酸化物136によって隔離されている。Co/Pt多層系では、Co層とPt層の相対的な厚さを変えることによって、Co/Pt多層構造体130のT及びKを変更することができる。
【0038】
個々の高T、高Kの粒子は、記録温度における書き込み時間内では熱的に不安定である。より低い温度では、こうした熱的に不安定な粒子が、隣接する低T層によって横方向及び垂直方向に互いに結合される。記録温度では(すなわち、Twrite>この低いT)では、交換付着層(すなわち低T層)が常磁性になるため、高T粒子は超常磁性になる。次いで、印加される書き込み磁界が記憶媒体の動的な飽和磁界よりも大きくなると、書き込み磁界に曝された磁性粒子の磁化方向は、印加された書き込み磁界と整列するようになる。
【0039】
一実施例では、高T層と低T層はどちらも、それぞれCo/Pt多層体を用いて構成することができる。そうしたCo/Pt多層体は、高T多層体のKが、T=1000Kで約1×10erg/cc、T=650Kで3×10erg/ccであるため、HAMR記憶媒体に適している。高K多層体の粒径が約6nm、厚さが約2〜3nmである場合、HAMRの書き込み温度において予想される書き込み時間内では、粒子は熱的に不安定になる。
【0040】
この媒体の設計の重要な利点は、書き込み温度が、高い方のTよりもずっと低いことである。したがって、高T層の磁気飽和(M)は依然としてきわめて高いままである。磁気のスイッチングの効果(すなわちゼーマン・エネルギー)は、Mがかろうじてゼロを上回るキュリー温度での書き込みの場合よりもかなり高くなる。
【0041】
図5は、本発明の一態様による磁性記録薄膜におけるスイッチングを示す概略図である。符号140は、3つの高T層144、146及び148、並びに3つの低T層150、152及び154を有する磁性記録薄膜142におけるあるビットを表している。高T層は複数の磁性粒子156を含んでいる。薄膜の温度は、初めは低T層のキュリー温度よりも低く、矢印158によって示すように、粒子156はすべて同じ磁化方向を有し、また低T層の磁化方向も、この場合には垂直方向に固定されている。
【0042】
符号160は、低T層のキュリー温度よりも高く加熱された磁性記録薄膜142のあるビットを表している。この温度では、低T層は常磁性であり、高T層の粒子は、もはや低T層によって磁気的に結合されない。したがって、粒子156の磁化方向は一様ではなくなる。
【0043】
一部の粒子の磁化を不適切な方向に凍結することなく、記録されたビットの実質的にすべての磁性粒子の磁化方向が、所望の方向にスイッチングすることが望ましい。符号162は、磁気記録ヘッドからの書き込み磁界とすることができる外部の磁界164に曝されたときの、磁性記録薄膜142のあるビットを表している。すべて(又は現実的な実施例では、実質的にすべて)の粒子156の磁化は、印加された磁界と整列する。次いで、薄膜を冷却することが可能であり、ビット166に示すように、すべて(又は実質的にすべて)の粒子156の磁化は、新しい方向に固定されたままになる。
【0044】
図6は、高T、高KのCo/Pt多層薄膜の保磁力Hと厚さのグラフである。層の厚さが12nmを超えると、Hは増加しなくなることに留意されたい。これは、直径が約6nmの円柱では、基本的な一貫性のあるスイッチング単位が約12nmの高さであることを示している。過去の試験結果の経験に基づいて、粒子の直径は約6nmであると推定することができる。
【0045】
層がCo/Pt多層体として構成される試験的な構造体として図3及び図4の構造体を用い、粒状の高K、高TのCo/Pt多層体の厚さを約24nmから約2nmまで減少させると、個々の粒子それぞれが熱的に不安定になるため、薄膜の静的なMOKEのHは著しく低下する。
【0046】
11.8nm及び2.9nmのサンプルのヒステリシス・ループを、それぞれ図7及び図8に示す。一実施例では、薄膜の全体構造は、ガラス基板\Ta 3nm\RuCr 10nm\Ru+ZrO 15nm\(Co/Pt)×16+Nb 20体積%\炭素保護膜である。Ta層及びRuCr層はシード層である。Ru+ZrO層は、より小さい粒子に対するテンプレートを形成する低Tの層の中間層である。図7に示す16回の繰り返しを有する多層体(すなわち、互いに隣接する16の2層体)は、11.8nmの厚さの媒体で使用することができ、図8に示す4回の繰り返しを有する多層体は、2.9nmの厚さの媒体で使用することができる。
【0047】
図9〜図12は、様々な記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線である。図7〜図13において、白抜き記号を用いた曲線はバックグラウンド補正なしのMOKEループであり、実線の曲線は、線形的なバックグラウンド補正後のMOKEループである。
【0048】
図7は、11.8nmの厚さを有する単一の高Kの粒状Co/Pt層のMOKEヒステリシス・ループを示している。図8は、2.9nmの厚さを有する単一の高Kの粒状Co/Pt構造体のMOKEヒステリシス・ループを示している。厚さ11.8nmの薄膜の粒子の結合が十分に分離されていることが理解できる。H−Hの値は6.8kOeである(Hは核形成磁界)。Mが600emu/ccであると考えられるサンプルの場合、これは7.2kOeの4πMの値に等しい。したがって、粒子間の交換結合はほとんど存在しない。サンプルが薄くなると、室温におけるMOKE測定の時間内で超常磁性になることも理解できる。ループは完全な残留磁気を保つことができない。またループは、高い保磁力を有してもいない。
【0049】
図3の構造体を有するLECA媒体の異なる4つの構成に対するヒステリシス曲線を、図9〜図12に示す。高K多層体は2.9nmに固定され、その場合、そうした多層体の個々の層は超常磁性になる。図9は、3.1nmの厚さの交換層を有するLECA媒体のMOKEヒステリシス・ループを示している。図10は、2.3nmの厚さの交換層を有するLECA媒体のMOKEヒステリシス・ループを示している。図11は、1.6nmの厚さの交換層を有するLECA媒体のMOKEヒステリシス・ループを示している。図12は、0.8nmの厚さの交換層を有するLECA媒体のMOKEヒステリシス・ループを示している。
【0050】
図13は、図9〜図12のLECA媒体における高T多層体と同じ厚さを有しているが、交換結合層のない高T多層体のMOKEヒステリシス・ループを示している。
【0051】
図9〜図13に示した実施例では、LECA媒体における交換結合の効果を明らかにするために、交換結合付着層の厚さを約3nmから約0nmまで低減させている。図7〜図13において理解できるように、交換層が薄くなるほど媒体のHは小さくなり、それは媒体全体の熱安定性が低くなることを示している。
【0052】
データ記憶媒体に使用するために、十分に結合が分離された粒状の高T層を製造することが可能である。多層構造体の一実施例では、粒子を(111)方向と判断される方向にエピタキシャル成長させることができる。
【0053】
一実施例では、高T層の厚さが3nmであると熱的に不安定である。しかし、厚さ3nmの3つの高T層が、図3に示した構成として低T層と共に積層されると、それらは熱的にきわめて安定になる。
【0054】
図14は、高T層の熱安定係数KV/kTとCo/Pt2層体の数を示している。4つの2層体は厚さ2.9nmに相当し、16の2層体は厚さ11.8nmに相当するが、N=4では、KV/kT(300K)は約20であり、これは600Kよりも高く加熱されると、熱安定係数が10未満になることを意味している。これによって、高T層の異方性磁界のわずかな部分(例えば1/4〜1/10)で粒子をスイッチングすることが可能であり、スイッチング周波数fは30GHz、書き込み速度は1nsと考えられる。
【0055】
図15は、繰り返される2層体の数(N)が10未満になると(すなわちN<10)、動的保磁力Hが低下し始めることを示している。これは、室温でも短時間の間、低いK/kT比が有効であることを意味している。
【0056】
積層型交換結合付着(LECA)媒体に対するMFM像は、媒体の組成(すなわち、低T、高T及び酸化物)を変更することによって、交流消去状態の領域(例えば磁気クラスタ)の大きさが変わることを示しており、これは有効な結合の変化に起因する。
【0057】
多層体内に酸化物がない場合、薄膜はきわめて強く交換結合された状態になる。定性的に述べると、酸化物を有する高T多層体は最小のスイッチング単位を有し、酸化物を有する低Tはより大きいスイッチング単位を有する。すなわち、LECAのスイッチングのクラスタ・サイズは、低T酸化物媒体のスイッチングのクラスタ・サイズよりも小さいか、又はそれに等しい。これは室温における場合であり、書き込み温度の場合には、結合された低T媒体はTよりも高く加熱されて非磁性となり、粒子間交換結合を弱めるため、必ずしも該当しない。
【0058】
一態様において本発明は、磁気材料系のKポテンシャルを完全に利用するHAMR媒体を提供する。HAMRによって、それを磁性材料のTよりも低い、潤滑剤に都合のよい温度でスイッチングすることができる。
【0059】
その設計の他の利点は、高K粒子が、書き込み温度でかなり高い磁気モーメントを有することである。結果として、磁気書き込み装置は、モーメントがゼロに近いTでの書き込みと比べると、ずっと強い力を加えて粒子をスイッチングすることが可能になる。
【0060】
一実施例において本発明は、低T層を有する第2の磁性層に隣接して配置された高T、高Kの層を有する第1の磁性層をそれぞれが含む、複数の2層体を有する記憶媒体を提供する。そうした構造体は、第1の層の高K粒子のTよりも低い熱磁気的な書き込みに対して敏感である。第1の層の磁性粒子が第2の層によって互いに磁気的に結合されるため、媒体を加熱する前、第1の層の磁性粒子の磁化方向は安定である。第2の層がそのキュリー温度よりも高く加熱されると、第2の層は常磁性状態に変化する。これによって、高K層の粒子間の交換結合が弱められ、それらの粒子は超常磁性になる。その結果、印加された磁界によって、超常磁性の高K粒子の磁化方向が反転する。
【0061】
他の態様において本発明は、低T材料の層の両側に配置された、少なくとも2つの高T、高Kの材料の層を含むデータ記憶媒体を提供する。例えば図3では、高T、高Kの層84及び96が、低T材料の層90の両側に配置されている。
【0062】
他の態様において本発明は、低T材料の2つの層の間に配置された高T、高Kの材料の層を含むデータ記憶媒体を提供する。例えば図3では、高T、高Kの層96が、低T材料の層90及び100の間に配置されている。
【0063】
本発明の媒体は、高K材料のキュリー温度よりも低い温度での媒体への書き込みを可能にするために、高K材料に対する温度効果を利用する。その設計の他の利点は、高K粒子が、書き込み温度においてかなり高い磁気モーメントを有することである。結果として、磁気書き込み装置は、モーメントがゼロに近いキュリー温度付近の温度での書き込みと比べると、ずっと強い力を加えて粒子をスイッチングすることが可能になる。
【0064】
一態様において本発明の装置は、他の層から垂直方向に交換結合が分離される、小さい磁気単位の熱活性化されたスイッチングを使用する。本発明は、2層構造体、及び高T材料の2つの層の間に低T材料の層を含む、或いは低T材料の2つの層の間に高T材料の層を含む3層構造体を含む他の多層構造体を包含する。小さい磁気単位を用いることによって、熱の支援によるスイッチングの効果が高められる。データ記憶媒体に用いると、高温で垂直方向に結合が分離された積層構造を用いることによってより小さいスイッチング体積が得られるため、記録温度が低減される。
【0065】
本発明をいくつかの実施例について説明してきたが、特許請求の範囲で述べる本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施例に様々な変更を加えることが可能であることが、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一態様による磁気記録薄膜を有するデータ記憶媒体を含むことができる、ディスク・ドライブ記憶システムの形のデータ記憶装置の図。
【図2】熱アシスト磁気記録ヘッド、及び隣接するデータ記憶媒体の概略図。
【図3】本発明の一態様による磁気記録薄膜を含む記憶媒体の概略的な断面図。
【図4】図3の記憶媒体の層の側面図。
【図5】本発明の一態様による磁気記録薄膜におけるスイッチングを示す概略図。
【図6】保磁力と厚さのグラフ。
【図7】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図8】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図9】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図10】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図11】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図12】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図13】記憶媒体の磁気特性を示すヒステリシス曲線。
【図14】記憶媒体におけるKV/kTと2層体の数のグラフ。
【図15】記憶媒体におけるHと記憶媒体の2層体の数のグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含む装置において、各2層構造体が、第1のキュリー温度を有する磁性材料でできた第1の層、及び前記第1の層に隣接して配置された磁性材料でできた第2の層を含み、前記第2の層が前記第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、磁性材料でできた前記第2の層が前記第2のキュリー温度よりも高く加熱されると、前記第1の層の磁性粒子が不安定になる、装置。
【請求項2】
前記第1の層と前記第2の層との間に配置された交換結合制御層をさらに含む請求項1に記載された装置。
【請求項3】
前記交換結合制御層が約0nm〜約5nmの厚さを有する請求項2に記載された装置。
【請求項4】
前記第1の層の磁性粒子が約1nm〜約10nmの直径を有し、前記第2の層の磁性粒子が約1nm〜約1000nmの直径を有する請求項1に記載された装置。
【請求項5】
前記第1の層が約2nm〜約30nmの厚さを有し、前記第2の層が約0.5nm〜約30nmの厚さを有する請求項1に記載された装置。
【請求項6】
前記各2層構造体の磁性材料でできた前記第1の層が、複層構造体を含む請求項1に記載された装置。
【請求項7】
前記各2層構造体の前記第1の層が、第1の粒子間交換結合を有する第1の複数の磁性材料粒子を含み、
前記各2層構造体の前記第2の層が、第2の粒子間交換結合を有する第2の複数の磁性材料粒子を含み、前記第2の粒子間交換結合が、前記第1の粒子間交換結合よりも大きい請求項1に記載された装置。
【請求項8】
前記各2層構造体において、前記第1の層の磁性粒子が前記第2の層の磁性粒子よりも小さく、前記第1の層及び前記第2の層が互いに交換結合される請求項1に記載された装置。
【請求項9】
前記各2層構造体において、前記第1の層の磁気異方性が前記第2の層の磁気異方性よりも大きい請求項1に記載された装置。
【請求項10】
前記各2層構造体において、前記第1の層が磁性粒子間に結合分離材料を含む請求項1に記載された装置。
【請求項11】
前記結合分離材料が酸化物を含む請求項10に記載された装置。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に被着されるシード層とを更に含み、
前記複数の2層構造体のうちの1つの2層構造体の前記第1の層が前記シード層上に配置される請求項1に記載された装置。
【請求項13】
前記第1の層が、CoPt、CoXPt合金、CoX/Pt多層体、CoXPd合金、CoX/Pd多層体、FePt、FeYPt合金又はTbFeCoの1つ又は複数を含み、ここで、Xは、Cr、B、Ni及びTaの1つ又は複数を含み、Yは、Cu、Ni、Co、B、Ag、Au及びMnの1つ又は複数を含む、請求項1に記載された装置。
【請求項14】
磁性材料でできた第3の層の両側に配置された磁性材料でできた第1の層及び第2の層を含む装置において、前記第1の層及び前記第2の層が前記第3の層のキュリー温度よりも高いキュリー温度を有し、磁性材料でできた前記第3の層が、前記第3の層のキュリー温度よりも高く加熱されると、前記第1の層及び前記第2の層の磁性粒子が不安定になる、装置。
【請求項15】
前記第1の層と前記第3の層との間に配置された交換結合制御層をさらに含む請求項14に記載された装置。
【請求項16】
前記交換結合制御層が約0nm〜約5nmの厚さを有する請求項15に記載された装置。
【請求項17】
前記第1の層及び前記第2の層の磁性粒子が約1nm〜約10nmの直径を有し、前記第3の層の磁性粒子が約1nm〜約1000nmの直径を有する請求項14に記載された装置。
【請求項18】
磁性材料でできた第3の層の両側に配置された磁性材料でできた第1の層及び第2の層を含む装置において、前記第1の層及び前記第2の層が前記第3の層のキュリー温度よりも低いキュリー温度を有し、磁性材料でできた前記第1の層及び前記第2の層が、前記第1の層及び前記第2の層のキュリー温度よりも高く加熱されると、前記第3の層の磁性粒子が不安定になる、装置。
【請求項19】
前記第1の層と前記第3の層との間に配置された交換結合制御層をさらに含む請求項18に記載された装置。
【請求項20】
前記交換結合制御層が約0nm〜約5nmの厚さを有する請求項19に記載された装置。
【請求項21】
互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含む装置において、各2層構造体が、第1のキュリー温度を有する磁性材料でできた第1の層、及び前記第1の層に隣接して配置された磁性材料でできた第2の層を含み、前記第2の層が前記第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、前記第1の層の磁性粒子が約1nm〜約10nmの直径を有し、前記第2の層の磁性粒子が約1nm〜約1000nmの直径を有する、装置。
【請求項22】
互いに隣接して配置された複数の2層構造体を含む装置において、各2層構造体が、第1のキュリー温度を有する磁性材料でできた第1の層、及び前記第1の層に隣接して配置された磁性材料でできた第2の層を含み、前記第2の層が前記第1のキュリー温度よりも低い第2のキュリー温度を有し、磁気材料でできた前記第1の層及び前記第2の層が、室温では互いに磁気的に結合され、磁気材料でできた前記第1の層及び前記第2の層のうちの1つの層が、該1つの層のキュリー温度よりも高く加熱されると、磁気的に結合が分離される、装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−59461(P2009−59461A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−203942(P2008−203942)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】