熱交換器とその製造方法、空調機、及び情報処理システム
【課題】熱交換器とその製造方法、空調機、及び情報処理システムにおいて、熱交換器の熱交換効率を高めること。
【解決手段】冷媒配管31と、冷媒配管31に間隔をおいて取り付けられ、空気流Aに曝される複数の第1のフィン32と、隣接する第1のフィン32の間における冷媒配管31に取り付けられ、空気流Aに沿った方向D2を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィン33とを有する熱交換器12による。
【解決手段】冷媒配管31と、冷媒配管31に間隔をおいて取り付けられ、空気流Aに曝される複数の第1のフィン32と、隣接する第1のフィン32の間における冷媒配管31に取り付けられ、空気流Aに沿った方向D2を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィン33とを有する熱交換器12による。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器とその製造方法、空調機、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術の発達に伴い、データセンタ内で扱われるデータ量が増大し、これに伴いデータセンタ内のサーバラックにより多くの計算機が搭載されるようになりつつある。その結果、データセンタ内に設置された空調機では、全ての計算機で消費する電力の総和に匹敵するほど大きな電力を消費しているといわれる。
【0003】
その空調機においては、データセンタ内で温められた空気を冷却水との熱交換で冷却するための熱交換器が設けられる。空調機の消費電力を削減するには、その熱交換器における熱交換効率を向上させるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−313176号公報
【特許文献2】特開昭60−120191号公報
【特許文献3】実開平3−70599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱交換器とその製造方法、空調機、及び情報処理システムにおいて、熱交換器の熱交換効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の開示の一観点によれば、冷媒配管と、前記冷媒配管に間隔をおいて取り付けられ、空気流に曝される複数の第1のフィンと、隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンと有する熱交換器が提供される。
【0007】
また、その開示の他の観点によれば、金属板に穴あけ加工を施すことにより、該金属板の主面から突出した管部を形成する工程と、前記金属板を捩ることにより、捩り形状が付与されたフィンを作製する工程と、前記管部に冷媒配管を挿通する工程と、前記冷媒配管内に大気圧よりも高い圧力の空気を供給することにより該冷媒配管を拡張させて、前記管部の内面と前記冷媒配管の外周側面とを圧着する工程とを有する熱交換器の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以下の開示によれば、捩られた第2のフィンによって空気流を乱すと同時に、第1と第2のフィンを合わせた表面積を増やすことができるので、熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る熱交換器の一部分解斜視図である。
【図3】図3は、空気流の上流側から見た第1実施形態に係る熱交換器の拡大断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態において、第1のフィンと第2のフィンの総表面積によって熱交換器の圧力損失がどのように変化するのかをシミュレーションして得られたグラフである。
【図5】図5(a)は、第1実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その1)であり、図5(b)は図5(a)のI−I線に沿う断面図である。
【図6】図6(a)は、第1実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その2)であり、図6(b)はその側面図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中の斜視図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中の側面図(その1)である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中の側面図(その2)である。
【図10】図10は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中における冷媒配管とその周囲の拡大断面図である。
【図11】図11(a)は、第2実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その1)であり、図11(b)は図11(a)のII−II線に沿う断面図である。
【図12】図12(a)は、第2実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その2)であり、図12(b)はその側面図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る熱交換器の一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、添付図面を参照しながら各実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【0012】
この情報処理システム1は、インターネットデータセンタ(IDC)等のデータセンタ17で使用されるものであって、空調機10とサーバラック20とを有する。
【0013】
このうち、空調機10は、熱交換器12と、筐体13と、ファンユニット24とを備える。熱交換器12とファンユニット14は、いずれも筐体13に収められており、データセンタ17内の空気を冷却するのに使用される。
【0014】
熱交換器12には往水ライン23と還水ライン24とが接続される。往水ライン23と還水ライン24はチラー22に接続されており、チラー22で生成された冷却水が往水ライン23を介して熱交換器12に供給される。そして、熱交換器12で温められた冷却水は、還水ライン24を通ってチラー22に戻り、当該チラー22において冷却される。
【0015】
また、ファンユニット14は、空気流Aを生成するための複数のファン15を有する。
【0016】
その空気流Aは、データセンタ17内に区画されたコールドアイル19を通ってサーバラック20に供給される。
【0017】
サーバラック20は、データセンタ17内に区画された機器設置エリア18に設けられており、情報処理を行うためのサーバ等の複数の計算機21を備える。なお、計算機21は、情報処理機器の一例である。
【0018】
各計算機21にはCPU(Central Processing Unit)等の不図示の発熱部品が設けられるが、その発熱部品は、各計算機21の吸気面21aから取り込まれた空気流Aによって冷却される。そして、発熱部品によって温められた空気流Aは、各計算機21の排気面21b側からデータセンタ17内に排気された後、空調機10において再び冷却される。
【0019】
図2は、熱交換器12の一部分解斜視図である。
【0020】
図2に示すように、熱交換器12は、冷媒配管31、第1のフィン32、及び第2のフィン33をそれぞれ複数有する。
【0021】
このうち、第1のフィン32は、冷却対象の空気流Aに曝される平板状の金属板であって、冷媒配管31に機械的に取り付けられる。第1のフィン32の材料は特に限定されないが、空気流Aとの間で熱交換を効率的に行うために、アルミニウムや銅等の熱伝導率の良い金属を材料とする金属板を第1のフィン32として使用するのが好ましい。
【0022】
そして、このような第1のフィン32が冷媒配管31の延在方向D1に沿って間隔をおいて複数設けられ、隣接する第1のフィン32の間に空気流Aの流路が画定される。
【0023】
なお、冷媒配管31の延在方向D1は、空気流Aに沿った方向D2に直交する。このようなタイプの熱交換器は直交流型気液熱交換器とも呼ばれる。
【0024】
また、本実施形態では、隣接する第1のフィン32同士の間隔P1を約3mmとする。
【0025】
そして、水平方向に隣接する冷媒配管31同士の間隔P2は約40mmであり、鉛直方向に隣接する冷媒配管31同士の間隔P3は約30mmである。
【0026】
その冷媒配管31には前述の往水ライン23を流れる冷却水が供給され、これにより第1のフィン32と第2のフィン33が冷却される。冷媒配管31の材料は特に限定されないが、第1のフィン32と同様に、銅やアルミニウム等の金属を材料とする金属管を冷媒配管31として使用するのが好ましい。
【0027】
一方、第2のフィン33は、隣接する第1のフィン32の間における冷媒配管31に取り付けられ、空気流Aの流路に沿う方向D2を中心軸にして捩れている。なお、第2のフィン33の材料としては、前述の銅やアルミニウム等の金属を採用し得る。
【0028】
また、前述の方向D1と方向D2のいずれにも直交する方向D3に沿って隣接する第2のフィン33は、前述の間隔P3と同程度の間隔で隔てられており、第2のフィン33が過度に密集するのが防止される。
【0029】
第2のフィン33が無い場合には空気流Aは第1のフィン32に沿った層流となり、空気流Aが乱されないため熱交換器12の熱交換率が低下するが、前述のように第2のフィン33を捩ることで空気流Aが適度に乱され、熱交換率が向上する。更に、このように第2のフィン33を捩ることによって、第1のフィン32と第2のフィン33とを合わせた表面積が増加し、これによっても熱交換率が向上する。
【0030】
特に、空気流Aの流路に沿う方向D2を中心軸にして第2のフィン33を捩ることで、方向D2に空気流Aが流れるのを阻害せずに空気流Aに適度な回転運動を与えることができ、空気流Aの通りやすさを確保しつつ熱交換器12の熱交換効率を高めることができる。
【0031】
また、第2のフィン33を過度に密集させないことによっても、空気流Aの通りやすさを確保することができる。
【0032】
更に、第2のフィン33の捩り形状は、後述のように金属板を捩るだけで容易に得られるので、空気流Aを乱すための他の形状と比較して、第2のフィン33を簡単に作製することが可能となる。
【0033】
図3は、空気流Aの上流側から見た熱交換器12の拡大断面図である。
【0034】
前述のように、方向D3に沿って隣接する第2のフィン33は互いに隔てられているため、第1のフィン32の間には隙間Cができる。
【0035】
このように隙間Cを設けることで、第2のフィン33が原因で熱交換器12に空気流Aが通り難くなるのを抑制して、熱交換器12の圧力損失が必要以上に上昇するのを防止できる。なお、圧力損失とは、熱交換機12に入る直前の空気流Aの圧力と、熱交換機12を出た直後の空気流Aの圧力との差を言い、熱交換器12内における空気の通り易さの目安となる。
【0036】
圧力損失が上昇すると熱交換器12に空気流Aが通り難くなるためファン15(図1参照)の回転数を高める必要があるが、本実施形態では圧力損失の上昇を防止できるのでファン15の回転数の上昇を抑制し、ファン15の消費電力が増大するのを防止できる。
【0037】
なお、圧力損失は、熱交換器12の開口率に依存するが、本実施形態では開口率と第1のフィン32及び第2のフィン33の総表面積とが比例するため、圧力損失は当該表面積に依存する。
【0038】
図4は、その総表面積によって圧力損失がどのように変化するのかをシミュレーションして得られたグラフである。
【0039】
このグラフの横軸は、第2のフィン32を設けない場合の総表面積を基準にしたときの当該総表面積の増加率を示す。
【0040】
図4から明らかなように、圧力損失は、総表面積の増加率が大きくなるにつれて高くなる。
【0041】
前述のように、圧力損失の上昇はファン15における消費電力の増大を招く。よって、第2のフィン33の表面積は、仕様により要求される熱交換効率が得られる最低限の大きさにするのが好ましい。
【0042】
図2に示した熱交換器12では、熱交換器12に入る直前の空気流Aの流速が3m/sのとき圧力損失は約40Paとなった。同じ流速で第2のフィン33が無い場合の圧力損失は約30Paであったため、本実施形態では第2のフィン33が無い場合よりも圧力損失が約1.1倍程度上昇するが、この程度であればファン15の消費電力は問題ない。
【0043】
次に、前述の第2のフィン33を備えた熱交換器12の製造方法について説明する。
【0044】
図5(a)は、第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図5(b)は図5(a)のI−I線に沿う断面図である。
【0045】
まず、図5(a)、(b)に示すように、平面形状が短冊状のアルミニウム板33aを用意する。なお、アルミニウム板33aに代えて銅板等の他の金属板を用いてもよい。
【0046】
そして、そのアルミニウム板33aに穴あけ加工と絞り加工とを施すことにより、アルミニウム板33aの主面33xから突出した管部33bを形成する。その管部33bの内面は、冷媒配管31(図2参照)が挿通される開口を画定する。
【0047】
なお、主面33xから測った管部33bの高さHが高すぎると、管部33bが邪魔で隣接する第1のフィン32同士の間隔p1(図2参照)を狭くすることができない。そのため、高さHは間隔p1の半分程度、例えば1.5mm程度とするのが好ましい。
【0048】
次に、図6(a)、(b)に示す工程について説明する。図6(a)は、第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図6(b)はその側面図である。
【0049】
本工程では、機械加工によって前述のアルミニウム板33aを二回捩ることにより、捩り形状が付与された第2のフィン33の基本構造を完成させる。
【0050】
このように製造された第2のフィン33は、冷媒配管31に取り付けられる取付部33cと、当該取付部33cの両側において捩り形状が付与されたフィン部33dとを有する。
【0051】
次に、図7の斜視図に示すように、複数の孔32aが形成された第1のフィン32を用意すると共に、その孔32aと第2のフィン33の管部33bの各々に冷媒配管31を挿通し、第1のフィン32と第2のフィン33とを交互に積み重ねる。
【0052】
冷媒配管31の外径は特に限定されないが、本実施形態ではその外径を約10mmとする。この場合、孔32aと管部33bの各々の内径は、冷媒配管31が挿通できるように約10.3mm程度とすればよい。
【0053】
また、第1のフィン32の平面形状は、一辺の長さが約1.5m〜2m程度の矩形状である。
【0054】
続いて、図8の側面図に示すように、複数の冷媒配管31を接続するためのR管37を用意する。なお、R管に代えて、R管の両端に直管部を設けてなるU字管を用いてもよい。
【0055】
次いで、図9の側面図に示すように、複数のR管37の各々に冷媒配管31を挿入した状態で、R管37と冷媒配管31とをロウ付けにより接続する。
【0056】
その後、冷媒配管31内に大気圧よりも高い圧力の空気を供給することにより冷媒配管31を拡張させる。
【0057】
図10は、拡張した冷媒配管31とその周囲の拡大断面図である。
【0058】
このように冷媒配管31を拡張させることで、第2のフィン33の管部33bの内面33yが冷媒配管31の外周側面に圧着し、第2のフィン33が冷媒配管31に機械的に固定される。
【0059】
特に、管部33bの内面33yは、面接触の状態で冷媒配管31の外周側面に圧着するので、管部33bを設けない場合と比較して機械的に強固に冷媒配管31に第2のフィン33を取り付けることができる。
【0060】
同様に、第1のフィン32の孔32aも冷媒配管31の外周側面に圧着するため、第1のフィン32も冷媒配管31に機械的に固定されることになる。
【0061】
以上により、本実施形態に係る熱交換器12の基本構造が完成する。
【0062】
上記した本実施形態によれば、図2に示したように、平板状の第1のフィン32だけでなく第2のフィン33を設けることで、第2のフィン33と空気流Aとの間でも熱交換が行われ、熱交換器12の熱交換効率が高められる。
【0063】
特に、空気流Aの流路に沿う方向D2を中心軸にして第2のフィン33を捩ることにより、第2のフィン33の表面に沿って空気流Aを回転させて熱交換機12における圧力損失の過度な上昇を防止し、ファン15(図1参照)の消費電力が増加するのを抑制できる。
【0064】
これにより、本実施形態では、熱交換器12の熱交換率の向上と空調機の10の消費電力の抑制との両立を図ることが可能となる。
【0065】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と比較して、一つの第2のフィン33により多くの捩り形状を付与する。
【0066】
以下に、そのような第2のフィン33を備えた熱交換器について図11〜図13を参照しつつその製造工程を追いながら説明する。なお、図11〜図13において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0067】
図11(a)は、本実施形態に係る第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図11(b)は図11(a)のII−II線に沿う断面図である。
【0068】
まず、図11(a)、(b)に示すようなアルミニウム板33eを用意する。そのアルミニウム板33eの平面形状は、本実施形態で作製される第2のフィン33の展開形状に相当するものであり、複数の短冊部33fを備えた閉図形である。
【0069】
そして、そのアルミニウム板33eに穴あけ加工と絞り加工とを施すことにより、アルミニウム板33eの主面33xから約1.5mm程度の高さHだけ突出した管部33bを形成する。
【0070】
なお、アルミニウム板33eに代えて銅板等の他の金属板を用いてもよい。
【0071】
次に、図12(a)、(b)に示す工程について説明する。図12(a)は、本実施形態に係る第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図12(b)はその側面図である。
【0072】
本工程では、機械加工によって前述の短冊部33fの各々を二回捩ることにより、捩り形状が付与された複数のフィン部33dを備えた第2のフィン33の基本構造を完成させる。
【0073】
この後は、第1実施形態で説明した図7〜図10の工程を行うことにより、図13の一部分解斜視図に示す本実施形態に係る熱交換器12の基本構造を完成させる。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、図11(a)に示したように、平面形状が閉図形の一枚のアルミニウム板33eを加工することで、フィン部33d毎に部品を作らなくても、複数のフィン部33dと取付部33cとが一体化した第2のフィン32を作製できる。
【0075】
更に、このようにフィン部33dの数を増やすことで第2のフィン33の表面積が増大するので、第2のフィン33と空気流Aとの間で熱交換が効率的に行われ、第1実施形態と比較して熱交換器12の熱交換効率が高められる。
【0076】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0077】
(付記1) 冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンと、
を有することを特徴とする熱交換器。
【0078】
(付記2) 前記第2のフィンが、前記空気流に沿った前記方向に直交する方向に互いに隔てられて複数設けられたことを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0079】
(付記3) 前記第2のフィンは、前記冷媒配管の外周側面に圧着した開口が形成された取付部と、
前記取付部から延在し、捩り形状が付与されたフィン部とを有することを特徴とする付記1又は付記2に記載の熱交換器。
【0080】
(付記4) 前記取付部の両側に前記フィン部が設けられたことを特徴とする付記3に記載の熱交換器。
【0081】
(付記5) 前記第2のフィンに前記フィン部が複数設けられ、
前記第2のフィンの展開形状は、複数の前記フィン部の各々に対応した複数の短冊部を備えた閉図形であることを特徴とする付記3に記載の熱交換器。
【0082】
(付記6) 前記第2のフィンは、前記取付部の主面から突出した管部を有し、
前記開口は、前記管部の内面により画定されることを特徴とする付記3乃至付記5のいずれかに記載の熱交換器。
【0083】
(付記7) 前記第1のフィンは平板状であることを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の熱交換器。
【0084】
(付記8) 前記冷媒配管の延在方向は、前記空気流に沿った方向に直交することを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載の熱交換器。
【0085】
(付記9) 空気流を生成するファンと、
前記空気流に曝される熱交換器とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする空調機。
【0086】
(付記10) 機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
前記情報処理機器を冷却する空気流を生成するファンと、該空気流に曝される熱交換器とを有する空調機とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿う方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする情報処理システム。
【符号の説明】
【0087】
1…情報処理システム、10…空調機、12…熱交換器、13…筐体、14…ファンユニット、15…ファン、17…データセンタ、18…機器設置エリア、19…コールドアイル、20…サーバラック、21…計算機、21a…吸気面、21b…排気面、31…冷媒配管、32…第1のフィン、32a…孔、33…第2のフィン、33a、33e…アルミニウム板、33b…管部、33c…取付部、33d…フィン部、33f…短冊部、33x…主面、37…R管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器とその製造方法、空調機、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術の発達に伴い、データセンタ内で扱われるデータ量が増大し、これに伴いデータセンタ内のサーバラックにより多くの計算機が搭載されるようになりつつある。その結果、データセンタ内に設置された空調機では、全ての計算機で消費する電力の総和に匹敵するほど大きな電力を消費しているといわれる。
【0003】
その空調機においては、データセンタ内で温められた空気を冷却水との熱交換で冷却するための熱交換器が設けられる。空調機の消費電力を削減するには、その熱交換器における熱交換効率を向上させるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−313176号公報
【特許文献2】特開昭60−120191号公報
【特許文献3】実開平3−70599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱交換器とその製造方法、空調機、及び情報処理システムにおいて、熱交換器の熱交換効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の開示の一観点によれば、冷媒配管と、前記冷媒配管に間隔をおいて取り付けられ、空気流に曝される複数の第1のフィンと、隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンと有する熱交換器が提供される。
【0007】
また、その開示の他の観点によれば、金属板に穴あけ加工を施すことにより、該金属板の主面から突出した管部を形成する工程と、前記金属板を捩ることにより、捩り形状が付与されたフィンを作製する工程と、前記管部に冷媒配管を挿通する工程と、前記冷媒配管内に大気圧よりも高い圧力の空気を供給することにより該冷媒配管を拡張させて、前記管部の内面と前記冷媒配管の外周側面とを圧着する工程とを有する熱交換器の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以下の開示によれば、捩られた第2のフィンによって空気流を乱すと同時に、第1と第2のフィンを合わせた表面積を増やすことができるので、熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る熱交換器の一部分解斜視図である。
【図3】図3は、空気流の上流側から見た第1実施形態に係る熱交換器の拡大断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態において、第1のフィンと第2のフィンの総表面積によって熱交換器の圧力損失がどのように変化するのかをシミュレーションして得られたグラフである。
【図5】図5(a)は、第1実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その1)であり、図5(b)は図5(a)のI−I線に沿う断面図である。
【図6】図6(a)は、第1実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その2)であり、図6(b)はその側面図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中の斜視図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中の側面図(その1)である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中の側面図(その2)である。
【図10】図10は、第1実施形態に係る熱交換器の製造途中における冷媒配管とその周囲の拡大断面図である。
【図11】図11(a)は、第2実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その1)であり、図11(b)は図11(a)のII−II線に沿う断面図である。
【図12】図12(a)は、第2実施形態に係る第2のフィンの製造途中の上面図(その2)であり、図12(b)はその側面図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る熱交換器の一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、添付図面を参照しながら各実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【0012】
この情報処理システム1は、インターネットデータセンタ(IDC)等のデータセンタ17で使用されるものであって、空調機10とサーバラック20とを有する。
【0013】
このうち、空調機10は、熱交換器12と、筐体13と、ファンユニット24とを備える。熱交換器12とファンユニット14は、いずれも筐体13に収められており、データセンタ17内の空気を冷却するのに使用される。
【0014】
熱交換器12には往水ライン23と還水ライン24とが接続される。往水ライン23と還水ライン24はチラー22に接続されており、チラー22で生成された冷却水が往水ライン23を介して熱交換器12に供給される。そして、熱交換器12で温められた冷却水は、還水ライン24を通ってチラー22に戻り、当該チラー22において冷却される。
【0015】
また、ファンユニット14は、空気流Aを生成するための複数のファン15を有する。
【0016】
その空気流Aは、データセンタ17内に区画されたコールドアイル19を通ってサーバラック20に供給される。
【0017】
サーバラック20は、データセンタ17内に区画された機器設置エリア18に設けられており、情報処理を行うためのサーバ等の複数の計算機21を備える。なお、計算機21は、情報処理機器の一例である。
【0018】
各計算機21にはCPU(Central Processing Unit)等の不図示の発熱部品が設けられるが、その発熱部品は、各計算機21の吸気面21aから取り込まれた空気流Aによって冷却される。そして、発熱部品によって温められた空気流Aは、各計算機21の排気面21b側からデータセンタ17内に排気された後、空調機10において再び冷却される。
【0019】
図2は、熱交換器12の一部分解斜視図である。
【0020】
図2に示すように、熱交換器12は、冷媒配管31、第1のフィン32、及び第2のフィン33をそれぞれ複数有する。
【0021】
このうち、第1のフィン32は、冷却対象の空気流Aに曝される平板状の金属板であって、冷媒配管31に機械的に取り付けられる。第1のフィン32の材料は特に限定されないが、空気流Aとの間で熱交換を効率的に行うために、アルミニウムや銅等の熱伝導率の良い金属を材料とする金属板を第1のフィン32として使用するのが好ましい。
【0022】
そして、このような第1のフィン32が冷媒配管31の延在方向D1に沿って間隔をおいて複数設けられ、隣接する第1のフィン32の間に空気流Aの流路が画定される。
【0023】
なお、冷媒配管31の延在方向D1は、空気流Aに沿った方向D2に直交する。このようなタイプの熱交換器は直交流型気液熱交換器とも呼ばれる。
【0024】
また、本実施形態では、隣接する第1のフィン32同士の間隔P1を約3mmとする。
【0025】
そして、水平方向に隣接する冷媒配管31同士の間隔P2は約40mmであり、鉛直方向に隣接する冷媒配管31同士の間隔P3は約30mmである。
【0026】
その冷媒配管31には前述の往水ライン23を流れる冷却水が供給され、これにより第1のフィン32と第2のフィン33が冷却される。冷媒配管31の材料は特に限定されないが、第1のフィン32と同様に、銅やアルミニウム等の金属を材料とする金属管を冷媒配管31として使用するのが好ましい。
【0027】
一方、第2のフィン33は、隣接する第1のフィン32の間における冷媒配管31に取り付けられ、空気流Aの流路に沿う方向D2を中心軸にして捩れている。なお、第2のフィン33の材料としては、前述の銅やアルミニウム等の金属を採用し得る。
【0028】
また、前述の方向D1と方向D2のいずれにも直交する方向D3に沿って隣接する第2のフィン33は、前述の間隔P3と同程度の間隔で隔てられており、第2のフィン33が過度に密集するのが防止される。
【0029】
第2のフィン33が無い場合には空気流Aは第1のフィン32に沿った層流となり、空気流Aが乱されないため熱交換器12の熱交換率が低下するが、前述のように第2のフィン33を捩ることで空気流Aが適度に乱され、熱交換率が向上する。更に、このように第2のフィン33を捩ることによって、第1のフィン32と第2のフィン33とを合わせた表面積が増加し、これによっても熱交換率が向上する。
【0030】
特に、空気流Aの流路に沿う方向D2を中心軸にして第2のフィン33を捩ることで、方向D2に空気流Aが流れるのを阻害せずに空気流Aに適度な回転運動を与えることができ、空気流Aの通りやすさを確保しつつ熱交換器12の熱交換効率を高めることができる。
【0031】
また、第2のフィン33を過度に密集させないことによっても、空気流Aの通りやすさを確保することができる。
【0032】
更に、第2のフィン33の捩り形状は、後述のように金属板を捩るだけで容易に得られるので、空気流Aを乱すための他の形状と比較して、第2のフィン33を簡単に作製することが可能となる。
【0033】
図3は、空気流Aの上流側から見た熱交換器12の拡大断面図である。
【0034】
前述のように、方向D3に沿って隣接する第2のフィン33は互いに隔てられているため、第1のフィン32の間には隙間Cができる。
【0035】
このように隙間Cを設けることで、第2のフィン33が原因で熱交換器12に空気流Aが通り難くなるのを抑制して、熱交換器12の圧力損失が必要以上に上昇するのを防止できる。なお、圧力損失とは、熱交換機12に入る直前の空気流Aの圧力と、熱交換機12を出た直後の空気流Aの圧力との差を言い、熱交換器12内における空気の通り易さの目安となる。
【0036】
圧力損失が上昇すると熱交換器12に空気流Aが通り難くなるためファン15(図1参照)の回転数を高める必要があるが、本実施形態では圧力損失の上昇を防止できるのでファン15の回転数の上昇を抑制し、ファン15の消費電力が増大するのを防止できる。
【0037】
なお、圧力損失は、熱交換器12の開口率に依存するが、本実施形態では開口率と第1のフィン32及び第2のフィン33の総表面積とが比例するため、圧力損失は当該表面積に依存する。
【0038】
図4は、その総表面積によって圧力損失がどのように変化するのかをシミュレーションして得られたグラフである。
【0039】
このグラフの横軸は、第2のフィン32を設けない場合の総表面積を基準にしたときの当該総表面積の増加率を示す。
【0040】
図4から明らかなように、圧力損失は、総表面積の増加率が大きくなるにつれて高くなる。
【0041】
前述のように、圧力損失の上昇はファン15における消費電力の増大を招く。よって、第2のフィン33の表面積は、仕様により要求される熱交換効率が得られる最低限の大きさにするのが好ましい。
【0042】
図2に示した熱交換器12では、熱交換器12に入る直前の空気流Aの流速が3m/sのとき圧力損失は約40Paとなった。同じ流速で第2のフィン33が無い場合の圧力損失は約30Paであったため、本実施形態では第2のフィン33が無い場合よりも圧力損失が約1.1倍程度上昇するが、この程度であればファン15の消費電力は問題ない。
【0043】
次に、前述の第2のフィン33を備えた熱交換器12の製造方法について説明する。
【0044】
図5(a)は、第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図5(b)は図5(a)のI−I線に沿う断面図である。
【0045】
まず、図5(a)、(b)に示すように、平面形状が短冊状のアルミニウム板33aを用意する。なお、アルミニウム板33aに代えて銅板等の他の金属板を用いてもよい。
【0046】
そして、そのアルミニウム板33aに穴あけ加工と絞り加工とを施すことにより、アルミニウム板33aの主面33xから突出した管部33bを形成する。その管部33bの内面は、冷媒配管31(図2参照)が挿通される開口を画定する。
【0047】
なお、主面33xから測った管部33bの高さHが高すぎると、管部33bが邪魔で隣接する第1のフィン32同士の間隔p1(図2参照)を狭くすることができない。そのため、高さHは間隔p1の半分程度、例えば1.5mm程度とするのが好ましい。
【0048】
次に、図6(a)、(b)に示す工程について説明する。図6(a)は、第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図6(b)はその側面図である。
【0049】
本工程では、機械加工によって前述のアルミニウム板33aを二回捩ることにより、捩り形状が付与された第2のフィン33の基本構造を完成させる。
【0050】
このように製造された第2のフィン33は、冷媒配管31に取り付けられる取付部33cと、当該取付部33cの両側において捩り形状が付与されたフィン部33dとを有する。
【0051】
次に、図7の斜視図に示すように、複数の孔32aが形成された第1のフィン32を用意すると共に、その孔32aと第2のフィン33の管部33bの各々に冷媒配管31を挿通し、第1のフィン32と第2のフィン33とを交互に積み重ねる。
【0052】
冷媒配管31の外径は特に限定されないが、本実施形態ではその外径を約10mmとする。この場合、孔32aと管部33bの各々の内径は、冷媒配管31が挿通できるように約10.3mm程度とすればよい。
【0053】
また、第1のフィン32の平面形状は、一辺の長さが約1.5m〜2m程度の矩形状である。
【0054】
続いて、図8の側面図に示すように、複数の冷媒配管31を接続するためのR管37を用意する。なお、R管に代えて、R管の両端に直管部を設けてなるU字管を用いてもよい。
【0055】
次いで、図9の側面図に示すように、複数のR管37の各々に冷媒配管31を挿入した状態で、R管37と冷媒配管31とをロウ付けにより接続する。
【0056】
その後、冷媒配管31内に大気圧よりも高い圧力の空気を供給することにより冷媒配管31を拡張させる。
【0057】
図10は、拡張した冷媒配管31とその周囲の拡大断面図である。
【0058】
このように冷媒配管31を拡張させることで、第2のフィン33の管部33bの内面33yが冷媒配管31の外周側面に圧着し、第2のフィン33が冷媒配管31に機械的に固定される。
【0059】
特に、管部33bの内面33yは、面接触の状態で冷媒配管31の外周側面に圧着するので、管部33bを設けない場合と比較して機械的に強固に冷媒配管31に第2のフィン33を取り付けることができる。
【0060】
同様に、第1のフィン32の孔32aも冷媒配管31の外周側面に圧着するため、第1のフィン32も冷媒配管31に機械的に固定されることになる。
【0061】
以上により、本実施形態に係る熱交換器12の基本構造が完成する。
【0062】
上記した本実施形態によれば、図2に示したように、平板状の第1のフィン32だけでなく第2のフィン33を設けることで、第2のフィン33と空気流Aとの間でも熱交換が行われ、熱交換器12の熱交換効率が高められる。
【0063】
特に、空気流Aの流路に沿う方向D2を中心軸にして第2のフィン33を捩ることにより、第2のフィン33の表面に沿って空気流Aを回転させて熱交換機12における圧力損失の過度な上昇を防止し、ファン15(図1参照)の消費電力が増加するのを抑制できる。
【0064】
これにより、本実施形態では、熱交換器12の熱交換率の向上と空調機の10の消費電力の抑制との両立を図ることが可能となる。
【0065】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と比較して、一つの第2のフィン33により多くの捩り形状を付与する。
【0066】
以下に、そのような第2のフィン33を備えた熱交換器について図11〜図13を参照しつつその製造工程を追いながら説明する。なお、図11〜図13において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0067】
図11(a)は、本実施形態に係る第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図11(b)は図11(a)のII−II線に沿う断面図である。
【0068】
まず、図11(a)、(b)に示すようなアルミニウム板33eを用意する。そのアルミニウム板33eの平面形状は、本実施形態で作製される第2のフィン33の展開形状に相当するものであり、複数の短冊部33fを備えた閉図形である。
【0069】
そして、そのアルミニウム板33eに穴あけ加工と絞り加工とを施すことにより、アルミニウム板33eの主面33xから約1.5mm程度の高さHだけ突出した管部33bを形成する。
【0070】
なお、アルミニウム板33eに代えて銅板等の他の金属板を用いてもよい。
【0071】
次に、図12(a)、(b)に示す工程について説明する。図12(a)は、本実施形態に係る第2のフィン33の製造途中の上面図であり、図12(b)はその側面図である。
【0072】
本工程では、機械加工によって前述の短冊部33fの各々を二回捩ることにより、捩り形状が付与された複数のフィン部33dを備えた第2のフィン33の基本構造を完成させる。
【0073】
この後は、第1実施形態で説明した図7〜図10の工程を行うことにより、図13の一部分解斜視図に示す本実施形態に係る熱交換器12の基本構造を完成させる。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、図11(a)に示したように、平面形状が閉図形の一枚のアルミニウム板33eを加工することで、フィン部33d毎に部品を作らなくても、複数のフィン部33dと取付部33cとが一体化した第2のフィン32を作製できる。
【0075】
更に、このようにフィン部33dの数を増やすことで第2のフィン33の表面積が増大するので、第2のフィン33と空気流Aとの間で熱交換が効率的に行われ、第1実施形態と比較して熱交換器12の熱交換効率が高められる。
【0076】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0077】
(付記1) 冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンと、
を有することを特徴とする熱交換器。
【0078】
(付記2) 前記第2のフィンが、前記空気流に沿った前記方向に直交する方向に互いに隔てられて複数設けられたことを特徴とする付記1に記載の熱交換器。
【0079】
(付記3) 前記第2のフィンは、前記冷媒配管の外周側面に圧着した開口が形成された取付部と、
前記取付部から延在し、捩り形状が付与されたフィン部とを有することを特徴とする付記1又は付記2に記載の熱交換器。
【0080】
(付記4) 前記取付部の両側に前記フィン部が設けられたことを特徴とする付記3に記載の熱交換器。
【0081】
(付記5) 前記第2のフィンに前記フィン部が複数設けられ、
前記第2のフィンの展開形状は、複数の前記フィン部の各々に対応した複数の短冊部を備えた閉図形であることを特徴とする付記3に記載の熱交換器。
【0082】
(付記6) 前記第2のフィンは、前記取付部の主面から突出した管部を有し、
前記開口は、前記管部の内面により画定されることを特徴とする付記3乃至付記5のいずれかに記載の熱交換器。
【0083】
(付記7) 前記第1のフィンは平板状であることを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の熱交換器。
【0084】
(付記8) 前記冷媒配管の延在方向は、前記空気流に沿った方向に直交することを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載の熱交換器。
【0085】
(付記9) 空気流を生成するファンと、
前記空気流に曝される熱交換器とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする空調機。
【0086】
(付記10) 機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
前記情報処理機器を冷却する空気流を生成するファンと、該空気流に曝される熱交換器とを有する空調機とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿う方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする情報処理システム。
【符号の説明】
【0087】
1…情報処理システム、10…空調機、12…熱交換器、13…筐体、14…ファンユニット、15…ファン、17…データセンタ、18…機器設置エリア、19…コールドアイル、20…サーバラック、21…計算機、21a…吸気面、21b…排気面、31…冷媒配管、32…第1のフィン、32a…孔、33…第2のフィン、33a、33e…アルミニウム板、33b…管部、33c…取付部、33d…フィン部、33f…短冊部、33x…主面、37…R管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンと、
を有することを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記第2のフィンが、前記空気流に沿った前記方向に直交する方向に互いに隔てられて複数設けられたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第2のフィンは、前記冷媒配管の外周側面に圧着した開口が形成された取付部と、
前記取付部から延在し、捩り形状が付与されたフィン部とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
空気流を生成するファンと、
前記空気流に曝される熱交換器とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする空調機。
【請求項5】
機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
前記情報処理機器を冷却する空気流を生成するファンと、該空気流に曝される熱交換器とを有する空調機とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿う方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
金属板に穴あけ加工を施すことにより、該金属板の主面から突出した管部を形成する工程と、
前記金属板を捩ることにより、捩り形状が付与されたフィンを作製する工程と、
前記管部に冷媒配管を挿通する工程と、
前記冷媒配管内に大気圧よりも高い圧力の空気を供給することにより該冷媒配管を拡張させて、前記管部の内面と前記冷媒配管の外周側面とを圧着する工程と、
を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項1】
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンと、
を有することを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記第2のフィンが、前記空気流に沿った前記方向に直交する方向に互いに隔てられて複数設けられたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第2のフィンは、前記冷媒配管の外周側面に圧着した開口が形成された取付部と、
前記取付部から延在し、捩り形状が付与されたフィン部とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
空気流を生成するファンと、
前記空気流に曝される熱交換器とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿った方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする空調機。
【請求項5】
機器設置エリアに設けられ、情報処理を行う情報処理機器と、
前記情報処理機器を冷却する空気流を生成するファンと、該空気流に曝される熱交換器とを有する空調機とを備え、
前記熱交換器が、
冷媒配管と、
前記冷媒配管に互いに間隔をおいて取り付けられ、前記空気流に曝される複数の第1のフィンと、
隣接する前記第1のフィンの間における前記冷媒配管に取り付けられ、前記空気流に沿う方向を捩りの中心軸にして捩れた第2のフィンとを有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
金属板に穴あけ加工を施すことにより、該金属板の主面から突出した管部を形成する工程と、
前記金属板を捩ることにより、捩り形状が付与されたフィンを作製する工程と、
前記管部に冷媒配管を挿通する工程と、
前記冷媒配管内に大気圧よりも高い圧力の空気を供給することにより該冷媒配管を拡張させて、前記管部の内面と前記冷媒配管の外周側面とを圧着する工程と、
を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−100955(P2013−100955A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245242(P2011−245242)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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