説明

熱交換器の補強構造

【課題】 複数列型の熱交換器において、熱疲労(冷熱繰り返し)に対する耐久性能を向上すること。
【解決手段】 その補強部材(5)として、連結部(6)の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部(7a)または平面L字状部(7)を形成し、その両先端部を、連結部(6)側に折り返し且つ重ね合わせて、その折返し端縁を偏平チューブ(1)の半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)とする。そしてその重合部(8)を連結部(6)の平面に直交して断面L字状に曲折して4つまたは2つの挿入部(9)を形成する。それらの各挿入部(9)を、偏平チューブの並列方向の両最外列の偏平チューブ(1)の開口に挿入し、その挿入部をろう付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として自動車のエンジン冷却水冷却用の熱交換器(ラジエータ)の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン冷却水冷却用の熱交換器は並列された多数のチューブ間で温度差が生じ、特に熱交換器の4隅のチューブにおいて、剛性の高いサポート材と最前列チューブと最後列チューブとの間において、大きな熱歪みが生じる。実験によれば、特に、ヘッダプレートのチューブ挿通孔とチューブのろう付け部近傍であって、その前列チューブの前端および後列チューブの後端のR部(半円弧状曲面)においてチューブの亀裂が起こる。
特に寒冷地等の外気温が一例としてマイナス40度である条件の下で、エンジンを始動すると、そのサーモスタッドバルブが開いて熱交換器のチューブ内に急激に50度〜80度程度の温水が流れ、各チューブ間でおおきな熱歪みが生じる。即ち、エンジン始動時に過渡的におおきな熱歪みが発生する。
【0003】
このような問題を解決する熱交換器の補強構造として、下記特許文献記載の各発明が知られている。前者は、断面U字状に形成された補強部材を偏平チューブの断面の長軸側両端に配置するものである。後者は、偏平な一対の脚部を有し、その両脚部が偏平チューブの横断面の長軸側両端に挿入されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 1562015 A2
【特許文献2】特開2007−163124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記いずれの公知文献も、偏平チューブが一列に配置された一列型熱交換器に適用され、各チューブの横断面の長軸の両側に補強部材の一対の挿入部が挿入されるため、一本の偏平チューブの入口開口が二カ所大きく塞がれる欠点がある。
また、本発明者の実験によれば、二列型熱交換器においては、その前列の偏平チューブの前側弧状部と、後列の後ろ側弧状部に亀裂が生じることが明らかとなっている。そのため、その部分を集中的に補強することが必要である。また3列以上ではその最前列と最後列の偏平チューブに同様の問題が生じる。
そこで、本発明は係る知見に基づいて創作されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、1列に並列された多数の偏平チューブ(1) とフィン(2) と、各偏平チューブ(1) の両端が挿通され、その挿通部がろう付けされた一対のヘッダープレート(4)とを具備する熱交換器コアの補強構造において、
前記偏平チューブ(1)は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5)を有し、
その補強部材(5)は、その細長い連結部(6)の長手方向の両端部に展開状態で平面L字状部(7)が形成され、そのL字状部(7)の両先端部が、連結部(6)側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1)の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8)を有し、その重合部(8)が前記連結部(6)の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の2つの挿入部(9)を有し、
その補強部材(5)の前記2つの各挿入部(9)は、偏平チューブの並列方向の両最外側列の偏平チューブ(1)の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1)の開口の長軸方向の両端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、複数列に並列された多数の偏平チューブ(1) とフィン(2) と、各偏平チューブ(1) の両端が挿通され、その挿通部がろう付けされた一対のヘッダープレート(4)とを具備する熱交換器コアの補強構造において、
前記偏平チューブ(1)は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5)を有し、
その補強部材(5)は、その細長い連結部(6)の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部(7a)がその開口側を外向きに形成され、そのコ字状部(7a)の両先端部が、連結部(6)側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1)の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8)を有し、その重合部(8)が前記連結部(6)の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の4つの挿入部(9)を有し、
その補強部材(5)の前記4つの各挿入部(9)は、前記コアの隅における最前列と最後列のみの隣り合う一対づつの偏平チューブ(1)の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1)の開口の長軸方向の最前端部および最後端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の熱交換器の補強構造おいて、
前記補強部材(5)の各挿入部(7)の先端縁が先細り面(17)に形成された熱交換器の補強構造である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器の補強構造において、
熱交換器コアの平面の中央位置で、その一方のヘッダープレート(4)に2パス用の仕切り(11)が設けられ、その仕切り(11)に隣接した両側の偏平チューブ(1) に前記補強部材(5)がろう付けされた熱交換器の補強構造である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1および請求項2に記載の補強構造の補強部材5は、最前列および最後列のみの各偏平チューブ1の最前部および最後部のみ挿入されて、その挿入部9がろう付けされるものである。そのため、亀裂が生じ易い部分を効果的に補強することができる。それと共に、偏平チューブの開口の閉塞部を必要最小限にすることができる。そして、その挿入部9の湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に整合し且つ接するので、偏平チューブ1内面とのろう付け強度を向上させる。そして確実な補強部材5のろう付け構造を提供し、熱歪みに強い熱交換器となりうる。
【0010】
上記構成において、請求項3に記載のように、その先端部を先細り面17に形成した場合には、補強部材5の挿入部9を偏平チューブ1開口に挿入しやすく、且つろう付けをさらに強固にすることができる。
上記構成において、請求項4に記載のように、2パス用の仕切り11が設けられたものにおいては、それに隣接した両側の偏平チューブ1に補強部材5をろう付けしたので、特に仕切り11近傍の偏平チューブ1に集中する熱応力を効果的に支持し、補強効果の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の補強部材5の製造工程を順に(A)〜(C)で示す説明図であり(D)はその(C)のD−D断面図。
【図2】同補強部材5を熱交換器コア3に取付ける説明図。
【図3】同取付け状態を示す平面図。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図。
【図5】仕切り11を有する熱交換器コア3における補強部材5の配置位置の斜視説明図。
【図6】本発明の他の補強部材5の製造工程を順に示す説明図。
【図7】同補強部材を有する熱交換器コアの要部平面図。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図。
【図9】本発明のさらに他の補強部材5の製造工程を順に示す説明図。
【図10】同取付け状態を示す平面図。
【図11】本発明の補強構造が適用される他の偏平チューブの横断面。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
本発明はエンジン冷却水冷却用の熱交換器であって、一般に自動車用ラジエータと言われているものに関し、特に偏平チューブが二列以上に並列されたものの補強構造に関する。図2はその熱交換器の要部斜視図であり、二列に並列された多数の偏平チューブ1とフィン2とが交互に配置され、各偏平チューブ1の両端が一対のヘッダープレート4(図5参照)に挿通されている。そのヘッダープレート4には予め多数のチューブ挿通孔が穿設され、その孔縁部が内面側にバーリング加工されている。
【0013】
図3に示す如く、偏平チューブ1は、その開口に長軸と短軸とを有するものであり、その開口の短軸長さS(対向する平面部1a間距離)がこの例では1.6mmであり、その開口の長軸が12mmである。言い換えれば、その偏平チューブ1は、一対の対向する平行な平面部1aと、その各平面部1aの両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備する。
偏平チューブとフィンの並列方向両端にはサポート材19が配置され、そのサポート材19の両端がヘッダープレート4に固定される。
【0014】
このような二列型熱交換器において、その熱交換器コア3の4隅にはそれぞれ補強部材5が取付けられる。この補強部材5は、図1および図2に示すごとく、前記偏平チューブ1の開口の短軸長さSの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる。
その補強部材5は、図1(A)に示す如く、細長い連結部6の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部7aがその開口側を外向きに一対形成されている。そして、(B)に示す如く、各コ字状部7aの両先端部が、谷折り線8aで連結部6側に折り返され且つ重ね合わされる。すると、その折返し端縁が板厚wを曲率半径とする断面半円弧状に形成されて、そこに湾曲面5aを形成する。
【0015】
この湾曲面5aは偏平チューブ1の前記半円弧状内面部1bに整合する。折り返された重合部8は、(C)に示す如く、連結部6の平面に直交して断面L字状に曲折される。その結果、それらが偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の4つの挿入部9を形成する。
なお、図1(A)の平面コ字状部7aの谷折り線8aは、連結部6の端縁6aより外側に位置して、湾曲面5aをその端縁6aより外側に配置し、挿入部9を偏平チューブ1の開口の長軸側の縁部に挿入したとき、その湾曲面5aと偏平チューブ1の半円弧状内面1bとの接触状態およびそのろう付け状態を容易に確認できるようにしている。
【0016】
このように補強部材5は、その板厚wが偏平チューブ1の開口の短軸長さSの1/2に整合し、この例では補強部材5の板厚wは0.8mmである。挿入部9の厚みは、1.6mmで、その幅は5mm、連結部6方向の全長は34.6mm。そして、対向する一対の挿入部9の外面間寸法は一例として9.8mmとすることができる。このような各寸法は、図2においてコアの隅における互いに隣接する4つの偏平チューブ1の開口に嵌着したとき、図3のごとく、それぞれの挿入部9が前列チューブの前端部と、後列チューブの後端部とに嵌着する寸法とされる。
そして、各挿入部9の横断面は図5に示すごとく、その幅方向の縁の湾曲面5aが偏平チューブ1の長軸側の端部内面の半円弧状内面部1bに整合する。
【0017】
なお、この例の熱交換器は、図5に示すごとく一方のタンク本体12に仕切り11が配置され、冷却水22が2パスに流通するものである。そのために、補強部材5は図において上下両端と仕切り11を境として、それに隣接する両側の位置に配置されている。
【0018】
このように組立てられる熱交換器コア3は、互いに接触する各部品の少なくとも一方側にろう材が被覆または配置され、全体を高温の炉内に挿入して、一体的にろう付け固定するものである。このとき、図3,図4に示す如く、の如く補強部材5の挿入部9外周にろうフィレット25が形成される。そして、全体が一体的にろう付け固定される。
この例では、樹脂製のタンク本体12の小フランジ部21が図示しないOリングを介して、ヘッダープレート4の環状溝24に嵌着され、かしめ用爪部20をカシメることにより熱交換器を完成する。
【0019】
そして、図5に示すごとく一方の入口パイプ13から高温の冷却水22が流通し、仕切り11より上方に位置する各偏平チューブ1内を右から左に流通して、他方のタンク本体12をUターンする(同図では説明の都合上、タンク本体12をヘッダープレート4から分離している)。そして、Uターンした流体は、偏平チューブ1を左から右に流通し、他方の出口パイプ14からそれが流出する。そして、偏平チューブ1およびフィン2の外面にはファンまたは走行風による空気流が流通し、冷却水22と空気流との間に熱交換が行われる。
【0020】
このとき、図2〜図5において、少なくても4隅の偏平チューブ1には補強部材5の挿入部9が一体的にろう付け固定されており、その分だけ偏平チューブ1の開口が縮小する。
なお、上記実施例における各部品の寸法は必要に応じて設計変更することができる。
次に、図6〜図8は本発明の補強構造の他の例であり、これらが前記第1実施例と異なる点は、補強材5のコ字状部7aの折り曲げ方向である。この例では図6に示す如くコ字状部7aが山折り線8bの回りに、図1とは逆向きに曲折されたものである。
【0021】
また、本発明は、偏平チューブ1がコアの厚み方向に3列配置された熱交換器コアに適用できる。この場合、補強部材5の4つの挿入部9が、コアの厚み方向の最前列と最後列の偏平チューブ1に挿入される。4列以上の偏平チューブを有する熱交換器においても同様である。
【0022】
さらに、本発明の補強構造は、偏平チューブがコアの厚み方向に、図10に示す如く、1列のみ配置されたものにも適用できる。この場合にも、その素材の金属板の板厚が偏平チューブ1の開口の対向する平面部1a間の距離Sの1/2に整合し、その金属板の曲折体で補強部材5を構成する。その補強部材5は、図9に示す如く、展開状態でその細長い連結部6の長手方向の両端部に平面L字状部(7)が形成され、そのL字状部(7)の両先端部が、先ず、連結部6側に折り返され且つ重ね合わされる。そして、その折返し端縁が偏平チューブ1の前記半円弧状内面部1bに整合する湾曲面5aとなる重合部8を形成する。
【0023】
次いで、その重合部8が前記連結部6の平面に直交して断面L字状に延在し、一対の挿入部9を構成する。その挿入部の幅は偏平チューブの断面の長軸の1/4に満たない。そして、図10に示す如く、その補強部材5の二つの各挿入部が、偏平チューブ1の並列方向の最外側列のみの偏平チューブ1の開口に挿入されて、その湾曲面5aが偏平チューブ1の半円弧状内面部1bに接して嵌着され、その嵌着部がろう付けされる。
また、本説明では、樹脂製のタンク本体とOリングを用いた熱交換器を例にしたものであるが、タンク本体と熱交換器コアを一体ろう付けしたものも同様である。
【符号の説明】
【0024】
1 偏平チューブ
1a 平面部
1b 半円弧状内面部
2 フィン
3 熱交換器コア
4 ヘッダープレート
5 補強部材
5a 湾曲面
6 連結部
6a 端縁
7 L字状部
7a コ字状部
【0025】
8 重合部
8a 谷折り線
8b 山折り線
9 挿入部
10 補強溝
11 仕切り
12 タンク本体
13 入口パイプ
14 出口パイプ
【0026】
17 先細り面
19 サポート材
20 かしめ用爪部
21 小フランジ部
22 冷却水
23 側面
24 環状溝
25 ろうフィレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1列に並列された多数の偏平チューブ(1) とフィン(2) と、各偏平チューブ(1) の両端が挿通され、その挿通部がろう付けされた一対のヘッダープレート(4)とを具備する熱交換器コアの補強構造において、
前記偏平チューブ(1) は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5) を有し、
その補強部材(5) は、その細長い連結部(6) の長手方向の両端部に展開状態で平面L字状部(7) が形成され、そのL字状部(7) の両先端部が、連結部(6) 側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1) の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8) を有し、その重合部(8) が前記連結部(6) の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の2つの挿入部(9) を有し、
その補強部材(5) の前記2つの各挿入部(9) は、偏平チューブの並列方向の両最外側列のみの偏平チューブ(1)の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1) の開口の長軸方向の両端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造。
【請求項2】
複数列に並列された多数の偏平チューブ(1) とフィン(2) と、各偏平チューブ(1) の両端が挿通され、その挿通部がろう付けされた一対のヘッダープレート(4) とを具備する熱交換器コアの補強構造において、
前記偏平チューブ(1) は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5) を有し、
その補強部材(5) は、その細長い連結部(6) の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部(7a)がその開口側を外向きに形成され、そのコ字状部(7a)の両先端部が、連結部(6) 側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1) の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8) を有し、その重合部(8) が前記連結部(6) の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の4つの挿入部(9) を有し、
その補強部材(5) の前記4つの各挿入部(9) は、前記コアの隅における最前列と最後列のみの隣り合う一対づつの偏平チューブ(1) の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1) の開口の長軸方向の最前端部および最後端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の熱交換器の補強構造において、
前記補強部材(5) の各挿入部(9) の先端縁が先細り面(17)に形成された熱交換器の補強構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3に記載のいずれかの熱交換器の補強構造において、
熱交換器コアの平面の中央位置で、その一方のヘッダープレート(4) に2パス用の仕切り(11)が設けられ、その仕切り(11)に隣接した両側の偏平チューブ(1) に前記補強部材(5)がろう付けされた熱交換器の補強構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−97915(P2012−97915A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243749(P2010−243749)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】