説明

熱交換素子及びその製造方法並びに熱交換換気装置

【課題】事前に処理された構成素材を用いることなく抗菌・防カビ効果を発揮できる熱交換素子及びその製造方法並びに熱交換換気装置を得ること。
【解決手段】平板状の仕切部材2と、波板状の間隔保持部材3とが交互に積層された積層構造体であり、仕切部材2の一方の面に沿って通過する気流と仕切部材2の他方の面に沿って通過する気流との間で仕切部材2を介して熱交換を行う熱交換素子であって、仕切部材2と間隔保持部材3とを接着する接着剤7は、抗菌・防カビ成分を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二流体間での熱交換を行う積層構造の熱交換素子及びその製造方法並びに熱交換換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的に空調分野で利用されている直交流型の積層構造の熱交換素子は、平板状の仕切部材と波板状の間隔保持部材とによって形成された熱交換素子構成部材を、間隔保持部材の波目が略90度で交差するように積層、接合して形成されている。間隔保持部材によって作られている二方向の流路にそれぞれ異なる状態の気流(一般的には温湿度状態の異なる空気)を流すことで、仕切部材を媒体として流体間で顕熱及び潜熱の交換が行われる。
【0003】
従来の熱交換素子の熱交換素子構成部材は、仕切部材となる原紙に薬剤を塗布し、波形に成形した間隔保持部材に接着剤を塗布して接合することによって形成される。また、従来の熱交換素子は、熱交換素子構成部材に接着剤を塗布し、90度交互に反転しながら積層することによって形成される。
【0004】
熱交換素子が空気中に浮遊する菌、ウィルスなどによって汚染されることを防止する目的で、活性種を生成可能な活性種生成部と光触媒機能を有するアパタイトとを備え、必要に応じて給気及び排気の経路を切り替えて熱交換ユニット内に循環風を作り出して浄化効果を高める熱交換装置が特許文献1〜3に開示されている。また、熱交換素子の流通経路と伝熱板(仕切板)との少なくとも一方に気化性の抗菌・防カビ剤を含有させた全熱交換素子が特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3722144号公報(0028−0047)
【特許文献2】特許第3757976号公報(0013−0045)
【特許文献3】特許第4124217号公報(0032−0060)
【特許文献4】特開2004−325036号公報(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、浄化作用を発揮するために必要な活性種生成部が故障すると、浄化作用が得られなくなってしまう。また、熱交換素子の仕切部材や間隔保持部材に抗菌性能を有する材料を用いたり、光触媒機能を有するアパタイトを熱交換素子の構成部材に担持させる場合は、それぞれ事前に処理された構成素材を用いることになるため抗菌加工の工程が増え、製造コストが増大してしまう。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、事前に処理された構成素材を用いることなく抗菌・防カビ効果を発揮できる熱交換素子及びその製造方法並びに熱交換換気装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、平板状の仕切部材と波板状の間隔保持部材とが交互に積層された積層構造体であり、仕切部材の一方の面に沿って通過する気流と該仕切部材の他方の面に沿って通過する気流との間で仕切部材を介して熱交換を行う熱交換素子であって、仕切部材と間隔保持部材とを接着する接着層を有し、接着層は、抗菌・防カビ成分を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、事前に処理された構成素材を用いることなく熱交換素子に抗菌・防カビ性を付与し、衛生的な換気を行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換素子の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1に係る熱交換素子の製造工程の流れを示す模式図である。
【図3】図3は、熱交換素子構成部材の製造に用いるシングルフェーサ装置の構成を示す図である。
【図4】図4は、熱交換素子を形成する装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、熱交換素子表面に抗菌・防カビ剤をスプレーや刷毛塗りで塗布した状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1に係る熱交換素子の別の製造工程の流れを示す模式図である。
【図7】図7は、本実施の形態に係る熱交換素子を用いた熱交換換気装置の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる熱交換素子及びその製造方法並びに熱交換換気装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる熱交換素子の実施の形態1としての熱交換素子1の斜視図である。熱交換素子1は、略平板状の仕切部材2と波板状の間隔保持部材3とによって形成された熱交換素子構成部材を、間隔保持部材3の波目が略90度で交差する向きで積層し、接着剤7で接合して形成されている。間隔保持部材3によって作られている第1の流路4、第2の流路5にそれぞれ異なる状態の気流を流すことで、仕切部材2を媒体として流体間で顕熱及び潜熱の交換が行われる。
【0013】
図2は本実施の形態に係る熱交換素子1の製造工程の流れを示す摸式図である。熱交換素子1は、熱交換素子構成部材6を製造する第1の接着工程と、熱交換素子構成部材6同士を積層する第2の接着工程とを経て製造される。
【0014】
まず、紙材9を波形に成形して間隔保持部材3とした後、波の頂点の部分に接着剤7を塗布してから仕切部材2と張り合わせる(第1の接着工程)。第1の接着工程により、熱交換素子構成部材6が製造される。
【0015】
図3に、熱交換素子構成部材6の製造に用いるシングルフェーサ装置の構成を示す。シングルフェーサ装置は、仕切部材2を送るとともに、回転しながら仕切部材2に間隔保持部材3を押し付けるプレスローラ10と、間隔保持部材3の材料となるセルロース繊維を主とする素材(紙材9)を送り、互いに噛み合って回転する歯車状の上段と下段との一対からなるコルゲータ11、12と、一対のコルゲータ11、12で断面形状が波形にされた間隔保持部材3と仕切部材2とを接着する接着剤7を貯蔵する糊貯蔵槽13と、下段のコルゲータ12が搬送中の間隔保持部材3に糊付けする糊付けローラ15とを備える。なお、糊貯蔵槽13には、水溶媒系の酢酸ビニル系エマルジョン接着剤などの接着剤7が貯蔵されている。
【0016】
シングルフェーサ装置の動作について説明する。セルロース繊維を主とする素材からなる紙材9が一対のコルゲータ11、12へ送り込まれる。歯車状の一対のコルゲータ11、12が噛み合って回転することによって、コルゲータ11、12の歯車が噛み合う位置において紙材9は波形に成形されて間隔保持部材3となる。
【0017】
糊付けローラ15は、下段のコルゲータ12の一部の歯車の頂部と接触する位置に配置されており、回転によって糊貯蔵槽13内で接着剤7が付着した外周面がコルゲータ12によって搬送されている間隔保持部材3の一部に当接する。これにより、コルゲータ12で送られている間隔保持部材3の谷(山)となる部分(後に仕切部材2と接触する部分)が糊付けされる。
【0018】
一方、シングルフェーサ装置のプレスローラ10には仕切部材2が送り込まれる。
【0019】
糊付けされた間隔保持部材3は、プレスローラ10から送られてくる仕切部材2と接着される。この際、下段のコルゲータ12の一部とプレスローラ10とは隣接して配置されているため、プレスローラ10によって送られる仕切部材2とコルゲータ12によって送られる糊付けされた間隔保持部材3とは、所定の圧力で圧縮され、両者は強固に接着される。なお、プレスローラ10及び一対のコルゲータ11、12は、段形状を整えやすい所定の温度(通常、150度以上の温度)に維持されている。
【0020】
以上のようにして、片面段ボール状の熱交換素子構成部材6が形成される。
【0021】
図4に、熱交換素子1を形成する装置の構成を示す。糊貯蔵槽23には、水溶媒系の酢酸ビニル系エマルジョン接着剤などの接着剤7が貯蔵されている。図4に示すように、第1の接着工程によって製造された熱交換素子構成部材6を所定の長さに切断し、第1の接着工程において仕切部材2と張り合わせられた波の頂点と反対側の頂点に、送りローラ20と糊付けローラ25とによって接着剤7を塗布する。その後、熱交換素子構成部材6を交互に向きを変えて積層する(第2の接着工程)。第2の接着工程により、熱交換素子1が製造される。
【0022】
温度のみを交換する顕熱交換を行う熱交換素子の場合も上記同様の工程によって製造される。
【0023】
本実施の形態においては、第1、第2の接着工程の両方において、接着剤7として水系の酢酸ビニル系のエマルジョン接着剤(固形分40%)を用い、接着剤7には抗菌・防カビ剤を溶解又は分散させるものとする。換言すると、仕切部材2と間隔保持部材3とを結合する接着層に、抗菌・防カビ剤を含有させる。ただし、第1の接着工程と第2の接着工程とで異なる接着剤を用い、いずれか一方にのみ抗菌・防カビ剤を溶解又は分散させても良い。また、第1の接着工程で用いる接着剤と、第2の接着工程で用いる接着剤とに異なる種類の抗菌・防カビ剤を溶解又は分散させても良い。抗菌・防カビ剤を溶解又は分散させた接着剤を第1、第2の接着工程の両方で用いれば抗菌・防カビ効果を相対的に強く発現させることができ、第1、第2の接着工程の一方のみで用いれば抗菌・防カビ効果を相対的に弱く発現させることができる。すなわち、接着剤の塗布量や濃度を変化させることなく、抗菌・防カビ効果を調整できる。
【0024】
抗菌・防カビ剤には、有機系(塩素やヨードの化合物、第四級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤や塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなどの界面活性剤など)や無機系(銀、ゼオライトなど)がある。無機系抗菌剤は、銅や亜鉛も使用されるが、これらは抗菌作用が銀の1/10以下であるため、活性の高い銀を用いた銀系のものが主に使用される。
【0025】
銀系の抗菌剤を使用する場合では、銀錯体や銀系ゼオライトを均一に接着剤に分散させ、第1及び第2の接着工程の少なくとも一方で用いることで、熱交換素子に抗菌・防カビ効果を付与できる。
【0026】
また、イミダゾール系のベンゾイミダゾール(チアベンダゾール)、ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル、ピリジン系のビス亜鉛酸、ニトリル系のテトラクロロイソフタロニトロ、チアゾール系のベンツチアゾール、イソチアゾリン系の2nオクチル4イソチアゾリン3オン(OIT)などの抗菌・防カビ剤を用いても良い。ただし、水系の酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を選択した場合などは、抗菌・防カビ剤のアルコール溶媒などによって酢酸ビニル系エマルジョンが破壊され、接着剤樹脂分が分離する場合があるため、抗菌・防カビ剤の選定にあたっては、このような問題が発生しないかを事前に確認する必要がある。
【0027】
交差流型の熱交換素子1では、第1の流路4及び第2の流路5の空気流の流入・流出面には、空気流によって運ばれてくる菌やカビが付着、堆積して繁殖しやすいため、図5に示すように、抗菌・防カビ剤をスプレーや刷毛塗りで熱交換素子表面に塗布することによって菌やカビなどの繁殖を抑え、抗菌・防カビ処理を効率よく行える。また、空気流の流入・流出面は外部に露出した面であるためこの面に抗菌・防カビ性を付与することによって、熱交換素子の外観を良好に保つことが可能となる。
【0028】
なお、図6に示すように、裁断した熱交換素子構成部材6を、間隔保持部材3の波目の方向を平行にして積層することによって対向流型の熱交換素子を得ることも可能である。
【0029】
本実施の形態に係る熱交換素子は、抗菌・防カビ加工を施す工程が接着剤塗布工程と同一であるため、生産性・加工性を低下させることなく熱交換素子に対して、抗菌・防カビ加工を施すことが可能である。これにより、生産工程における工数の増加を抑え、環境負荷を低減できる。
【0030】
図7は、本実施の形態に係る熱交換素子1を用いた熱交換換気装置の構成を示す斜視図である。この熱交換換気装置は、対向する側面の一方に室内側の吸込口104と吹出口106とを有し、他方に室外側の吸込口105と吹出口107とを有する箱体101内に、吸込口104、105と吹出口106、107との間に設けた熱交換素子1において互いに交差し熱交換するよう設けられた給気通路109及び排気通路108を備えている。
【0031】
箱体101に着脱可能に取り付けられた給気通路109と排気通路108とに、それぞれ給気流又は排気流を形成する羽根121及び電動機126からそれぞれ構成される送風機110、111に対して、給気通路109と排気通路108とに設けられた羽根ケーシング211と、本体の他の側面に設けた開口115とから挿脱可能に設けられ、上記給気流と排気流との間で熱交換する熱交換素子1を備えている。
【0032】
上記のように構成された熱交換換気装置において、熱交換素子1を利用した空調換気については、それぞれ送風機110、111を運転することにより、室内空気は、ダクトを介して室内側の吸込口104から矢印Aで示すように吸い込まれ、熱交換素子1及び排気通路108を矢印Bで示すように通り、排気用送風機110により室外側の吹出口107から矢印Cで示すように吹き出される。
【0033】
また、室外空気は、ダクトを介して室外側の吸込口105から矢印Dで示すように吸い込まれ、熱交換素子1及び給気通路109を矢印Eで示すように通り、給気用送風機111により室内側の吹出口106から矢印Fのように吹き出され、ダクトを介して室内へ給気される。このとき、熱交換素子1では、排気流と給気流との間で熱交換が行われ、排気熱を回収して冷暖房負荷を軽減する。
【0034】
本実施の形態に係る熱交換素子を用いた熱交換換気装置は、風路内に設置される熱交換素子を抗菌・防カビ仕様であるため、衛生的な換気が可能である。
【0035】
実施の形態2.
本発明にかかる熱交換素子の実施の形態2としての構成は、実施の形態1と同様である。また、熱交換素子の製造の手順も実施の形態1と同様であり、第1及び第2の接着工程を経て熱交換素子が製造される。
【0036】
本実施の形態においても、第1、第2の接着工程の両方において、接着剤7として水系の酢酸ビニル系のエマルジョン接着剤(固形分40%)を用い、接着剤7には抗菌・防カビ剤を溶解又は分散させる。
【0037】
本実施の形態では、抗菌・防カビ剤として気化性の高い抗菌・防カビ剤を用いる。常温で気化性のある抗菌・防カビ剤であれば公知のものを適用可能であり、例えば、ヒノキチオールやイソチオシアネート類などを用いることで、熱交換素子近傍の風路においても抗菌・防カビ効果が得られる。
【0038】
特に、イソチオシアネート類のアリルイソチオシアネートは、防カビ効果が高く、わさびの匂い成分でもあって人体への安全性が高い。
【0039】
ただし、水系の酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を選択した場合などは、抗菌・防カビ剤のアルコール溶媒などによって酢酸ビニル系エマルジョンが破壊され、接着剤樹脂分が分離する場合があるため、抗菌・防カビ剤の選定にあたっては、このような問題が発生しないかを事前に確認する必要がある。
【0040】
なお、裁断した熱交換素子構成部材6を、間隔保持部材3の波目の方向を平行にして積層することによって対向流型の熱交換素子を得ることも可能である。
【0041】
本実施の形態に係る熱交換素子を用いた熱交換換気装置の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0042】
本実施の形態に係る熱交換素子を用いた熱交換換気装置は、風路内に設置される熱交換素子が抗菌・防カビ仕様であるため、衛生的な換気が可能である。
【0043】
実施の形態3.
本発明にかかる熱交換素子の実施の形態3としての構成は、実施の形態1と同様である。また、熱交換素子の製造の手順も実施の形態1と同様であり、第1及び第2の接着工程を経て熱交換素子が製造される。
【0044】
本実施の形態においても、第1、第2の接着工程の両方において、接着剤7として水系の酢酸ビニル系のエマルジョン接着剤(固形分40%)を用いているが、接着剤7には抗菌・防カビ剤を溶解又は分散されていない。
【0045】
第1の流路4及び第2の流路5の空気流の流入・流出面には、空気流によって運ばれてくる菌やカビが付着、堆積して繁殖しやすいため、図5に示すように、抗菌・防カビ剤をスプレーや刷毛塗りで熱交換素子表面に塗布することによって菌やカビなどの繁殖を抑え、抗菌・防カビ処理を効率よく行える。
【0046】
本実施の形態においては、従来と同様の材料で形成された熱交換素子に抗菌・防カビ効果を持たせることができる。よって、抗菌・防カビ性を有する熱交換素子を低コストで形成できる。
【0047】
本実施の形態に係る熱交換素子も、熱交換換気装置に適用することで、衛生的な換気が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる熱交換素子は、事前に処理された構成素材を用いることなく抗菌・防カビ効果を付与できる点で有用であり、特に、熱交換換気装置への適用に適している。
【符号の説明】
【0049】
1 熱交換素子
2 仕切部材
3 間隔保持部材
4 第1の流路
5 第2の流路
6 熱交換素子構成部材
7 接着剤
9 紙材
10 プレスローラ
11、12 コルゲータ
13、23 糊貯蔵槽
15、25 糊付けローラ
20 送りローラ
101 箱体
104、105 吸込口
106、107 吹出口
108 排気通路
109 給気通路
110、111 送風機
115 開口
121 羽根
126 電動機
211 羽根ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の仕切部材と波板状の間隔保持部材とが交互に積層された積層構造体であり、前記仕切部材の一方の面に沿って通過する気流と該仕切部材の他方の面に沿って通過する気流との間で該仕切部材を介して熱交換を行う熱交換素子であって、
前記仕切部材と前記間隔保持部材とを接着する接着層を有し、
前記接着層は、抗菌・防カビ成分を含有することを特徴とする熱交換素子。
【請求項2】
前記仕切部材及び前記間隔保持部材は、前記仕切部材の各々の面に沿って通過する気流の流路が異なる平面で交差するように積層されており、
前記仕切部材の各々の面に沿って通過する各気流の流入口及び流出口と積層方向に隣接する前記間隔保持部材の外側面に抗菌・防カビ成分を含む液剤が塗布されたことを特徴とする請求項1記載の熱交換素子。
【請求項3】
平板状の仕切部材と波板状の間隔保持部材とが、前記仕切部材の一方の面に沿って通過する気流の流路と該仕切部材の他方の面に沿って通過する気流の流路とが異なる平面で交差するように交互に積層された積層構造体であり、前記仕切部材の各々の面に沿って通過する気流の間で該仕切部材を介して熱交換を行う熱交換素子であって、
前記仕切部材の各々の面に沿って通過する各気流の流入口及び流出口と積層方向に隣接する前記間隔保持部材の外側面に抗菌・防カビ成分を含む液剤が塗布されたことを特徴とする熱交換素子。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の熱交換素子を備えた熱交換換気装置。
【請求項5】
平板状の仕切部材と波板状の間隔保持部材とを接着して熱交換素子構成部材を形成する第1の接着工程と、
前記熱交換素子構成部材を積層接着して熱交換素子を形成する第2の接着工程とを含み、
前記第1及び第2の接着工程の少なくとも一方において、抗菌・防カビ成分を含有する接着剤を用いることを特徴とする熱交換素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−163650(P2011−163650A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26564(P2010−26564)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】