説明

熱収縮性ポリエステル系フィルム

【課題】熱収縮率の温度による変化が比較的に一定に維持され、耐熱性及び外観仕上がり性に優れているため、容器ラベルなどの外部包装材用途に適した熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供する。
【解決手段】主収縮方向の熱収縮率の温度による変化率(%/℃)が、60〜70℃の範囲で1.5〜3.0、70〜80℃の範囲で2.5〜3.5、80〜90℃の範囲で1.0〜2.0、及び90〜100℃の範囲で0.1〜1.0である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部包装材などに用いられる熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものであり、特に、外観仕上がり性に優れているため、容器のラベル用に適した熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス瓶やペットボトルにその名称及び内容物に関する情報などを表記するために多様なラベルが用いられている。従来には紙ラベルをのりで貼り付けて使う方法が主として用いられてきたが、近年、消費者の目を引くために多様な印刷を実施するか、多くの情報を記入するためにフルラベル(full wrapping)を用いるので、熱収縮性フィルムが脚光を浴びている。
【0003】
熱収縮性フィルムとは、延伸配向後、一定の温度以上でまた延伸前の形態に収縮されようとする特性を用いて多様な形態の容器を包装するのに用いられるフィルムを言う。
【0004】
熱収縮性フィルムのうち軟質ポリビニルクロライド(PVC)を原料とするPVC系収縮フィルムの場合、最大収縮率が低いため、フルラベルとして用いるのに限界がある上に、焼却廃棄時、ダイオキシンという毒物を発生させ環境を汚染するなどの問題があるので、その使用が段々制限されている。
【0005】
延伸ポリスチレン(oriented polystyrene、OPS)系収縮フィルムは均一な収縮が得られやすく、比重が低いため、ペット(PET)ボトルにラベルとして用いられる場合、比重分離が可能であって、PETボトルのリサイクルに有利であるというメリットがある。しかし、OPS系収縮フィルムは耐熱性が低いため、高い収縮率が求められる用途または高温充填用途への使用が困難であるという問題点がある。
【0006】
したがって、前記PVC系及びOPS系収縮フィルムの短所を補完し高い収縮率及び耐熱性を有する収縮フィルムを提供するために、ガラス瓶などのフルラベル用ポリエステル系収縮フィルムが活発に開発されている。
【0007】
しかし、通常のポリエステル系フィルムは収縮速度が非常に速く、通常的に用いられる熱風で収縮させる場合、不均一収縮が起こり得るので、加熱を均一するためにスチーム収縮機を用いなければならないという制限があり、収縮応力が非常に高いため、プラスチック容器の歪み、下部上がり(端部滑翔)、殺菌または高温充填過程における二次収縮に起因するラベルの破れや変形など多くの問題を発生させる。
【0008】
このような問題点を解決するための方法として、韓国公開特許公報第2002−0063158号はテレフタル酸、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、及びジエチレングリコールを含む共重合組成物とこれを用いて製造される高い軟性及びPVCと類似の収縮特性を有するフィルムを開示しており、韓国公開特許公報第2002−0062838号はポリエステルエラストマーを5重量%以上含む熱収縮性ポリエステル系フィルムを開示している。
【0009】
しかし、前記韓国公開特許公報に開示されているポリエステル系収縮フィルムは四角容器などのように固定点のある被着体にラベリングする場合、収縮後、固定点の間の最中央部が収縮直交方向に持ち上がるスカート(skirt)現象が発生するか、円形容器に被着するとき、ラベル全体が収縮直交方向に持ち上がる持ち上がり(riding up)現象が発生するため、包装製品の価値を大きく毀損し、製品の表示と保護において多くの問題点を起こしている。
【0010】
また、既存のポリエステル系フィルムはラベリングするとき、温度による熱収縮率の変化率が一定せず、特定温度において急激な収縮現象が起こることから、収縮フィルムが折れる現象などが発生し外観仕上がり性が劣化するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許公開公報第2002−0063158号
【特許文献2】韓国特許公開公報第2002−0062838号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、ポリエステル系フィルムの基本的なメリットである印刷加工性、機械的強度、耐熱性、及びフルラベルに必要な高い収縮率を有すると同時に、前記スカート現象及び持ち上がり現象が抑制され、温度による熱収縮率の変化率が比較的に一定に維持され、特定温度範囲で熱収縮率が急激に変化しないため、熱収縮時、外観仕上がり性に優れた熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明では主収縮方向の熱収縮率の温度による変化率(%/℃)が60〜70℃の範囲で1.5〜3.0、70〜80℃の範囲で2.5〜3.5、80〜90℃の範囲で1.0〜2.0、及び90〜100℃の範囲で0.1〜1.0であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供する。
【0014】
好ましくは、前記熱収縮性ポリエステル系フィルムは(i)二塩基酸成分100モル%を基準にして、テレフタル酸残渣を90モル%以上含む二塩基酸成分、及び(ii)ジオール成分100モル%を基準にして、(a)ジエチレングリコール1〜20モル%、(b)ネオペンチルグリコール5〜30モル%、及び(c)エチレングリコール50〜90モル%を含むジオール成分を含む共重合ポリエステル組成物から製造され得る。
【0015】
前記熱収縮性ポリエステル系フィルムは、(i)共重合ポリエステル組成物を溶融押出して得たシートをTg+5〜Tg+20℃の温度で主延伸方向に延伸して延伸フィルムを得る段階、及び(ii)前記延伸フィルムをTg+5〜Tg+50℃の温度で熱処理させる段階を含む製造方法によって製造され得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明による熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮性ポリエステル系フィルムの一般的な特性である印刷加工性、機械的強度、耐熱性、及びフルラベルに必要な高い収縮率を有すると同時に、スカート現象及び持ち上がり現象が抑制され、温度による熱収縮率の変化率が比較的一定に維持され、収縮ラベルの折れ、容器の歪みなどに起因する外観上の問題点が解消されることで、優れた外観仕上がり性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例及び比較例によるポリエステル系フィルムの温度による熱収縮率を示したグラフである。
【図2】本発明によるポリエステル系フィルムのスカート比測定方法を説明する図面である。Lはフィルムサンプルの長さ、Wはフィルムサンプルの収縮前の幅、dはフィルムサンプルの収縮後の幅である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に関してより詳しく説明する。
【0019】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは主収縮方向の熱収縮率の温度による変化率(%/℃)が60〜70℃の範囲で1.5〜3.0、70〜80℃の範囲で2.5〜3.5、80〜90℃の範囲で1.0〜2.0、及び90〜100℃の範囲で0.1〜1.0である。これに関連し、前記主収縮方向の熱収縮率の温度による変化率は、例えば、図1に示した曲線の各温度区間における傾きを意味する。
【0020】
図1に示されているように、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの場合、前記変化率、すなわち、傾きが比較的に一定に維持し、従来のフィルムとは異なって変化率が急激に変化する区間がなく、特に、60〜80℃の温度区間では変化率が殆ど一定に維持し(すなわち、図1における曲線が直線と類似する)、PVCと類似の特性を示していることが分かる。
【0021】
本発明の好ましい実施例によれば、本発明のポリエステル系フィルムは(i)二塩基酸成分100モル%を基準にして、テレフタル酸残渣を90モル%以上含む二塩基酸成分、及び(ii)ジオール成分100モル%を基準にして、(a)ジエチレングリコール1〜20モル%、(b)ネオペンチルグリコール5〜30モル%、及び(c)エチレングリコール50〜90モル%を含むジオール成分を含む共重合ポリエステル組成物から製造され得る。
【0022】
本発明の共重合ポリエステル組成物のうち二塩基酸成分としては、例えば、ジメチルテレフタレート(DMT)またはテレフタル酸(TPA)などの通常的に用いられる酸成分を用いることができるが、特に、テレフタル酸残渣を90モル%以上含む二塩基酸成分が好ましい。テレフタル酸残渣を90モル%以上含む場合には、延伸及び熱処理過程において配向などによる微細結晶構造が生成されてフィルムの耐熱性が向上するというメリットがある。
【0023】
本発明の共重合ポリエステル組成物のうちジオール成分としては、ジオール成分100モル%を基準にして、ジエチレングリコール1〜20モル%、ネオペンチルグリコール5〜30モル%、及びエチレングリコール50〜90モル%を含むジオール成分を用いることができる。
【0024】
本発明の前記ジオール成分がジエチレングリコール成分を3モル%以上含有する場合、スカート比(skirt ratio;S/R)の低下及び一定収縮速度などのような本発明の効果がさらに向上し、ジエチレングリコール成分を16モル%以下で含有場合、熱収縮性フィルムの耐熱性劣化が殆ど発生しなくなる。
【0025】
また、本発明の前記ジオール成分はネオペンチルグリコールを10〜25モル%の範囲で含む場合、延伸後の熱処理過程において多過ぎる量の結晶の生成を抑制することで十分な収縮率が得られ得、収縮機内で容器上に収縮させる過程において、二次配向結晶の生成を抑制し、最終製品におけるラベルのクラック性を最小化することができる。
【0026】
本発明の共重合ポリエステル組成物には反応触媒、ポリマー安定剤、反応添加剤、及び無機材料などが更に含まれ得る。
【0027】
本発明による一実施態様において、前記共重合ポリエステル組成物にはポリマー安定剤(例:リン酸トリメチル)0.3〜0.5重量%、反応触媒(例:三酸化アンチモン)0.2〜0.4重量%、及び無機材料(例:シリカ)0.05〜0.1重量%が更に含まれ得る。
【0028】
前記反応触媒の例としては、マグネシウム、マンガン及び亜鉛などの酢酸塩が挙げられる。
【0029】
また、本発明の共重合ポリエステル組成物は固有粘度が0.6〜0.9dl/gであることが好ましい。固有粘度が0.6〜0.9dl/gの範囲の場合、フィルムの強度及び伸度などの機械的物性を向上させ、印刷及びラベリングなどの後工程でフィルムが切れるなどの問題点を抑制できる。
【0030】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、90℃の熱水に10秒間浸漬させる場合、主収縮方向の収縮率が50%以上、好ましくは55%以上であり得る。主収縮方向の収縮率が55%以上の場合、フルラベルのような用途で容器の首部位まで収縮ラベリングが可能となるというメリットがある。
【0031】
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは前記共重合ポリエステルフィルムを主収縮方向に両端部を固定させた後、90℃の熱水に10秒間浸漬させる場合、下記式1で表されるスカート比(skirt ratio;S/R)の値が14%以下であることが好ましい:
スカート比(%)=(W−d)/L×100 (1)
(ここで、Lはフィルムサンプルの主収縮方向の長さ、Wは収縮前のフィルムサンプルの幅、dは収縮後のフィルムサンプルの幅である)
【0032】
スカート比の値が14%以下の場合、四角容器などのように固定点のある被着体にフィルムをラベリングするとき、収縮後、固定点の間の最中央部が収縮直交方向に持ち上がるスカート(skirt)現象が抑制され、その結果、ラベリングされた印刷物が中央部を中心に持ち上がる現象による問題点を解消すると同時に、美麗な印刷図案を得ることができる。さらに、スカート現象が抑制される場合には、ラベリングされた印刷物の視認性が向上され得る。
【0033】
また、本発明の共重合ポリエステル組成物から構成される熱収縮性ポリエステル系フィルムは、90℃の熱水に10秒間浸漬させる場合、収縮時に発生する最大応力が6N以下、好ましくは3.0N〜5.5Nである。最大収縮応力は厚さ40μmのフィルムを利用して測定することが好ましい。収縮時に発生する最大応力が6N以下である場合、フィルムを容器表面にラベリングするとき、ラベルのクラック性増加現象、スカート現象、ライディングアップ現象または容器潰れ現象などの問題点が抑制できるメリットがある。
【0034】
本発明のポリエステル系フィルムは前記共重合ポリエステル組成物を溶融押出させて得たシートを周速差延伸またはテンター法延伸によってTg+5〜Tg+20℃の延伸温度で主延伸方向に延伸して延伸フィルムを得(延伸段階)、前記延伸フィルムを主延伸方向に固定させた状態でTg+5〜Tg+50℃の温度の加熱処理加工区間に通過させる(熱加工段階)ことによって製造され得る。
【0035】
本発明の熱収縮性フィルムは、前記のような熱加工段階によって、一定な熱収縮率パターン、90℃で60%以上の高い熱収縮率、低い収縮応力及びスカート比のような特性発現を有するようになる。また、前記熱加工段階で加熱処理温度をTg+5〜Tg+50℃にすることで十分な熱処理効果が得られながらも、過度の結晶成長に起因する機械的物性の低下という問題点を防ぐことができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためものであり、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ制限されない。
【0037】
1.共重合ポリエステル樹脂の製造
共重合ポリエステル樹脂を下記表1に記載のように組成を変化させながら製造した。これらの共重合ポリエステル樹脂の製造は、本発明の属する技術分野において通常的に用いられ、周知のポリエステル標準製法に従った(例:韓国特許第10−0987065号の実施例1〜7)。
【0038】
【表1】

【0039】
2.ポリエステル系フィルムの物性比較
前記製造した樹脂11〜14を用いてポリエステル系フィルムを製造した。具体的に、該当樹脂を溶融押出して得たシートを80℃で主収縮方向に4倍延伸比で一軸延伸した後、延伸されたフィルムを主延伸方向に両端部を85〜105℃の温度に加熱された区間に速い速度で通過させて厚さ40μmのポリエステル系フィルムを製造した。
【0040】
【表2】

【0041】
1.試験方法
以下の実施例及び比較例で製造されたフィルムは次のような試験方法によって評価された。
【0042】
(1)スカート比
フィルムを主収縮方向に沿って長さ13.0cm及び幅6.0cmのサイズに切り取り、フィルム表面に付着した異物を除去した後、フィルムの主収縮方向の両端部を固定させて熱収縮の後にフィルムの長さが変わらなくして後、90℃の熱水に10秒間浸漬させた。次いで、収縮されたフィルムの幅を測定し、下記式によって各フィルムのスカート比を計算した(図2参照):
スカート比(%)=(収縮前のフィルムの幅−収縮後のフィルムの幅)/フィルムの長さ×100
【0043】
(2)フィルムの耐熱性
フィルムのガラス転移温度をDSC(differential scanningcalorimetry)を用いて測定し、ガラス転移温度が65℃以上であれば○、65℃未満であればXで表示した。
【0044】
(3)外観仕上がり性
フィルムを一辺の長さが6cm、重さが22gである四角容器に被せ、熱風収縮機に通過させた後、収縮後の外観仕上がり状態を確認した。各フィルムに対して20回の試験を実施し、折れ、持ち上がり、または容器歪みが2回以下に観察されると○、2回を超過して観察されるとXで表示した。
【0045】
(4)熱収縮率
フィルムを測定しようとする方向に長さ300mm及びその垂直方向に幅が15mmになるように裁断して試料を製造し、60℃、70℃、80℃、90℃または100℃を維持する恒温水槽で10秒間熱処理した後、収縮された長さを測定し、下記式によって計算した:
熱収縮率(%)=[(300−熱処理後の試料の長さ)/300]×100
【0046】
(5)収縮応力
試料を主収縮方向に120mm及び垂直方向に幅が15mmになるように裁断し、長手方向に両端が5mmずつ残るように110mmになる部位に線を表示した。前記試料をチャック間距離が95mmで、一方のグリップには収縮応力が感知できるロードセルが付着している装置にフィルムの長さが110mmになるように装着した。次いで、試料フィルムを装着した装置を90℃に一定に維持される恒温水槽に浸して13.6%の収縮が起きた後、1分間熱処理後の収縮応力値を示した。
【0047】
【表3】

【0048】
4.ポリエステル系フィルムの熱収縮率パターン分析
実施例1〜3、比較例1及び2、そしてPVC及びOPSフィルムの熱収縮率パターンを測定した結果を下記表4及び図1に示した。
【0049】
【表4】

【0050】
また、前記本発明のフィルムの温度別熱収縮率測定値を用い、区間別温度による変化率を得て下記表5に示した。
【0051】
【表5】

【0052】
前記表3〜5及び図1から分かるように、本発明による実施例の熱収縮性ポリエステルフィルムは耐熱性及び熱収縮率に優れており、スカート比及び収縮応力が低く、温度による熱収縮率の変化が比較的に一定であり、比較例のポリエステルフィルムより全般的に優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主収縮方向の熱収縮率の温度による変化率(%/℃)が、60〜70℃の範囲で1.5〜3.0、70〜80℃の範囲で2.5〜3.5、80〜90℃の範囲で1.0〜2.0、及び90〜100℃の範囲で0.1〜1.0であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項2】
前記熱収縮性ポリエステル系フィルムは、
(i)テレフタル酸残渣を含む二塩基酸成分、及び
(ii)ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールを含むジオール成分を含む共重合ポリエステル組成物から製造されることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項3】
前記熱収縮性ポリエステル系フィルムは、
(i)二塩基酸成分100モル%を基準にして、テレフタル酸残渣を90モル%以上含む二塩基酸成分、及び
(ii)ジオール成分100モル%を基準にして、(a)ジエチレングリコール1〜20モル%、(b)ネオペンチルグリコール5〜30モル%、及び(c)エチレングリコール50〜90モル%を含むジオール成分を含む共重合ポリエステル組成物から製造されることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項4】
前記熱収縮性ポリエステル系フィルムを90℃の熱水に10秒間浸漬させる場合、主収縮方向の収縮率が58%以上であり、下記式(1)で表されるスカート比(skirt ratio;S/R)の値が14%以下であり、収縮時に発生する最大応力が6N以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
スカート比(%)=(W−d)/L×100 (1)
(ここで、Lはフィルムサンプルの主収縮方向の長さ、Wは収縮前のフィルムサンプルの幅、dは収縮後のフィルムサンプルの幅である)
【請求項5】
前記共重合ポリエステル組成物は反応触媒、ポリマー安定剤、反応添加剤、及び無機材料のうち少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項6】
前記共重合ポリエステル組成物は固有粘度が0.6〜0.9dl/gであることを特徴とする請求項2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項7】
共重合ポリエステル組成物を溶融押出して得たシートをTg+5〜Tg+20℃の温度で主延伸方向に延伸して延伸フィルムを得る段階、及び
前記延伸フィルムをTg+5〜Tg+50℃の温度で熱処理させる段階を含む、熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記共重合ポリエステル組成物は、
(i)二塩基酸成分100モル%を基準にして、テレフタル酸残渣を90モル%以上含む二塩基酸成分、及び
(ii)ジオール成分100モル%を基準にして、(a)ジエチレングリコール1〜20モル%、(b)ネオペンチルグリコール5〜30モル%、及び(c)エチレングリコール50〜90モル%を含むジオール成分を含むことを特徴とする請求項7に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−184690(P2011−184690A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51400(P2011−51400)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(504004533)エスケーシー カンパニー,リミテッド (10)
【Fターム(参考)】