説明

熱可塑性容器を製造するための型の底部及び得られる容器

本発明は、熱可塑性容器を製造する型の底部と、このように製造された容器とに関する。製造された容器(1)は、軸X−X’とほぼ同軸に延在する凹状周壁部(6)を有する基部(4)であって、この凹面が壁部(6)すべてに沿って0でない曲率を画定する、基部と、軸X−X’とほぼ同軸に延在する管状周壁部(8)を形成する環状領域(7)であって、軸X−X’と上記壁部(8)との間の横断する径方向距離が、軸X−X’と上記基部(4)の凹状周壁部(6)に沿う任意の点との間における横断する径方向距離よりも長い、環状領域と、基部(4)と環状領域(7)との間における接続領域を形成する肩部(9)と、を備える。上記環状領域の深さは、環状領域(7)の直径の0.5%から2%の間、好ましくは1%から1.5%の間の範囲、特に1.2%であり、基部(4)の高さは、5mmから15mmの間にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、ブロー成形または延伸ブロー成形によって、容器を、特に、ブロー成形または延伸ブロー成形によって、PET(ポリエチレンテレフタレート)のような熱可塑性材料のボトルを、製造することに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、容器の底部と容器の製造型、特に型の底部とになされる改善に関する。
【背景技術】
【0003】
熱可塑性材料の容器の製造は、一般的に比較的複雑であり、容器の底部は、最も注意を必要とする部分の1つである。容器の底部は、容器内に収容されている液柱の重量を支持しており、底部の機械的強度が不十分である場合、底部は、その形状を損ない、容器は、もはや平坦な支持部上において適切な態様のままとならない。
【0004】
したがって、容器の底部は、正確な形状へブロー成形または延伸ブロー成形することが特に重要である容器の部分であるが、プリフォームの底部における熱可塑性材料の厚さが他の場所よりも著しく厚いので、形付けることが困難な部分であり、結果として、延伸が遅くなりかつこの容器の底部を正確に形成することがより困難となる。
【0005】
容器の底部において材料の分布が不正確であることは、容器の安定性に影響する。このような不正確な分布は、底部の中央部分及び/または周壁部において発生し、容器の基部の位置及び/または形状を変更することがあり、容器は、もはや平坦な支持部上において適切な態様のままとならない。
【0006】
その機械的強度を改善するため、底部は、従来、正確に形成されると所望の機械的強度をもたらすとされている多数の隆起または陥没領域を有する複雑なまたは非常に複雑な形状を有している。
【0007】
底部の任意の場所において、機械的強度は、液体の重量及び(このタイプの容器がしばしば炭酸飲料を収容するために使用されているように)内圧で底部が崩壊することを防止するのに十分でなければならない。
【0008】
例えば、特許文献1は、比較的複雑な底部を有するいくつかの容器のモデルを示しており、この底部は、1つの領域から別の領域に異なる曲率半径を有する異なる直径からなる複数の別個の領域を備えており、階段状の底部を形成する。ボトルの支持基部の直径は、容器本体部の直径と比較して比較的小さく、この支持基部を囲む部分の上方には、椀状でありかつその強度を改善するために垂直リブを有して補強された第2段部がある。
【0009】
容器及び特に容器の底部の複雑な形状は、正確に形成された容器をもたらす場合、吹込条件、特に吹込圧の正確かつ注意深い制御を必要とする。
【0010】
底部領域の材料を形成するまたは形付けることは、現在、高圧(主として40×10Paのオーダー)下で吹き込むことによって得られており、時間当たり数千の容器からなる高い製造速度においてこのような形成しかつ形付けることを組み合わせることを可能とする。
【0011】
しかしながら、このような高圧の吹込流体(一般的に空気)を生成することは、使用される材料及び電気の観点から非常にコストがかかり、製造者は、低圧を使用して材料のコストを低くすることによってこのステーションにおけるコストを削減したがっている。さらに、現在の製造条件の下で製造速度を増大させることを考え出すことは困難である。
【0012】
また、材料がその初期形状(プリフォーム)から最終容器の陥凹に対応する型壁部からなる形状になるように、材料が受ける時折複雑である経路に圧力をかけるべきであり、上記陥凹は、特に上記容器の底部において、方向が変化するまたは屈曲点のある経路にこの材料を押し込み、これら方向の変化は、90°以上の角度における変化に対応する。
【0013】
これは、プリフォームのこの底部領域における材料の十分な厚さと共に、成形キャビティの壁部への材料の被覆を不十分にさせ、かつ型に接する材料の冷却を不適切にさせ、その結果、容器の底部のすべてまたは一部の品質を低下させる。さらに、プリフォームから型壁部への材料のこの移動は、一定時間を必要とする。
【0014】
熱可塑性材料の容器の製造者は、可能ならば(成形キャビティの十分でない被覆をもたらしそうになる)十分に低い吹込圧で、特に(成形中における材料の迅速な配置を必要とする)ますます増大する製造速度で、少量の熱可塑性材料を必要とする容器を製造することを試みることによって、常に、経済的な製造条件を改善しようとしている。
【0015】
ブロー成形が困難である部分は、型底部の中心軸から最も離間している部分である。
【0016】
この困難性は、吹き込まれた材料が蓄積しやすい型底部の所定領域があるときにより強調され、このような蓄積は、材料が自由に流動して型底部全体を被覆することを妨げる。
【0017】
これは、リブが型底部に加えられて容器底部の径方向の剛性を強化する場合である。この解決法は、結果として吹き込まれた材料でリブを被覆することを困難とし、吹き込まれた材料の流動を阻害する。
【0018】
このような問題は、特許文献2及び特許文献3に記載された容器のような容器によって生じる。さらに、特許文献3の場合において、留意すべきことは、フランジ部があることによって取り扱い中、特に運搬中においてボトルを不安定にし、容器は、詰め込まれかつ互いに這い上がる傾向を有し、この傾向は、容器の安定性に悪影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0251258号明細書
【特許文献2】仏国特許第2892048号明細書
【特許文献3】英国特許第2041286号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、径方向の剛性を強化した容器底部の正確な成形を可能とする一方で適切なプリフォームをこのようなブロー成形または延伸ブロー成形することによって製造する従来技術には、解決法が存在しない。本発明は、これら問題への解決法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の態様は、熱可塑性材料のプリフォームを延伸ブロー成形することによって得られる容器に関し、上記容器は、特に、管状本体部が備え付けられる底部を有し、
− 中央部と上記容器の内側に向けて方向付けられた凹面を有する凹状周壁部とを有し、上記凹状周壁部が、上記容器の軸とほぼ同軸に延在し、上記凹面が、上記凹状周壁部に沿うすべての点において0でない曲率を画定する、基部と、
− 上記基部の上方に位置し、管状周壁部を形成する、環状領域と、
− 上記基部と上記環状領域との間の接続領域を形成する、肩部と、
を備え、上記環状領域が、上記管状本体部の少なくとも下側部分の延長部に位置し、上記容器の上記軸と上記環状領域の上記管状周壁部との間の径方向距離が、上記容器の上記軸と上記基部の上記凹状周壁部との間の径方向距離よりも大きい。
【0022】
有利な形態において、肩部は、その輪郭に沿うすべての点において0でない曲率を画定する凹面を有する。
【0023】
さらに有利な形態において、肩部は、容器の軸を横断する少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、上記容器の軸と平行な少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、を備える。
【0024】
別の有利な形態において、肩部は、容器の軸に対して傾斜した少なくとも1つの壁部を備える。
【0025】
さらに本発明において、肩部の深さは、環状領域の直径の0.5%から2%のオーダー、好ましくは1%から1.5%、特に1.2%である。
【0026】
本発明の別の構成において、肩部の深さは、管状本体部の下側部分における直径が50mmから120mmの間である容器について、0.5mmから2.5mmである。
【0027】
さらに本発明において、基部の凹状周壁部における平均曲率半径は、5mmから20mmの間である。
【0028】
本発明の別の構成において、基部の凹状周壁部における曲率半径は、上記基部の中央部分と肩部との間で可変である。
【0029】
さらに本発明において、基部の凹状周壁部における高さは、5mmから15mmの間である。
【0030】
また、本発明は、このタイプの容器を得るための型、特に2つの型半体(two mold halves)と共同するかつ/または2つの型半体と一体となる底部に関し、上述した上記容器の陥凹部を備え、上記型は、上記容器の管状本体部に対応するその管状部分の下方において、
− 中央部分と上記型の内側に向けて方向付けられたその凹面を有する凹状周壁部とを備え、上記壁部が上記型の軸とほぼ同軸に延在し、上記凹面が、上記凹状周壁部に沿うすべての点において0でない曲率を画定する、基部と、
− 上記基部の上方に位置する環状領域であって、管状周壁部を形成する、環状領域と、
− 上記基部と上記環状領域との間の接続領域を形成する肩部と、
を備え、上記環状領域が、上記型の少なくとも管状下側部分の延長部に位置し、上記型の軸と上記管状周壁部との間の径方向距離が、上記軸と上記基部の上記凹状周壁部における任意の点との間の径方向距離よりも大きい、陥凹部を備える。
【0031】
有利な形態において、肩部のための陥凹部は、その輪郭に沿うすべての点において0でない曲率を画定する凹面を有する。
【0032】
さらに有利な形態において、肩部のための陥凹部は、型の軸を横断する少なくとも1つの直線的な壁部と、上記軸と平行な少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、を備える。
【0033】
別の有利な形態において、肩部の陥凹部は、型の軸に対して傾斜した少なくとも1つの壁部を備える。
【0034】
さらに本発明において、肩部のための陥凹部は、環状領域の直径の0.5%から2%のオーダー、好ましくは1%から1.5%、特に1.2%である。
【0035】
本発明の別の形態において、肩部のための陥凹部は、本体部の下側部分における内径が50mmから120mmである型について、0.5mmから2.5mmの間である。
【0036】
さらに本発明において、基部の凹状周壁部における平均曲率半径は、5mmから20mmの間である。
【0037】
本発明の別の構成において、基部の凹状周壁部における曲率半径は、上記基部の中央部分と肩部との間で可変である。
【0038】
さらに本発明において、基部の周壁部の高さは、5mmから15mmの間である。
【0039】
ここで、本発明は、例示的目的のみのために提供されかつ限定されない実施例と、添付の図面と、を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】2つの型半体と関連する底部を備える型を用いて得られるタイプの本発明における容器を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における容器底部と型において形付けられる対応するキャビティとを示す拡大図である。
【図3】本発明の第2実施形態における容器底部と型において形付けられる対応するキャビティとを示す拡大図である。
【図4】本発明の第3実施形態における容器底部と型において形付けられる対応するキャビティとを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1及び図2は、ボトルの形態をなす容器1の全体を示しており、容器は、PETのような熱可塑性材料からなる図示しないプリフォームをブロー成形または延伸ブロー成形することによって容器を形付けるために使用される成形キャビティの輪郭に対応している。
【0042】
この容器1は、底部2を備えており、底部2の上には、管状本体部3が取り付けられており、全体は、軸X−X’に中心がある。この容器1の形成は、図示しない型を必要とし、型は、例えば仏国特許第2912952号明細書及び仏国特許第2883794号明細書などに記載されているように、従来、2つの型半体と底部とを備えている。
【0043】
容器1の底部2は、双方が上記容器1の軸X−X’とほぼ同軸である中央部分5と凹状周壁部6とを備える基部4を備えている。壁部6の凹面は、容器1の内側に向けて方向付けられており、この凹面は、上記壁部6に沿うすべての点において0でない曲率を画定し、この壁部6に直線的な領域がないことを意味する。
【0044】
基部4の中央部分5は、完全に滑らかであるか、任意の適切な形状を有する。
【0045】
また、容器1の底部2は、環状領域7を備えており、環状領域は、軸X−X’とほぼ同軸である本体部3の管状周壁部8の下側部分を構成する。容器の軸X−X’と環状領域7の管状周壁部8との間の横断する径方向距離は、軸X−X’と基部4の凹状周壁部6に沿う任意の点との間の横断する径方向距離よりも大きい。
【0046】
また、容器1の底部2は、肩部9を備えており、肩部は、基部4と環状領域7との間の接続領域を形成する。すなわち、肩部9は、基部4の曲率の(または湾曲部分の)端部において、この基部が容器1の軸X−X’とほぼ平行な直線的な領域を有さないようになっている。
【0047】
この構成は、径方向の剛性を強化した容器底部2を提供し、良好な垂直負荷耐性を有し、また、この配置は、延伸ブロー成形工程中に適切な型に吹き込まれたプリフォーム材料の流動と干渉せずに得られる。
【0048】
図2に示す実施形態において、肩部9は、凹面であってこの凹面の輪郭に沿うすべての点において0でない曲率を画定する凹面を有する。一方で基部4の凹状周壁部6、他方で肩部9は、容器の軸X−X’と同軸または軸X−X’を横断する0または無限大の曲率を意味するほぼ直線的な輪郭を有する領域を形成せず、この肩部9は、吹き込まれた熱可塑性材料の蓄積を引き起こしそうになる領域に遭遇することなく、容器の内側に向けて方向付けられ、そして吹き込まれたプリフォームの熱可塑性材料が吹き込むことが可能な全体的に凹状である領域を画定する。
【0049】
好ましくは、この実施形態において、肩部9の凹面によって画定される曲率は、基部4の凹状周壁部6の輪郭によって画定される曲率よりも小さい。
【0050】
別の実施形態において、図3に示すように、肩部9は、段差部の形態をなし、容器の軸X−X’を横断するほぼ直線的な壁部10を備えており、上記壁部10は、基部4の凹状周壁部6とこの同一の基部の管状周壁部8との間に延在する。
【0051】
管状周壁部8は、容器1の管状本体部3の少なくとも下側部分と対応しており、この壁部が上記本体部3の少なくとも下側部分の延長部に位置することを意味している。
【0052】
しかしながら、容器1の管状本体部3の下側部分は、管状周壁部8と完全には同一でない。このため、過剰領域7のこの管状周壁部8について、管状本体部3の壁部の横断する径方向距離よりも(例えば、ミリメートルまたは1/10ミリメートルのオーダーで)若干小さいまたは大きい横断する径方向距離に位置することが可能である。
【0053】
別の実施形態において、図4に示すように、肩部9は、容器1の軸X−X’に関して傾斜する壁部11を備えている。例として、傾斜壁部11は、0傾斜の角度(この場合において肩部9は図3に示す形態をなす)から例えば約45°の最大傾斜を有する角度(この場合において肩部は図4に示す形態をなす)まで変化しうる角度にある。
【0054】
また、図3に示す実施形態と図4に示す実施形態との双方を組み合わせた肩部9の実施形態を有することは可能であり、これは、肩部9がまず軸X−X’を横断するほぼ直線的な壁部、そして1以上の傾斜壁部を有し、上記軸X−X’回りに中心付けられた管状周壁部8で終わることを意味する。したがって、肩部9は、鋭角または傾斜の複数の交差部の形態をなす。
【0055】
肩部9の深さPは、基部4の凹状周壁部6に接続する点と上記肩部9の径方向及び横断方向で最も遠い点であって周壁部8を意味する点との間の横断径方向距離を意味しており、例えば50mmから120mmの間の範囲にある容器の直径について、0.5mmから2.5mmの間である。
【0056】
また、肩部9のこの深さPは、上記容器のタイプ及び性質に基づいて、容器の管状本体部3の下側部分において、環状領域の直径の0.5%から2%の間、好ましくは1%から1.5%の間、特に1.2%であってもよい。
【0057】
図2に示すように、肩部9のこの深さPは、上記肩部9において、管状周壁部8の半径Rcと凹状周壁部の上端部における凹状周壁部6の半径Rfとの間の差に対応する。
【0058】
基部4の周壁部6が全体的に凹面形状をなしているが、この壁部6は、いくつかの異なる曲率半径を有する輪郭を有してもよく、この凹状周壁部6の平均曲率半径Rpは、有利には、5mmから20mmである。
【0059】
好ましくは、基部4の凹状周壁部6の高さHは、5mmから15mmの間であり、この高さHは、基部4の中央部分5と肩部9と上記基部4とが接触する領域との間で測定されている。
【0060】
容器1は、上述のように、0.2リットルから2リットル、または4リットルまでを保持するタイプからなり、凹状周壁部6の平均曲率半径Rの値が、この凹状周壁部6が高さHでありかつ肩部9が深さPであり、成形された容器1の容量(容積)に部分的に基づくことは、理解される。
【0061】
好ましくは、環状領域7の管状周壁部8は、上述のように、本体部3の延長部においてほぼシリンダ状であるが、この管状周壁部8は、同様に、複数の小面(facet)の形状のプリズム状であってもよい。
【0062】
したがって、容器1は、上述のように、本発明の一部である図示しない型を用いて得られ、上記型は、容器の底部2及び本体部3を意味する上記容器の異なる部分の形付けを可能とするキャビティを構成する異なる構成要素を備え、上記キャビティは、特に上記容器の基部4と対応する基部の陥凹と、上記容器の環状領域7に対応する環状領域の陥凹と、上記容器1の肩部9と対応する肩部の陥凹と、を備えており、成形キャビティのこれら異なる構成要素は、図2から図4に示されている。
【0063】
第1実施形態において、型は、単に、容器の底部2及び本体部3を形付けるために使用される2つの型半体で構成されている。
【0064】
変形例において、型は、2つの型半体と型底部とで構成されている。容器の底部2の複雑さに応じて、型半体は、上記容器の本体部3のための陥凹部を形成し、型底部は、基部4と環状領域7と上記基部4及び上記環状領域7の間の肩部9を含んで、容器の上記底部2のための陥凹部を形成する、または、型底部は、例えば基部または基部の所定部分、もしくは基部及び肩部など容器の底部2の所定部分のみのための陥凹部を形成し、そして型半体は、容器の本体部3と上記型底部に含まれない容器底部2の部分とのための陥凹部を形成する。
【0065】
この型において、基部のための陥凹部は、上記容器1の基部の中央部分5と対応する中央部分を有し、凹状周壁部のための陥凹部は、上記容器の凹状周壁部6に対応し、上記凹状周壁部のための上記陥凹部は、型の内側に向けて方向付けられた凹面を有し、凹状周壁部のための陥凹部は、上記型の軸とほぼ同軸に延在し、上記凹面は、上記凹状周壁部のための上記間凹部に沿うすべての点において0でない曲率を画定する。
【0066】
型の環状領域のための陥凹部は、基部のための陥凹部の上方に位置し、図1の管状本体部3のための陥凹部に対応する型の少なくとも管状下側部分の延長部に位置する管状周壁部の陥凹部を形成する。
【0067】
型は、基部のための陥凹部と環状領域のための陥凹部との間にある接続領域を形成する肩部のための陥凹部をさらに備える。
【0068】
型の軸と環状領域の管状周壁部との間の径方向距離は、上記軸と基部の上記凹状周壁部における任意の点よりも大きい。
【0069】
図2に示すような底部2を有する容器1を得るために、肩部のための型陥凹部は、基部と環状領域との間に位置し、0でない曲率によって特徴付けられる輪郭の凹面を有する。
【0070】
図3に示す形状からなる底部2を有する容器1を得るために、1つの変形例において、型の基部と環状領域との間における肩部のための陥凹部は、型の軸を横断する少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、上記軸と平行なほぼ直線的な壁部と、を備える。
【0071】
図4に示される底部に対応する底部2を有する容器1を得るために、別の実施形態において、型の基部と環状領域との間に位置する肩部のための陥凹部は、上記型の軸に対して傾斜する少なくとも1つの壁部を備える。
【0072】
肩部のための陥凹部の深さPは、型において、例えば0.2リットルから2リットル、さらに4リットルまでの容積を有する容器について、容器1の管状本体部3の下側部分における環状領域7の直径の例えば0.5%から2%のオーダー、好ましくは1%から1.5%、特に1.2%である。
【0073】
また、型の型間凹部におけるこの深さPは、管状本体部の直径が50mmから120mmのオーダーである容器について、0.5mmから2.5mmの間である。
【0074】
型の基部についての平均曲率半径Rpは、凹状周壁部について、5mmから20mmの間である。また、この曲率半径Rpは、基部自体と肩部との間で可変である。
【0075】
型底部の基部における周壁部の高さHは、例えば5mmから15mmの間である。
【0076】
型底部と2つの型半体との間の分割線は、基部と肩部との間の接続部に配置されているが、肩部から型の及び容器1の管状本体部の下側部分に対応するレベルまでの上記領域における任意の点において、環状領域に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 容器、2 底部、3 管状本体部、4 基部、5 中央部分、6 凹状周壁部、7 環状領域、8 管状周壁部、9 肩部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料のプリフォームを延伸ブロー成形することによって得られるタイプの容器(1)であって、管状本体部(3)が備え付けられる底部(2)からなり、当該容器は、
− 中央部分(5)と、当該容器(1)の内側に向けて方向付けられた凹面を有する凹状周壁部(6)と、有し、前記凹状周壁部が、当該容器(1)の軸X−X’とほぼ同軸に延在し、前記凹面が、前記凹状周壁部(6)のすべての点において0でない曲率を画定する、基部(4)と、
− 前記基部(4)の上方に位置し、管状周壁部(8)を形成する、環状領域(7)と、
− 前記基部(4)と前記環状領域(7)との間の接続領域を形成する、肩部(9)と、
を備え、
前記環状領域(7)は、前記管状本体部(3)の少なくとも下側部分の延長部に位置し、
前記軸X−X’と前記管状周壁部(8)との間の径方向距離は、前記軸X−X’と前記基部の前記凹状周壁部(6)の任意の点との間の径方向距離よりも大きいことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記肩部(9)は、当該肩部の輪郭に沿うすべての点において0でない曲率を画定する凹面を有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記肩部(9)は、前記軸X−X’を横断する少なくとも1つのほぼ直線的な壁部(10)と、当該容器の軸と平行であり前記管状周壁部(8)に対応する少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記肩部(9)は、前記軸X−X’に対して傾斜した少なくとも1つの壁部(11)を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記肩部(9)の深さPは、前記環状領域(7)の直径の0。5%から2%のオーダー、好ましくは1%から1.5%、特に1.2%であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記肩部(9)の深さPは、前記管状本体部(3)の下側部分の直径が50mmから120mmである容器について、0.5mmから2.5mmの間であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記基部(4)の前記凹状周壁部(6)の平均曲率半径Rpは、5mmから20mmの間であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記基部(4)の前記凹状周壁部(6)の曲率半径Rpは、前記基部(4)の前記中央部分(5)と前記肩部(9)との間で可変であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記基部(4)の前記凹状周壁部(6)の高さHは、5mmから15mmの間であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項10】
熱可塑性材料のプリフォームを延伸ブロー成形することによって得られるタイプの容器を形成する型であって、当該型は、前記容器の底部(2)及び前記容器の本体部(3)を意味する前記容器の異なる部分を形成するためのキャビティを構成する異なる構成要素を備え、
前記キャビティは、特に、
− 中央部分と凹状周壁部であって内側に向けて方向付けられた当該凹状周壁部の凹面を有する凹状周壁部とを有する基部のための陥凹部であって、前記凹状周壁部が当該型の軸とほぼ同軸に延在し、前記キャビティが前記凹状周壁部に沿うすべての点において0でない曲率を画定する、陥凹部と、
− 前記基部の上方に位置する環状領域のための陥凹部であって、周壁部を形成する、陥凹部と、
− 前記基部と前記環状領域との間の接続領域を形成する肩部のための陥凹部と、
を備え、
前記環状領域は、前記管状本体部についての前記陥凹部の少なくとも下側部分の延長部に位置し、
当該型の軸と前記管状周壁部との間の径方向距離は、前記軸と前記基部のための前記陥凹部の前記凹状周壁部における任意の点との間の径方向距離よりも大きいことを特徴とする型。
【請求項11】
前記肩部のための前記陥凹部は、当該陥凹部の輪郭に沿うすべての点において0でない曲率を画定する凹面を有することを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項12】
前記肩部のための前記陥凹部は、当該型の前記軸を横断する少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、前記軸と平行な少なくとも1つのほぼ直線的な壁部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項13】
前記肩部のための前記陥凹部は、当該型の軸に対して傾斜した少なくとも1つの壁部を備えることを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項14】
前記肩部のための前記陥凹部の深さは、前記環状領域の直径の0.5%から2%のオーダー、好ましくは1%から1.5%、特に1.2%であることを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項15】
前記肩部のための前記陥凹部の深さは、前記管状本体部のための前記陥凹部の管状である下側部分の内径が50mmから120mmの間である型について、0.5mmから2.5mmの間であることを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項16】
前記基部のための前記陥凹部における前記凹状周壁部の平均曲率半径は、5mmから20mmの間であることを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項17】
前記基部のための前記陥凹部における前記凹状周壁部の曲率半径は、前記基部自体と前記肩部との間で可変であることを特徴とする請求項10に記載の型。
【請求項18】
前記基部のための前記陥凹部における前記凹状周壁部の高さは、5mmから15mmの間であることを特徴とする請求項10に記載の型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−509202(P2011−509202A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541826(P2010−541826)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050018
【国際公開番号】WO2009/092936
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506100093)シデル・パーティシペーションズ (72)
【Fターム(参考)】