説明

熱架橋性ポリアクリレート及びそれの製造方法

【課題】 溶融物から加工可能なポリマーを熱で架橋させることを可能とすることであり、その際に溶融物からの加工のために、特に相応するポリマーホットメルトのための公知の熱で架橋する系の場合のポットライフに比較して十分に長いポットライフを有しているべきである。
【解決手段】 − 溶融状態のポリマーに少なくとも1種類の架橋剤を添加し;− ポリマーを溶融物から更に加工し;− そして架橋剤により熱的な架橋反応をひき起こし、その際に架橋反応の少なくとも一部をポリマーの溶融温度より下の温度で更に加工した後に進行させる均一に架橋したポリマーを製造する方法において、− 架橋剤が少なくとも二官能性の化合物を含有しておりそして二官能性基の少なくとも1種類がオキサゾリン基でありそして− ポリマーが、ポリマーの溶融温度より下の温度でオキサゾリンと熱架橋反応の意味で連結反応することができる官能基を有していることを特徴とする、上記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマー、特にポリアクリレートを熱架橋させる方法、並びに相応して製造された熱架橋性或いは架橋したポリアクリレートに関する。
【0002】
ポリアクリレートは高い価値の工業用途、特に接着剤、感圧接着剤又はヒートシール性組成物の用途分野において増大する要求に良好に適合することが判っていいるので、これらの用途のために中でもポリアクリレートが使用されている。
【0003】
例えば感圧接着剤は良好な粘着性を有しているが、剪断強度の領域での高度の要求にも適合しなければならない。同時に良好な加工性、特に該接着剤を支持体材料に塗布するための高い適合性も良好でなければならない。これは特に高分子量、比較的に高い極性及びその結果生じる効果的な架橋性を持つポリアクリレートによって達成される。さらにポリアクリレートは透明でそして耐候性に製造される。
【0004】
例えば感圧接着剤、粘弾性支持体又はヒートシール組成物として使用できるポリアクリレート組成物を溶液から又は分散物として被覆加工する場合、従来から熱による架橋が行われてきた。一般に熱架橋剤、例えば多官能性イソシアネート、金属キレート又は多官能性エポキシドが官能性基を持ったポリアクリレートの溶液に添加され、そしてこの組成物が基体の上にドクターブレード又はコーティングバーによって平らに塗布されそしてポリアクリレートが次に乾燥される。これによって分散物の場合には希釈剤、要するに有機溶剤又は水が蒸発されそしてそれに応じてポリアクリレートが架橋される。この架橋は被覆物にとって非常に重要である。何故ならばそれによって十分な凝集性及び熱剪断強度が得られる。架橋なしでは被覆物は柔らか過ぎ、僅かな負荷でも流れ出してしまう。良好な被覆結果にとって重要なのは、架橋系次第で著しく変動し得るポットライフ(系が加工可能な状態で存在している加工時間)を遵守することである。この時間が短過ぎる場合には架橋剤が既にポリアクリレート溶液中で反応しており、溶液が既に架橋初めており(ゲル化始めるか或いはゲル化しており)そしてもはや一様に被覆することができない。
【0005】
特に環境保護の理由から感圧接着剤を製造する技術的プロセスは依然として常に改善されている。さらに規制されて来ている環境保護既成の結果として及び溶剤の価格が上昇する結果としてポリマーの製造から溶剤をできる限り排除する試みがされている。それ故に工業界においては、ポリマー、特に感圧接着剤の製造のために、溶融法(熱溶融法又はホットメルト法とも言う。)を溶剤不使用の被覆技術と関連付けることが重要になっている。この場合には溶融性ポリマー組成物、要するに高めた温度で分解することなく流動状態に転化するポリマー組成物が加工される。この種類の組成物はこの溶融状態から有利に加工される。この方法の更なる発展においては、少ない溶剤で又は溶剤なしで製造することも実施することができる。
【0006】
ホットメルト技術を導入することは接着剤に増大する要求を課すことである。特に前述の溶融性ポリアクリレート組成物(“ポリアクリレートホットメルト”とも称する)は改善のために非常に詳しく検討されている。溶融物からポリアクリレート組成物を被覆する場合には、熱による架橋は有利であるにも係わらず従来には全く普及していない。
【0007】
従来にはアクリレートホットメルトは中でも放射線化学法(紫外線照射、電子線照射[ESH])によって架橋されている。しかしながらこの方法には種々の欠点を伴っている:
・ 紫外線による架橋の場合には紫外線透過層だけしか架橋しない;
・ 電子線による架橋(電子線架橋或いは電子線硬化、またはESH)の場合には、照射される材料の厚さ及び加速装置電圧に依存して制限された電子線侵入深さしかないことである。
・ 上述の両方の方法では層が架橋後に架橋プロフィールを有しており、感圧接着剤が均一に架橋しない。
【0008】
感圧接着剤は、良好に架橋した層を得るためには比較的に薄くなければならない。密度、加速装置電圧(EBC)及び活性な波長(UV)に依存して、放射線が透過できる厚さは確かに変動するが、常に著しく制限されており、任意の厚さの層を架橋することができずそして確実に不均一である。
【0009】
従来技術においてはアクリレートホットメルトを熱により架橋させる若干の方法も公知である。この場合にはその都度、アクリレート溶融物に塗布前に架橋剤が添加され、成形されそしてロール状に巻かれる。
【0010】
NCO反応性基を含有するアクリレートホットメルト接着剤を直接的に熱により架橋させることはヨーロッパ特許出願公開第0,752,435 A1明細書に開示されている。使用されるブロッキング剤不含のイソシアネート、特に立体障害の及び二量体のイソシアネートは非常に激しい架橋条件を必要とし、合理的な工業的反応には問題がある。ヨーロッパ特許出願公開第0,752,435 A1明細書に開示された方法は、溶融物から加工する場合に支配的であるような条件のもとでは迅速で比較的に激しい架橋がもたらされ、該材料の加工、特に支持体材料の被覆に関連しての加工が困難である。接着テープの多くの工業的用途にとって必要とされる様な特に非常に均一な接着剤層を得ることができない。
【0011】
さらにブロックされたイソシアネートを用いることも従来技術にある。このコンセプトの欠点はブロック基からの開放或いは接着特性にマイナスの影響を及ぼす残留物質を分離することにある。一つの例は米国特許第4,524,104 A号明細書がある。該明細書には、ブロックされたポリイソシアネートで触媒としてのシクロアミジン類又はそれの塩と一緒に架橋することができるアクリレートホットメルト接着剤が開示されている。この系の場合には第一に、必要とされる触媒、中でも発生するHCN,フェノール、カプロラクタム等が製品の性質に著しく悪影響を及ぼし得る。さらに、このコンセプトの場合にも反応性基を放出するためにしばしば激しい条件が必要とされる。挙げる価値のある製品の使用例は従来には知られておらず、興味の持てるものはない。
【0012】
米国特許第6,340,719B1号明細書にも、二重結合を介してポリアクリレート中に組み入れられるブロックされたモノ−又はポリイソシアネートが同様に開示されている。ここでも前述の問題が生じ、開放されたイソシアネート官能基の反応がポリマー骨格への結合によって網状化を生じさせそしてゲル化をもたらし得るので、溶融状態での加工のときに解ブロックをいずれの場合にも開始させてはならないということも生じる。
【0013】
ドイツ特許出願公開第10 2004 044 086 A1号明細書には、アクリレートホットメルトを熱によって架橋させる方法を開示している。この方法の場合には、熱反応性架橋剤の添加後に配合、運搬及び被覆にとって十分な長さの加工寿命を持つ、溶剤不含の官能性化アクリレートコポリマーが、好ましくはロール法によって他の材料のウエブ様層の上に、特にテープ状支持体材料又は接着剤層の上に塗布されそして塗布後に、感圧接着テープにとって十分である凝集が達成されるまで穏やかな条件のもとで架橋させている。
【0014】
この方法の欠点は、架橋剤(イソシアネート)の反応性によって自由加工寿命及び架橋度が予めに決められることである。イソシアネートを使用する場合には、その一部が添加したときに既に反応してしまい、それによって系次第ではゲル化しない時間が非常に短くなり得る。比較的に多い割合で官能性基、例えば水酸基又はカルボン酸基を持つ組成物は被覆加工においてもはや十分に被覆することができない。結果としてゲル粒子が散らばった斑のある均一でない塗膜が得られる。
【0015】
さらに達成可能な架橋度が制限されるという問題がある。多量の架橋剤の添加によって比較的に高い架橋度を望む場合には、多官能性イソシアネートを使用したときにこれが欠点である。この組成物は早過ぎて反応しそして、そうであるから、非常に短い加工寿命しか有してらずそしてそれ故に非常に早い被覆速度で被覆することができる。このことは均一でない被覆品質の問題を増加させる。
【0016】
ドイツ特許出願公開第100 08 841 A1号明細書には、第三ブトキシカルボニル(BOC−)保護基、カチオン性光開始剤及び二官能性イソシアネート及び/又は二官能性エポキシドを含有するポリマー混合物を熱で架橋させることによって容易に入手できるポリアクリレートが開示されている。さらに、架橋すべきポリマーに最初に第三ブトキシカルボニル基の導入によって保護しそして脱保護後に脱保護されたポリアクリレートを熱処理することによって初めて架橋する、架橋したポリアクリレートの製造方法が開示されている。この場合、保護基の導入が、後になって初めて望まれる架橋反応を、時期尚早の加工の過程で既に高い加工温度が例えばホットメルト法の場合にそうであるように存在する場合に防止するのに役立ち得る。この保護は特にこの時点までの架橋反応に有効であるが、加工すべきポリマーの保護されていない官能基、特に水酸基を攻撃するその他のあらゆる競合反応にも有効である。
【0017】
ここに記載した方法の欠点は、被覆後に紫外線照射によって初めて反応性基を開放しなければならないことである。したがってここでは熱による架橋のために、紫外線照射で誘発される架橋のために既に上述したのと同じ欠点がある。さらに燃焼可能なイソブテンが放出される。
【0018】
ヨーロッパ特許出願公開第1,317,499 A号明細書には紫外線で開始されるエポキシド架橋によりポリアクリレートを架橋する方法が開示されており、この場合にはポリアクリレートが重合の間に相応する基で官能化される。この方法は、慣用の架橋メカニズムと比較して、特に電子線照射架橋に比較して架橋されたポリアクリレートの剪断強度に関して長所をもたらす。このヨーロッパ特許出願公開明細書には、二官能性又は多官能性酸素含有化合物、特に二官能性又は多官能性エポキシド又はアルコールを官能化ポリアクリレート、特に官能化アクリレートホットメルトのための架橋剤として使用することが開示されている。
【0019】
架橋は紫外線照射により開始されるので、ここでも既に前述したのと同じ欠点がある。
【0020】
水性ベースのポリアクリレートを架橋するために、ヨーロッパ特許第1,323,802 B1号明細書にはオキサゾリンが記載され、並びに2006年特許公開第124,640A号公報にはポリマー骨格に反応性基としてこの種の官能性を組み入れることが記載されている。オキサゾリンはそれの水溶性、それの化学選択性、すなわち例えば水酸基の存在下でもカルボン酸、チオール類又はアミン類と反応すること、及び特に80℃以上での高い反応性に特徴があり、このためにこのものは、溶融温度及び加工温度が80℃以上でありそしてそれ故にこの温度が被覆の前又は間にゲル化させるのでホットメルト法には一般に適していない。
【0021】
それ故にホットメルト系への切換は当業者にとって高温での高い反応性のために当業者にとって自明なことではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の課題は、溶融物から加工可能なポリマー(“ポリマーホットメルト”)を熱で架橋させることを可能とすることであり、その際に溶融物からの加工のために、特に相応するポリマーホットメルトのための公知の熱で架橋する系の場合のポットライフに比較して十分に長い加工寿命(“ポットライフ”)を有しているべきである。この場合、化学線又は他の方法によって場合によっては再び除去しなければならない保護基及び後で生成物中に残留し蒸発除去される揮発性化合物を使用しないですむべきである。さらに、ポリアクリレート組成物の架橋度はプロセス形態の長所にマイナスの影響を及ぼすことなく、所望の水準に調整できるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
驚くべきことに本発明者は、2−オキサゾリン基、3−オキサゾリン基又は4−オキサゾリン基の少なくとも1種類を持つ物質を含めた架橋剤が上述の課題を卓越的に解決することを見出した。有利にはこの物質自体が架橋剤である。特に、その融点がポリアクリレート溶融物の加工温度より少なくとも10℃上にありそして有利にはゆっくりとであるが均一にポリマー溶融物中に溶解及び/又は混和する物質を使用するのが有利である。
【0024】
したがって本発明は、
− 溶融状態のポリマーに少なくとも1種類の架橋剤を添加し;
− ポリマーを溶融物から更に加工し;
− そして架橋剤により熱的な架橋反応をひき起こし、その際に架橋反応の少なくとも一部をポリマーの融点より下の温度で更に加工した後に行い;
− その際に架橋剤が少なくとも二官能性の化合物を含有しておりそして二官能性基の少なくとも1つがオキサゾリン基でありそして
− ポリマーが、ポリマーの溶融温度より下の温度でオキサゾリンと熱架橋反応の意味で連結反応することができる官能基を有している
均一で架橋したポリマーを製造する方法に関する。
【0025】
本発明の方法の更なる改善は架橋反応の少なくとも一部が室温で行われることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】は本発明の方法の配合行程を概略的に図示している。
【図2】は本発明の方法の被覆行程を概略的に図示している。
【図3】は本発明の方法の三層複合体の被覆工程の概略図を図示している。
【図4】は壁貼り付け試験の構造を図示している。
【0027】
架橋すべきポリマーはポリアクリレートであるのが特に有利である。この明細書において以下での“ポリアクリレート”には、純粋なポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモノマー及び場合によっては他のコモノマーよりなるコポリマー並びに、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及び/又はアクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモノマー及び場合によっては他のコモノマーよりなるコポリマーを含むポリマーブレンドが含まれる。
【0028】
この場合、溶融状態のポリマーには他の添加物、例えば粘着付与性樹脂を添加してもよい(後記参照)。本発明の方法は非常に均一な感圧接着剤をベースとするポリマーを熱で架橋させるのに卓越的に適している。
【0029】
本発明の方法の有利な一つの実施態様において、溶融物からのポリマーの更なる加工にはポリマー組成物の成形、特に支持体への塗布が包含され、その際にこの更なる加工は成形或いは塗布に制限してもよい。架橋の少なくとも一部は成形後に特にポリマー層状態で行うのが有利である。
【0030】
良好な架橋速度がポリマーの融点より下の温度でも、特に室温でも1種類以上の促進作用官能基(以下、“促進剤基”と称する)の付加の結果として達成できることが判っている。
【0031】
架橋剤としては、2位に二重結合を持つ少なくとも1つのオキサゾリン基を持つ少なくとも二官能性化合物を使用し、特に2位に二重結合を持つオキサゾリン基(2−オキサゾリン基)が有利である。二官能性及び/又は多官能性架橋剤(要するに、特に架橋反応のために活性中心として役立つ二官能性又は多官能性基を持つ架橋剤)を使用するのが有利である。以下において多官能性化合物が問題となる限り、他に記載がない場合には二官能性化合物も一緒に包含される。
【0032】
発明を教示するために、オキサゾリン基が炭素原子を介して少なくとも二官能性物質、要するに架橋剤の骨格に2−位で結合しているのが有利である。架橋剤物質が2つ又は多数のオキサゾリン基を持つ(二官能性又は多官能性オキサゾリン)場合、特に有利には全てのオキサゾリン基が炭素原子を介して架橋剤骨格の2−位で結合しているのが有利である(これに関しては、後述の連結反応の反応式も参照)。
【0033】
本発明の有利な一つの実施態様においては架橋すべきポリマーに、促進性基を持つ物質(“促進剤”とも称する)を添加する。この促進性基それ自体の代わりに又は追加的にポリマー自体の官能基であってもよい。
【0034】
促進的に作用する物質(或いは基)は、該物質(或いは基)が本発明に従う十分な反応速度を保証することによって架橋反応をサポートし、他方、架橋反応は促進剤の不存在下では、選択された反応パラメータ、特にポリアクリレートの溶融温度より下にある温度のもとで全く進行しないか又は不十分にしか遅々としてしか進行しない。要するに、促進剤は架橋反応の反応速度論を本質的に改善することを保証する。このことは本発明によれば接触的に行ってもよいが、反応に組み入れることによって行ってもよい。
【0035】
架橋すべきポリマーは、オキサゾリン基との連結反応、特に付加反応又は置換反応の意味でのそれに特にポリマーの溶融温度より下にある温度で参加するのに適する官能基を含有している。室温で上述の適性を持つ官能性基をポリマーが有しているのが特に有利である。
【0036】
官能基としてはチオール基、フェノール基及び特に有利にはカルボキシル基が適する。
【0037】
架橋反応は官能基を持つ構成単位とオキサゾリン基を持つ構成単位との連結(特に官能性基を持つ相応するポリマー構成単位をオキサゾリン基を持つ連結ブリッジとしての物質を介して架橋する意味で)をもたらす。
【0038】
オキサゾリン基含有物質の場合、多官能性オキサゾリン、即ち少なくとも2つのオキサゾリン基を持つ化合物を特に使用し、したがって、官能性基を持つ構成単位の間接的連結をもたらす。
【0039】
加工の間に生じるような高温(要するにポリマーの溶融温度より上の温度)での熱的架橋剤の高い反応性のために、該架橋剤の存在は特に促進剤の存在下では、ポリマー系をもはや均一に加工できず、特に配合及び被覆できないことを意味している。何故ならば該組成物が早過ぎて過度に架橋するか又は完全にゲル化する(“無制御状態で”架橋する)からである。上述のオキサゾリン化合物の使用によってこの挙動は回避することができた。
【0040】
ポリマー溶融物に溶解し難いか混和し難いオキサゾリンを使用するのが特に有利である。本発明によれば液状の或いは固体のオキサゾリン基含有物質を架橋剤として使用することができる。
【0041】
固体の架橋剤物質を使用する限り、融点が加工温度より少なくとも10℃上、特に少なくとも20℃上である系を選択するのが特に有利である。
【0042】
溶解してない状態或いは固体の状態では、界面に存在するオキサゾリン官能基だけがポリマーとの反応に利用できる。したがってポリマーが架橋し始めるが、僅かの数の結節点であるためにゲル化はなく、ポリマーは更に加工することができる。架橋剤が時間の経過に連れてポリマー中に沢山溶解すればするほど、架橋反応がますます多く生じ、その際に架橋反応の大部分は該組成物を塗布したときに初めて進行する。
【0043】
本発明の方法によればポリマー、特にポリアクリレートは加工後に、特に層として塗布した後に又は支持体の上に塗工した後に、溶融を達成するためよりも熱エネルギーを明らかに僅かに供給する場合に、要するに冷ました後に、活性化照射を必要とすることなしに更に架橋することができる。
【0044】
特にポリマーは本発明の方法によって、更なる活性化、要するに方法技術的な意味で供給される熱エネルギー(加熱)なしに、特に室温(RT、20℃)に冷却後に更に架橋させることができる。特に架橋のこの段階では、架橋反応の終了の原因になることなく、加熱を省くことができる。
【0045】
オキサゾリンはしばしば適当な促進剤なしに熱の影響のもとで十分な反応性を有している。促進剤物質、例えばブレンステッド酸又はルイスさんは溶融物の温度範囲内で(要するに加工温度のもとでも)又は低い温度、特に室温でも反応性を改善させる。後者の場合、ホットメルトとして加工されたポリマーを比較的に短い時間(数分)の間に被覆しそして次に更なる熱供給なしに室温まであるいは保存温度まで速やかに冷す場合が重要である。別の架橋反応を開始せずには高い架橋度を達成することはできない。このことはポリアクリレートの沢山の用途分野にとって、例えば特に感圧接着剤としての用途において接着剤に僅かな凝集しか得られない。
【0046】
促進作用する物質(“促進剤”)としてはブレンステッド酸又はルイス酸を特に使用することができる。促進剤は反応混合物に余分に供給しても又はポリマーに結合して存在させてもよい。促進剤基は例えばカルボン酸基又はスルホン酸基である。
【0047】
カルボン酸基は確かにオキサゾリン架橋剤と反応するが、濃度はオキサゾリン成分に比較してより高く選択するのが有利である。何故ならばこのものは一方においては反応成分としてそしてもう一方においては促進剤と見なすことができるからである。
【0048】
本発明の架橋剤と適当な促進剤との本発明に従う組合せによって、液状成分とのポリマー中の架橋剤の溶解性が悪いことに関連してあるいは高い溶融点が固体の架橋剤での悪い溶解性に関連して、特に有利な熱架橋挙動が、ポリマーホットメルト、特にポリアクリレートホットメルトを加工する際に要するに溶融物中に制御されていない反応を(組成物のゲル化)をもたらさずそして加工のために十分に長いポットライフをもたらし、その結果特に層として塗布するとき又は支持体に塗布するときに均一で無気泡の被覆をもたらすことができるという特に有利な熱架橋法を提供することができる。
【0049】
本発明の方法は、架橋度及び反応性(反応速度論)の十分な結節点によって架橋像に関して優れた制御可能性のあるポリアクリレートのための安定な架橋法を有利にも予期できないことに提供している。
【0050】
本発明の方法は有利にもポリアクリレートを熱的に架橋するのに役立つ。ポリマー、コポリマー又はポリマーブレンド(前記参照)、特にアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをベースとするポリアクリレートコポリマーから出発し、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの少なくとも一部がオキサゾリン、特に2−オキサゾリン基と前述の様に反応して共有結合を形成する官能基を含有している。2−オキサゾリン基とカルボキシル基との間の反応を以下の例で実証する。存在するプロトン(特に存在するカルボキシル基からのそれ)あるいは添加されたルイス酸又はブレンステッド酸がオキサゾリン環をプロトン化あるいは錯塩化し、それによって反応が促進される:
【0051】
【化1】

【0052】
R1 は架橋すべきポリマーの骨格を記号化したものであり; R2 は多官能性架橋剤の骨格である。従ってR2 は架橋すべきポリマー鎖の官能基と反応し得る少なくとも1つの第二の官能性基、特に上記の反応式に従って反応し得る1つ以上の他のオキサゾリン基を有している。その際に、2つ以上の重合体鎖が互いに連結される。
【0053】
架橋したポリマー、特にポリアクリレートは、組成物にある程度の凝集が望まれる可能なあらゆる用途分野で使用することができる。特にこの方法はポリアクリレートをベースとする粘弾性材料に有利である。本発明の方法の特別な用途分野は、ホットメルト組成物、特にホットメルト接着剤の熱による架橋である。
【0054】
本発明の方法の場合には、架橋剤をポリマー、特にポリアクリレートの溶融物に添加するのが特に有利である。この場合には架橋反応は場合によっては既に開始されていてもよくそしてその後に冷却し、架橋反応が未だ進行していないか又は僅かな程度しか進行していない場合には、ポリマーは未だ有利に加工することができ、例えば均一に塗布し及び/又は有利に成形することができる。特に接着テープのためには均一で一様な塗膜が必要であり、接着剤層には塊、小粒等が存在するべきでない。相応する均一なポリマーが他の用途でも必要とされている。
【0055】
成形性あるいは被覆性は、ポリマーが未だ架橋していないか又は僅かな程度しか架橋していない場合に得られる。すなわち、冷却開始時の架橋度は10%より多くなく、特に3%より多くなく、中でも1%より多くないのが有利である。架橋反応は冷却後でも、最終的な架橋度が達成されるまで進行する。
【0056】
“冷却”という言葉はここでも及び後記でも加熱を排除することによる受動的な冷却も包含する。
【0057】
本発明の方法は、ポリマーの溶融物中の架橋を架橋剤、特に架橋剤系の存在下に、特に更に加工、特に成形又は被覆する僅か前の時点に(熱によっても)開始するように実施するのが有利である。これは一般に架橋用反応器(配合器、例えば押出機)で行う。次いで組成物を配合器から取り出しそして所望の通り加工し及び/又は成形する。加工あるいは成形の際に又はその後に、積極的に冷却し及び/又は温度が室温にまで下がっていない場合には、熱を調節し又はポリマーを加工温度より下の温度に加熱する(場合によってはここでも予めの積極的冷却の後に)ことによってポリマーを冷す。
【0058】
更なる加工あるいは成形は特に永久的又は一時的支持体の上に被覆することも有利に包含される。
【0059】
本発明の非常に有利な一つの態様においてはポリマーを加工用反応器から除くとき又は除いた後に永久的な又は一時的な支持体の上に塗布しそして塗布のとき又は塗布後にポリマーを室温(又は室温付近の温度)に特に被覆直後に冷却する。
【0060】
更なる加工の“僅か前”の反応開始は、架橋に必要なオキサゾリン成分[又は架橋に必要な成分の少なくとも1種類を促進された反応の場合に(特にオキサゾリン基含有物質及び/又は促進剤)]を出来るだけ遅れてホットメルト(溶融物)中に添加する(未だ僅かな架橋度であるために均一な加工性がある)が、ポリマー組成物との良好な均一化を出来るだけ早く行うのが必要がある。これは特に有利な液状のオキサゾリンの特に割合溶解性あるいは固体オキサゾリン成分の遅い溶解性及び僅かな溶解性の関係で重要である。何故ならばさもないと不均一な生成物が得られるか又は室温での後架橋が架橋剤の遅い拡散のために及びそれによって初めて得られる均一化の進行が遅すぎるからである。
【0061】
架橋剤あるいは架橋剤−促進剤系は、架橋反応がポリアクリレート組成物の溶融温度より下の温度、特に室温で進行するように選択する。室温での架橋は追加的なエネルギーを供給する必要がなく、それ故に費用の節約ができる点で有利である。
【0062】
“室温での架橋”という言葉は接着テープ、粘弾性の非粘着性材料等の通例の保存温度での架橋を意味し、そして20℃に限界を設けるべきでない。もちろん、保存温度が気候的又はその他の温度変動のために20℃からずれる場合にも(又は室温は局所的な事情のために20℃から異なる場合)、架橋が特に別にエネルギーを供給することなく進行する場合も本発明にとって有利である。
【0063】
オキサゾリン基含有物質としては。特に多官能性オキサゾリン、分子当たり少なくとも2つのオキサゾリン単位を持つ(要するに少なくとも二官能性である)ものも使用される。このものは芳香族化合物でも脂肪族化合物でもよい。特に2つのオキサゾリン基を持つ二官能性化合物及び/又は多官能性の特にオリゴマー又はポリマー、2つ以上のオキサゾリン基を持つ架橋剤としての化合物も有利に使用される。多官能性架橋剤とは、熱的架橋反応の意味で本発明の条件のもとで反応するあらゆる官能基、オキザリン基であるのが有利である。
【0064】
優れて適する多官能性オキサゾリンにはオルト−、メタ−又はパラ置換フェニレンビスオキサゾリン、2,6−ビス(2−オキサゾリル−2)ピリジン(並びにオキサゾリン環にアルキル置換基又はアリール置換基を持つ誘導体)、2,6−ビス(8H−インデノ[1,2−d]オキサゾリニル−2)ピリジン、1,2−ビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリニル−2)エタン(並びにオキサゾリン環にアルキル置換基又はアリール置換基を持つ誘導体)、2,2−イソプロピリデンビス−2−オキサゾリン(並びにオキサゾリン環にアルキル置換基又はアリール置換基を持つ誘導体)並びに少なくとも2つのα−メチルビニル−2−オキサゾリンの単位よりなるブロックコポリマー、例えば日本触媒株式会社のEpocrosTMRPS-1005がある。
【0065】
任意に存在する促進剤としては特にルイス酸又はブレンステッド酸を使用するのが特に有利である。後者の場合には有機酸又は鉱酸を有利に使用することができる。促進剤は反応混合物に添加しても又はポリマー中に結合させてもよい。この場合、アクリル酸含有ポリマーの場合もこの場合に該当する。何故ならば、同時にオキサゾリンと反応し得るアクリル酸がオキサゾリンを基準として過剰に存在しそして促進剤濃度を架橋反応にも係わらず一定であると見なすことができるからである。
【0066】
本発明に従って架橋すべきポリマーは少なくとも1種類のポリアクリレートを有するのが有利である。この場合、アクリルモノマー(その中にはメチルアクリレートモノマーも意味する)及び場合によっては他の共重合性モノマーのラジカル重合によって得られる未架橋の(又は場合によっては一緒に架橋している)ポリマーも適する。一緒に架橋されたポリマーを使用する場合には、溶融粘度が、続く後加工、特に均一な成形のために組成物が妨害しない水準でなければならない。
【0067】
本発明によればオキサゾリン基で架橋可能なポリアクリレートが適する。相応してモノマー又はコモノマーとしては二官能性で、オキサゾリン基と架橋反応し得るモノマーを使用する。ここでは特にカルボン酸基、チオール基及び/又はフェノール基を持つモノマーを使用する。すなわち、カルボン酸基含有モノマーが特に有利である。ポリアクリレートが重合組み入れたアクリル酸及び/又はメタクリル酸を持つ場合が特に有利である。ポリアクリレートのためのコモノマーとして使用することができる他の有利なモノマーには例えば30個までの炭素原子を持つアクリル酸及び/又はメタクリル酸エステル、20個までの炭素原子を持つビニル芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、炭素原子数1〜10のアルコールのビニルエーテル、炭素原子数2〜8及び1つ又は2つの二重結合を持つ脂肪族炭化水素又はこれらのモノマーの混合物がある。
【0068】
本発明の方法にとって、特別な軟質化モノマー、更にオキサゾリン基と反応、特に付加反応及び/又は置換反応することができる官能基を持つモノマー並びに場合によっては他の重合組み入れ可能なコモノマー、特に硬質化モノマーを含有する反応混合物をベースとするポリアクリレートも有利に使用される。製造すべきポリアクリレート(感圧接着剤、ホットメルト組成物、粘弾性の非粘着性材料等)の性質は個々のモノマーの色々な重量割合によってポリマーのガラス転移温度を変更することによって影響される。
【0069】
純粋結晶質の系のためには溶融点Tsの所に結晶と液体との間の熱的平衡が在る。これに対して非晶質又は部分結晶質の系は多かれ少なかれ硬質の非晶質あるいは部分結晶質の層を軟質(ゴム様乃至粘性)の相に転化することに特徴がある。ガラス点の所に、特にポリマー系の場合に、比較的に長い鎖セグメントのブラウン分子運動の“解凍”(冷却した場合には“凍結”)がもたらされる。
【0070】
それ故に、融点Ts(“溶融温度”:純粋結晶質の系についてのみ規定される“ポリマー結晶”)からガラス転移温度Tgへの変換は測定される資料の部分結晶質の割合次第で流動的と見なすことができる。
【0071】
この明細書において、上述の意味において、ガラス転移点との記載は融点も包含し、ガラス転移点(又はガラス転移温度と同じ意味)は“溶融性”系の溶融点も包含する。ガラス転移温度という記載は動的機械的分析(DMA)によって僅かな振動数で示す。
【0072】
所望のガラス転位温度を有するポリマー、例えば感圧接着剤又はヒートシーリング剤を得るために、ポリマーの所望の値のガラス転移温度Tgが、Foxによって表された式(G1)(T. G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc. 1 (1956) 123参照)に従って得られるように、モノマー混合物の量組成を有利に選択する。
【0073】
【数1】

【0074】
式中、nは使用するモノマーについての順番の番号であり、Wはそれぞれのモノマーの質量割合(重量%)でありそしてTG,nはそれぞれのモノマーnよりなるホモポリマーのそれぞれのガラス転移温度(K)である。
【0075】
以下のモノマー組成に基づくことのできるポリアクリレートを使用する:
a)以下の式
CH=C(R)(COORII
[式中、RはH及びCHを含む群から選択され、RIIは炭素原子数4〜14のアルキル基である。]
で表されるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル;
b)オキサゾリン基との反応性のために既に規定した種類の官能基を持つオレフィン性不飽和モノマー;
c)任意の別のアクリレート及び/又はメタクリレート及び/又は成分a)と共重合可能なオレフィン性不飽和モノマー。
【0076】
感圧接着剤としてポリアクリレートを使用するためには、相応する成分a),b)及びc)の割合を、重合生成物がガラス転位温度≦15℃(低い振動数でのDMA)を有するように選択する。
【0077】
感圧接着剤を製造するためには45〜99重量%の割合の成分a)のモノマー、1〜15重量%の割合の成分b)のモノマー及び0〜40重量%の割合の成分c)のモノマーを選択するのが有利である(これらの重量%表示は、完成ポリマーに如何なる添加物、例えば樹脂等を添加せずに“ベースポリマー”のためのモノマー混合物を基準としている)。
【0078】
ホットメルト接着剤、要するに加熱によって初めて粘着性になる材料を使用するためには、相応する成分a)、b)及びc)の割合を、コポリマーが15℃〜100℃、特に30℃〜80℃、中でも40℃〜60℃のガラス転位温度(T)を有するように選択する。
【0079】
粘弾性材料(これには例えば一般的に両面に粘着性層が積層されていてもよい)は特に−50℃〜+100℃、殊に−20℃〜+60℃、特に0℃〜40℃のガラス転位温度(T)を有している。成分a)、b)及びc)の割合もこれに相応して選択することができる。
【0080】
成分a)のモノマーは特に軟質化性及び/又は無極性モノマーである。
【0081】
モノマーa)のためには、4〜14の炭素原子数、特に4〜9の炭素原子数のアルキル基を持つアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを包含するアクリルモノマーを使用するのが有利である。この種類のモノマーの例にはn−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート及びそれらの分岐した異性体、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートがある。
【0082】
成分b)のモノマーは官能基、特にオキサソリン基と反応し得る官能基を持つオレフィン性不飽和モノマーb)であるのが好ましい。
【0083】
成分b)のためには、以下の例示から選択される官能基を持つモノマーを使用するのが有利である:カルボキシル基、スルホン酸基又はホスホン酸基、フェノール、チオール又はアミン。成分b)のモノマーの特に有利な例にはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、ジメチルアクリル酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロルアクリル酸、ビニル酢酸、ビニルホスホン酸、イタスコン酸、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートがある。
【0084】
原則として成分c)の意味では、成分a)及び/又は成分b)と共重合することができそして得られる感圧接着剤の性質を調整するのに役立つ、あらゆるビニル官能化された化合物を使用することができる。
【0085】
成分c)のための例示するモノマーには以下のものがある:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、第二ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、第三ブチルフェニルアクリレート、第三ブチルフェニルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、14−クミルフェニルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノエチルメタクリレート、4−ビフェニルアクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−ナフチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、アリルアルコール、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、3−メトキシアクリル酸メチルエステル、2−メトキシブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、ブチルジグリコールメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールモノメチルアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールメタクリレート350、メトキシ−ポリエチレングリコールメタクリレート500、プロピレングリコールモノメタクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプラフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプラフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−(1−メチルウンデシル)アクリルアミド、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(n−オクタデシル)アクリルアミド、更にN,N−ジアルキル置換アミド、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−第三ブチルアクリルアミド、N−第三オクチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、塩化ビニル、ハロゲン化ビニル、ビニリデンクロールイド、ビニリデンハロゲニド、ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルピロリドン、スチレン、α−及びp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、巨大分子モノマー、例えば2−ポリスチレンエチルメタクリレート(4000〜13000g/molの分子量M)、ポリ(メチルメタクリレート)エチルメタクリレート(2000〜8000g/molの分子量M)がある。
【0086】
成分C)のモノマーは、後で(例えば電子線、UVによる)放射線化学的架橋に役立つ官能基を有するように有利に選択することができる。適する共重合可能な光開始剤には例えばベンゾインアクリレートモノマー及びアクリレート官能化されたベンゾフェノン誘導体がある。電子線照射での架橋に役立つモノマーには、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート、N−第三ブチルアクリルアミド、アリルアクリレートがある。ただしここに挙げたものに限定されない。
【0087】
重合体の製造:
ポリアクリレートの製造は当業者の熟知する方法に従って、有利には慣用のラジカル重合又は制御されたラジカル重合によって行うことができる。ポリアクリレートは、通例の重合開始剤並びに場合によっては分子量調整剤の使用下にモノマー成分を共重合することによって製造することができ、その際に通例の温度のもとで塊状で、エマルジョンで、例えば水又は液状炭化水素中のエマルジョンで、又は溶液状態で重合される。ポリアクリレートは溶剤中で、好ましくは50〜150℃、好ましくは60〜120℃の沸点範囲の溶剤中で通常の量、一般に(モノマーの総重量を基準として)0.01〜5重量%、特に0.1〜2重量%の重合開始剤の使用下に製造するのが有利である。原則としてアクリレートのためには、当業者に熟知される通例のあらゆる開始剤が適している。ラジカル源の例にはペルオキシド、ヒドロキシペルオキシド及びアゾ化合物、例えばジベンゾイルペルオキシド、クモールヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−第三ブチルペルオキシド、シクロヘキシル−スルホニルアセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルカルボナート、第三ブチルペルオクトエート、ベンズピナコールがある。非常に有利な一つの実施態様においてはラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)( DUPONT社のVazo(R)67TM )又は2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル:AIBN :DUPONT社のVazo(R)64TM )を使用する。
【0088】
溶剤としてはアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール、n−及びイソブタノール、好ましくはイソプロパノール及び/又はイソブタノール;並びに炭化水素、例えばトルエン及び特に60〜120℃の沸点範囲を持つベンジンが適する。特にケトン類、例えば好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びエステル、例えば酢酸エチルエステル並びに上述の種類の溶剤の混合物も使用することができる。その際に、イソプロパノールを使用する溶剤混合物を基準として殊に2〜15重量%、特に3〜10重量%含有する混合物を使用するのが有利である。
【0089】
ポリアクリレートの重量平均分子量Mは有利には20,000〜2,000,000g/molの範囲内にあり、非常に有利には100,000〜1,000,000g/mol、なかでも有利には150,000〜500,000g/molの範囲内にある[この明細書における平均分子量M及び多分散性PDの表示はゲルパーミッションクロマトグラフィー(測定法A3、実験部分を参照)によって測定したものに関する]。この目的のために、所望の平均分子量に調整するために、重合を適当な重合調整剤、例えばチオール類、ハロゲン化合物及び/又はアルコールの存在したで実施するのが有利である。
【0090】
ポリアクリレートは好ましくは30〜90、特に好ましくは40〜70のK−値(トルエン中1%溶液で21℃で測定)を有しているのが有利である。FIKENTSCHERによるK−値は架橋していないポリマーの分子量及び粘度の目安である。
【0091】
本発明の方法にとって、狭い分子量分布(多分散性PD<4)を有するポリアクリレートが特に適している。この組成物は比較的に低い分子量であるにも係わらず架橋後に特に良好な剪断強度を有している。さらにこの低い分子量が、広く分布するポリアクリレートに比べて十分に同等の用途特性の他に流動粘度が小さいので、溶融物からの加工を容易にする。狭い分布のポリアクリレートはアニオン重合によって又は制御されたラジカル重合法によって有利に製造することができ、その際に後者の場合が特に良好に適している。RAFT法にしたが手製造されるこの種類のポリアクリレートの例は米国特許第6,765,078 B2号明細書及び同第6,720,399 B2号明細書に開示されている。N−オキシルによっても、例えばヨーロッパ特許第1,311,555 B1号明細書に記載されている様に相応するポリアクリレートが製造される。原子移動ラジカル重合(ATRP)も狭い分布のポリアクリレートを合成するために有利に使用され、その際に開始剤として有利には単官能性又は二官能性の第二又は第三ハロゲン化物が使用されそしてハロゲン化物の除去のためにCu−、Ni−、Fe−、Pd−、Pt−、Ru−、Os−、Rh−、Co−、Ir−、Ag−又はAu−錯塩が使用される(例えばヨーロッパ特許出願公開第0,824,111 A1号明細書;同第826,698 A1号明細書;同第824,110 A1号明細書;同第841,346 A1号明細書、同第850,957 A1号明細書参照)。さらにATRPの種々の可能な方法が米国特許第5,945,491 A号明細書、同第5,854,364 A号明細書、及び同第5,789,487 A号明細書に記載されている。
【0092】
本発明の方法によって得られるポリアクリレートには、熱による架橋の前に少なくとも1種類の粘着性付与樹脂を混入してもよい。添加する粘着性付与樹脂としては既に公知の及び文献に記載の粘着性付与剤を使用することができる。特にあらゆる脂肪族、芳香族、アルキル芳香族炭化水素樹脂、純粋モノマーをベースとする炭化水素樹脂、水素化炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂並びに天然樹脂が言及されている。ピネン樹脂、インデン樹脂及びコロホニウム樹脂、それらの不均化、水素化、重合した、エステル化した誘導体及び塩、テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂並びにC−、C−並びに他の炭化水素樹脂が特に有利である。これらの樹脂及び他の樹脂は、得られる接着剤の性質を所望に従って調整するために、組み合わせても使用することができる。特に有利なのは、相応するポリアクリレートと相容性のある(溶解する)あらゆる樹脂が使用される。特に有利な一つの実施態様においてはテルペンフェノール樹脂及び/又はコロホニウムエステルが添加される。
【0093】
粉末状及び顆粒状充填剤、染料及び顔料、特に研磨剤及び補強剤、例えばチョーク(CaCO)、二酸化チタン、酸化亜鉛及びカーボンブラックを多量に、すなわち、処方全体の1〜50重量%の割合でポリアクリレート溶融物中に配量供給し、均一に混入しそして2本ロール塗装装置で塗布する。ここではしばしば、配合物全体の粘度が非常に高いので連続法は機能しない。
【0094】
充填剤として色々な状態のチョークを使用するのが非常に有利であり得る。そのときにミクロゾル(Mikrosohl)チョークを使用するのが特に有利である。30重量%までの有利な割合では粘着性(室温での剪断強度、鋼鉄及びPEへの瞬間接着力)が充填剤の添加によって実質的に変化しない。
【0095】
さらに難燃性充填剤、例えばポリリン酸アンモニウム、更に導電性充填剤(例えば導電性カーボンブラック、炭素繊維及び/又は銀被覆したビーズ)、更に熱伝導性材料(窒化硼素、酸化アルミニウム、炭化珪素)、更に強磁性添加物(例えば酸化鉄(III)),更に容積増加用添加物、特に発泡した総を製造するためのそれ(例えば発泡剤、中実のガラス粒子、中空のガラス粒子、他の材料よりなる微細粒子、膨張性ミクロバルーン、珪酸、珪酸塩、有機系再生原料、例えば木材粉、有機及び/又は無機ナノ粒子、繊維)、更に無機及び/又は有機着色剤(ペースト、配合物又は顔料の状態のもの)、老化防止剤、光安定剤、オゾン安定剤、配合剤及び/又は発泡剤をポリアクリレートの濃縮前又は後に添加又は配合してもよい。老化防止剤としては第一老化防止剤の例えば4−メトキシフェノールと第二老化防止剤としての例えばCIBA GEIGY社のIrgafos(R)TNPPを互いに組み合わせて使用するのが有利であり得る。ここでは CIBA GEIGY社の別の適当なIrgafos(R)タイプ或いはCLARIANT 社のHostano(R)も挙げることができる。実証されている。老化に対する他の優れた剤としては、フェノチアジン(C−遊離基捕捉剤)並びにヒドロキノンメチルエーテルを酸素の存在下で使用しても並びに酸素自体を使用してもよい。
【0096】
場合によっては、通例の軟化剤(可塑剤)を特に5重量%までの濃度で使用することができる。可塑剤としては例えば低分子量のポリアクリレート、フタレート、水溶性可塑剤、軟質樹脂、リン酸塩、ポリリン酸塩及び/又はクエン酸塩を配量添加することができる。
【0097】
さらに場合によっては、熱で架橋し得るアクリレートホットメルトを他のポリマーとブレンドして或いは混合してもよい。この目的のためには天然ゴム、合成ゴム、EVA,
シリコーンゴム、アクリレートゴム、ポリビニルエーテルをベースとするポリマーが適している。この場合には、これらのポリマーを顆粒化した状態で又は他の粉砕した状態でアクリレート溶融物に、熱架橋剤の添加前に添加するのが合目的的であることが判っている。ポリマーブレンドの製造は押出機において、好ましくはマルチ軸式押出機中で又は遊星ロールミキサーにおいて行われる。熱で架橋するアクリレートホットメルト、特に熱で架橋するアクリレートホットメルトと他のポリマーとのポリマーブレンドを安定化するために、成形された材料に僅かな照射量で電子線照射するのが有意義であり得る。場合によってはこの目的のためにポリアクリレートに架橋促進剤、例えば二官能性−、三官能性−又は多官能性アクリレート、ポリエステル及び/又はウレタンアクリレートを添加してもよい。
【0098】
別の操作:
未架橋のポリマー、特にポリアクリレートの濃縮を架橋剤及び促進剤物質の存在下で行うことができる。しかしながらこれらの化合物の種類の一方をポリマーに濃縮前に既に添加し、次いで濃縮をこの物質の存在下に行うことも可能である。
【0099】
このポリマーを配合装置に移す。本発明の方法の特に有利な実施態様においては濃縮及び配合を同じ反応器で行ってもよい。
【0100】
特に配合器としては押出機を有利に使用することができる。ポリマーは、既に溶融した状態で導入するか又は配合器中で溶融するまで加熱されて配合器中に溶融した状態で存在している。配合器中においてポリマーは加熱によって溶融状態を維持される。
【0101】
架橋剤(オキサゾリン)も必要な場合には促進剤もポリマー中に存在しない限り、溶融物中の可能な温度はポリマーの分解温度によって制限される。配合器中のプロセス温度は一般に80〜150℃、特に100〜120℃である。
【0102】
オキサゾリン基含有物質をポリマーに、必要な場合には、有利には促進剤の添加前又は一緒に添加する。
【0103】
オキサゾリン基含有物質は、これが十分に安定している場合には、モノマーに既に重合段階の前に又は重合段階の間に添加する。オキサゾリン基含有物質をポリマーに配合器中に添加する前か又は配合器中に添加するときに、要するに未架橋のポリマーと一緒に配合器中に添加するのが有利である。
【0104】
被覆前の添加の時間窓は、得られる生成物の性質にマイナスの変化をもたらすことなく、特に使用できるポットライフ、要するに溶融状態での加工寿命によって導かれている。本発明の方法では(実験パラメータの選択次第で)数分から数十分のポットライフを得ることができ、その結果促進剤は被覆前のこの時間内に添加するべきである。促進剤は、できる限り遅れてホットメルト状態で添加するのが有利であるが、必要な程度に早く、ポリマー組成物と良好に均一化を行う。
【0105】
110〜120℃のプロセス温度では2〜10分、特に5分より長い時間内が非常に有利であると判っている。
【0106】
促進剤を添加する場合には、促進剤物質をポリマーの更なる加工、特に被覆又は他の成形の僅か前にポリマーに添加するようにして行うのが有利であり得る。架橋剤(要するにオキサゾリン化合物)及び促進剤の両方をポリマーの更なる加工の僅か前に、換言すれば、促進剤のために上述のように準備された段階に添加するのが有利である。この目的のためには、架橋剤−促進剤系を、オキサゾリン−促進剤混合物の状態も含めて、一つの場所で及び同じ場所でプロセスに同時に導入するのが有利である。
【0107】
原則として、上記の実施態様での架橋剤及び促進剤の添加時点或いは添加場所を、促進剤をオキサゾリン基含有物質の前に添加するように切り換えることも可能である。
【0108】
配合行程ではポリマーの温度は架橋剤及び/又は促進剤の添加時に50〜150℃、殊に70〜130℃、特に80〜120℃である。
【0109】
原則として架橋剤、要するにオキサゾリン基含有物質を添加物不含のポリマーを基準として0.1〜5重量%添加するのが非常に有利であることが判っている。
【0110】
促進剤は添加物不含のポリマーを基準として0.05〜5重量%添加するのが有利である。
【0111】
架橋剤の割合は少なくとも20%の架橋したポリアクリレートのエラストマー成分が得られるように選択する場合が有利である。特にエラストマー成分が少なくとも40%、更に好ましくは少なくとも60%であるのが有利である(それぞれ、測定方法H3に従って測定される。実験部分参照)。
【0112】
原則として官能基の数、要するにカルボン酸基の数は、エポキシ基に関して過剰に存在するように、所望の架橋を得るために十分に沢山の官能基、要するにポリマーの潜在的架橋場所又は連結場所がポリマー中にもたらされるように選択することができる。
【0113】
本発明の架橋剤系の作用のためには、変法も含めた特に本発明の方法の関係では、架橋剤の量及び場合によって存在する促進剤の量はポリアクリレート中の架橋反応で反応する官能性基の量に場合によっては互いに調和しそして所望の架橋結果にとって最適とするのが特に有利である。
【0114】
架橋剤系の成分相互の比を特定するために、特に、架橋剤中のオキサゾリン基の数とポリマー中の反応性官能基の数との比を使用することができる。原則としてこの比は、過剰の官能基、数的に相互に同程度の基又は過剰のオキサゾリン基が存在するように自由に選択することができる。
【0115】
この比は、オキサゾリン基が(最高で数的に同等までの)過剰に存在するように選択するのが有利である。すなわち、架橋剤中のオキサゾリン基の総数とポリマー中の官能基の数との比が0.1:1〜1:1の範囲内であるのが特に有利である。
【0116】
別のパラメータには、促進剤を必要とする場合には、促進剤中の促進作用する基の数と架橋剤中のオキサゾリン基の数との比がある。促進作用する基としては、同時にオキサゾリンと反応しそして架橋をもたらす、特にポリマー中のカルボン酸基又は他の酸基並びに後から添加される有機又は無機のブレンステッド酸の官能性(プロトン数に相当する)が考えられる。これに対してルイスさんは一価の促進剤と見なされる。この比も原則として、過剰の促進作用基、数的に互いに同程度の基又は過剰のオキサゾリン基が存在するように自由に選択できる。
【0117】
促進剤中の促進作用する基の数と架橋剤中のオキサゾリン基の数との比が0.2:1〜4:1であるのが特に有利である。
【0118】
組成物の配合後にポリマーの更なる加工、特に永久的支持体又は一時的支持体の上への塗布を行う(永久的支持体は使用するときに接着剤層と一緒に結合したままであり、他方、一時的支持体は別の加工行程で、例えば接着テープの改変の際に又は接着剤層を使用するときに除去される。)。
【0119】
粘着剤の被覆は当業者に知られたホットメルト被覆用ノズルを用いて又は特にロール式アプリケーター、例えばカレンダー式コーティング装置を用いて行うことができる。カレンダー式コーティング装置は好ましくは2つ、3つ、4つ又は更に多い数のロールで構成されていてもよい。
【0120】
特に、ロールの少なくとも1つは非接着性のロール表面を有しており、なかでもポリアクリレートと接触する全てのロールがそうであるのが有利である。特に有利な実施態様においてはカレンダー装置の全てのロールが非接着性に作製されている。
【0121】
非接着性のロール表面としてはスチール−セラミック−シリコーン複合材料を使用するのが特に有利である。この種類のロール表面は熱的及び機械的付加に対しても耐久性がある。
【0122】
当業者にとって、表面が加工すべきポリマー層に全面では接触せず、接触面が滑らかなロールに比較して少ない構造化表面を持つロール表面を使用した場合に、驚くべきことに特に有利であることが判った。網目模様金属製ロール(例えば網目模様鋼鉄製ロール)のような構造化ロールが特に有利である。
【0123】
被覆は、国際特許出願公開第2006/027387 A1号明細書、第12頁第5行〜20頁第13行、特に“変法A”(第12頁)、“変法B”(第13頁)、“変法C”(第15頁)、“変法D”(第17頁)、“変法E”(第19頁)並びに図1〜6に記載されているような被覆法に相応して行うのが特に有利である。それ故に国際特許出願公開第2006/027387 A1号明細書の前述の開示場所はこの明細書に正確に記入したものとする。
【0124】
特に有利な結果は、二本ロール及び三本ロール式カレンダー装置(特に国際特許出願公開第2006/027387 A1号明細書の変法B、図3;変法C、図4;及び変法D、図4参照)の場合には、非粘着性の表面に作製されているカレンダーロールか又は表面改変されたロール、特に有利に挙げられるのは網目模様金属製ロールを用いることによって達成される。この網目模様金属製ロール、好ましくは網目模様鋼鉄製ロールは規則的な幾何学的断続表面構造を有している。これは特に運搬用ロール(UW)にとって特に有利である。この表面は、非接着性で構造化された表面がポリアクリレート組成物自体を非接着的に仕上げ加工された支持体表面の上に運搬することを可能とするので、被覆プロセスを成功させるのに特に有利に寄与する。色々な種類の非接着性表面被覆をカレンダーロールのために使用することができる。ここでは例えば既に述べた金属−セラミック−シリコーン複合材料(PALLAS OBERFLACHENTECHNIK GMBH社、ドイツ国のPALLAS SK-B-012/5並びにADVANCED SURFACE TECHNOLOGIES社、ドイツ国のAST 9984-B が特に適することが判っている。
【0125】
この場合、特に運搬用ロールが網目模様鋼鉄製ロールとして形成されていてもよい(国際特許出願公開第2006/027387 A1号明細書の変法B,図3;変法C、図4;及び変法D、図4参照)。特に運搬用ロールとして例えば140L/cmの記号表示(designation)及び10μmのフライト幅(flight width )を有する網目模様鋼鉄製ロール、例えばSaueressig社、ドイツ国のものを使用するのが特に有利である。
【0126】
被覆するときに特にマルチロールカレンダー装置を用いる場合300m/分までの被覆速度を実現することができる。
【0127】
本願明細書の図1及び2では、配合行程及び被覆行程を連続法をベースとして説明しているが、本願発明はこれに限定されるべきでない。ポリマーは配合器(1.3)(ここでは例えば押出機)中への第一の供給場所(1.1)に導入する。この導入は既に溶融した状態で行うか又はポリマーを配合器中で溶融するまで加熱する。有利には第一の供給場所でポリマーと一緒にオキサゾリン含有化合物を配合器中に導入するのが有利である。
【0128】
被覆する僅か前に、必要な場合には第二の供給場所(1.2)で促進剤を添加する。これは、促進剤をオキサゾリン含有ポリマーに被覆の僅か前に初めて添加しそして溶融物中での反応時間を少なくすることに成功させる。
【0129】
図1及び2に記載のとおり、被覆は被覆ロール(BW)とドクターロール(RW)との間で行うのが有利である(ドクターロールは固定されていても又は回転可能でもよく、特に有利には被覆ロールに対して反転している。)。
【0130】
二つのロール(BW)及び(RW)は、粘着剤(3)が例えば分配ノズル(1)によって導入される空隙を形成するように配置されている。このノズルには配合器(図1の1.3)を通って供給される。
【0131】
第一のロール(BW)[“被覆用ロール”]は一時的支持体(2)を搬送し、その上に粘着剤(3)が被覆される。第二のロール(RW)[“ドクターロール”]は非接着性に仕上げ加工された補助支持体(5)を搬送しそして補助支持体を接着剤の上に圧し付け、その結果接着剤が一時的支持体(2)の上に層(4)として載せられる。位置(6)では非接着性に仕上げ加工された補助支持体(5)は粘着剤層(4)から除かれている。一時的支持体(2)の上に接着剤層(4)を持つ接着テープ(6)は被覆装置から送り出される。
【0132】
反応形態は不連続的にも行うことができる。適当な配合器、例えばタンク型反応器にポリマー、架橋剤及び促進剤の添加を時間を変えて、及びそうでなく、図1に説明したように異なった場所に行うことができる。
【0133】
被覆直後に、特にローラー塗装によって又は押出機ノズルによっての被覆直後に、ポリマーは僅かだけ架橋初めているが、未だ十分には架橋していない。架橋反応は支持体の上で有利に進行する。この明細書においてはこの種類のポリマーを“未架橋ポリマー”という言葉に含める。
【0134】
被覆後にポリマー組成物を比較的速やかに、しかも貯蔵温度(一般に室温)まで冷却する。本発明の架橋剤系は、別に熱エネルギーの供給することなしに架橋反応を続けるのに適する。
【0135】
本発明の架橋剤系によるポリアクリレートの官能基とオキサゾリンとの間の架橋反応は熱を供給することなく標準条件(室温)でも完全に進行する。一般に5〜14日の保存時間の後に架橋は、官能性生成物(特にポリアクリレートをベースとする接着テープ又は官能性支持体層)が存在する限り完結する。極限状態及びそれ故のポリマーの最終的凝集が、ポリマー及び架橋剤系の選択次第で特に室温で14〜100日の保存後に、好ましくは14〜50日の保存期間の後に達成され、更に高い保存温度では予想通り早まる。
【0136】
架橋によってポリマーの凝集及びそれ故の剪断強度も高められる。結合は非常に安定している。これは非常に老化安定性で耐熱性の生成物、例えば接着テープ、粘弾性支持体材料又は成形体を可能とする。
【0137】
最終生成物の物理的性質、特に粘性、接着力及び粘着性は架橋の程度によって影響され、反応条件を適当に選択することによって最終生成物が最適化される。種々のファクターは方法の操作窓(operational window )を決定する。最も重要な影響要素は架橋剤及び必要な場合の促進剤の量(濃度及び相互の割合)及び化学的性質、プロセス温度及び被覆温度、配合器(特に押出機)及び被覆装置中の滞留時間、未架橋ポリマー中の官能基(特に酸基)の割合並びにポリアクリレートの平均分子量がある。
【0138】
以下において本発明の架橋した感圧接着剤の製造に関係する、本発明の詳細な特徴を示すが本発明の思想を限定するものでない沢山の関連事項を説明する。
【0139】
本発明の方法は、ポリアクリレートについて安定的な架橋法を、しかも架橋像に関しても架橋度と反応性或いは全体的な反応速度論(マクロ速度論)とを十分に結び付けることによって卓越的な制御をもって提供することができるという予期できなかった優れた長所をもたらした。この場合、添加される架橋剤の量(オキサゾリンの量)が生成物の架橋度に十分に影響し、ポリマー中の架橋反応し得るカルボン酸官能性の酸官能基の量並びに必要な場合にはこれに追加的に添加される促進剤(ルイス酸又はブレンステッド酸)の量が反応性を十分に制御する。これに対して、ポリマー溶融物中へのオキサゾリンの溶解性或いは固体イオキサゾリン架橋剤の場合の溶融及び続いての溶解行程が均一性及び溶融物中の架橋剤成分の分布に影響し、全体的な反応速度(マクロ的速度論:化学反応の反応速度と相界面での及び相自体への移動行程との相互作用)を制御する。
【0140】
驚くべきことに添加されるオキサゾリン含有物質の量によって架橋度が前もって選択され、しかもそれ以外の選択された方法パラメーターの温度及び場合によって添加される促進剤の量に全く無関係であることが判った。
【0141】
さらに、添加される促進剤の量が最終架橋度に到達する時点を含めて架橋速度に直接的に影響するが、完全に影響するわけではない。この場合、架橋反応の反応性は、架橋が完成生成物の保存の際にもそこの通例の条件(室温)のもとで数週間の間に、熱エネルギーを更に供給する必要なしに又は生成物を更に処理する必要なしに所望の架橋度になるように選択することができる。
【0142】
上記のパラメータに加えて架橋反応の反応性は、所望の場合には、特に通例の条件のもとで保存する間の“本来の架橋”の長所が重要である場合には、温度の変化によっても影響され得る。同じ任意の架橋濃度の場合には、プロセス温度を高めることが低下した粘度をもたらし、このことが組成物の被覆性を改善するが、加工時間を短縮する。
【0143】
加工時間の増加は促進剤の濃度を減少させることによって又は促進剤を省くこと、分子量の低減、未架橋ポリマー中の官能基濃度の減少、未架橋ポリマー中の酸の割合の低減、少ない量の反応性架橋剤(オキサゾリン)の使用或いは低い反応性の架橋剤−促進剤系の使用及びプロセス温度の低下によって得られる。
【0144】
組成物の凝集性の改善は色々なやり方によって得ることができる。一つには促進剤濃度を増加させる。これは加工時間を短縮させる。同じ任意の促進剤濃度でもポリマーの分子量を増やすことができる。これは恐らく効率的である。本発明においては、架橋剤(オキサゾリン基含有物質)濃度を高めるのがいずれの場合にも有利である。組成物或いは生成物の所望の要求像次第で上記のパラメータを適当に適合させなければならない。
【0145】
更に本発明の対象は、二官能性基の少なくとも1つがオキサゾリン基である、少なくとも二官能性の化合物を、溶融物から加工されるポリマーのための熱的架橋剤として、特に本発明の方法のための一つの実施態様の意味で使用することにある。
【0146】
最後に、本発明の対象は本発明の方法によって得られる、均一に架橋した特に乳化剤不含のポリマーである。
【0147】
有利な用途:
本発明に従って製造できるポリマーは広範な用途に使用できる。以下に特に有利な沢山の用途を例示する。
【0148】
本発明の方法に従って製造されるポリマー、特にポリアクリレートは感圧接着剤として、特に接着テープの感圧接着剤として卓越的に使用でき、その際に該感圧接着剤は支持体フィルムの片面又は両面に存在する。このポリマーは、この被覆方法では殆ど任意の比較的に多い塗布量、好ましくは100g/mより多い、特に好ましくは200g/mより多い塗布量が可能であり、しかも特に同時に層を通して架橋が均一であるので、層中の接着剤塗布量を多く要求される場合に特に適している。特許請求するわけではないが、有利な用途には例えば工業用接着テープ、特に建造物中で使用されるもの、例えば絶縁テープ、腐食防止用テープ、アルミニウム接着テープ、織物強化されたフィルム接着テープ(ダクトテープ)、特殊な目的の構造物用接着テープ、例えば蒸気遮断材、接着複合テープ、ケーブル包装テープ、粘着シート及び/又は紙ラベルがある。
【0149】
本発明に従って製造されるポリマー、特にポリアクリレートは支持体の無い接着テープの粘着材として、要するにいわゆる接着剤転写テープとして非常に容易に入手できる。ここでも特に有利にも、層に亙っての均一な架橋と同時に殆ど任意に調整可能な多量の塗布量である。特に有利な面積重量は10g/mより多く5,000g/mまでであり、層厚は200g/mより多く、300g/mより多いか又はそれ以上でもよい。特に100g/m〜300g/mが有利である。
【0150】
本発明に従って製造されるポリマー、特にポリアクリレートは転写接着テープ又は片面又は両面接着テープのヒートシール接着剤として存在してもよい。ここでも支持体を持つ感圧接着テープにとって、支持体は本発明に従って得られる粘弾性ポリアクリレートでもよい。
【0151】
相応して得られた接着テープの有利な一つの実施態様は、有利にはストリップ状接着テープとして使用でき、特に引っ張ることによって実質的に接着面に残留物なく剥がすことができる接着テープとして使用することができる。
【0152】
本発明の方法は三次元の粘着性の又は非粘着性の成形品を製造するのに特に良好に適している。この方法の特別な長所は、架橋すべきで成形すべきポリマー、特にポリアクリレートの層厚限界が紫外線及び電子線照射で硬化する方法と違って存在しないことである。被覆装置又は成形装置の選択に相応して、穏やかな条件のもとで所望の強度に後架橋させることができる任意の成形構造物が製造される。
【0153】
この方法は厚い層の特に感圧接着剤層又は粘弾性ポリマー層、特に80μm以上のポリアクリレート層を製造するのに特に適している。この種類の層は溶剤技術を用いてたのでは容易に製造できない(気泡の発生、非常に遅い被覆速度、薄い層の層度の積層に費用が掛かり、かつ弱い場所が生じる)。厚い感圧接着剤層は例えば充填剤なしで純粋な系(例えば純粋アクリレート)として又は樹脂を混入していないか又は有機又は無機充填剤が充填されて存在していてもよい。公知の方法によっても開放セル又は密封セルの発泡体層も可能である。発泡のための方法としては発泡を圧縮ガス、例えば窒素又はCOによっても可能であるし、又は発泡剤、例えばヒドラジン又は発泡性マイクロバルーンによっても可能である。発泡性マイクロバルーンを用いる場合には、組成物或いは成形された層を有利には適当に熱の導入によって活性化する。発泡は押出機中で又は被覆後に行うことができる。発泡した層を適当なローラー又は剥離フィルムによって滑らかにするのが合目的的であり得る。発泡体様層を製造するためには粘着性の熱により架橋したアクリレートホットメルト接着剤にガラス中空球状物又は既に膨張したポリマーミクロバルーンも添加してもよい。
【0154】
この方法では、感圧接着剤が塗布された両面接着テープのための支持体層として使用することができる厚い層も、特に発泡体様接着テープのための支持体として利用できる充填剤含有の及び発泡された層も製造することができる。この層の場合にも、ポリマー、特にポリアクリレートを架橋剤、促進剤又は架橋剤−促進剤系の添加前にガラス中空球状物、ガラス中実球状物又は膨張性マイクロバルーンを添加することが有意義である。膨張性マイクロバルーンを使用する場合には、組成物或いは成形された層を熱の導入によって適当に活性化する。発泡は押出機中で又は被覆後に行うことができる。発泡した層は適当なローラーによって又は剥離フィルムによって又は剥離材料の上に被覆された感圧接着剤を積層することによって滑らかにするのが合目的的である。この様な発泡した粘弾性層に少なくとも片面に感圧接着剤層を積層してもよい。コロナ放電前処理したポリアクリレート層を両面に積層するのが有利である。代わりに他の前処理された接着剤層、要するにアクリレート以外の他のポリマーをベースとする感圧接着剤層及び/又は熱活性化可能な層を粘弾性層の上に積層してもよい。適するベースポリマーとしては天然ゴム、合成ゴム、アクリレートブロックコポリマー、スチレンブロックコポリマー、EVA、特定のポリオレフィン、特別なポリウレタン、ポリビニルエーテル及びシリコーンをベースとする接着剤がある。しかしながらアクリレート層中にかなりな量で拡散そそしてそこの性質を変える程にポリアクリレートと良好な相容性のある移動性成分を言うに値する量で有していない組成物が特に有利である。
【0155】
感圧接着剤を両面に積層する代わりに、少なくとも片面にホットメルト接着剤層又は熱により活性化し得る接着剤層を使用してもよい。この種類の非対照接着テープは比較的に高い接着強度を持つ重要な基体の接着を可能とする。この種類の接着テープは例えば自動車のEPDM−ゴム−プロフィールを固定するのに使用することができる。
【0156】
熱的に架橋したポリマー、特にポリアクリレートの特別な長所は、粘弾性支持体として、感圧接着剤として又はヒートシール性組成物として利用するにもかかわらず、この層が同じ表面品質で、紫外線及び電子線架橋した層と相違して、層(或いはポリマーから製造される成形体)を亙っての架橋プロフィールがないことにある。これによって粘着性と凝集性との間の平衡が架橋によって全層について理想的に制御されそして調整される。これに対して、放射線化学的に架橋した層の場合には、必ず片面又は層の一部が架橋に架橋し又は架橋不足がある。
【0157】
実験部分:
以下の例示の実験は本発明を更に詳細に説明するが、本発明は記載の実施例に限定されない。
【0158】
測定法(一般的説明):
固形分含有量(測定法A1):
固形分含有量はポリマー溶液中の揮発できない成分の割合の目安である。これは、溶液を秤量し、次いで乾燥湿で120℃で2時間の間揮発性成分を蒸発させそして残留物を再秤量することによって、重量で測定されている。
【0159】
k−値[フィケンチャー(FIKENTSCHER)に従う](測定法A2):
k−値は高分子ポリマー物質の平均分子量の目安である。測定するために、ポリマーの1%トルエン溶液(1g/100mL)を製造しそしてVOGEL-OSSAG-粘度計によってその動的粘度を測定した。トルエンの粘度に標準化した後に、相対粘度を得、それからフィケンチャーに従ってk−値を算出した(Polymer 8/1967、第381頁移行)。
【0160】
ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)(試験法A3):
この明細書における重量平均分子量M及び多分散度Dの表示は、ゲルパーミッションクロマトグラフィーでの測定によって行った。測定は100μLの澄明に濾過した試料(試料濃度4g/Lについて行った。溶離液として0.1質量%のトリフルオロ酢酸を含有するTHF(テトラヒドロフラン)を使用する。測定は25℃で行った。プレカラムとしてPSS−SDV、5μm、10A並びに10A及び10Aで、それぞれID8.0mm×50mmを使用する(Polymer Standards Service社のカラム:示差屈折計Shodex RI71によって検出)。流速は1.0mL/分である。補正はPMMA−標準(ポリメチルメタクリレート補正)に対して行った。
【0161】
測定法(特に感圧接着剤):
180°接着力試験(測定法H1)
ポリエステル上に層として塗布されたアクリレート感圧接着剤の20mm幅のストリップを、予めにアセトンで2度そしてイソプロパノールで1度洗浄した鋼鉄性板に貼り付ける。この感圧接着剤ストリップを2kgの重量に相当する押し圧で基体に2度押し付ける。この接着テープを次いで300mm/分の速度及び180°の角度で基体からただちに剥離する。全ての測定は室温で実施した。
【0162】
測定結果はN/cmで表示しそして3度の測定で平均をとる。ポリエチレン(PE)への接着力も同様に測定した。
【0163】
保持力(測定法H2):
接着テープの13mmの幅で20mmより長い(例えば30mm)の長さのストリップを、アセトンで3度そしてイソプロパノールで1度浄化した滑らかな鋼鉄表面に貼り付ける。接着面積は20mm×13mm(長さ×幅)であり、この場合、接着テープは試験板の縁を飛び出している(接着テープは例えば10mmだけ飛び出して、30mmの所定の長さを有している)。次にその接着テープを鋼鉄製支持体の上に2kgの重量に相当する圧力で押し付ける。この試験体を垂直に吊り下げ、接着テープの飛び出した末端を下方に向ける。
【0164】
室温で1kgの重りを接着テープの飛び出した末端に固定する。測定は標準状態(23℃、55%の相対湿度)及び乾燥室で70℃で実施する。
【0165】
測定された保持力(基体から接着テープが完全に剥がれるまでの時間:10,000分で測定を中止)を分で示しそして3度の測定の平均値を取った。
【0166】
微細剪断試験(microshear test :(測定法H3
この試験は温度負荷のもとでの接着テープの剪断強度を促進試験するのに役立つ。
【0167】
微小剪断試験のための測定用試験体の製造:
それぞれの試料から切断した接着テープ(長さ約50mm、幅10mm)を、アセトンで浄化した鋼鉄製試験用板に貼り付ける。その際に、鋼鉄製板は接着テープの右及び左に飛び出しておりそして接着テープは試験用板の上部縁から2mmだけ飛び出している試験体の接着面積は長さ×幅=13mm×10mmである。接着場所を次に2kgの鋼鉄製ローラーで10m/分の速度で6回転がす。接着テープは、移動センサーのための支持体として役立つ安定な接着ストリップにて同一平面上で補強する。この試料を試験用板によって垂直に吊り下げる。
【0168】
剪断移動試験:
測定すべき試験体に下端の所で100gの重りで負荷を掛ける。試験温度は40℃であり、試験時間は30分(15分間負荷を掛けそして15分間負荷除去する)である。一定の温度での上記の試験時間の後の剪断移動距離を結果として、しかも最大値[“最大”:15分の負荷の結果としての最大剪断移動]及び最少値[“最少”:負荷除去後15分の剪断移動(“残留デフレクション”)負荷を除いたときに緩和の結果として元の方に移動がある]の両方としてμmで示す。同様に弾性分割合の百分率で示す[“弾性分”弾性分割合=(max−min)掛ける100/max]。
【0169】
測定方法(特に三層構造):
鋼鉄への90°接着力(開放側及び被覆側:測定法V1):
鋼鉄への接着力の測定を23℃±1℃の温度及び50%±5%の相対湿度の気候条件のもとで行う。試験体を20mmの幅に切断しそして鋼鉄製板に貼り付ける。該鋼鉄製板を測定前に浄化しそして調整する。この目的のために該板を最初にアセトンを用いて拭きそしてその後に5分間空気に曝し、それによって溶剤を蒸発させることができる。三層複合体の試験用基体に隣接する側を次いで50μmのアルミニウムフォイルで覆い、それによって試験体が測定時に伸びるのを防止する。その後に試験体を鋼鉄製基体に巻き付ける。この目的のためにテープに2kgのロールを、10m/分の転がし速度で五度往復させる。転がし直後にスチール製板を、試験体を90°の角度で垂直に引っ張ることを可能とする特別なマウント中に挿入する。接着力の測定はZwick引張り試験装置を用いて行った。鋼鉄製板上に被覆される側を適用するとき、三層複合体の開放側を最初に50μmのアルミニウムフィルムに対して積層し、剥離材料を除きそして鋼鉄製板に貼り付け、同様に転がしそして測定する。
【0170】
両側、要するに開放側及び被覆側の測定結果をN/cmで記載しそして三度の測定の平均を取る。
【0171】
保持力(開放側及び被覆側(測定法V2):
試験体の製造を23℃±1℃の温度及び50%±5%の相対湿度の気候条件のもとで行った。試験体を13mmに切断しそして鋼鉄板に貼り付ける。接着面積は20mm×13mm(長さ×幅)である。測定の前に鋼鉄板を洗浄しそして状態調整した。この目的のために、最初にアセトンを用いて拭き、その後に5分間空気に曝し、それによって溶剤を蒸発させることができる。貼り付けた後に開放側を50μmのアルミニウムフォイルで補強しそして2kgのロールを用いて2往復転がす。次いで三層複合体の飛び出した末端にテープ通しに取り付ける。次いで全体の系を適当な装置から吊り下げそして10Nの負荷を掛ける。吊り下げ装置は、重りが試料に179°±1°の角度で負荷が掛かるようにする。これによって、三層複合体が板の底部端から剥離することができないようにされている。測定した保持力、すなわち試験体が吊り下げ状態から落下までの時間を分で表示しそして三度の測定の平均値に相当する。被覆された側を測定するために開放側を最初に50μmのアルミニウムフォイルで補強し、剥離材料を除きそして試験用板に前述の通り貼り付ける。測定は標準気候条件(23℃、55%の相対湿度)で実施する。
【0172】
壁貼り付け試験(測定法V3):
図4はこの試験法の構造を図示している。2つの研磨した鋼鉄板(3.2)の間に固定された30mm書ける0mmの大きさの試験体(3.1)を1分間、0.9kNで押し付ける(力P)。その後に9cmの長さのレバーアーム(3.3)を最も上の鋼鉄製板中にねじ込み、次いで1000gの重り(3.4)で負荷を掛ける。押し付けと負荷との間の時間が最早2分より多くならないことを保証する(t≦2分)。
【0173】
保持力、即ち試験体が吊り下げ状態から落下までの時間を測定する。結果として保持力は三度の測定の平均値として分で示す。気候条件は23℃±1℃及び50%±5%の相対湿度である。
【0174】
開放側お被覆側を測定した。
【0175】
【表1】

【0176】
使用した市販の化学薬品
全て20℃での仕様書値
【0177】
感圧接着剤の例:
実施例PSA B1〜B5のための原料ポリマーの製造:
以下に原料ポリマーの製造を説明する。実験したポリマーは遊離ラジカル重合によって溶液中で慣用の方法で製造する。
【0178】
ベースポリマーP1:
ラジカル重合用の慣用の反応器に、45kgの2−エチルヘキシルアクリレート、45kgのn−ブチルアクリレート、5kgのメチルアクリレート、5kgのアクリル酸及び66kgのアセトン/イソプロパノール(92.5:7.5)を装填する。45分間、窒素ガスを攪拌下に通した後に、反応器を58℃に加熱しそして50gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加温しそして反応をこの外部温度のもとで一定のまま実施する。1時間後に再度50gのAIBNを添加し、4時間後に20kgのアセトン/イソプロパノール混合物で希釈する。
【0179】
5時間並びに7時間後に、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートで再度反応を開始する。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。このポリアクリレートは99.6%の転化率、59のK−値、54%の固形分含有量、557,000g/molの重量平均分子量M、7.6の多分散性PD(M/M)を有している。
【0180】
ベースポリマーP2:
ラジカル重合用の慣用の反応器に、45kgの2−エチルヘキシルアクリレート、45kgのn−ブチルアクリレート、5kgのメチルアクリレート、5kgのアクリル酸、150gのジベンゾイルトリチオカルボナート及び66kgのアセトンを装填する。45分間、窒素ガスを攪拌下に通した後に、反応器を58℃に加熱しそして50gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加温しそして反応をこの外部温度のもとで一定のまま実施する。1時間後に再度50gのAIBNを添加する。4時間後に10kgのアセトンで希釈する。5時間並びに7時間後に、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートの添加を行う。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。
【0181】
このポリアクリレートは99.5%の転化率、43.9のK−値、56.5%の固形分含有量、407,000g/molの重量平均分子量M、2.4の多分散性PD(M/M)を有している。
【0182】
ベースポリマーP3:
実施例P1と同様に、41.5kgの2−エチルヘキシルアクリレート、41.5kgのn−ブチルアクリレート、15kgのメチルアクリレート、1kgのアクリル酸及び1kgの2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を66kgのアセトン/イソプロパノール(92.5:7.5)中で重合た。それぞれ50gのAIBNで2度、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートで2度重合を開始し、20kgのアセトン/イソプロパノール混合物で希釈する。
【0183】
45分間、窒素ガスを攪拌下に通した後に、反応器を58℃に加熱しそして50gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加温しそして反応をこの外部温度のもとで一定のまま実施する。1時間後に再度50gのAIBNを添加し、4時間後に20kgのアセトン/イソプロパノール混合物(92.5:7.5)で希釈する。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。
【0184】
このポリアクリレートは99.6%の転化率、69.5のK−値、53.3%の固形分含有量、689,000g/molの重量平均分子量M、7.8の多分散性PD(M/M)を有している。
【0185】
方法1:濃縮/ホットメルト感圧接着剤の製造:
アクリレートポリマー(ベースポリマーP1〜P3)を一軸スクリュー式押出機(濃縮用押出機、製造元:BERSTORFF GmbH、ドイツ国)によって溶剤を十分に除く(残留溶剤含有量≦0.3重量%:個々の実施例参照)。ベースポリマーP1の濃縮のパラメータを例示的にここに記載する。スクリューの回転数は150回転/分であり、モーター電流は15アンペアーであり、58.0kg(液体)/時間の生産量が実現された。濃縮するために異なる3つの領域を減圧した。減圧はそれぞれ20mbar〜30mbarの間である。濃縮されたホットメルトの出口温度は約115℃である。濃縮段階後の固形分含有量は99.8%である。
【0186】
方法2:変性したホットメルト接着剤及び粘弾性支持体の製造:
上述の方法1に従って製造されたアクリレートホットメルト接着剤を、下流のWELDING-二本スクリュー押出機(WELDING Engineers、米国、Orlando;Model 30 MM DWD; スクリュー直径30mm、スクリュー1の長さ=1258mm;スクリュー2の長さ=1081mm;3領域)に搬送する。
固体軽量供給システムを経て樹脂Dertophene(R)T110を領域1に配量供給しそして均一に混入する。例MT1及びMT2のための組成物の場合には樹脂を配量供給しない。例MT3、MT4及びMT5の場合には固体配量供給システムを経て相応する助剤を配量供給しそして均一に混入 する。ベースポリマーP1と樹脂配合するために例示的にパラメーターを記載する。回転数は451回転/分であり、モーター電流は42アンペアーであり、30.1kg/時の生産量が実現される。領域1及び2の温度はそれぞれ105℃であり、領域1の溶融温度は117℃でそして出口(領域3)の組成物温度は100℃である。
【0187】
方法3:本発明の接着テープの製造、熱的架橋のための架橋剤系との混合及び被覆
方法1、2に従って製造されたアクリレートホットメルト感圧接着剤を、搬送用押出機(ドイツ国のTROESTER GmbH & Co KG社の1軸スクリュー搬送用押出機)で溶融しそしてこれでポリマー溶融物として二軸スクリュー式押出機に搬送する(ドイツ国の LEISTRITZ社、Bez. LSM 30/34)。この装置は外部から電気的に加熱されそして沢山の送風機によって空気冷却されそして架橋剤系或いは架橋剤−促進剤系をポリマーマトリックス中に良好に分布させながら同時に押出機中における接着剤の短い滞留時間を保証するように設計されている。この目的のために2軸スクリュー式押出機の混合軸は、搬送要素と混合要素とが交換可能に配置されている。それぞれの架橋剤及び促進剤の添加は適当な配量供給装置を用いて場合によっては複数の場所で(図1:配量供給場所1.1及び1.2)そして場合によっては配量供給補助手段の使用下に二軸スクリュー押出機中の無加圧領域に行う。
【0188】
二軸スクリュー式押出機からの既に配合された、すなわち架橋剤系或いは架橋剤−促進剤系と混合された接着剤の出口(出口:円筒状ダイス、5mmの直径)の後で、被覆を図1に従ってウエブ状支持体材料上に行う。架橋剤−促進剤系の配量供給から成形或いは被覆までの時間を加工寿命と記載する。加工寿命は架橋剤系或いは架橋剤−促進剤系と混合された、視覚的に良好な外観(ゲルがなく、斑点のない外観)の接着剤或いは粘弾性支持体層を被覆することができる時間である。被覆物は1m/分〜20m/分のウエブ速度で行われ、2本ロール塗装装置のドクターロールは駆動されない。
【0189】
以下の実施例及び表1〜表3において、使用される処方、製造パラメータ及び得られる性質をそれぞれ詳細に説明する。
【0190】
実施例B1:
ベースポリマーP1を上述の重合法に従って重合し、方法1に従って濃縮し(固形分含有量99.8%)そして方法2に従って樹脂Dertophene(R) T110と混合する。樹脂変性されたアクリレートホットメルト組成物を次いで方法3に従って以下の成分よりなる架橋剤系と連続的に配合する:
− 2,2‘−(1,4−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール]、ここではドイツ国のEVONIK INDUSTRIES社の1,4−BPO(ビス−2−オキサゾリン)。
【0191】
詳細な説明: 方法3に記載した2軸スクリュー式押出機中に、70部のポリマーP1及び30部の樹脂Dertophene(R) T110よりなる533.3g/分の全体の物質流(1分当たりの純粋ポリマー373gに相当する)を1.68g/分のビスオキサゾリン架橋剤2,2‘−1,4−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール](ポリマーを基準として0.45重量%に相当する)と混合する。ビスオキサゾリンの配量供給は蠕動ポンプを通して配量供給場所1.1(図1参照)で行う。配量供給及び達成可能な混合品質を向上させるために、使用される架橋剤系を液状リン酸塩エステル(イソプロピル化トリアリールリン酸塩:Reofos 65; 製造元:GREAT LAKES、米国)で希釈する(架橋剤との比:0.5:1)。方法パラメータは表2に総括掲載した。
【0192】
完成配合物の加工寿命は、LEISTRITZ二軸スクリュー式押出機を離れた後125℃の平均物質温度で10分より長い。被覆は図2に従う2本ロール式被覆装置でそれぞれ100℃のロール表面温度及び110g/mの塗布量で23μmのPETフィルムの上に行った。こうして製造された接着テープから鋼鉄への接着力を室温及び保存期間の関数として40℃でのマイクロ剪断道程(microshear travel )を測定した。18日間室温保存後に最大マイクロ剪断道程を79%の弾性分で220μmで測定した。実施例B1の別の接着性データは表3に総括掲載する。この実施例では、中でも極性及び非極性の基体(鋼鉄及びポリエチレン)への良好な接着力及び温度の影響下での良好な凝集性に特徴のある非常に高い性能の接着テープが製造できたことを示している。
【0193】
実施例B2:
方法1に従って濃縮しそして方法2によって樹脂Dertophene(R) T110と混合したベースポリマーP1(固形分含有量99.8%)を実施例B1と同様に方法3に従って二軸スクリュー式押出機で架橋剤−促進剤系と配合しそして被覆した。
【0194】
架橋剤−促進剤系は
− 2,2‘−(1,4−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール]、ここではドイツ国のEVONIK INDUSTRIES社の1,4−BPO(ビス−2−オキサゾリン)及び。
− SIGMA-ALDRICH 社のp−トルエンスルホン酸1水和物(促進剤)
よりなる。
【0195】
実施例B1と同様に0.45重量%の二官能性2−オキサゾリンの2,2‘−(1,4−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール]及び0.08重量%の促進剤のp−トルエンスルホン酸1水和物(それぞれアクリレートポリマーを基準とする)を方法3に従って添加する。LEISTRITZ二軸スクリュー式押出機の押出機回転数は125回転/分であり、物質生産量は32.0kg/時である。加工寿命は二軸スクリュー式押出機を離れた後130℃の有効物質温度で5分である。図2に従うロール式被覆装置によって110g/mの塗布量で23μmのPETフィルムの上に被覆した。
【0196】
こうして製造された接着テープから接着力、保持力及びマイクロ剪断道程を室温での試験体の貯蔵時間を関数として測定した。12日間室温保存後に室温で10,000分より長い保持力が測定された。この接着テープ試験体を実施例B1と同様に架橋し、210μmの同じ最大剪断道程及び測定法H3に従う“マイクロ剪断道程”に従って80%の弾性成分が確認でき、これによって促進剤が反応速度論的にのみ制御することそして架橋度がビスオキサゾリンによって調整されることが判る。他の接着技術的データは実施例B2より後記の表3に記載されている。
【0197】
実施例B3:
使用したポリマーP2の重合、濃縮、樹脂配合及び架橋剤系の混入及び被覆を、実質的に実施例1に記載のとおり行う。
【0198】
ここで使用した架橋剤系は
− 2,2‘−(1,3−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール]、ここではドイツ国のEVONIK INDUSTRIES社の1,3−BPO(ビス−2−オキサゾリン)
よりなる。
【0199】
実施例B1と同様に0.55重量%の二官能性2−ビスオキサゾリンの2,2’−(1,3−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール](アクリレートポリマーを基準とする)を添加する。実施例B1に関連して使用したこのポリマー系は確かにより狭い分子量分布を有しているが、43.9の低いk−値を有しそして凝集性に関して23℃及び70℃での保持力が穏やかに調整されている。23℃での保持力は3600分である。この組成物を特定する数値的な他のデータは表1にある。
【0200】
実施例B4:
使用したポリマーP2の重合、濃縮、樹脂配合及び架橋剤系の混入及び被覆を、実質的に実施例1に記載のとおり行う。対照的に方法2において追加的に充填剤のチョークMikrosohl(R)40 を混入するが、この目的に、使用する二軸スクリュー式押出機の混合スクリュー形状を相応して適合させる。ここで使用した架橋剤系は実施例B3におけるのと同様に選択した。0.55重量%の二官能性2−ビスオキサゾリンの2,2’−(1,3−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール](アクリレートポリマーを基準とする)を添加した。
【0201】
配合用押出成形機から出た物質の平均温度は、実施例B3の物質系に比較して110℃から117℃に上昇した。9.4の測定された接着強度だけでなく5,300分の保持力も実施例B3に比べて改善されている。
【0202】
組成物を特定する数値的な他の詳細は表1にあり、調整された方法パラメータは表2にありそして接着技術的結果は表3にそれぞれB4の行にある。
【0203】
実施例B5:
方法1に従って濃縮したベースポリマーP3(残留溶剤割合0.15重量%)を実施例B1と同様に方法3に従って二軸スクリュー式押出機で架橋剤−促進剤系と配合しそして被覆した。
【0204】
架橋剤−促進剤系は
− α−メチルビニル−2−オキサゾリン−スチレン−コポリマー、ここでは日本国の日本触媒株式会社のEpocros RPS-1005(オキサゾリン)及び。
− SIGMA-ALDRICH 社のp−トルエンスルホン酸1水和物(促進剤)
よりなる。
【0205】
5重量%の二官能性オキサゾリン及び0.1重量%のp−トルエンスルホン酸1水和物(それぞれアクリレートポリマーを基準とする)を方法3に従って添加する。加工寿命は押出機を離れた後114℃の有効物質温度で5分より長い。図2に従うロール式被覆装置によって125g/mの塗布量で23μmのPETフィルムの上に被覆した。
【0206】
本発明に従う架橋剤系或いは架橋剤−促進剤系を用いた場合には、熱を供給することなく標準条件(室温)のもとで架橋反応がポリアクリレートの官能基によって完全に進行する。一般に5日〜14日の保存時間の後に、機能性接着テープ或いは機能性支持体層が存在する限り十分に完結する。極限架橋状態及びそれ故の組成物の最終的凝集が、組成物−架橋剤系の選択次第で特に室温で14〜100日の保存後に、好ましくは14〜50日の保存期間の後に達成され、更に高い保存温度では予想通り早まる。
【0207】
架橋によって接着剤の凝集性及びそれ故の剪断強度が高まる。これらの群は非常に安定していることが知られている。このことは非常に老化安定性で耐熱性の感圧接着テープを可能とする。
【0208】
粘弾性支持体及び三層構造の例:
I.感圧接着剤の製造
ポリアクリレート感圧接着剤(PA1):
ラジカル重合のための慣用の100Lのガラス製反応器に、2.8kgのアクリル三、8.0kgのメチルアクリレート、29.2kgの2−エチルヘキシルアクリレート及び20.0kgのアセトン/2−プロパノール(95:5)を装入する。攪拌下に窒素ガスを45分間通した後に反応器を58℃に加熱しそして20gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加熱しそして反応を一定のこの外部温度のもとで実施する。1時間の反応時間の後に再び40gのAIBNを添加する。4時間及び8時間の後に、それぞれ10.0kgのアセトン/イソプロパノール混合物(95:5)で希釈する。残留開始剤を換言するために8時間後及び10時間後に、それぞれ60gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボナートを添加する。反応を24時間の反応時間の後に中止しそして室温に冷却する。次いでポリアクリレートを0.4重量%のアルミニウム−(III)−アセチルアセトナート(イソプロパノール中3%溶液)と混合し、イソプロパノールで30%の固形分含有量に希釈しそして次いで溶液状態からシリコーン加工剥離フィルム(50μmのポリエステル)に塗布する。その後(被覆速度2.5m/分、乾燥トンネル15m、温度:領域1 40℃、領域2: 70℃、領域3 95℃、領域4 105℃)、被覆量は50g/mである。
II.粘弾性支持体の製造
実施例VT1〜5の粘弾性支持体のための原料ポリマーの製造:
以下に原料ポリマーの製造を説明する。実験したポリマーはラジカル重合によって溶液中で慣用のとおり製造する。
【0209】
ベースポリマーHPT1:
ラジカル重合用の慣用の反応器に、40kgの2−エチルヘキシルアクリレート、40kgのn−ブチルアクリレート、15kgのメチルアクリレート、5kgのアクリル酸及び67kgのアセトン/イソプロパノール(95:5)を装入する。45分間、窒素ガスを攪拌下に通した後に、反応器を58℃に加熱しそして40gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加温しそして反応をこの外部温度のもとで一定のまま実施する。1時間後に再度60gのAIBNを添加し、4時間後に14kgのアセトン/イソプロパノール混合物で希釈する。
【0210】
5時間並びに7時間後に、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートで再度反応を開始する。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。このポリアクリレートは57のK−値、54.6%の固形分含有量、714,000g/molの重量平均分子量M、7.6の多分散性PD(M/M)を有している。
【0211】
ベースポリマーHPT2:
実施例1と同様に、65kgの2−エチルヘキシルアクリレート、30kgの第三ブチルアクリレート及び5kgのアクリル酸を67kgのアセトン/イソプロパノール(95:5)中で重合する。それぞれ50gのAIBNで2度、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートで2度重合を開始し、20kgのアセトン/イソプロパノール混合物(95:5)で希釈する。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。このポリアクリレートは61.0のK−値、53.2%の固形分含有量、697,000g/molの重量平均分子量M、7.1の多分散性PD(M/M)を有している。
【0212】
ベースポリマーHPT3:
実施例1と同様に行う。重合のために60kgの2−エチルヘキシルアクリレート、30kgのスチレン、5kgのメリルアクリレート及び5kgのアクリル酸を25kgのアセトン/イソプロパノール(97:3)中で重合する。それぞれ50gのAIBNで2度、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートで2度重合を開始し(36時間及び44時間の反応時間後)そして20kgのアセトン/イソプロパノール混合物(97:3)で希釈する。48時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。このポリアクリレートは61のK−値、68.4%の固形分含有量、567,000g/molの重量平均分子量M、11.8の多分散性PD(M/M)を有している。
【0213】
ベースポリマーHPT4:
ラジカル重合用の慣用の反応器に、65kgの2−エチルヘキシルアクリレート、30kgの第三ブチルアクリレート、5kgのアクリル酸、100gのジチオ安息香酸ベンジルエステル及び67kgのアセトンを装入する。45分間、窒素ガスを攪拌下に通した後に、反応器を58℃に加熱しそして50gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加温しそして反応をこの外部温度のもとで一定のまま実施する。1時間後に再度50gのAIBNを添加する。4時間後に10kgのアセトンで希釈する。5時間並びに7時間後に、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートを添加する。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。
【0214】
このポリアクリレートは49.2のK−値、59.2%の固形分含有量、379,000g/molの重量平均分子量M、3.1の多分散性PD(M/M)を有している。
【0215】
ベースポリマーHPT5:
ラジカル重合用の慣用の反応器に、68kgの2−エチルヘキシルアクリレート、25kgのメチルアクリレート、5kgのアクリル酸及び66kgのアセトン/2−プロパノール(95:5)を装入する。45分間、窒素ガスを攪拌下に通した後に、反応器を58℃に加熱しそして40gのAIBNを添加する。次いで外部の加熱浴を75℃に加温しそして反応をこの外部温度のもとで一定のまま実施する。1時間後に再度60gのAIBNを添加する。4時間後に20kgのアセトン/2−プロパノール(95:5)で希釈する。5時間並びに7時間後に、それぞれ150gのビス−(4−第三ブチルシクロヘキシル)−ペルオキシジカルボナートを添加する。22時間の反応時間の後に重合を中断しそして室温に冷やす。
【0216】
このポリアクリレートは55のK−値、55%の固形分含有量、579,000g/molの重量平均分子量M、7.9の多分散性PD(M/M)を有している。
【0217】
粘弾性支持体のためのベースポリマーHPT1〜5の濃縮及び配合:
アクリレートコポリマーHPT1〜5から、方法1と同様に溶剤を除きそして場合によっては次に方法2と同様に添加物と混合する。個々の実施例参照。
【0218】
方法4:2本ロール式カレンダーによる3層構造の製造
この方法は図3に記載のとおり実施する。分配ノズル(1)によって架橋剤系或いはか教材―促進剤系及び場合によっては充填剤を既に配合した粘弾性組成物(3)をロール間隙に供給する。粘弾性組成物の粘弾性フィルムへの成形をカレンダーロール(W1)及び(W2)の間で、2つの感圧接着剤(6a、6b)の間のロール間隙において行う。これらの感圧接着剤は非接着製に処理された支持体材料(5a、5b)に塗布されて案内されている。この場合、粘弾性組成物の設定層厚への成形及び送られる両方の感圧接着剤での被覆が同時に行われる。成形された粘弾性支持体層(4)への感圧接着剤(6a、6b)の繋留を改善するために、感圧接着剤をロール間隙に送り込む前にコロナ放電処理ステーション(8)によってコロナ放電処理する(デンマークのVITAPHONE社のコロナ放電装置、100W・分/m)。この処理の結果、三層複合体の製造後に、粘弾性支持体層への改善された化学的付着製がもたらされる。
【0219】
被覆装置を通るウエブ速度は30m/分である。
【0220】
ロール間隙を離れた後、場合によっては非接着性支持体(5a)を剥離しそして完成三層製品(9)を残留する第二の非接着性支持体(5b)と一緒に卷く。
【0221】
以下に、本発明の接着テープの感圧接着剤及び被覆物を製造する具体例を示すが、記載する処方、配列及び方法パラメータの選択によって本発明は不必要に制限されない。
【0222】
実施例MT1:
ベースポリマーHPT1を方法1に従って濃縮し(固形分含有量99.7%)、次に方法3に従って二軸スクリュー式押出機中で2,2‘−(1,3−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール(1,3−BPO:ポリアクリレートを基準として0.42重量%)よりなる架橋剤系と連続的に配合する。
【0223】
シリコーン加工されたポリエステルフィルムの上に予め被覆された組成物層PA1の間にベースポリマーHPT1よりなる粘弾性支持体VT1を製造するための被覆を2本ロール塗装装置で100℃のロール温度で方法4に従って行う。粘弾性支持体VT1の層厚は880μmである。コロナ放電処理は100W・分/mで行う。7日の室温保存の後に接着技術的データを開放側及び被覆側で測定する。実施例MT1のデータを表4に総括掲載する。
【0224】
実施例MT2:
ベースポリマーHPT2を方法1に従って濃縮し(固形分含有量99.8%)、次に方法3に従って二軸スクリュー式押出機中で2,2‘−(1,4−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール(1,4−BPO:ポリアクリレートを基準として0.36重量%)よりなる架橋剤系と連続的に配合する。次いで実施例1と同様に、シリコーン加工されたポリエステルフィルムの上にそれぞれに予め被覆された組成物層PA1の間で方法3によって2本ロール塗装装置上で被覆を行う。粘弾性支持体VT2の層厚は850μmである。コロナ放電処理は100W・分/mで行う。7日の室温保存の後に接着技術的データを開放側及び被覆側で測定する。実施例MT2のデータを表4に総括掲載する。
【0225】
実施例MT3:
ベースポリマーHPT3を方法1に従って濃縮し(固形分含有量99.7%)、次に方法2に従って5.5重量%のガラス中空球状物Hohlglaskugeln Q-CEL(R)5028 (製造元: POTTERS INDUSTRIES社)と配合し、方法3に従って 二軸スクリュー式押出機中で2,2‘−(1,3−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール(1,3−BPO:ポリアクリレートを基準として0.42重量%)及びp−トルエンスルホン酸―1水和物(ポリアクリレートを基準として0.1重量%)よりなる架橋剤−促進剤系と連続的に配合する。シリコーン加工されたポリエステルフィルムの上に予め被覆された組成物層PA1の間に粘弾性支持体VT3を製造する被覆を、方法3に従って100℃のロール温度で2本ロール塗装装置上で行う。粘弾性支持体VT3の層厚は800μmである。コロナ放電処理は100W・分/mで行う。7日の室温保存の後に接着技術的データを開放側及び被覆側でそれぞれ測定する。実施例MT3のデータを表4に総括掲載する。
【0226】
実施例MT4:
ベースポリマーHPT4を方法1に従って濃縮し(固形分含有量99.7%)、次に方法2に従って20重量%のミクロゾール−チョーク(Mikrosohl(R)40)と混合し、方法3に従って二軸スクリュー式押出機中で2,2‘−(1,4−フェニレン)ビス[4,5−ジヒドロオキサゾール(1,4−BPO:ポリアクリレートを基準として0.34重量%)よりなる架橋剤系と連続的に配合する。シリコーン加工されたポリエステルフィルムの上に予め被覆された組成物層PA1の間に粘弾性支持体VT4を製造する被覆を、方法3に従って100℃のロール温度で2本ロール塗装装置上で行う。粘弾性支持体VT4の層厚は850μmである。コロナ放電処理は100W・分/mで行う。7日の室温保存の後に接着技術的データを開放側及び被覆側でそれぞれ測定する。実施例MT4のデータを表4に総括掲載する。
【0227】
実施例MT5:
ベースポリマーHPT5を方法1に従って濃縮し(固形分含有量99.8%)、次に方法2に従って3重量%の未膨張のマイクロ中空球状体Expancel(R)092 DU 40 (ドイツ国の AKZO NOBEL社)と混合し、方法3に従って二軸スクリュー式押出機中でα−メチルビニル−2−オキサゾーリン−スチレン−コポリマー(Epocros RPS-1005:ポリアクリレートを基準として2.5重量%)及びp−トルエンスルホン酸―1水和物(ポリアクリレートを基準として0.08重量%)よりなる架橋剤−促進剤系と連続的に配合する。熱の導入によって混合物を押出機中で膨張させそして次に、シリコーン加工されたポリエステルフィルムの上に予め被覆された組成物層PA1の間に、方法3に従って130℃のロール温度で被覆を行う。膨張した粘弾性支持体VT5の層厚は800μmである。感圧接着剤層の前処理するためのコロナ放電処理は100W・分/mで行う。7日の室温保存の後に接着技術的データを開放側及び被覆側でそれぞれ測定する。実施例MT5のデータを表4に総括掲載する。
【0228】
表4のデータから判るとおり、本発明の両面複合接着テープ非常に良好な技術的接着データを有する。特にプラスの特徴はそれぞれの側のバランスの取れた接着特性である。接着テープの両面に同じ接着剤層がある場合には、各層は殆ど同じ接着技術的データを示す。このことは層に亙っての均一な架橋を示している。このことは当業者にとって驚くべきことである。さらにこの三層接着テープは層間剥離を示さない。層相互の繋留は感圧接着剤層のコロナ放電処理及び隣接する粘弾性支持体層の後架橋によって非常に良好である。
【0229】
【表2】

【0230】
【表3】

【0231】
【表4】

【0232】
【表5】

【符号の説明】
【0233】
1・・・分配ノズル

1.1・・・第一の供給場所
1.2・・・第二の供給場所
1.3・・・配合器
2・・・粘弾性組成物
4・・・支持体層
5a、5b・・・支持体材料
6a、6b・・・感圧接着剤
8・・・コロナ放電処理ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 溶融状態のポリマーに少なくとも1種類の架橋剤を添加し;
− ポリマーを溶融物から更に加工し;
− そして架橋剤により熱的な架橋反応をひき起こし、その際に架橋反応の少なくとも一部をポリマーの溶融温度より下の温度で更に加工した後に進行させる均一に架橋したポリマーを製造する方法において、
− 架橋剤が少なくとも二官能性の化合物を含有しておりそして二官能性基の少なくとも1つがオキサゾリン基でありそして
− ポリマーが、ポリマーの溶融温度より下の温度でオキサゾリンと熱架橋反応の意味で連結反応することができる官能基を有していることを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
溶融物からのポリマーの更なる加工がポリマー組成物の成形、特に支持体材料上への塗布を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
均一に架橋したポリマーを感圧接着剤のためのベースとして役立てる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ポリマーがポリアクリレートである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
架橋反応の間に、ポリマーの溶融温度より下の温度において追加的に連結反応を促進させる作用をする官能性のグループ(促進剤)を添加する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
架橋剤が液状のオキサゾリン誘導体である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
架橋剤が、ポリマーの溶融温度より上で初めて溶融しそしてポリマー溶融物中に均一に組み込まれる固体である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
架橋剤として二官能性又は多官能性オキサゾリンを使用する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
架橋剤として二官能性又は多官能性2−オキサゾリンを使用する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ポリマーの溶融温度よい下の温度でオキサゾリンと熱架橋反応の意味で連結反応することができる、ポリマーの官能基の全部又は一部がカルボキシル基である、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
促進剤としてブレンステッド酸、特に有機酸又は乳酸を使用する、請求項5〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
促進剤としてルイス酸を使用する、請求項5〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
架橋反応を少なくとも一部、室温で行う、請求項1〜12いずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法によって得られる均一に架橋した、特に乳化剤不含のポリマー。
【請求項15】
溶融状態から加工されたポリマー、特にポリアクリレートのための熱的架橋剤として、官能性基の少なくとも1つがオキザゾリン基である二官能性化合物を用いる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−126726(P2010−126726A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268146(P2009−268146)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】