説明

熱硬化性組成物

【課題】アミノ樹脂を必須とする熱硬化性組成物において、その硬化マトリクスにおける機械物性を発現するに十分な架橋性と耐チッピング性に対する柔軟性を提供する。また、塗膜物性、接着性さらには機械物性に優れた、各種の塗料・コーティング剤・接着剤などに適した熱硬化性組成物を提供する。
【解決手段】メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物、アルデヒド(b)、アルコール(c)を原料として、付加脱水縮合して得られるアミノ樹脂(A)を含有する熱硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物、アルデヒド(b)、アルコール(c)を原料として付加脱水縮合して得られるアミノ樹脂(A)を含有する熱硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱硬化塗料組成物として、アミノホルムアルデヒド樹脂を架橋剤として用いる樹脂組成物が知られている。一般にメラミンを主骨格とするアミノ樹脂はその構造がメラミンの持つ3個のアミノ基により枝分かれし、空間に網の目のように広がった構造となる事が知られている。よってメラミンを主骨格とするアミノ樹脂を硬化剤とした熱硬化物は強固な硬化マトリクスを形成する事が知られている。その特徴を利用し、メタノールやブタノールなどでアルキル化されたものは塗料や接着剤用の熱硬化剤として広く使用されている。
近年、特に自動車用のコーティング等ではメラミンを主骨格とするアミノ樹脂が塗料の熱硬化剤として使用されてきたが、硬化マトリクスが強固な為に耐衝撃性とくにチッピング性能が不十分であった。さらに、尿素やベンゾグアナミンを主骨格とするアミノ樹脂では応力に対する硬化マトリクスの追随性には優れているが、硬化マトリクスの硬化密度がメラミンを主骨格とするアミノ樹脂に比較して低い。その結果、その他機械物性が不足した。また特に尿素を主骨格とするアミノ樹脂では耐水性に劣ると言った問題点が存在した。
チッピング性能を得るための改良の例としてアミノ樹脂とウレタン樹脂を併用する技術(特許文献1)が存在する。しかし、使用しているアミノ樹脂の縮合度が1.1〜1.8と低分子量であることから主にチッピング性能を発現しているはウレタン樹脂構造である。また、ベンゾグアナミンを必須成分とした2種類以上のアミノ化合物を原料とするアミノ樹脂の技術(特許文献2)も存在あるが、耐チッピング性能を発現するには不十分な分子量であった。
【特許文献1】特表2006−520842
【特許文献2】特開平02−029478
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、アミノ樹脂を必須とする熱硬化性組成物において、その硬化マトリクスにおける機械物性を発現するに十分な架橋性と耐チッピング性に対する柔軟性を提供するものである。また、塗膜物性、接着性さらには機械物性に優れた、各種の塗料・コーティング剤・接着剤などに適した熱硬化性組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物、アルデヒド(b)、アルコール(c)を原料として、付加脱水縮合して得られるアミノ樹脂(A)を含有する熱硬化性組成物であるに達した。即ち、
[1]メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物、アルデヒド(b)、アルコール(c)を原料として、付加脱水縮合して得られるアミノ樹脂(A)を含有する熱硬化性組成物であって、メラミン1モルに対し他のアミノ化合物(a)とのモル比率が0.45〜2.8であることを特徴とする熱硬化性組成物。
【0005】
[2]アミノ樹脂(A)が、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類を個別にアルデヒド(b)、アルコール(c)とで反応して得られもの(A1)であるか、またはメラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類の共存下でアルデヒド(b)、アルコール(c)と反応して得られたもの(A2)であるか、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類の何れか一つをアルデヒド(b)、アルコール(c)とで反応させる過程で、残りのアミノ化合物を反応して得られるもの(A3)のいずれかを特徴とする熱硬化性組成物。
【0006】
[3]他のアミノ化合物(a)が尿素及び/又はベンゾグアナミンであることを特徴とする熱硬化性組成物。
[4]アミノ樹脂(A)の重量平均分子量が1,500〜10,000であることを特徴とする記載の熱硬化性組成物。
[5]アミノ樹脂(A)がウレタン樹脂(C)及び/又はアクリル樹脂(D)で変性されたことを特徴とする熱硬化性組成物。
[6] [1]に記載の熱硬化性組成物を含む塗料。
[7] [1]に記載の熱硬化性組成物を含むコーティング剤。
[8] [1]に記載の熱硬化性組成物を含む接着剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明の熱硬化性組成物は硬化剤にメラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物が含まれている事で、機械物性を発現するに十分な架橋性と衝撃性に対する柔軟性を両立する事が出来る。しかも、それぞれの硬化剤性能をお互いに損なうことなく維持できるため、耐チッピング性にも優れている。また、各種塗料、インキ、接着剤、コーティング材、バインダー、プライマー等の用途に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
[アミノ樹脂(A)]
本発明のアミノ樹脂(A)は、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物、アルデヒド(b)、アルコール(c)を原料として付加脱水縮合して得られる。
【0009】
他のアミノ化合物(a)
本発明に使用される他のアミノ化合物(a)は、メラミン、尿素、ベンゾグアナミンあるいは、アセトグアナミン、カプリノグアナミン、エタンジアミド、プロパンジアミド、ブタンジアミド、ヘキサンジアミド。o,m,p−フタルジアミド等アミノ基またはアミド基を2個持つアミノ化合物、更に、スピログアナミン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド等アミノ基またはアミド基を3個以上持つアミノ化合物が挙げられる。これらの中で、物性や経済性の点から尿素、ベンゾグアナミンが好ましい。
【0010】
アルデヒド(b)
本発明に使用されるアルデヒド(b)は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が使用可能ではあるが経済性の理由よりホルムアルデヒドが望ましい。
【0011】
アルコール(c)
本発明に使用されるアルコール(c)は次式C2n+1OH(8≧n≧1)で示されるアルコールが使用可能であり、アルコールは直鎖であっても分岐していても良い。
これらの中で、経済性、塗膜性能の点から4≧n≧1が好ましい。
【0012】
[アミノ樹脂(A)の製造方法]
メラミン、他のアミノ化合物(a)を個別に製造する場合のアミノ樹脂(A1)の製造方法は以下の通りである。
i)メラミン単独の場合
メラミン1モルに対して、アルデヒド(b)3〜7モル、アルコール(c)4〜10モルの比率で、アルコール(c)を反応溶剤として溶解させる。さらに酸を触媒としてアルコール(c)をアルキルエーテル化してアミノ樹脂(A)を得る。次いで過剰に残った未反応のアルコール(c)を減圧蒸留操作により一部除去し、所定の不揮発分に調整を行う。この際にアルコール(c)の常圧での沸点が200℃以上であると、減圧蒸留操作に必要な加熱によりアミノ樹脂(A)が自己架橋してしまうため、アルコール(c)の炭素数としては8以下が好ましい。
【0013】
ii)他のアミノ化合物(a)単独の場合
ii−1)他のアミノ化合物(a)がアミノ基またはアミド基を2個持つアミノ化合物の場合
他のアミノ化合物(a)がアミノ基またはアミド基を2個持つアミノ化合物1モルに対して、アルデヒド(b)1〜6モル、アルコール(c)1.5〜8モルの比率で、アルコール(c)を反応溶剤として溶解させ、さらに酸を触媒としてアルコール(c)をアルキルエーテル化してアミノ樹脂を得る。アルキルエーテル化の停止と自己縮合による分子量増加を抑制する目的で塩基を用いて反応溶液のpHを7.0以下に調整する。次いで過剰に残った未反応のアルコール(c)を減圧蒸留操作により一部除去し、所定の不揮発分に調整を行う。この際にアルコール(c)の常圧での沸点が200℃以上であると、減圧蒸留操作に必要な加熱によりアミノ樹脂(A)が自己架橋してしまうため、アルコール(c)の炭素数としては8以下が好ましい。
【0014】
ii−2)他のアミノ化合物(a)がアミノ基またはアミド基を3個持つアミノ化合物の場合
上記メラミンと同様である。
【0015】
ii−3)他のアミノ化合物(a)がアミノ基またはアミド基を、3を超える個数持つアミノ化合物の場合
他のアミノ化合物(a)がアミノ基またはアミド基を、3を超える個数持つアミノ化合物1モルに対して、アルデヒド(b)1〜12モル、アルコール(c)1.5〜12モルの比率で、アルコール(c)を反応溶剤として溶解させ、さらに酸を触媒としてアルコール(c)をアルキルエーテル化してアミノ樹脂を得る。アルキルエーテル化の停止と自己縮合による分子量増加を抑制する目的で塩基を用いて反応溶液のpHを7.0以下に調整する。次いで過剰に残った未反応のアルコール(c)を減圧蒸留操作により一部除去し、所定の不揮発分に調整を行う。この際にアルコール(c)の常圧での沸点が200℃以上であると、減圧蒸留操作に必要な加熱によりアミノ樹脂(A)が自己架橋してしまうため、アルコール(c)の炭素数としては8以下が好ましい。
【0016】
メラミンと他のアミノ化合物(a)とを少なくとも2種類個別に製造する場合のアミノ樹脂(A1)は、こうして得られた各種のアミノ樹脂(i、ii−1,2、3)の混合である。メラミン、他のアミノ化合物(a)の共存下でアルデヒド(b)、アルコール(c)と反応して得られたもの(A2)の製造方法は以下になる。
他のアミノ化合物(a)が例えば、尿素及び/又はベンゾグアナミンの場合、メラミン1モルに対して、他のアミノ化合物(a)0.45〜2.8モル、アルデヒド(b)3〜14モル、アルコール(c)4〜14モルの比率で、アルコール(c)を反応溶剤として溶解させ、さらに酸を触媒としてアルコール(c)をアルキルエーテル化してアミノ樹脂を得る。アルキルエーテル化の停止と自己縮合による分子量増加を抑制する目的で塩基を用いて反応溶液のpHを7.0以下に調整する。次いで過剰に残った未反応のアルコール(c)を減圧蒸留操作により一部除去し、所定の不揮発分に調整を行う。この際にアルコール(c)の常圧での沸点が200℃以上であると、減圧蒸留操作に必要な加熱によりアミノ樹脂(A)が自己架橋してしまうため、アルコール(c)の炭素数としては8以下が好ましい。
【0017】
メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類の何れか一つをアルデヒド(b)、アルコール(c)とで反応させる過程で、残りのアミノ化合物を反応して得られるもの(A3)の製造方法は以下になる。
メラミン1モルに対して、アルデヒド(b)3〜14モル、アルコール(c)4〜14モルの比率で、アルコール(c)を反応溶剤として溶解させた後、他のアミノ化合物(a)0.45〜2.8モルを添加溶解させる。さらに酸を触媒としてアルコール(c)をアルキルエーテル化してアミノ樹脂を得る。アルキルエーテル化の停止と自己縮合による分子量増加を抑制する目的で塩基を用いて反応溶液のpHを7.0以下に調整する。次いで過剰に残った未反応のアルコール(c)を減圧蒸留操作により一部除去し、所定の不揮発分に調整を行う。メラミンの溶解後に添加された他のアミノ化合物(a)は触媒である酸の添加後のアルキルエーテル化反応の途中で加えても良い。この際にアルコール(c)の常圧での沸点が200℃以上であると、減圧蒸留操作に必要な加熱によりアミノ樹脂(A)が自己架橋してしまうため、アルコール(c)の炭素数としては8以下が好ましい。
アミノ樹脂(A)中、メラミンと他のアミノ化合物(a)との量比は耐チッピング性・耐水性の観点より、メラミン1モルに対して他のアミノ化合物(a)0.45〜3.0、好ましくは0.45〜2.8モルでる。
【0018】
また、アミノ樹脂(A)の分子量は耐チッピング性・耐水性の観点より、GPCで測定して得られる重量平均分子量で1,500〜10,000であり、好ましくは1、500〜7,000である。
また、このようにして得られたアミノ樹脂(A)は、使用する硬化系に即した溶媒によって希釈する事も出来る。
【0019】
[ウレタン樹脂(C)、アクリル樹脂(D)]
本発明のアミノ樹脂(A)はウレタン樹脂やアクリル樹脂と言った異なる種類の樹脂で変性(複合化)することでもアミノ樹脂(A)単独で使用したときと同様に効果を得る事が出来る。
ウレタン樹脂(C)
本発明のウレタン樹脂は、イソシアネート(d)、ポリオール(e)及び2つ以上の水酸基を持つオキシカルボン酸(f)の共重合物として得られる。
【0020】
イソシアネート(d)
本発明に使用されるイソシアネート(d)は、例えば1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,8−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族イソシアネート類、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート類、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフテンジイソシアネート、ジフェルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、塩素化ジイソシアネート類、臭素化ジイソシアネート類、が挙げられる。または、水との付加物であるポリイソシアネート化合物等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0021】
ポリオール(e)
本発明に使用されるポリオール(e)は、通常ウレタン樹脂の製造に使用される公知のポリオール類、例えば、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートポリオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリブタジエンポリオール、フランジメタノール、等の2種又は、3種以上の混合物が挙げられる。その場合に、期待するウレタン樹脂の性能である柔軟性と強靭性を発現させるために、1種類以上のポリスチレン換算分子量で重量平均分子量500以上10000以下のポリオールを使用することが好ましい。これらポリオール類は、目的、用途に応じて、適時選択し、硬質、軟質等の必要な物性を容易に設計することが出来る。
【0022】
2つ以上の水酸基を持つオキシカルボン酸(f)
本発明に使用される2つ以上の水酸基を持つオキシカルボン酸(f)は、ウレタン樹脂分子中に、分岐状にカルボン酸を付与するものならいずれも使用できるが、ウレタン樹脂中のカルボン酸含有量を多くするには、分岐状にカルボキシル基を少なくとも1個有する炭素数3〜10の低分子量のものが好ましく、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸や2,2−ジメチロールブタン酸等が好ましい。
【0023】
ウレタン樹脂(B)の一般的製造方法は以下の通りである。ポリオール(e)と2つ以上の水酸基を持つオキシカルボン酸(f)をトルエン等の有機溶媒中で加熱しながら溶解させ、完全に溶解したところで溶解液の温度を50℃以下まで低下させる。ついで、反応熱による過剰な温度上昇を防ぐ為に温度を50℃以下に保ちながら、イソシアネート(d)を2時間から3時間かけて滴下しウレタン樹脂を得る。この時にポリオール(e)と2つ以上の水酸基を持つオキシカルボン酸(f)の水酸基のモル比の合計を1としたときに、イソシアネート(d)の持つイソシアネート基のモル比を0.5〜0.9とすることで水酸基が末端構造にあるウレタン樹脂(B)を得ることができる。
ここで、本発明のウレタン樹脂製造に用いられる溶剤としては、通常ウレタン樹脂の製造に用いられる有機溶媒が使用できる。例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、アセトン、ジメチルホルムアマイド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0024】
アクリル樹脂(D)
本発明のアクリル樹脂は、酸モノマー(g)、水酸基モノマー(h)及び2つ以上の(メタ)アクリル酸のエステル体またはアミド体(i)、芳香族性モノマー(j)の共重合物として得られる。
【0025】
酸モノマー(g)
本発明に使用される酸モノマーはアクリル樹脂分子中に、分岐状に酸官能基を付与するものならいずれも使用できる。例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、スチレンスルホン酸、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2-アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートなどが挙げられる。アクリル樹脂中のカルボン酸含有量を多くするには、分岐状にカルボキシル基を少なくとも1個有する炭素数3〜10の低分子量のものが好ましい。その中でも、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸が好ましい。
【0026】
水酸基モノマー(h)
本発明に使用される酸モノマーはアクリル樹脂分子中に、分岐状に水酸基を付与するものならいずれも使用できる。例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。アクリル樹脂中の水酸基含有量を多くするには、分岐状に水酸基を少なくとも1個有する炭素数3〜10の低分子量のものが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等が好ましい。
【0027】
(メタ)アクリル酸のエステル体またはアミド体(i)
アクリル樹脂は酸モノマー(g)と水酸基モノマー(h)によりその極性とガラス転移点Tgが高まり、熱硬化後の硬化マトリクスの耐水性能の低下や柔軟性の低下をおこす。そこで極性とTgを適切に調整するために(メタ)アクリル酸のエステル体またはアミド体(i)が共に使用される。(メタ)アクリル酸のエステル体またはアミド体(i)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。
【0028】
その他モノマー(j)
(メタ)アクリル酸のエステル体またはアミド体(i)と同様に、硬化後の硬化マトリクスの極性とTgを適切に調整するためにその他モノマー(j)が使用される。例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、プロピレン、エチレン、C4 〜C20のα−オレフィン等が挙げられる。具体的にはスチレン、ジビニルベンゼン等が上げられる。
【0029】
[熱硬化性樹脂組成物を含む塗料]
本発明の熱硬化性樹脂組成物を含む硬化剤を使用した塗料は、一般的な塗装において使用可能なもの全てを用いることができる。塗料組成物は樹脂と着色剤である顔料を含み、有用な樹脂組成物としては、アクリル−メラミン系、ポリエステル(アルキッド)−メラミン系、水溶性アクリル−メラミン系及びアクリルポリオールおよびポリエステルポリオール−多価イソシアネート系、アクリルエマルション、アクリルラッカー等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を含む硬化剤を使用した塗料に使用される金属顔料および着色顔料としては、例えばアルミニウムフレーク、銅ブロンズフレーク、マイカ、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛およびカーボンブラック、並びに有機顔料として、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーンが挙げられる。
【0030】
本発明の熱硬化性樹脂組成物を含む硬化剤を使用した塗料は、塗膜表面の平滑性の改良あるいは発泡防止等の目的で各種の添加剤を添加するなど任意の公知の塗装作業性及び塗膜改良方法を付与することができる。
例えば、平滑性の目的ではBYK-Chemie社のBYK-380・BYK-381(アクリルポリマー系添加剤)、BYK-348(シリコン系樹脂)などであり、発泡防止目的ではBYK-Chemie社のBYK-020(変性ポリシロキサン共重合物)、BYK-022(シリコン系樹脂)などが挙げられる。
【0031】
又、本発明の塗料は水性塗料用硬化剤としても使用される。その際、有機溶剤を使用しても何等問題はないが、樹脂の溶解性、塗装方法及び環境、又塗膜の乾燥条件等を考慮して種類、添加量等を選択して添加することが望ましい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等の水可溶性のアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリャールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート等のエチレングリコール及び水可溶性のエチレングリコール誘導体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモキメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び水可溶なそれぞれのグリコールの誘導体、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリメチレングリコール、グリセリン、グリセリルモノアセテート、グリセリルジアセテート等の水に可溶な多価アルコール類及びその誘導体が挙げられる。又その他の水溶性溶剤としてテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アセトン、ジアセトンアルコール、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル2−ピロリドン等が挙げられる。疎水性の溶剤としては炭素数が4以上のアルコール、芳香族性化合物、エステル化合物、ケトン化合物などが挙げられる。具体的にはn−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等が挙げられる。芳香族性化合物としては、ベンゼン、トルエン、o−、m−、p−キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。エステル化合物としては酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等が挙げられる。ケトン化合物としてはメチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、エクソンモービル社製のソルベッソシリーズを始めとした市販の混合有機溶剤を用いてもなんら問題は無い。
【0032】
[熱硬化性樹脂組成物を含むコート材]
本発明の熱硬化性樹脂組成物を含むコート材としては、接着剤、モールディング剤等がある。用途に応じて、熱硬化性樹脂組成物に各種の添加剤、例えば、上記記載の発泡防止剤、平滑性改良剤等の添加剤を添加することができる。また、上記記載の有機溶剤を添加しても何等問題はない。
【0033】
[熱硬化性樹脂組成物を含む接着剤]
本発明の熱硬化性樹脂組成物を含む接着材としては、金属用接着剤、プラスチック用接着剤等がある。用途に応じて、熱硬化性樹脂組成物に各種の添加剤、例えば、上記記載の発泡防止剤等に加えて熱硬化を促進する酸触媒を添加することができる。また、上記記載の有機溶剤を添加しても何等問題はない。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を、更に具体的に説明するため、実施例、比較例を上げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
製造例1(アミノ樹脂A−1)
アミノ樹脂の製造例を示す。温度計、攪拌機、還流冷却管及び溶剤副生成物回収装置を備えた反応器にパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド92%含有)196部、メラミン126部、n−ブタノール519部を加え、攪拌を行いながら燐酸の10%水溶液を加え反応液のPHを5.0に調整した。還流温度まで過熱し溶解させた。その後、加熱し反応液の温度を90℃に保ち4時間反応を継続した後トリエチルアミンを加え系内のpHを7.0に調整した。70℃迄冷却し減圧下で系内の温度を70℃以下に保ちながら樹脂の不揮発分が60%になるように過剰のn−ブタノールを系外へ除去した。
【0036】
製造例2、3(アミノ樹脂A−2、A−3)
製造例1と同様な装置を用いてアミノ化合物(a2)、アルデヒド(b)、アルコール(c)の量、モル比を変化させてアミノ樹脂を製造した。
以下、A−1、A−2、A−3を表1に示す。
【0037】
製造例4、5(アミノ樹脂A−4、A−5)
製造例1と同様な装置を用いてアミノ化合物(a1)、アミノ化合物(a2)、アルデヒド(b)、アルコール(c)の量、モル比を変化させてアミノ樹脂を製造した。パラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド92%含有)261部、メラミン126部、尿素30部またはベンゾグアナミン94部、n−ブタノール593部を加え、攪拌を行いながら燐酸の10%水溶液を加え反応液のPHを5.0に調整した。還流温度まで過熱し溶解させた。その後、加熱し反応液の温度を90℃に保ち4時間反応を継続した後トリエチルアミンを加え系内のpHを7.0に調整した。70℃迄冷却し減圧下で系内の温度を70℃以下に保ちながら樹脂の不揮発分が60%になるように過剰のn−ブタノールを系外へ除去した。
【0038】
製造例6(アミノ樹脂A−6)
製造例1と同様な装置を用いてパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド92%含有)261部、メラミン126部、n−ブタノール593部を加え、攪拌を行いながら燐酸の10%水溶液を加え反応液のPHを5.0に調整した。還流温度まで過熱し溶解させた。そこへ尿素30部を加えて溶解し、加熱し反応液の温度を90℃に保ち4時間反応を継続した後トリエチルアミンを加え系内のpHを7.0に調整した。70℃迄冷却し減圧下で系内の温度を70℃以下に保ちながら樹脂の不揮発分が60%になるように過剰のn−ブタノールを系外へ除去した。
以下、A−4、A−5、A−6を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
不揮発分:JIS K5407−4−3−1により測定。
【0041】
比較製造例1〜4(B−1〜B−4)
製造例1と同様な装置を用いてアミノ化合物(a1)、アミノ化合物(a2)、アルデヒド(b)、アルコール(c)の量、モル比を変化させてアミノ樹脂を製造した。
【0042】
アミノ樹脂(B−5)
メラミン系アミノ樹脂である、日本サイテックインダストリーズ(株)製「サイメル325」を比較例として使用した。
以下表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
製造例7(ウレタン樹脂(C−1))
アミノ樹脂系(A)と予縮合するウレタン樹脂(C−1)の製造例を以下に示す。
温度計、撹拌機、冷却管、窒素(空気)導入管を備えた2000mlの四ツ口フラスコに、DMPAを40部、NPG25部、PPGを35部、トルエン45部を装入し、窒素を導入しながら攪拌、内温を110℃まで昇温し内容物を溶解した。次に内温を135℃まで昇温しながら溶媒のトルエンを除去し、128部のMEKを入れ、内温を35度まで下げた。内温が35℃まで下がったところでHDI60部を内温55℃以下に保ちながら2時間かけて滴下を行い,酸価58mgKOH/gで加熱残分の60%ウレタン樹脂を得た。
【0045】
製造例8(ウレタン樹脂(C−2))
アミノ樹脂系(A)と予縮合するウレタン樹脂(C−2)の製造例を以下に示す。
製造例7と同様の装置に、をNPG35部、PPGを70部、トルエン45部を装入し、窒素を導入しながら攪拌、内温を110℃まで昇温した。次に内温を135℃まで昇温しながら溶媒のトルエンを除去し、132部のMEKを入れ、内温を35度まで下げた。内温が35℃まで下がったところでHDI60部を内温55℃以下に保ちながら2時間かけて滴下を行い,加熱残分の60%のウレタン樹脂を得た。
【0046】
製造例9(アクリル樹脂(D))
製造例7と同様の装置に、スチレン30部、メチルメタアクリレート20部、エチルアクリレート14部、β−ヒドロキシメタクリレート23部、アクリル酸13部とベンゾイルパーオキサイド0.5部を100℃に加熱されたエチレングリコールモノイソプロピルエーテル67部の溶剤中へ4時間を要して滴下し、さらに同じ温度で3時間保ってビニル共重合樹脂を得た。得られた樹脂の加熱残分は60%で樹脂酸価は60mgKOH/gであった。
【0047】
製造例10(E−1〜E−15)(ウレタン樹脂、アクリル樹脂とアミノ樹脂との予縮合物)
製造例7、8、9のウレタン樹脂(C−1、C−2)、アクリル樹脂(D)とアミノ樹脂との予縮合(ウレタン樹脂及び/又はアクリル樹脂によるアミノ樹脂(A)の変性)の製法を以下に示す。製造例7と同様の装置に、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂の固形分2に対してアミノ樹脂を固形分で10の割合で装入し、80℃まで内温を上昇させた後、4時間温度を保持して、酸価が存在するものに関してはジメチルエタノールアミンにより中和を実施し、冷却後各種予縮合物を得た。製造結果を表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
[参考製造例]
実施例、比較例で使用する主剤のアクリル樹脂の製造例を示す。
参考製造例1(主剤アクリル樹脂F−1)
スチレン53部、メチルメタアクリレート16部、エチルアクリレート23部、β−ヒドロキシメチルアクリレート7部、メタアクリル酸1部とベンゾイルパーオキサイド0.5部を100℃に加熱されたエチレングリコールモノイソプロピルエーテル67部の溶剤中へ4時間を要して滴下し、さらに同じ温度で3時間保ってビニル共重合樹脂を得た。得られた樹脂の加熱残分は60%であった。
参考製造例2(主剤アクリル樹脂F−2)
スチレン53部、メチルメタアクリレート13部、エチルアクリレート20部、β−ヒドロキシメチルアクリレート7部、メタアクリル酸7部とベンゾイルパーオキサイド0.5部を100℃に加熱されたエチレングリコールモノイソプロピルエーテル67部の溶剤中へ4時間を要して滴下し、さらに同じ温度で3時間保ってビニル共重合樹脂を得た。得られた樹脂の加熱残分は60%で樹脂酸価は40であった。
【0050】
以上の様にして得られたアミノ樹脂を使用して比較製造例1、2のポリエステル樹脂と配合、塗料化した。主剤アクリル樹脂E−1による塗料はキシレンによりフォードカップで20秒の粘度になる様に調整した。また、主剤アクリルE−2による塗料は水により、フォードカップで20秒の粘度になる様に調整した。塗料はスプレーにより膜厚25μmを目標に、リン酸亜鉛処理鋼板に塗装を行い、60℃、30分間セッテイングを行った後、140℃、30分間焼付けを行った。その他の評価項目についてはリン酸亜鉛処理鋼板に塗装した塗膜で評価を実施した。評価した結果を表4−1,2に示す。
【0051】
【表4】

【0052】

【0053】
膜厚:kett製、COATING THICKNESS TESTER(LZ200W)にて測定
鉛筆硬度 :JIS K5400−8−4に準ずる。
碁盤目密着:JIS K5400−8−5−2によりテープ剥離後の密着部位の個数で評価
デュポン :JIS K5400−8−3 デュポン式に準じ、300g荷重で先端1/2inchRの打付具を使用し測定した。
耐水性:60℃水中へ48時間浸漬し、取り出し1時間後の白化状態を観察。○:サビ、フクレなし、×:サビ、フクレあり
耐チッピング性試験:飛び石試験機(スガ試験機社製JA−400、)を用いて塗膜の耐チッピング性を評価した。道路用砕石6号(JIS A5001−77に規定するもの)を使用して−20℃で試験片を1時間保持した後に4.0kg/cm2の空気圧にて砕石を吹き付けて塗膜に衝突させた。その後ニチバン社製のセロテープ(登録商標)
により密着性が低下した部分の剥離操作を行い、塗膜の剥離面積を測定して耐チッピング性を評価した。
5:塗膜の剥離面積が全体の2.5%未満
4:塗膜の剥離面積が全体の2.5%以上5.0%未満
3:塗膜の剥離面積が全体の5.0%以上7.5%未満
2:塗膜の剥離面積が全体の7.5%以上10.0%未満
1:塗膜の剥離面積が10.0%以上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類のアミノ化合物、アルデヒド(b)、アルコール(c)を原料として、付加脱水縮合して得られるアミノ樹脂(A)を含有する熱硬化性組成物であって、メラミン1モルに対し他のアミノ化合物(a)とのモル比率が0.45〜2.8であることを特徴とする熱硬化性組成物。
【請求項2】
アミノ樹脂(A)が、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類を個別にアルデヒド(b)、アルコール(c)とで反応して得られもの(A1)であるか、またはメラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類の共存下でアルデヒド(b)、アルコール(c)と反応して得られたもの(A2)であるか、メラミンと他のアミノ化合物(a)との少なくとも2種類の何れか一つをアルデヒド(b)、アルコール(c)とで反応させる過程で、残りのアミノ化合物を反応して得られるもの(A3)のいずれかを特徴とする請求項1記載の熱硬化性組成物。
【請求項3】
他のアミノ化合物(a)が尿素及び/又はベンゾグアナミンであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
【請求項4】
アミノ樹脂(A)の重量平均分子量が1,500〜10,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
【請求項5】
アミノ樹脂(A)がウレタン樹脂(C)及び/又はアクリル樹脂(D)で変性されたことを特徴とする1〜4のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の熱硬化性組成物を含む塗料。
【請求項7】
請求項1に記載の熱硬化性組成物を含むコーティング剤。
【請求項8】
請求項1に記載の熱硬化性組成物を含む接着剤。

【公開番号】特開2010−116526(P2010−116526A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292679(P2008−292679)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】