説明

熱線遮蔽膜付き透明基材及び熱線遮蔽膜形成用塗料並びに熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法

【課題】可視光領域における透過率を改善することにより、透明性により一層優れた熱線遮蔽膜付き透明基材、及び、この熱線遮蔽膜を成膜することができる熱線遮蔽膜形成用塗料、並びに、この熱線遮蔽膜を廉価に製造することができる熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材である熱線遮蔽膜付き透明フィルム1は、透明フィルム2の上面に、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を含み、膜厚が1.5μm以上かつ3.0μm以下、ヘーズ値が1%以下の熱線遮蔽膜3を成膜し、透明フィルム2の下面上の粘着剤層4に剥離フィルム5を貼着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱線遮蔽膜付き透明基材及び熱線遮蔽膜形成用塗料並びに熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法に関し、さらに詳しくは、建物や乗り物の窓ガラスなどに貼着されて熱線を遮蔽するとともに、透明性に優れ、低ヘーズ性の熱線遮蔽膜付き透明基材、及び、この熱線遮蔽膜を成膜する際に用いて好適な熱線遮蔽膜形成用塗料、並びに、この熱線遮蔽膜を廉価に製造することが可能な熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における省エネルギー化の進展に伴い、建物の窓、車両の窓、あるいは冷蔵庫、冷凍庫、冷凍用ショーケースの窓などにおいては、さらなる暑さの軽減、省エネルギー化を図るために、これらの窓に熱線(赤外線)を遮蔽する機能を有する熱線遮蔽膜付き透明フィルムを貼着することが提案されている。
このような熱線遮蔽膜付き透明フィルムとしては、例えば、透明フィルム基体の一面上に、アンチモン含有酸化スズ微粒子または錫ドープ酸化インジウム微粒子を含有したハードコート層を形成し、他の一面上に粘着剤層、剥離層を順次積層した積層構造の膜を形成し、このハードコート層が熱線遮蔽層を兼ねた熱線遮蔽膜付き透明フィルムが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、紫外線硬化型樹脂中に特定の錫含有酸化インジウム粉末を分散した赤外線カットオフ層用塗料を透明フィルムの一主面上に成膜した赤外線カットオフフィルムが提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平8−281860号公報
【特許文献2】特開2000−117906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の熱線遮蔽膜付き透明フィルムや赤外線カットオフフィルムは、確かに、熱線(赤外線)を遮蔽する機能を有するものの、可視光領域における透明性が不十分なものであり、可視光領域における透過率の更なる改善が希求されていた。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、可視光領域における透過率を改善することにより、透明性により一層優れた熱線遮蔽膜付き透明基材、及び、この熱線遮蔽膜を成膜することができる熱線遮蔽膜形成用塗料、並びに、この熱線遮蔽膜を廉価に製造することができる熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、熱線遮蔽性粒子として、特定の比表面積を有する錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を用い、これらの微粒子及び電離放射線硬化型樹脂を含む熱線遮蔽膜形成用塗料を用いて熱線遮蔽膜を成膜すれば、可視光領域における透過率が大幅に改善された熱線遮蔽膜を廉価に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材は、透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を含み、膜厚が1.5μm以上かつ3.0μm以下、ヘーズ値が1%以下の熱線遮蔽膜を成膜してなることを特徴とする。
【0008】
本発明の熱線遮蔽膜形成用塗料は、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなることを特徴とする。
【0009】
前記錫ドープ酸化インジウム微粒子の比表面積(SITO)と前記アンチモンドープ酸化錫微粒子の比表面積(SATO)との比(SITO/SATO)は、下記の式(1)
ITO/SATO<0.9 ……(1)
を満たすことが好ましい。
前記錫ドープ酸化インジウム微粒子の、この錫ドープ酸化インジウム微粒子と前記アンチモンドープ酸化錫微粒子の合計量に対する質量百分率は、5質量%以上かつ95質量%以下であることが好ましい。
前記電離放射線硬化型樹脂は、アクリル系化合物及びエポキシ系化合物のうちの一種以上を含有するモノマーまたはオリゴマーであることが好ましい。
【0010】
本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法は、透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなる熱線遮蔽膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜に放射線を照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材によれば、透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を含み、膜厚が1.5μm以上かつ3.0μm以下、ヘーズ値が1%以下の熱線遮蔽膜を成膜したので、可視光領域における透過率をより一層向上させることができる。したがって、透明性がより一層優れた熱線遮蔽膜付き透明基材を提供することができる。
【0012】
本発明の熱線遮蔽膜形成用塗料によれば、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加したので、可視光領域における透過率がより一層向上し、したがって、透明性がより一層優れた熱線遮蔽膜を成膜することができる。
【0013】
本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法によれば、透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなる熱線遮蔽膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜に放射線を照射するので、可視光領域における透過率がより一層向上し、したがって、透明性がより一層優れた熱線遮蔽膜付き透明基材を、特別な製造装置を用いることなく廉価に、かつ効率よく作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材及び熱線遮蔽膜形成用塗料並びに熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0015】
「熱線遮蔽膜付き透明基材」
本実施形態では、熱線遮蔽膜付き透明基材として、透明基材に透明フィルムを用いた熱線遮蔽膜付き透明フィルムを例に取り説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱線遮蔽膜付き透明フィルムを示す断面図であり、図において、1は熱線遮蔽膜付き透明フィルムであり、透明フィルム2と、透明フィルム2の上面(一主面)上に形成された熱線遮蔽膜3と、透明フィルム2の下面(他の一主面)上に形成された粘着剤層4と、粘着剤層4上に貼着された剥離フィルム5とにより構成されている。
【0016】
この透明フィルム2としては、可視光線を透過する有機樹脂系のフィルム、例えば、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルム、あるいは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ塩化三フッ化エチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂系フィルムが挙げられ、これらの中でも、好ましいのはポリエステルフィルムであり、特に好ましいのはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。
この透明フィルム2の厚さは、フィルムの材質や熱線遮蔽膜付き透明基材の用途等に応じて適宜選択できるが、例えば、25μm〜250μm程度のものが好ましく用いられる。
【0017】
熱線遮蔽膜3は、熱線遮蔽機能を有する無機微粒子を、可視光線を透過する透明性樹脂中に分散したものである。
この無機微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子との混合物が好適である。
可視光線を透過する透明性樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂が好ましく、この電離放射線硬化型樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの一種以上を含有することが好ましい。
この熱線遮蔽膜3は、膜厚が1.5μm以上かつ3.0μm以下であり、かつ、ヘーズ値が1%以下という優れた透明性を備えている。
【0018】
粘着剤層4及び剥離フィルム5は、必要に応じて設けられるものであり、要求される熱線遮蔽膜付き透明フィルム1の仕様や用途により適宜選択される。
粘着剤層4は、透明樹脂からなる粘着剤を用いて透明フィルム1の下面上に形成されたものであり、例えば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリビニルエーテル、ポリイソブチル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等の透明樹脂粘着剤が好適に用いられる。
剥離フィルム5は、粘着剤層4上に剥離可能に設けられたもので、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられ、熱線遮蔽膜付き透明フィルム1を窓ガラス等に貼着する際に取り去って粘着剤層4を露出させるものである。剥離フィルム5は透明でも不透明でもよいが、剥離する際に熱線遮蔽膜3等との区別がつきやすいように不透明なものが好ましく、所定の色調に着色したものであってもよい。
【0019】
「熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法」
本実施形態に係る熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法は、透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなる熱線遮蔽膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜に放射線を照射する方法である。
【0020】
この熱線遮蔽膜形成用塗料は、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子とを、分散媒に共分散させ、得られた共分散液に電離放射線硬化型樹脂を添加することにより、作製される。
【0021】
錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子は、いかなる方法で作製されたものでも用いることができ、その方法としては、例えば、錫塩及びインジウム塩を含む水溶液の温度を30℃以下に保持しながら、この水溶液にアルカリ溶液を添加して酸化錫及び酸化インジウムの水和物を含む溶液とし、この溶液を加熱処理、好ましくは水素ガス等の還元性雰囲気中にて加熱処理して錫ドープ酸化インジウム微粒子を生成する方法(例えば、特開平6−227815号公報)が挙げられる。
【0022】
このようにして作製された錫ドープ酸化インジウム微粒子は、熱線遮蔽効果に優れ、また、比表面積が大きく透明性に優れているので、好ましい。
この錫ドープ酸化インジウム微粒子が可視光線に対してより優れた透明性を有するためには、その比表面積は40m/g以上であることが好ましい。
【0023】
アンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子も、いかなる方法で作製されたものでも用いることができ、その方法としては、例えば、アンチモン及び錫を含む塩の水溶液をアルカリにより中和し、得られた沈殿物をろ過、洗浄し、密閉式反応容器を用いて高温高圧下、水中にて反応させて目的のアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子の水分散体を得、次いで、この水分散体にアミン化合物またはアミン化合物の誘導体を作用させて凝集沈殿物を得、これを脱水した後、アミン化合物またはアミン化合物誘導体の分解温度以下の十分低い温度で乾燥し、粉砕する方法(例えば、特開平2−105875号公報)が挙げられる。
【0024】
錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子の比表面積(SITO)とアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子の比表面積(SATO)との比(SITO/SATO)は、下記の式(1)
ITO/SATO<0.9 ……(1)
を満たすことが好ましく、下記の式(2)
ITO/SATO<0.6 ……(2)
を満たすことがより好ましい。
比(SITO/SATO)が上記の式(1)、好ましくは上記の式(2)を満たすことにより、熱線遮蔽膜3の透明性がより一層向上し、ヘーズ値が低下することとなる。
【0025】
錫ドープ酸化インジウム微粒子の、錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子との合計量に対する質量百分率は、5質量%以上かつ95質量%以下であることが好ましく、30質量%以上かつ70質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
ここで、錫ドープ酸化インジウム微粒子の質量百分率が5質量%を下回ると、熱線遮蔽機能を有する無機微粒子が実質的に錫ドープ酸化インジウム微粒子により構成されることとなるために、熱線遮蔽膜3の透明性が向上せず、またヘーズ値も低下しないからであり、一方、錫ドープ酸化インジウム微粒子の質量百分率が95質量%を超えると、熱線遮蔽機能を有する無機微粒子が実質的にアンチモンドープ酸化錫微粒子により構成されることとなるために、熱線遮蔽膜3の可視光線に対する透過率が低下するからであり、また、この熱線遮蔽膜3を高透過率にした場合には、充分な熱線遮蔽効果が得られなくなるからである。
【0027】
次いで、この錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を分散媒に投入し、混合して共分散させる。これにより、共分散液を得ることができる。ここに、「共分散」とは、錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子とを分散媒に投入し、混合して混合液を得、この混合液をサンドミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、高圧ホモジナイザー等の分散機を用いて分散処理し、例えば、分散粒子径(d50値)が100nm以下、好ましくは80nm以下となるように分散させることをいう。
【0028】
この分散媒としては、錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子が分散し、かつ後述する電離放射線硬化型樹脂が溶解または分散する分散媒であれば何ら制限なく使用することができ、例えば、水、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル等が好適に用いられる。
【0029】
この分散媒には、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を良好に分散させるために、分散剤を添加することが好ましい。
分散剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、ホスホン酸塩等のアニオン系界面活性剤、あるいは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤が用いられる。
この分散剤の添加量は、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子の合計量に対して1〜20質量%程度とするのが好ましい。
【0030】
この共分散液中における、錫ドープ酸化インジウム微粒子の、錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子との合計量に対する質量百分率は、5質量%以上かつ95質量%以下であることが好ましく、30質量%以上かつ70質量%以下であることがより好ましい。
【0031】
この錫ドープ酸化インジウム微粒子の質量百分率が5質量%を下回ると、熱線遮蔽機能を有する無機微粒子が実質的に錫ドープ酸化インジウム微粒子により構成されることとなるために、熱線遮蔽膜の透明性が向上せず、またヘーズ値も低下しないからであり、一方、錫ドープ酸化インジウム微粒子の質量百分率が95質量%を超えると、熱線遮蔽機能を有する無機微粒子が実質的にアンチモンドープ酸化錫微粒子により構成されることとなるために、熱線遮蔽膜の可視光線に対する透過率が低下し、また、この熱線遮蔽膜を高透過率とした場合、充分な熱線遮蔽効果が得られなくなるからである。
【0032】
次いで、この共分散液に、透明性を有する電離放射線硬化型樹脂と、必要に応じて光重合開始剤等の重合開始剤とを添加し、熱線遮蔽膜形成用塗料を得る。
透明性の電離放射線硬化型樹脂としては、被膜性、透明性を有するとともに、透明フィルム2への接着性を有する樹脂、例えば、紫外線硬化型あるいは電子線硬化型等の架橋被膜を形成し得る電離放射線硬化型樹脂であれば、特に限定されることなく使用することができる。中でも、アクリル系化合物またはエポキシ系化合物のうちの1種類以上を含有するモノマーまたはオリゴマーに、光重合開始剤を含有した紫外線硬化型樹脂は、被膜性、透明性及びハードコート性を有し、熱線遮蔽膜3上に別途ハードコート層を積層する必要がなく、また、透明フィルム2への接着性に優れるので好ましい。
【0033】
ここで、アクリル系化合物を含有するモノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、次の(1)〜(3)に挙げるモノマーまたはオリゴマーが好適である。
(1)ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、トリメチロールシクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、プロパンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチルプロパン安息香酸エステル等のアクリル酸誘導体等の単官能アクリレート及び単官能メタクリレート。
【0034】
(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレート。
(3)1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能メタクリレート等のメタクリル酸誘導体、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート。
【0035】
また、エポキシ系化合物を含有するモノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等のエポキシエステルが挙げられる。
【0036】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化型樹脂に対し0.1〜10質量%の範囲が望ましい。この添加量が0.1質量%より少なくても、また10質量%より多くても、紫外線硬化が不十分となる虞がある。
【0037】
この電離放射線硬化型樹脂に対する、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子により構成される熱線遮蔽性無機微粒子の質量百分率は、30〜80質量%が好ましく、より好ましくは40〜65質量%、さらに好ましくは50〜60質量%である。
この質量百分率が30〜80質量%の場合に、1.5μm程度の薄層でも良好な熱線遮蔽効果が得られ、高い透明性を有し、かつヘーズ値が小さい熱線遮蔽膜付き透明基材を得ることができる。
なお、この質量百分率が80質量%を超える場合、樹脂分が少ないために硬化不良が発生する虞があり、さらに透明基材との密着性に劣ったものとなり、また、この質量百分率が30質量%未満の場合、目的とする熱線遮蔽効果が達成されない虞がある。
【0038】
上記の共分散液に、電離放射線硬化型樹脂及び重合開始剤を添加し混合する手段としては、特に制限されず、攪拌羽による攪拌、高速ミキサー等の従来から公知の混合手段を用いることができる。
【0039】
次いで、この熱線遮蔽膜形成用塗料を、透明基材の一主面上に塗布して塗膜を形成する。
熱線遮蔽膜形成用塗料を透明基材上に塗布する方法(塗工法)としては、バーコーター法、メイヤバーコーティング法、ドクターブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ディップコーティング法等が挙げられる。
【0040】
次いで、この塗膜に、例えば、紫外線、電子線、X線等の放射線を照射して塗膜に含まれる電離放射線硬化型樹脂を硬化させ、熱線遮蔽膜を透明基材上に形成する。この放射線の照射量は、電離放射線硬化型樹脂が充分に硬化するに必要な量であればよく、通常、10〜1000mJ/cm、好ましくは100〜1000mJ/cmである。
例えば、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いた場合、この塗膜に、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライト、メタルハライドランプ等を用いて紫外線を照射して塗膜に含まれる紫外線硬化型樹脂を硬化させ、熱線遮蔽膜を透明基材上に形成する。
【0041】
この熱線遮蔽膜の膜厚は、1.5μm〜3.0μmの範囲内が好ましい。
熱線遮蔽膜の膜厚が上記の範囲内であれば、充分な熱線遮蔽効果を有するとともに、ヘーズ値も1%以下となり、充分な透明性を兼ね備えたものとなる。
この熱線遮蔽膜の膜厚が1.5μmより薄すぎると、熱線遮蔽効果が乏しくなり、逆に膜厚が3.0μmより厚すぎると、可視光線の透過率が低下する原因となり、また、熱線遮蔽膜の形成が困難となる。
【0042】
ここで、熱線遮蔽膜の膜厚を1.5μm〜3.0μmの範囲内としたときに、この熱線遮蔽膜のヘーズ値が1%以下となる理由は、上記の熱線遮蔽膜形成用塗料においては、それに含まれる熱線遮蔽機能を有する無機微粒子を、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子との混合物としたことにより、この錫ドープ酸化インジウム微粒子の周囲に、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも平均粒子径が小さいアンチモンドープ酸化錫微粒子が複数個集合して分散媒との親和性に優れる凝集体を形成し、この凝集体が熱線遮蔽膜形成用塗料中にて高度に分散し、この高分散状態が維持された状態で熱線遮蔽膜が形成されるからである。
【0043】
なお、この塗料が錫ドープ酸化インジウム微粒子のみを含む場合、この錫ドープ酸化インジウム微粒子が分散媒との親和性に優れず、したがって、熱線遮蔽膜形成用塗料中における分散性が充分ではなく、透明性が低下し、ヘーズ値も高くなる。
また、この塗料がアンチモンドープ酸化錫微粒子のみを含む場合、このアンチモンドープ酸化錫微粒子が分散媒との親和性に優れているために、熱線遮蔽膜形成用塗料中における分散性も充分ではあるものの、このアンチモンドープ酸化錫微粒子それ自体が着色しているために、充分な熱線遮蔽効果を付与させようとすると、透過率が低下してしまう。
【0044】
なお、透明フィルム2の下面の上に粘着剤層4を介して剥離フィルム5を貼着する場合、この方法は特に限定されず、通常の積層フィルム製造装置を用いた公知の方法を用いることができる。
【0045】
本実施形態に係る熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法によれば、錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなる熱線遮蔽膜形成用塗料を、透明基材の一主面上に塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜に放射線を照射するので、この熱線遮蔽膜を透明基材の一主面上に形成するための特別な工程を別途必要とせず、電離放射線硬化型樹脂を用いた既存の積層フィルム製造装置を用いて廉価に作製することができる。
【実施例】
【0046】
本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
錫ドープ酸化インジウム微粒子(比表面積:42m/g、富士チタン工業(株)社製)35質量部と、アンチモンドープ酸化錫微粒子(比表面積:72m/g、石原産業(株)社製)15質量部と、トルエン46質量部と、リン酸エステル系分散剤4質量部とを混合し、ガラスビーズを用いてサンドミル処理を4時間行い、錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子の共分散液を作製した。
この共分散液における分散粒子の分散粒子径(d50値)を、マイクロトラックUPA(日機装(株)社製)を用いて測定したところ、72nmであった。
【0047】
次いで、この錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子の共分散液53質量部と、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学社製)26質量部と、光重合開始剤 Irugacure907(CIBA社製)0.5質量部と、1−プロパノール8質量部と、トルエン12.5質量部とを混合し、熱線遮蔽膜形成用塗料を調整した。
【0048】
次いで、この熱線遮蔽膜形成用塗料をPETフィルム T600E−50N(厚み:50μm、三菱ポリエステル(株)社製)の表面にバーコーターを用いて全光線透過率が86±1%となるように塗布し、塗膜を形成した。次いで、この塗膜を80℃の大気雰囲気中にて乾燥し、さらに、この乾燥した塗膜に紫外線を照射量200mJ/cmにて照射し、実施例1の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0049】
「実施例2」
錫ドープ酸化インジウム微粒子を25質量部、アンチモンドープ酸化錫微粒子を25質量部とした他は、実施例1に準じて、実施例2の錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子の共分散液を作製した。
この共分散液における分散粒子の分散粒子径(d50値)を、実施例1に準じて測定したところ、65nmであった。
次いで、実施例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、実施例2の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0050】
「実施例3」
錫ドープ酸化インジウム微粒子を15質量部、アンチモンドープ酸化錫微粒子を35質量部とした他は、実施例1に準じて、実施例3の錫ドープ酸化インジウム微粒子とアンチモンドープ酸化錫微粒子の共分散液を作製した。
この共分散液における分散粒子の分散粒子径(d50値)を、実施例1に準じて測定したところ、60nmであった。
次いで、実施例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、実施例3の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0051】
「比較例1」
実施例1の錫ドープ酸化インジウム微粒子50質量部をトルエン50質量部と混合し、ガラスビーズを用いてサンドミル処理を4時間行い、錫ドープ酸化インジウム微粒子の分散液(以下、「A液」という。)を作製した。
また、実施例1のアンチモンドープ酸化錫微粒子50質量部をトルエン50質量部と混合し、ガラスビーズを用いてサンドミル処理を4時間行い、アンチモンドープ酸化錫微粒子の分散液(以下、「B液」という。)を作製した。
【0052】
次いで、このA液70質量部とB液30質量部とを混合し、比較例1の混合液を作製した。
次いで、この混合液53質量部を用いた他は、実施例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、比較例1の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0053】
「比較例2」
比較例1のA液50質量部とB液50質量部とを混合し、比較例2の混合液を作製した。
次いで、この混合液を用いた他は、比較例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、比較例2の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0054】
「比較例3」
比較例1のA液30質量部とB液70質量部とを混合し、比較例3の混合液を作製した。
次いで、この混合液を用いた他は、比較例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、比較例3の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0055】
「比較例4」
実施例1の錫ドープ酸化インジウム微粒子50質量部と、トルエン46質量部と、リン酸エステル系分散剤4質量部とを混合し、ガラスビーズを用いてサンドミル処理を4時間行い、錫ドープ酸化インジウム微粒子の分散液を作製した。
次いで、この分散液53質量部を用いた他は、実施例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、比較例4の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0056】
「比較例5」
実施例1のアンチモンドープ酸化錫微粒子50質量部と、トルエン46質量部と、リン酸エステル系分散剤4質量部とを混合し、ガラスビーズを用いてサンドミル処理を4時間行い、アンチモンドープ酸化錫微粒子の分散液を作製した。
次いで、この分散液53質量部を用いた他は、実施例1に準じて熱線遮蔽膜形成用塗料を調整し、この熱線遮蔽膜形成用塗料を用いた他は実施例1に準じて、比較例5の熱線遮蔽膜付き透明基材を作製した。
【0057】
「評価」
実施例1〜3及び比較例1〜5各々の熱線遮蔽膜付き透明基材を評価した。
評価項目と評価方法は、次のとおりである。
(1)全光線透過率、ヘーズ
日本工業規格JIS K 7015「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠し、ヘーズメータ NDH−2000(日本電色(株)社製)を用いて測定した。
(2)透過スペクトル、日射透過率
日本工業規格JIS R 3106「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射透過率の試験方法」に準拠し、スペクトロフォトメーター V−570(日本分光(株)社製)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度
日本工業規格JIS K 5600−5−4「塗料一般試験方法 塗膜の機械的性質」に準拠し、鉛筆硬度試験機(太平理化工業(株)社製)を用いて測定した。
実施例1〜3及び比較例1〜5各々の評価結果を表1及び図2に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
これらの評価結果より、実施例1〜3の熱線遮蔽膜は、いずれも、ヘーズ値が1%以下であり、透明性を備えていることが判明した。また、図2及び日射透過率により、実施例1〜3の熱線遮蔽膜は、良好な可視光線透過性と優れた赤外線遮蔽性を備えていることも判明した。
これに対して、比較例1〜4の熱線遮蔽膜は、いずれも、ヘーズ値が大きく、透明性に劣ることが判明した。また、比較例5の熱線遮蔽膜は、図2及び日射透過率から可視光線透過性は実施例1〜3の熱線遮蔽膜と同程度であるものの、波長が1200nm以上の長波長領域(熱線領域)における透過率が実施例1〜3のものと比べて高く、充分な熱線遮蔽性能を備えていないことが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の熱線遮蔽膜付き透明基材は、透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を含み、膜厚が1.5μm以上かつ3.0μm以下、ヘーズ値が1%以下の熱線遮蔽膜を成膜したことにより、可視光領域における透過率をより一層向上させることができるものであるから、建物の窓、車両の窓、あるいは冷蔵庫、冷凍庫、冷凍用ショーケースの窓等はもちろんのこと、これら以外の熱線(赤外線)を遮蔽する必要がある各種部材等へも適用可能であり、その工業的価値は極めて大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱線遮蔽膜付き透明フィルムを示す断面図である。
【図2】実施例1〜3及び比較例5各々の透過スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 熱線遮蔽膜付き透明フィルム
2 透明フィルム
3 熱線遮蔽膜
4 粘着剤層
5 剥離フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材の一主面上に、錫ドープ酸化インジウム微粒子及びアンチモンドープ酸化錫微粒子を含み、膜厚が1.5μm以上かつ3.0μm以下、ヘーズ値が1%以下の熱線遮蔽膜を成膜してなることを特徴とする熱線遮蔽膜付き透明基材。
【請求項2】
錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなることを特徴とする熱線遮蔽膜形成用塗料。
【請求項3】
前記錫ドープ酸化インジウム微粒子の比表面積(SITO)と前記アンチモンドープ酸化錫微粒子の比表面積(SATO)との比(SITO/SATO)は、下記の式(1)
ITO/SATO<0.9 ……(1)
を満たすことを特徴とする請求項2記載の熱線遮蔽膜形成用塗料。
【請求項4】
前記錫ドープ酸化インジウム微粒子の、この錫ドープ酸化インジウム微粒子と前記アンチモンドープ酸化錫微粒子の合計量に対する質量百分率は、5質量%以上かつ95質量%以下であることを特徴とする請求項2記載の熱線遮蔽膜形成用塗料。
【請求項5】
前記電離放射線硬化型樹脂は、アクリル系化合物及びエポキシ系化合物のうちの一種以上を含有するモノマーまたはオリゴマーであることを特徴とする請求項2記載の熱線遮蔽膜形成用塗料。
【請求項6】
透明基材の一主面上に、
錫ドープ酸化インジウム微粒子と、この錫ドープ酸化インジウム微粒子よりも比表面積が大きなアンチモンドープ酸化錫微粒子とを、分散媒に共分散させた共分散液に、電離放射線硬化型樹脂を添加してなる熱線遮蔽膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、
次いで、この塗膜に放射線を照射することを特徴とする熱線遮蔽膜付き透明基材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−72985(P2009−72985A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242989(P2007−242989)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】