説明

熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法及び装置

【課題】材料の表面及び裏面が的確な温度差となるように加熱炉において加熱することができ、圧延機による圧延材の上反りを確実に防止することができる圧延材の上反り防止方法を提供する。
【解決手段】加熱炉1は、材料3の表面を加熱する上部ゾーン1gと、材料の裏面を加熱する下部ゾーン1hとを備えている。上部ゾーン及び前記下部ゾーンの各々は炉温・燃料流量制御装置20で加熱制御されている。炉温・燃料流量制御装置は、ゾーン1g,1h内の炉温を計測する温度センサ10の出力値に基づいてバーナ13に供給すべき燃料の流量を調整する炉温制御を行なうとともに、流量が、圧延材4の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに炉温制御を停止し、流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記流量を調整する燃料流量制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉で加熱された材料を圧延機で所定厚さに圧延する熱間圧延ラインにおいて圧延材の上反りを防止する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱炉で加熱される材料の裏面温度が表面温度に比べて極めて高い場合には、この材料を圧延機で圧延した圧延材に上反りが発生しやすく、圧延材製品の品質低下、操業上のトラブルや生産設備の破損などを招くおそれがある。
そこで、圧延材の上反りを防止する熱間圧延ラインとして、例えば特許文献1の記載の技術が知られている。
特許文献1の熱間圧延ラインは、図5に示すように、加熱炉1と圧延機2とを備え、加熱炉で加熱された材料3は、圧延機2において所定厚さに圧延されて圧延材4が得られる。
【0003】
加熱炉1は、図6に示すように、材料3を表面及び裏面から加熱する8つのゾーン1a〜1hを有する加熱炉であり、1aは予熱帯上部ゾーン、1bは予熱帯下部ゾーン、1cは第1加熱帯上部ゾーン、1dは第1加熱帯下部ゾーン、1eは第2加熱帯上部ゾーン、1fは第2加熱下部ゾーン、1gは均熱帯上部ゾーン、1hは均熱帯下部ゾーンである。
図5の符号5は、加熱炉1を構成する8つのゾーン1a〜1hそれぞれの炉温制御を行なう炉温制御装置である。なお、炉温制御とは、各ゾーン内の炉内雰囲気温度に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整することで材料3を加熱制御するものである。
【0004】
また、図5の符号15は温度設定補正装置であり、圧延機2の出側に配置した反り検出器16から圧延材4の反り量をフィードバック信号として得ることで温度設定値補正量を算出し、この温度設定値補正量を炉温制に御装置5に出力するようになっている。
また、図5の符号17は、加熱炉1内における材料3の加熱予測演算部(伝熱モデル)であり、各ゾーン1a〜1hの炉温設定値を予測演算する。
炉温制御装置5は、図6に示すように、温度調整器(TIC)6と、ガス流量調整器(FIC)7及び燃焼空気流量調整器(FIC)8とで構成されている。
温度調整器6には、炉内温度を検出する温度センサ10から均熱帯下部ゾーン1hの炉内温度信号が入力する。そして、温度調整器6は、温度センサ10から入力した炉内温度信号、伝熱モデル17から入力した炉温設定値及び温度設定補正装置15から入力した温度設定値補正量に基づいて、均熱帯下部ゾーン1hに対するガス流量調整器7の設定値を演算する。
【0005】
また、ガス流量調整器7は、温度調整器6から入力した設定値と、ガス配管上の流量センサ11aから入力する流量信号とに基づいて弁開度制御を演算し、ガス流量調節弁12の弁開度を連続的に調節する。これにより、均熱帯下部ゾーン1hの炉温を調節するガスバーナ13へのガス供給量を制御する。
さらに、燃焼空気流量調整器8は、温度調整器6から入力した設定値に空気比Mを乗じた設定値が入力し、この設定値と、燃焼空気配管上の流量センサ11bから入力する流量信号とに基づいて弁開度を演算し、燃焼空気流量調節弁14の弁開度を連続的に調節する。
【0006】
この温度調整器6、ガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8からなる炉温制御装置5は、各ゾーン1a〜1hに温度センサ10及びガスバーナ13を配置し、各ゾーン1a〜1hの炉内温度を温度センサ10で計測し、その計測値に基づいてガスバーナ13に供給すべき燃料及び空気の流量を調整する炉温制御を行なう。
上記構成の熱間圧延ラインによると、各ゾーン1a〜1hに配置した炉温制御装置5が、圧延機2の出側で圧延材4の反り量を検出する反り検出器16からの検出結果を、温度設定補正装置15を用いて温度設定値に反映し、圧延機2に圧延される前の材料3の表面及び裏面が的確な温度差となるように加熱することで、圧延材4の上反りを防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−303610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した従来の熱間圧延ラインは、加熱炉1の各ゾーン1a〜1hの炉内温度を測定している温度センサ10の測定値が大きく変動しやすい。また、各ゾーン1a〜1hの温度センサ10は材料3の表面温度及び裏面温度の測定ではなく、ゾーンの炉内雰囲気温度を測定している。このように、測定値が大きく変動しやすく、炉内雰囲気温度を測定している温度センサ10の測定値に基づいて炉温制御装置5が動作しても、各ゾーン1a〜1hを通過する材料3の表面及び裏面を的確な温度差に加熱することはできない。したがって、圧延機2で圧延された圧延材4に上反りが散発的に発生してしまい、製品の品質が低下し、操業上のトラブルや生産設備の破損などを招くおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、材料の表面及び裏面が的確な温度差となるように加熱炉において加熱し、圧延機による圧延材の上反りを確実に防止することができる圧延材の上反り防止方法及び装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法は、材料を加熱する加熱炉と、この加熱炉で加熱した材料を圧延して圧延材を形成する圧延機とを備えた熱間圧延ラインにおいて、前記加熱炉は、前記材料の表面を加熱する上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する下部ゾーンとを備え、前記上部ゾーン及び前記下部ゾーンの各々に対して、前記ゾーン内の炉温を計測する温度センサの出力値に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整する炉温制御を行なうとともに、前記流量が、前記圧延材の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに前記炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記流量を調整する燃料流量制御を行なうようにした。
【0011】
また、請求項2記載の熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止装置は、材料を加熱する加熱炉と、この加熱炉で加熱した材料を圧延して圧延材を形成する圧延機とを備えた熱間圧延ラインにおいて、前記加熱炉は、前記材料の表面を加熱する上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する下部ゾーンとを備え、前記上部ゾーン及び前記下部ゾーンの各々は、炉温・燃料流量制御装置を備え、当該炉温・燃料流量制御装置は、前記ゾーン内の炉温を計測する温度センサの出力値に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整する制御を行なう炉温制御部と、前記流量が、前記圧延材の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに前記炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記流量を調整する制御を行なう燃料流量制御部とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法及び装置によると、測定値が大きく変動しやすく、炉内雰囲気温度を測定する温度センサの出力値に基づいた炉温制御のみを行なうのではなく、炉温制御を行なっているときに、上部ゾーン及び下部ゾーンの何れかのゾーンの流量が増大して流量閾値を超えた時点で炉温制御を停止し、流量閾値より小さな一定の流量設定値に制限する燃料流量制御を行なうことで、表面及び裏面が的確な温度差となるように材料を加熱することができ、圧延材の上反りを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る熱間圧延ラインを示す概略図である。
【図2】本発明に係る熱間圧延ラインに配置した炉温・燃料流量制御装置の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る熱間圧延ラインの加熱炉が、材料を加熱する際のガス流量変化を示すグラフである。
【図4】炉温制御装置を備えた従来の熱間圧延ラインの加熱炉が、材料を加熱する際のガス流量変化を示すグラフである。
【図5】炉温制御装置を備えた従来の熱間圧延ラインを示す概略図である。
【図6】従来の熱間圧延ラインの炉温制御装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図5及び図6で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
図1に示すものは、本発明に係る熱間圧延ラインを示すものであり、符号20は、炉温・燃料流量制御装置である。
この炉温・燃料流量制御装置20は、図2に示すように、均熱帯上部ゾーン1g及び均熱帯下部ゾーン1hを通過する材料3を加熱制御する装置であり、他のゾーン1a〜1fは、炉温制御装置5により、各ゾーン内の炉内雰囲気温度に基づいてバーナ13に供給すべき燃料の流量を調整することで材料3を加熱制御している。
【0015】
炉温・燃料流量制御装置20は、温度調整器6、ガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8と、所定値のガス流量設定値を出力する燃料流量設定出力部21と、温度調整器6との接続を燃料流量設定出力部21に切替えるスイッチ部22と、ガス流量が所定のガス流量閾値を超えたときにスイッチ部22の切り替え動作を行なうスイッチ制御部23とで構成されている。
ここで、ガス流量閾値は、2000Nm/hであり、このガス流量閾値は、圧延材4の反りが発生しやすい上限値である。
スイッチ制御部23は、ガス配管上の流量センサ11aから流量信号が入力しており、流量センサ11aの流量信号がガス流量閾値(2000Nm/h)を超えたときに、スイッチ部22を、燃料流量設定出力部21とガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8との接続に切り替える。
【0016】
また、燃料流量設定出力部21は、ガス流量閾値(2000Nm/h)より小さな値のガス流量設定値=1500Nm/hを記憶しており、スイッチ部22の切り替え動作によりガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8と接続したときに、ガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8に対してガス流量設定値(1500Nm/h)を出力する。
ガス流量調整器7は、温度調整器6から入力した設定値、或いは、燃料流量設定出力部21から入力したガス流量設定値(1500Nm/h)から入力した設定値と、ガス配管上の流量センサ11aから入力する流量信号とに基づいて弁開度制御を演算し、ガス流量調節弁12の弁開度を連続的に調節する。これにより、均熱帯下部ゾーン1hの炉温を調節するガスバーナ13へのガス供給量を制御する。
【0017】
また、燃焼空気流量調整器8は、温度調整器6から入力した設定値、或いは、燃料流量設定出力部21から入力したガス流量設定値(1500Nm/h)に、空気比Mを乗じた設定値に変換し、この設定値と、燃焼空気配管上の流量センサ11bから入力する流量信号とに基づいて弁開度を演算し、燃焼空気流量調節弁14の弁開度を連続的に調節する。
ここで、本発明に係る炉温制御部が、温度調整器6、ガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8に相当し、本発明に係る燃料流量制御部が、温度調整器6、ガス流量調整器7、燃焼空気流量調整器8、燃料流量設定出力部21と、スイッチ部22及びスイッチ制御部23に相当している。
【0018】
次に、本実施形態の熱間圧延ラインの作用について、本実施形態の加熱炉1のガス流量変化を示す図3のグラフを参照して説明する。
なお、本実施形態との比較のために、炉温制御装置5のみを備えた従来の熱間圧延ラインの加熱炉1のガス流量変化を図4のグラフに示す。
図4の加熱炉1は、均熱帯下部ゾーン1hの初期位置(第2加熱帯下部ゾーン1f)から後半位置(加熱炉1の出側)まで、炉内温度に基づいて材料3を加熱制御する炉温制御を行なう。この際、均熱帯下部ゾーン1hの後半位置(加熱炉1の出側)は炉内雰囲気温度が低下しやすく、この低下した炉内雰囲気温度が温度センサ10の信号として炉温制御装置5に出力されると、ガス流量調節弁12に弁開度を大きくする指令が伝達されてガス流量が増大する。均熱帯下部ゾーン1hのガス流量が増大して材料の裏面が加熱されると、材料3の裏面温度が表面温度に比べて極めて高くなるので上反りが発生するおそれがある。
【0019】
これに対して、図3に示す本実施形態の熱間圧延ラインは、均熱帯下部ゾーン1hの初期のガス流量がガス流量閾値(2000Nm/h)を超えていない場合には、炉温・燃料流量制御装置20が、炉内温度に基づいて材料3を加熱する炉温制御を行なう。すなわち、温度調整器6は、温度センサ10から入力した炉内温度信号及び伝熱モデル17から入力した炉温設定値に基づいて、均熱帯下部ゾーン1hに対するガス流量調整器7の設定値を演算する。ガス流量調整器7は、温度調整器6から入力した設定値と、ガス配管上の流量センサ11aから入力する流量信号とに基づいて弁開度制御を演算し、ガス流量調節弁12の弁開度を連続的に調節し、均熱帯下部ゾーン1hの炉温を調節するガスバーナ13へのガス供給量を制御する。さらに、燃焼空気流量調整器8は、温度調整器6から入力した設定値に空気比Mを乗じた設定値が入力し、この設定値と、燃焼空気配管上の流量センサ11bから入力する流量信号とに基づいて弁開度を演算し、燃焼空気流量調節弁14の弁開度を連続的に調節する。
【0020】
そして、図3のP点で示すように、炉温制御を行なっている際にガス流量が変動してガス流量閾値(2000Nm/h)を超えた場合には、スイッチ制御部23が、スイッチ部22を燃料流量設定出力部21とガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8との接続に切り替える。そして、燃料流量設定出力部21は、ガス流量調整器7及び燃焼空気流量調整器8に対してガス流量設定値(1500Nm/h)を出力する。これにより、ガス流量調整器7は、ガス流量調節弁12の弁開度が1500Nm/hとなるように調節され、燃焼空気流量調整器8は、ガス流量設定値(1500Nm/h)に空気比Mを乗じた設定値を受け、この設定値となるように燃焼空気流量調節弁14の弁開度が調節される。
【0021】
すなわち、本実施形態の炉温・燃料流量制御装置20は、均熱帯下部ゾーン1hの炉内雰囲気温度が低下していき、ガス流量調節弁12の弁開度を大とする指令によってガス流量が増大していくと、ガス流量閾値(2000Nm/h)を超えた時点で、炉内温度に基づいて材料3を加熱する炉温制御から、ガス流量設定値(1500Nm/h)にガス流量を設定して材料3を加熱する燃料流量制御に切り替え、ガスバーナ13の燃焼による均熱帯下部ゾーン1hの炉温を低く設定する。
【0022】
一方、図3に示すように、均熱上部ゾーン1gのガス流量は、材料3が通過する初期位置(第2加熱帯上部ゾーン1e)から後半位置までガス流量閾値(2000Nm/h)を超えておらず、均熱上部ゾーン1gの炉内雰囲気温度は低下せずガス流量が増大していないと判断し、均熱帯上部ゾーン1gを制御する炉温・燃料流量制御装置20は、炉内温度に基づいて材料3を加熱する炉温制御を続行する。
【0023】
したがって、本実施形態の熱間圧延ラインは、測定値が大きく変動しやすく、炉内雰囲気温度を測定する温度センサ10の出力値に基づいて炉温制御のみを行なうのではなく、炉温制御を行なっているときに、均熱帯下部ゾーン1hのガス流量が増大してガス流量閾値(2000Nm/h)を超えた時点で炉温制御を停止し、ガス流量を1500Nm/h(ガス設定値)に制限する燃料流量制御を行なうことで、表面及び裏面が的確な温度差となるように材料3を加熱することができるので、圧延材4の上反りを確実に防止することができる。
【0024】
また、本実施形態の熱間圧延ラインは、図5で示した圧延材4の反り量をフィードバック信号として得る反り検出器16及び温度設定補正装置15が不要となるので、装置コストの低減化を図りながら圧延材4の上反りを防止することができる。
なお、図4のグラフでは均熱帯下部ゾーン1hのガス流量が増大していく場合を示したが、均熱帯上部ゾーン1gのガス流量が増大していく場合にも、炉温・燃料流量制御装置20が、炉温制御から燃料流量制御に切り替わる制御を行なうことで、圧延材4の上反りを確実に防止する。
また、本実施形態の加熱炉1は、材料3を表面及び裏面から加熱する8つのゾーン1a〜1hを有する加熱炉としたが、本発明の要旨がこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0025】
1…加熱炉、1a〜1h…ゾーン、2…圧延機、3…材料、4…圧延材、5…炉温制御装置、6…温度調整器、7…ガス流量調整器、8…燃焼空気流量調整器、10…温度センサ、11a,11b…流量センサ、12…ガス流量調節弁、13…ガスバーナ、14…燃焼空気流量調節弁、20…炉温・燃料流量制御装置、21…燃料流量設定出力部、22…スイッチ部、23…スイッチ制御部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を加熱する加熱炉と、この加熱炉で加熱した材料を圧延して圧延材を形成する圧延機とを備えた熱間圧延ラインにおいて、
前記加熱炉は、前記材料の表面を加熱する上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する下部ゾーンとを備え、
前記上部ゾーン及び前記下部ゾーンの各々に対して、
前記ゾーン内の炉温を計測する温度センサの出力値に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整する炉温制御を行なうとともに、前記流量が、前記圧延材の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに前記炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記流量を調整する燃料流量制御を行なうようにしたことを特徴とする熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止方法。
【請求項2】
材料を加熱する加熱炉と、この加熱炉で加熱した材料を圧延して圧延材を形成する圧延機とを備えた熱間圧延ラインにおいて、
前記加熱炉は、前記材料の表面を加熱する上部ゾーンと、前記材料の裏面を加熱する下部ゾーンとを備え、
前記上部ゾーン及び前記下部ゾーンの各々は、炉温・燃料流量制御装置を備え、
当該炉温・燃料流量制御装置は、
前記ゾーン内の炉温を計測する温度センサの出力値に基づいてバーナに供給すべき燃料の流量を調整する制御を行なう炉温制御部と、
前記流量が、前記圧延材の上反りが発生しやすい所定の流量閾値を超えたときに前記炉温制御を停止し、前記流量閾値より小さな一定の流量設定値となるように前記流量を調整する制御を行なう燃料流量制御部と、
を備えていることを特徴とする熱間圧延ラインにおける圧延材の上反り防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−187602(P2012−187602A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52056(P2011−52056)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】