説明

熱間鍛造プレス成形方法及びその装置

【課題】熱間鍛造工程におけるプレス成形ラインの初工程前に酸化皮膜除去のためのプレス工程、面取り工程を同時に行う予備成形工程を付加して金型寿命の改善と素材品質向上を図る。
【解決手段】プレス成形加工ラインの初工程金型8aの前に予備成形金型5を付加し、予備成形金型5は、ワーク2の酸化被膜除去のためのプレス工程と上下の面取り工程を同時に行う上下金型から成り、素材供給位置4に自動供給されたワーク2を予備成形金型5に対しベースプレート16上で進退移送する送り装置14を備え、送り装置14は、予備成形後の面取りワーク2aを初工程金型8aに移送すべく間欠移送装置の起点位置6まで略半ストローク後退移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間鍛造工程において加熱素材を上下の金型間に自動搬送しつつプレス成形加工を行うラインの初工程前に、予備成形工程(プレ工程)を付加した熱間鍛造プレス成形方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、熱間鍛造工程では、熱間鍛造の対象となる加熱された素材が複数のプレス工程からなるプレス成形加工ラインにて成形加工が行われている。
このような熱間鍛造工程では、素材が加熱されると表面に硬質で剥離性の酸化皮膜が生じる。このような状況下で熱間鍛造プレス加工を行うと、金型の摩耗が促進されて金型寿命の低下や素材品質が悪化する等の問題が発生する。
【0003】
一方、酸化皮膜の除去方法としては、酸欠加熱法、微少成形による剥離除去法、回転ブラシ除去法や水圧除去法などが知られているが、他に酸化皮膜を発生させない方法として加熱温度700℃〜1000℃で加熱成形する方法があるが、これは金型による成形抵抗が増加する問題を有している。
好ましい酸化皮膜の除去方法として、水圧除去(デスケーリング)法が特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に記載されるデスケーリング法は、通常、1000℃から1300℃に加熱し粗圧延した鋼片を、祖圧延の終了から20秒以上400秒以内で噴射圧力30Mp以上の高圧水によってデスケーリングを行うことによって、粗圧延後に生じた酸化皮膜と共にクサビ状のファイアライトの殆どを除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−74178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の酸化皮膜の除去方法では、粗圧延後20秒以上400秒以内に高圧水を噴射していることから、前述のように素材温度の低下により金型によるプレス成型抵抗が増加する問題が生じる。特に小物素材のプレス成形加工を行う際は除熱作用が著しくなる。
【0007】
従って、上記の酸化皮膜除去方法では、小物素材の鍛造プレス成形加工における金型寿命等の耐久性、並びに製品品質向上の対策として問題が残されている。
また、例えば、ピニオンギヤ等の小物素材を鍛造プレス加工する際に、長尺の丸棒鋼材から所定長さに切断された素材が使用されており、切断方法として鋸切断やシャー切断が採用されているが、プレス成型時に素材の切断切口の角部によって金型の成形内面に当接した際の打昏傷が生じ、この傷が成形製品の品質を低下する要因となっていた。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、熱間鍛造工程におけるプレス成形ラインの初工程前に酸化皮膜除去のためのプレス工程、面取り工程を同時に行う予備成形工程を付加して金型寿命の改善と素材品質向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る熱間鍛造プレス成形方法は、搬送ライン中に定間隔で連設された複数の上下金型間に小物の加熱素材を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行う熱間鍛造プレス成形方法において、
プレス成形加工ラインの初工程前に予備成形工程を付加し、該予備成形工程は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、面取り工程を同時に行う工程から成り、素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形工程に前進移送し、予備成形後の前記加熱素材は、前記プレス成形加工ラインの初工程に移送すべく前記間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る熱間鍛造プレス成形装置は、搬送ライン中に定間隔で連設された複数の上下金型間に小物の加熱素材を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行う熱間鍛造プレス成形装置において、
プレス成形加工ラインの初工程金型の前に予備成形金型を付加し、前記予備成形金型は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行う上下金型から成り、素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形金型に対しベースプレート上で進退移送する送り装置を備え、該送り装置は、前記予備成形後の加熱素材を前記初工程金型に移送すべく前記間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする。
【0011】
かかる発明によれば、熱間鍛造プレス成形装置におけるプレス成形加工ラインの初工程金型の前に、酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行う予備成形金型を付加することで、金型摩耗促進の抑制により金型寿命の改善、並びに加熱素材のエッジによる金型成型面の打昏傷を無くすことにより製品品質向上を図ることができる。
また、予備成形工程後の小物加熱素材を前記プレス成形加工ラインで使用される間欠移送装置の起点(スタート)位置まで後退移動(略半ストローク)することで、間欠移送装置の間欠移送ストロークにより初期工程から連続する自動プレス加工を行うことができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記予備成形金型における下金型は、下面取り角度が前記初工程の下金型の面取り角度に合せた角度で形成されると共に、前記下金型の中央空間には面取り工程後の加熱素材下面を前記ベースプレート上まで押上げる復帰弾力を有する排出具を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、予備成形金型における下金型の下面取り角度が前記初工程金型の下金型の面取り角度に合せた角度で形成されているので、初工程金型の下金型面取り成形時に金型摩耗の促進を抑制することができる。
また、面取り成形後の加熱素材下面をベースプレート上まで押上げる復帰弾力を有する排出具を備えているので、ベースプレート上への乗り移りを円滑に行うことができる。
【0013】
また、本発明において好ましくは、前記予備成形金型は、前記初工程金型に比し小型に形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、予備成形金型を初工程金型に比し小型に形成することで、省スペース化が図れるので前記予備成形金型を、プレス成形加工ラインの初工程金型と間欠移送装置の起点位置までの距離の略中間部位に配置することができ、初工程金型を支持するベースを利用することで支持構造を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上記載のごとく本発明によれば、熱間鍛造工程におけるプレス成形ラインの初工程前に酸化皮膜除去のためのプレス工程、面取り工程を同時に行う予備成形工程を付加することで、金型の摩耗促進が抑制されると共に加熱素材のエッジによる金型成型面の打昏傷を無くすことで製品品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る熱間鍛造プレス成形装置であって、プレス成形加工ラインと該プレス成形加工ラインの初工程前に配置した予備成形工程の一部断面を示す全体図である。
【図2】予備成形工程とプレス成形加工ラインにおける初工程の説明図である。
【図3】小物加熱素材を素材供給位置から予備成形工程、及び予備成形工程から間欠移送装置の起点位置、並びに起点位置から初工程へ移送する動作説明図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0017】
図1は本発明の実施形態に係る熱間鍛造プレス成形装置であって、プレス成形加工ラインと該プレス成形加工ラインの初工程金型の前に配置した予備成形工程の一部断面を示す全体図、図2は予備成形金型とプレス成形加工ラインにおける初工程金型の説明図である。
【0018】
図1において、1は熱間鍛造プレス成形装置を示しており、該熱間鍛造プレス成形装置1は、初工程金型8aに供給される円柱状の小物加熱素材(以下単にワーク2と称する)
を、4工程からなる例えば2000トンのプレス工程によりドライブピニオンを同時に成形加工するプレス成形加工ラインを備えており、プレス成形加工ラインの前方には後述する予備成形金型5が配置されている。
【0019】
前記間欠移送装置は、初工程金型8aに供給された円柱状のワーク2を4工程のプレス成形加工を実施するプレス成形金型8a,8b,8c,8dに間欠移送するための間欠移送装置(図示せず)を備えている。
前記プレス成形金型8a,8b,8c,8dは、一定間隔L(例えば280mm)離間して配置されている。
【0020】
前記間欠移送装置は、後述する起点位置6に移送位置決めされたワーク2をプレス成形加工ラインの4工程からなるプレス成形金型8a,8b,8c,8dに順次間欠移送すべく、前記ワーク2の両外側を同時に把持する左右一対の把持爪(不図示)が搬送方向に直交するように4組の把持爪が、プレス成形金型8a,8b,8c,8dの間隔に対応して間隔Lで配置されており、隣接するプレス成形金型間を一定ストロークLで繰り返し往復移送されるようになっている。
【0021】
詳しくは、前記間欠移送装置は、4つのプレス成形金型8a,8b,8c,8dで成形加工されたワークを搬送方向に対し両側から把持爪で同時に把持した後、上昇移動して次の工程となるプレス成形金型の直上に移送したところで下降し、把持爪を開いてワークが対応する次工程金型に移載されると前工程金型の直上に戻る動作を繰り返す間欠移送動作を行いつつ順次移送するようになっている。すなわち、前記間欠移送装置では、アドバンス・リターン(前進後退動作)、クランプ・アンクランプ、リフト・ダウン(昇降動作)を繰り返しつつワーク2を搬送する3次元トランスファー装置が一般的に採用されており、他にピックアンドプレース装置とも言われている。
【0022】
前記予備成形金型5(プレフォーム金型)は、前記プレス成形加工ラインの初工程金型8aの前方にあって、初工程金型8aから前記各プレス成形金型8a,8b,8c,8dの間隔Lの略1/2L(≒130mm)に配置されている。
この予備成形金型5は、図2(a)〜(c)に示すように、1100℃〜1230℃に加熱された円柱状のワーク2(微小素材)の上下の面取り工程と酸化被膜除去の工程を同時に行うもので、加熱時に発生する酸化被膜は上下の面取り工程時における微小成形プレスにより剥離することができる。
【0023】
本実施形態におけるワーク2の前記面取り金型は、図2(a)に示すように、上部面取り角度は内部頂角が90度となるテーパで成形され、下部面取り角度は内部頂角が60度となるテーパで成形される。下部面取り角度は、図2(b)に示す次の初工程金型の面取り角度60度に合せて形成されてあり、これにより初工程金型により成形時の摩擦力が低減されるので金型摩耗促進の抑制を図ることができる。
【0024】
初工程金型の下金型18aは、内部の軸絞り加工の角度が60度テーパに形成されており、予備成形金型5で成形される面取り角度と合致しており、軸絞り成形時における金型摩耗を緩和すると同時に酸化被膜除去による内面摩耗を緩和している。
この場合、上金型18bの内面角度は、上金型に対する負荷が少ないので予備成形金型5で成形される面取り角度とは必ずしも合致する必要はない。
【0025】
次に、ワークの移送動作につき、図3、図4及び図1を参照して説明する。図3はワークを素材供給位置から予備成形金型5、及び予備成形金型5から間欠移送装置の起点位置、並びに起点位置から初工程金型へ移送する動作説明図、図4は図3のA−A矢視図である。
【0026】
図1において、14は2段送り装置(送り装置)であって、この2段送り装置14は、2つの油圧シリンダの組合せで構成されており、2段階のストロークとして前記プレス成形加工ラインにおけるプレス成形ステーション間の間隔Lに相当する全ストロークL及び略半ストローク≒L/2を選択的に得ることができるもので、ピストンロッドには、先端に円柱状のワーク2を立設させて保持する挿通支持孔15aを形成した板状の送りスライダー15が取着されている。
【0027】
前記送りスライダー15は、図3に示すようにエンドレスチェーンコンベアで構成される素材供給コンベア3から素材供給位置4に落下したワーク2を、挿通支持孔15aを通してベースプレート16上でスライド可能に立設状態に保持されるようになっている。
【0028】
先ず、素材供給コンベア3から素材供給位置4に供給されたワーク2は、送りスライダー15により保持されて2段送り装置14による全ストロークLの前進移動により予備成形金型5まで移送される。
【0029】
図3、図4に示す予備成形金型5では、送りスライダー15によりワーク2を立設状態に保持した状態で、ワーク2を上下金型10a,10bのプレス成形にて上下面取り成形工程が実施されると同時に酸化被膜の除去が行われる。なお、図3に示す予備成形金型5におけるワーク2の左側半断面は、移送直後の半断面を示し、右側半断面は面取り成形直後の半断面を示している。
【0030】
ここで、予備成形金型5による面取り成形工程が終了すると、面取り成形後のワーク2aは、復帰弾力を有する圧縮バネ20の作用により前記面取りワーク2aの下面を支持しているキャップ状の排出具17を介して前記ベースプレート16の上面まで下面を押上げられる。
このように、排出具17によりベースプレート16上面と面一な位置まで下面が押上げられた面取りワーク2aは、送りスライダー15の移送作用によりベースプレート16上へ円滑に乗り移ることができる。
【0031】
次いで、予備成形金型5による面取り成形後の面取りワーク2aは、送りスライダー15の後退移動によりベースプレート16上面を略半ストローク(≒L/2)スライドして間欠移送装置の起点位置6まで後退移送される。
前記送りスライダー15により起点位置6に位置決め保持された前記面取りワーク2aは、間欠移送装置によりその上部を左右両側から一対の把持爪により把持されて前記送りスライダー15から取出されその直上に上昇移動する。
【0032】
そこで、前記送りスライダー15は、素材供給位置4まで後退移動し次に移送されてくるワーク2を受入れるまで待機している。
その後、間欠移送装置により起点位置6の直上に上昇移動した面取りワーク2aは、前記間欠移送装置の一定ストロークLによりプレス成形加工ラインの初工程金型8aの直上まで移送したのち、下降移動することで初工程金型8aの下金型18a内に装填される。
このようにして、プレス成形加工ラインにおける間欠移送装置は、面取りワーク2aを一定間隔Lで繰り返し移送する一連の移送サイクル動作が完了する。
【0033】
次に、本発明に係る熱間鍛造プレス成形方法につき図1、図2を参照して説明する。尚、前述した装置の文言ないし構成と同一文言ないし構成に付いては説明を省略する。
前記熱間鍛造プレス成形方法は、熱間鍛造プレス成形装置1のプレス成形加工ライン中に定間隔で連設された複数のプレス成形金型8a,8b,8c,8d間にワーク2を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行うもので、前記プレス成形加工ラインの初工程金型8aによる初工程の前に予備成形金型5により予備成形工程が実施されるようになっている。
【0034】
すなわち、前記予備成形工程は、前記ワークの酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行うものである。
先ず、素材供給位置4に自動供給されたワーク2は、予備成形工程を実施する予備成形金型5に前進移送して予備成形工程実施の後、前記ワーク2を間欠移送装置の起点位置6まで略半ストローク後退移動する。
【0035】
然る後に、起点位置6に移送したワーク2は、間欠移送装置の把持爪に把持された状態でプレス成形加工ラインの初工程を行う初工程金型8aに移送される。
次いで、初工程で成形加工されたワーク2は、間欠移送装置によりプレス成形加工ラインの次の金型8bに間欠移送されて次の工程が実施されると、以下同様に間欠移送装置の繰り返し間欠移送により順次、後工程の金型8c,8dにより成形工程が実施される。
【0036】
かかる実施形態によれば、熱間鍛造プレス成形装置1において、プレス成形加工ライン中に一定間隔Lで連設された複数の上下金型間にワーク2を間欠移送しつつプレス成形加工を行う加工ラインの初工程金型8aの前に、ワーク2の酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行う予備成形金型5が付加されている。
これにより、金型摩耗促進の抑制による金型寿命の改善、並びにワーク2のエッジによる金型成型面の打昏傷を無くすことにより製品品質向上を図ることができる。
【0037】
また、予備成形金型5は、初工程金型8aに比し、寸法精度の要求や複雑な形状への絞り加工等がないことから小型の金型で形成することができる。
これにより、省スペース化が図れるので予備成形金型5を、プレス成形加工ラインの初工程金型8aと間欠移送装置の起点位置6までの距離Lの略中間部位(≒L/2)に配置することができるので、初工程金型を支持するベース19を利用することで予備成形金型5の支持構造を簡素化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
熱間鍛造プレス成形装置は、プレス成形加工の対象となる小物加熱素材として自動車部品となるドライブピニオン等の軸物の成形工程に適用したが、偏平なデフドライブギヤや、フロントハブ、リヤスピンドル等のプレス成形加工にも適する。
【符号の説明】
【0039】
1 熱間鍛造プレス成形装置
2 ワーク(小物加熱素材)
2a 面取りワーク(面取り工程後の小物加熱素材)
4 素材供給位置
5 予備成形金型
6 起点位置
8a プレス成形加工ラインの初工程金型
10a 予備成形工程における下金型
14 2段送り装置(送り装置)
16 ベースプレート
17 排出具
19 ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ライン中に定間隔で連設された複数の上下金型間に小物の加熱素材を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行う熱間鍛造プレス成形方法において、
プレス成形加工ラインの初工程前に予備成形工程を付加し、該予備成形工程は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、面取り工程を同時に行う工程から成り、
素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形工程に前進移送し、予備成形後の前記加熱素材は、前記プレス成形加工ラインの初工程に移送すべく前記間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする熱間鍛造プレス成形方法。
【請求項2】
搬送ライン中に定間隔で連設された複数の上下金型間に小物の加熱素材を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行う熱間鍛造プレス成形装置において、
プレス成形加工ラインの初工程金型の前に予備成形金型を付加し、
前記予備成形金型は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行う上下金型から成り、
素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形金型に対しベースプレート上で進退移送する送り装置を備え、該送り装置は、前記予備成形後の加熱素材を前記初工程金型に移送すべく前記間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする熱間鍛造プレス成形装置。
【請求項3】
前記予備成形金型における下金型は、下面取り角度が前記初工程の下金型の面取り角度に合せた角度で形成されると共に、前記下金型の中央空間には面取り工程後の加熱素材下面を前記ベースプレート上まで押上げる復帰弾力を有する排出具を備えていることを特徴とする請求項2に記載の熱間鍛造プレス成形装置。
【請求項4】
前記予備成形金型は、前記初工程金型に比し小型に形成されていることを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の熱間鍛造プレス成形装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−130953(P2012−130953A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286341(P2010−286341)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】