燃料フィルタ
【課題】フィルタエレメントの長寿命化を図る。
【解決手段】第1フィルタエレメント31よりも燃料流れ下流側に第2フィルタエレメント32を配置し、第1フィルタエレメント31をバイパスして第2フィルタエレメント32に燃料を導くバイパス通路7を設ける。第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなって、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が大きくなると、燃料は主にバイパス通路7を介して第2フィルタエレメント32に流入し、燃料中の異物は第2フィルタエレメント32にて捕捉される。
【解決手段】第1フィルタエレメント31よりも燃料流れ下流側に第2フィルタエレメント32を配置し、第1フィルタエレメント31をバイパスして第2フィルタエレメント32に燃料を導くバイパス通路7を設ける。第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなって、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が大きくなると、燃料は主にバイパス通路7を介して第2フィルタエレメント32に流入し、燃料中の異物は第2フィルタエレメント32にて捕捉される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料中の異物を除去する燃料フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、数μm程度の微小な隙間を有する摺動部を持つインジェクタ等の精密部品を有する。この摺動部に微小な異物が侵入すると、摺動不良を起こし動作不良を引き起こす。そのため、燃料供給系には燃料中の異物を除去するための燃料フィルタが設置されている。
【0003】
そして、フィルタエレメントの異物捕捉量が多くなると、燃料がフィルタエレメントを通過する際の圧力損失が大きくなり、その圧力損失が設定値になるとフィルタエレメントを交換するようにしている。
【0004】
ここで、フィルタエレメントの寿命を延長させるために、ろ材をハニカム状にして単位体積当りのろ過面積を増やしたフィルタエレメント(例えば、特許文献1参照)や、不織布とろ紙を多層構造にしたフィルタエレメント(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−310648号公報
【特許文献2】特開2004−245213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、バイオ燃料の使用に伴い、フィルタエレメントの早期目詰まりが問題となっており、フィルタエレメントのさらなる長寿命化が必要となっている。また、バイオ燃料用以外の燃料フィルタにおいても、フィルタエレメントのさらなる長寿命化が望まれている。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、フィルタエレメントの長寿命化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料中の異物を捕捉する第1フィルタエレメント(31)と、第1フィルタエレメント(31)よりも燃料流れ下流側に配置されて、燃料中の異物を捕捉する第2フィルタエレメント(32)と、第1フィルタエレメント(31)に対して並列に配置され、第1フィルタエレメント(31)をバイパスして第2フィルタエレメント(32)に燃料を導くバイパス通路(7)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これによると、第1フィルタエレメント(31)の異物捕捉量が多くなって、燃料が第1フィルタエレメント(31)を通過する際の圧力損失が大きくなると、燃料は主にバイパス通路(7)を介して第2フィルタエレメント(32)に流入し、燃料中の異物は第2フィルタエレメント(32)にて捕捉される。したがって、長寿命化を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料フィルタにおいて、2つのフィルタエレメント(31、32)は、円筒状に成形されており、第1フィルタエレメント(31)の内側に第2フィルタエレメント(32)が同心状に配置されていることを特徴とする。
【0011】
これによると、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の燃料フィルタにおいて、2つのフィルタエレメント(31、32)の軸方向両端にエンドプレート(51、52)を配置し、エンドプレート(51、52)にバイパス通路(7)を形成してもよい。
【0013】
請求項4に記載の発明のように、請求項1または2に記載の燃料フィルタにおいて、第1フィルタエレメント(31)にバイパス通路(7)を形成してもよい。
【0014】
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料フィルタにおいて、2つのフィルタエレメント(31、32)として、断面が菊花状に成形されたものを用いることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、燃料中の異物を捕捉する第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)が、燃料流れに沿って直列に配置された燃料フィルタであって、第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)のうち燃料流れ最下流の第iフィルタエレメント(33、315)を除く第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)に対して並列に配置され、第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)をバイパスして燃料流れ下流側のフィルタエレメント(32、33、302〜315)に燃料を導くバイパス通路(71、72、701〜714)を備えることを特徴とする。
【0016】
これによると、燃料流れ上流側のフィルタエレメントの異物捕捉量が多くなって、燃料がそのフィルタエレメントを通過する際の圧力損失が大きくなると、燃料は主にバイパス通路(71、72、701〜714)を介して1つ下流側のフィルタエレメントに流入し、燃料中の異物は1つ下流側のフィルタエレメントにて捕捉される。したがって、長寿命化を図ることができる。
【0017】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の燃料フィルタにおいて、第1〜第iフィルタエレメント(31〜33)は、円筒状に成形されて、同心状に配置されていることを特徴とする。
【0018】
これによると、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0019】
請求項8に記載の発明では、請求項6に記載の燃料フィルタにおいて、ろ紙が渦巻き状に巻かれて渦巻き状の空間が形成され、仕切り部材(39)により渦巻き状の空間が渦巻き方向に沿って複数に分割され、ろ紙における最外周部位が第1フィルタエレメント(301)を構成し、ろ紙における最内周部位が第iフィルタエレメント(315)を構成することを特徴とする。
【0020】
これによると、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0021】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料フィルタの断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】第1変形例を示す要部の断面図である。
【図4】第2変形例を示す要部の断面図である。
【図5】図4に示すフィルタエレメントおよびエンドプレートのB矢視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る燃料フィルタの断面図である。
【図9】図8に示すフィルタエレメントおよびエンドプレートのC矢視図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。
【図11】図10のD−D線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る燃料フィルタの断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0025】
本実施形態の燃料フィルタは、図示しない内燃機関(具体的には、圧縮着火式内燃機関または火花点火式内燃機関)用の燃料供給システムに用いられる。
【0026】
図1、図2に示すように、燃料フィルタは、ハウジング1、カバー2、異物捕捉部3等から構成されている。
【0027】
ハウジング1は、金属または樹脂よりなり、上側に開口部を有する有底円筒状に形成されている。カバー2は、金属または樹脂よりなり、ハウジング1の開口部に嵌合固定されてハウジング1の開口部を塞いでいる。そして、カバー2とハウジング1とにより、異物捕捉部3を収容する収容空間4が形成されている。また、カバー2は、収容空間4に連通する燃料入口通路21、および後述する中心部通路69に連通する燃料出口通路22を備えている。
【0028】
異物捕捉部3は、燃料中の異物を捕捉する第1、第2フィルタエレメント31、32を備えている。2つのフィルタエレメント31、32は、全体形状が略円筒状となるように形成されており、また、ろ紙が交互にひだ折りされて、その軸線に直角な断面形状が菊花状になっている。
【0029】
2つのフィルタエレメント31、32は、同心状に配置されている。より詳細には、第1フィルタエレメント31の内側に第2フィルタエレメント32が配置されており、換言すると、第1フィルタエレメント31よりも燃料流れ下流側に、第2フィルタエレメント32が配置されている。
【0030】
2つのフィルタエレメント31、32の軸方向両端には、金属または樹脂よりなる円盤状の第1、第2エンドプレート51、52が、2つのフィルタエレメント31、32の各端面を覆うようにして配置されている。2つのフィルタエレメント31、32と2つのエンドプレート51、52は、接着剤にて接合されている。そして、2つのフィルタエレメント31、32間に中間通路61が形成され、第2フィルタエレメント32の内周側に中心部通路69が形成されている。
【0031】
上側に位置する第1エンドプレート51には、収容空間4と中間通路61とを連通させるバイパス通路7、および燃料出口通路22と中心部通路69とを連通させる出口側連絡通路511が形成されている。バイパス通路7は、中間通路61内の各部に燃料が均等に流れるようにするために、第1エンドプレート51の周方向に沿って等間隔に複数個(本例では4個)設けられている。
【0032】
バイパス通路7は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第1フィルタエレメント31に対して並列な関係になっている。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、バイパス通路7および中間通路61を通って(すなわち、第1フィルタエレメント31をバイパスして)、第2フィルタエレメント32に流入可能である。
【0033】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。2つのフィルタエレメント31、32がともに新品のときには、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が小さいため、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1フィルタエレメント31を通って中間通路61に流入し、一部がバイパス通路7を通って中間通路61に流入する。したがって、2つのフィルタエレメント31、32がともに新品のときには、燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント31にて捕捉される。そして、中間通路61に流入した燃料は、第2フィルタエレメント32を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22に至る。
【0034】
次に、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなり、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第1フィルタエレメント31を通る燃料の割合が小さくなり、バイパス通路7を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分がバイパス通路7および中間通路61を介して第2フィルタエレメント32に流入し、燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント32にて捕捉される。
【0035】
以上述べたように、使用初期には燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント31にて捕捉され、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなると燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント32にて捕捉されるため、長寿命化を図ることができる。
【0036】
また、円筒状の2つのフィルタエレメント31、32を同心状に配置しているため、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0037】
さらに、第2フィルタエレメント32をバイパスして燃料を流す通路は設けていないため、燃料は第2フィルタエレメント32を必ず通ることになり、ろ過効率を確保することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、バイパス通路7を第1エンドプレート51に形成したが、第2エンドプレート52にバイパス通路を形成してもよい。具体的には、図3に示す第1変形例のように、第2エンドプレート52の軸方向に延びるバイパス通路7により収容空間4と中間通路61とを連通させるようにしてもよいし、或いは、図4、図5に示す第2変形例のように、第2エンドプレート52の軸線に対して直交する方向に延びるバイパス通路7により収容空間4と中間通路61とを連通させるようにしてもよい。
【0039】
また、第1フィルタエレメント31にバイパス通路を形成して、そのバイパス通路により収容空間4と中間通路61とを連通させるようにしてもよい。
【0040】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図6は第2実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0041】
図6に示すように、第2エンドプレート52の外周部がハウジング1に当接しており、これにより、収容空間4は上側の第1収容空間41と下側の第2収容空間42とに分割されている。また、第2エンドプレート52の外周部にはOリング521が配置されており、これにより、第2エンドプレート52の外周部とハウジング1との間がシールされている。
【0042】
第2エンドプレート52には、中間通路61内に溜まった凝集水を第2収容空間42に排出させるために、中間通路61と第2収容空間42とを連通させる排出口522が形成されている。第1フィルタエレメント31は、燃料中の水分を凝集させる機能を有し、第2フィルタエレメント32は撥水機能を有する。
【0043】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。なお、図6中の丸や楕円は水分を示し、図6中の破線矢印は水の流れを示している。第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、第1フィルタエレメント31に向かって流れる燃料は、凝集機能を有する第1フィルタエレメント31を通過する際に凝集される。第2フィルタエレメント32は撥水機能を有するため、水分の通過が阻害される。したがって、第1フィルタエレメント31を通過する際に凝集されて中間通路61に流入した凝集水は、第2フィルタエレメント32に流入せずに、その自重により鉛直方向下方に落下し、排出口522を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0044】
また、第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、バイパス通路7を通って中間通路61に流入する燃料は、水分が第2フィルタエレメント32の外周側で凝集し、その凝集水は自重により鉛直方向下方に落下し、排出口522を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0045】
水分が分離除去された燃料は、第2フィルタエレメント32を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22(図1参照)に至る。
【0046】
本実施形態によると、燃料中の異物を捕捉するとともに燃料中の水分も分離除去するため、インジェクタ等の精密部品の動作不良等をより確実に防止することができる。
【0047】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図7は第3実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。以下、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
図7に示すように、第2エンドプレート52には、第1収容空間41内に溜まった凝集水を第2収容空間42に排出させるために、第1収容空間41と第2収容空間42とを連通させる第2排出口523が形成されている。また、第1フィルタエレメント31は、撥水機能を有する。
【0049】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。第1フィルタエレメント31は撥水機能を有するため、水分の通過が阻害される。したがって、第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、第1フィルタエレメント31に向かって流れる燃料は、水分が第1フィルタエレメント31の外周側で凝集し、その凝集水は第1フィルタエレメント31に流入せずに自重により鉛直方向下方に落下し、第2排出口523を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0050】
また、第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、バイパス通路7を通って中間通路61に流入する燃料は、水分が第2フィルタエレメント32の外周側で凝集し、その凝集水は自重により鉛直方向下方に落下し、排出口522を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0051】
ここで、第2排出口523の通路面積は、バイパス通路7の通路面積よりも小さく設定されている。これにより、第2排出口523から第2収容空間42を通って中間通路61に流入する燃料の流量が、バイパス通路7を通って中間通路61に流入する燃料の流量よりも少なくなるため、第2フィルタエレメント32の外周側で凝集した凝集水が下方に落下しやすくなる。
【0052】
本実施形態によると、燃料中の異物を捕捉するとともに燃料中の水分も分離除去するため、インジェクタ等の精密部品の動作不良等をより確実に防止することができる。
【0053】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図8は第4実施形態に係る燃料フィルタの断面図、図9は図8に示すフィルタエレメントおよびエンドプレートのC矢視図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図8、図9に示すように、異物捕捉部3は、燃料中の異物を捕捉する第1〜第3フィルタエレメント31、32、33を備えている。3つのフィルタエレメント31〜33は、全体形状が略円筒状となるように形成されており、また、ろ紙が交互にひだ折りされて、その軸線に直角な断面形状が菊花状になっている。
【0055】
3つのフィルタエレメント31〜33は、同心状に配置されている。より詳細には、第1フィルタエレメント31の内側に第2フィルタエレメント32が配置され、第2フィルタエレメント32の内側に第3フィルタエレメント33が配置されており、換言すると、燃料流れの上流側から下流側に向かって、第1フィルタエレメント31、第2フィルタエレメント32、第3フィルタエレメント33の順に直列に配置されている。
【0056】
第1フィルタエレメント31と第2フィルタエレメント32間に第1中間通路61が形成され、第2フィルタエレメント32と第3フィルタエレメント33間に第2中間通路62が形成され、第3フィルタエレメント33の内周側に中心部通路69が形成されている。
【0057】
第1エンドプレート51には、収容空間4と第1中間通路61とを連通させる第1バイパス通路71、および第1中間通路61と第2中間通路62とを連通させる第2バイパス通路72が形成されている。第1バイパス通路71および第2バイパス通路72は、第1エンドプレート51の周方向に180°ずれた位置にそれぞれ1つ設けられている。
【0058】
第1バイパス通路71は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第1フィルタエレメント31に対して並列な関係になっている。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、第1バイパス通路71および第1中間通路61を通って(すなわち、第1フィルタエレメント31をバイパスして)、第2フィルタエレメント32に流入可能である。
【0059】
また、第2バイパス通路72は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第2フィルタエレメント32に対して並列な関係になっている。したがって、第1中間通路61に流入した燃料は、第2バイパス通路72および第2中間通路62を通って(すなわち、第2フィルタエレメント32をバイパスして)、第3フィルタエレメント33に流入可能である。
【0060】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。3つのフィルタエレメント31〜33がともに新品のときには、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が小さいため、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1フィルタエレメント31を通って第1中間通路61に流入し、一部が第1バイパス通路71を通って第1中間通路61に流入する。したがって、3つのフィルタエレメント31〜33がともに新品のときには、燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント31にて捕捉される。
【0061】
また、第1中間通路61に流入した燃料は、大部分が第2フィルタエレメント32を通って第2中間通路62に流入し、一部が第2バイパス通路72を通って第2中間通路62に流入する。そして、第2中間通路62に流入した燃料は、第3フィルタエレメント33を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22に至る。
【0062】
次に、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなり、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第1フィルタエレメント31を通る燃料の割合が小さくなり、第1バイパス通路71を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1バイパス通路71および第1中間通路61を介して第2フィルタエレメント32に流入し、燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント32にて捕捉される。
【0063】
さらに、第2フィルタエレメント32の異物捕捉量が多くなり、燃料が第2フィルタエレメント32を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第2フィルタエレメント32を通る燃料の割合が小さくなり、第2バイパス通路72を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、第2中間通路62に流入した燃料は全て第3フィルタエレメント33に流入し、燃料中の異物は第3フィルタエレメント33にて捕捉される。
【0064】
以上述べたように、使用初期には燃料中の異物は主に最上流側の第1フィルタエレメント31にて捕捉され、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなると燃料中の異物は主に1つ下流側の第2フィルタエレメント32にて捕捉され、さらに、第2フィルタエレメント32の異物捕捉量が多くなると燃料中の異物は主に1つ下流側の第3フィルタエレメント33にて捕捉されるため、長寿命化を図ることができる。
【0065】
また、円筒状の3つのフィルタエレメント31〜33を同心状に配置しているため、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0066】
さらに、燃料流れ最下流に位置する第3フィルタエレメント33をバイパスして燃料を流す通路は設けていないため、燃料は第3フィルタエレメント33を必ず通ることになり、ろ過効率を確保することができる。
【0067】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。図10は第5実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図、図11は図10のD−D線に沿う断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0068】
図10、図11に示すように、異物捕捉部3は、ろ紙が渦巻き状に巻かれて渦巻き状の空間が形成され、仕切り部材39により渦巻き状の空間が渦巻き方向に沿って複数に分割されている。
【0069】
ここで、ろ紙における一周分が1つのフィルタエレメントに相当し、本実施形態では第1〜第15フィルタエレメント301〜315を備えている。そして、ろ紙における最外周部位が第1フィルタエレメント301であり、ろ紙における最内周部位が第15フィルタエレメント315であり、燃料流れの上流側から下流側に向かって、第1フィルタエレメント301、第2フィルタエレメント302、…、第15フィルタエレメント315の順に直列に配置されている。
【0070】
第1フィルタエレメント301と第2フィルタエレメント302間に第1中間通路601が形成され、第2フィルタエレメント302と第3フィルタエレメント303間に第2中間通路602が形成され、以下、隣接する2つのフィルタエレメント間に順に第3〜第14中間通路604〜614が形成され、第15フィルタエレメント315の内周側に中心部通路69が形成されている。
【0071】
第1フィルタエレメント301には、収容空間4と第1中間通路601とを連通させる第1バイパス通路701が、仕切り部材39および第1エンドプレート51に近い位置に1つ形成されている。第1バイパス通路701は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第1フィルタエレメント301に対して並列な関係になっている。したがって、燃料入口通路21(図1参照)を介して収容空間4に流入した燃料は、第1バイパス通路701および第1中間通路601を通って(すなわち、第1フィルタエレメント301をバイパスして)、第2フィルタエレメント302に流入可能である。
【0072】
また、第2フィルタエレメント302には、第1中間通路601と第2中間通路602とを連通させる第2バイパス通路702が、仕切り部材39および第1エンドプレート51に近い位置に1つ形成されている。第2バイパス通路702は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第2フィルタエレメント302に対して並列な関係になっている。したがって、第1中間通路601に流入した燃料は、第2バイパス通路702および第2中間通路602を通って(すなわち、第2フィルタエレメント302をバイパスして)、第3フィルタエレメント303に流入可能である。
【0073】
さらに、隣接する2つの中間通路を連通させる第3〜第14バイパス通路703〜714が、仕切り部材39および第1エンドプレート51に近い位置にそれぞれ1つ形成されている。
【0074】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。全てのフィルタエレメント301〜315がともに新品のときには、燃料が第1フィルタエレメント301を通過する際の圧力損失が小さいため、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1フィルタエレメント301を通って第1中間通路601に流入し、一部が第1バイパス通路701を通って第1中間通路601に流入する。したがって、全てのフィルタエレメント301〜315がともに新品のときには、燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント301にて捕捉される。
【0075】
また、第1中間通路601に流入した燃料は、大部分が第2フィルタエレメント302を通って第2中間通路602に流入し、一部が第2バイパス通路702を通って第2中間通路602に流入する。以下、同様に、燃料は第3〜第15フィルタエレメント303〜315や第3〜第14バイパス通路703〜714を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22(図1参照)に至る。
【0076】
次に、第1フィルタエレメント301の異物捕捉量が多くなり、燃料が第1フィルタエレメント301を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第1フィルタエレメント301を通る燃料の割合が小さくなり、第1バイパス通路701を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1バイパス通路701および第1中間通路601を介して第2フィルタエレメント302に流入し、燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント302にて捕捉される。以下、同様に、燃料流れ上流側のフィルタエレメントの異物捕捉量が多くなると、燃料中の異物は1つ下流側のフィルタエレメントにて捕捉される。
【0077】
以上述べたように、燃料流れ上流側のフィルタエレメントの異物捕捉量が多くなると、燃料中の異物は1つ下流側のフィルタエレメントにて捕捉されるため、長寿命化を図ることができる。
【0078】
また、ろ紙を渦巻き状に巻いて多数のフィルタエレメント301〜315を形成しているため、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0079】
さらに、燃料流れ最下流に位置する第15フィルタエレメント315をバイパスして燃料を流す通路は設けていないため、燃料は第15フィルタエレメント315を必ず通ることになり、ろ過効率を確保することができる。
【0080】
なお、上記各実施形態は、実施可能な範囲で任意に組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0081】
7 バイパス通路
31 第1フィルタエレメント
32 第2フィルタエレメント
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料中の異物を除去する燃料フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、数μm程度の微小な隙間を有する摺動部を持つインジェクタ等の精密部品を有する。この摺動部に微小な異物が侵入すると、摺動不良を起こし動作不良を引き起こす。そのため、燃料供給系には燃料中の異物を除去するための燃料フィルタが設置されている。
【0003】
そして、フィルタエレメントの異物捕捉量が多くなると、燃料がフィルタエレメントを通過する際の圧力損失が大きくなり、その圧力損失が設定値になるとフィルタエレメントを交換するようにしている。
【0004】
ここで、フィルタエレメントの寿命を延長させるために、ろ材をハニカム状にして単位体積当りのろ過面積を増やしたフィルタエレメント(例えば、特許文献1参照)や、不織布とろ紙を多層構造にしたフィルタエレメント(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−310648号公報
【特許文献2】特開2004−245213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、バイオ燃料の使用に伴い、フィルタエレメントの早期目詰まりが問題となっており、フィルタエレメントのさらなる長寿命化が必要となっている。また、バイオ燃料用以外の燃料フィルタにおいても、フィルタエレメントのさらなる長寿命化が望まれている。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、フィルタエレメントの長寿命化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料中の異物を捕捉する第1フィルタエレメント(31)と、第1フィルタエレメント(31)よりも燃料流れ下流側に配置されて、燃料中の異物を捕捉する第2フィルタエレメント(32)と、第1フィルタエレメント(31)に対して並列に配置され、第1フィルタエレメント(31)をバイパスして第2フィルタエレメント(32)に燃料を導くバイパス通路(7)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これによると、第1フィルタエレメント(31)の異物捕捉量が多くなって、燃料が第1フィルタエレメント(31)を通過する際の圧力損失が大きくなると、燃料は主にバイパス通路(7)を介して第2フィルタエレメント(32)に流入し、燃料中の異物は第2フィルタエレメント(32)にて捕捉される。したがって、長寿命化を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料フィルタにおいて、2つのフィルタエレメント(31、32)は、円筒状に成形されており、第1フィルタエレメント(31)の内側に第2フィルタエレメント(32)が同心状に配置されていることを特徴とする。
【0011】
これによると、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の燃料フィルタにおいて、2つのフィルタエレメント(31、32)の軸方向両端にエンドプレート(51、52)を配置し、エンドプレート(51、52)にバイパス通路(7)を形成してもよい。
【0013】
請求項4に記載の発明のように、請求項1または2に記載の燃料フィルタにおいて、第1フィルタエレメント(31)にバイパス通路(7)を形成してもよい。
【0014】
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料フィルタにおいて、2つのフィルタエレメント(31、32)として、断面が菊花状に成形されたものを用いることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、燃料中の異物を捕捉する第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)が、燃料流れに沿って直列に配置された燃料フィルタであって、第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)のうち燃料流れ最下流の第iフィルタエレメント(33、315)を除く第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)に対して並列に配置され、第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)をバイパスして燃料流れ下流側のフィルタエレメント(32、33、302〜315)に燃料を導くバイパス通路(71、72、701〜714)を備えることを特徴とする。
【0016】
これによると、燃料流れ上流側のフィルタエレメントの異物捕捉量が多くなって、燃料がそのフィルタエレメントを通過する際の圧力損失が大きくなると、燃料は主にバイパス通路(71、72、701〜714)を介して1つ下流側のフィルタエレメントに流入し、燃料中の異物は1つ下流側のフィルタエレメントにて捕捉される。したがって、長寿命化を図ることができる。
【0017】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の燃料フィルタにおいて、第1〜第iフィルタエレメント(31〜33)は、円筒状に成形されて、同心状に配置されていることを特徴とする。
【0018】
これによると、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0019】
請求項8に記載の発明では、請求項6に記載の燃料フィルタにおいて、ろ紙が渦巻き状に巻かれて渦巻き状の空間が形成され、仕切り部材(39)により渦巻き状の空間が渦巻き方向に沿って複数に分割され、ろ紙における最外周部位が第1フィルタエレメント(301)を構成し、ろ紙における最内周部位が第iフィルタエレメント(315)を構成することを特徴とする。
【0020】
これによると、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0021】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料フィルタの断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】第1変形例を示す要部の断面図である。
【図4】第2変形例を示す要部の断面図である。
【図5】図4に示すフィルタエレメントおよびエンドプレートのB矢視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る燃料フィルタの断面図である。
【図9】図8に示すフィルタエレメントおよびエンドプレートのC矢視図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。
【図11】図10のD−D線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る燃料フィルタの断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
【0025】
本実施形態の燃料フィルタは、図示しない内燃機関(具体的には、圧縮着火式内燃機関または火花点火式内燃機関)用の燃料供給システムに用いられる。
【0026】
図1、図2に示すように、燃料フィルタは、ハウジング1、カバー2、異物捕捉部3等から構成されている。
【0027】
ハウジング1は、金属または樹脂よりなり、上側に開口部を有する有底円筒状に形成されている。カバー2は、金属または樹脂よりなり、ハウジング1の開口部に嵌合固定されてハウジング1の開口部を塞いでいる。そして、カバー2とハウジング1とにより、異物捕捉部3を収容する収容空間4が形成されている。また、カバー2は、収容空間4に連通する燃料入口通路21、および後述する中心部通路69に連通する燃料出口通路22を備えている。
【0028】
異物捕捉部3は、燃料中の異物を捕捉する第1、第2フィルタエレメント31、32を備えている。2つのフィルタエレメント31、32は、全体形状が略円筒状となるように形成されており、また、ろ紙が交互にひだ折りされて、その軸線に直角な断面形状が菊花状になっている。
【0029】
2つのフィルタエレメント31、32は、同心状に配置されている。より詳細には、第1フィルタエレメント31の内側に第2フィルタエレメント32が配置されており、換言すると、第1フィルタエレメント31よりも燃料流れ下流側に、第2フィルタエレメント32が配置されている。
【0030】
2つのフィルタエレメント31、32の軸方向両端には、金属または樹脂よりなる円盤状の第1、第2エンドプレート51、52が、2つのフィルタエレメント31、32の各端面を覆うようにして配置されている。2つのフィルタエレメント31、32と2つのエンドプレート51、52は、接着剤にて接合されている。そして、2つのフィルタエレメント31、32間に中間通路61が形成され、第2フィルタエレメント32の内周側に中心部通路69が形成されている。
【0031】
上側に位置する第1エンドプレート51には、収容空間4と中間通路61とを連通させるバイパス通路7、および燃料出口通路22と中心部通路69とを連通させる出口側連絡通路511が形成されている。バイパス通路7は、中間通路61内の各部に燃料が均等に流れるようにするために、第1エンドプレート51の周方向に沿って等間隔に複数個(本例では4個)設けられている。
【0032】
バイパス通路7は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第1フィルタエレメント31に対して並列な関係になっている。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、バイパス通路7および中間通路61を通って(すなわち、第1フィルタエレメント31をバイパスして)、第2フィルタエレメント32に流入可能である。
【0033】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。2つのフィルタエレメント31、32がともに新品のときには、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が小さいため、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1フィルタエレメント31を通って中間通路61に流入し、一部がバイパス通路7を通って中間通路61に流入する。したがって、2つのフィルタエレメント31、32がともに新品のときには、燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント31にて捕捉される。そして、中間通路61に流入した燃料は、第2フィルタエレメント32を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22に至る。
【0034】
次に、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなり、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第1フィルタエレメント31を通る燃料の割合が小さくなり、バイパス通路7を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分がバイパス通路7および中間通路61を介して第2フィルタエレメント32に流入し、燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント32にて捕捉される。
【0035】
以上述べたように、使用初期には燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント31にて捕捉され、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなると燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント32にて捕捉されるため、長寿命化を図ることができる。
【0036】
また、円筒状の2つのフィルタエレメント31、32を同心状に配置しているため、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0037】
さらに、第2フィルタエレメント32をバイパスして燃料を流す通路は設けていないため、燃料は第2フィルタエレメント32を必ず通ることになり、ろ過効率を確保することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、バイパス通路7を第1エンドプレート51に形成したが、第2エンドプレート52にバイパス通路を形成してもよい。具体的には、図3に示す第1変形例のように、第2エンドプレート52の軸方向に延びるバイパス通路7により収容空間4と中間通路61とを連通させるようにしてもよいし、或いは、図4、図5に示す第2変形例のように、第2エンドプレート52の軸線に対して直交する方向に延びるバイパス通路7により収容空間4と中間通路61とを連通させるようにしてもよい。
【0039】
また、第1フィルタエレメント31にバイパス通路を形成して、そのバイパス通路により収容空間4と中間通路61とを連通させるようにしてもよい。
【0040】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図6は第2実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0041】
図6に示すように、第2エンドプレート52の外周部がハウジング1に当接しており、これにより、収容空間4は上側の第1収容空間41と下側の第2収容空間42とに分割されている。また、第2エンドプレート52の外周部にはOリング521が配置されており、これにより、第2エンドプレート52の外周部とハウジング1との間がシールされている。
【0042】
第2エンドプレート52には、中間通路61内に溜まった凝集水を第2収容空間42に排出させるために、中間通路61と第2収容空間42とを連通させる排出口522が形成されている。第1フィルタエレメント31は、燃料中の水分を凝集させる機能を有し、第2フィルタエレメント32は撥水機能を有する。
【0043】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。なお、図6中の丸や楕円は水分を示し、図6中の破線矢印は水の流れを示している。第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、第1フィルタエレメント31に向かって流れる燃料は、凝集機能を有する第1フィルタエレメント31を通過する際に凝集される。第2フィルタエレメント32は撥水機能を有するため、水分の通過が阻害される。したがって、第1フィルタエレメント31を通過する際に凝集されて中間通路61に流入した凝集水は、第2フィルタエレメント32に流入せずに、その自重により鉛直方向下方に落下し、排出口522を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0044】
また、第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、バイパス通路7を通って中間通路61に流入する燃料は、水分が第2フィルタエレメント32の外周側で凝集し、その凝集水は自重により鉛直方向下方に落下し、排出口522を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0045】
水分が分離除去された燃料は、第2フィルタエレメント32を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22(図1参照)に至る。
【0046】
本実施形態によると、燃料中の異物を捕捉するとともに燃料中の水分も分離除去するため、インジェクタ等の精密部品の動作不良等をより確実に防止することができる。
【0047】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図7は第3実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図である。以下、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
図7に示すように、第2エンドプレート52には、第1収容空間41内に溜まった凝集水を第2収容空間42に排出させるために、第1収容空間41と第2収容空間42とを連通させる第2排出口523が形成されている。また、第1フィルタエレメント31は、撥水機能を有する。
【0049】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。第1フィルタエレメント31は撥水機能を有するため、水分の通過が阻害される。したがって、第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、第1フィルタエレメント31に向かって流れる燃料は、水分が第1フィルタエレメント31の外周側で凝集し、その凝集水は第1フィルタエレメント31に流入せずに自重により鉛直方向下方に落下し、第2排出口523を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0050】
また、第1収容空間41に流入した水分を含んだ燃料のうち、バイパス通路7を通って中間通路61に流入する燃料は、水分が第2フィルタエレメント32の外周側で凝集し、その凝集水は自重により鉛直方向下方に落下し、排出口522を介して第2収容空間42に流入し、第2収容空間42内に貯留される。
【0051】
ここで、第2排出口523の通路面積は、バイパス通路7の通路面積よりも小さく設定されている。これにより、第2排出口523から第2収容空間42を通って中間通路61に流入する燃料の流量が、バイパス通路7を通って中間通路61に流入する燃料の流量よりも少なくなるため、第2フィルタエレメント32の外周側で凝集した凝集水が下方に落下しやすくなる。
【0052】
本実施形態によると、燃料中の異物を捕捉するとともに燃料中の水分も分離除去するため、インジェクタ等の精密部品の動作不良等をより確実に防止することができる。
【0053】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図8は第4実施形態に係る燃料フィルタの断面図、図9は図8に示すフィルタエレメントおよびエンドプレートのC矢視図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図8、図9に示すように、異物捕捉部3は、燃料中の異物を捕捉する第1〜第3フィルタエレメント31、32、33を備えている。3つのフィルタエレメント31〜33は、全体形状が略円筒状となるように形成されており、また、ろ紙が交互にひだ折りされて、その軸線に直角な断面形状が菊花状になっている。
【0055】
3つのフィルタエレメント31〜33は、同心状に配置されている。より詳細には、第1フィルタエレメント31の内側に第2フィルタエレメント32が配置され、第2フィルタエレメント32の内側に第3フィルタエレメント33が配置されており、換言すると、燃料流れの上流側から下流側に向かって、第1フィルタエレメント31、第2フィルタエレメント32、第3フィルタエレメント33の順に直列に配置されている。
【0056】
第1フィルタエレメント31と第2フィルタエレメント32間に第1中間通路61が形成され、第2フィルタエレメント32と第3フィルタエレメント33間に第2中間通路62が形成され、第3フィルタエレメント33の内周側に中心部通路69が形成されている。
【0057】
第1エンドプレート51には、収容空間4と第1中間通路61とを連通させる第1バイパス通路71、および第1中間通路61と第2中間通路62とを連通させる第2バイパス通路72が形成されている。第1バイパス通路71および第2バイパス通路72は、第1エンドプレート51の周方向に180°ずれた位置にそれぞれ1つ設けられている。
【0058】
第1バイパス通路71は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第1フィルタエレメント31に対して並列な関係になっている。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、第1バイパス通路71および第1中間通路61を通って(すなわち、第1フィルタエレメント31をバイパスして)、第2フィルタエレメント32に流入可能である。
【0059】
また、第2バイパス通路72は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第2フィルタエレメント32に対して並列な関係になっている。したがって、第1中間通路61に流入した燃料は、第2バイパス通路72および第2中間通路62を通って(すなわち、第2フィルタエレメント32をバイパスして)、第3フィルタエレメント33に流入可能である。
【0060】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。3つのフィルタエレメント31〜33がともに新品のときには、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が小さいため、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1フィルタエレメント31を通って第1中間通路61に流入し、一部が第1バイパス通路71を通って第1中間通路61に流入する。したがって、3つのフィルタエレメント31〜33がともに新品のときには、燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント31にて捕捉される。
【0061】
また、第1中間通路61に流入した燃料は、大部分が第2フィルタエレメント32を通って第2中間通路62に流入し、一部が第2バイパス通路72を通って第2中間通路62に流入する。そして、第2中間通路62に流入した燃料は、第3フィルタエレメント33を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22に至る。
【0062】
次に、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなり、燃料が第1フィルタエレメント31を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第1フィルタエレメント31を通る燃料の割合が小さくなり、第1バイパス通路71を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1バイパス通路71および第1中間通路61を介して第2フィルタエレメント32に流入し、燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント32にて捕捉される。
【0063】
さらに、第2フィルタエレメント32の異物捕捉量が多くなり、燃料が第2フィルタエレメント32を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第2フィルタエレメント32を通る燃料の割合が小さくなり、第2バイパス通路72を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、第2中間通路62に流入した燃料は全て第3フィルタエレメント33に流入し、燃料中の異物は第3フィルタエレメント33にて捕捉される。
【0064】
以上述べたように、使用初期には燃料中の異物は主に最上流側の第1フィルタエレメント31にて捕捉され、第1フィルタエレメント31の異物捕捉量が多くなると燃料中の異物は主に1つ下流側の第2フィルタエレメント32にて捕捉され、さらに、第2フィルタエレメント32の異物捕捉量が多くなると燃料中の異物は主に1つ下流側の第3フィルタエレメント33にて捕捉されるため、長寿命化を図ることができる。
【0065】
また、円筒状の3つのフィルタエレメント31〜33を同心状に配置しているため、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0066】
さらに、燃料流れ最下流に位置する第3フィルタエレメント33をバイパスして燃料を流す通路は設けていないため、燃料は第3フィルタエレメント33を必ず通ることになり、ろ過効率を確保することができる。
【0067】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。図10は第5実施形態に係る燃料フィルタの要部の断面図、図11は図10のD−D線に沿う断面図である。以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0068】
図10、図11に示すように、異物捕捉部3は、ろ紙が渦巻き状に巻かれて渦巻き状の空間が形成され、仕切り部材39により渦巻き状の空間が渦巻き方向に沿って複数に分割されている。
【0069】
ここで、ろ紙における一周分が1つのフィルタエレメントに相当し、本実施形態では第1〜第15フィルタエレメント301〜315を備えている。そして、ろ紙における最外周部位が第1フィルタエレメント301であり、ろ紙における最内周部位が第15フィルタエレメント315であり、燃料流れの上流側から下流側に向かって、第1フィルタエレメント301、第2フィルタエレメント302、…、第15フィルタエレメント315の順に直列に配置されている。
【0070】
第1フィルタエレメント301と第2フィルタエレメント302間に第1中間通路601が形成され、第2フィルタエレメント302と第3フィルタエレメント303間に第2中間通路602が形成され、以下、隣接する2つのフィルタエレメント間に順に第3〜第14中間通路604〜614が形成され、第15フィルタエレメント315の内周側に中心部通路69が形成されている。
【0071】
第1フィルタエレメント301には、収容空間4と第1中間通路601とを連通させる第1バイパス通路701が、仕切り部材39および第1エンドプレート51に近い位置に1つ形成されている。第1バイパス通路701は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第1フィルタエレメント301に対して並列な関係になっている。したがって、燃料入口通路21(図1参照)を介して収容空間4に流入した燃料は、第1バイパス通路701および第1中間通路601を通って(すなわち、第1フィルタエレメント301をバイパスして)、第2フィルタエレメント302に流入可能である。
【0072】
また、第2フィルタエレメント302には、第1中間通路601と第2中間通路602とを連通させる第2バイパス通路702が、仕切り部材39および第1エンドプレート51に近い位置に1つ形成されている。第2バイパス通路702は、燃料フィルタ内での燃料流れで見たときに第2フィルタエレメント302に対して並列な関係になっている。したがって、第1中間通路601に流入した燃料は、第2バイパス通路702および第2中間通路602を通って(すなわち、第2フィルタエレメント302をバイパスして)、第3フィルタエレメント303に流入可能である。
【0073】
さらに、隣接する2つの中間通路を連通させる第3〜第14バイパス通路703〜714が、仕切り部材39および第1エンドプレート51に近い位置にそれぞれ1つ形成されている。
【0074】
上記構成になる燃料フィルタの作用を説明する。全てのフィルタエレメント301〜315がともに新品のときには、燃料が第1フィルタエレメント301を通過する際の圧力損失が小さいため、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1フィルタエレメント301を通って第1中間通路601に流入し、一部が第1バイパス通路701を通って第1中間通路601に流入する。したがって、全てのフィルタエレメント301〜315がともに新品のときには、燃料中の異物は主に第1フィルタエレメント301にて捕捉される。
【0075】
また、第1中間通路601に流入した燃料は、大部分が第2フィルタエレメント302を通って第2中間通路602に流入し、一部が第2バイパス通路702を通って第2中間通路602に流入する。以下、同様に、燃料は第3〜第15フィルタエレメント303〜315や第3〜第14バイパス通路703〜714を通り、中心部通路69を介して燃料出口通路22(図1参照)に至る。
【0076】
次に、第1フィルタエレメント301の異物捕捉量が多くなり、燃料が第1フィルタエレメント301を通過する際の圧力損失が大きくなるのに伴って、第1フィルタエレメント301を通る燃料の割合が小さくなり、第1バイパス通路701を通る燃料の割合が大きくなる。したがって、燃料入口通路21を介して収容空間4に流入した燃料は、大部分が第1バイパス通路701および第1中間通路601を介して第2フィルタエレメント302に流入し、燃料中の異物は主に第2フィルタエレメント302にて捕捉される。以下、同様に、燃料流れ上流側のフィルタエレメントの異物捕捉量が多くなると、燃料中の異物は1つ下流側のフィルタエレメントにて捕捉される。
【0077】
以上述べたように、燃料流れ上流側のフィルタエレメントの異物捕捉量が多くなると、燃料中の異物は1つ下流側のフィルタエレメントにて捕捉されるため、長寿命化を図ることができる。
【0078】
また、ろ紙を渦巻き状に巻いて多数のフィルタエレメント301〜315を形成しているため、フィルタエレメントの設置スペースに対するフィルタエレメントのろ過面積の割合を、大きくすることができる。
【0079】
さらに、燃料流れ最下流に位置する第15フィルタエレメント315をバイパスして燃料を流す通路は設けていないため、燃料は第15フィルタエレメント315を必ず通ることになり、ろ過効率を確保することができる。
【0080】
なお、上記各実施形態は、実施可能な範囲で任意に組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0081】
7 バイパス通路
31 第1フィルタエレメント
32 第2フィルタエレメント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料中の異物を捕捉する第1フィルタエレメント(31)と、
前記第1フィルタエレメント(31)よりも燃料流れ下流側に配置されて、燃料中の異物を捕捉する第2フィルタエレメント(32)と、
前記第1フィルタエレメント(31)に対して並列に配置され、前記第1フィルタエレメント(31)をバイパスして前記第2フィルタエレメント(32)に燃料を導くバイパス通路(7)とを備えることを特徴とする燃料フィルタ。
【請求項2】
前記2つのフィルタエレメント(31、32)は、円筒状に成形されており、前記第1フィルタエレメント(31)の内側に前記第2フィルタエレメント(32)が同心状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料フィルタ。
【請求項3】
前記2つのフィルタエレメント(31、32)の軸方向両端にエンドプレート(51、52)が配置され、前記エンドプレート(51、52)に前記バイパス通路(7)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料フィルタ。
【請求項4】
前記第1フィルタエレメント(31)に前記バイパス通路(7)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料フィルタ。
【請求項5】
前記2つのフィルタエレメント(31、32)は、断面が菊花状に成形されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料フィルタ。
【請求項6】
燃料中の異物を捕捉する第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)が、燃料流れに沿って直列に配置された燃料フィルタであって、
前記第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)のうち燃料流れ最下流の第iフィルタエレメント(33、315)を除く第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)に対して並列に配置され、前記第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)をバイパスして燃料流れ下流側のフィルタエレメント(32、33、302〜315)に燃料を導くバイパス通路(71、72、701〜714)を備えることを特徴とする燃料フィルタ。
【請求項7】
前記第1〜第iフィルタエレメント(31〜33)は、円筒状に成形されて、同心状に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料フィルタ。
【請求項8】
ろ紙が渦巻き状に巻かれて渦巻き状の空間が形成され、仕切り部材(39)により前記渦巻き状の空間が渦巻き方向に沿って複数に分割され、前記ろ紙における最外周部位が前記第1フィルタエレメント(301)を構成し、前記ろ紙における最内周部位が前記第iフィルタエレメント(315)を構成することを特徴とする請求項6に記載の燃料フィルタ。
【請求項1】
燃料中の異物を捕捉する第1フィルタエレメント(31)と、
前記第1フィルタエレメント(31)よりも燃料流れ下流側に配置されて、燃料中の異物を捕捉する第2フィルタエレメント(32)と、
前記第1フィルタエレメント(31)に対して並列に配置され、前記第1フィルタエレメント(31)をバイパスして前記第2フィルタエレメント(32)に燃料を導くバイパス通路(7)とを備えることを特徴とする燃料フィルタ。
【請求項2】
前記2つのフィルタエレメント(31、32)は、円筒状に成形されており、前記第1フィルタエレメント(31)の内側に前記第2フィルタエレメント(32)が同心状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料フィルタ。
【請求項3】
前記2つのフィルタエレメント(31、32)の軸方向両端にエンドプレート(51、52)が配置され、前記エンドプレート(51、52)に前記バイパス通路(7)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料フィルタ。
【請求項4】
前記第1フィルタエレメント(31)に前記バイパス通路(7)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料フィルタ。
【請求項5】
前記2つのフィルタエレメント(31、32)は、断面が菊花状に成形されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料フィルタ。
【請求項6】
燃料中の異物を捕捉する第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)が、燃料流れに沿って直列に配置された燃料フィルタであって、
前記第1〜第iフィルタエレメント(31〜33、301〜315)のうち燃料流れ最下流の第iフィルタエレメント(33、315)を除く第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)に対して並列に配置され、前記第1〜第i−1フィルタエレメント(31、32、301〜314)をバイパスして燃料流れ下流側のフィルタエレメント(32、33、302〜315)に燃料を導くバイパス通路(71、72、701〜714)を備えることを特徴とする燃料フィルタ。
【請求項7】
前記第1〜第iフィルタエレメント(31〜33)は、円筒状に成形されて、同心状に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料フィルタ。
【請求項8】
ろ紙が渦巻き状に巻かれて渦巻き状の空間が形成され、仕切り部材(39)により前記渦巻き状の空間が渦巻き方向に沿って複数に分割され、前記ろ紙における最外周部位が前記第1フィルタエレメント(301)を構成し、前記ろ紙における最内周部位が前記第iフィルタエレメント(315)を構成することを特徴とする請求項6に記載の燃料フィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−62771(P2012−62771A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205285(P2010−205285)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]