説明

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法

【課題】検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供する。
【解決手段】燃料電池システム100は、反応ガスを用いて発電する燃料電池70と、反応ガスを前記燃料電池70に供給する反応ガス供給部50、20と、燃料電池70から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室60と、燃料電池70の発電負荷減少時において、燃焼室60の温度と相関する燃焼室温度指標と、燃焼室60における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、反応ガス供給部50、20に対する制御指令値を変更する変更手段10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池セルは、反応ガス(水素および酸素)を用いて電気エネルギを得る装置である。この燃料電池セルは、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。
【0003】
反応ガスを燃料電池セルに供給するために、反応ガスを供給するための反応ガス供給部が設けられている。反応ガス供給部に経年変化が生じると、反応ガス供給量が変化するおそれがある。そこで、特許文献1は、改質器に燃料を供給するための燃料インジェクタに異常が生じているか否かを判定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005−529463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、検出値のバラツキ、誤差などに起因して、判定の正確性に欠けてしまう。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る燃料電池システムは、反応ガスを用いて発電する燃料電池と、反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、前記燃料電池の発電負荷減少時において、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更する変更手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムによれば、検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる。
【0008】
本発明に係る他の燃料電池システムは、反応ガスを用いて発電する燃料電池と、反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、前記燃料電池の開回路時に前記反応ガス供給部が前記燃料電池に供給する反応ガス量を増量した際に、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更する変更手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る他の燃料電池システムによれば、検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる。
【0009】
前記燃焼室に配置された温度センサを備え、前記燃焼室温度指標は、前記温度センサが検出する温度の微分値であってもよい。前記燃焼室に配置された温度センサを備え、前記燃焼室温度指標は、前記温度センサが検出する温度の微分値の移動平均値であってもよい。前記燃焼熱量指標は、前記燃料電池の発電量と、前記反応ガス供給部に対する制御指令値とから算出される熱量であってもよい。
【0010】
前記変更手段は、前記燃焼室温度指標と前記燃焼熱量指標との関係の基準値からのシフト量に応じて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を補正または校正してもよい。前記反応ガス供給部は、前記燃料電池に水素含有ガスを供給する装置であってもよい。前記反応ガス供給部は、改質反応によって原燃料から水素ガスを生成する改質器と、前記改質器に原燃料を供給する原燃料供給部とを備え、前記変更手段は、前記燃焼室温度指標と前記燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記原燃料供給部に対する制御指令値を補正または校正してもよい。
【0011】
本発明に係る燃料電池システムの制御方法は、反応ガスを用いて発電する燃料電池と、前記反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、を備える燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の発電負荷減少時において、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更することを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムの制御方法によれば、検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる。
【0012】
本発明に係る燃料電池システムの他の制御方法は、反応ガスを用いて発電する燃料電池と、前記反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、を備える燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の開回路時に前記反応ガス供給部が前記燃料電池に供給する反応ガス量を増量した際に、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更することを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムの他の制御方法によれば、検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、反応ガス供給部を適正に制御することができる、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】燃料電池スタック装置の燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの断面を含む部分斜視図である。
【図3】燃料電池スタック装置が備える燃料電池スタックを説明するための斜視図である。
【図4】燃料電池スタック装置の全体構成を示す図である。
【図5】燃料電池スタック装置の発電量と原燃料の供給量と燃焼室内の温度との関係を示す図である。
【図6】燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との関係を示す図である。
【図7】燃焼熱量指標および燃焼室温度指標を算出するためのフローチャートである。
【図8】原燃料ポンプの原燃料供給量の補正処理の要否を判定するためのフローチャートである。
【図9】原燃料ポンプの原燃料供給量の補正処理を行うためのフローチャートである。
【図10】燃料電池スタック装置の起動について説明するための図である。
【図11】発電負荷低下時のステップS13〜ステップS16の実行について説明するための図である。
【図12】燃焼熱量指標および燃焼室温度指標の最大値を取得する場合と、燃焼熱量指標および燃焼室温度指標の積分値を取得する場合との比較について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る燃料電池システム100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、制御部10、原燃料供給部20、改質水供給部30、酸化剤ガス供給部40、改質器50、燃焼室60、燃料電池スタック装置70、および熱交換器90を備える。また、燃料電池システム100は、センサ部として、電圧センサ81、電流センサ82、および温度センサ83を備える。
【0017】
制御部10は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、インタフェース等から構成され、入出力ポート11、CPU12、記憶部13等を含む。入出力ポート11は、制御部10と各機器とのインタフェースである。記憶部13は、CPU12が実行するためのプログラムを記憶するROM、演算に用いる変数等を記憶するRAM等を含むメモリである。
【0018】
原燃料供給部20は、炭化水素等の原燃料を改質器50に供給するための原燃料ポンプ20a、原燃料中の硫黄成分を除去するための脱硫器20b等を含む。改質水供給部30は、改質器50における水蒸気改質反応に必要な改質水を貯蔵する改質水タンク31、改質水タンク31に貯蔵された改質水を改質器50に供給するための改質水ポンプ32、改質器50に供給される改質水の供給量を調整するための調量弁33等を含む。酸化剤ガス供給部40は、燃料電池スタック装置70のカソード71にエア等の酸化剤ガスを供給するためのエアポンプ等を含む。改質器50は、改質水を気化させるための気化部51、および、水蒸気改質反応によって燃料ガスを生成するための改質部52を含む。燃料電池スタック装置70は、カソード71とアノード72とによって電解質73が挟持された複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックを備える。
【0019】
図2は、燃料電池スタック装置70の燃料電池スタックを構成する燃料電池セル74の断面を含む部分斜視図である。図2に示すように、燃料電池セル74は、平板柱状の全体形状を有する。ガス透過性を有する導電性支持体21の内部に、軸方向(長手方向)に沿って貫通する複数の燃料ガス通路22が形成されている。導電性支持体21の外周面における一方の平面上に、燃料極23、固体電解質24、および酸素極25がこの順に積層されている。酸素極25に対向する他方の平面上には、接合層26を介してインターコネクタ27が設けられ、その上に接触抵抗低減用のP型半導体層28が設けられている。燃料極23が図1のアノード72として機能し、酸素極25が図1のカソード71として機能し、固体電解質24が図1の電解質73として機能する。
【0020】
燃料ガス通路22に水素を含む燃料ガスが供給されることによって、燃料極23に水素が供給される。一方、燃料電池セル74の周囲に酸素を含む酸化剤ガスが供給されることによって、酸素極25に酸素が供給される。それにより、酸素極25及び燃料極23において下記の電極反応が生じることによって発電が行われる。以下、燃料ガスおよび酸化剤ガスを総称して、反応ガスとも称する。発電反応は、例えば、600℃〜1000℃で行われる。
酸素極:1/2O+2e→O2−(固体電解質)
燃料極:O2−(固体電解質)+H→HO+2e
【0021】
酸素極25の材料は、耐酸化性を有し、気体の酸素が固体電解質24との界面に到達できるように多孔質である。固体電解質24は、酸素極25から燃料極23へ酸素イオンO2−を移動させる機能を有する。固体電解質24は、酸素イオン導電性酸化物によって構成される。また、固体電解質24は、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するため、酸化/還元雰囲気中において安定でありかつ緻密質である。燃料極23は、還元雰囲気中で安定でありかつ水素との親和性を有する材料によって構成される。インターコネクタ27は、燃料電池セル74同士を電気的に直列に接続するために設けられており、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するために緻密質である。
【0022】
例えば、酸素極25は、電子およびイオンの双方の導電性が高いランタンコバルタイト系のペロブスカイト型複合酸化物等から形成される。固体電解質24は、イオン導電性の高いYを含有するZrO(YSZ)等によって形成される。燃料極23は、電子導電性の高いNiとYを含有するZrO(YSZ)との混合物等によって形成される。インターコネクタ27は、電子導電性の高い、アルカリ土類酸化物を固溶したLaCrO等によって形成される。これらの材料は、熱膨張率が近いものが好適である。
【0023】
図3は、燃料電池スタック装置70が備える燃料電池スタック75を説明するための斜視図である。燃料電池スタック75においては、複数の燃料電池セル74が互いに集電部材を介して積層されている。各燃料電池セル74は、燃料極23と酸素極25とが対向するように積層されている。なお、図3において、細線矢印は燃料ガスの流れを示し、太線矢印は酸化剤ガスの流れを示す。
【0024】
図4(a)は、燃料電池スタック装置70の全体構成を示す斜視図である。図4(b)は、(a)に示す燃料電池スタック装置70の酸化剤ガス導入部材76を抜粋して示す斜視図である。図4(a)に示すように、燃料電池スタック装置70においては、マニホールド77の上に、2組の燃料電池スタック75a,75b(燃料電池セル74)が、互いの積層方向が略平行になるように並列配置されている。燃料電池スタック75a,75bは、固体酸化物形の燃料電池セル74が複数枚積層された構造を有する。
【0025】
図4(a)のマニホールド77には、各燃料電池セル74の燃料ガス通路22に連通する孔が形成されている。それにより、マニホールド77を流動する燃料ガスが燃料ガス通路22に流入する。改質器50は、燃料電池スタック75a,75bのマニホールド77と反対側に配置されている。例えば、改質器50は、一方の燃料電池スタックの積層方向に延び、一端側で折り返し、他方の燃料電池スタックの積層方向に延びる構造を有する。本実施形態においては、改質器50における改質水入口側に燃料電池スタック75aが配置され、燃料ガス出口側に燃料電池スタック75bが配置されている。
【0026】
また、図4(b)に示すように、燃料電池スタック75aと燃料電池スタック75bとの間には、酸化剤ガス導入部材76が配置されている。酸化剤ガス導入部材76には、酸化剤ガスが流動するための空間が形成されている。酸化剤ガス導入部材76のマニホールド77側端部には、孔78が形成されている。それにより、各燃料電池セル74の外側を酸化剤ガスが流動する。燃料電池セル74の燃料ガス通路22を燃料ガスが流動しかつ燃料電池セル74の外側を酸化剤ガスが流動することによって、燃料電池セル74において発電が行われる。
【0027】
燃料電池セル74において発電に供された後の燃料ガス(燃料オフガス)と発電に供された後の酸化剤ガス(酸化剤オフガス)とは、各燃料電池セル74のマニホールド77と反対側の端部において合流する。燃料オフガスには未燃の水素等の可燃成分が含まれていることから、燃料オフガスは、酸化剤オフガスに含まれる酸素を利用して燃焼する。本例においては、燃焼室60は、燃料電池セル74(燃料電池スタック75a,75b)の上端と改質器50との間において燃料オフガスが燃焼する空間のことをいう。温度センサ83は、この燃焼室60のいずれかの箇所に配置されている。燃焼室60における燃料オフガスの燃焼によって生じる熱は、改質器50と燃料電池スタック75a,75bに与えられる。
【0028】
改質器50の上流側は気化部51として機能し、改質器50の下流側は改質部52として機能する。図4(c)に示すように、改質器50に炭化水素等の原燃料および改質水が供給されると、気化部51においては、改質水が蒸発して水蒸気が発生し、発生した水蒸気と炭化水素等の原燃料とが混合される。改質部52においては、触媒を介して水蒸気と炭化水素等の原燃料とが水蒸気改質反応を起こして燃料ガスが生成される。
【0029】
続いて、図1を参照しつつ、燃料電池システム100の起動時の動作の概要について説明する。まず、原燃料ポンプ20aは、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の原燃料を脱硫器20b経由で改質器50に供給する。なお、原燃料ポンプ20aに与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。改質水ポンプ32は、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の改質水を調量弁33に供給する。なお、改質水ポンプ32に与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。調量弁33は、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の改質水を改質器50に供給する。なお、調量弁33に与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。改質水は、燃焼室60における燃焼熱を利用して、気化部51において気化して水蒸気となる。改質部52においては、燃焼室60の燃焼熱を利用した水蒸気改質反応が生じる。それにより、改質部52において、水素を含む燃料ガスが生成される。改質部52において生成された燃料ガスは、アノード72に供給される。
【0030】
酸化剤ガス供給部40は、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の酸化剤ガスをカソード71に供給する。酸化剤ガス供給部40に与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。なお、起動時においては発電回路が遮断(開回路)されているため、燃料電池スタック装置70による発電は行われない。カソード71から排出された酸化剤オフガスおよびアノード72から排出された燃料オフガスは、燃焼室60に流入する。燃焼室60においては、燃料オフガスが酸化剤オフガス中の酸素を利用して燃焼する。燃焼によって得られた熱は、改質器50および燃料電池スタック75a,75bに与えられる。このように、燃料電池システム100においては、燃料オフガス中に含まれる水素、一酸化炭素等の可燃成分を燃焼室60において燃焼させることができる。燃焼室60から燃料電池スタック75a,75bに熱が与えられることによって、燃料電池スタック75a,75bの温度が発電に適した範囲内に調整される。
【0031】
熱交換器90は、燃焼室60から排出された排気ガスと熱交換器90内を流れる水道水との間で熱交換する。熱交換によって排気ガスから得られた凝縮水は、改質水タンク31に貯蔵される。温度センサ83は、燃焼室60内の温度を検出し、その検出結果を制御部10に与える。なお、図4で説明したように、燃焼室60は燃料電池スタック75a,75bと改質器50との間の空間である。したがって、燃焼室60の内の温度を検出することによって、燃料電池スタック75a,75bの温度を間接的に検出することができる。燃料電池スタック75a,75bの温度が所定値まで上昇すると、燃料電池スタック装置70の起動が完了する。
【0032】
燃料電池スタック装置70の起動完了後、発電回路(閉回路)が構成されると、燃料電池スタック75a,75bにおける発電が開始される。制御部10は、要求発電負荷に応じて、燃料電池スタック75a,75bにおける発電量を調整する。具体的には、制御部10は、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値、調量弁33に対する制御指令値、および酸化剤ガス供給部40に対する制御指令値を制御することによって、燃料電池スタック75a,75bにおける発電量を調整する。これらの制御指令値は、記憶部13に記憶される。
【0033】
電圧センサ81は、燃料電池スタック装置70に含まれる1枚以上の燃料電池セル74の発電電圧を検出し、その検出結果を制御部10に与える。なお、複数枚の燃料電池セル74の発電電圧を検出する場合、該複数枚の燃料電池セル74は、連続していてもよく連続していなくてもよい。また、電圧センサ81は、燃料電池スタック装置70に含まれる全ての燃料電池セル74の発電電圧を検出してもよい。電圧センサ81の検出結果は、記憶部13に記憶される。電流センサ82は、燃料電池スタック装置70の発電電流を検出し、その検出結果を制御部10に与える。電流センサ82の検出結果は、記憶部13に記憶される。
【0034】
ここで、燃料電池スタック装置70における発電負荷(発電量)の変動と、燃焼室60の温度変動との関係について説明する。図5(a)は、燃料電池スタック装置70の発電量と原燃料の供給量と燃焼室60内の温度との関係を示す図である。図5(a)において、横軸は経過時間を示す。図5(a)を参照しつつ、燃料電池スタック装置70の発電負荷が低下した場合について考察する。
【0035】
燃料電池スタック装置70における発電負荷低下に伴って原燃料の消費量も低下するため、燃焼室60で燃焼に供される可燃成分量は低下すると予測される。すなわち、燃焼室60の温度は低下すると予測される。しかしながら、ガス輸送遅れ、制御演算遅れなどに起因して、原燃料ポンプ20aから改質器50への原燃料の供給量は、発電負荷の低下と比較して時間をかけて低下する。この場合、発電負荷に対して、原燃料供給量が余剰となる。それにより、燃焼室60における可燃成分量は、一時的に過剰となる。その結果、燃焼室60における燃焼熱量は、一時的に過剰となり、余剰可燃物の燃焼後に時間をかけて低下する。過剰な燃焼熱量は、燃焼室60内の温度上昇として検出される。なお、燃焼熱量は、燃料電池スタック装置70の発電電流と、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値とから算出することができる。この算出された燃焼熱量は、実際の燃焼熱量と相関関係を有する。以下、算出された燃焼熱量を燃焼熱量指標と称する。
【0036】
燃焼熱量が変動すると、燃焼室60内の温度も変動する。燃焼室60内の温度は、温度センサ83から得ることができる。したがって、温度センサ83の検出温度を、燃焼室温度指標として用いることができる。ただし、応答性良く温度を得るためには、温度の微分値を用いることが好ましい。図5(b)は、燃焼室60内の温度微分値を表している。図5(a)の横軸と同じ経過時間を表している。
【0037】
図5(b)を参照して、燃焼熱量が変動すると、燃焼室60内の温度も変動する。それにより、図5(b)を参照して、燃焼熱量の変動と対応して燃焼室60内の温度微分値が変動する。ただし、温度微分値の変動量は大きくなるため、温度微分値の移動平均値を求めることにより、温度微分値の変動が平滑化される。図5(b)の例では、下記式に従って移動平均値も併せて求めている。本実施形態においては、この温度の移動平均値を燃焼室温度指標として用いる。
移動平均値=1/4×(今回の微分値)+3/4×(前回の移動平均値)
【0038】
図5(a)および図5(b)の結果によれば、原燃料余剰時における、燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との間には、相関関係が生じている。この相関関係は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量が設計値などの基準値から変動しなければ、ほとんど変動しない。しかしながら、経年変化などに起因して、制御指令値に対する原燃料ポンプ20aの原燃料供給量が基準値から変化すると、燃焼熱量指標と実際の燃焼熱量との間に乖離が生じる。したがって、原燃料余剰時に、燃焼室温度指標に対する燃焼熱量指標を検出することによって、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の基準値からの変動を検出することができる。この変動に基づいて原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を補正・校正することによって、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を適正に制御することができる。また、燃焼室温度指標と燃焼熱量指標との相対的関係を用いることによって、温度センサ83の検出値のバラツキ、誤差、計測部位の位置ばらつき、温度計測部位の燃焼状態ばらつき、経年変化などの影響を抑制することができる。
【0039】
図6(a)および図6(b)は、燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との関係を示す図である。図6(a)および図6(b)において、横軸は燃焼熱量指標を示し、縦軸は燃焼室温度指標を示す。図6(a)および図6(b)の「基準値」は、例えば、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量特性の設計値の関係を表す曲線である。図6(a)および図6(b)の例では、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量特性には、許容範囲が設けられている。この許容範囲内においては、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を補正または校正する必要がないと判断することができる。
【0040】
「基準値」および許容範囲は、原燃料ポンプ20aが未使用の場合または原燃料ポンプ20aの使用開始から所定期間内に、燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との関係から求めることができる。この「基準値」および許容範囲は、記憶部13に記憶しておくことができる。なお、補正の場合には、燃焼熱量指標が大きいほど、原燃料ポンプ20aの性能に及ぼす影響が大きくなるため、許容範囲を縮減してもよい。校正の場合には、許容範囲を原燃料供給量に見合う範囲に設定してもよい。なお、許容範囲は、原燃料ポンプ20aの目標性能を勘案して定めてもよい。例えば、許容範囲は、「基準値」±5%程度としてもよい。
【0041】
原燃料ポンプ20aの原燃料供給量が許容範囲よりも増側に偏移していたとすると、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値を原燃料供給量減側に補正する必要がある。図6(a)の例では、特定の燃焼熱量指標に対し、燃焼室温度指標が許容範囲からΔtだけ増側に偏移している。したがって、このΔtが相殺されるように、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値を補正すればよい。ただし、一度にΔt分の補正すると誤修正の要因となる可能性があるため、Δtよりも小さい値(例えば、Δt/4)が相殺されるように、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値を補正することが好ましい。
【0042】
図6(b)は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の校正について説明するための図である。図6(b)を参照して、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量が許容範囲よりも増側に偏移していた場合、要求発電負荷に対応して定まっている原燃料ポンプ20aに対する制御指令値を原燃料供給量減側に校正することによって、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を適正に制御することができる。
【0043】
なお、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の補正・校正は、発電負荷が低下した場合に実施してもよく、起動完了後の開回路(発電待機)時に実施してもよい。開回路時においては、原燃料供給量を増加させた場合の燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との関係を用いて、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の補正・校正を行ってもよい。開回路時に補正・校正を行うことにより、発電に伴う発熱の影響を抑制することができる。また、開回路時に補正・校正を行うことにより、低原燃料供給量の範囲において、高精度の補正・校正を行うことができる。
【0044】
図7〜図9は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の補正・校正を詳細に説明するためのフローチャートの一例を示す図である。図7は、燃焼熱量指標および燃焼室温度指標を算出するためのフローチャートである。図8は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の補正処理の要否を判定するためのフローチャートである。図9は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量の補正処理を行うためのフローチャートである。
【0045】
図7のフローチャートは、燃料電池スタック装置70の起動時、発電待機時、および発電時において、周期的(例えば、1秒ごと)に実行される。まず、制御部10は、燃焼熱量指標を算出する(ステップS1)。ステップS1の実行の際、制御部10は、電流センサ82が検出する発電電流と、記憶部13に記憶された原燃料ポンプ20aに対する制御指令値とに基づいて、燃焼熱量指標を算出する。制御部10は、算出した燃焼熱量指標を記憶部13に記憶させる。
【0046】
次に、制御部10は、燃焼室温度指標を算出する(ステップS2)。ステップS2の実行の際、制御部10は、温度センサ83の検出結果を用いて、温度微分値の移動平均値を算出することによって、燃焼室温度指標を算出する。制御部10は、算出した燃焼室温度指標を記憶部13に記憶させる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
【0047】
制御部10は、燃料電池スタック装置70の起動完了後の発電待機(開回路)時に、図8のフローチャートの実行を開始する。ここで、図10(a)〜図10(c)を参照しつつ、燃料電池スタック装置70の起動について説明する。図10(a)は、起動開始からの経過時間と電圧センサ81が検出する電圧との関係を示す図である。図10(b)は、起動開始からの経過時間と燃焼室60内の温度との関係を示す図である。図10(c)は、起動開始からの経過時間と原燃料ポンプ20aに対する制御指令値との関係を示す図である。
【0048】
図10(c)に示すように、起動開始によって、制御部10から原燃料ポンプ20aに、必要量の原燃料を供給するように制御指令値が入力される。この場合、燃焼室60において可燃成分が燃焼することによって、燃焼室60内の温度が上昇する。それに伴い、燃料電池スタック75a,75bの温度が上昇し、燃料電池スタック75a,75bが発電に適した温度に向けて加熱される。その結果、電圧センサ81が検出する電圧も上昇する。例えば、電圧センサ81が検出する電圧が所定値を上回った場合に、起動が完了したと判定することができる。図10(c)に、燃料電池スタック装置70の開回路電圧が所定値を上回っている期間が「補正許可判定」として表されている。
【0049】
そこで、電圧センサ81が検出する電圧が所定値を上回った場合に、図8のフローチャートの実行が開始される。図8のフローチャートが実行されると、制御部10は、補正処理が必要か否かを判定する(ステップS11)。例えば、直近の所定時間内(1時間以内)に補正処理が実行されていなければ、補正処理が必要と判定してもよい。
【0050】
ステップS11において「No」と判定された場合、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。ステップS12において「Yes」と判定された場合、制御部10は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量が増加するように、制御指令値を原燃料ポンプ20aに送信する(ステップS12)。例えば、制御部10は、原燃料供給量が2秒間、5%増となるように、制御指令値を原燃料ポンプ20aに送信する。それにより、図10(c)のように、所定の時刻において、原燃料の供給量が一時的に増加している。
【0051】
次に、制御部10は、燃焼熱量指標を取得する(ステップS13)。例えば、図7のステップS1で算出された燃焼熱量指標を燃焼熱量指標として取得してもよく、所定時間(例えば、20秒)における最大値を燃焼熱量指標として取得してもよく、上記算出された燃焼熱量指標の所定時間(例えば、20秒)における積分値を燃焼熱量指標として取得してもよい。
【0052】
次に、制御部10は、燃焼室温度指標を取得する(ステップS14)。例えば、図7のステップS2で算出された燃焼室温度指標を燃焼室温度指標として取得してもよく、所定時間(例えば、20秒)における最大値を燃焼室温度指標として取得してもよく、上記算出された燃焼室温度指標の所定時間(例えば、20秒)における積分値を燃焼室温度指標として取得してもよい。
【0053】
次に、制御部10は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を補正するか否かを判定する(ステップS15)。例えば、図6(a)の関係を用いて、燃焼熱量指標が許容範囲外であるか否かを判定する。ステップS16で「Yes」と判定された場合、制御部10は、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を補正する(ステップS16)。図9を参照して、原燃料ポンプ20aの原燃料供給量を補正する際には、制御部10は、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値を、以下の式に従って補正する(ステップS21)。
制御指令値=設計指令値×補正値
補正値=前回の補正値+今回のずれ値/4
【0054】
図8のステップS16の実行後、またはステップS15において「No」と判定された場合、制御部10は、図8のフローチャートの実行を終了する。
【0055】
なお、制御部10は、燃料電池スタック装置70の発電負荷が低下する際にステップS13〜ステップS16を実行してもよい。例えば、制御部10は、発電負荷が所定時間内に所定量低下した場合に、ステップS13〜ステップS16を実行してもよい。発電負荷の低下量は、燃料電池スタック装置70に対する要求発電負荷から算出してもよく、電流センサ82の検出値に基づいて算出してもよい。
【0056】
なお、発電負荷低下の判断基準として、燃料電池スタック75a,75bの温度、燃焼室60の温度、または発電負荷減少時における燃焼室60の温度微分値を用いてもよい。例えば、制御部10は、これらの値が所定値を超えた場合に、ステップS13〜ステップS16を実行してもよい。
【0057】
また、図7〜図9では、原燃料供給量の補正について説明したが、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値の校正についても、同様のフローチャートに従って行うことができる。
【0058】
図11(a)〜図11(c)は、発電負荷低下時のステップS13〜ステップS16の実行について説明するための図である。図11(a)〜図11(c)において、横軸は経過時間を示す。図11(b)は発電負荷を示し、図11(c)は発電量の変動量を示す。図11(a)においては、発電負荷が低下してからの20秒間の燃焼熱量指標の最大値と、燃焼室温度指標の最大値とが示されている。これらの最大値は、ピーク値サンプルホールドの手法を用いて検出することができる。
【0059】
図12(a)〜図12(d)は、燃焼熱量指標および燃焼室温度指標の最大値を取得する場合と、燃焼熱量指標および燃焼室温度指標の積分値を取得する場合との比較について説明するための図である。図12(a)は、燃料電池スタック装置70の運用開始時の発電負荷低下時における、燃焼熱量指標の最大値と燃焼室温度指標の最大値との関係を示す図である。図12(b)は、燃料電池スタック装置70の運用開始後約1年が経過した際の発電負荷低下時における、燃焼熱量指標の最大値と燃焼室温度指標の最大値との関係を示す図である。図12(a)および図12(b)において、横軸は当量原燃料当たりの燃焼熱量指標の最大値を示し、縦軸は燃焼室温度指標の最大値を示す。
【0060】
図12(a)および図12(c)の結果によれば、燃焼熱量指標の最大値と燃焼室温度指標の最大値との間に、所定の相関関係が得られる。したがって、燃焼熱量指標の最大値と燃焼室温度指標の最大値との関係に基づいて、原燃料供給量の補正・校正が可能である。ただし、発電負荷減少幅が同じでも、発電負荷大から発電負荷中への変化と、発電負荷中から発電負荷小への変化とで、燃焼室温度指標にばらつきが生じ得る。そこで、燃焼熱量指標の積分値と燃焼室温度指標の積分値との関係を用いることがより好ましい。
【0061】
図12(c)は、燃料電池スタック装置70の運用開始時の発電負荷低下時における、燃焼熱量指標の積分値と燃焼室温度指標の積分値との関係を示す図である。図12(d)は、燃料電池スタック装置70の運用開始後約1年が経過した際の発電負荷低下時における、燃焼熱量指標の積分値と燃焼室温度指標の積分値との関係を示す図である。図12(c)および図12(d)において、横軸は燃料燃焼熱量指標の積分値を示し、縦軸は燃焼室温度指標の積分値を示す。燃焼熱量指標の積分値と燃焼室温度指標の積分値との関係を用いることによって、ばらつきを低減することができる。なお、燃焼熱量指標の積分値と燃焼室温度指標の積分値との関係を用いる場合には、得られた関係を最小二乗法などにより求めた傾きを用いることができる。
【0062】
(他の例)
上記実施形態においては、原燃料ポンプ20aに対する制御指令値を補正または校正しているが、それに限られない。燃料ガスを燃料電池スタック装置70に供給する他の機器が設けられている場合には、燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との関係を用いて、当該機器に対する制御指令値を補正または校正してもよい。
【0063】
また、上記実施形態においては、燃料ガスを燃料電池スタック装置70に供給する機器に対する制御指令値を補正または校正しているが、それに限られない。例えば、燃焼熱量指標と燃焼室温度指標との関係を用いて、酸化剤ガスを燃料電池スタック装置70に供給する機器に対する制御指令値を補正または校正してもよい。
【0064】
また、上記実施形態においては、反応ガスの供給量に着目しているが、反応ガスの流量に着目してもよい。
【0065】
なお、上記実施形態は、固体高分子形、固体酸化物形、炭酸溶融塩形等の他のいずれのタイプの燃料電池セルにも適用可能である。ただし、固体酸化物形のように高温で作動する燃料電池セルの場合、温度変動が大きくなり、温度センサによる検出誤差が大きくなる。したがって、上記実施形態に係る燃料電池システムおよびその制御方法は、固体酸化物形の燃料電池に対して特に有効である。
【符号の説明】
【0066】
10 制御部
11 入出力ポート
12 CPU
13 記憶部
20 原燃料供給部
20a 原燃料ポンプ
30 改質水供給部
33 調量弁
40 酸化剤ガス供給部
50 改質器
60 燃焼室
70 燃料電池スタック装置
71 カソード
72 アノード
74 燃料電池セル
81 電圧センサ
82 電流センサ
83 温度センサ
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ガスを用いて発電する燃料電池と、
前記反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、
前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、
前記燃料電池の発電負荷減少時において、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
反応ガスを用いて発電する燃料電池と、
前記反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、
前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、
前記燃料電池の開回路時に前記反応ガス供給部が前記燃料電池に供給する反応ガス量を増量した際に、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃焼室に配置された温度センサを備え、
前記燃焼室温度指標は、前記温度センサが検出する温度の微分値であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃焼室に配置された温度センサを備え、
前記燃焼室温度指標は、前記温度センサが検出する温度の微分値の移動平均値であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記燃焼熱量指標は、前記燃料電池の発電量と、前記反応ガス供給部に対する制御指令値とから算出される熱量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記変更手段は、前記燃焼室温度指標と前記燃焼熱量指標との関係の基準値からのシフト量に応じて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を補正または校正することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記反応ガス供給部は、前記燃料電池に水素含有ガスを供給する装置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記反応ガス供給部は、改質反応によって原燃料から水素ガスを生成する改質器と、前記改質器に前記原燃料を供給する原燃料供給部とを備え、
前記変更手段は、前記燃焼室温度指標と前記燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記原燃料供給部に対する制御指令値を補正または校正することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
反応ガスを用いて発電する燃料電池と、前記反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、を備える燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池の発電負荷減少時において、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
【請求項10】
反応ガスを用いて発電する燃料電池と、前記反応ガスを前記燃料電池に供給する反応ガス供給部と、前記燃料電池から排出されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼室と、を備える燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池の開回路時に前記反応ガス供給部が前記燃料電池に供給する反応ガス量を増量した際に、前記燃焼室の温度と相関する燃焼室温度指標と、前記燃焼室における燃焼熱量と相関する燃焼熱量指標との関係に基づいて、前記反応ガス供給部に対する制御指令値を変更することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−234682(P2012−234682A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101815(P2011−101815)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】