説明

燃料電池システム及び燃料電池システムの調整方法

【課題】燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化を適切に両立させることができる燃料電池システム、及び燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化のバランスが適切となるように調整することができる燃料電池システムの調整方法を提供する。
【解決手段】燃料電池2からの電力をパワーコンディショナ3により昇圧・変換して外部負荷へ供給するとともに、パワーコンディショナ3を介して燃料電池2の余剰電力を余剰ヒータ4へ供給する燃料電池システム1であって、パワーコンディショナ3は、余剰ヒータ4へ供給される電流を計測する電流センサ34を含み、電流センサ34への電流値は、電流センサ34の温度誤差による誤差電流値に基づいて外部負荷9への電流値よりも小さくなるように予め調整されることを特徴として構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム及びその調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料電池システムとして、燃料電池からの電力を昇圧・変換するパワーコンディショナを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、燃料電池に接続されたパワーコンディショナを介して外部負荷に電力が供給されるとともに、当該パワーコンディショナを介して燃料電池の運転時に余った電力が余剰電力として余剰ヒータ(DCヒータ)に通電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−53039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の燃料電池システムのように余剰ヒータを用いて余剰電力を消費する場合には、事前に余剰ヒータの調整を行う必要がある。例えば、定格運転時の供給目標電力である定格電力を外部負荷へ全て供給し余剰ヒータへ全く電力供給しない場合と、外部負荷へ全く電力供給せずに定格電力を余剰ヒータへ全て供給する場合とにおいて、パワーコンディショナへの入力電流値が同一となるように調整される。
【0005】
しかしながら、上述した余剰ヒータへの電流調整を実施した場合であっても、外部因子による影響を受けて燃料電池から余剰ヒータへ供給される電力が増大するおそれがある。燃料電池から出力される電力が定格運転での電力値を超える場合、燃料電池が過負荷となる。このような事態を回避するためには、余剰ヒータへの供給電流を外部負荷への供給電流に比べて予め小さく調整する方法が考えられる。しかしながら、余りにも小さく設定すると余剰ヒータの機能である余剰電力の消費を充分に行うことができなくなるため、外部負荷の変動に対して燃料電池から安定した電力供給が困難となる。
【0006】
そこで、本発明は、燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化を適切に両立させることができる燃料電池システム、及び燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化のバランスが適切となるように調整することができる燃料電池システムの調整方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池からの電力をパワーコンディショナにより昇圧・変換して外部負荷へ供給するとともに、前記パワーコンディショナを介して前記燃料電池の余剰電力を余剰ヒータへ供給する燃料電池システムであって、前記パワーコンディショナは、前記余剰ヒータへ供給される電流を計測する電流センサを含み、前記余剰ヒータへの電流値は、前記電流センサの温度誤差による誤差電流値に基づいて前記外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め調整されることを特徴として構成される。
【0008】
この燃料電池システムは、余剰ヒータへ供給される電流値が電流センサの温度誤差による誤差電流値に基づいて外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め設定されている。このように構成することで、余剰ヒータが動作する際に、余剰ヒータへの供給電流が、電流センサの温度誤差によって生じる誤差電流値を考慮して外部負荷への電流値よりも小さい値となる。このため、外部因子により温度センサに誤差が生じて余剰ヒータへの供給電流が増加する場合であっても余剰ヒータへの供給電流が外部負荷への電流値よりも大きくなることを回避できるので、燃料電池が過負荷となることを抑制することが可能となる。さらに、余剰ヒータへ供給される電流値の減少量が電流センサの誤差電流値に基づいて設定することができるので、余剰ヒータによる余剰電力消費に与える影響を最小限にすることが可能となる。よって、燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化を適切に両立させることができる。
【0009】
ここで、燃料電池システムは、前記余剰ヒータの排熱を回収するための排熱回収系を含み、前記余剰ヒータへの電流値は、前記電流センサの温度誤差による誤差電流値及び前記排熱回収系への電流値に基づいて前記外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め調整されることが好適である。
【0010】
このように構成することで、電流センサへの電流値が、電流センサの温度誤差による誤差電流値及び排熱回収系への供給電流値に基づいて外部負荷への電流値よりも小さくなる。このため、電流センサの温度誤差が生じるとともに排熱回収系の作動により燃料電池の負荷が増加した場合であっても、燃料電池が過負荷となることを抑制することができるとともに供給電力の安定化を図ることが可能となる。
【0011】
さらに、前記余剰ヒータへの電流値は、前記電流センサの温度誤差による最大誤差電流値と前記排熱回収系への電流値とを加算した分だけ前記外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め調整されてもよい。
【0012】
また、本発明に係る燃料電池システムの調整方法は、燃料電池からの電力をパワーコンディショナにより昇圧・変換して外部負荷へ供給するとともに、前記パワーコンディショナを介して前記燃料電池の余剰電力を余剰ヒータへ供給する燃料電池システムの調整方法であって、前記燃料電池から前記パワーコンディショナを介して前記外部負荷へ所定電力を供給する際における前記パワーコンディショナの入力電流値を計測する負荷側計測ステップと、前記燃料電池から前記パワーコンディショナを介して前記余剰ヒータへ前記所定電力を供給する際における前記パワーコンディショナの入力電流値を計測するヒータ側計測ステップと、前記ヒータ側計測ステップで計測された入力電流値が、前記負荷側計測ステップで計測された入力電流値よりも小さくなるように調整するとともに、前記ヒータ側計測ステップで計測された入力電流値と前記負荷側計測ステップで計測された入力電流値との差分を、前記パワーコンディショナに含まれ前記余剰ヒータへの電流値を計測する電流センサの温度誤差による誤差電流値に基づいて設定する調整ステップと、を備えて構成される。
【0013】
ここで、前記燃料電池システムは、前記余剰ヒータの排熱を回収するための排熱回収系を含み、前記調整ステップは、前記ヒータ側計測ステップで計測された入力電流値と前記負荷側計測ステップで計測された入力電流値との差分を、前記電流センサの温度誤差による最大誤差電流値と前記排熱回収系への電流値とを加算した値となるように設定してもよい。
【0014】
本発明に係る燃料電池システムの調整方法によれば、上述した燃料電池システムと同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化を適切に両立させることができる。また、燃料電池の過負荷の抑制及び供給電力の安定化のバランスが適切となるように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの一実施形態の構成概要図である。
【図2】図1の燃料電池システムの調整動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の燃料電池システムの調整方法を説明する概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
本実施形態に係る燃料電池システムは、例えば、家庭用の燃料電池システムとして好適に採用されるものである。図1は、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態の構成概略図である。図1に示されるように、燃料電池システム1は、燃料電池2を備えている。燃料電池2は、直流電源(DC電源)であって、外部負荷(家庭内負荷)9へ電力を供給するものである。燃料電池2としては、例えば、原燃料が改質されて生成された改質ガスを用いて発電を行う固体高分子形の燃料電池が用いられる。
【0019】
燃料電池2には、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning Subsystem)3が接続されおり、燃料電池2から出力された電力はパワーコンディショナ3へ供給される。パワーコンディショナ3は、燃料電池2の出力電力を家庭等で用いることができるように調整する装置であって、昇圧器30及び変換器31を備えている。昇圧器30は、燃料電池2から出力された電力を昇圧する機能を有している。また、変換器31は、昇圧器30に接続されており、昇圧器30から出力された直流電力を交流電力へ変換する機能を有している。そして、このパワーコンディショナ3は、その出力側が外部負荷9に接続されている。このように構成されるため、燃料電池2の電力は、パワーコンディショナ3の昇圧器30により昇圧され、変換器31により交流電力に変換されて、外部負荷9へ供給される。なお、外部負荷9には、交流電源である系統電源8が接続されており、系統電源8からの電力と燃料電池2からの電力とを併用可能に構成されている。
【0020】
ここで、外部負荷9の消費電力が急激に減少した場合、燃料電池2は急激な出力変更を行うことが困難であるため、燃料電池2の発電電力が外部負荷9の消費電力を上回り、余剰電力が発生する場合がある。余剰電力については、系統用電源側へ逆潮流させる手法も考えられるが、ここでは、発生した余剰電力を消費するために余剰ヒータ4が設けられている。この余剰ヒータ4は、パワーコンディショナ3内部の電力制御器33の出力側に接続され、余剰電力の発生に伴って作動される。余剰ヒータ4としては例えば電熱ヒータ等が用いられる。
【0021】
また、燃料電池システム1は、余剰ヒータ4が発生する熱を回収する排熱回収系を備えている。この排熱回収系は、家庭用の水が貯留される貯湯タンク7、貯湯タンク内の水を循環経路内に循環させる水ポンプ6、水ポンプ6の下流側に設けられた熱交換器5を備えている。熱交換器5は、余剰ヒータ4の熱を循環経路内の循環水が授受できるように構成されている。このため、貯湯タンク7内の水は、水ポンプ6により循環経路を循環し、熱交換器5により余剰ヒータ4の熱を回収して再び貯湯タンク7内に貯留される。なお、この排熱回収系は電源として燃料電池2を利用している。また、排熱回収系として、放熱ファン等を備えても良い。
【0022】
以上の燃料電池システム1の構成機器類は、電装機器類であるシステム制御装置11により動作が制御される。システム制御装置11は、燃料電池システム1に備わるセンサ類や、利用者の利用状況等に応じて構成機器類の制御(例えば、燃料供給ポンプ10の制御)を行う。なお、システム制御装置11は、パワーコンディショナ3のPCS制御装置32と双方向の通信を行っており、システムの制御に必要な各部の電流値、及び電力値の情報を得ている。パワーコンディショナ3では、燃料電池の電流値を計測する電流センサ36、パワーコンディショナ3の出力電流値を計測する電流センサ35、系統電源8の電流値を計測する電流センサ12、余剰ヒータ4への電流値を計測する電流センサ34等が用いられ、PCS制御装置32にて各部位の電流値から電力値を求め、交流出力ならびに余剰ヒータ出力の制御を行っている。
【0023】
PCS制御装置32は、燃料電池2の定格運転時において外部負荷9の消費電力が急激に減少した場合には、余剰ヒータ4側へ燃料電池2の電力を供給して余剰電力を消費させる。余剰ヒータ4が動作するとシステム制御装置11では水ポンプ6を作動させて熱回収を行う。ここで、余剰ヒータ4へ供給される電流値は、予め運転前に調整される。以下では図2を用いて余剰ヒータ4へ供給される電流値の調整動作を説明する。図2は、パワーコンディショナ3の調整動作を示すフローチャートである。図2に示す制御処理は、例えばパワーコンディショナ3の調整検査時に実行する。なお、説明理解の容易性を考慮して、図3に示す概要図を適宜参照して図2に示す制御処理を説明する。図3は、燃料電池システム1の調整方法を説明する概要図である。
【0024】
図2に示すように、PCS制御装置32は、定格運転時に外部負荷9へ電力供給する際のパワーコンディショナ3の入力電流値Ap1を測定する(S10:負荷側計測ステップ)。PCS制御装置32は、図3のA1に示す供給路に沿って燃料電池2からパワーコンディショナ3を介して外部負荷9に電力を供給するとともに、パワーコンディショナ3の入力電流値を電流センサ36により測定する。この時の測定条件は、図3中に示す測定条件1である。すなわち、余剰ヒータ4はOFFされており、パワーコンディショナ3が余剰ヒータ4側へ出力する電力は0[W]である。そして、パワーコンディショナ3が外部負荷9側へ出力する電力はX[W]である。このX[W]は、燃料電池の定格運転時の目標電力(定格電力)であって、例えば750[W]が用いられる。
【0025】
次に、PCS制御装置32は、定格運転時に余剰ヒータ4へ電力供給する際のパワーコンディショナ3の入力電流値を測定する(S12:ヒータ側計測ステップ)。PCS制御装置32は、図3のA2に示す供給路に沿って燃料電池2からパワーコンディショナ3を介して余剰ヒータ4に電力を供給するとともに、パワーコンディショナ3の入力電流値Ap2を電流センサ36により測定する。この時の測定条件は、図3中に示す測定条件2である。すなわち、余剰ヒータ4はONされており、パワーコンディショナ3が余剰ヒータ4側へ出力する電力はX+α[W]である。このX[W]は、燃料電池の定格運転時の目標電力であって、例えば750[W]が用いられる。また、αは、供給路A1と供給路A2との抵抗差分(損失差)から生じる電力であり、具体的には変換器31及び電力制御器33が有する抵抗値に基づいて決定される。一方、パワーコンディショナ3が外部負荷9側へ出力する電力は0[W]である。
【0026】
次に、PCS制御装置32は、S10の処理で計測した入力電流値Ap1と、S12の処理で計測した入力電流値Ap2を比較して、入力電流値Ap2の調整を行う(S14,S16:調整ステップ)。PCS制御装置32は、図3のA2に示す供給路に沿って燃料電池2からパワーコンディショナ3を介して余剰ヒータ4に電力を供給して入力電流値Ap2を計測しつつ、パワーコンディショナ3の入力電流値Ap2が入力電流値Ap1よりも小さくなるように調整する。この調整は、例えばパワーコンディショナ3に備わる調整機構により行われる。PCS制御装置32は、入力電流値Ap2と入力電流値Ap1との差分(すなわち入力電流値Ap1に比べて減少させる減少量)を、パワーコンディショナ3に備わる電流センサ34の温度ドリフト(温度誤差)を考慮して決定する。例えば、PCS制御装置32は、電流センサ34の測定値の温度依存性を示す温度ドリフト曲線を予め取得しておき、パワーコンディショナ3の稼動時における想定温度範囲に基づいて、電流センサ34の温度誤差を特定する。そして、PCS制御装置32は、例えば、温度誤差の最大値である最大温度誤差における電流値のずれ量を、入力電流値Ap1に比べて減少させる減少量として決定する。より好適には、PCS制御装置32は、排熱回収系を構成する電気機器(ここでは水ポンプ6)の動力分もさらに考慮して入力電流値Ap1に比べて減少させる減少量を決定してもよい。例えば、PCS制御装置32は、予め水ポンプ6の動作に必要な電流値を計測しておき、計測した電流値と最大温度誤差による電流値(最大誤差電流値)とを加算した値に基づいて上記減少量を決定する。例えば、PCS制御装置32は、温度ドリフトによるずれ幅を±W、排熱回収系の動作により必要となる電力をWとすると、減少量Gを以下の式1を用いて設定する。
G=|±W+W| …(1)
PCS制御装置32が入力電流値Ap2の調整を終了すると、図2に示す制御処理を終了する。
【0027】
図2に示す制御処理を実行することで、余剰ヒータ4のON時におけるパワーコンディショナ3の入力電流値Ap2が、余剰ヒータ4のOFF時におけるパワーコンディショナ3の入力電流値Ap1に比べて小さく調整され、その減少量が余剰ヒータ4用の電流センサ34の温度誤差による電流値のずれ量及び余剰ヒータ4のON時において動作する排熱回収系の消費電力に基づいて設定される。このように調整されることで、電流センサ34の温度誤差の影響を予め含めて小さくすることができるので、余剰ヒータ4ON時に燃料電池2から供給される電力が余剰ヒータ4OFF時よりも増加することを回避することが可能となり、結果として燃料電池2が過負荷となることを抑制することができる。さらに、余剰ヒータ4ON時において作動する排熱回収系の消費電力を予め含めて小さくすることが可能となるので、排熱を回収するために作動した機器類の負荷によって燃料電池2が過負荷となることを回避することができる。そして、上記のように減少量を設定することで、余剰ヒータ4の余剰電力消費能力を著しく阻害することなく、燃料電池2の過負荷を抑えることができる。
【0028】
以上、本実施形態に係る燃料電池システム1又は燃料電池システム1の調整方法によれば、余剰ヒータ4へ供給される電流値が電流センサ34の温度誤差による誤差電流値に基づいて外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め設定されている。このように構成することで、余剰ヒータ4が動作する際に、余剰ヒータ4への供給電流が、電流センサ34の温度誤差によって生じる誤差電流値を考慮して外部負荷9への電流値よりも小さい値となる。このため、外部因子により電流センサ34に誤差が生じて余剰ヒータ4への供給電流が増加する場合であっても余剰ヒータ4への供給電流が外部負荷9への電流値よりも大きくなることを回避できるので、燃料電池2が過負荷となることを抑制することが可能となる。さらに、余剰ヒータ4へ供給される電流値の減少量が電流センサ34の誤差電流値に基づいて設定することができるので、余剰ヒータ4による余剰電力消費に与える影響を最小限にすることが可能となる。よって、燃料電池2の過負荷の抑制及び供給電力の安定化を適切に両立させることができる。
【0029】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0030】
電流センサ34,35,36として、パワーコンディショナ3の内部に配置されたものを説明したが、パワーコンディショナ3の外部に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…パワーコンディショナ、4…余剰ヒータ、5…熱交換器(排熱回収系系)、6…水ポンプ(排熱回収系)、7…貯湯タンク(排熱回収系)、8…系統電源、9…外部負荷、10…燃料供給ポンプ、11…システム制御装置、12,34,35,36…電流センサ、30…昇圧器、31…変換器、32…PCS制御装置、33…電力制御器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池からの電力をパワーコンディショナにより昇圧・変換して外部負荷へ供給するとともに、前記パワーコンディショナを介して前記燃料電池の余剰電力を余剰ヒータへ供給する燃料電池システムであって、
前記パワーコンディショナは、前記余剰ヒータへ供給される電流を計測する電流センサを含み、
前記余剰ヒータへの電流値は、前記電流センサの温度誤差による誤差電流値に基づいて前記外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め調整されること、
を特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記余剰ヒータの排熱を回収するための排熱回収系を含み、
前記余剰ヒータへの電流値は、前記電流センサの温度誤差による誤差電流値及び前記排熱回収系への電流値に基づいて前記外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め調整される請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記余剰ヒータへの電流値は、前記電流センサの温度誤差による最大誤差電流値と前記排熱回収系への電流値とを加算した分だけ前記外部負荷への電流値よりも小さくなるように予め調整される請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
燃料電池からの電力をパワーコンディショナにより昇圧・変換して外部負荷へ供給するとともに、前記パワーコンディショナを介して前記燃料電池の余剰電力を余剰ヒータへ供給する燃料電池システムの調整方法であって、
前記燃料電池から前記パワーコンディショナを介して前記外部負荷へ所定電力を供給する際における前記パワーコンディショナの入力電流値を計測する負荷側計測ステップと、
前記燃料電池から前記パワーコンディショナを介して前記余剰ヒータへ前記所定電力を供給する際における前記パワーコンディショナの入力電流値を計測するヒータ側計測ステップと、
前記ヒータ側計測ステップで計測された入力電流値が、前記負荷側計測ステップで計測された入力電流値よりも小さくなるように調整するとともに、前記ヒータ側計測ステップで計測された入力電流値と前記負荷側計測ステップで計測された入力電流値との差分を、前記パワーコンディショナに含まれ前記余剰ヒータへの電流値を計測する電流センサの温度誤差による誤差電流値に基づいて設定する調整ステップと、
を備えることを特徴とする燃料電池システムの調整方法。
【請求項5】
前記燃料電池システムは、前記余剰ヒータの排熱を回収するための排熱回収系を含み、
前記調整ステップは、前記ヒータ側計測ステップで計測された入力電流値と前記負荷側計測ステップで計測された入力電流値との差分を、前記電流センサの温度誤差による最大誤差電流値と前記排熱回収系への電流値とを加算した値となるように設定する請求項4に記載の燃料電池システムの調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−181461(P2011−181461A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46908(P2010−46908)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(308013252)株式会社ENEOSセルテック (67)
【Fターム(参考)】