燃料電池システム及び端末用機器
【課題】水素吸蔵合金容器と燃料電池セルユニットとを結合する際に、簡単な位置決め作業や組立工程を簡素化した燃料電池システム及び端末用機器を提供することである。
【解決手段】水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニット20と、該燃料電池セルユニット20に水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体18と、該水素吸蔵合金容器筐体18内に配置された配管経路Aと、燃料電池セルユニット20に配置された配管経路Bとの間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁とを備えている。そして、燃料電池セルユニット20は水素吸蔵合金容器筐体18と結合し、該燃料電池セルユニット20の上面に複数の突起部52a〜52cを有している。
【解決手段】水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニット20と、該燃料電池セルユニット20に水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体18と、該水素吸蔵合金容器筐体18内に配置された配管経路Aと、燃料電池セルユニット20に配置された配管経路Bとの間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁とを備えている。そして、燃料電池セルユニット20は水素吸蔵合金容器筐体18と結合し、該燃料電池セルユニット20の上面に複数の突起部52a〜52cを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、携帯用電子機器等に水素等の燃料電池を電源とする燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素やメタノール等の燃料電池は、軽量化や利便性等に起因して、例えば、ビデオカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯用電話機、携帯情報端末機(Personal Digital Assistants :PDA)、オーディオプレーヤといった各種情報処理装置の燃料電池としての用途が考えられる。
【0003】
本発明は、水素吸蔵合金材料を適用した水素吸蔵合金容器及びそれを用いた燃料電池システムに関するもので、特に携帯機器用に使用する燃料電池システムが提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、ガス放出機構は圧電体を用いた水素逃がし弁と流路とで構成され、その構造は圧力調節機構と同様である携帯機器用燃料電池システムが記載されている。このシステムは、また、水素吸蔵合金容器内の水素圧力を検知するために1次圧力検知機構を有し、圧電体水素逃がし弁の動作を圧力制御回路により行う。
【0005】
1次圧力検知機構で生じた電位差は、リード線により圧力制御回路に伝達される。水素吸蔵合金容器内の圧力が規定圧力以上となった場合、圧力制御回路から圧電体水素逃がし弁に電圧を印加して、水素を外部に放出する。この結果、水素を安全に外部に放出できる。
【0006】
水素吸蔵合金容器の内圧が規定圧力以上となった場合、1次圧力検知機構により規定圧力以上となったことを検知し、燃料電池セルが動作するよう圧力制御回路によって圧力調節機構の圧電体に電圧を印加し、水素を供給して燃料電池セルを駆動させる。燃料電池セルが駆動していない場合に圧電体制御弁を動作させるための電圧印加は、2次電池に予め蓄積された電力を利用する。
【0007】
また、下記特許文献2では、一般的に燃料電池ユニットの場合には板状の固体高分子電解質と、その一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、上記カソード側電極板の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板と、上記アノード側電極板の表面に配置され内面側への燃料の流通を可能とするアノード側金属板とを備える燃料電池が記載されている。この燃料電池は、両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態でカシメにより封止してあり、該金属板により挟持されている。
【特許文献1】特開2004−362786号公報
【特許文献2】特開2006−092783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、上記特許文献1等のような水素吸蔵材料及びそれを貯蔵する容器を具備する小型燃料電池システムに於いて、上記特許文献1及び特許文献2の技術を組み合わせた場合には、以下の問題点がある。
【0009】
通常、水素吸蔵合金容器筐体と燃料電池セルユニットとの組み合わせに於いて、上記燃料電池セルユニットの上面には、複数の通気口を設けることが一般的である。しかしながら、外部から供給される空気をどのようにして燃料電池セルユニット上面の通気口へ導くか、或いは携帯用電池収納室へ燃料電池を挿入後に保持したとき、安定性や信頼性を確保できるかは、上記特許文献1及び特許文献2に明確な記載はされていない。
【0010】
上記水素吸蔵合金容器筐体の上面にガラス基板が露出し、上記燃料電池セルユニットの水素吸引口を結合したことで組み立て作業が困難となる。また、上記水素吸蔵合金容器筐体の上面には、上記燃料電池ユニットとの位置合わせをするための位置決めを要し、燃料電池セル側に設けた水素吸入口を接着剤で接合するときに作業者のミスが発生する虞れがある。更に、機械的な負荷を加えるために、電極板を保護する工具及びカシメ等の特殊工具も必要とする。そのため、作業が複雑で、熟練者による作業工程が必要となる。
【0011】
したがって本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水素吸蔵合金容器と燃料電池セルユニットとを結合する際に、簡単な位置決め作業や組立工程を簡素化した燃料電池システム及び端末用機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち請求項1に記載の発明は、水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、を具備した燃料電池システムに於いて、上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に複数の突起部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記水素吸蔵合金容器筐体の上面に突起した配管経路を設けたガラス基板を露出し、上記配管経路と上記燃料電池セルユニットの水素注入口を結合したことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記燃料電池セルユニット内に配置された第1の金属板と第2の金属板の間に電極板を有し、上記電極板の接触圧力は、上記第1の金属板に配置された永久磁石と上記第2の金属板に配置された磁性材との吸引力から成ることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記燃料電池セルユニット内に配置された上記第1の金属板には上記第2の金属板との位置合わせをするための複数の位置決めピンが立設されていることを特徴する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記第2の金属板内に曲げ作用を有する弾性変形部分を形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明に於いて、上記水素吸蔵合金の筐体の外表面に、フィンと、該フィンの凹部に通気口を形成したことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池システムと、更に、2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池システムとの間に配置された切り替えスッチを具備することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明に於いて、上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に形成された複数の突起部と、を有する燃料電池ユニットと、2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池ユニットとの間に配置された切り替えスッチと、を有する端末用機器と、を具備することを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、水素吸蔵合金容器と燃料電池セルユニットとを結合する際に、簡単な位置決め作業や組立工程を簡素化し、且つ機器全体の小型化及び信頼性を高くすることが可能な燃料電池システム及び端末用機器を提供することができる。
【0023】
また、本発明によれば、水素吸蔵合金容器筐体の上面に突起した配管経路を設けたガラス基板を露出し、上記配管経路と上記燃料電池セルユニットの水素注入口を結合したことで組み立て作業が簡単となる。
【0024】
更に、本発明によれば、水素吸蔵合金容器筐体の上面には上記燃料電池ユニットとの位置合わせをするための位置決めピンが形成されていることで、燃料電池セル側に設けた水素吸入口を遊嵌し、接着剤で接合するときに作業者ミスの発生を防止できる。
【0025】
本発明によれば、機械的な負荷を加えることなく、特殊の工具などを必要とせず、作業工程が簡単となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1A(a)は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す断面図である。
【0028】
図1A(a)に於いて、燃料電池システム10は、燃料電池セルユニット20へ水素を供給する際の水素圧力を水素吸蔵合金の平衡圧力以下に調整する機能を有する圧力調整機構が第2のシリコン基板14上に形成された水素流路の上層と、第1のガラス基板11上に形成された第1のシリコン基板13により設けられた水素流路の下層とが、水素吸蔵合金容器筐体18に設けられて構成されている。
【0029】
第1のガラス基板11上には、第1のシリコン基板13及び第2のシリコン基板14が配置されている。第1のガラス基板11上に載置された第2のシリコン基板14には、温度センサ15や振幅検出回路(信号増幅回路)用のヘッドアンプチップ(HAチップ)16が埋め込まれている。一方、第1のシリコン基板13上の第2のシリコン基板14には、第1のガラス基板11を介して水素吸蔵合金容器17に延出された配管経路A21と、第2のガラス基板12及び断熱部材19を介して燃料電池セルユニット20に延出された配管経路B22が設けられている。これら配管経路A21及び配管経路B22は、燃料電池セルユニット20に水素を供給するために接続されている。
【0030】
上記第2のガラス基板12は、第1のガラス基板11との空間に配置された各圧力センサや圧力調整弁の素子が静電破壊を防止するため、第1のガラス基板11と平行に位置するように図示されない保持板に接着されている。燃料電池セルユニット20は水素を燃料として電力を供給するもので、導電性粉体を芯材とし、この芯材を不織布から成る袋中に封入し、外皮で被覆した真空断熱材である断熱部材19を介して第2のガラス基板12が密着されている。この真空断熱材を用いるときは、断熱部材19の厚みが数mmとなるために、第2のガラス基板を用いずに直接、真空断熱材を水素吸蔵合金容器筐体18に接着することが望ましい。
【0031】
また、水素吸蔵合金容器17及び水素吸蔵合金容器筐体18には、水素補給口24が設けられている。この水素補給口24は、着脱式で接続することにより弁が開くような機構を有している。そして、水素補給口24に、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の孔質によって水素を発生する水素発生器等の水素補給ボンベが接続されて注入されることによって、水素吸蔵合金容器17内の水素吸蔵合金へ水素が補給、貯蔵される。
【0032】
水素吸蔵合金容器17は、厚み方向の長さが短い直方体形状を呈し、厚み方向の水素吸蔵合金容器17上に、燃料電池セルユニット20が密着して配置されている。水素吸蔵合金容器筐体18の外形寸法の一例として、矩形形状した水素吸蔵合金容器筐体18を構成する材料としては、水素吸蔵合金容器17の圧力に耐えるように、アルミニウム或いはステンレス等の金属が用いられる。水素吸蔵合金容器筐体18の外表面は、アルミニウムの場合は多数の溝加工等により冷却用のフィン26が複数形成されている。
【0033】
また、第1のガラス基板11と第2のガラス基板12との間には、空気吸引口25が挿入されている。空気吸引口25は、図1A(b)に示される端子用基板30a、30bが取り付けられた水素吸蔵合金容器筐体18の一面を除くフィン26の溝部に開口を設けることにより、携帯用機器を挿入時に端子用基板30aの端子に押圧するための板ばね部材(図示せず)に妨げられることなく、空気吸引することができる。また、燃料電池セル20と第2のガラス基板12との間に断熱部材19を介することで、燃料電池セルユニット20から発生する熱を遮断することができ、第2のシリコン基板14上に配置した温度センサ15の誤検出を防ぐことができる。更に、上記端子用基板30a、30bにはピン端子29、33が結合されている。上記ピン端子33は燃料電池セルの出力電圧用に用いられる。また、上記ピン端子29、温度センサ15、HAチップ16や中継端子基板は、ボンディングワイヤ28によって接続されている。
【0034】
また、上記端子用基板30aには、図1A(b)に示されるように、後述する温度センサ、検出用圧力センサ、圧力調節弁から制御回路へ送信する信号線31a〜31hと、燃料電池セル側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線と安全弁、検出用圧力センサと圧力調節弁へ電力供給する駆動線32a〜32gの端子が設けられている。また、端子用基板30bには、燃料電池セル側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線の1端子30bとアース端子(GND)31iとが設けられている。
【0035】
同一端子用基板上に異なる2組の電力供給する駆動線を配置することで、燃料電池システム内の配線の引き回しをすることなく、組み立て工数を削減することができ、燃料電池システム内を簡素化することができる。尚、上記第1のガラス基板11と第2のガラス基板12の間は、圧力調整機構として構成されている。
【0036】
ここで、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの他の構成例について説明する。
【0037】
図1Bは、図1A(a)に示される第2のガラス基板12及び断熱部材19に代えてステンレス金属(ステンレス鋼)の金属板12aを用いた燃料電池システムの構成例を示す断面図、図1B(b)は図1B(a)の端子用基板30a及び30bの配置例を示した構成図である。
【0038】
図1B(a)に於いて、この金属板12aには、第2のシリコン基板14側に燃料電池セル20の冷却用に多数個の凹形状したフィン26と燃料電池セル20を支持する数個の突起部12bが設けられている。更に、燃料電池セル20の下面で、配管経路22の近くには温度センサ15が配置され、該温度センサ15の配線を整列配置するために、金属板12aに、図示されていない長溝が形成されている。この温度センサ15の表面と燃料電池セル20の下面とは、接触または微小の隙間を有している。また、温度センサ15は、燃料電池セル20の背面位置で対向するようにしてもよい。
【0039】
第1のガラス基板13上に第2のシリコン基板14を形成し、この第2のシリコン基板14上にHAチップ16や正弦波発生回路38が接合されている。その他の各部品の配置は、図1A(a)に示される燃料電池システムと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0040】
また、端子用基板30aには、図1B(b)に示されるように、後述する検出用圧力センサ、圧力調整弁から制御回路(図8に示されるCPU125)へ送信する信号線31a〜31gと、燃料電池セル側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線や安全弁、検出用圧力センサと圧力調整弁へ電力を供給する駆動線32a〜32eの端子が設けられている。また、端子用基板30bには、温度センサへ電力を供給する駆動線32gと、温度センサから制御回路(CPU125)へ送信する信号線31gとが設けられている。ここでは、ピン端子29が半導体基板に整列しやすいように、端子用基板30aの複数のピン端子29が奥から手前に整列配置になるように、端子基板30aが水素吸蔵合金筐体18に接合されている。
【0041】
このように、燃料電池セル近傍に温度センサを配置すると、燃料電池セルの温度上昇をほぼ直接的に温度センサで温度監視することができ、燃料電池システムを円滑に起動することができ、デバイス負荷部や2次電池への電力供給を行うことができる。
【0042】
水素吸蔵合金の平衡圧力は水素吸蔵合金の温度によっても変化し、温度上昇に伴って平衡圧力も増加する。例えば、AB5型のLaNi5を主成分とする水素吸蔵合金を用いた場合、使用環境が0〜45℃程度であることを想定し、平衡圧力が0℃で常圧以上、45℃で0.6MPa、そして60℃で1.0MPaを越えないように20℃の平衡圧力が0.25〜0.35MPa程度の水素吸蔵合金用材料を用いると好適である。水素吸蔵合金容器筐体18は、燃料電池セルユニット20と組み合わされ、水素吸蔵容器17から燃料電池セルユニット20への経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池システムとなる。上記温度センサ15は、こうした水素吸蔵合金容器筐体18内の温度を測定するために設けられている。
【0043】
このように、水素吸蔵容器筐体は燃料電池セルと組み合わされ、水素吸蔵容器から燃料電池セルへの経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池システムとなる。
【0044】
図2は、図1A(a)に示された燃料電池システム10の圧力調整機構の部分の詳細な構成を示す断面図である。
【0045】
図2に於いて、第1のガラス基板11は、水素吸蔵合金容器17上に、傾き調整部材35及びOリング(パッキン材)36を介して配置されている。そして、第1のシリコン基板13上に第2のシリコン基板14と第3のシリコン基板37とが形成され、及び温度センサ15は第3のシリコン基板37上に配置されている。尚、ここでは温度センサ15は第3のシリコン基板37上としているが、図1A(a)に示されるように第2のシリコン基板14としてもよい。
【0046】
第2のシリコン基板14上の上部位置には、ダイヤフラム43に接合された可動側の駆動電極板45が設けられている。また、中継端子基板47には固定側の駆動電極板46が設けられている。この可動側駆動電極板45と固定側駆動電極板46は、対向する位置に配置され、静電容量変化を検出するように1組として構成されている。この場合には、図示されないが、2組の駆動電極板を配置するとよい。
【0047】
下面側に流路を形成する第1のシリコン基板13と検出用圧力センサとの間には、空洞部44を有している。この空洞部44の内表面には、第2のシリコン基板14がガス等で腐食するのを保護するための保護膜42が形成されている。
【0048】
一方、第3のシリコン基板37には上面には、水晶発振器を用いた正弦波電圧回路40と振幅検出(駆動回路/振幅検出)回路用のICチップ38が結合されている。更に、第3シリコン基板37の上側には、複数のピン端子29aが結合されている。第3のシリコン基板37の下部には、温度センサ15が固着され、その両サイドはリード線用の貫通した孔が形成されている。
【0049】
以上のICチップや中継端子基板、複数のピン端子は、ボンディングワイヤ群28a(ボンディングワイヤ28)で接続されている。動作は、制御回路(図8に示されるCPU125)の指示信号により正弦波電圧回路40(発振器及び駆動回路/振幅検出回路用のICチップ38の駆動回路)は強制振動するダイヤフラム43に圧力が加圧したり減圧すると、その出力信号に応じた振幅を検出する駆動回路/検出回路用のICチップ38の振幅回路からの出力信号を制御回路(CPU125)に入力する。制御回路(CPU125)は、温度センサからの出力信号からROM(温度特性のデータ)から読み出し、流体流路の管内圧力値に基づいてフィードバック制御が行われる。
【0050】
尚、水素吸蔵合金容器筐体と開閉弁との間に細い配管(キャピラリー)を配置すると、水素が通過する際の圧力損により圧力調整弁駆動時の圧力を下げるものであるため、圧力調整器が負荷を低減することもできる。
【0051】
図3は、上述した燃料電池セルユニット20と水素吸蔵合金容器筐体18を接合して組み込んだ例を示した外観斜視図である。
【0052】
このように、燃料電池セルユニット20は、水素吸蔵合金容器筐体18に装着されて、図示されない紫外線硬化型の接着材でシールした構造である。上記燃料電池セルユニット20は、複数の通気口51が設けられたステンレス金属で覆われたカソード電極が、燃料電池セルの上面に露出される。更に、燃料電池セルユニット20の上面には、複数の突起部52a、52b、52cが設けられている。
【0053】
この燃料電池システムの本体は、水素吸蔵合金容器筐体18と燃料電池セルユニット20のそれぞれのユニットで結合されている。図3に於いて手前の突起部52bと52cの間には、空気を通過させるための開口部(例えば、携帯用電池収納室に燃料電池システムが挿入されると空間部(空気の流通できる)となる空気流入口55が設けられている。この空気流入口55と冷却用フィン54の突起との交わる線上は、半径0.3〜1mm程度の面取りが設けてある。また、開口部間に位置する立設された突起部端のエッジ部にも、同様の面取り(半径0.3〜1mm程度)が設けられている。
【0054】
更に、燃料電池システムの正面には、短冊状に凹凸の形状に形成された複数の冷却用フィン54が設けられている。これらの冷却用フィン54の凹部には、空気吸入口57、水素排出口58、水素補給口59が設けられている。
【0055】
このような構成に於いて、図示されていない電池収納室に燃料電池システムが挿入されると、燃料電池システム側の空気流入口55とモルトプレーンが接合された電池蓋(図示せず)とは、所望の間隔で離間している。電池蓋のモルトプレーンから吸引されて空気流入口55を通過した空気は、複数設けられた通気口51へ吸い込まれる。このとき、図3に示されるように、空気流入口55の突起部や冷却用フィン54の凸部を面取りすることで、流入した空気が空気流入口55の出口での渦巻き流(キャビテーション現象)を低減することが可能となる。
【0056】
図4は燃料電池セルユニットの構造を示す断面図であり、図4(b)は一方の端部近傍の断面図、図4(b)は他方の端部近傍の断面図である。
【0057】
燃料電池セルユニット20は、例えば75〜100μm程度の板材から成る高分子固体電解膜61、アノード側電極板62、0.5〜1mm程度のステンレス鋼で構成される第1の金属板64、カソード側電極板63と、例えば0.5〜1mm程度の磁性材から成る第2の金属板66を備えている。この第2の金属板66には、エッチングにより形成された複数の通気口(空気吸引口67)が形成されている。
【0058】
第1の金属板64上に配置された高分子固体電解膜61と第1の金属板64の内側の側壁との隙間(空間部)には、厚さ方向に磁化されたフィルム磁石層71aが接着されている。フィルム磁石層71aは、SmCo等の希土類磁石から成るフィルム層と、第1の金属板64とが紫外線硬化型接着剤で接合されている。
【0059】
また、第1の金属板64上には、水素注入口65が形成されていると共に、複数の位置決めピン72aが立設されている。そして、高分子固体電解膜61と、アノード側電極板62及びカソード側電極板63とが積層されており、第2の金属板66に絶縁材料から成るブッシュ75aが埋め込まれている。
【0060】
組み立て手順としては、第2の金属板66のブッシュ75aを位置決めピン72aに挿入することにより、フィルム磁石層71aの吸着力により、第1の金属板64と第2の金属板66が結合する。したがって、高分子固体電解膜61、アノード側電極板62、カソード側電極板63の積層構造から、相互に加圧される構造になっている。
【0061】
この燃料電池システムは、上述したように、ユニットの両端を合成樹脂やゴム材から成るシール材で封印して、外形形状を矩形形状とすると共に、上面に複数の突起部が形成されている。更に、水素吸蔵合金容器筐体の上面に、燃料電池セルの長手方向に沿って凹面を形成し、該凹面の深さは断熱部材19の上面または第2のガラス基板12の上面とする。露出する配管経路B22の孔位置と水素注入口65を一致させるように、紫外線硬化型接着剤で接合する。
【0062】
このように、水素吸蔵合金容器筐体の上面に凹部を設け、この凹部に燃料電池セルユニットを挿入し、合成樹脂部の両側を圧入し、図示されない小ネジや接着剤で結合し、上面に複数の突起部が露出するようにする。このように、燃料電池セルユニット20に突起部を形成することで、組み立てが簡単となる。
【0063】
また、フィルム磁石層71aの吸引力を適宜に選択することで、高分子固体電解膜61、アノード側電極板62とカソード側電極板63との積層構造から、相互に加圧量を調整し、第1及び第2の金属板64、65を一体化させることができる。この場合、第2の金属板66内に曲げ作用を有する複数のスリ割り68と、カソード側電極板63と押圧する押圧部69を有している。
【0064】
このように、第2の金属板66内に於いて、部分的に押圧部69を設けることで、カソード側電極板63への周辺部に一様に接触させるために2次加工面とすることで、平坦性を維持することができる。
【0065】
更に、図示されない電池収納室に、燃料電池システムが挿入され、燃料電池システムの突起部と、電池収納室の内表面のガイド面との接触圧による加圧量増減がないようにする。また、水素吸蔵合金容器筐体18の上面に複数の位置決めピンを立設して、燃料電池セルユニット20内の第1の金属板64または合成樹脂部に複数の嵌合孔を設け、この燃料電池セルユニット内の嵌合孔を水素吸蔵合金容器筐体の位置決めピン72aに沿って挿入した後、紫外線硬化型接着剤で接合することで、水素吸蔵合金容器筐体18と燃料電池セルユニット20とは正確な位置決めが可能となる。
【0066】
図4(b)は、上述した図4(a)に示される燃料電池セルユニットの他方の端部近傍を表している。
【0067】
この他方の端部についての構造は、図4(a)に示される燃料電池セルユニット20の構造とほぼ同じ形状である。したがって、図4(a)と同一の構成要素にて参照番号のaをbに代える以外は同一の参照番号を付すものとし、ここでの説明は省略する。但し、上面の突起部は幅方向に全面となり、空気流入口となる段差は設けられていない。
【0068】
図5は、第1の実施形態に於ける2種類の燃料電池システムのブロック構成図である。
【0069】
図5(a)に於いて、上述した水素吸蔵合金容器筐体18内には水素吸蔵合金容器80を有している。この水素吸蔵合金容器80からは、図示されない配管経路Aを介して開閉弁81、検出用圧力センサ82、更に安全弁83、圧力調整弁84及び補助用圧力調整弁85が配置されている。圧力調整弁84及び補助用圧力調整弁85は、図示されない配管経路Bを介して燃料電池セル86に接続されている。
【0070】
開閉弁81は、配管経路Aに接続された際に開き、接続が解除された際に閉じる弁機構を兼ね備えた水素補給の開閉弁である。安全弁83は、検出用圧力センサ82と外気口との間に接続され、公知技術である静電駆動方式のマイクロバルブや熱変形導電材料(例えば、形状記憶合金材料)のダイヤフラムによる構成であり、オン(弁が開く)やオフ(弁が閉じる)が可能なスイッチ機能を有している。
【0071】
また、図5(b)に於いて、水素吸蔵合金容器90からは、図示されない配管経路Aを介して第1及び第2の開閉弁91及び92、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94が配置されている。そして、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94と外気口との間には、第1及び第2の安全弁95及び96が配置されている。また、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94と燃料電池セル99の間には、第1及び第2の圧力調整弁97及び98が配置されている。
【0072】
次に、水素吸蔵合金容器への水素の補給と燃料電池セル駆動時の動作について説明する。
【0073】
図5(b)を参照すると、図示されていない水素補給時には、水素吸蔵合金容器90は着脱式で接続することにより弁が開くような機構を有する水素補給口に、上述した水素補給ボンベが接続され、水素補給口を介して水素吸蔵合金容器90内の水素吸蔵合金へ水素が補給、貯蔵される。補給された水素は水素吸蔵合金中に貯蔵される他、配管経路、更に開閉弁以降は遮断された状態で、第1及び第2の開閉弁91及び92から燃料電池セル99までの配管経路に残量水素ガスが存在する。携帯用機器の電源スイッチがオンされると第1及び第2の開閉弁91及び92が開き、水素吸蔵合金に貯蔵されたが圧力調整弁まで供給されて残量水素ガスと混合され、水素吸蔵合金内の内圧と同じとなる。
【0074】
次に、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94の検出器からの出力信号を、図示されないメモリ(ROM)に格納された温度特性のテーブル表(例えば、図6(a)の表)に換算して圧力調整弁を開く。水素燃料電池セル動作時は、燃料電池セル99への水素ガス圧が0.1MPaになると燃料電池セル99が動作を開始する。消費された水素を補給すべく水素吸蔵合金に貯蔵された水素が、図5(a)に示される例(A社)では開閉弁があり、この開閉弁81から、検出用圧力センサ82、圧力調整弁84を順次経由して燃料電池セル86に供給される。燃料電池セル86側の水素圧力を一定に保持しながら燃料電池セル86が継続的に動作して、図示されていない携帯用機器等に安定に電力を供給する。この場合、検出用圧力センサ82と安全弁81とは直接接続されている。尚、図6(a)の表には水素吸蔵合金種類、水素吸蔵量、安全弁と流路数、電気容量、管内圧力限界値、圧力センサ感度、製造年月等の管理する管理データが格納されている。更に、図6(a)の表に基づいて、圧力調整弁の放出流量の演算をする場合は、検出用圧力センサから出力される実測値と圧力調整弁から出力される実測値の差圧を求めることにより検出できる。
【0075】
本実施形態では、高圧水素ガスによる圧力調整弁にかかる負荷を軽減するために、図6(b)に示される例(B社)では複数(ここでは2個)の開閉弁91、92と検出用圧力センサ93、94、圧力調整弁97、98が並列に配置されている。第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94が、それぞれの第1及び第2の安全弁95及び96と直接接続されている。そして、第1及び第2の安全弁95及び96は外気口に接続されている。第1及び第2開閉弁94及び92と第1及び第2の安全弁95及び96は公知技術である静電駆動方式のマイクロバルブや熱変形導電材料(例えば、形状記憶合金材料)から構成された、オン(弁が開く)やオフ(弁が閉じる)が可能なスイッチ機能を有したダイヤフラムの動作で、それぞれの弁が開く。尚、他の例(C社)として、第2の安全弁を使用しない場合には、ダミー用として形成されている。
【0076】
ここで、B社の場合には、水素ガスが分圧される所定時間後、検出用圧力センサが所望値になると第1の開閉弁91は閉じ、第2の開閉弁92を開いた後、第2の検出用圧力センサ94が監視を行う。第1及び第2の開閉弁95及び96は検出用圧力センサの監視の基にオン・オフ動作を繰り返す。検出用圧力センサが所望の水素ガス圧になると、圧力調整弁が制御を開始し、燃料電池セル内では0.1MPa圧になるように制御する。更に、圧力調整弁を保護するために複数の開閉弁を同時に使用することも可能である。
【0077】
このようなオン・オフ動作を繰り返す構成に於いては、CPUやアナログスイッチ等のチップが第2のシリコン基板に埋め込まれていることが望ましい。
【0078】
次に、図7を参照して、シリコン基板上の検出用圧力センサから圧力調整弁への印加電圧について説明する。
【0079】
図7に示されるように、燃料吸蔵合金材料であるAB5型のLaNi5やAB2型合金を例として説明する。これらの合金材料の温度特性は、メーカや同じメーカで製造される種別により異なることになる。本実施形態では、この温度特性のテーブル表に基づき、圧電調整弁に印加する電圧を決定することにより、燃料吸蔵合金材料による誤差値(例えば、A社、B社製造による水素吸蔵合金の温度特性が異なる場合、現使用温度35℃の状態下に於いて、δ値)を補正することができる。(この場合、20℃に於けるA社製では0.25MPa、B社製では0.40MPaとしている。また、限界値はA社製とB社製も1MPaとしている。)
残量表示用圧力基準温度を27℃とする。例えば、水素やメタノール等の燃料電池を電源とする一眼レフ型デジタルカメラ等の情報機器では、EL(エレクトロルミネッセンス)素子やLED(発光ダイオード)等による表示照明装置は消費電力が多く、照明表示制御は使い難いものとなる。或いは、交換レンズとカメラ本体との通信による交換レンズ着脱検出等の撮影準備動作等を含め、実際に使用している場合(例えば、シャッタチャンスを待つとき)に於いて撮影しようとすると、使用者の意思に反する動作を引き起こすことになり、デジタルカメラ側に依存しきった姿勢制御による燃料電池の残量表示や機器動作可能時間表示等の自動的な管理は、使用者の意思と一致しないという問題がある。
【0080】
以上のことから、残量表示をする際には、できるだけ、温度特性に影響を受けないことから、現在の環境使用時の温度を35度とする。
【0081】
ここで、水素吸蔵合金材料に要求される性質は反応が早く、吸蔵圧と放出平衡圧のヒステリシスがあり、材料等の違いによる発生する誤差を補正することを目的とする。温度センサが配置されている場所と、水素吸蔵合金容器筐体からの配管経路Aの内圧温度との温度差及び圧力センサの内圧温度差がある。電子機器の使用状況に於いて、その都度、測定して残量表示をすることは困難である。初期値を20℃とし、その平均である27.5℃(例えば、予め決められたグループの範囲でCPUからの指示は27℃)の圧力センサ値からPCT線図により残量表示値を求めることができ、温度変化による過圧力の影響を受けることなく残量表示誤差を抑えることができる。
【0082】
ここで、平均値やグループ化(温度測定範囲を予め2℃から3℃毎にプロットして測定点を決め、その上下範囲を測定点と見なす方法)することにより、工場出荷時に於いて、予め測定された温度毎の圧力線図を格納するメモリの記憶容量を少なくすることができる。或いは、図示されないが、水素吸蔵合金容器内の壁に発振器を用いた複数から成る一対の駆動電極板からダイヤフラムを接合するような圧力センサを内蔵した場合等も、温度センサが配置している位置と金属材料で覆われた水素吸蔵合金容器内では温度差がある。水素吸蔵合金容器内の一対から成る駆動電極板は離間して配置し、残存量が少なくなった場合には差動出力信号に切り替えることもできる。このように、環境下での違いがあることから、現在の使用環境温度35℃と温度特性に用いられる常温20℃の平均値の温度テーブル表を用いる。
【0083】
水素吸蔵合金容器内に、一対から成る駆動電極板を用いて残量容量を測定する場合や、公知の歪ゲージによる残量水素量を測定する場合(特開平6−33787号公報)等に於いて、出荷前に予めデータ特性表を求めるために製品と同じ容器を2次加工して、温度センサの出力が20℃、23℃、27℃、30℃、32℃、35℃、40℃、45℃毎に変化できるためにサーモモジュールを容器の外表面に取り付ける。水素吸蔵合金容器のバルブを開き、温度毎の水素流量計で放出水素量を求め、対応する一対の駆動電極板からの振幅電圧回路を経て残量水素量を求める。すなわち、図5(a)の燃料電池の構成に於いて、この放出水素量毎に於ける燃料電池の消費総時間の関係が求まる。
【0084】
残量表示は、残量時間または(残量時間/消費総時間)の%表示とし、残量時間は消費総時間から圧力調整弁と安全弁の使用回数及び使用時間の累積を減算することで求まる。また、各温度に於けるPCT係数を決め、相関(重み付け)を決めておくことになる。ここで得られたデータ(図6(a)、(b)の表)がROMに格納される。このようにすると、水素吸蔵合金容器に設けた残量検出センサを省略することもできる。
【0085】
金属材料のステンレス材料から成る水素吸蔵合金容器筐体の外表面の凹面内にサーモモジュール(例えば、ペルチェ素子)配線基板を配置することで、CPUによる温度コントロールを20℃(常温)になるように行うことができる。その結果、検出用圧力センサの出力信号を安定化することができる。したがって、常温(20℃)に近傍のデータのみを格納することできる。したがって、メモリ(例えば、ROM等)の記憶容量を大幅に減らすことができる。
【0086】
次に、図8(a)及び(b)を参照して、燃料電池システムと2次電池やCPUが内蔵された電子機器の残量表示の組み合わせについて説明する。
【0087】
水素吸蔵合金容器筐体は、水素吸蔵合金容器100と、シリコン基板101上に配置された開閉102弁、検出用圧力センサ103、圧力調整弁104が形成されており、更に温度センサ105を有している。燃料電池セル110は、アノード電極111、カソード電極112及び高分子固体電解膜113から成っている。携帯用の電子機器(例えば、クレードル)120には、CPU125と、上述した開閉弁102や検出用圧力センサ103及び圧力調整弁104を初期駆動する2次充電器(2次電池)121と、該2次電池121の残量を検出する電流検出器、撮像ユニットや電子カメラ等(デバイス負荷部)123と、切り替えスイッチ122と、温度特性のデータ(ベンダや機種毎の管内圧力限界値:図6(a)、(b)の表)が格納されたメモリ(記憶手段)127と、燃料電池の残量表示を行う表示部128及びユーザ操作用入力キーから成る入力操作部126とが備えられている。
【0088】
圧力調整弁104からの配管経路は、アノード電極111に接続されている。CPU(制御回路)125は、シリコン基板101に埋め込まれた温度センサ105の出力信号をモニタする。また、燃料電池セル110の残量表示やデバイス負荷部123の電流値を監視する。CPU125は、燃料電池セル110が電子機器120に接続されると、切り替えスイッチ(SW)122によりデバイス負荷部123の出力信号から残量検出ができる。しかしながら、ここでは無視することで、検出用圧力センサ103の出力信号及び温度センサ105からの出力信号を優先して、メモリ127に格納されたユーザが指定したB社の水素吸蔵合金容器で、AB5型の水素吸蔵合金容器の種別及び温度特性から、データ(図6の(a)、(b)の表)の残量演算値を利用して、表示部(ディスプレイ)128に表示する。これにより、ユーザが確認することができる。
【0089】
例えば、図9(a)に示される例では、表示部128には水素吸蔵合金131とメタノール132が表示されているが、ユーザが操作入力部126を操作することによって、例えば図9(b)に示されるように、AB5型水素合金133とAB2型水素合金134を選択して表示させることができる。
【0090】
或いは、図9の一覧表示として、図9(c)や(d)に示されるように表示することもできるが、ユーザにとって、このような一覧表示から装着した燃料電池を選択することは使いにくいということも考えられる。したがって、デバイス負荷部123を製造する時には、メモリ127にデバイス負荷部123が使用できる水素吸蔵合金の種類の許可データを格納することが望ましい。
【0091】
デバイス負荷部123の動作開始信号が入力されたときの起動時は、CPU125が2次電池121を動作させる。つまり、図8(b)に示されるように、燃料電池セル110から2次電池121へは、切り替えスイッチ122によって充電時に接続されるようになっている。携帯用機器であるクレードルの場合には、デバイス負荷部(例えば、電子カメラ等)123が搭載され、燃料電池セル110が動作をすると、CPU125は切り替えスイッチ122を動作させ、2次電池121は休止する。そして、圧力調整弁104の制御や燃料電池セル110は動作状態となり、デバイス負荷部123が動作を行う。このようなとき、CPU125は、燃料電池セル110のみの使用や、燃料電池セル110と2次電池121の併用使用により、コンセントのない屋外等でも利用することができるというメリットがある。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0093】
上述した図4(a)及び(b)に示されるように燃料電池セルユニットを構成すると、第1の金属板64と第2の金属板66の形状については、内部圧力より該第1の金属板64と第2の金属板66の変形により、アノード側電極板62またはカソード側電極板63との接触不良が生じる虞れがある。この場合、第1の金属板64または第2の金属板66とアノード側電極板62またはカソード側電極板63との接触面積は、第2の金属板66の通気口の占有面積に大きく依存される。一般的には、第2の金属板66は第1の金属板64に比べて1/3〜1/2程度となる。
【0094】
このため、第2の実施形態では以下のように燃料電池セルユニットを構成している。
【0095】
図10は、本発明の第2の実施形態に於ける燃料電池セルユニットの構造を示すもので、(a)は第2の金属板側を示す斜視図、(b)は第1の金属板側を示す斜視図である。
【0096】
上述した高分子固体電解膜、電導性多孔質材から成るアノード側電極板とカソード側電極板とが積層され一体化されている。また、第1の金属板と第2の金属板によって狭持される燃料電池セルユニットを組み立てた場合には、第1の金属板と第2の金属板5の平坦性が要求される。
【0097】
例えば、厚さ0.1mmで第2の金属板(ステンレス材)151には、図示されるような形状にエッチング加工で通気口153が形成され、通気口153が設けられていない上層カバー150の上に重ねて結合される。このように形成することで、第2の金属板の深さ0・1mmの通気口の平坦性を確保することができ、ばらつきがなく正確に構成することができる。
【0098】
上層カバー150の中央部には、矩形形状した開口部153が形成されている。この開口部153は、第2の金属板151の通気口153に空気を送り込むための開口である。この開口部152と連結して、段差部155が形成されている。この段差部155と手前の側面部159との交わる直線部は、半径1mm程度のなめらかな球形状をしている。同様に、段差部155の両側の側面部156と上面との交わる直線部も、半径0.5mm程度のなめらかな球形状をしている。
【0099】
このように、中央手前の部分に段差部155を形成することにより、段差部155の両側に第1の突起部161と第2の突起部162が設けられている。第2の突起部162の高さは、第1の突起部161に比べ、0.5mm程度高く、段差になっている。これらは、図示されない携帯用機器の電池収納室に燃料電池システムを挿入する際に於けるガイド面となり、電池蓋から吸引された空気は、段差部155、開口部152から第2の金属板151の通気口153へと供給される。
【0100】
尚、開口部152の表面は、100個程度の円形、三角形、矩形等の小孔が分散した形状の開口部152の表面に置き換え、多数の小孔から空気を吸引させる変形とすることも容易である。
【0101】
通気口153を有するステンレス材料から成る平坦な第2の金属板151と合成樹脂製の上層カバー150は、リベット163で結合される。リベット163等の機械的な結合ではなく、接着剤による接合でもよい。
【0102】
上層カバー150の裏面部157には、長手方向に一対の磁性材(例えば、ステンレス304材)158が接着剤で結合されている。また、磁性材158の近傍には、位置決め穴156bと対を為す位置決め穴156aが設けられている。
【0103】
一方、高分子固体電解膜、アノード側電極板、カソード側電極板、第1の金属板と、第2の金属板との大きさを同一な面積とし、第1の金属板に水素流路を形成した場合には、水素流路の深さを均一にすることも問題とされる。
【0104】
これらの問題を解決するために、配管経路Bと嵌合するステンレス材料の第1の金属板にNi材をホットプレスやリベット等の機械的な結合で積層した後に重合する。そして、結合する以前に、このNi材に水素流路をエッチング加工により形成しておくことになる。
【0105】
例えば、厚さ0.1mmでNi板142には、図10(b)に示されるような形状にエッチング加工で通気口を形成し、配管経路B144の穴のみを有する第1の金属板141の上に重ねて結合する。このように形成することで、Ni板142の深さ0.1mmの水素流路143の平坦性を確保することができ、ばらつきなく正確に構成することができる。
【0106】
また、ステンレス材140から成る第1の金属板141には、長手方向の一対の永久磁石材料等のフィルム磁石層146a、146bを接着材で固着しておく。フィルム磁石層146a、146bの近傍には、一対の金属製の位置決めピン147q、147bが立設されている。尚、フィルム磁石層146a、146bは、アルニコ磁石、フェライト磁石、希土類磁石(例えば、SmC0等)の永久磁石を使用すると磁力が強く、磁石の肉厚を薄くすることができるが、高価である。したがって、ここでは、フェライトボンド磁石やプラスチックボンド磁石、或いはやゴムボンド磁石とする。
【0107】
ボンド磁石は安価であり、ボンド磁石が外面に露出しないので、磁石の破損もなく使用が可能である。ポンド磁石をエポキシ樹脂で第1の金属板141に接着できる。また、錆止めまたは絶縁用にボンド磁石の表面にコーティングを施すことが好ましい。更に、N極やS極の方向性を選択することがなく、ボンド磁石を組み立てる際に作業ミスが発生する虞れがない。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。例えば、ガラス基板と半導体基板であるシリコン基板を接合した構成であるが、ガラス基板を半導体基板に置き換え、半導体基板の双方を接合することもできる。
【0109】
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1A】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す断面図、(b)は(a)の端子用基板30a及び30bの配置例を示した構成図である。
【図1B】(a)は図1A(a)に示される第2のガラス基板12及び断熱部材19に代えてステンレス金属(ステンレス鋼)の金属板12aを用いた燃料電池システムの構成例を示す断面図、(b)は図1B(a)の端子用基板30a及び30bの配置例を示した構成図である。
【図2】図1A(a)に示された燃料電池システム10の圧力調整機構の部分の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】燃料電池セルユニット20と水素吸蔵合金容器筐体18を接合して組み込んだ例を示した外観斜視図である。
【図4】燃料電池セルユニットの構造を示す断面図であり、図4(a)は一方の端部近傍の断面図、図4(b)は他方の端部近傍の断面図である。
【図5】第1の実施形態に於ける2種類の燃料電池システムのブロック構成図である。
【図6】ROMに格納されるデータ項目を表した表である。
【図7】シリコン基板上の検出用圧力センサから圧力調整弁への印加電圧について説明するための図である。
【図8】燃料電池システムと2次電池やCPUが内蔵された電子機器の残量表示の組み合わせについて説明するブロック構成図である。
【図9】ユーザの指定による選択される燃料電池の画面の表示例を示した図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に於ける燃料電池セルユニットの構造を示すもので、(a)は第2の金属板側を示す斜視図、(b)は第1の金属板側を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0111】
10…燃料電池システム、11…第1のガラス基板、12…第2のガラス基板、13…第1のシリコン基板、14…第2のシリコン基板、15…温度センサ、16…ヘッドアンプチップ(HAチップ)、17…水素吸蔵合金容器、18…水素吸蔵合金容器筐体、19…断熱部材、20…燃料電池セルユニット、21…配管経路A、22…配管経路B、24…水素補給口、25…空気吸引口、26…フィン、28…ボンディングワイヤ、29、33…ピン端子、30a、30b…端子用基板、43…ダイヤフラム、44…空洞部、47…中継端子基板、51…通気口、52a〜52c…突起部、54…冷却用フィン、55…空気流入口、57…空気吸入口、58…水素排出口、59…水素補給口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、携帯用電子機器等に水素等の燃料電池を電源とする燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素やメタノール等の燃料電池は、軽量化や利便性等に起因して、例えば、ビデオカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯用電話機、携帯情報端末機(Personal Digital Assistants :PDA)、オーディオプレーヤといった各種情報処理装置の燃料電池としての用途が考えられる。
【0003】
本発明は、水素吸蔵合金材料を適用した水素吸蔵合金容器及びそれを用いた燃料電池システムに関するもので、特に携帯機器用に使用する燃料電池システムが提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、ガス放出機構は圧電体を用いた水素逃がし弁と流路とで構成され、その構造は圧力調節機構と同様である携帯機器用燃料電池システムが記載されている。このシステムは、また、水素吸蔵合金容器内の水素圧力を検知するために1次圧力検知機構を有し、圧電体水素逃がし弁の動作を圧力制御回路により行う。
【0005】
1次圧力検知機構で生じた電位差は、リード線により圧力制御回路に伝達される。水素吸蔵合金容器内の圧力が規定圧力以上となった場合、圧力制御回路から圧電体水素逃がし弁に電圧を印加して、水素を外部に放出する。この結果、水素を安全に外部に放出できる。
【0006】
水素吸蔵合金容器の内圧が規定圧力以上となった場合、1次圧力検知機構により規定圧力以上となったことを検知し、燃料電池セルが動作するよう圧力制御回路によって圧力調節機構の圧電体に電圧を印加し、水素を供給して燃料電池セルを駆動させる。燃料電池セルが駆動していない場合に圧電体制御弁を動作させるための電圧印加は、2次電池に予め蓄積された電力を利用する。
【0007】
また、下記特許文献2では、一般的に燃料電池ユニットの場合には板状の固体高分子電解質と、その一方側に配置されたカソード側電極板と、他方側に配置されたアノード側電極板と、上記カソード側電極板の表面に配置され内面側へのガスの流通を可能とするカソード側金属板と、上記アノード側電極板の表面に配置され内面側への燃料の流通を可能とするアノード側金属板とを備える燃料電池が記載されている。この燃料電池は、両側の金属板の周縁を電気的に絶縁した状態でカシメにより封止してあり、該金属板により挟持されている。
【特許文献1】特開2004−362786号公報
【特許文献2】特開2006−092783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、上記特許文献1等のような水素吸蔵材料及びそれを貯蔵する容器を具備する小型燃料電池システムに於いて、上記特許文献1及び特許文献2の技術を組み合わせた場合には、以下の問題点がある。
【0009】
通常、水素吸蔵合金容器筐体と燃料電池セルユニットとの組み合わせに於いて、上記燃料電池セルユニットの上面には、複数の通気口を設けることが一般的である。しかしながら、外部から供給される空気をどのようにして燃料電池セルユニット上面の通気口へ導くか、或いは携帯用電池収納室へ燃料電池を挿入後に保持したとき、安定性や信頼性を確保できるかは、上記特許文献1及び特許文献2に明確な記載はされていない。
【0010】
上記水素吸蔵合金容器筐体の上面にガラス基板が露出し、上記燃料電池セルユニットの水素吸引口を結合したことで組み立て作業が困難となる。また、上記水素吸蔵合金容器筐体の上面には、上記燃料電池ユニットとの位置合わせをするための位置決めを要し、燃料電池セル側に設けた水素吸入口を接着剤で接合するときに作業者のミスが発生する虞れがある。更に、機械的な負荷を加えるために、電極板を保護する工具及びカシメ等の特殊工具も必要とする。そのため、作業が複雑で、熟練者による作業工程が必要となる。
【0011】
したがって本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水素吸蔵合金容器と燃料電池セルユニットとを結合する際に、簡単な位置決め作業や組立工程を簡素化した燃料電池システム及び端末用機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち請求項1に記載の発明は、水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、を具備した燃料電池システムに於いて、上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に複数の突起部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記水素吸蔵合金容器筐体の上面に突起した配管経路を設けたガラス基板を露出し、上記配管経路と上記燃料電池セルユニットの水素注入口を結合したことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記燃料電池セルユニット内に配置された第1の金属板と第2の金属板の間に電極板を有し、上記電極板の接触圧力は、上記第1の金属板に配置された永久磁石と上記第2の金属板に配置された磁性材との吸引力から成ることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記燃料電池セルユニット内に配置された上記第1の金属板には上記第2の金属板との位置合わせをするための複数の位置決めピンが立設されていることを特徴する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記第2の金属板内に曲げ作用を有する弾性変形部分を形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明に於いて、上記水素吸蔵合金の筐体の外表面に、フィンと、該フィンの凹部に通気口を形成したことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池システムと、更に、2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池システムとの間に配置された切り替えスッチを具備することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明に於いて、上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に形成された複数の突起部と、を有する燃料電池ユニットと、2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池ユニットとの間に配置された切り替えスッチと、を有する端末用機器と、を具備することを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、水素吸蔵合金容器と燃料電池セルユニットとを結合する際に、簡単な位置決め作業や組立工程を簡素化し、且つ機器全体の小型化及び信頼性を高くすることが可能な燃料電池システム及び端末用機器を提供することができる。
【0023】
また、本発明によれば、水素吸蔵合金容器筐体の上面に突起した配管経路を設けたガラス基板を露出し、上記配管経路と上記燃料電池セルユニットの水素注入口を結合したことで組み立て作業が簡単となる。
【0024】
更に、本発明によれば、水素吸蔵合金容器筐体の上面には上記燃料電池ユニットとの位置合わせをするための位置決めピンが形成されていることで、燃料電池セル側に設けた水素吸入口を遊嵌し、接着剤で接合するときに作業者ミスの発生を防止できる。
【0025】
本発明によれば、機械的な負荷を加えることなく、特殊の工具などを必要とせず、作業工程が簡単となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1A(a)は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す断面図である。
【0028】
図1A(a)に於いて、燃料電池システム10は、燃料電池セルユニット20へ水素を供給する際の水素圧力を水素吸蔵合金の平衡圧力以下に調整する機能を有する圧力調整機構が第2のシリコン基板14上に形成された水素流路の上層と、第1のガラス基板11上に形成された第1のシリコン基板13により設けられた水素流路の下層とが、水素吸蔵合金容器筐体18に設けられて構成されている。
【0029】
第1のガラス基板11上には、第1のシリコン基板13及び第2のシリコン基板14が配置されている。第1のガラス基板11上に載置された第2のシリコン基板14には、温度センサ15や振幅検出回路(信号増幅回路)用のヘッドアンプチップ(HAチップ)16が埋め込まれている。一方、第1のシリコン基板13上の第2のシリコン基板14には、第1のガラス基板11を介して水素吸蔵合金容器17に延出された配管経路A21と、第2のガラス基板12及び断熱部材19を介して燃料電池セルユニット20に延出された配管経路B22が設けられている。これら配管経路A21及び配管経路B22は、燃料電池セルユニット20に水素を供給するために接続されている。
【0030】
上記第2のガラス基板12は、第1のガラス基板11との空間に配置された各圧力センサや圧力調整弁の素子が静電破壊を防止するため、第1のガラス基板11と平行に位置するように図示されない保持板に接着されている。燃料電池セルユニット20は水素を燃料として電力を供給するもので、導電性粉体を芯材とし、この芯材を不織布から成る袋中に封入し、外皮で被覆した真空断熱材である断熱部材19を介して第2のガラス基板12が密着されている。この真空断熱材を用いるときは、断熱部材19の厚みが数mmとなるために、第2のガラス基板を用いずに直接、真空断熱材を水素吸蔵合金容器筐体18に接着することが望ましい。
【0031】
また、水素吸蔵合金容器17及び水素吸蔵合金容器筐体18には、水素補給口24が設けられている。この水素補給口24は、着脱式で接続することにより弁が開くような機構を有している。そして、水素補給口24に、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の孔質によって水素を発生する水素発生器等の水素補給ボンベが接続されて注入されることによって、水素吸蔵合金容器17内の水素吸蔵合金へ水素が補給、貯蔵される。
【0032】
水素吸蔵合金容器17は、厚み方向の長さが短い直方体形状を呈し、厚み方向の水素吸蔵合金容器17上に、燃料電池セルユニット20が密着して配置されている。水素吸蔵合金容器筐体18の外形寸法の一例として、矩形形状した水素吸蔵合金容器筐体18を構成する材料としては、水素吸蔵合金容器17の圧力に耐えるように、アルミニウム或いはステンレス等の金属が用いられる。水素吸蔵合金容器筐体18の外表面は、アルミニウムの場合は多数の溝加工等により冷却用のフィン26が複数形成されている。
【0033】
また、第1のガラス基板11と第2のガラス基板12との間には、空気吸引口25が挿入されている。空気吸引口25は、図1A(b)に示される端子用基板30a、30bが取り付けられた水素吸蔵合金容器筐体18の一面を除くフィン26の溝部に開口を設けることにより、携帯用機器を挿入時に端子用基板30aの端子に押圧するための板ばね部材(図示せず)に妨げられることなく、空気吸引することができる。また、燃料電池セル20と第2のガラス基板12との間に断熱部材19を介することで、燃料電池セルユニット20から発生する熱を遮断することができ、第2のシリコン基板14上に配置した温度センサ15の誤検出を防ぐことができる。更に、上記端子用基板30a、30bにはピン端子29、33が結合されている。上記ピン端子33は燃料電池セルの出力電圧用に用いられる。また、上記ピン端子29、温度センサ15、HAチップ16や中継端子基板は、ボンディングワイヤ28によって接続されている。
【0034】
また、上記端子用基板30aには、図1A(b)に示されるように、後述する温度センサ、検出用圧力センサ、圧力調節弁から制御回路へ送信する信号線31a〜31hと、燃料電池セル側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線と安全弁、検出用圧力センサと圧力調節弁へ電力供給する駆動線32a〜32gの端子が設けられている。また、端子用基板30bには、燃料電池セル側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線の1端子30bとアース端子(GND)31iとが設けられている。
【0035】
同一端子用基板上に異なる2組の電力供給する駆動線を配置することで、燃料電池システム内の配線の引き回しをすることなく、組み立て工数を削減することができ、燃料電池システム内を簡素化することができる。尚、上記第1のガラス基板11と第2のガラス基板12の間は、圧力調整機構として構成されている。
【0036】
ここで、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの他の構成例について説明する。
【0037】
図1Bは、図1A(a)に示される第2のガラス基板12及び断熱部材19に代えてステンレス金属(ステンレス鋼)の金属板12aを用いた燃料電池システムの構成例を示す断面図、図1B(b)は図1B(a)の端子用基板30a及び30bの配置例を示した構成図である。
【0038】
図1B(a)に於いて、この金属板12aには、第2のシリコン基板14側に燃料電池セル20の冷却用に多数個の凹形状したフィン26と燃料電池セル20を支持する数個の突起部12bが設けられている。更に、燃料電池セル20の下面で、配管経路22の近くには温度センサ15が配置され、該温度センサ15の配線を整列配置するために、金属板12aに、図示されていない長溝が形成されている。この温度センサ15の表面と燃料電池セル20の下面とは、接触または微小の隙間を有している。また、温度センサ15は、燃料電池セル20の背面位置で対向するようにしてもよい。
【0039】
第1のガラス基板13上に第2のシリコン基板14を形成し、この第2のシリコン基板14上にHAチップ16や正弦波発生回路38が接合されている。その他の各部品の配置は、図1A(a)に示される燃料電池システムと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0040】
また、端子用基板30aには、図1B(b)に示されるように、後述する検出用圧力センサ、圧力調整弁から制御回路(図8に示されるCPU125)へ送信する信号線31a〜31gと、燃料電池セル側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線や安全弁、検出用圧力センサと圧力調整弁へ電力を供給する駆動線32a〜32eの端子が設けられている。また、端子用基板30bには、温度センサへ電力を供給する駆動線32gと、温度センサから制御回路(CPU125)へ送信する信号線31gとが設けられている。ここでは、ピン端子29が半導体基板に整列しやすいように、端子用基板30aの複数のピン端子29が奥から手前に整列配置になるように、端子基板30aが水素吸蔵合金筐体18に接合されている。
【0041】
このように、燃料電池セル近傍に温度センサを配置すると、燃料電池セルの温度上昇をほぼ直接的に温度センサで温度監視することができ、燃料電池システムを円滑に起動することができ、デバイス負荷部や2次電池への電力供給を行うことができる。
【0042】
水素吸蔵合金の平衡圧力は水素吸蔵合金の温度によっても変化し、温度上昇に伴って平衡圧力も増加する。例えば、AB5型のLaNi5を主成分とする水素吸蔵合金を用いた場合、使用環境が0〜45℃程度であることを想定し、平衡圧力が0℃で常圧以上、45℃で0.6MPa、そして60℃で1.0MPaを越えないように20℃の平衡圧力が0.25〜0.35MPa程度の水素吸蔵合金用材料を用いると好適である。水素吸蔵合金容器筐体18は、燃料電池セルユニット20と組み合わされ、水素吸蔵容器17から燃料電池セルユニット20への経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池システムとなる。上記温度センサ15は、こうした水素吸蔵合金容器筐体18内の温度を測定するために設けられている。
【0043】
このように、水素吸蔵容器筐体は燃料電池セルと組み合わされ、水素吸蔵容器から燃料電池セルへの経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池システムとなる。
【0044】
図2は、図1A(a)に示された燃料電池システム10の圧力調整機構の部分の詳細な構成を示す断面図である。
【0045】
図2に於いて、第1のガラス基板11は、水素吸蔵合金容器17上に、傾き調整部材35及びOリング(パッキン材)36を介して配置されている。そして、第1のシリコン基板13上に第2のシリコン基板14と第3のシリコン基板37とが形成され、及び温度センサ15は第3のシリコン基板37上に配置されている。尚、ここでは温度センサ15は第3のシリコン基板37上としているが、図1A(a)に示されるように第2のシリコン基板14としてもよい。
【0046】
第2のシリコン基板14上の上部位置には、ダイヤフラム43に接合された可動側の駆動電極板45が設けられている。また、中継端子基板47には固定側の駆動電極板46が設けられている。この可動側駆動電極板45と固定側駆動電極板46は、対向する位置に配置され、静電容量変化を検出するように1組として構成されている。この場合には、図示されないが、2組の駆動電極板を配置するとよい。
【0047】
下面側に流路を形成する第1のシリコン基板13と検出用圧力センサとの間には、空洞部44を有している。この空洞部44の内表面には、第2のシリコン基板14がガス等で腐食するのを保護するための保護膜42が形成されている。
【0048】
一方、第3のシリコン基板37には上面には、水晶発振器を用いた正弦波電圧回路40と振幅検出(駆動回路/振幅検出)回路用のICチップ38が結合されている。更に、第3シリコン基板37の上側には、複数のピン端子29aが結合されている。第3のシリコン基板37の下部には、温度センサ15が固着され、その両サイドはリード線用の貫通した孔が形成されている。
【0049】
以上のICチップや中継端子基板、複数のピン端子は、ボンディングワイヤ群28a(ボンディングワイヤ28)で接続されている。動作は、制御回路(図8に示されるCPU125)の指示信号により正弦波電圧回路40(発振器及び駆動回路/振幅検出回路用のICチップ38の駆動回路)は強制振動するダイヤフラム43に圧力が加圧したり減圧すると、その出力信号に応じた振幅を検出する駆動回路/検出回路用のICチップ38の振幅回路からの出力信号を制御回路(CPU125)に入力する。制御回路(CPU125)は、温度センサからの出力信号からROM(温度特性のデータ)から読み出し、流体流路の管内圧力値に基づいてフィードバック制御が行われる。
【0050】
尚、水素吸蔵合金容器筐体と開閉弁との間に細い配管(キャピラリー)を配置すると、水素が通過する際の圧力損により圧力調整弁駆動時の圧力を下げるものであるため、圧力調整器が負荷を低減することもできる。
【0051】
図3は、上述した燃料電池セルユニット20と水素吸蔵合金容器筐体18を接合して組み込んだ例を示した外観斜視図である。
【0052】
このように、燃料電池セルユニット20は、水素吸蔵合金容器筐体18に装着されて、図示されない紫外線硬化型の接着材でシールした構造である。上記燃料電池セルユニット20は、複数の通気口51が設けられたステンレス金属で覆われたカソード電極が、燃料電池セルの上面に露出される。更に、燃料電池セルユニット20の上面には、複数の突起部52a、52b、52cが設けられている。
【0053】
この燃料電池システムの本体は、水素吸蔵合金容器筐体18と燃料電池セルユニット20のそれぞれのユニットで結合されている。図3に於いて手前の突起部52bと52cの間には、空気を通過させるための開口部(例えば、携帯用電池収納室に燃料電池システムが挿入されると空間部(空気の流通できる)となる空気流入口55が設けられている。この空気流入口55と冷却用フィン54の突起との交わる線上は、半径0.3〜1mm程度の面取りが設けてある。また、開口部間に位置する立設された突起部端のエッジ部にも、同様の面取り(半径0.3〜1mm程度)が設けられている。
【0054】
更に、燃料電池システムの正面には、短冊状に凹凸の形状に形成された複数の冷却用フィン54が設けられている。これらの冷却用フィン54の凹部には、空気吸入口57、水素排出口58、水素補給口59が設けられている。
【0055】
このような構成に於いて、図示されていない電池収納室に燃料電池システムが挿入されると、燃料電池システム側の空気流入口55とモルトプレーンが接合された電池蓋(図示せず)とは、所望の間隔で離間している。電池蓋のモルトプレーンから吸引されて空気流入口55を通過した空気は、複数設けられた通気口51へ吸い込まれる。このとき、図3に示されるように、空気流入口55の突起部や冷却用フィン54の凸部を面取りすることで、流入した空気が空気流入口55の出口での渦巻き流(キャビテーション現象)を低減することが可能となる。
【0056】
図4は燃料電池セルユニットの構造を示す断面図であり、図4(b)は一方の端部近傍の断面図、図4(b)は他方の端部近傍の断面図である。
【0057】
燃料電池セルユニット20は、例えば75〜100μm程度の板材から成る高分子固体電解膜61、アノード側電極板62、0.5〜1mm程度のステンレス鋼で構成される第1の金属板64、カソード側電極板63と、例えば0.5〜1mm程度の磁性材から成る第2の金属板66を備えている。この第2の金属板66には、エッチングにより形成された複数の通気口(空気吸引口67)が形成されている。
【0058】
第1の金属板64上に配置された高分子固体電解膜61と第1の金属板64の内側の側壁との隙間(空間部)には、厚さ方向に磁化されたフィルム磁石層71aが接着されている。フィルム磁石層71aは、SmCo等の希土類磁石から成るフィルム層と、第1の金属板64とが紫外線硬化型接着剤で接合されている。
【0059】
また、第1の金属板64上には、水素注入口65が形成されていると共に、複数の位置決めピン72aが立設されている。そして、高分子固体電解膜61と、アノード側電極板62及びカソード側電極板63とが積層されており、第2の金属板66に絶縁材料から成るブッシュ75aが埋め込まれている。
【0060】
組み立て手順としては、第2の金属板66のブッシュ75aを位置決めピン72aに挿入することにより、フィルム磁石層71aの吸着力により、第1の金属板64と第2の金属板66が結合する。したがって、高分子固体電解膜61、アノード側電極板62、カソード側電極板63の積層構造から、相互に加圧される構造になっている。
【0061】
この燃料電池システムは、上述したように、ユニットの両端を合成樹脂やゴム材から成るシール材で封印して、外形形状を矩形形状とすると共に、上面に複数の突起部が形成されている。更に、水素吸蔵合金容器筐体の上面に、燃料電池セルの長手方向に沿って凹面を形成し、該凹面の深さは断熱部材19の上面または第2のガラス基板12の上面とする。露出する配管経路B22の孔位置と水素注入口65を一致させるように、紫外線硬化型接着剤で接合する。
【0062】
このように、水素吸蔵合金容器筐体の上面に凹部を設け、この凹部に燃料電池セルユニットを挿入し、合成樹脂部の両側を圧入し、図示されない小ネジや接着剤で結合し、上面に複数の突起部が露出するようにする。このように、燃料電池セルユニット20に突起部を形成することで、組み立てが簡単となる。
【0063】
また、フィルム磁石層71aの吸引力を適宜に選択することで、高分子固体電解膜61、アノード側電極板62とカソード側電極板63との積層構造から、相互に加圧量を調整し、第1及び第2の金属板64、65を一体化させることができる。この場合、第2の金属板66内に曲げ作用を有する複数のスリ割り68と、カソード側電極板63と押圧する押圧部69を有している。
【0064】
このように、第2の金属板66内に於いて、部分的に押圧部69を設けることで、カソード側電極板63への周辺部に一様に接触させるために2次加工面とすることで、平坦性を維持することができる。
【0065】
更に、図示されない電池収納室に、燃料電池システムが挿入され、燃料電池システムの突起部と、電池収納室の内表面のガイド面との接触圧による加圧量増減がないようにする。また、水素吸蔵合金容器筐体18の上面に複数の位置決めピンを立設して、燃料電池セルユニット20内の第1の金属板64または合成樹脂部に複数の嵌合孔を設け、この燃料電池セルユニット内の嵌合孔を水素吸蔵合金容器筐体の位置決めピン72aに沿って挿入した後、紫外線硬化型接着剤で接合することで、水素吸蔵合金容器筐体18と燃料電池セルユニット20とは正確な位置決めが可能となる。
【0066】
図4(b)は、上述した図4(a)に示される燃料電池セルユニットの他方の端部近傍を表している。
【0067】
この他方の端部についての構造は、図4(a)に示される燃料電池セルユニット20の構造とほぼ同じ形状である。したがって、図4(a)と同一の構成要素にて参照番号のaをbに代える以外は同一の参照番号を付すものとし、ここでの説明は省略する。但し、上面の突起部は幅方向に全面となり、空気流入口となる段差は設けられていない。
【0068】
図5は、第1の実施形態に於ける2種類の燃料電池システムのブロック構成図である。
【0069】
図5(a)に於いて、上述した水素吸蔵合金容器筐体18内には水素吸蔵合金容器80を有している。この水素吸蔵合金容器80からは、図示されない配管経路Aを介して開閉弁81、検出用圧力センサ82、更に安全弁83、圧力調整弁84及び補助用圧力調整弁85が配置されている。圧力調整弁84及び補助用圧力調整弁85は、図示されない配管経路Bを介して燃料電池セル86に接続されている。
【0070】
開閉弁81は、配管経路Aに接続された際に開き、接続が解除された際に閉じる弁機構を兼ね備えた水素補給の開閉弁である。安全弁83は、検出用圧力センサ82と外気口との間に接続され、公知技術である静電駆動方式のマイクロバルブや熱変形導電材料(例えば、形状記憶合金材料)のダイヤフラムによる構成であり、オン(弁が開く)やオフ(弁が閉じる)が可能なスイッチ機能を有している。
【0071】
また、図5(b)に於いて、水素吸蔵合金容器90からは、図示されない配管経路Aを介して第1及び第2の開閉弁91及び92、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94が配置されている。そして、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94と外気口との間には、第1及び第2の安全弁95及び96が配置されている。また、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94と燃料電池セル99の間には、第1及び第2の圧力調整弁97及び98が配置されている。
【0072】
次に、水素吸蔵合金容器への水素の補給と燃料電池セル駆動時の動作について説明する。
【0073】
図5(b)を参照すると、図示されていない水素補給時には、水素吸蔵合金容器90は着脱式で接続することにより弁が開くような機構を有する水素補給口に、上述した水素補給ボンベが接続され、水素補給口を介して水素吸蔵合金容器90内の水素吸蔵合金へ水素が補給、貯蔵される。補給された水素は水素吸蔵合金中に貯蔵される他、配管経路、更に開閉弁以降は遮断された状態で、第1及び第2の開閉弁91及び92から燃料電池セル99までの配管経路に残量水素ガスが存在する。携帯用機器の電源スイッチがオンされると第1及び第2の開閉弁91及び92が開き、水素吸蔵合金に貯蔵されたが圧力調整弁まで供給されて残量水素ガスと混合され、水素吸蔵合金内の内圧と同じとなる。
【0074】
次に、第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94の検出器からの出力信号を、図示されないメモリ(ROM)に格納された温度特性のテーブル表(例えば、図6(a)の表)に換算して圧力調整弁を開く。水素燃料電池セル動作時は、燃料電池セル99への水素ガス圧が0.1MPaになると燃料電池セル99が動作を開始する。消費された水素を補給すべく水素吸蔵合金に貯蔵された水素が、図5(a)に示される例(A社)では開閉弁があり、この開閉弁81から、検出用圧力センサ82、圧力調整弁84を順次経由して燃料電池セル86に供給される。燃料電池セル86側の水素圧力を一定に保持しながら燃料電池セル86が継続的に動作して、図示されていない携帯用機器等に安定に電力を供給する。この場合、検出用圧力センサ82と安全弁81とは直接接続されている。尚、図6(a)の表には水素吸蔵合金種類、水素吸蔵量、安全弁と流路数、電気容量、管内圧力限界値、圧力センサ感度、製造年月等の管理する管理データが格納されている。更に、図6(a)の表に基づいて、圧力調整弁の放出流量の演算をする場合は、検出用圧力センサから出力される実測値と圧力調整弁から出力される実測値の差圧を求めることにより検出できる。
【0075】
本実施形態では、高圧水素ガスによる圧力調整弁にかかる負荷を軽減するために、図6(b)に示される例(B社)では複数(ここでは2個)の開閉弁91、92と検出用圧力センサ93、94、圧力調整弁97、98が並列に配置されている。第1及び第2の検出用圧力センサ93及び94が、それぞれの第1及び第2の安全弁95及び96と直接接続されている。そして、第1及び第2の安全弁95及び96は外気口に接続されている。第1及び第2開閉弁94及び92と第1及び第2の安全弁95及び96は公知技術である静電駆動方式のマイクロバルブや熱変形導電材料(例えば、形状記憶合金材料)から構成された、オン(弁が開く)やオフ(弁が閉じる)が可能なスイッチ機能を有したダイヤフラムの動作で、それぞれの弁が開く。尚、他の例(C社)として、第2の安全弁を使用しない場合には、ダミー用として形成されている。
【0076】
ここで、B社の場合には、水素ガスが分圧される所定時間後、検出用圧力センサが所望値になると第1の開閉弁91は閉じ、第2の開閉弁92を開いた後、第2の検出用圧力センサ94が監視を行う。第1及び第2の開閉弁95及び96は検出用圧力センサの監視の基にオン・オフ動作を繰り返す。検出用圧力センサが所望の水素ガス圧になると、圧力調整弁が制御を開始し、燃料電池セル内では0.1MPa圧になるように制御する。更に、圧力調整弁を保護するために複数の開閉弁を同時に使用することも可能である。
【0077】
このようなオン・オフ動作を繰り返す構成に於いては、CPUやアナログスイッチ等のチップが第2のシリコン基板に埋め込まれていることが望ましい。
【0078】
次に、図7を参照して、シリコン基板上の検出用圧力センサから圧力調整弁への印加電圧について説明する。
【0079】
図7に示されるように、燃料吸蔵合金材料であるAB5型のLaNi5やAB2型合金を例として説明する。これらの合金材料の温度特性は、メーカや同じメーカで製造される種別により異なることになる。本実施形態では、この温度特性のテーブル表に基づき、圧電調整弁に印加する電圧を決定することにより、燃料吸蔵合金材料による誤差値(例えば、A社、B社製造による水素吸蔵合金の温度特性が異なる場合、現使用温度35℃の状態下に於いて、δ値)を補正することができる。(この場合、20℃に於けるA社製では0.25MPa、B社製では0.40MPaとしている。また、限界値はA社製とB社製も1MPaとしている。)
残量表示用圧力基準温度を27℃とする。例えば、水素やメタノール等の燃料電池を電源とする一眼レフ型デジタルカメラ等の情報機器では、EL(エレクトロルミネッセンス)素子やLED(発光ダイオード)等による表示照明装置は消費電力が多く、照明表示制御は使い難いものとなる。或いは、交換レンズとカメラ本体との通信による交換レンズ着脱検出等の撮影準備動作等を含め、実際に使用している場合(例えば、シャッタチャンスを待つとき)に於いて撮影しようとすると、使用者の意思に反する動作を引き起こすことになり、デジタルカメラ側に依存しきった姿勢制御による燃料電池の残量表示や機器動作可能時間表示等の自動的な管理は、使用者の意思と一致しないという問題がある。
【0080】
以上のことから、残量表示をする際には、できるだけ、温度特性に影響を受けないことから、現在の環境使用時の温度を35度とする。
【0081】
ここで、水素吸蔵合金材料に要求される性質は反応が早く、吸蔵圧と放出平衡圧のヒステリシスがあり、材料等の違いによる発生する誤差を補正することを目的とする。温度センサが配置されている場所と、水素吸蔵合金容器筐体からの配管経路Aの内圧温度との温度差及び圧力センサの内圧温度差がある。電子機器の使用状況に於いて、その都度、測定して残量表示をすることは困難である。初期値を20℃とし、その平均である27.5℃(例えば、予め決められたグループの範囲でCPUからの指示は27℃)の圧力センサ値からPCT線図により残量表示値を求めることができ、温度変化による過圧力の影響を受けることなく残量表示誤差を抑えることができる。
【0082】
ここで、平均値やグループ化(温度測定範囲を予め2℃から3℃毎にプロットして測定点を決め、その上下範囲を測定点と見なす方法)することにより、工場出荷時に於いて、予め測定された温度毎の圧力線図を格納するメモリの記憶容量を少なくすることができる。或いは、図示されないが、水素吸蔵合金容器内の壁に発振器を用いた複数から成る一対の駆動電極板からダイヤフラムを接合するような圧力センサを内蔵した場合等も、温度センサが配置している位置と金属材料で覆われた水素吸蔵合金容器内では温度差がある。水素吸蔵合金容器内の一対から成る駆動電極板は離間して配置し、残存量が少なくなった場合には差動出力信号に切り替えることもできる。このように、環境下での違いがあることから、現在の使用環境温度35℃と温度特性に用いられる常温20℃の平均値の温度テーブル表を用いる。
【0083】
水素吸蔵合金容器内に、一対から成る駆動電極板を用いて残量容量を測定する場合や、公知の歪ゲージによる残量水素量を測定する場合(特開平6−33787号公報)等に於いて、出荷前に予めデータ特性表を求めるために製品と同じ容器を2次加工して、温度センサの出力が20℃、23℃、27℃、30℃、32℃、35℃、40℃、45℃毎に変化できるためにサーモモジュールを容器の外表面に取り付ける。水素吸蔵合金容器のバルブを開き、温度毎の水素流量計で放出水素量を求め、対応する一対の駆動電極板からの振幅電圧回路を経て残量水素量を求める。すなわち、図5(a)の燃料電池の構成に於いて、この放出水素量毎に於ける燃料電池の消費総時間の関係が求まる。
【0084】
残量表示は、残量時間または(残量時間/消費総時間)の%表示とし、残量時間は消費総時間から圧力調整弁と安全弁の使用回数及び使用時間の累積を減算することで求まる。また、各温度に於けるPCT係数を決め、相関(重み付け)を決めておくことになる。ここで得られたデータ(図6(a)、(b)の表)がROMに格納される。このようにすると、水素吸蔵合金容器に設けた残量検出センサを省略することもできる。
【0085】
金属材料のステンレス材料から成る水素吸蔵合金容器筐体の外表面の凹面内にサーモモジュール(例えば、ペルチェ素子)配線基板を配置することで、CPUによる温度コントロールを20℃(常温)になるように行うことができる。その結果、検出用圧力センサの出力信号を安定化することができる。したがって、常温(20℃)に近傍のデータのみを格納することできる。したがって、メモリ(例えば、ROM等)の記憶容量を大幅に減らすことができる。
【0086】
次に、図8(a)及び(b)を参照して、燃料電池システムと2次電池やCPUが内蔵された電子機器の残量表示の組み合わせについて説明する。
【0087】
水素吸蔵合金容器筐体は、水素吸蔵合金容器100と、シリコン基板101上に配置された開閉102弁、検出用圧力センサ103、圧力調整弁104が形成されており、更に温度センサ105を有している。燃料電池セル110は、アノード電極111、カソード電極112及び高分子固体電解膜113から成っている。携帯用の電子機器(例えば、クレードル)120には、CPU125と、上述した開閉弁102や検出用圧力センサ103及び圧力調整弁104を初期駆動する2次充電器(2次電池)121と、該2次電池121の残量を検出する電流検出器、撮像ユニットや電子カメラ等(デバイス負荷部)123と、切り替えスイッチ122と、温度特性のデータ(ベンダや機種毎の管内圧力限界値:図6(a)、(b)の表)が格納されたメモリ(記憶手段)127と、燃料電池の残量表示を行う表示部128及びユーザ操作用入力キーから成る入力操作部126とが備えられている。
【0088】
圧力調整弁104からの配管経路は、アノード電極111に接続されている。CPU(制御回路)125は、シリコン基板101に埋め込まれた温度センサ105の出力信号をモニタする。また、燃料電池セル110の残量表示やデバイス負荷部123の電流値を監視する。CPU125は、燃料電池セル110が電子機器120に接続されると、切り替えスイッチ(SW)122によりデバイス負荷部123の出力信号から残量検出ができる。しかしながら、ここでは無視することで、検出用圧力センサ103の出力信号及び温度センサ105からの出力信号を優先して、メモリ127に格納されたユーザが指定したB社の水素吸蔵合金容器で、AB5型の水素吸蔵合金容器の種別及び温度特性から、データ(図6の(a)、(b)の表)の残量演算値を利用して、表示部(ディスプレイ)128に表示する。これにより、ユーザが確認することができる。
【0089】
例えば、図9(a)に示される例では、表示部128には水素吸蔵合金131とメタノール132が表示されているが、ユーザが操作入力部126を操作することによって、例えば図9(b)に示されるように、AB5型水素合金133とAB2型水素合金134を選択して表示させることができる。
【0090】
或いは、図9の一覧表示として、図9(c)や(d)に示されるように表示することもできるが、ユーザにとって、このような一覧表示から装着した燃料電池を選択することは使いにくいということも考えられる。したがって、デバイス負荷部123を製造する時には、メモリ127にデバイス負荷部123が使用できる水素吸蔵合金の種類の許可データを格納することが望ましい。
【0091】
デバイス負荷部123の動作開始信号が入力されたときの起動時は、CPU125が2次電池121を動作させる。つまり、図8(b)に示されるように、燃料電池セル110から2次電池121へは、切り替えスイッチ122によって充電時に接続されるようになっている。携帯用機器であるクレードルの場合には、デバイス負荷部(例えば、電子カメラ等)123が搭載され、燃料電池セル110が動作をすると、CPU125は切り替えスイッチ122を動作させ、2次電池121は休止する。そして、圧力調整弁104の制御や燃料電池セル110は動作状態となり、デバイス負荷部123が動作を行う。このようなとき、CPU125は、燃料電池セル110のみの使用や、燃料電池セル110と2次電池121の併用使用により、コンセントのない屋外等でも利用することができるというメリットがある。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0093】
上述した図4(a)及び(b)に示されるように燃料電池セルユニットを構成すると、第1の金属板64と第2の金属板66の形状については、内部圧力より該第1の金属板64と第2の金属板66の変形により、アノード側電極板62またはカソード側電極板63との接触不良が生じる虞れがある。この場合、第1の金属板64または第2の金属板66とアノード側電極板62またはカソード側電極板63との接触面積は、第2の金属板66の通気口の占有面積に大きく依存される。一般的には、第2の金属板66は第1の金属板64に比べて1/3〜1/2程度となる。
【0094】
このため、第2の実施形態では以下のように燃料電池セルユニットを構成している。
【0095】
図10は、本発明の第2の実施形態に於ける燃料電池セルユニットの構造を示すもので、(a)は第2の金属板側を示す斜視図、(b)は第1の金属板側を示す斜視図である。
【0096】
上述した高分子固体電解膜、電導性多孔質材から成るアノード側電極板とカソード側電極板とが積層され一体化されている。また、第1の金属板と第2の金属板によって狭持される燃料電池セルユニットを組み立てた場合には、第1の金属板と第2の金属板5の平坦性が要求される。
【0097】
例えば、厚さ0.1mmで第2の金属板(ステンレス材)151には、図示されるような形状にエッチング加工で通気口153が形成され、通気口153が設けられていない上層カバー150の上に重ねて結合される。このように形成することで、第2の金属板の深さ0・1mmの通気口の平坦性を確保することができ、ばらつきがなく正確に構成することができる。
【0098】
上層カバー150の中央部には、矩形形状した開口部153が形成されている。この開口部153は、第2の金属板151の通気口153に空気を送り込むための開口である。この開口部152と連結して、段差部155が形成されている。この段差部155と手前の側面部159との交わる直線部は、半径1mm程度のなめらかな球形状をしている。同様に、段差部155の両側の側面部156と上面との交わる直線部も、半径0.5mm程度のなめらかな球形状をしている。
【0099】
このように、中央手前の部分に段差部155を形成することにより、段差部155の両側に第1の突起部161と第2の突起部162が設けられている。第2の突起部162の高さは、第1の突起部161に比べ、0.5mm程度高く、段差になっている。これらは、図示されない携帯用機器の電池収納室に燃料電池システムを挿入する際に於けるガイド面となり、電池蓋から吸引された空気は、段差部155、開口部152から第2の金属板151の通気口153へと供給される。
【0100】
尚、開口部152の表面は、100個程度の円形、三角形、矩形等の小孔が分散した形状の開口部152の表面に置き換え、多数の小孔から空気を吸引させる変形とすることも容易である。
【0101】
通気口153を有するステンレス材料から成る平坦な第2の金属板151と合成樹脂製の上層カバー150は、リベット163で結合される。リベット163等の機械的な結合ではなく、接着剤による接合でもよい。
【0102】
上層カバー150の裏面部157には、長手方向に一対の磁性材(例えば、ステンレス304材)158が接着剤で結合されている。また、磁性材158の近傍には、位置決め穴156bと対を為す位置決め穴156aが設けられている。
【0103】
一方、高分子固体電解膜、アノード側電極板、カソード側電極板、第1の金属板と、第2の金属板との大きさを同一な面積とし、第1の金属板に水素流路を形成した場合には、水素流路の深さを均一にすることも問題とされる。
【0104】
これらの問題を解決するために、配管経路Bと嵌合するステンレス材料の第1の金属板にNi材をホットプレスやリベット等の機械的な結合で積層した後に重合する。そして、結合する以前に、このNi材に水素流路をエッチング加工により形成しておくことになる。
【0105】
例えば、厚さ0.1mmでNi板142には、図10(b)に示されるような形状にエッチング加工で通気口を形成し、配管経路B144の穴のみを有する第1の金属板141の上に重ねて結合する。このように形成することで、Ni板142の深さ0.1mmの水素流路143の平坦性を確保することができ、ばらつきなく正確に構成することができる。
【0106】
また、ステンレス材140から成る第1の金属板141には、長手方向の一対の永久磁石材料等のフィルム磁石層146a、146bを接着材で固着しておく。フィルム磁石層146a、146bの近傍には、一対の金属製の位置決めピン147q、147bが立設されている。尚、フィルム磁石層146a、146bは、アルニコ磁石、フェライト磁石、希土類磁石(例えば、SmC0等)の永久磁石を使用すると磁力が強く、磁石の肉厚を薄くすることができるが、高価である。したがって、ここでは、フェライトボンド磁石やプラスチックボンド磁石、或いはやゴムボンド磁石とする。
【0107】
ボンド磁石は安価であり、ボンド磁石が外面に露出しないので、磁石の破損もなく使用が可能である。ポンド磁石をエポキシ樹脂で第1の金属板141に接着できる。また、錆止めまたは絶縁用にボンド磁石の表面にコーティングを施すことが好ましい。更に、N極やS極の方向性を選択することがなく、ボンド磁石を組み立てる際に作業ミスが発生する虞れがない。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。例えば、ガラス基板と半導体基板であるシリコン基板を接合した構成であるが、ガラス基板を半導体基板に置き換え、半導体基板の双方を接合することもできる。
【0109】
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1A】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す断面図、(b)は(a)の端子用基板30a及び30bの配置例を示した構成図である。
【図1B】(a)は図1A(a)に示される第2のガラス基板12及び断熱部材19に代えてステンレス金属(ステンレス鋼)の金属板12aを用いた燃料電池システムの構成例を示す断面図、(b)は図1B(a)の端子用基板30a及び30bの配置例を示した構成図である。
【図2】図1A(a)に示された燃料電池システム10の圧力調整機構の部分の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】燃料電池セルユニット20と水素吸蔵合金容器筐体18を接合して組み込んだ例を示した外観斜視図である。
【図4】燃料電池セルユニットの構造を示す断面図であり、図4(a)は一方の端部近傍の断面図、図4(b)は他方の端部近傍の断面図である。
【図5】第1の実施形態に於ける2種類の燃料電池システムのブロック構成図である。
【図6】ROMに格納されるデータ項目を表した表である。
【図7】シリコン基板上の検出用圧力センサから圧力調整弁への印加電圧について説明するための図である。
【図8】燃料電池システムと2次電池やCPUが内蔵された電子機器の残量表示の組み合わせについて説明するブロック構成図である。
【図9】ユーザの指定による選択される燃料電池の画面の表示例を示した図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に於ける燃料電池セルユニットの構造を示すもので、(a)は第2の金属板側を示す斜視図、(b)は第1の金属板側を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0111】
10…燃料電池システム、11…第1のガラス基板、12…第2のガラス基板、13…第1のシリコン基板、14…第2のシリコン基板、15…温度センサ、16…ヘッドアンプチップ(HAチップ)、17…水素吸蔵合金容器、18…水素吸蔵合金容器筐体、19…断熱部材、20…燃料電池セルユニット、21…配管経路A、22…配管経路B、24…水素補給口、25…空気吸引口、26…フィン、28…ボンディングワイヤ、29、33…ピン端子、30a、30b…端子用基板、43…ダイヤフラム、44…空洞部、47…中継端子基板、51…通気口、52a〜52c…突起部、54…冷却用フィン、55…空気流入口、57…空気吸入口、58…水素排出口、59…水素補給口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、を具備した燃料電池システムに於いて、
上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に複数の突起部を有することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
上記水素吸蔵合金容器筐体の上面に突起した配管経路を設けたガラス基板を露出し、上記配管経路と上記燃料電池セルユニットの水素注入口を結合したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
上記燃料電池セルユニット内に配置された第1の金属板と第2の金属板の間に電極板を有し、
上記電極板の接触圧力は、上記第1の金属板に配置された永久磁石と上記第2の金属板に配置された磁性材との吸引力から成ることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
上記燃料電池セルユニット内に配置された上記第1の金属板には上記第2の金属板との位置合わせをするための複数の位置決めピンが立設されていることを特徴する請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
上記第2の金属板内に曲げ作用を有する弾性変形部分を形成したことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
上記水素吸蔵合金の筐体の外表面に、フィンと、該フィンの凹部に通気口を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
請求項1に記載の燃料電池システムと、
更に、2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池システムとの間に配置された切り替えスッチを具備することを特徴とする端末用機器。
【請求項8】
上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する請求項7に記載の端末用機器。
【請求項9】
水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に形成された複数の突起部と、を有する燃料電池ユニットと、
2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池ユニットとの間に配置された切り替えスッチと、を有する端末用機器と、
を具備することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項10】
上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する請求項9に記載の燃料電池システム。
【請求項1】
水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、を具備した燃料電池システムに於いて、
上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に複数の突起部を有することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
上記水素吸蔵合金容器筐体の上面に突起した配管経路を設けたガラス基板を露出し、上記配管経路と上記燃料電池セルユニットの水素注入口を結合したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
上記燃料電池セルユニット内に配置された第1の金属板と第2の金属板の間に電極板を有し、
上記電極板の接触圧力は、上記第1の金属板に配置された永久磁石と上記第2の金属板に配置された磁性材との吸引力から成ることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
上記燃料電池セルユニット内に配置された上記第1の金属板には上記第2の金属板との位置合わせをするための複数の位置決めピンが立設されていることを特徴する請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
上記第2の金属板内に曲げ作用を有する弾性変形部分を形成したことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
上記水素吸蔵合金の筐体の外表面に、フィンと、該フィンの凹部に通気口を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
請求項1に記載の燃料電池システムと、
更に、2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池システムとの間に配置された切り替えスッチを具備することを特徴とする端末用機器。
【請求項8】
上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する請求項7に記載の端末用機器。
【請求項9】
水素を燃料として電力を発電する燃料電池セルユニットと、該燃料電池セルユニットに水素を供給する水素吸蔵合金容器筐体と、該水素吸蔵合金容器筐体内に配置された第1の接続口と、上記燃料電池セルに配置された第2の接続口との間に配設されたシリコン基板に形成された検出用圧力センサと、圧力調節弁と、上記水素吸蔵合金容器筐体と上記燃料電池セルユニットとを結合し、該燃料電池セルユニットの上面に形成された複数の突起部と、を有する燃料電池ユニットと、
2次電池と、デバイス負荷部と、複数の温度特性に於ける圧カ−組成等温線(PCT)係数を有する記憶手段と、上記デバイス負荷部及び2次電池と上記燃料電池ユニットとの間に配置された切り替えスッチと、を有する端末用機器と、
を具備することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項10】
上記端末用機器は、上記デバイス負荷部を載置したクレードル装置であることを特徴する請求項9に記載の燃料電池システム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−47504(P2008−47504A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331125(P2006−331125)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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