説明

燃料電池システム

【課題】燃料電池システムにおいて、燃料ガス漏れ判定を行える構成において、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを防止することである。
【解決手段】燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と昇圧コンバータ46と制御部40と電流センサとを備える。電流センサは、昇圧コンバータ46または昇圧コンバータ46と燃料電池スタック12との間を流れる電流を検出する。制御部40は、燃料ガス供給流路22での水素ガス漏れを判定する手段であって、燃料ガス供給流路22内の圧力を上昇させ、その後の圧力変動に応じて水素ガス漏れを判定するガス漏れ判定処理を行うガス漏れ判定手段74と、ガス漏れ判定処理中での、電流センサの検出電流値または検出電流値に基づく電流時間積算値が閾値以上である場合に、昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定する短絡故障判定手段76とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガス供給源から燃料ガス流路を通じて燃料ガスが供給され、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の出力電圧を変換する電圧変換装置とを備える燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池スタックは、例えばアノード側電極、電解質膜およびカソード側電極から成る膜−電極アセンブリ(MEA)とセパレータとを1組の燃料電池セルとして、これを複数組積層することにより構成している。すなわち、各燃料電池セルは、高分子イオン交換膜から成る電解質膜の一方の面にアノード側電極を、他方の面にカソード側電極を、それぞれ配置して、さらに両側にセパレータを設けることにより構成している。そして、このような燃料電池セルを複数組積層し、さらに集電板、絶縁板およびエンドプレートで狭持することにより、高電圧を発生する燃料電池スタックを構成する。
【0003】
このような燃料電池では、アノード側電極に燃料ガス、例えば水素を含むガスを供給すると共に、カソード側電極に、酸化ガス、例えば空気を供給する。これにより、燃料ガスおよび酸化ガスが電気化学反応に供されて、起電力を発生し、カソード側電極では、水が生成される。
【0004】
従来から、燃料電池システムでは、安全性の観点から、システム起動時に燃料ガスを流す配管等の燃料ガス流路からの燃料ガスの漏れがあるか否かを検出する漏れ検出を実施することが考えられている。例えば、水素供給源から燃料ガス流路を通じて燃料電池に水素ガスを供給するようにしているシステムで、起動時に、制御部により、燃料ガス流路内に水素を供給することにより燃料ガス流路内を加圧し、圧力センサによる検出圧力を監視し、圧力が閾値よりも低下した場合に水素ガス漏れがあり、異常が発生していると判定し、圧力が閾値以上である場合に正常であると判定する。
【0005】
例えば、特許文献1に記載されているように、燃料電池に水素を供給する水素供給源と、水素供給源と燃料電池の水素供給口との間に設けられた燃料供給路と、燃料供給路に設けられた遮断弁と、遮断弁の下流側に設けられた水素調圧弁と、燃料供給路の水素ガス圧力を検出する圧力センサと、制御部とを備える燃料電池システムが知られている。制御部は、システム起動時における燃料供給路の加圧処理を実施するに際し、遮断弁から下流側の燃料供給路の加圧値が、上流側の水素調圧弁の調圧値以下、かつ、下流側の水素調圧弁の調圧値以上となる値となるように遮断弁の開閉状態を制御し、圧力センサで圧力を所定周期で検出し、所定時間経過後の圧力変化量または圧力変化率が所定の漏れ判定閾値以上である場合に、遮断弁の下流の燃料系配管内にガス漏れが発生していると判定するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−134200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように水素ガスの漏れ検出を行う燃料電池システムにおいて、配管等の燃料ガス流路に異常がないのに誤って水素ガス漏れがあると判定される、という誤判定される可能性があることが分かった。本発明者は、その原因として、燃料電池に電圧変換装置である昇圧コンバータを接続し、昇圧コンバータで燃料電池から出力された電圧を変換している場合において、昇圧コンバータでの異常が発生していると、水素ガス漏れの誤判定をされる可能性があると考えた。すなわち、このような構成で、昇圧コンバータの回路内で、互いに非接触で配置される複数のバスバーが接触したり、素子が破損する等により短絡故障が発生すると、水素ガス漏れ判定を行う際の、燃料電池への水素ガスの供給時に、水素ガスの供給とともに水素ガスと酸化ガスとの反応により電流が発生してしまい、水素ガスが消費されて燃料ガス流路内の圧力低下に結びつく可能性がある。従来のシステムで、このような原因により圧力低下が生じた場合には、昇圧コンバータの回路短絡という故障モードであり、燃料ガス流路は正常であるのにもかかわらず、水素ガス漏れがあると誤判定される可能性がある。この場合に、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて燃料ガス流路についての無駄な点検修理作業が発生する可能性がある。例えば、作業者が正常な部品を間違って部品交換してしまう可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、燃料電池システムにおいて、燃料ガス流路内を加圧してその後の圧力変動を監視することにより燃料ガス漏れ判定を行える構成において、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の燃料電池システムは、燃料ガス供給源から燃料ガス流路を通じて燃料ガスが供給され、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の出力電圧を変換する電圧変換装置とを備える燃料電池システムであって、燃料電池システムの起動時において、燃料ガス流路での燃料ガス漏れを判定するガス漏れ判定手段であって、燃料ガス流路内の圧力を上昇させ、その後の圧力変動に応じて燃料ガス漏れを判定するガス漏れ判定処理を行うガス漏れ判定手段と、燃料電池と電圧変換装置との間を流れる電流、または電圧変換装置を流れる電流を検出する電流検出手段と、ガス漏れ判定処理中での、電流検出手段の検出電流値または検出電流値に基づく電流時間積算値が閾値以上である場合に、電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定する短絡故障判定手段とを備える燃料電池システムである。
【0010】
本発明の燃料電池システムによれば、ガス漏れ判定手段により、燃料電池システムの起動時において、燃料ガス流路を加圧してその後の圧力変動を監視することにより燃料ガス漏れ判定を行える。しかも、短絡故障判定手段により、ガス漏れ判定処理中での、電流検出手段の検出電流値または検出電流値に基づく電流時間積算値が閾値以上である場合に、電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定するので、短絡故障発生したと判定された場合にガス漏れ判定手段の判定結果の出力を中止させる等により、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを防止できる。
【0011】
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、好ましくは、短絡故障判定手段により電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定された場合に、ガス漏れ判定手段の判定結果の出力を中止させる短絡故障時処理手段を備える。
【0012】
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、好ましくは、短絡故障判定手段により電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定された場合に、短絡故障の発生を報知する報知手段を備える。
【0013】
上記構成によれば、燃料電池システムまたは燃料電池システムを搭載した車両の運転者が、電圧変換装置の短絡故障の発生を認識でき、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを防止できる。
【0014】
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、好ましくは、短絡故障判定手段により電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定された場合に、燃料電池の発電運転を停止させる運転停止手段を備える。
【0015】
上記構成によれば、電圧変換装置の短絡故障発生時に燃料電池の発電運転を自動で停止できるため、燃料電池に電圧変換装置を介して接続された負荷の不安定な動作を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料ガス流路内を加圧してその後の圧力変動を監視することにより燃料ガス漏れ判定を行える構成において、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の1例の燃料電池システムの基本構成を示す図である。
【図2】図1のシステムにおいて、燃料電池スタックにより負荷である走行用モータを駆動するための電気回路を示す図である。
【図3】図1のシステムにおいて、昇圧コンバータの正常時に昇圧コンバータに設けられた電流センサでの電流発生がない様子を示す略図である。
【図4】図1のシステムにおいて、昇圧コンバータの回路短絡時に昇圧コンバータに設けられた電流センサで電流発生がある様子を示す略図である。
【図5】図1のシステムを用いてガス漏れ判定を実行する場合の、上半部の図は燃料ガス流路内水素圧力の時間変化の1例を示す図であり、下半部の図は電流センサ部分を流れる電流の時間変化の1例を示す図である。
【図6】図1のシステムを用いてガス漏れ判定とともに、短絡回路判定を行う起動時制御方法を示すフローチャートのメインフローを示す図である。
【図7】図6のメインフローとともに実行するサブルーチンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態の1例につき詳細に説明する。図1から図7は、本発明の実施の形態の1例を示している。図1に示すように、燃料電池システム10は、例えば、燃料電池車に搭載して使用するもので、燃料電池スタック12を有する。燃料電池スタック12は、複数の燃料電池セルを積層すると共に、燃料電池スタック12の積層方向両端部に、集電板と、エンドプレートとを設けている。そして、複数の燃料電池セルと集電板とエンドプレートとをタイロッド、ナット等で締め付けている。なお、集電板とエンドプレートとの間に絶縁板を設けることもできる。
【0019】
各燃料電池セルの詳細図は省略するが、例えば、電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とにより狭持して成る膜−アセンブリと、その両側のセパレータとを備えたものとする。また、アノード側電極(以下、単に「アノード」という。)には燃料ガスである水素ガスを供給可能とし、カソード側電極(以下、単に「カソード」という。)には酸化ガスである空気を供給可能としている。そして、アノードで触媒反応により発生した水素イオン、すなわちプロトンを、電解質膜を介してカソードまで移動させ、カソードで酸素と電気化学反応を起こさせることにより、水を生成する。また、アノードからカソードへ外部の電気回路を通じて電子を移動させることにより起電力を発生する。すなわち、図1に示す、複数の燃料電池セルを積層した燃料電池スタック12は、酸化ガスと燃料ガスとの電気化学反応により発電する。
【0020】
酸化ガスである空気を燃料電池スタック12に供給するために、酸化ガス供給流路14を設けている。燃料電池スタック12から電気化学反応に供された後の空気である空気オフガスを排出するために、酸化ガス系排出流路16を設けている。酸化ガス供給流路14の上流部に、酸化ガス供給部であるエアコンプレッサ18を設けている。そして、エアコンプレッサ18により加圧された空気が、加湿器20で加湿された後、燃料電池スタック12のカソード側の酸化ガス流路に供給されるようにしている。燃料電池スタック12に供給され、各燃料電池セルで電気化学反応に供された後の空気オフガスは、燃料電池スタック12から酸化ガス系排出流路16を通じて排出された後、加湿器20を通過してから大気に放出される。加湿器20は、燃料電池スタック12から排出された後の空気オフガスから得た水分を、燃料電池スタック12に供給される前の空気に与えて、加湿する役目を果たす。
【0021】
一方、燃料ガスである水素ガスを燃料電池スタック12に供給するために燃料ガス流路である、燃料ガス供給流路22を設けている。燃料ガス供給流路22の上流部に、高圧水素タンク等の燃料ガス供給源24を設けている。燃料ガス供給流路22にこの流路22と燃料ガス供給源24との間を遮断または接続するための電磁弁である開閉弁26を設けている。燃料ガス供給源24から開閉弁26を介して燃料電池スタック12に水素ガスが供給される。また、燃料電池スタック12から電気化学反応に供された後の水素である水素オフガスを排出するために燃料ガス系排出流路28を設けている。水素オフガスには、未反応の水素も含まれる。
【0022】
燃料電池スタック12のアノード側の燃料ガス流路に供給され、電気化学反応に供された後の水素オフガスは、燃料電池スタック12から燃料ガス系排出流路28を通じて排出される。燃料ガス系排出流路28には気液分離器30を介して燃料ガス還流路32を接続している。燃料ガス還流路32は、燃料電池スタック12から排出された、未反応の水素ガスを含む水素オフガスを、燃料ガス供給流路22に戻すために設けている。また、燃料ガス還流路32に燃料ガス循環ポンプである、水素ポンプ34を設けている。水素ポンプ34は、水素オフガスを、燃料ガス還流路32を通じて燃料ガス供給流路22に戻し、燃料ガス供給源24から送られる新たな水素ガスと合流させてから、再び燃料電池スタック12に供給する。水素ポンプ34は、二次電池36に接続され、二次電池36から電力を供給されて駆動する。また、燃料電池システム10に、燃料ガス供給流路22の圧力を検出する圧力検出手段である圧力センサ38を設けている。圧力センサ38の検出信号は制御部40に入力される。
【0023】
燃料電池スタック12から排出された水素オフガスは、気液分離器30で、水分を除去されてから、燃料ガス還流路32に送られる。気液分離器30に排気排水流路42を接続しており、排気排水流路42の途中に排気排水弁であり、電磁弁であるパージ弁44を設けている。制御部40からの指令によりパージ弁44を作動させることにより、水分及び水素オフガスを外部へ排出する。この排出動作を間欠的に行うことにより、水素オフガス中の不純物濃度が増加することによる燃料電池セルの電圧低下を防止できる。なお、パージ弁を設けた排気流路を燃料ガス系排出流路28の気液分離器30から外れた部分に接続することもできる。
【0024】
また、燃料電池スタック12からの出力電圧は、電圧変換装置である昇圧コンバータ46で昇圧するように変換してから、負荷であるモータ48側に出力する。このために燃料電池システム10は、昇圧コンバータ46と、インバータ50と、モータ48と、二次電池36とを備える。燃料電池スタック12と、昇圧コンバータ46と、インバータ50と、モータ48とにより、電気回路であるモータ駆動回路52を構成している。モータ48は、例えば燃料電池システム10を燃料電池車に搭載して使用する場合に、車両を駆動する駆動源である走行用モータとして使用する。
【0025】
二次電池36は、例えば12V等の電圧を有するもので、燃料電池スタック12の運転停止状態でモータ48を駆動する場合に、二次電池36からの出力電圧を昇圧コンバータ46で昇圧してからインバータ50を介してモータ48に供給することもできる。これにより、モータ48は、燃料電池スタック12の運転停止状態でも二次電池36により駆動可能となる。例えば、二次電池36と昇圧コンバータ46との間に図示しないスイッチを設け、燃料電池スタック12の運転時にはこのスイッチをオフし、燃料電池スタック12の運転停止状態でモータ48を駆動する場合にはこのスイッチをオンするように制御部40により制御する。
【0026】
図2は、モータ駆動回路52を詳しく示している。燃料電池スタック12とモータ48との間に昇圧コンバータ46を接続している。なお、図2ではインバータ50(図1)の図を省略している。昇圧コンバータ46は、正極側母線Laと負極側母線Lbとの間に互いに並列に接続された第1コンデンサ54及び第2コンデンサ56と、正極母線Laの第1コンデンサ54及び第2コンデンサ56の接続位置の間に設けられたリアクトル58と、正極母線Laのリアクトル58よりもモータ48側のノードN1と負極母線のノードN2との間に接続された第1スイッチング素子60とを備える。第1スイッチング素子60は、例えば、トランジスタ、IGBT等である。第1スイッチング素子60にはダイオードを並列に接続している。第1コンデンサ54は、正極母線Laと負極母線LbとにノードN3,N4で接続している。図1に示す制御部40が、第1スイッチング素子60のオンオフスイッチングを制御することにより、燃料電池スタック12の出力電圧が所望の大きさに昇圧され、モータ48側に出力される。
【0027】
また、正極母線Laのリアクトル58とノードN1との間のノードN5と、負極母線LbのノードN6との間に第1ダイオード62と第3コンデンサ64とを直列に接続している。また、ノードN3とリアクトル58との間のノードN7と、第1ダイオード62及び第3コンデンサ64の中点との間に、第2スイッチング素子66と、第2ダイオード68と、第2リアクトル70とを直列に接続している。第2スイッチング素子66は、例えばトランジスタ、IGBT等である。また、第2スイッチング素子66に第2並列ダイオードを並列に接続している。第2スイッチング素子66と、第1、第2各ダイオード62,68と、第2リアクトル70とを含む部分は、昇圧コンバータ46による昇圧動作を効率よく行わせるためのソフトスイッチング機能を有する。第2スイッチング素子66のオンオフスイッチングも、第1スイッチング素子60と同様、制御部40(図1)により制御される。また、正極母線LaのノードN1よりもモータ48側に第3ダイオード71を接続している。
【0028】
また、正極母線LaのノードN3とノードN7との間に電流検出手段である電流センサ72を設けている。なお、電流センサ72の配置位置は、図示の位置に限定するものではない。例えば負極母線Lbに設けることもできる。また、燃料電池スタック12と昇圧コンバータ46との間に電流センサ72を設けることもできる。
【0029】
図1に示す制御部40は、例えば車両のアクセル開度信号等の負荷要求を表す信号、燃料電池スタック12や流路内の状態を検出するための圧力センサ、温度センサ等の各種のセンサの検知情報を表す信号を取得して、昇圧コンバータ46及びインバータ50を制御し、モータ48の運転状態を制御する機能を有する。制御部40はCPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータを含む。
【0030】
また、制御部40は、燃料電池スタック12の発電運転時に、水素ポンプ34及びエアコンプレッサ18の駆動状態、及び、開閉弁26の開閉状態を制御する。また、制御部40は、ガス漏れ判定手段74と、短絡故障判定手段76と、短絡故障時処理手段78と、報知手段80と、運転停止手段82とを有する。
【0031】
ガス漏れ判定手段74は、燃料電池システム10の始動時において、燃料ガス供給流路22等の燃料ガス流路での水素ガス漏れを判定する機能を有する。また、ガス漏れ判定手段74は、起動時に、燃料ガス供給源24から燃料ガス供給流路22に水素ガスを供給することにより燃料ガス供給流路22内の圧力を上昇させ、その後の圧力変動に応じて水素ガス漏れを判定するガス漏れ判定処理を行う。すなわち、ガス漏れ判定処理の開始時に、ガス漏れ判定手段74は、開閉弁26を開弁させることにより、燃料ガス供給流路22内を加圧する。そして、圧力センサ38により検出した検出圧力が予め設定した第1閾値以上に達したならば、開閉弁26を閉弁させ、その後の圧力センサ38の検出圧力を監視する。開閉弁26の閉弁時から予め設定したガス漏れ検出期間終了時までの間に検出圧力が予め設定したガス漏れ判定用の第2閾値以下に低下したならばガス漏れがあると判定し、第2閾値以下に低下しない場合にガス漏れがない正常時であると判定する。ガス漏れがあると判定された場合、制御部40は、例えば燃料電池スタック12の運転を停止させ、ガス漏れありを車両の運転席周辺部のディスプレイや、警告灯等の表示部により表示させるように、対応する装置に判定結果を出力する。これに対してガス漏れなしの判定結果が得られた場合には、燃料電池スタック12の通常の発電運転に移行する。
【0032】
また、短絡故障判定手段76は、ガス漏れ判定処理中での、電流センサ72の検出電流値に基づく電流時間積算値Aが予め設定した閾値X以上(A≧X)である場合に、昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定する機能を有する。これについて図3から図5を用いて説明する。図3、図4は燃料電池スタック12に接続された昇圧コンバータ46を示している。なお、以下では、図1、図2に示した要素と同一の要素には同一符号を付して説明する。図3は、昇圧コンバータ46内で回路短絡がない正常時を、図4は、昇圧コンバータ46で回路短絡が発生している異常時を、それぞれ示している。システム起動時のガス漏れ判定時には、第1、第2各スイッチング素子60,66(66は図2参照)をオフにした状態で、ガス漏れ判定手段74により、燃料ガス供給流路22内を加圧させる。この場合、昇圧コンバータ46では昇圧動作がされず、電流センサ72には電流が発生しない。例えば、燃料電池スタック12の電圧を300Vとし、モータ48の駆動電圧を600V等、燃料電池スタック12の電圧よりも高い電圧とする。
【0033】
これに対して、図4に太線αで示すように、第1スイッチング素子60の破損等の何らかの原因により、昇圧コンバータ46の回路の一部に短絡が発生すると、第1、第2各スイッチング素子60,66のオフからオンへの切り替えがないのにもかかわらず回路が短絡されるため、図4に矢印β方向に流れる電流が発生して、電流センサ72に電流が発生する。このように電流が発生すると、燃料電池スタック12内で水素ガスが酸化ガスとともに消費されて、燃料ガス供給流路22内の圧力が低下する。また、昇圧コンバータ46の短絡は、第1スイッチング素子60の破損に限定するものではなく、例えば、図2に戻って、第2スイッチング素子66及び第2ダイオード68の中点と、負極母線LbのノードN4とノードN6との間の破線γで示した部分が、バスバーの短絡等により接続されることにより、回路短絡が生じる可能性もある。いずれにしてもこのような原因でガス漏れ判定処理中に燃料ガス供給流路22内の圧力が低下すると、水素ガス漏れがないのにもかかわらず、水素ガス漏れがあると誤判定される可能性がある。
【0034】
本実施の形態は、このような場合でも誤判定に基づいて無駄な点検修理作業の防止を図るために、短絡故障判定手段76を設けている。短絡故障判定手段76は、ガス漏れ判定処理中に電流センサ72から取得される電流検出値に基づく電流時間積算値を演算し、ガス漏れ判定処理中での、電流時間積算値Aが予め設定した閾値X以上であるか否かを判定する。「電流時間積算値」とは、所定時間間隔で検出した検出電流と時間との関係から、電流の時間変化曲線を求め、その時間変化曲線に基づいて時間積分して得られた値をいう。もし電流時間積算値Aが閾値X以上(A≧X)である場合には、短絡故障判定手段76は、短絡故障が発生したと判定する。一方、ガス漏れ判定処理終了時でも、電流時間積算値Aが閾値X未満(A<X)である場合には、短絡故障判定手段76は短絡故障の発生がないと判定する。
【0035】
図5は、燃料電池システム10の起動時に、通常の発電運転制御に移行する前に、水素ガス漏れ判定及び短絡故障判定を行う場合の、燃料ガス供給流路22内の圧力と電流センサ72部分を流れる電流との時間変化の1例を示す図である。図5の上半部の図の実線及び図5の下半部の図は、昇圧コンバータ46の回路中で、図2に破線γで示した部分が短絡した場合を表している。この場合、ガス漏れ判定手段74により燃料ガス供給流路22にガスを供給することにより、この流路22内を加圧すると、時間t1で圧力センサ38により検出した燃料ガス供給流路22内の圧力が徐々に上昇する。その後、時間t2で電流が発生し、徐々に上昇する。この理由は、昇圧コンバータ46の回路が短絡した状態で、水素ガスと空気との反応により昇圧コンバータ46に電流が発生するためである。次いで、燃料ガス供給流路22内の圧力が第1閾値P1に達した時点t3で、ガス漏れ判定手段74は開閉弁26を閉弁させる。そして、ガス漏れ判定手段74により、ガス漏れ検出期間終了時である、時間t4に達した時点で、燃料ガス供給流路22内の圧力Paが予め設定した第2閾値P2以下となっている(Pa≦P2)と判定されたならば、通常はガス漏れ発生ありと判定する。一方、図5の上半部の図において、一点鎖線δは、燃料ガス供給流路22も昇圧コンバータ46もいずれも正常である正常時を表している。この場合には、時間t4でも燃料ガス供給流路22内の圧力が第2閾値P2以下となることはなく、ガス漏れ発生なしと判定する。
【0036】
これに対して、本実施の形態では、短絡故障判定手段76により、時間t1から時間t4までのガス漏れ判定処理中での、検出電流に基づく電流時間積算値、すなわち、経過時点までの図5の下半部の曲線の時間積算値を演算する。そして、短絡故障判定手段76により、電流時間積算値Aが予め設定した閾値X以上である(A≧X)と判定された場合には、昇圧コンバータ46に短絡故障が発生したと判定する。このように短絡故障発生ありと判定された場合に、短絡故障時処理手段78は、ガス漏れ判定手段74の判定結果の対応する装置、例えば、ガス漏れ判定結果を表示する表示部等への出力を中止する。また、報知手段80は、短絡故障発生ありと判定された場合に、短絡故障の発生を、ディスプレイ、警告灯等の表示部により表示し、報知する。また、運転停止手段82は、短絡故障発生ありと判定された場合に、燃料電池スタック12の発電運転を停止させる。なお、図5では、燃料ガス供給流路22内の圧力が第1閾値P1に達した時点からガス漏れ判定を行っているが、ガス検出値が安定する時間を考慮して、P1に達した時点から所定期間経過後からガス漏れ判定を行うこともできる。
【0037】
図6、図7は、このような水素ガス漏れ判定及び短絡故障判定を行う場合の、制御方法を説明するためのフローチャートである。例えば、制御部40は、2の演算部である第1CPUと第2CPUとを含む複数のCPUを有するものとする。図6に示すメインフローは、第1CPUにより実行させ、図7に示すサブルーチンは、第2CPUにより実行させる。この場合、ガス漏れ判定手段74は第1CPUにより構成し、短絡故障判定手段76は第2CPUにより構成する。図6、図7に示すフローチャートはパラレルに実行する。その際、図7のサブルーチンは、図6のメインフローの実行時に第2CPUが、第1CPUから始動タイミングとしてのサブルーチン開始信号を取得することにより実行が開始される。また、第2CPUが、第1CPUから停止タイミングとしてのサブルーチン停止信号を取得することにより、演算した電流時間積算値が閾値以下でないのであれば実行を終了する。
【0038】
まず、図6に示すようにステップS10で燃料電池システム10が図示しない起動スイッチのオンに応じて起動されると、第1CPUによりメインフローが実行され、ステップS12で燃料ガス供給流路22の開閉弁26を開弁することにより、この流路22内の加圧が開始される。そして、第1CPUはサブルーチン開始信号を第2CPUに出力し(ステップS14)、後述する図7のサブルーチンの実行が開始される。次いで、図5の時間t3で加圧が完了されると(ステップS16)、ガス漏れ判定手段74によりガス漏れ検出が開始され(ステップS18)、ガス漏れ検出期間終了時である時間t4でガス漏れ検出を完了し、ガス漏れの有無を判定する(ステップS20)。そして、第1CPUはサブルーチン停止信号を第2CPUに出力する(ステップS22)。次いで、ステップS22で第2CPUから回路短絡信号を取得したか否かを判定し、取得したと判定されたならば、ステップS24で、短絡故障時処理手段78により、ガス漏れ判定手段74によるガス漏れ判定結果の出力を中止し、終了する。これに対して、ステップS22で回路短絡信号を取得していないと判定されたならば、通常のガス漏れ判定後処理に移行させることを表す信号を出力し、それを取得した制御部40のガス漏れ判定後処理手段が処理を実行し、ガス漏れ判定処理を終了する。例えば、ガス漏れ判定後処理手段は、ガス漏れが発生したと判定された場合に、燃料電池スタック12の発電運転を停止させ、ガス漏れの発生を、ディスプレイ、警告灯等の表示部により報知させる。これに対して、ガス漏れ発生がないと判定された場合には、燃料電池スタック12の通常の発電運転処理に移行する。
【0039】
一方、図7に示すように、第2CPUが、ステップS30で第1CPUからサブルーチン開始信号を取得したと判定されると、サブルーチンの実行が開始される。そして、ステップS32で第1CPUからサブルーチン停止信号を取得したか否かが判定され、取得していない場合には、ステップS34で電流センサ72からの時間に応じた検出電流を取得し、それまでの検出電流をベースにした電流時間積算値Aを演算する。次いでステップS36で電流時間積算値Aが閾値X以上であるか否かを判定し、閾値X以上でない場合にはステップS32からS36の処理を繰り返す。ステップS36で電流時間積算値Aが閾値X以上であると判定されたならば、ステップS38で昇圧コンバータ46の回路短絡を確定し、ステップS40で、第1CPUに回路短絡信号を出力し、報知手段80に回路短絡報知信号を出力し、運転停止手段82に燃料電池停止信号を出力する。報知手段80が回路短絡報知信号を取得すると、ディスプレイ等の表示部により短絡故障の発生を燃料電池システム10の運転者等に報知する。運転停止手段82が燃料電池停止信号を取得すると、燃料電池スタック12の発電運転を停止させる。
【0040】
一方、ステップS32でサブルーチン停止信号を取得したと判定された場合には、ステップS36と同様、ステップS42で電流時間積算値Aが閾値X以上であるか否かを判定し、閾値X以上でない場合には短絡故障判定処理を終了する。これに対して、ステップS42で電流時間積算値Aが閾値X以上であると判定されたならば、上記と同様に、ステップS38に移行し、ステップS40の処理を行う。
【0041】
上記の燃料電池システムによれば、ガス漏れ判定手段74により、燃料電池システム10の起動時において、燃料ガス供給流路22を加圧してその後の圧力変動を監視することにより水素ガス漏れ判定を行える。しかも、短絡故障判定手段76により、ガス漏れ判定処理中での、電流センサ72の検出電流に基づく電流時間積算値Aが閾値X以上である場合に、昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定するので、短絡故障と判定された場合にガス漏れ判定手段74の判定結果の出力を中止する等により、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを防止できる。
【0042】
また、本実施の形態の燃料電池システムによれば、短絡故障判定手段76により昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定された場合に、短絡故障の発生を報知する報知手段80を備える。このため、燃料電池システムまたは燃料電池システムを搭載した車両の運転者が、昇圧コンバータ46の短絡故障の発生を認識でき、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのをより有効に防止できる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、短絡故障判定手段76により昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定された場合に、燃料電池スタック12の発電運転を停止させる運転停止手段82を備える。このため、昇圧コンバータ46の短絡故障発生時に燃料電池スタック12の発電運転を自動で停止できるため、燃料電池スタック12に昇圧コンバータ46を介して接続されたモータ48の不安定な動作を防止できる。燃料電池スタック12の運転停止後にモータ48を駆動させる場合には、例えば、制御部40により二次電池36の電力をモータ48へ供給するように二次電池36と昇圧コンバータ46との間に接続されたスイッチを、オフからオンへ切り替える。
【0044】
なお、本実施の形態では、短絡故障判定手段76は、ガス漏れ判定処理中での、電流センサ72の検出電流値に基づく電流時間積算値Aが閾値X以上である場合に、昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定する機能を有するものとしている。ただし、本実施の形態では、このような構成に限定するものではなく、短絡故障判定手段76により、ガス漏れ判定処理中での、電流センサ72の検出電流値それ自体の大きさが予め設定した閾値電流値以上となった場合に、昇圧コンバータ46の短絡故障が発生したと判定する機能を有するように構成することもできる。この場合、短絡故障判定手段76は、電流の時間積算値を演算することなく、検出電流自体が閾値電流値以上であると判定した場合に、昇圧コンバータ46で短絡故障が発生したと判定し、ガス漏れ判定処理終了時においても、検出電流が閾値電流値未満である場合には短絡故障の発生はないと判定する。この場合、例えば、図7に示したサブルーチンでステップS34の電流の時間積算演算処理を省略し、ステップS36で検出電流が閾値電流値以上であるかを判定し、閾値電流値未満であると判定されたならばステップS32に戻り、閾値電流値以上であると判定されたならばステップS38に移行する。
【0045】
なお、図5の下半部の電流センサ72部分を流れる電流の時間変化を示す図において、電流センサ72の検出値が、スイッチング素子60,66のオフ時でもある正の値となる、すなわち上側に、ある量オフセットしている場合には、電流時間積算値もそのオフセット量に対応して大きくなる。ただし、この場合には、電流時間積算値を演算する場合にオフセット分を原点に戻す学習処理を行うことにより信頼性の高い短絡故障判定を行える。また、電流センサ72や圧力センサ38の異常発生時には、各センサ72,38の正常異常を判定する図示しないセンサ異常判定部(センサダイアグ)が異常値を検出した場合にそのセンサの検出値を無効としたり、センサの異常を知らせる処理を行うようにすることにより、信頼性の高い短絡故障判定を行える。
【0046】
なお、本実施の形態の別例として、本実施の形態において、図7のサブルーチンのステップS38で昇圧コンバータ46の回路短絡を確定した場合に、ステップS40での回路短絡信号を出力することなく、報知手段80に回路短絡報知信号を出力することもできる。この場合には、図6のメインフローでガス漏れ判定後処理で昇圧コンバータ46の短絡故障であるのにもかかわらず、ガス漏れ発生ありと報知される可能性がある。ただし、報知手段80により回路短絡発生が報知されるので、運転者は、昇圧コンバータ46の短絡故障の発生を認識でき、誤ったガス漏れ判定結果に基づいて無駄な点検修理作業が発生するのを防止できる。
【0047】
なお、二次電池36と燃料電池スタック12とで昇圧コンバータ46を共用化せず、二次電池36用の昇圧コンバータ46と燃料電池スタック12用の昇圧コンバータ46とを別に設けることもできる。また、本実施の形態では、燃料ガス供給流路22の圧力を検出する圧力センサ38を設けて、ガス漏れ判定処理時に圧力センサ38の検出圧力を監視しているが、燃料ガス系排出流路28等、別のガス流路の圧力を検出する圧力センサを設けて、ガス漏れ判定処理時にこの圧力センサ38の検出圧力を監視することもできる。
【0048】
なお、昇圧コンバータの回路構成や、燃料電池にガスを供給、排出する構成自体は本実施の形態に限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の構成を採用できる。
【符号の説明】
【0049】
10 燃料電池システム、12 燃料電池スタック、14 酸化ガス供給流路、16 酸化ガス系排出流路、18 エアコンプレッサ、20 加湿器、22 燃料ガス供給流路、24 燃料ガス供給源、26 開閉弁、28 燃料ガス系排出流路、30 気液分離器、32 燃料ガス還流路、34 水素ポンプ、36 二次電池、38 圧力センサ、40 制御部、42 排気排水流路、44 パージ弁、46 昇圧コンバータ、48 モータ、50 インバータ、52 モータ駆動回路、54 第1コンデンサ、56 第2コンデンサ、58 リアクトル、60 第1スイッチング素子、62 第1ダイオード、64 第3コンデンサ、66 第2スイッチング素子、68 第2ダイオード、70 第3ダイオード、71 第3ダイオード、72 電流センサ、74 ガス漏れ判定手段、76 短絡故障判定手段、78 短絡故障時処理手段、80 報知手段、82 運転停止手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス供給源から燃料ガス流路を通じて燃料ガスが供給され、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池の出力電圧を変換する電圧変換装置とを備える燃料電池システムであって、
燃料電池システムの起動時において、燃料ガス流路での燃料ガス漏れを判定するガス漏れ判定手段であって、燃料ガス流路内の圧力を上昇させ、その後の圧力変動に応じて燃料ガス漏れを判定するガス漏れ判定処理を行うガス漏れ判定手段と、
燃料電池と電圧変換装置との間を流れる電流、または電圧変換装置を流れる電流を検出する電流検出手段と、
ガス漏れ判定処理中での、電流検出手段の検出電流値または検出電流値に基づく電流時間積算値が閾値以上である場合に、電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定する短絡故障判定手段とを備える燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
短絡故障判定手段により電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定された場合に、ガス漏れ判定手段の判定結果の出力を中止させる短絡故障時処理手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
短絡故障判定手段により電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定された場合に、短絡故障の発生を報知する報知手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
短絡故障判定手段により電圧変換装置の短絡故障が発生したと判定された場合に、燃料電池の発電運転を停止させる運転停止手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−272433(P2010−272433A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124853(P2009−124853)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】