説明

燃料電池システム

【課題】燃料電池システムにおいて、発電中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合、補機に対して確実に電力を供給して、システム全体を正常に運転する。
【解決手段】 燃料電池システムは、起動運転時および停止運転時だけでなく定常運転時においても、系統電源12から出力される交流電力を入力し直流電力に変換して補機用DC/DCコンバータ16eに出力するAC/DCコンバータ16cと、燃料電池11dから補機用DC/DCコンバータ16eに向けて流れる電流のみを許容する第1整流素子16fと、AC/DCコンバータ16cから第1の電力供給ラインL1に向けて流れる電流のみを許容する第2整流素子16gと、燃料電池11dと補機用DC/DCコンバータ16eとの間を、起動運転時および停止運転時において遮断し、定常運転時において連通するスイッチ16hと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図2に示されているように、燃料電池システムは、燃料ガス19と酸化剤ガス14との電気化学的反応により発電する燃料電池12と、燃料電池12から出力される直流電圧を変圧するDC/DCコンバータ20と、DC/DCコンバータ20の出力側に接続され、系統電源36と連系するために、DC/DCコンバータ20で変圧された直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータ22と、燃料電池12用の補機30、31、32に電力を供給する補機動力端子25と、補機動力端子25を、燃料電池12の出力側とDC/ACインバータ22の出力側との間で切り換える切換回路44とを備えている。
【0003】
この燃料電池システムにおいては、燃料電池発電システム39は、通常の運転時において、上記燃料電池12の出力側から切換回路45を通じて電力を補機30、31、32に供給しながら、メインコントロール部42により発電制御を行うようになっている。また、メインコントロール部42は、燃料電池12の電気化学的反応が燃料ガス19又は酸化剤ガス14の供給中断等により一時的に低下した状態を検知したときや、過負荷により燃料電池12の出力電圧が異常に低下した状態を検知した場合(すなわち発電中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合)には、燃料電池12の電気化学的反応が回復するまで補機30、31、32に対する電力を系統電源36から供給するように切換回路45を構成し直すようになっている。
【0004】
また、燃料電池システムの他の一形式として、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図1に示されているように、燃料電池システムは、水素ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電を行う燃料電池スタック5と、燃料電池スタック5で発電した電気を交流に変換するインバータ3と、起動、発電、停止の一連の動作を制御する制御手段4と、商用電源から制御手段に供給する直流電源を作るAC/DCコンバータ9と、発電した燃料電池スタックの直流電源から制御手段に供給する直流電源を作るDC/DCコンバータ10と、制御手段に供給する電源を切替える電源切替え手段11と、AC/DCコンバータ9の入力電源を切断する系統切断手段12を有し、系統切断手段12は燃料電池スタック5が発電状態となったら、AC/DCコンバータ9の入力電源を切断し、AC/DCコンバータ9と電力系統とを切り離すことができるので、発電中のAC/DCコンバータの高調波電流歪の影響を排除でき、高調波電流歪を低減することができるものである。
【0005】
この燃料電池システムにおいて、発電中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合、系統切断手段12を切断状態から連結状態にしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−243011号公報
【特許文献2】特開2007−242329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に記載されている燃料電池システムにおいては、発電中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合には、燃料電池12の電気化学的反応が回復するまで補機30、31、32に対する電力を系統電源36から供給するように切換回路45を構成し直す(切り換える)ようになっているものの、その切り換えの際には、燃料電池からも系統電源からも補機に対して電力が供給されない時間が発生する。このため、補機が停止するため燃料電池システムを正常に運転することができないという問題があった。
【0008】
上述した特許文献2に記載されている燃料電池システムにおいても、発電中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合には、系統切断手段12を切断状態から連結状態にすればよいが、その切り換えの際には、燃料電池からも系統電源からも補機に対して電力が供給されない時間が発生する。このため、補機が停止するため燃料電池システムを正常に運転することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムにおいて、発電中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合、補機に対して確実に電力を供給して、システム全体を正常に運転することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、燃料電池に燃料および酸化剤ガスを供給するための補機と、補機を制御する制御用マイコンと、燃料電池から出力される直流電力を補機および制御用マイコンに供給する第1の電力供給ラインと、第1の電力供給ライン上に設けられ、燃料電池から出力される直流電力を入力し所定の直流電力に変換して補機および制御用マイコンに出力するDC/DCコンバータと、交流の系統電源と、系統電源と第1の電力供給ライン上であって燃料電池とDC/DCコンバータとの間の部分とを接続している第2の電力供給ラインと、起動運転時および停止運転時だけでなく定常運転時においても、系統電源から出力される交流電力を入力し直流電力に変換してDC/DCコンバータに出力するAC/DCコンバータと、第1の電力供給ライン上であって第2の電力供給ラインとの合流点より燃料電池側に設けられ、燃料電池からDC/DCコンバータに向けて流れる電流のみを許容する第1整流素子と、第2の電力供給ライン上に設けられ、AC/DCコンバータから第1の電力供給ラインに向けて流れる電流のみを許容する第2整流素子と、第1の電力供給ライン上であって第2の電力供給ラインとの合流点より燃料電池側に設けられ、燃料電池とDC/DCコンバータとの間を、起動運転時および停止運転時において遮断し、定常運転時において連通するスイッチと、を備えている。
【0011】
また請求項2に係る発明は、請求項1において、第1の電力供給ラインを流れる電流の電流値を測定する電流測定装置をさらに備えている。
【0012】
また請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、AC/DCコンバータは、定常運転時であって燃料電池が所定発電量以上で発電している場合には、低待機電力を出力する低待機運転で稼働され、一方、定常運転時であって燃料電池が所定発電量未満で発電している場合、起動運転時である場合および停止運転時である場合には、低待機電力より高い電力を出力する定常運転で稼働される。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、定常運転中(発電中)において、燃料電池とDC/DCコンバータとの間はスイッチを介して連通している。よって、燃料電池から出力される直流電力は、第1の電力供給ラインに設けられた第1整流素子を介してDC/DCコンバータに供給されている。一方、AC/DCインバータは、起動運転時および停止運転時だけでなく定常運転時においても、系統電源から出力される交流電力を入力し直流電力に変換してDC/DCコンバータに出力する。このAC/DCコンバータから出力される直流電力は、第2の電力供給ラインに設けられた第2整流素子を介してDC/DCコンバータに供給されている。
【0014】
このように構成された燃料電池システムにおいて、定常運転中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合などには、燃料電池から供給される電力量は減少しまたは0となる。しかし、系統電源からの交流電力がAC/DCコンバータで直流電力に変換され、第2整流素子およびDC/DCコンバータを介して補機に常時供給されている。よって、電力供給源が燃料電池から系統電源に自動的に切り換わるので切換時間(補機に対して電力が供給されない時間)が発生しないため、補機への電力供給は切れ目なく継続することができる。したがって、定常運転中に燃料電池から補機への電力供給に異常が発生した場合でも、補機に対して確実に電力を供給して、システム全体を正常に運転することができる。
【0015】
また、スイッチは、燃料電池とDC/DCコンバータ(ひいては補機および制御用マイコン)との間を、起動運転時および停止運転時において遮断する。よって、特に起動運転時において燃料電池の残留電圧を使用するのを回避できるため、燃料電池の安全性、長寿命に貢献することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、第1の電力供給ラインを流れる電流の電流値を測定する電流測定装置をさらに備えている。これにより、DC/DCコンバータに供給されている電流を計測することで、発電前の補機電流に応じた的確な燃料を投入することができるため、発電開始時の燃料電池電力使用時に燃料供給過多による燃料無駄や不足による電圧低下を抑制することが可能である。
【0017】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2において、AC/DCコンバータは、定常運転時であって燃料電池が所定発電量以上で発電している場合には、低待機電力を出力する低待機運転で稼働され、一方、定常運転時であって燃料電池が所定発電量未満で発電している場合、起動運転時である場合および停止運転時である場合には、低待機電力より高い電力を出力する定常運転で稼働される。これにより、AC/DCコンバータを必要に応じて省エネ運転で稼動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による燃料電池システムの一実施形態の概要を示す概要図である。
【図2】本発明による燃料電池システムの他の実施形態の電気的な構成を示す構成ブロック図である。
【図3】本発明による燃料電池システムの他の実施形態の電気的な構成を示す構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による燃料電池システムの一実施形態について図面を参照して説明する。図1は燃料電池システムの構成を示す構成ブロック図である。この燃料電池システムは、燃料電池モジュール11、系統電源12、電源ライン13、補機15、インバータ装置16、燃料電池システム制御装置(以下、制御装置という。)17、および貯湯槽21を含んで構成されている。
【0020】
燃料電池モジュール11は、ケーシング11a、蒸発部11b、改質部11cおよび燃料電池11dを備えている。ケーシング11a内には、蒸発部11b、改質部11cおよび燃料電池11dが配設されている。このとき、蒸発部11b、改質部11cが燃料電池11dの上方に位置するように配設されている。
【0021】
蒸発部11bは、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部11bは、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部11cに供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPGなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
【0022】
蒸発部11bには、水タンク(図示省略)からの改質水が改質水ポンプ15aによって供給されるとともに、燃料供給源(図示省略)からの改質用原料が原料ポンプ15bによって供給されている。
【0023】
改質部11cは、後述する燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部11bから供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。改質部11c内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は燃料電池11dの燃料極に導出されるようになっている。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)を含んでいる。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応であり、一酸化炭素シフト反応は発熱反応である。
【0024】
燃料電池11dは、燃料極、空気極(酸化剤極)、および両極の間に介装された電解質からなる複数のセル(図示省略)が積層されて構成されている。本実施の形態の燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であり、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウムを使用している。燃料電池11dの燃料極には、燃料として水素、一酸化炭素、メタンガスなどが供給される。動作温度は例えば400〜1000℃程度である。セルの燃料極側には、燃料である改質ガスが流通する燃料流路(図示省略)が形成されている。セルの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路(図示省略)が形成されている。空気流路には、カソードエアがカソードエアブロワ15c(またはカソードエアポンプ)によって供給されている。
【0025】
燃料電池11dにおいては、燃料極に供給された燃料と空気極に供給された酸化剤ガスによって発電が行われる。すなわち、燃料極では、下記化1および化2に示す反応が生じ、空気極では、下記化3に示す反応が生じている。すなわち、空気極で生成した酸化物イオン(O2−)が電解質を透過し、燃料極で水素と反応することにより電気エネルギーを発生させている。したがって、燃料流路および空気流路からは、発電に使用されなかった改質ガスおよび酸化剤ガス(空気)が導出する。
(化1)
+O2−→HO+2e
(化2)
CO+O2−→CO+2e
(化3)
1/2O+2e→O2−
【0026】
そして、燃料流路および空気流路から導出した、発電に使用されなかった改質ガスは、燃料電池11dと蒸発部11b(改質部11c)の間の燃焼空間11eにて、発電に使用されなかった酸化剤ガス(空気)によって燃焼され、その燃焼ガスによって蒸発部11bおよび改質部11cが加熱される。さらには、燃料電池モジュール11内を動作温度に加熱している。その後、燃焼ガスは、ケーシング11aの下部に設けられ燃焼排ガスが導出される導出口11a1から燃料電池モジュール11の外に排気される。
【0027】
系統電源(または商用電源)12は、該系統電源12に接続された電源ライン13を介して外部負荷14に電力(交流電力)を供給するものである。燃料電池11dはインバータ装置16を介して電源ライン13に接続されている。外部負荷14は、当該燃料電池システムの外に配設されている電力負荷であり、例えば家庭内に配設されているテレビなどの家電製品である。
【0028】
電源ライン13には、系統電源12に対する電力の入出力および電力量を検知する電力測定装置13aが設けられており、その検知結果が制御装置17に出力されている。
【0029】
内部負荷の一つである補機15は、蒸発部11bに改質水、改質用原料を供給するためのモータ駆動の各ポンプ15a,15bおよび電磁式バルブ(図示省略)、燃料電池11dにカソードエアを供給するためのモータ駆動のブロワ15cおよび電磁式バルブ(図示省略)などから構成されている。この補機15は直流電圧にて駆動されるものであり、その駆動電圧は補機用DC/DCコンバータ16eから供給されるようになっている。補機15は、燃料電池11dに燃料(改質用原料)および酸化剤ガス(カソードエア)を供給するためのものであり、燃料電池システムを運転するためのものである。内部負荷は、当該燃料電池システムの内に配設されている電力負荷であり、補機15、制御装置17を含んでいる。
【0030】
インバータ装置16は、燃料電池11dから出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換して系統電源12に接続されている電源ライン13に出力する機能と、電源ライン13からの交流電圧を所定の直流電圧に変換して補機15および制御装置17(内部負荷)に出力する機能と、燃料電池11dからの直流電圧を所定の直流電圧に変換して補機15および制御装置17に出力する機能と、を有している。
【0031】
具体的には、インバータ装置16は、DC/DCコンバータ16a、DC/ACインバータ16b、AC/DCコンバータ16c、制御用DC/DCコンバータ16d、および補機用DC/DCコンバータ16eを含んで構成されている。
【0032】
DC/DCコンバータ16aは、燃料電池11dから出力される直流電圧(例えば40V)を所定の直流電圧(例えば350V)に変換するものである。DC/ACインバータ16bは、DC/DCコンバータ16aから出力される直流電圧を交流電圧(例えば200V)に変換して電源ライン13に出力するものである。
【0033】
DC/DCコンバータ16aおよびDC/ACインバータ16bは、第3の電力供給ラインL3上に直列に設けられている。第3の電力供給ラインL3の一端が第1の電力供給ラインL1上であって燃料電池11dと制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eとの間の部分に接続され、他端が第2の電力供給ラインL2上であって系統電源12とAC/DCコンバータ16cとの間の部分に接続されている。
【0034】
AC/DCコンバータ16cは、電源ライン13と補機15との間にDC/DCコンバータ16aとDC/ACインバータ16bとからなる回路に並列に設けられるものである。AC/DCコンバータ16cは、第2の電力供給ラインL2上に設けられている。第2の電力供給ラインL2の一端は系統電源12と接続されている電源ライン13に接続され、他端は第1の電力供給ラインL1上であって燃料電池11dと制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eとの間の部分とに接続されている。
【0035】
AC/DCコンバータ16cは、起動運転時および停止運転時だけでなく定常運転時においても、系統電源12から出力される交流電力(交流電圧)を入力し直流電力(直流電圧)に変換して制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに出力する。
【0036】
AC/DCコンバータ16cは、定常運転時であって燃料電池11dが所定発電量以上で発電している場合には、低待機電力を出力する低待機運転で稼働される。例えば、燃料電池11dの出力電圧が50V以上である場合には、AC/DCコンバータ16cは低待機運転で稼動される。このとき、出力電流が所定電流値(例えば補機駆動電力に必要な最低発電量50W)である。
【0037】
一方、AC/DCコンバータ16cは、定常運転時であって燃料電池11dが所定発電量未満で発電している場合、起動運転時である場合および停止運転時である場合には、低待機電力より高い補機15の駆動に必要な電力を出力する定常運転で稼働される。例えば、燃料電池11dの出力電圧が50V未満である場合には、AC/DCコンバータ16cは定常運転で稼動される。
【0038】
具体的には、AC/DCコンバータ16cは、絶縁型のAC/DCコンバータであり、例えばトランスを含んで構成されている。AC/DCコンバータ16cは、低待機電力を待機運転時に出力するためのスタンバイ電源部と、低待機電力より高い補機15の駆動に必要な電力を必要なときに(定常運転時に)出力するためのメイン電源部と、を備えている。なお、スタンバイ電源部はスイッチング電源であるので、待機運転時にメイン電源の電力消費がない場合、スイッチング素子のスイッチング動作を一定期間継続させ、次に一定期間スイッチング動作を停止させるのを繰り返す間欠(バースト)発振方式で動作されている。
【0039】
また、AC/DCコンバータ16cは、システム運転中だけでなく、システム停止中すなわち待機時においても、系統電源12から出力される交流電力(交流電圧)を入力し直流電力(直流電圧)に変換して制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに出力する。このとき、AC/DCコンバータ16cは、低待機電力を出力する低待機運転で稼働される。
【0040】
制御用DC/DCコンバータ16dは、燃料電池11dまたはAC/DCコンバータ16cからの直流電圧(直流電力)を入力して所定の直流電圧(直流電力、例えば5V)に変換して、制御装置17に電源電圧として供給するものである。
【0041】
補機用DC/DCコンバータ16eは、燃料電池11dまたはAC/DCコンバータ16cからの直流電圧(直流電力)を入力して所定の直流電圧(直流電力、例えば24V)に変換して、補機15に電源電圧として供給するものである。補機用DC/DCコンバータ16eは、制御装置17に接続されており、制御装置17からの指令により駆動・停止を制御されるようになっている。例えば、待機時において制御装置17からの停止指令により補機用DC/DCコンバータ16eは運転が停止される。これにより、待機時に補機用DC/DCコンバータ16eを停止させることで、待機電力を小さく抑制することができる。
【0042】
制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eは、第1の電力供給ラインL1上に設けられている。第1の電力供給ラインL1の一端は燃料電池11dに接続され、他端は制御装置17および補機15に接続されている。他端側は2つに分かれており、各分岐に制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eが設けられている。第1の電力供給ラインL1は、燃料電池11dから出力される直流電力を補機15および制御装置17に供給するものである。
【0043】
第1の電力供給ラインL1上には、第1整流素子16fが第2の電力供給ラインL2との合流点より燃料電池11d側に設けられている。具体的には、第1整流素子16fは、第2の電力供給ラインL2との合流点と第3の電力供給ラインL3との合流点との間の部分に設けられている。第1整流素子16fは、燃料電池11dから制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに向けて流れる電流のみを許容する。本実施形態では、第1整流素子は例えばダイオードで構成されている。
【0044】
第2の電力供給ラインL2上には、第2整流素子16gが設けられている。具体的には、第2整流素子16gは、AC/DCコンバータ16cと第1の電力供給ラインL1との合流点との間の部分に設けられている。第2整流素子16gは、AC/DCコンバータ16cから第1の電力供給ラインL1に向けて流れる電流のみを許容する。
【0045】
また、第1の電力供給ラインL1上には、第1スイッチ16hが第2の電力供給ラインL2との合流点より燃料電池11d側に設けられている。第1スイッチ16hは、制御装置17の指示によって、燃料電池11dと制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eとの間を、起動運転時および停止運転時において遮断し、定常運転時において連通するスイッチである。
【0046】
第2スイッチ16iは、DC/ACインバータ16bと系統電源12(または電源ライン13)との間に配設されている。具体的には、第2スイッチ16iは、第3の電力供給ラインL3上であってDC/ACインバータ16bと第2の電力供給ラインとの合流点との間の部分に設けられている。DC/ACインバータ16bと系統電源12とを制御装置17の指示によって連通・遮断するものである。制御装置17は、系統電源12が停電状態であると判定すると、第2スイッチ16iを開状態に切り換え、系統電源12が停電状態でない場合には第2スイッチ16iを閉状態に切り換える。
【0047】
第1の電力供給ラインL1上には、電流測定装置16jと電流測定装置16kが設けられている。電流測定装置16jと電流測定装置16kは、何れも第1の電力供給ラインL1を流れる電流の電流値を測定する電流測定装置である。
【0048】
具体的には、電流測定装置16jは、燃料電池11dから出力される電流(出力電流)を測定するものであり、その測定結果を制御装置17に送信するようになっている。電流測定装置16jは、測定用の抵抗を備えており、その抵抗の電圧を測定することにより電流を測定するように構成されている。
【0049】
また、電流測定装置16kは、制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに入力する電流(入力電流)を測定するものであり、その測定結果を制御装置17に送信するようになっている。電流測定装置16kは、測定用の抵抗を備えており、その抵抗の電圧を測定することにより電流を測定するように構成されている。
【0050】
さらに、燃料電池システムは、独自のブレーカ18を備えている。ブレーカ18は、電源ライン13とインバータ装置16とを接続する電源ラインに設けられている。ブレーカ18は、ある量以上の電力を使ったり、異常電流が流れたりすると、回路を自動的に遮断して、ブレーカ18からシステム内部側に電力が供給されるのを禁止する。
【0051】
制御装置17は、燃料電池システムの全体的な制御を一括集中して行うものであり、補機15の駆動を制御したり、インバータ装置16の駆動を制御したりする。制御装置17はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、燃料電池システムの運転を実施している。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。制御装置17は、補機15を制御する制御用マイコン(制御用マイクロコンピュータ)である。
【0052】
制御装置17には、待機時でも運転時(起動運転時、定常運転時(発電運転時)および停止運転時を含む)でも常に電圧が供給されている。起動運転時は起動指令が出てから発電開始するまでの間であり、停止制御時は、停止指令が出てからシステムが停止するまでの間である。待機時は、燃料電池システムの発電停止状態のことであり、発電指示(スタートスイッチのオンなど)を待っている状態のことである。
【0053】
貯湯槽21は、燃料電池11dの排熱によって加熱された貯湯水を貯めておくものである。貯湯槽21と燃料電池11dとの間には熱媒体循環路21aが設けられており、熱媒体循環路21aは燃料電池11dの排熱を回収した熱媒体が図示しないポンプにより循環するものである。熱媒体と熱交換することにより貯湯槽21の貯湯水が加熱される。
【0054】
このように構成された燃料電池システムの作動について説明する。燃料電池システムの発電準備時(起動運転時)には、燃料電池11dは暖機中であるため発電していないので、系統電源12から燃料電池システムに電力が供給される。すなわち、DC/ACインバータ16bおよびDC/DCコンバータ16aの駆動が、制御装置17の指令によって停止される。また、第1スイッチ16hおよび第2スイッチ16iは、制御装置17の指令によって遮断状態(開状態)にされる。また、AC/DCコンバータ16cは、定常運転されている。これにより、系統電源12からの交流電圧がAC/DCコンバータ16cで直流電圧に変換される。その直流電圧が制御用DC/DCコンバータ16dで降圧されて制御装置17に供給される(供給は待機時から継続されることとなる)とともに、補機用DC/DCコンバータ16eで降圧されて補機15に供給される。また、第1スイッチ16hは遮断状態であるので、燃料電池11dからの突入電流を防止することができる。
【0055】
燃料電池システムの発電運転時には、DC/DCコンバータ16aおよびDC/ACインバータ16bが、制御装置17の指令によって駆動される。また、第2スイッチ16iは、制御装置17の指令によって連通状態(閉状態)にされる。これにより、燃料電池11dからの電力が、DC/DCコンバータ16aおよびDC/ACインバータ16bを経て外部負荷14に供給される。
【0056】
また、第1スイッチ16hは、連通状態(閉状態)が維持されている。このとき、燃料電池11dの出力電圧が50V以上である場合には、AC/DCコンバータ16cは低待機運転で稼動される。これにより、燃料電池11dからの電力が、制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eにひいては制御装置17および補機15に供給される。
【0057】
一方、燃料電池11dの出力電圧が50V未満である場合には、AC/DCコンバータ16cは定常運転で稼動される。これにより、燃料電池11dからの電力は供給されているが、燃料電池11dからの電力より電圧の高いAC/DCコンバータ16cからの電力が、制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eにひいては制御装置17および補機15に供給される。
【0058】
また、定常運転中においては、特に起動運転から定常運転に切り換える際において、電流測定装置16kにより容易に正確な電流値が把握でき、電流値に見合った燃料投入での発電開始を行うことができる。よって、燃料電池11dの発電電圧がAC/DCコンバータ16cの出力電圧を超えた時点において、燃料電池11dから電力供給源が切替えとなっても、補機15および制御装置17に必要な電流値に応じた燃料が投入されるように制御される。よって、燃料不足による燃料電池11dが電圧低下を招くことなく、燃料電池11dの電力を供給し続けることが可能である。
【0059】
このような定常運転中に、燃料電池11dから補機15への電力供給に異常が発生した場合などには、燃料電池11dから供給される電力量は減少しまたは0となる。しかし、系統電源12からの交流電力がAC/DCコンバータ16cで直流電力に変換され、第2整流素子16gおよび補機用DC/DCコンバータ16eを介して補機15に供給される。また、AC/DCコンバータ16cで変換された直流は、制御用DC/DCコンバータ16dを介して制御装置17にも常時供給されている。このように、燃料電池11dから補機用DC/DCコンバータ16eへの電力供給の継続が困難となった場合には、供給源がAC/DCコンバータ16cに自動的に切り替わり、補機15や制御装置17の電源電圧が低下することを抑制することができる。これにより、システム運転を突然止めることなく、停止運転制御に移行することができる。
【0060】
また、前述した異常検出時に、第1スイッチ16hを遮断状態(開状態)にすることで残電圧上昇があっても燃料電池11dからの電力供給がされることなく、停止運転時において燃料電池11dを安全に冷却することができる。
【0061】
上述した説明から明らかなように、本実施形態においては、燃料電池システムにおいて、定常運転中(発電中)において、燃料電池11dと制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16e(両コンバータによりDC/DCコンバータが構成される)との間は第1スイッチ16hを介して連通している。よって、燃料電池11dから出力される直流電力は、第1の電力供給ラインL1に設けられた第1整流素子16fを介して制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに供給されている。一方、AC/DCコンバータ16cは、起動運転時および停止運転時だけでなく定常運転時においても、系統電源12から出力される交流電力を入力し直流電力に変換して制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに出力する。このAC/DCコンバータ16cから出力される直流電力は、第2の電力供給ラインL2に設けられた第2整流素子16gを介して制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに供給されている。
【0062】
このように構成された燃料電池システムにおいて、定常運転中に燃料電池11dから補機15への電力供給に異常が発生した場合などには、燃料電池11dから供給される電力量は減少しまたは0となる。しかし、系統電源12からの交流電力がAC/DCコンバータ16cで直流電力に変換され、第2整流素子16gおよび制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eを介して補機15に常時供給されている。よって、電力供給源が燃料電池11dから系統電源12に自動的に切り換わるので切換時間(補機15に対して電力が供給されない時間)が発生しないため、補機15への電力供給は切れ目なく継続することができる。したがって、定常運転中に燃料電池11dから補機15への電力供給に異常が発生した場合でも、補機15に対して確実に電力を供給して、システム全体を正常に運転することができる。
【0063】
また、第1スイッチ16hは、燃料電池11dと制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16e(ひいては補機15および制御装置17(制御用マイコン))との間を、起動運転時および停止運転時において遮断する。よって、特に起動運転時において燃料電池11dの残留電圧を使用するのを回避できるため、燃料電池11dの安全性、長寿命に貢献することができる。
【0064】
また、第1の電力供給ラインL1を流れる電流の電流値を測定する電流測定装置16kまたは16jをさらに備えている。これにより、制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eに供給されている電流を計測することで、発電前の補機電流に応じた的確な燃料を投入することができるため、発電開始時の燃料電池電力使用時に燃料供給過多による燃料無駄や不足による電圧低下を抑制することが可能である。
【0065】
また、AC/DCコンバータ16cは、定常運転時であって燃料電池11dが所定発電量以上で発電している場合には、低待機電力を出力する低待機運転で稼働され、一方、定常運転時であって燃料電池11dが所定発電量未満で発電している場合、起動運転時である場合および停止運転時である場合には、低待機電力より高い電力を出力する定常運転で稼働される。これにより、AC/DCコンバータ16cを必要に応じて省エネ運転で稼動させることができる。
【0066】
なお、上述した実施形態においては、2つの制御用DC/DCコンバータ16dおよび補機用DC/DCコンバータ16eを1つのDC/DCコンバータである補機/制御用DC/DCコンバータ16mに置き換えるようにしてもよい。
【0067】
具体的には、図2に示すように、補機/制御用DC/DCコンバータ16mは、補機15および制御装置17にそれぞれ電力を供給するようになっている。補機/制御用DC/DCコンバータ16mと補機15との間には、補機/制御用DC/DCコンバータ16mと補機15とを制御装置17の指示によって連通・遮断する第3スイッチ16nが設けられている。第3スイッチ16nは、待機時に遮断され、運転時に連通される。
【0068】
また、上述した実施形態においては、燃料電池は固体酸化物形燃料電池であったが、本発明を高分子電解質形燃料電池に適用するようにしてもよい。具体的には、図3に示すように、燃料電池11g、系統電源12、電源ライン13、補機15、インバータ装置16、制御装置17、貯湯槽21、改質器31、から構成されている。
【0069】
燃料電池11gは、燃料ガス(水素ガス)および酸化剤ガス(酸素を含む空気)が供給されて水素と酸素の化学反応により発電して直流電圧(例えば40V)を出力するものである。燃料電池11gの最大出力電力は1000Wであり、最低出力電力は300Wである。
【0070】
改質器31は、燃料(改質用燃料)を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを燃料電池11gに供給するものであり、バーナ(燃焼部)、改質部、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)から構成されている。燃料としては天然ガス、LPG、灯油、ガソリン、メタノールなどがある。
【0071】
バーナは、起動運転時に外部から燃焼用燃料および燃焼用空気が供給され、または定常運転時に燃料電池11gの燃料極からアノードオフガス(燃料電池に供給され使用されずに排出された改質ガス)が供給され、供給された各可燃性ガスを燃焼して燃焼ガスを改質部に導出するものである。
【0072】
改質部は、外部から供給された燃料に蒸発器からの水蒸気(改質水)を混合した混合ガスを改質部に充填された触媒により改質して水素ガスと一酸化炭素ガスを生成している(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気を水素ガスと二酸化炭素とに変成している(いわゆる一酸化炭素シフト反応)。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)はCOシフト部に導出される。
【0073】
COシフト部は、この改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気をその内部に充填された触媒により反応させて水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度が低減されてCO選択酸化部に導出される。
【0074】
CO選択酸化部は、改質ガスに残留している一酸化炭素と外部からさらに供給されたCO浄化用の空気とをその内部に充填された触媒により反応させて二酸化炭素を生成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)燃料電池11gの燃料極に導出される。
【0075】
改質器31に供給される燃料(改質用燃料)、改質水(水)および空気(CO浄化用)は、それぞれ燃料ポンプ14b、改質水ポンプ16aおよび空気ポンプ16cによって供給されており、その供給量は制御装置17の指令に基づいて制御されている。燃料ポンプ14b、改質水ポンプ16aおよび空気ポンプ16cの供給量を制御することにより、改質器31から供給される改質ガス(燃料ガス)の供給量は調整することができる。
【0076】
上述した改質器31、燃料ポンプ14b、改質水ポンプ16aおよび空気ポンプ16cから燃料ガス供給装置30が構成されている。なお、燃料ガス供給装置30は、水素ガスボンベ(水素ガスタンク、水素ガス供給管)と水素ガスボンベからの供給量を調整する調整弁とから構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
11…燃料電池モジュール、11a…ケーシング、11b…蒸発部、11c…改質部、11d…燃料電池、12…系統電源、13…電源ライン、14…電力負荷、15…補機、16…インバータ装置、16a…DC/DCコンバータ、16b…DC/ACインバータ、16c…AC/DCコンバータ、16d…制御用DC/DCコンバータ、16e…補機用DC/DCコンバータ、16h…第1スイッチ(スイッチ)、16k…電流測定装置、17…制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池と、
前記燃料電池に前記燃料および前記酸化剤ガスを供給するための補機と、
前記補機を制御する制御用マイコンと、
前記燃料電池から出力される直流電力を前記補機および前記制御用マイコンに供給する第1の電力供給ラインと、
前記第1の電力供給ライン上に設けられ、前記燃料電池から出力される直流電力を入力し所定の直流電力に変換して前記補機および前記制御用マイコンに出力するDC/DCコンバータと、
交流の系統電源と、
前記系統電源と前記第1の電力供給ライン上であって前記燃料電池と前記DC/DCコンバータとの間の部分とを接続している第2の電力供給ラインと、
起動運転時および停止運転時だけでなく定常運転時においても、前記系統電源から出力される交流電力を入力し直流電力に変換して前記DC/DCコンバータに出力するAC/DCコンバータと、
前記第1の電力供給ライン上であって前記第2の電力供給ラインとの合流点より前記燃料電池側に設けられ、前記燃料電池から前記DC/DCコンバータに向けて流れる電流のみを許容する第1整流素子と、
前記第2の電力供給ライン上に設けられ、前記AC/DCコンバータから前記第1の電力供給ラインに向けて流れる電流のみを許容する第2整流素子と、
前記第1の電力供給ライン上であって前記第2の電力供給ラインとの合流点より前記燃料電池側に設けられ、前記燃料電池と前記DC/DCコンバータとの間を、前記起動運転時および前記停止運転時において遮断し、前記定常運転時において連通するスイッチと、
を備えた燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1において、前記第1の電力供給ラインを流れる電流の電流値を測定する電流測定装置をさらに備えた燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記AC/DCコンバータは、前記定常運転時であって前記燃料電池が所定発電量以上で発電している場合には、低待機電力を出力する低待機運転で稼働され、一方、前記定常運転時であって前記燃料電池が所定発電量未満で発電している場合、前記起動運転時である場合および前記停止運転時である場合には、前記低待機電力より高い前記補機の駆動に必要な電力を出力する定常運転で稼働される燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−134059(P2012−134059A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286315(P2010−286315)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】