説明

燃料電池用スタックおよび燃料電池搭載車両

【課題】燃料電池スタックにおいて簡易な構成で、積層方向に垂直な面内方向への慣性荷重に対する耐性を強化する技術を提供する。
【解決手段】本発明は、燃料電池スタックを提供する。この燃料電池スタックは、発電体とセパレータの少なくとも一方の機能を有するプレートが複数積層された積層体と、積層体の積層方向の外側から挟持する一対のエンドプレートと、セル積層体の積層方向に伸びて一対のエンドプレートに締結されたズレ抑制部材と、2以上のプレートに亘って積層体とズレ抑制部材との間に配置された変形可能な中間材と、を備える。2以上のプレートとズレ抑制部材の少なくとも一方は、中間材と接する面の少なくとも一部に凹凸形状が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載可能な燃料電池用スタックの構造として、発電体として機能するプレートと、セパレータとして機能するプレートを複数交互に積層した構成が提案されている。このような構造は単体では、プレートの積層方向(本明細書では、単に積層方向と呼ぶ。)に対して垂直な方向(本明細書では、単に面内方向と呼ぶ。)への慣性荷重に対する耐性が弱いという問題を有していた。積層方向への慣性荷重に対しては、各プレートが面圧方向に抗力を発生させることができるのに対して、面内方向への慣性荷重に対してはプレート相互間に働く摩擦力で抗力を発生させることになるからである。このため、たとえば特許文献1に開示されるように、各プレートの外周に凹部を持たせるとともに、この凹部と嵌合する形状を備えたケーシングで面内方向へのズレを抑制するように構成された構造も提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−108009号公報
【特許文献2】特開2005−56814号公報
【特許文献3】特開平8−162143号公報
【特許文献4】特開2003−203670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような嵌合による拘束は、嵌合部に慣性荷重が集中するためケーシングやプレートの外周に対して強い剛性が要求され重量増加の要因となっていた。加えて、このような拘束は、各プレートやケーシングの形状に対して厳しい形状公差や組み立て精度を要求することにもなっていた。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池スタックにおいて簡易な構成で、積層方向に垂直な面内方向への慣性荷重に対する耐性を強化する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、燃料電池スタックを提供する。この燃料電池スタックは、
発電体とセパレータの少なくとも一方の機能を有するプレートが複数積層された積層体と、
前記積層体の積層方向の外側から挟持する一対のエンドプレートと、
前記セル積層体の積層方向に伸びて前記一対のエンドプレートに締結されたズレ抑制部材と、
2以上の前記プレートに亘って前記積層体と前記ズレ抑制部材との間に配置された変形可能な中間材と、
を備え、
前記2以上のプレートと前記ズレ抑制部材の少なくとも一方は、前記中間材と接する面の少なくとも一部に凹凸形状が形成されている。
【0007】
本発明の燃料電池スタックでは、2以上のプレートに亘って積層体とズレ抑制部材との間に変形可能な中間材が配置され、2以上のプレートとズレ抑制部材の少なくとも一方は中間材と接する面の少なくとも一部に凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は、変形可能な中間材との間に嵌合状態を形成し、摩擦力としての荷重伝達を向上させることができる。この嵌合には、たとえば特許文献1に開示されるような凹凸形状の嵌め合いを考慮する必要がないので、嵌合状態を実現するための形状公差を厳しく要求しなくても嵌合状態を簡易に実現することができる。
【0008】
ここで、「変形可能」の変形には、(1)中間材がウレタンシートやゴムといった弾性体の場合におけるプレートやズレ抑制部材を押しつける際の弾性変形や(2)中間材が樹脂や接着剤といった硬化性材料の場合における硬化前の変形といった各種の変形を含む。さらに、「発電体とセパレータの少なくとも一方の機能を有するプレートが複数積層された積層体と」とは、たとえば「発電体の機能を有するプレートと、セパレータの機能を有するプレートとが複数交互に積層された積層体」や「発電体とセパレータの双方の機能を有するプレートが複数積層された積層体」、あるいは「発電体の機能を有するプレートの両端からセパレータの機能を有する2枚のプレートが挟持するプレート群が複数積層された積層体」といった種々の形態を含む。
【0009】
上記燃料電池スタックにおいて、さらに、
前記積層体の積層方向の両端で前記一対のエンドプレートを前記積層方向に圧縮付勢する締結部材を備え、
前記締結部材と前記ズレ抑制部材は、構造的に一体化されても良い。こうすれば、締結部材とズレ抑制部材の構造的な一体化によってズレ抑制部材の剛性をさらに増大させることができる。
【0010】
上記燃料電池スタックにおいて、さらに、
前記中間材は、弾性体であり、
前記ズレ抑制部材は、前記積層方向と垂直な方向に前記積層体を圧縮付勢するようにしても良い。こうすれば、嵌合状態を簡易に再現することができるので、組み付け性や再利用性の向上を実現することが可能となる。
【0011】
上記燃料電池スタックにおいて、さらに、
前記積層方向を軸として前記積層体および前記ズレ抑制部材の周囲を覆うとともに閉じた形状を有し、前記ズレ抑制部材を前記積層体の外周側から圧縮付勢する帯状部材を備えるようにしても良い。こうすれば、帯状部材に発生する引っ張り荷重によってズレ抑制部材の付勢力を効果的に増大させることができる。
【0012】
本発明は、燃料電池を搭載する車両を提供する。この燃料電池を搭載する車両は、
上記のいずれかに記載の燃料電池スタックを有する燃料電池と、
前記燃料電池からの電力の供給に応じて前記車両を駆動する駆動部と、
を備える。
【0013】
なお、本発明は、燃料電池、燃料電池スタック製造方法その他の種々の態様で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.本発明の第1実施例における燃料電池スタックの構成:
B.本発明の第2実施例における燃料電池スタックの構成:
C.変形例:
【0015】
A.本発明の第1実施例における燃料電池スタックの構成:
図1は、本発明の第1実施例における半製品としての燃料電池スタック100hの構成を示す説明図である。燃料電池スタック100hは、積層体110と、積層体110を積層方向(図1では、左右方向)の両端から挟持する一対のエンドプレート150、160と、一対のエンドプレート150、160による挟持を実現するために一対のエンドプレート150、160を締結する4組のボルト121及びナット122とを備えている。燃料電池スタック100hには、積層体110に燃料ガスや冷却液を供給するための複数の貫通孔であるマニホールド孔M1〜M6が形成されている。
【0016】
図1の座標系は、燃料電池スタック100hが車両300に搭載される際に想定されている各方向を表している。たとえば前後方向は、車両の前後方向を示し、また、左右方向と上下方向とは、それぞれ車両の左右方向と上下方向とを示している。本実施例では、車両の設計において、衝突や追突を考慮して前後方向に最も大きな衝撃が加わることが想定されているものとする。
【0017】
車両300は、車輪310と、車輪310に機械的な駆動力を供給するギアボックス320と、ギアボックス320に機械的な駆動力を供給するモーター330と、半製品としての燃料電池スタック100hから製造される燃料電池スタック100(後述)を有する燃料電池350と、燃料電池から供給される電力を三相交流の駆動電力としてモーター330に供給する駆動回路340とを備えている。
【0018】
図2は、半製品としての燃料電池スタック100hを上側(図1の座標系)から見た図である。積層体110は、本実施例では、複数のプレート10a〜10uが積層された積層体として構成されている。複数のプレート10a〜10uは、発電体とセパレータとを含んでいる。複数のプレート10a〜10uに示された矢印は、図示しない車両に前後方向への衝撃が加わって、この衝撃によって半製品としての燃料電池スタック100hのプレート10a〜10uで発生する慣性力と摩擦力である。複数のプレート10a〜10uの各々において、慣性力と摩擦力とは、それぞれ塗りつぶされた矢印と、ハッチングされた矢印とで示されている。
【0019】
プレート10a〜10uの各々における慣性力と摩擦力の関係は、以下のとおりである。たとえば、プレート10kでは、プレート10kの慣性力(塗りつぶしの矢印)と摩擦力(ハッチングされた矢印)とが釣り合っている。ここで、慣性力は、プレート10k単体の慣性力である。摩擦力は、プレート10kを挟持する2枚のプレート10j、10Lとプレート10kとの間で働く摩擦力である。一方、プレート10aでは、プレート10a〜10jの慣性力の和とプレートkの慣性力の半分の和と、摩擦力とが釣り合っている。ここで、摩擦力は、プレート10aとエンドプレート150との間で働く摩擦力である。
【0020】
このように、半製品としての燃料電池スタック100hは、積層方向(左右方向)に垂直な方向(面内方向)に慣性荷重が加わった場合には、積層方向に累積された慣性荷重をプレート10a〜10uの相互間の摩擦力あるいはエンドプレート150、160との摩擦力で抗力を発生させることになる。このため、面内方向への慣性荷重に対する耐性が弱くプレート相互間のズレが発生し得るので、特許文献1に開示されるような技術をはじめとして種々の技術が提案されている。
【0021】
図3は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成を示す説明図である。燃料電池スタック100は、半製品としての燃料電池スタック100hに対してズレ抑制部材200と、14本のボルト220とを備えている。ズレ抑制部材200は、積層体110の積層方向に伸びて一対のエンドプレート150、160に14本のボルト220で締結されている。
【0022】
図4は、第1実施例の燃料電池スタック100の断面AAを示す説明図である。ズレ抑制部材200は、絶縁性と弾性とを兼ね備えるウレタンシート210を介して、積層体110を付勢している。この付勢は、ズレ抑制部材200と積層体110との間の間隙よりもウレタンシート210の厚さを厚くすることによって本実施例では実現されている。この付勢は、ウレタンシート210の両側で働く摩擦力を介して積層体110に働く慣性力をズレ抑制部材200に伝えるためである。
【0023】
本実施例では、ズレ抑制部材200と積層体110との双方において、ウレタンシート210と接触する面に凹凸形状が与えられている。この凹凸形状は、ズレ抑制部材200や積層体110と、ウレタンシート210との間に嵌合状態を形成し、摩擦係数を大きくするために与えられたものである。この凹凸形状は、サンドブラストや溶射、切削その他の表面形状を変化させる加工によって実現することができる。たとえばサンドブラストでは、Ra0.2〜20μm、Rz1〜120μm位(JIS B0601−1994)といった比較的に小さな表面粗さ(不規則な凹凸)を実現し、一方、溶射は、Ra15〜40μm、Rz80〜200μm位(JIS B0601−1994)といった比較的に大きな表面粗さ(不規則な凹凸)を実現することができる。なお、切削では、さらに大きな凹凸形状(規則的あるいは不規則な凹凸)を実現することができる。
【0024】
このようにしてズレ抑制部材200や積層体110に形成された凹凸形状は、図4の拡大図BBに示されるように、弾性を有するウレタンシート210に押しつけられるとウレタンシート210の変形を生じさせて嵌合状態を実現することになる。このような嵌合状態は、嵌合状態を実現するための形状公差を厳しく要求しなくても、摩擦力として顕著に荷重を伝達することができる。加えて、摩擦力を介して荷重を受けるズレ抑制部材200は、荷重の方向(前後方向)に大きな幅を有するので、摩擦面を大きく取ることができるとともに、荷重の方向に大きな剛性を有しているという効率的な荷重の流れが実現されていることになる。
【0025】
このように、第1実施例では、弾性を有するウレタンシート210とズレ抑制部材200とを介して効率的にエンドプレート150、160に荷重を流す構成を簡易に実現している。
【0026】
なお、第1実施例では、積層体110とズレ抑制部材200との間にウレタンシート210が配置されているが、たとえばゴムその他の弾性体でも良いく、ガラスエポキシその他の樹脂や接着剤といった中間材でも良い。このようにしても、積層体110やズレ抑制部材200の凹凸面との間の嵌合状態を簡易に形成することができる。ただし、接着剤を使用する際には、積層体110とズレ抑制部材200の少なくとも一方との間にラップフィルムを挟むことによって組み付け性や再利用性を向上させるようにすることが好ましい。また、このような材料の種類に応じて、凹凸形状の表面粗さや規制性(不規則性)を選択することが好ましい
【0027】
B.本発明の第2実施例における燃料電池スタックの構成:
図5は、本発明の第2実施例における組立前の燃料電池スタック100aの構成を示す説明図である。第2実施例の組立前の燃料電池スタック100aは、積層体110aを挟持するエンドプレート150a、160aを締結する4組の締結部材としてのスタッド121a、122aが、第2実施例のズレ抑制部材200a(後述)と結合され、構造的に一体化されている点で第1実施例と相違する。なお、図5では、説明を分かりやすくするためにズレ抑制部材200aの図示が省略されている。また、図5の座標系は、燃料電池スタック100haが車両(図示せず)に搭載される際に想定されている各方向を表している。
【0028】
エンドプレート150a、160aは、積層体110aの積層方向の両端で積層体110aを挟持するように、4本のスタッド121aと8個のボルト122aとで締結されている。4本のスタッド121aは、エンドプレート150aが有する4個のストッパ152と、エンドプレート160aが有する4個のストッパ162とで積層方向に垂直な方向(前後方向と上下方向)への動きが規制されている。
【0029】
図6は、第2実施例のズレ抑制部材200aと2本のスタッド121aとが溶接あるいは図示しない締結部品で結合され、構造的に一体化されている様子を示す説明図である。このような構造的な一体化は、ズレ抑制部材200aの端部における面外の変形を2本のスタッド121aによって規制し、ズレ抑制部材200aの剛性をさらに増大させるために行われているものである。ズレ抑制部材200aは、第1実施例と同様に荷重の方向(前後方向)に大きな幅を有するので荷重の方向に大きな剛性を有しているが、第2実施例では、ズレ抑制部材200aの端部における面外の変形を規制して、さらに剛性を増大させているのである。加えて、第2実施例では、さらにズレ抑制部材200aの角部をストッパ152、162で規制して剛性を増大させている。
【0030】
ズレ抑制部材200a及び2本のスタッド121aには、弾性を有するウレタンシート210aとが接着されている。ウレタンシート210aは、ズレ抑制部材200aと積層体110aとの間の摩擦力による荷重伝達能力を増大させるために装備されたものである。
【0031】
図7は、本発明の第2実施例における組立後の燃料電池スタック100aの構成を示す説明図である。図7では、ズレ抑制部材200aの図示が省略されていないので、2本のスタッド121aとズレ抑制部材200aとが一体的に構成された構造部品230(図6)が装着された様子が示されている。
【0032】
第2実施例の燃料電池スタック100aにおける衝撃荷重は以下のように伝達される。すなわち、積層体110aで生じた前後方向の慣性荷重は、先ず積層体110aとウレタンシート210aとの間の摩擦力を介してズレ抑制部材200aに伝達される。この摩擦力による荷重の伝達は、ウレタンシート210aの弾力性と積層体110aの面に施された凹凸形状とによって嵌合状態を生じさせて摩擦係数を増大させるとともに、2本のスタッド121aからズレ抑制部材200aの面外方向への荷重によって増大した積層体110aとウレタンシート210aとの間に働く垂直抗力とによって実現されている。
【0033】
ズレ抑制部材200aに伝達された荷重は、次に2本のスタッド121aとの一体化によって実現された高剛性の構造部品230(図6)を介して、エンドプレート150a、160aのストッパ152、162に効率的に伝達されることになる。
【0034】
このように、第2実施例では、積層体110aを挟持する一対のエンドプレート150a、160aを積層方向に圧縮するスタッド121aを備える。このスタッド121aは、ズレ抑制部材200aと構造的に一体化されているので、積層体110aとズレ抑制部材200aの間の垂直抗力を大きくするとともに、面外方向の変形を規制するので、ズレ抑制部材200aの板厚を薄くすることも可能である。
【0035】
なお、第2実施例では、8個のストッパ152、162とで4本のスタッド121aの前後方向だけでなく上下方向への動きも規制されているがたとえば前後方向だけを規制するストッパ(図示せず)とするとともに、図8に示されるような積層体110aを上下から覆うケーシングとしての役割をも果たすズレ抑制部材200bと4本のスタッド121aの一体化構成としても実現することが可能である。
【0036】
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。特に、上記各実施例における構成要素中の独立請求項に記載された要素以外の要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。さらに、たとえば以下のような変形例も実施可能である。
【0037】
C−1.上述の各実施例では、ズレ抑制部材200、200aと積層体110、110aとの双方に凹凸形状を与えているが、一方のみでも良い。すなわち、たとえばズレ抑制部材200にウレタンシート210を接着し、積層体110の側にのみ凹凸形状を与えるようにしても良いし、あるいは逆でも良い。さらに、接着する側にも凹凸形状を与えるようにしても良い。このように、積層体110、110aとズレ抑制部材200、200aの少なくとも一方が中間材と接する位置において凹凸形状を有するように構成されていればよい。
【0038】
C−2.上記実施例では、複数のプレート10a〜10uの全てに亘って積層体110、110aとズレ抑制部材200、200aとの間にウレタンシート210、210aが配置されているが、少なくとも一部のプレート(たとえば2以上のプレート)に亘って配置されていれば良い。
【0039】
C−3.上記実施例において、さらに、積層方向を軸として積層体110、110aおよびズレ抑制部材200、200aの周囲を覆うとともに閉じた形状を有し、ズレ抑制部材200、200aを積層体110、110aと反対側から圧縮する帯状部材を備えるようにしても良い。こうすれば、帯状部材に発生する引っ張り荷重によってズレ抑制部材の付勢力を効果的に増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施例における半製品としての燃料電池スタック100hの構成を示す説明図。
【図2】半製品としての燃料電池スタック100hを上側から見た図。
【図3】第1実施例の燃料電池スタック100の構成を示す説明図。
【図4】第1実施例の燃料電池スタック100の断面AAを示す説明図。
【図5】本発明の第2実施例における組立前の燃料電池スタック100aの構成を示す説明図。
【図6】第2実施例のズレ抑制部材200aと2本のスタッド121aとが結合され構造的に一体化されている様子を示す説明図。
【図7】本発明の第2実施例における組立後の燃料電池スタック100aの構成を示す説明図。
【図8】第2実施例の変形例のズレ抑制部材200bと2本のスタッド121aとが結合され構造的に一体化されている様子を示す説明図。
【符号の説明】
【0041】
10a〜10v…プレート
100…燃料電池スタック
100a…燃料電池スタック
100h…燃料電池スタック(半製品)
100ha…燃料電池スタック(半製品)
110、110a…積層体
121…ボルト
121a…スタッド
122、122a…ナット
150、160、150a、160a…エンドプレート
152、162…ストッパ
200、200a…ズレ抑制部材
210、210a…ウレタンシート
220…ボルト
230…構造部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックであって、
発電体とセパレータの少なくとも一方の機能を有するプレートが複数積層された積層体と、
前記積層体の積層方向の外側から挟持する一対のエンドプレートと、
前記セル積層体の積層方向に伸びて前記一対のエンドプレートに締結されたズレ抑制部材と、
2以上の前記プレートに亘って前記積層体と前記ズレ抑制部材との間に配置された変形可能な中間材と、
を備え、
前記2以上のプレートと前記ズレ抑制部材の少なくとも一方は、前記中間材と接する面の少なくとも一部に凹凸形状が形成されている燃料電池スタック。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池スタックであって、さらに、
前記積層体の積層方向の両端で前記一対のエンドプレートを前記積層方向に圧縮付勢する締結部材を備え、
前記締結部材と前記ズレ抑制部材は、構造的に一体化されている燃料電池スタック。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料電池スタックであって、
前記中間材は、弾性体であり、
前記ズレ抑制部材は、前記積層方向と垂直な方向に前記積層体を圧縮付勢する燃料電池スタック。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、さらに、
前記積層方向を軸として前記積層体および前記ズレ抑制部材の周囲を覆うとともに閉じた形状を有し、前記ズレ抑制部材を前記積層体の外周側から圧縮付勢する帯状部材を備える燃料電池スタック。
【請求項5】
燃料電池を搭載する車両であって、
請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池スタックを有する燃料電池と、
前記燃料電池からの電力の供給に応じて前記車両を駆動する駆動部と、
を備える車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−277102(P2008−277102A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118740(P2007−118740)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】