説明

燃料電池

【課題】反応ガスの流れの偏りを抑制することを目的とする。
【解決手段】燃料電池100であって、膜電極接合体235と、前記膜電極接合体235の少なくとも一方の面に配置され、前記膜電極接合体に反応ガスを供給するための反応ガス流路270とを備え、前記反応ガス流路270には、前記反応ガスの流れ方向と交差する方向に延びる流路部分として、流路抵抗が相対的に高い部分高抵抗流路部分270bと流路抵抗が相対的に低い低抵抗流路部分270aとが交互に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の一種として、膜電極接合体に反応ガスを供給するための多孔体流路を備えた燃料電池が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−188834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、電極層の平面内において、反応ガスの流れの分布に偏りが生じることについては、十分に考慮がなされていなかった。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、電極層の平面内において、反応ガスの流れの偏りを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の態様をとる。
【0007】
本発明の第1の態様は、燃料電池であって、膜電極接合体と、前記膜電極接合体の少なくとも一方の面に配置され、前記膜電極接合体に反応ガスを供給するための反応ガス流路とを備え、前記反応ガス流路には、前記反応ガスの流れ方向と交差するように、流路抵抗が相対的に高い高抵抗流路部分と流路抵抗が相対的に低い低抵抗流路部分とが交互に形成されている。この態様によれば、反応ガスが流路抵抗の高い部分を通過する際に流れが再分配されるので、反応ガスの流れの偏りを抑制することが可能となる。
【0008】
本発明の第1の態様において、前記反応ガス流路は、多孔体により形成されており、前記高抵抗流路部分は、前記低抵抗流路部分より、前記多孔体の空隙率が小さい部分を含んでいてもよい。この態様によれば、流路抵抗が相対的に高い部分と流路抵抗が相対的に低い部分とを形成することが可能となる。
【0009】
本発明の第1の態様において、切り欠き部を有する多孔体により形成されており、前記高抵抗流路部分は、前記切り欠き部に前記多孔体よりも流路抵抗の大きな材料が充填された部分を含んでいてもよい。この態様によれば、流路抵抗が相対的に高い部分と流路抵抗が相対的に低い部分とを形成することが可能となる。
【0010】
本発明の第1の態様において、前記反応ガス流路は、前記反応ガスの流れる方向のピッチが相対的に狭い部分と、相対的に広い部分を交互に有するエキスパンドメタルを用いて形成されていてもよい。この態様によれば、流路抵抗が相対的に高い部分と流路抵抗が相対的に低い部分とを形成することが可能となる。
【0011】
本発明の第1の態様において、さらに、前記膜電極接合体と前記エキスパンドメタルとの間にガス拡散層を備え、前記エキスパンドメタルの前記ガス拡散層との接触部のうちの一部は、前記接触部の他の部分より薄く形成されていてもよい。この態様によれば、流路抵抗が相対的に高い部分と流路抵抗が相対的に低い部分とを形成することが可能となる。
【0012】
本発明の第1の態様において、さらに、前記膜電極接合体と前記エキスパンドメタルとの間にガス拡散層を備え、前記エキスパンドメタルの前記ガス拡散層との接触部の一部における接触長さは、前記接触部の他の部分における接触長さより短く形成されていてもよい。この態様によれば、流路抵抗が相対的に高い部分と流路抵抗が相対的に低い部分とを形成することが可能となる。
【0013】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池の他、燃料電池用反応ガス流路の構造、反応ガスの偏り抑制方法等、様々な形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の実施例:
図1は、第1の実施例に係る燃料電池の外観を示す斜視図である。燃料電池100は、電池ユニット200とエンドプレート202、204を備える。本実施例では、電池ユニット200は複数積層されているが、電池ユニット200は1個であってもよい。エンドプレート202、204は、電池ユニット200の積層方向の両端にそれぞれ配置されている。燃料電池100には、燃料ガス供給マニホールド110と、燃料ガス排出マニホールド120と、酸化ガス供給マニホールド130と、酸化ガス排出マニホールド140と、冷媒供給マニホールド150と、冷媒排出マニホールド160と、が設けられており、これらのマニホールド110〜160は、燃料電池100を積層方向に貫通している。
【0015】
図2は、燃料電池100を図1に示す2−2切断線で切ったときの断面図である。電池ユニット200は、膜電極アッセンブリ20とセパレータ30とを備える。膜電極アッセンブリ20は、電解質膜210と、アノード触媒層220と、カソード触媒層230と、アノード側ガス拡散層240と、カソード側ガス拡散層250と、アノード側多孔体260と、カソード側多孔体270と、シールガスケット275とを備える。
【0016】
電解質膜210としては、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマなどのフッ素系樹脂や炭化水素系樹脂からなるプロトン伝導性のイオン交換膜を用いることが可能である。アノード触媒層220及びカソード触媒層230は、それぞれ、電解質膜210の両面に接合されている。触媒としては、例えば、白金触媒、あるいは白金と他の金属とからなる白金合金触媒を用いることが可能である。これらの触媒は、例えばカーボン粒子上に担持されて電解質膜210上に塗布される。電解質膜210と触媒層220、230とを合わせて、「膜電極接合体235」とも呼ぶ。
【0017】
アノード側ガス拡散層240とカソード側ガス拡散層250は、それぞれ、膜電極接合体235の両面に配置されている。ガス拡散層240、250としては、カーボン不織布を用いたカーボンクロスやカーボンペーパーを用いることが可能である。アノード側多孔体260と、カソード側多孔体270は、それぞれ、ガス拡散層240、250の外側に配置されている。アノード側多孔体260と、カソード側多孔体270は、それぞれ燃料ガス、酸化ガスの流路をなす部材である。多孔体260、270として、例えば、金属製の多孔体を用いることが可能である。シールガスケット275は、膜電極接合体235の外縁を囲うように形成されている。シールガスケット275は、たとえば射出成形により、膜電極接合体235と一体に成形される。セパレータ30は、多孔体260、270の外側に配置される。セパレータ30は、カソードプレート300と、アノードプレート400と、中間フィルム500を備える。各セパレータプレート300、400として、例えば金属製のプレートを用いることが可能である。カソードプレート300には、カソード側多孔体270に反応ガスを供給し、排出するための開口部332、342が設けられており、アノードプレート400には、アノード側多孔体260に反応ガスを供給し、排出するための開口部412、422が設けられている。中間フィルム500は、カソードプレート300と、アノードプレート400とを接着する。また、中間フィルム500には、冷媒を流すための開口部555が設けられている。中間フィルム500として、例えば、樹脂製のフィルムを用いることが可能である。
【0018】
図3は、カソード側多孔体270の構成を示す説明図である。多孔体270には、相対的に流路抵抗が低い低抵抗流路部分270aと、流路抵抗が高い高抵抗流路部分270bが交互に形成されている。これらの2種類の流路部分270a、270bは、反応ガス(酸化ガス)の流れの方向(矢印で示す)と交差する方向にそれぞれ延びるように形成されている。この構成によれば、高抵抗流路部分270bを反応ガスが通過する際に、反応ガスの流れが再分配されるため、反応ガスの流れの偏りが抑制される。なお、低抵抗流路部分270aと高抵抗流路部分270bは、それぞれ少なくとも1つ以上あれば良いが、それぞれを複数設けることが好ましい。
【0019】
図4は、図3に示すXの部分を拡大した説明図である。低抵抗流路部分270aは、孔272aが相対的に大きく、高抵抗流路部分270bは、孔272bが相対的に小さくなるように構成されている。実際は、孔272a、272bの大きさには、ある程度のバラツキがあるが、低抵抗流路部分270aの孔272aの平均径が、高抵抗流路部分270bの孔272bの平均径よりも大きければよい。
【0020】
一般に多孔体270は、例えば、金属粉末と発泡体とを混合し、焼結することにより製造される。焼結時に、発泡体は飛んで蒸発し、発泡体の跡が孔272となる。すなわち、発泡体の大きさを変えることにより、多孔体270の孔272の大きさを変えることが可能である。低抵抗流路部分270aと、高抵抗流路部分270bとを有する多孔体270は、例えば、以下に示すようにして製造することが可能である。
【0021】
まず、金属粉末と相対的に大きな発泡体とを混ぜた混合物を容器に入れる。次に、その上に金属粉末と相対的に小さな発泡体とを混ぜた混合物を入れる。次に、その上に金属粉末と相対的に大きな発泡体とを混ぜた混合物を入れる。以下、これを繰り返す。これにより、相対的に小さな発泡体を含む混合物の層と、相対的に大きな発泡体を含む混合物の層とを交互に有するものができる。これを焼結すると、発泡体が飛んで蒸発するので、低抵抗流路部分270aと、高抵抗流路部分270bとを有する多孔体270を得ることが可能となる。
【0022】
以上、第1の実施例によれば、多孔体270を流れる反応ガスが、高抵抗流路部分270bを通過する際に、その流れが再分配されるため、反応ガスの流れの偏りが抑制される。
【0023】
第2の実施例:
図5は、第2の実施例に係る多孔体270の構成を示す説明図であり、図4に対応する図である。第2の実施例では、孔272の数を変えている。すなわち、低抵抗流路部分270aは、孔272の数が相対的に多く、高抵抗流路部分270bは、孔272の数が相対的に少なくなっている。こうしても多孔体270に低抵抗流路部分270aと、高抵抗流路部分270bを形成することが可能である。なお、孔272の数は、金属粉末と発泡体の混合比率を変えることにより容易に調製できる。すなわち、孔272の数を少なくしたい場合には、金属粉末に混ぜる発泡体の量を相対的に少なくし、孔272の数を多くしたい場合には、金属粉末に混ぜる発泡体の量を相対的に多くすればよい。製造は、第1の実施例と同様に行うことが可能である。
【0024】
なお、図4と図5の構成を同時に採用することも可能である。すなわち、低抵抗流路部分270aでは、孔272の大きさが大きく、かつ、孔272の数が多くなるように構成し、一方、高抵抗流路部分270bでは、孔272の大きさが小さく、かつ、孔272の数が少なくなるように構成してもよい。高抵抗流路部分270bは、低抵抗流路部分270aより、多孔体の空隙率が小さい部分を含んでいればよい。
【0025】
第3の実施例:
図6は、第3の実施例に係る多孔体270を、図3に示す6−6線で切った断面を示す説明図である。第3の実施例では、多孔体270の表面に凹部273が形成され、凹部273に樹脂274が充填されている。樹脂274は反応ガスの通気性が悪いため、樹脂274がある部分は無い部分に比べて通気抵抗が高くなる。こうしても多孔体270に低抵抗流路部分270aと、高抵抗流路部分270bを形成することが可能である。なお、凹部273と樹脂274は、多孔体270のセパレータ30側の面、あるいは、ガス拡散層250側の面のいずれにあってもよい。また、凹部273と樹脂274は、多孔体270の両面にあってもよい。
【0026】
第4の実施例:
図7は、第4の実施例における反応ガス流路を構成するエキスパンドメタルを模式的に示す斜視図である。第4の実施例では、反応ガス流路として、多孔体270ではなく、場所によりピッチが異なるエキスパンドメタル280を用いている。エキスパンドメタルは、薄い金属板に対し一方向の切り込みを多数入れ、直交方向に引っ張ることにより、網目構造としたものをいい、「ラス」とも呼ばれる。本実施例のエキスパンドメタル280は、平板に切り込みが入れられ、切れ目を境にそれぞれ山方向と谷方向に折り曲げられている。これにより、六角形の開口部280aが形成されている。ここで、六角形の山方向に折った3つの辺のうち真ん中の辺を辺280b、六角形の谷方向に折った3つの辺のうち真ん中の辺を辺280cとする。電池ユニット200にエキスパンドメタル280を組み込むと、辺280bは、図2に示すガス拡散層250に接し、辺280cはセパレータ30に接する。ここで、辺280bと辺280cとを含む面280dは、ガス拡散層250あるいは、セパレータ30と斜めの関係にある。以後、面280dを「斜面280d」と呼ぶ。
【0027】
エキスパンドメタル280での反応ガスの流れについて説明する。カソードプレート300の開口部332(図2参照)から供給された反応ガスG1aは、開口部280aを通り、エキスパンドメタル280のガス拡散層側に出てくる。開口部280aから流れ出てきた反応ガスG1aは、斜面280dに当たり、斜面280dを辺280b方向に駆け上がる。反応ガスの一部は、ガス拡散層250に拡散するが、残りは、斜面280dを駆け上がる途中で左右に分かれ、反応ガスG1b及びG1cになる。反応ガスG1cは、別の開口部280aから流れてきた反応ガスG2aと合流し、斜面280dを辺280b方向に駆け上がる。反応ガスの一部は、同様にガス拡散層250に拡散するが、残りは、同様に左右に分かれ、反応ガスG2b及びG2cになる。反応ガスは、一部をガス拡散層に拡散させつつ、分離と合流を繰り返して流れる。
【0028】
図8は、エキスパンドメタル280を図7に示すz方向から見た図である。太線は、切断線であり、図7の六角形の開口部の位置に当たる。エキスパンドメタル280には、ピッチ幅が狭い部分(ピッチ幅W1)とピッチ幅が広い部分(ピッチ幅W2)がある。ここで、ピッチ幅とは、切断線と切断線との間隔をいう。
【0029】
図9は、エキスパンドメタルを図7に示すy方向から見た図である。図9では、セパレータプレート300とガス拡散層250も描いている。図の左右部分がエキスパンドメタル280のピッチ幅の狭い部分、中央部分がピッチの広い部分となっている。図を見れば分かるように、中央部分では、辺280bがガス拡散層250に食い込んでいる。そのため、流路抵抗が高くなる。すなわち、エキスパンドメタル280のピッチ幅を変えることにより、反応ガスの流路抵抗を変えることが可能となる。
【0030】
図10は、エキスパンドメタル280の製造工程を説明する説明図である。エキスパンドメタル製造装置は、刃部600と、ローラー610を備える。刃部600は、上刃600a、600bと下刃600cとを備える。上刃600aと600bは、x方向の幅を除き同形の凸部と凹部を有している。上刃600aのx方向の幅は、図8に示すピッチ幅W1に等しく、上刃600aと600bのx方向の幅の和は、ピッチ幅W2に等しい。なお、上刃600aと600bは同形であってもよい。この場合には、W2の長さは、W1の長さの2倍となる。
【0031】
まず、金属板290にピッチ幅の小さな部分を形成する場合について説明する。金属板290をローラー610によりx方向に送る(工程a)。この時の送り量は、W1である。次に、上刃600aを上下する(工程b)。これにより、金属板290に下向きの凸部290aを形成する。凸部290aの内には、台形の形状をした開口部290bが形成されている。なお、ピッチ幅の小さな部分を形成する場合には、上刃600bは用いず、図示しない位置に退避している。
【0032】
金属板290をローラー610によりx方向に送る(工程c)。この時の送り量は、W1である。上刃600aを、y方向に移動する(工程d)。この時の移動量は、凹凸の周期の半分の長さである。上刃600aを下げる(工程e)。この工程により、開口部290bは1段下がり、台形の形状から六角形の形状に変形するともに、第2の凸部290cが形成される。なお、形成された開口部290bは、図7に示す開口部280aと同じものである。上刃600aをもとの位置に戻し、金属板をx方向にW1送る(工程f)。以後、工程aから工程fを繰り返すことにより、金属板290に直線状の切れ目を千鳥状に入れながら金属板を押し広げ、金属板290に段状の網目を形成する。
【0033】
ピッチ幅の大きな部分を形成する動作は、ピッチ幅が小さな部分を形成するときの動作とほぼ同じである。異なる点は、工程a、c、fにおいてx方向への送り量はW2である点、及び、工程b、d、e、fにおいて、上刃600aと600bが同時に動作する点である。
【0034】
図11は、エキスパンドメタルを図7に示すx方向から見た図である。ここでは、六角形の開口部280aが見えている。
【0035】
このように、反応ガス流路としてエキスパンドメタル280を用いると共に、エキスパンドメタル280に挟ピッチ部分と広ピッチ部分を設けることによって、低抵抗流路部分と高抵抗流路部分とを形成することが可能である。
【0036】
図12は、エキスパンドメタルの変形例を示す説明図である。エキスパンドメタル280をx方向から見たときの開口部280aの形状は、六角形以外に様々な形状が可能である。例えば、開口部280aの形状が菱形(図12(a))、あるいは、長方形(図12(b))になっていてもよい。
【0037】
第5の実施例:
図13は、第5の実施例に係るエキスパンドメタルを、図11に示す13−13切断線で切ったときの断面を示す説明図である。この例では、ガス拡散層250と接する辺280bのうちの一部の辺280bが細く楔状に加工されていている。辺280bを他の部分よりも細く加工すると、辺280bがガス拡散層250に食い込み易くなり、当該部分において流路抵抗を大きくすることが可能となる。
【0038】
第6の実施例:
図14は、第6の実施例に係るエキスパンドメタルを図7に示すz方向から見た図である。第6の実施例では、斜面280dの幅を変えている。例えば、斜面280dの幅をL1からL2に狭くすると、辺280bがガス拡散層250に食い込み易くなり、当該部分において反応ガスの流路抵抗を大きくすることが可能である。なお、第4の実施例と第6の実施例は組み合わせて採用してもよい。たとえば、低抵抗流路部分では、ピッチ幅を狭くして(W1)斜面280dの幅を大きくし(L1)、高抵抗流路部分では、ピッチ幅を広くして(W2)、斜面280dの幅を小さくすることが可能である(L2)。なお、本実施例に係るエキスパンドメタル280は、上刃600a、600bの凹凸の形状を変え、上刃600aと600bを切り替えて用いることにより容易に製造することが可能である。
【0039】
上記各実施例では、カソード側を例にとり、説明をしたが、アノード側においても、反応ガス流路に相対的に流路抵抗が高い部分と、相対的に低い部分を有するように構成してもよい。すなわち、アノード側、カソード側の少なくとも一方の反応ガス流路が、相対的に流路抵抗が高い部分と、相対的に低い部分とを有していればよい。
【0040】
上記第1から第3の実施例の構成は、組み合わせて用いてもよい。また、第4から第6の実施例の構成も、組み合わせて用いてもよい。
【0041】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施例に係る燃料電池の外観を示す斜視図である。
【図2】燃料電池100を図1に示す2−2切断線で切ったときの断面図である。
【図3】カソード側多孔体270の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示すXの部分を拡大した説明図である。
【図5】第2の実施例に係る多孔体270の構成を示す説明図である。
【図6】第3の実施例に係る多孔体270を、図3に示す6−6線で切った断面を示す説明図である。
【図7】第4の実施例における反応ガス流路を構成するエキスパンドメタルを模式的に示す斜視図である。
【図8】エキスパンドメタル280を図7に示すz方向から見た図である。
【図9】エキスパンドメタルを図7に示すy方向から見た図である。
【図10】エキスパンドメタル280の製造工程を説明する説明図である。
【図11】エキスパンドメタルを図7に示すx方向から見た図である。
【図12】エキスパンドメタルの変形例を示す説明図である。
【図13】第5の実施例に係るエキスパンドメタルを、図11に示す13−13切断線で切ったときの断面を示す説明図である。
【図14】第6の実施例に係るエキスパンドメタルを図7に示すz方向から見た図である。
【符号の説明】
【0043】
20…膜電極アッセンブリ
30…セパレータ
100…燃料電池
110〜160…マニホールド
200…電池ユニット
202、204…エンドプレート
210…電解質膜
220、230…触媒層
235…膜電極接合体
240、250…ガス拡散層
260、270…多孔体
270a…低抵抗流路部分
270b…高抵抗流路部分
272…孔
273…凹部
274…樹脂
275…シールガスケット
280…エキスパンドメタル
280a…開口部
280b…辺
280c…辺
280d…斜面
290…金属板
290a…凸部
290b…開口部
290c…第2の凸部
300…カソードプレート
332…開口部
400…アノードプレート
412…開口部
500…中間フィルム
555…開口部
600…刃部
600a…上刃
600b…上刃
600c…下刃
610…ローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池であって、
膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の少なくとも一方の面に配置され、前記膜電極接合体に反応ガスを供給するための反応ガス流路とを備え、
前記反応ガス流路には、前記反応ガスの流れ方向と交差するように、流路抵抗が相対的に高い高抵抗流路部分と流路抵抗が相対的に低い低抵抗流路部分とが交互に形成されている、燃料電池。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池において、
前記反応ガス流路は、多孔体により形成されており、
前記高抵抗流路部分は、前記低抵抗流路部分より、前記多孔体の空隙率が小さい部分を含む、燃料電池。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料電池において、
前記反応ガス流路は、切り欠き部を有する多孔体により形成されており、
前記高抵抗流路部分は、前記切り欠き部に前記多孔体よりも流路抵抗の大きな材料が充填された部分を含む、燃料電池。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料電池において、
前記反応ガス流路は、前記反応ガスの流れる方向のピッチが相対的に狭い部分と、相対的に広い部分を交互に有するエキスパンドメタルを用いて形成されている、燃料電池。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池において、さらに、
前記膜電極接合体と前記エキスパンドメタルとの間にガス拡散層を備え、
前記エキスパンドメタルの前記ガス拡散層との接触部の一部は、前記接触部の他の部分より薄く形成されている、燃料電池。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の燃料電池において、
前記膜電極接合体と前記エキスパンドメタルとの間にガス拡散層を備え、
前記エキスパンドメタルの前記ガス拡散層との接触部の一部における接触長さは、前記接触部の他の部分における接触長さより短く形成されている、燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−259591(P2009−259591A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107068(P2008−107068)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】