説明

燃焼装置

【課題】本発明は、燃料ガスの供給を部分的に停止した場合であっても、無効空気が発生することないため電力の浪費が生じず、さらに熱交換器の熱交換効率が低下しない燃焼装置を提供することを目的とした。
【解決手段】燃焼装置51は、バーナケース57と、複数のバーナ58と、複数の燃料供給路と、送風機53と、送風路及び調圧装置56を有している。調圧装置56は、一次圧で供給されたガスを送風機53の信号圧に応じた二次圧に調整して排出するもので、調圧装置56の下流側に開閉弁75が配された燃料供給路が接続されている。また、バーナケース57は、バーナ装着部60と空気流路形成部61を有しており、送風路の一部を形成する空気流路形成部61には空気流路閉塞手段13が設けられ、開閉弁75を開閉すると共に空気流路閉塞手段13を動作させることによって無効空気を遮蔽できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器等に使用される燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭に給湯器が普及している。一般家庭用の給湯器は、一台の給湯器をもって多数の箇所から給湯することが必要である。例えば、家屋内の台所、浴室、洗面台に給湯栓やシャワーがあり、一台の給湯器をもってこれらに湯を供給する。また浴槽に対して湯張りをしたり、浴槽内の残湯を追い焚きする機能を備えた家庭用給湯器も多い。
【0003】
この様に家庭用の給湯器は、複数の箇所で湯が使用されることから、要求される湯量や湯温が頻繁に変わる。そのため給湯器に内蔵される燃焼装置は、給湯量や給湯温度の変化に合わせて燃焼量を変化させる必要がある。
そのため家庭用の給湯器に内蔵される燃焼装置では、燃焼量を変化させるために、ガス比例弁を備えている。即ち燃焼装置の燃料供給路に比例弁を設け、必要とされる発熱量に応じて比例弁の開度を調節し、燃料たるガス量を制御することによって燃焼量を変化させている。
【0004】
また燃焼装置の形式の一つとして、全一次空気式と称される燃焼装置がある。全一次空気式の燃焼装置では、燃焼に必要な空気のほとんどを予めバーナ内で混合し、炎孔から混合ガスを放出して燃焼に供される。
特許文献1には、燃料ガス供給路に比例弁を有した全一次空気式の燃焼装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−146163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで全一次空気式の燃焼装置は、前記した様に燃焼に必要な空気のほとんどを予めバーナ内で混合するものであるから、バーナに供給する空気量とバーナに供給する燃料ガスの比率(空燃比と称される)は、許容される誤差が小さい。
そのため従来技術の燃焼装置においては、空燃比を許容範囲内に収めるために、燃料ガス比例弁の開度の目標値と、送風機の回転数の目標値を設定し、燃料ガス比例弁の実際の開度等が目標値と一致する様に電気的に制御している。
即ち、従来技術においては、燃料ガス比例弁の開度を、その目標開度と一致する様に制御し、同時に送風機の回転数が目標回転数と一致する様に制御している。
そして要求される燃焼量が変化した場合は、それぞれの目標値を演算し直し、燃料ガス比例弁の開度が新たな目標値と一致する様に制御し、同時に送風機の回転数が新たな目標値と一致する様に制御する。
【0007】
しかしながら従来技術の構造によると、要求される燃焼量が変化した場合、燃料ガス比例弁の開度と送風機の回転数とが新たな目標値に一致するまでの間、空燃比が許容範囲を外れることとなり、不安定な状態で燃焼が行われる。そのため従来技術の燃焼装置には、燃焼量を変化させる際の過渡期に、燃焼状態が不安定になるという解決すべき技術的課題がある。
【0008】
また従来技術の燃焼装置では、燃料ガス比例弁が必須であるが、燃料ガス比例弁は電気制御される精密機械であり、一般に高価である。そのため燃料ガス比例弁を省略したいという要求がある。
【0009】
そこで本発明者らは、燃料ガス供給路にゼロガバナを設け、ゼロガバナの圧力信号を送風機から取り出す構成の燃焼装置を試作した。
ここでゼロガバナは、一次圧をもって供給されたガスを二次圧に減圧して排出する調圧装置であって、圧力を信号として導入する信号圧導入口を有し、信号圧導入口から導入される圧力に応じた二次圧に減圧して排出する調圧装置である。
本発明者らが試作した燃焼装置では、圧力信号を送風機から取り出しているので、送風量の増減に追従して燃料ガスの供給圧力が変化する。そのため燃焼量を変化させる際の過渡期に、燃焼状態が不安定になるという技術的課題が解決される。また試作した燃焼装置では、送風機の送風量を変化させることによって燃焼量を変化させることができるので、燃料ガス比例弁は必ずしも必要ではない。
【0010】
しかしながら、試作した燃焼装置は、燃焼ガスの供給を部分的に停止した際に、熱交換器の熱交換効率を低下させる問題があった。ここで、一般家庭用の給湯器は、前記した様に、要求される湯量や湯温が大きく変わるので、燃焼装置は給湯量等の変化に合わせて燃焼量を大きく変化させる必要があるが、試作した燃焼装置は、燃焼量を小さく変化させた際に、所謂無効空気を生じ熱交換器の温度を低下させるため、熱交換器に対する熱量の移動が非効率となり、一般家庭用の給湯器としては使用しにくいものであった。
【0011】
具体的に説明すると、試作した燃焼装置は、最大燃焼から燃焼要求を小さくした場合等には、燃料ガスが流れる複数の流路のうち、いずれかの流路を開閉弁などにより遮断する。これにより、燃料ガスは炎孔の一部にのみに供給され、空気は炎孔全体に放出されるため、炎孔では燃焼が行われる部分とそうでない部分とに区分される。即ち、炎孔から温度が低い無効空気が持続的に放出されることで、熱交換器が冷却され、熱交換効率を低下させる問題があった。
さらに、無効空気が持続的に放出されることで、実際の燃焼より排気抵抗が大きくなるため送風機の電力浪費が生じる問題があった。
【0012】
そこで本発明は、試作した燃焼装置をさらに改良するものであり、燃料ガスの供給を部分的に停止した場合であっても、無効空気を発生させないため電力の浪費が生じず、さらに熱交換器の熱交換効率が低下しない燃焼装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、バーナケースと、複数のバーナと、複数の燃料供給路と、送風機と、送風路及び調圧装置を有し、前記複数の燃料供給路によってバーナに燃料が供給され、さらに一部又は全部の燃料供給路には開閉弁が設けられ、前記送風路は送風機の下流にあって前記複数のバーナに対して空気を供給する流路であり、前記調圧装置は、一次圧をもって供給されたガスを所定の信号圧に応じた二次圧に調整して排出するものであり、調圧装置の信号圧は送風路の一部又は送風機から検知され、調圧装置の下流側に燃料供給路が接続されていて二次圧に調整された燃料ガスが各燃料供給路に導入され、前記バーナケースは、バーナ装着部と空気流路形成部を有し、前記バーナ装着部にバーナが装着され、空気流路形成部は前記送風路の一部を構成するものであって、バーナ内と連通してバーナ内に空気を供給することが可能であり、前記空気流路形成部内には、一部のバーナに対して空気を供給する流路を遮蔽する空気流路閉塞手段を有し、各燃料供給路を経てバーナに燃料ガスが供給され、加えて空気流路形成部からバーナに空気が供給されてバーナ内で混合され、燃焼空間に混合ガスが放出されて燃焼するものであり、前記開閉弁を開閉すると共に空気流路閉塞手段を動作させることによって燃焼空間における燃焼領域を増減させることが可能であることを特徴とする燃焼装置である。
【0014】
本発明の燃焼装置で採用される調圧装置は、先に説明したゼロガバナと同一の機能を果たすものであり、一次圧をもって供給されたガスを所定の信号圧に応じた二次圧に調整して排出するものである。
そして本発明の燃焼装置についても、調圧装置の信号圧は送風路の一部又は送風機から検知されているから、調圧装置の二次側の圧力は、送風機の送風圧に追従して変化する。本発明では、調圧装置の下流側に燃料供給路が接続されていて二次圧に調整された燃料ガスが各燃料供給路に導入される。即ち各燃料供給路には、送風圧に応じて変化する圧力で燃料ガスが供給される。
また、各バーナに供給される燃料ガスの量は、送風機の送風圧に追従するから、燃焼量を変化させる際の過渡期にも安定した燃焼状態を維持する。
本発明の燃焼装置は、バーナケースを有しており、バーナケースはバーナに装着されるバーナ装着部と送風路の一部を構成する空気流路形成部を有している。また、空気流路形成部内には、空気の供給を遮蔽する空気流路閉塞手段を有している。加えて、一部又は全部の燃料供給路には開閉弁が設けられているから、一部又は全部の開閉弁を閉じると共に空気流路閉塞手段を動作させることによって、一部のバーナに供給される燃焼ガスを遮断し、さらにそのバーナに対して空気の供給も遮蔽することができる。そのため、燃焼ガスの供給を部分的に遮断した場合であっても、無効空気が殆ど発生せず、熱交換効率を低下させることがない。
即ち、本発明の燃焼装置によれば、無効空気が持続的に放出されて熱交換器の温度が低下することがないため、効率的に熱交換器を加熱することができる。また、空気流路閉塞手段により、送風路の断面積が狭められることで、空気における排気抵抗が減り、送風機に掛かる負荷を軽減することができるため、省エネルギーに繋がる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記複数のバーナは複数のバーナグループに区分けされており、前記複数の燃料供給路はそれぞれのバーナグループに対して個々に燃料を供給するものであって、各燃料供給路はそれぞれが受け持つバーナグループの容量に応じた断面積部又は/及びバーナグループの容量に応じた流路抵抗を持つことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置である。
【0016】
ここでバーナグループは、1個以上のバーナで構成されるグループも含む。例えば6個のバーナを有する構成であれば、各バーナが一つのグループを構成し、全6バーナで、6グループのバーナグループを構成する場合もある。また2個のバーナのグループが1グループ、3個のバーナのグループが1グループ、1個のバーナで構成されるグループが1グループでバーナの総数が6バーナであって、3グループという構成もある。
燃料供給路は、それぞれのバーナグループに対して個々に燃料を供給するものである。例えば1バーナで1グループを構成する場合には、一つのバーナに一つの燃料供給路が連通しており、3個のバーナのグループが1グループを構成している場合には、3個のバーナに一つの燃料供給路が連通している。
また、前記した様に、燃料供給路は、それぞれのバーナグループに対して個々に燃料を供給するものであるから、各バーナグループには、送風圧に応じて変化する圧力で燃料ガスが供給される。そのため送風圧を変化させるだけで燃料ガスの供給量を変化させることができ、燃料ガス比率弁は必ずしも必要ではない。
さらに本発明の燃焼装置では、各燃料供給路はそれぞれが受け持つバーナグループの容量に応じた断面積部や流路抵抗を持つ。そのため調圧装置から排出された燃料ガスは、断面積部や流路抵抗に応じて配分され、結果的に調圧装置から排出された燃料ガスは、バーナグループの容量に応じて分配される。
【0017】
請求項3に記載の発明は、複数のバーナグループは、さらに複数の組に区分けされており、各組に属するバーナは一体的に燃焼され、前記空気流路閉塞手段は、特定の組に属するバーナに対して空気を供給する流路を遮蔽するものであることを特徴とする請求項は2に記載の燃焼装置である。
【0018】
本発明の燃焼装置は、バーナグループをさらに複数の組に区分けし、空気流路閉塞手段を特定の組に属するバーナに対して空気を遮蔽するように配してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の燃焼装置は、燃焼ガスの供給を部分的に停止した場合には、ガスの供給を停止した部分に供給される空気が遮断されるため、無効空気が放出されない。そのため、無効空気により熱交換器が冷やされることがないため、熱交換効率を低下させることを防止できる。さらに本発明の燃焼装置は、無効空気による排気抵抗を低減できるため、省エネルギーに繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下さらに本発明の実施形態の燃焼装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態の燃焼装置の構成図である。
図1に示す燃焼装置1は、給湯器に内蔵されるものであり、燃焼装置本体2と、送風機3と、燃料供給路形成部材5及び調圧装置6によって構成されている。
本実施形態で採用する送風機3は、シロッコファンやターボファンの様に、ケーシング内に回転羽根が設けられたものである。また送風機3を回転させるモータは、直流モータ又はインバータ制御された交流モータであり、回転数を増減することができる。
燃焼装置本体2は、バーナケース7内に4本のバーナ8a,8b,8c,8dが内蔵されたものである。
【0021】
バーナケース7は、図の様に上下二段に別れており、上部側がバーナ装着部10として機能し、下部側は空気流路形成部11として機能する。なお空気流路形成部11はバーナ8a,8b,8c,8dに空気を導入する流路として機能し、送風路37の一部である。またバーナ装着部10の上部側に火炎が発生する。即ちバーナ装着部10の上部側が燃焼空間14として機能する。
バーナ装着部10には、3個の仕切り12a、12b、12cが設けられており、内部が4室に区切られている。
【0022】
空気流路形成部11は一つの空気室であり、下部に送風機3が取り付けられている。
空気流路形成部11の中央にはダンパ(空気流路閉塞手段)13が設けられている。ダンパ13は、ヒンジ部15を基点として中央から右側に揺動するものであり、図1の様に中央の位置にある場合は、空気流路形成部11の左組16a及び右組16bの双方に送風機から空気が供給される。一方、ダンパ13が右方向に揺動すると、右組16bへの通風路が封鎖され、右組16bへの通風が遮断される。
【0023】
バーナ装着部10の4室には、それぞれバーナ8a,8b,8c,8dが挿入されている。バーナ8a,8b,8c,8dは、端部にそれぞれ空気・ガス導入口18を持つ。また上面部に炎孔17が形成されている。本実施形態で採用するバーナ8a,8b,8c,8dは、同一形状のものであり、容量は等しい。
本実施形態では、各バーナ8a,8b,8c,8dの空気・ガス導入口18の近傍にノズル20a,20b,20c,20dがあり、当該ノズル20a,20b,20c,20dから各バーナ8a,8b,8c,8d内に燃料ガスが導入される。また空気流路形成部11が各バーナ8a,8b,8c,8dの端部と連通しており、空気流路形成部11から空気・ガス導入口18を経て各バーナ8a,8b,8c,8dに空気が導入される。
そして空気・ガス導入口18から空気とガスが導入されると、バーナ8a内を通過する内に両者が混合され、炎孔17から混合ガスが放出される。
なお本実施形態で採用するバーナ8a,8b,8c,8dは、全一次空気式のバーナであり、燃焼に必要な空気の全てがバーナ8a,8b,8c,8dで混合される。
【0024】
燃料供給路形成部材5は、前記した各ノズル20a,20b,20c,20dを経て各バーナ8a,8b,8c,8dに燃料ガスを供給する部材であり、燃料供給路が4条形成された部材である。
即ち燃料供給路形成部材5は燃料供給路の束ともいえる部材であり、燃料供給路5a,5b,5c,5dを備えている。燃料供給路5a,5b,5c,5dは後記する様に流路が平面状に分布するものであってもよく(図3,図4)、管を束ねたもの(図2)であってもよい。
燃料供給路5a,5b,5c,5dの配管抵抗は、バーナ8a,8b,8c,8dの容量に対応した大きさに設定されている。本実施形態では、バーナ8a,8b,8c,8dの容量が同一であるから、燃料供給路5a,5b,5c,5dの配管抵抗は略同一である。即ち断面積、長さ、及び曲路の数や曲率が略等しい。
【0025】
燃料供給路形成部材5の燃料供給路5a,5b,5c,5dの中途にはそれぞれ開閉弁21a,21b,21c,21dが設けられている。
燃料供給路形成部材5の末端部では、各燃料供給路5a,5b,5c,5dの末端(下流)が各ノズル20に接続されている。
一方、燃料供給路形成部材5の先端部は、各燃料供給路5a,5b,5c,5dの開口端が集まって開口端群22を構成している。開口端群22は各燃料供給路5a,5b,5c,5dの断面積が絞られている。
燃料供給路5a,5b,5c,5dの開口端22a,22b,22c,22dの断面積は、バーナ8a,8b,8c,8dの容量に対応した大きさに設定されている。本実施形態では、バーナ8a,8b,8c,8dの容量が同一であるから、燃料供給路5a,5b,5c,5dの開口端22a,22b,22c,22dの断面積は同一である。
【0026】
図2は燃料供給路形成部材の一例を示す斜視図である。
図2に示す燃料供給路形成部材5Aでは、各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adは独立した断面形状が略正方形の管路である。そして各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adの中途にそれぞれ開閉弁21Aa,21Ab,21Ac,21Adが設けられている。
また各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adの末端にノズル20Aが接続されている。
空気流路形成部5Aは、マニホールド23Aを有し、当該マニホールド23Aに燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adの先端側(上流側)が収斂している。なおマニホールド23Aの内部は、燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adに合わせて4本の流路に分かれている。
【0027】
そしてマニホールド23Aの上流側には短管状の口金部25Aが設けられている。口金部25Aの内径及び外径は、後記する調圧装置6のガス吐出口31の内径及び外径と等しい。そして口金部25Aから仕切り部材27Aが突出している。仕切り部材27Aはマニホールド23A内の流路の仕切り壁が延長されたものであり、本実施形態では、図の様に矢羽根状であって4箇所の領域27Aa,27Ab,27Ac,27Adに区画されて開口端群22Aを構成している。なお各区画は、マニホールド23A内の流路に連通し、さらに各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adに連通している。4箇所の領域27Aa,27Ab,27Ac,27Adの面積は、同一である。即ち開口端群22Aにおける各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adの開口面積の大小関係は、それぞれの燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adが受け持つバーナグループの容量に応じたものである。
仕切り部材27Aの外接円は、口金部25Aの内径と等しい。従って仕切り部材27Aの外接円は、調圧装置6のガス吐出口31の内径とも等しい。
【0028】
図3、図4は、空気流路形成部材の他の実施形態を示すものである。
図3,図4に示す燃料供給路形成部材5B,5Cは、燃料供給路5a,5b,5c,5dを平面的に分布させた例を示すものである。
即ち図3に示す燃料供給路形成部材5B(第2実施形態)、全体形状が板状の本体部24を有し、その内部に4条の孔が形成されて燃料供給路5Ba,5Bb,5Bc,5Bdが形成されている。
燃料供給路形成部材5Bの本体部24の端面には、ノズル20が設けられている。
また各燃料供給路5Ba,5Bb,5Bc,5Bdの中途にそれぞれ開閉弁21Ba,21Bb,21Bc,21Bdが設けられている。
また燃料供給路形成部材5Bの本体部24の一面側には口金部25Bが設けられている。口金部25Bの形状は、先に説明した口金部25Aと同一であり、短管状であって仕切り部材27Bが突出している。仕切り部材27Bは矢羽根状であって4箇所の領域27Ba,27Bb,27Bc,27Bdに区画され、各区画は、本体部24内の流路に連通し、さらに各燃料供給路5Ba,5Bb,5Bc,5Bdに連通している。
仕切り部材27Bの外接円は、口金部25Bの内径と等しい。従って仕切り部材27Bの外接円は、調圧装置6のガス吐出口31の内径とも等しい。
開口端群22Bにおける各燃料供給路5Ba,5Bb,5Bc,5Bdの開口面積の大小関係は、それぞれの燃料供給路5Ba,5Bb,5Bc,5Bdが受け持つバーナグループの容量に応じたものである。
【0029】
もう一つの実施形態(第3実施形態)たる燃料供給路形成部材5Cは、図4に示す形状構造である。
即ち第3実施形態の燃料供給路形成部材5Cは、先に説明した第2実施形態の燃料供給路形成部材5Bの口金部25Bを変更したものである。第3実施形態の燃料供給路形成部材5Cは、先に説明した第2実施形態の燃料供給路形成部材5Bと口金部25Cだけが相違し、他の部分は同一である。
第2実施形態の燃料供給路形成部材5Bでは、口金部25Cから突出する仕切り部材27Cが、3枚の平行板によって構成されている。本実施形態についても、前記した平行板によって4の領域27Ca,27Cb,27Cc,27Cdに区画され、各区画は、本体部24内の各燃料供給路5Ca,5Cb,5Cc,5Cdに連通している。
仕切り部材27Cの外接円は、調圧装置6のガス吐出口31の内径と等しい。
開口端群22Cにおける各燃料供給路5Ca,5Cb,5Cc,5Cdの開口面積の大小関係は、それぞれの燃料供給路5Ca,5Cb,5Cc,5Cdが受け持つバーナグループの容量に応じたものである。
【0030】
次に本実施形態で採用する調圧装置6について説明する。
調圧装置6は、具体的にはゼロガバナであり、一次圧をもって供給されたガスを二次圧に減圧して排出する調圧装置であって、圧力を信号として導入する信号圧導入口32を有し、信号圧導入口32から導入される圧力に応じた二次圧に減圧して排出する調圧装置である。
即ち調圧装置6は、図1の様にガス導入口30とガス吐出口31及び信号圧導入口32を備え、ガス導入口30から導入されたガスを減圧してガス吐出口31から排出するものであるが、ガス吐出口31から排出される燃料ガスの圧力が、信号圧導入口32の圧力に依存して変化する。
【0031】
調圧装置6は図1に示すように外殻6h内にガス通路が形成され、さらにガス通路の開度を調整する弁体6aと、ダイヤフラム6b、スプリング6c、調節機構6dなどが内蔵されたものである。
即ちダイヤフラム6bは、外殻6hの内部で信号圧室6iを形成する。そして信号圧室6iに信号圧導入口32が開いている。そのため信号圧室6iには信号圧導入口32から導入される信号圧が掛かる。従ってダイヤフラム6bの一方には、信号圧が掛かる。
またダイヤフラム6bの他方側には、二次側連通室6jが設けられている。二次側連通室6jは、二次側連通路6kを介して二次側のガス通路(弁体6aの下流側)と連通している。従ってダイヤフラム6bは、信号圧Ptと調圧装置6の出口圧力P2の圧力差を受ける。
またスプリング6cはダイヤフラム6bを支えるものであり、スプリング6の強さは調節機構6dによって調節される。
【0032】
弁体6aは、前記した様にガス通路の開度を調整するものであり、軸6mを介してダイヤフラム6bに接続されている。
そして、例えば、調圧装置6に導入されるガスの圧力P1が上昇側に圧力変動したときには、その圧力変動に伴って二次圧(調圧装置6の出口圧力)P2も上昇側に圧力変動するが、二次圧P2の圧力変動に伴って、弁体6aが下方移動し、二次圧P2を下降側に圧力変動させて、二次圧P2が信号圧Ptになるように調整する。また、大気圧Ptが上昇側に圧力変動したときには、その圧力変動に伴って弁体6aが上方移動し、二次圧P2が上昇側に変動して信号圧Ptになるように調整する。このようにして、調圧装置6の燃料供給圧力P1や信号圧Ptが変動した場合においても、調圧装置6の吐出圧P2が信号圧Ptになるように調整される。
【0033】
前記した調圧装置6は、ガス導入口30が燃料ガス供給源に接続されている。また調圧装置6のガス吐出口31が燃料供給路形成部材5A(又は5B、5C)の口金部25A(又は25B、25C)に接続される。
そして前記した燃料供給路形成部材5Aの口金部25Aは、仕切り部材27Aが突出している。さらに当該仕切り部材27Aは、ガス吐出口31の中に入り込み、ガス吐出口31の内部を4の領域27Aa,27Ab,27Ac,27Adに区画する。
即ち本実施形態では、調圧装置6のガス吐出口31が直接的に(ごく短い管路を経て)燃料供給路形成部材5Aに接続されており、調圧装置6の出口側が直ちに分割されて各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adに接続されている。
【0034】
また調圧装置6の信号圧は送風機3の吐出側から検知される。即ち図1の様に送風機3とバーナケース7の中間部分から検出されてい。即ち送風機3とバーナケース7の中間部分(送風路37)に信号圧取り出し部33が開口し、信号圧取り出し部33と調圧装置6の信号圧導入口32の間が導通管35によって接続されている。
【0035】
次に、燃焼装置1の機能について説明する。
本実施形態の燃焼装置1では、送風機3を回転させると共に開閉弁21を開き、バーナ8に燃料と空気を導入し、バーナ8内で両者を混合し、バーナ8の炎孔17から燃料ガスと空気の混合ガスを放出させ、燃焼空間14で火炎を発生させる。
即ち送風機3を回転させることによってバーナケース7内に送風を行う。送風機3から吐出された送風は、一旦バーナケース7内の空気流路形成部11に入る。そして送風は、空気流路形成部11から各バーナ8a,8b,8c,8dの端部に至り、空気・ガス導入口18から各バーナ8a,8b,8c,8dに空気が供給される。
【0036】
ここで各バーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気の量に注目すると、バーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量は、バーナ8a,8b,8c,8dの空気・ガス導入口18近傍の空気圧力と、空気・ガス導入口18の開口面積と、バーナ8a,8b,8c,8dの内部抵抗と、バーナ8a,8b,8c,8dの下流側の抵抗(排気抵抗)及び大気圧の関数となる。
ここで空気・ガス導入口18の開口面積は燃焼中に変化しない。また、バーナ8a,8b,8c,8dの内部抵抗は一定である。さらにバーナ8a,8b,8c,8dの下流側の抵抗(排気抵抗)と大気圧についても、略一定であると見なすことができる。
そのためバーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量の変化は、空気・ガス導入口18近傍の送風圧力の変化との相関関係が最も高いものとなる。さらにバーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量の変化は、空気・ガス導入口18近傍の圧力だけによって変化すると考えても、実用上差し支えないと言える。
また空気・ガス導入口18近傍の圧力は、バーナ8a,8b,8c,8dの圧力損失等を無視するならば、送風機3の吐出圧力によって決定されると言える。
【0037】
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給源から調圧装置6に入り、調圧装置6で減圧される。そして調圧装置6を出たガスは、燃料供給路形成部材5A(又は5B,5C)に入り、燃料供給路形成部材5Aの各燃料供給路5Aa,5Ab,5Ac,5Adを通過し、ノズル20から排出される。各ノズル20は、いずれも各バーナ8a,8b,8c,8dの空気・ガス導入口18に臨む位置に設けられており、ノズル20から吐出されたガスは、空気・ガス導入口18から各バーナ8a,8b,8c,8d内に入り、空気と混合されて炎孔17から放出される。そして燃焼空間14に火炎が発生する。
【0038】
ここで各バーナ8a,8b,8c,8dに導入される燃料ガスの量に注目すると、バーナ8a,8b,8c,8dに導入される燃料ガス量は、燃料供給路5a,5b,5c,5dを通過するガスの量である。
そして燃料供給路5a,5b,5c,5dを通過するガスの量は、燃料供給路5a,5b,5c,5dの上流側のガス圧と、燃料供給路5a,5b,5c,5dの開口面積、燃料供給路5a,5b,5c,5dの内部抵抗、ノズル20の開口径、ノズル20の吐出側の雰囲気圧力によっての関数となる。
ここで燃料供給路5a,5b,5c,5dの開口面積と燃料供給路5a,5b,5c,5dの内部抵抗、及びノズル20の開口径は一定であって燃焼中に変化することはない。またノズル20の吐出側の雰囲気圧力についても変化は小さい。
【0039】
そのためバーナ8a,8b,8c,8dに導入されるガス量の変化は、燃料供給路5a,5b,5c,5dの上流側のガスの圧力変化と最も高い相関関係がある。そしてバーナ8a,8b,8c,8dに導入されるガスの量は、燃料供給路5a,5b,5c,5dの上流側のガスの圧力だけによって決まると考えても、実用上差し支えないと言える。
また本実施形態では、調圧装置6のガス吐出口31が直接的に各燃料供給路5a,5b,5c,5dの開口端(開口端群22)に接続されているから、燃料供給路5a,5b,5c,5dを流れるガスの量は、調圧装置6の吐出圧に応じて変化し、バーナ8a,8b,8c,8dに導入されるガスの量は、調圧装置6の吐出圧だけによって決まると考えても、実用上差し支えないと言える。
【0040】
そして本実施形態の燃焼装置1では、調圧装置6の信号圧は送風機3の吐出側から検知されており、調圧装置6は、信号圧に相関する二次圧で燃料ガスを放出するから、調圧装置6から吐出される燃料ガスの圧力は、送風機3の吐出圧によって変化する。
即ち本実施形態の燃焼装置1では、バーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気の量と、燃料ガスの量は、共に送風機3の吐出圧によって変化する。即ち送風機3の吐出圧が増加してバーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気の量が増大すると、調圧装置6の信号圧が上昇して調圧装置6からのガスの吐出圧が上昇し、燃料供給路5a,5b,5c,5dを流れるガス量が増大してバーナ8a,8b,8c,8dに導入されるガスの量が増加する。言い換えると、本実施形態の燃焼装置1では、バーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気の量が増減すると、これに応じてバーナ8a,8b,8c,8dに導入されるガスの量も増減する。従って本実施形態では、バーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量とガス量の比率は常に一定である。
そしてバーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量とガス量の比率は、バーナ8a,8b,8c,8dの空気・ガス導入口18の面積等と、ノズル20の開口径等によって決まり、本実施形態では、燃料ガスを燃焼させるに足る空気量が空気・ガス導入口18から導入される様に、空気・ガス導入口18の面積等と、ノズル20の開口径等が設計されている。
【0041】
そのため本実施形態では、各バーナ8a,8b,8c,8dに対して常に適切な比率で空気と燃料ガスが導入され、空気と混合されて炎孔17から放出されて火炎を発生させる。
また燃焼量の増減は、送風機3の送風量を変化させることによって行うことができる。即ち本実施形態では、バーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量とガス量の比率は常に一定である。
そのため送風機3の回転数を増加し、送風量を増加させるとバーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量が増大すると共にガス量も増加し、燃焼量が増加する。
逆に送風機3の回転数を減少し、送風量を減少させるとバーナ8a,8b,8c,8dに導入される空気量が減少すると共にガス量も減少し、燃焼量が減少する。
【0042】
またさらに燃焼量を減少させたい場合は、4個の開閉弁21a,21b,21c,21dの幾つかを閉じる。
例えば図1の4個の開閉弁21a,21b,21c,21dの内、2個の開閉弁21c,21dを閉じると、図1の右側のエリアのバーナ8c,8dに対する燃料ガスの供給が停止し、左側エリアのバーナ8a,8bだけが燃焼空間14で燃焼する。
なお2個の開閉弁21c,21dを閉じて開閉弁21a,21bだけを開き、左側エリアのバーナ8a,8bだけを燃焼空間14で燃焼させても、バーナ8a,8bに導入される空気量とガス量の比率は変わらない。
【0043】
即ち開閉弁21c,21dを閉じても、全てのバーナ8a,8b,8c,8dに対して空気が導入され続けるから、バーナ8a,8b,8c,8dを経て外部に排出される空気の総量は変化しない。そのため送風機3の吐出圧には変化が無い。
従って調圧装置6の信号圧は変化せず、調圧装置6から吐出される燃料ガスの圧力にも変化がない。
そして開閉弁21c,21dが閉じられているので、閉じられた流路たる燃料供給路5c,5dには燃料が流れないものの、開閉弁21a,21bが開かれた流路たる燃料供給路5a,5bには燃料ガスが流れる。そして燃料供給路5a,5bを流れる流量は、調圧装置6から吐出される燃料ガスの圧力にも変化がないために、変化しない。即ち開閉弁21c,21dの開閉に関わらず、開閉弁21a,21bが開かれた流路たる燃料供給路5a,5bには同一量の燃料ガスが流れる。
【0044】
先の例では、4個の開閉弁21a,21b,21c,21dの内、2個の開閉弁21を閉じた場合を例に説明したが、1個だけを閉じても3個の開閉弁21を閉じても同様の現象が起こり、燃焼させるバーナ8に供給される空気とガスとの比率は変化しない。
そのため本実施形態の燃焼装置1は、例えば1個だけのバーナ8を最小燃焼量で燃焼させる状態から、4個のバーナ8a,8b,8c,8dの全てをそれぞれ最大燃焼量で燃焼させる状態まで燃焼量を変化させることができ、ターンダウン比が高い。
【0045】
また本実施形態では、空気流路形成部11の中央にはダンパ(空気流路閉塞手段)13が設けられており、ダンパ13が右方向に揺動すると、右組16bへの通風路を封鎖することができるので、右組16bのバーナ8c,8dを使用しない場合は、ダンパ13が右方向に揺動して右組16bへの通風路を封鎖し、バーナ8c,8dに対する送風を停止することもできる。
その結果、送風機3の負荷を小さくすることができ、省エネルギーに寄与することができる。また燃焼ガスの過度の温度低下を防止することもできる。
【0046】
なおダンパ13によって通風路の一部を封鎖すると、全体の送風抵抗が変化し、バーナ8に供給される空気と燃料ガスとの比率が変化するが、実際上、その変化量は小さく、機能上、問題にはならない。
【0047】
次に、本実施形態を燃焼させる際の手順について説明する。図5は、本発明の実施形態の燃焼装置の点火時における動作を示すフローチャートである。
本実施形態の燃焼装置1では、ステップ1で燃焼要求を待つ。例えば給湯器に燃焼装置1が採用されている場合であれば、カランを開く等の操作によって給湯要求が生じ、燃焼要求が発生する。
【0048】
ステップ1で燃焼要求があったならばステップ2に進み、ダンパ(空気流路閉塞手段)13を開く。より具体的に説明すると、図1の様にダンパ13を中央の位置に移動し、空気流路形成部11の左組16a及び右組16bの双方に送風機3から空気が供給可能な状態とする。
【0049】
そしてステップ3で必要な燃焼量を確認する。即ち要求されている発熱量が、4個のバーナ8a,8b,8c,8dの全てに点火すべき熱量であるか、或いは2個のバーナ8a,8bだけを点火すべきであるかを判断する。
ここで要求されている発熱量が、4個のバーナ8a,8b,8c,8dの全てに点火すべき熱量であるならばステップ4以降に進み、点火前の予備送風を行う。即ちプリパージを実行する。
具体的には、ステップ4でタイマを起動し、送風機3を回転して送風を開始する。ここで前記した様にステップ2でダンパ(空気流路閉塞手段)13を開いているので、全てのバーナ8a,8b,8c,8dに送風がなされる。
【0050】
そしてステップ6でプレパージに要する時間が終了すると、ステップ7に移行して全ての開閉弁21a,21b,21c,21dを開き、4個のバーナ8a,8b,8c,8dの全てに燃料ガスを供給する。
そしてステップ8で図示しないイグナイタ等で点火する。その後は、ステップ9に移行し、送風量を増減することによって所望の燃焼量に調整する。
【0051】
一方、ステップ3で必要な燃焼量を確認したところ、要求されている発熱量が、2個のバーナ8a,8bだけに点火すべきであり、右側エリアのバーナ8c,8dを使用すべきでない場合には、ステップ10側に移行する。
具体的には、ステップ10でタイマを起動し、ステップ11で送風機3を回転して送風を開始しプレパージを行う。ここで前記した様に、要求されている発熱量小さく、右側エリアのバーナ8c,8dを使用すべきでない場合であっても本実施係形態では、全ての全てのバーナ8a,8b,8c,8dに対してプレパージを行う。
即ち本実施形態では、前記した様にステップ2でダンパ(空気流路閉塞手段)13を開いているので、全てのバーナ8a,8b,8c,8dに送風がなされる。
【0052】
そしてステップ12でプレパージに要する時間が終了すると、ステップ13に移行し、ダンパ13を閉じる。即ち右側エリアのバーナ8c,8dに対する送風を停止する。
その後、2個の開閉弁21a,21bを開き、2個のバーナ8a,8bに燃料ガスを供給する(ステップ14)。
そしてステップ15で図示しないイグナイタ等で点火する。その後は、ステップ16に移行し、送風量を増減することによって所望の燃焼量に調整する。
【0053】
また給湯器の使用中に要求される燃焼量が増大した場合は、再度ダンパ(空気流路閉塞手段)13を開くと共に閉じられていた開閉弁21c,21dを開き、右側エリアのバーナ8c,8dにも燃料ガスと空気を導入して燃焼空間14で燃焼させる。なお本実施形態では、最初の点火の際に、バーナ8c,8dに対してプレパージを行っているので、給湯器の使用中に要求される燃焼量が増大した場合には、ダンパ(空気流路閉塞手段)13と開閉弁21c,21dを開くことによって直ちに燃焼区域を増加させることができる。
【0054】
次に、燃焼中に要求される燃焼量が減少した場合の動作について説明する。
図6は、本発明の実施形態の燃焼装置の動作を示すフローチャートであり、燃焼中に要求される燃焼量が減少した場合の動作について説明するものである。図7は、燃焼中に要求される燃焼量が減少した場合の動作を示す燃焼装置の構成図である。図8は、図7に次ぐ動作を示す燃焼装置の構成図である。
【0055】
即ちステップ1で燃焼要求量が減少したことが判明すると、ステップ2に移行し、バーナ8を2個以上停止すべきか否かを判断する。バーナ8を一個だけ停止すれば足りるのであればステップ9に移行し、開閉弁21を一個だけ閉止し通常の制御に戻る。
【0056】
これに対してバーナ8を2個以上停止する必要がある場合には、開閉弁21を同時に2個閉止するべきではない。即ち2個以上の開閉弁21を同時に閉止すると、燃料ガスの圧力が安定するのにある程度の時間が掛かり、一時的に燃焼状態が不安定になる。そこで複数の開閉弁21を動作して複数の開閉弁21の開閉状態を変化させる必要がある場合は、各弁の動作時期を0.5秒から2秒程度ずらす。
具体的には、バーナ8を2個以上停止する必要がある場合には、ステップ3に移行し、開閉弁21dを閉止する。その結果、図7の様に一つのバーナ8dだけが燃焼を停止する。
【0057】
そして一定時間(0.5秒から2秒程度)、この状態を維持し、燃焼状態が安定化するのを待つ。即ちステップ4でタイマの計時を開始し、ステップ5で当該タイマが計時を終えるのを待つ。
ステップ5で時間が経過したことが確認されると、ステップ6に移行し、もう一つの開閉弁21cを閉止し、バーナ8cの燃焼を停止する(図8)。
【0058】
そしてステップ7で、消火したバーナ8cの温度低下を待つ。例えばバーナ8cの近傍や下流側に温度センサーを設け、当該温度センサーの温度が所定値に低下するのを待つ。あるいは、さらにタイマー等によってバーナ8cが消火して後の時間を計時し、十分に温度が低下するであろうと考えられる時間を待つ。
なお時間の経過によってバーナ8の温度低下を予測する場合は、バーナ8の燃焼時間の長短を考慮すべきである。即ち短時間しか燃焼していないバーナ8であるならば温度上昇も低いから、冷却に要する時間は短いもので足る。これに対して長時間燃焼したバーナ8であるならば相当の高温に達していると予想されるから、長時間の冷却時間を確保するべきである。ただし一定時間を越えて燃焼している場合には、バーナ8の温度は高原化するので冷却時間には上限を設けるべきである。
【0059】
そしてステップ7がイエスとなればステップ8に移行し、ダンパ(空気流路閉塞手段)13を右方向に揺動させ、右組16bへの通風路を封鎖する。その後は、通常の制御に戻る。
【0060】
本実施形態の燃焼装置1は、前記した様に開閉弁21のいくつかを閉止することによって燃焼量を変化させることができるが、開閉弁21のいくつかを閉じても各バーナ8に至る間の流路抵抗が変化しにくいという特長を備えている。そのため本実施形態の燃焼装置1は、開閉弁21のいくつかを閉じたり、逆に開いた場合、既に燃焼しているバーナ8の空燃比の変化が極めて小さい。
【0061】
以下、この理由について説明する。
本実施形態の燃焼装置1では、複数の燃料供給路5a,5b,5c,5dはそれぞれのバーナグループに対して個々に燃料を供給するものであり、さらに調圧装置6のガス吐出口31が直接的に(ごく短い管路を経て)燃料供給路形成部材5Aに接続されており、調圧装置6の出口側が直ちに分割されて各燃料供給路5a,5b,5c,5dに接続されている。
即ち本実施形態の燃焼装置1では、調圧装置6で圧力調整された燃料ガスは、直ちに各燃料供給路形成部材5Aに分流され、燃料ガスが共通して流れる流路が極めて短いという構造上の特徴を備えている。
【0062】
これに対して比較例として図23を示す。図23に示す燃焼装置100では、調圧装置6の下流に共通流路101があり、共通流路101が分岐されて複数の燃料供給路5a,5b,5c,5dに連通している。
【0063】
以上説明した実施形態では、燃焼状態の安定化を優先し、バーナ8を2個以上停止する必要がある場合に各開閉弁21の動作時期を0.5秒から2秒程度ずらした。しかしながら本実施形態はこの構成に限定されるものではなく、複数の開閉弁21を同時に閉じてもよい。複数の開閉弁21を同時に閉じると、燃焼量を短時間で変化させることができる。
【0064】
図23に示す燃焼装置100では、全てのバーナ8a,8b,8c,8dに至る燃料ガスが共通流路101を流れる。
そのため燃焼装置100では、燃焼させるバーナ8a,8b,8c,8dの本数によって共通流路101を流れる燃料ガスの流量が変化する。より具体的には、燃焼させるバーナ8a,8b,8c,8dの本数によって共通流路101を流れる燃料ガスの流速が変わる。
そのため燃焼させるバーナ8a,8b,8c,8dの本数によって共通流路101を通過する燃料ガスの流路抵抗が変化する。即ちベルヌイの定理によると、流路抵抗は、通過する流体の流速の2乗に比例する。従って、例えば、燃焼中にバーナ8の幾つかを停止すると、共通流路101を通過する燃料ガスの流速が低下し、流路抵抗が減少し、燃焼中のバーナに対して多くの燃料が供給される。一方、バーナ8に供給される空気の量は変わらない。そのため図23に示す燃焼装置100では、燃焼させるバーナの本数を減少させると、通常の状態よりも燃料が過剰となってしまうことが懸念される。
【0065】
これに対して図1に示す燃焼装置1では、共通流路が極めて短いので、燃焼させるバーナ8a,8b,8c,8dが変化しても全体の流路抵抗の変動が小さい。そのため本実施形態の燃焼装置1は、開閉弁21のいくつかを閉じたり、逆に開いた場合、既に燃焼しているバーナ8の空燃比の変化が極めて小さい。
【0066】
以上説明した燃焼装置1は、4個のバーナを有し、このバーナの容量は、いずれも同一であったが、容量の異なるバーナを混在させてもよい。
図9は、本発明の他の実施形態の燃焼装置の構成図であり、容量の異なるバーナが混在する構成を示すものである。
なお以下に示す実施形態の燃焼装置40の構成部品中、先の実施形態の構成部品と同一の部品は、先の実施形態と同一の番号を付して重複した説明を省略する。
【0067】
図9に示す燃焼装置40は、3個のバーナ41a,41b,41cを有している。本実施形態で採用する3個のバーナ41a,41b,41cは、容量が相違し、第一バーナ41aは容量が大きく、第二バーナ41b及び第三バーナ41cは容量が小さい。具体的には、第二バーナ41b及び第三バーナ41cは同一の容量であり、第一バーナ41aは、これらの二倍の容量を持つバーナである。
【0068】
そして本実施形態で採用する燃料供給路形成部材43は、3条の燃料供給路43a,43b,43cを持つ。燃料供給路43a,43b,43cの配管抵抗は、バーナ41a,41b,41cの容量に対応した大きさ(逆比例)に設定されている。本実施形態では、第一バーナ41aは他のバーナ41b,41cに比べて二倍の容量を持つので、燃料供給路43aの配管抵抗は他の燃料供給路43b,43cの半分である。
また燃料供給路43a,43b,43cの中途にはそれぞれ開閉弁21a,21b,21cが設けられている。
燃料供給路形成部材43の末端部では、各燃料供給路43a,43b,43cの末端(下流)が各ノズル20に接続されている。
一方、燃料供給路形成部材43の先端部は、各燃料供給路43a,43b,43cの開口端が集まって開口端群22を構成している。開口端群22は各燃料供給路43a,43b,43cの断面積が絞られている。
燃料供給路43a,43b,43cの開口端22a,22b,22cの断面積は、バーナ41a,41b,41cの容量に対応した大きさに設定されている。本実施形態では、本実施形態では、第一バーナ41aは他のバーナ41b,41cに比べて二倍の容量を持つので、開口端22aの断面積は、他の開口端22b,22cの断面積の2倍の大きさである。
【0069】
前記した様に、バーナ41a,41b,41cに導入される燃料ガス量は、燃料供給路43a,43b,43cを通過するガスの量であり、燃料供給路43a,43b,43cの開口面積及び内部抵抗の関数となる。そして本実施形態では、燃料供給路43aの開口端22aの断面積は、他の燃料供給路43b,43cの開口端22b,22cの断面積の二倍であるから、バーナ41aには、他のバーナ41b,41cの二倍の燃料ガスが供給される。
【0070】
上記した実施形態は、いずれもバーナ8,41と燃料供給路5,43とがそれぞれ一対一に対応しており、一つの燃料供給路5,43は必ず一つのバーナ8,41に燃料を供給する構成であったが、例えば1つの燃料供給路によって2個以上のバーナに対して燃料を供給してもよい。
即ち複数のバーナを複数のグループに分け、グループごとに燃料供給路を設ける。
図10は、本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置の構成図であり、一つの燃料供給路で複数のバーナに燃料を供給する態様を有するものである。
【0071】
本実施形態の燃焼装置45では、バーナケース7内に4本のバーナ8a,8b,8c,8dが内蔵されており、各バーナ8a,8b,8c,8dの容量は同一である。
本実施形態では、4本のバーナ8a,8b,8c,8dは、3つのグループに区分けされている。即ちバーナ8a,8bが第一グループのバーナであり、バーナ8cが第二グループのバーナであり、バーナ8dが第三グループのバーナである。
【0072】
一方、燃料供給路形成部材43は、図9の実施形態の様に3条の燃料供給路43a,43b,43cを持つ。燃料供給路43a,43b,43cの配管抵抗は、各バーナグループの容量に対応した大きさ(逆比例)に設定されている。本実施形態では、第一グループは他のグループに比べて二倍の容量を持つので、燃料供給路43aの配管抵抗は他の燃料供給路43b,43cの半分である。
また燃料供給路43a,43b,43cの中途にはそれぞれ開閉弁21a,21b,21cが設けられている。
燃料供給路形成部材43の末端部では、各燃料供給路43a,43b,43cの末端(下流)が各ノズル20に接続されている。ただし燃料供給路43aには二つのノズルが取り付けられている。
一方、燃料供給路形成部材43の先端部は、各燃料供給路43a,43b,43cの開口端が集まって開口端群22を構成している。開口端群22は各燃料供給路43a,43b,43cの断面積が絞られている。
燃料供給路43a,43b,43cの開口端22a,22b,22cの断面積は、バーナ41a,41b,41cの容量に対応した大きさに設定されている。本実施形態では、本実施形態では、第一バーナ41aは他のバーナ41b,41cに比べて二倍の容量を持つので、開口端22aの断面積は、他の開口端22b,22cの断面積の2倍の大きさである。
【0073】
本実施形態では、燃料供給路43aの開口端22aの断面積は、他の燃料供給路41b,41cの開口端22b,22cの断面積の二倍であるから、第一グループには、他のグループの二倍の燃料ガスが供給される。そして第一グループには、二つのバーナ8a,8bが属し、各バーナに均等に燃料が配分される。
【0074】
以上説明した実施形態では、各燃料供給路43a,43b,43cの最上流たる開口端群22における開口面積をバーナグループの容量に対応させて各バーナグループに燃料ガスを分配したが、燃料供給路の中途に面積の狭い狭窄部を設けて各バーナグループに燃料ガスを分配してもよい。具体的には、燃料供給路の中途にオリフィスを設けて、流路抵抗を調整し、各バーナグループに燃料ガスを分配する構成が考えられる。またノズル20の開口径を調節して各バーナグループに燃料ガスを分配することも考えられる。
【0075】
次に、より実際の構成に近い実施形態について説明する。
図11は、本発明の燃焼装置の実際的構成を示す斜視図である。図12は、図11の燃焼装置の配管系統図である。図13は、図11の燃焼装置の正面図である。図14は、図11のA−A平面における断面図である。図15は、図11の燃焼装置の分解斜視図である。
図11に示す燃焼装置51についても給湯器に内蔵されるものであり、燃焼装置本体52と、送風機53と、燃料供給路形成部材55及び調圧装置56によって構成されている。
【0076】
本実施形態で採用する送風機53は、先の実施形態と同様にケーシング内に回転羽根が設けられたものである。また送風機53を回転させるモータは、回転数を増減することができる。本実施形態で採用する送風機53は、空気吐き出し口の近傍に信号圧取り出し部80が開口している。
燃焼装置本体52は、バーナケース57内に20本のバーナ58が内蔵されたものである。そしてバーナケース57内において、前記した20本のバーナ58は、7のグループに区分されている。
即ち図12に示す様に、第一グループ71aは4本のバーナ58が属し、第二グループ71bは4本のバーナ58が属し、第三グループ71cは3本のバーナ58が属し、第四グループ71dは2本のバーナ58が属し、第五グループ71eは2本のバーナ58が属し、第六グループ71fは2本のバーナ58が属し、第七グループ71gは3本のバーナ58が属する。
【0077】
さらに、バーナケース57内では、第一グループ71aと第二グループ71bと第三グループ71cとが属する左組76a、第四グループ71dと第五グループ71eと第六グループ71fと第七グループ71gとが属する右組76bの2の組に区分されている。
【0078】
図16は、バーナケースの分解斜視図及び内蔵されるバーナの斜視図である。バーナケース57には、棚59があり、図の様に上下二段に別れており、上部側がバーナ装着部60として機能し、下部側は空気流路形成部61として機能する。棚59の奥行きwは、バーナケース57の奥行きWよりも短く、図14,図16の様に正面側(図16では手前側)の位置には棚59は無く当該部位においては、棚59の上下が連通している。当該部位は、空気上下連通路70として機能する。
【0079】
棚59には、図16の様に6枚の仕切り板69があり、棚59上を7つのバーナ設置領域に区切っている。そして各バーナ設置領域に前記したバーナ58のグループ71が1グループずつ配されている。
【0080】
空気流路形成部61は一つの空気室であり、下部に送風機53が取り付けられている。
空気流路形成部61内では、図16に示すように、前記した左組76aと右組76bとの境界の仕切り板69が外部方向に突出しており、ダンパ(空気流路閉塞手段)13が右組76bの空気の流路を遮蔽するように設けられている。
【0081】
即ち、ダンパ13は、空気流路形成部61を形成する上面に固定されたヒンジ15に取り付けられ、上下に180度揺動させて(垂直方向と水平方向)右組76bの空気上下連通路70の送風を遮蔽できるものである。具体的には、ダンパ13が空気流路形成部61を形成する上面に位置する場合は、空気流路形成部61の左組76a及び右組76bの双方に送風機から空気が供給される。一方、ダンパ13が空気流路形成部61の上面から離反して180度揺動すると、右組76bへ連通した空気上下連通路70が封鎖され、右組76bの通風が遮断される。
【0082】
バーナ58は、先の実施形態で採用したものと同一の構造であり、端部にそれぞれ空気・ガス導入口68を持つ。また上面部に炎孔62が形成されている。本実施形態で採用するバーナ58は全て同一形状のものであり、容量は等しい。
【0083】
次に燃料供給路形成部材55について説明する。図17は、燃料供給路形成部材の分解斜視図である。図18は、図17の燃料供給路形成部材を下面側から観察した斜視図である。即ち図18は、図17のA方向斜視図である。図19は、燃料供給路形成部材の開口端群の斜視図であり、(a)は下蓋を外した状態で、(b)は下蓋を取り付けた状態である。図20は、燃料供給路形成部材を内側から観察した斜視図である。
燃料供給路形成部材55は、各ノズルを経て各バーナ58に燃料ガスを供給する部材であり、バーナグループ71の個数に合わせて燃料供給路が7条形成された部材である。
本実施形態では、燃料供給路形成部材55は、本体部63と、正面蓋64及び下蓋65によって構成されている。
【0084】
本体部63は、正面板部66と、下面板部67が結合されて、側面形状が「L」形をした部材であり、正面板部66と、下面板部67の双方に溝が形成されている。
即ち下面板部67には、図18の様な7条の溝50が形成されている。7条の溝50の始端部は、いずれも下面板部67の略中央部に集中している。また溝50の始端部が集中する部位においては、溝50を構成する壁面(仕切り部材)73が外側に向かって突出している。
【0085】
下面板部67における各溝50の終端部は、下面板部67と正面板部66とが接合する辺に集められている。
そして下面板部67と正面板部66の接合部に図示しない連通孔があり、下面板部67に設けられた各溝50は、正面板部66に設けられた溝50と連通している。
また下面板部67と正面板部66の連通孔内に電磁弁(開閉弁)75の主弁(図示せず)が設けられ、各連通孔を個別に開閉することができる。
【0086】
次に正面板部66側に注目すると、前記した様に正面板部66にも7条の溝54が形成されている。正面板部66側の7条の溝54の始端部は、前記した連通孔であり、下面板部67と正面板部66とが接合する辺(接合側の辺)に集中している。そして各溝54の他端は、下面板部67の前記した辺に対向する辺部(開放側の辺)に集中している。
【0087】
正面板部66の各溝54の底部であって(開放側の辺)の近傍には、バーナケース57側に貫通する貫通孔が複数設けれている。そして各貫通孔には、図20の様にそれぞれノズル20が設けられている。
ノズル20の数は、バーナ58の数と同数であり、その配分は、バーナグループ71に属するバーナ58の個数に対応している。
即ち7条の溝54の内、第一溝54aには4個のノズル20が設けられ、第二溝54bには4個のノズル20が設けられ、第三溝54cは3個のノズル20が設けられ、第四溝54dには2個のノズル20が設けられ、第五溝54eには2個のノズル20設けられ、第六溝54fには2個のノズル20が設けられ、第七溝54gには3個のノズル20が設けられている。
【0088】
正面板部66には正面蓋64が取り付けられ、下面板部67には下蓋65が装着されていて各溝の開放側が封鎖される。その結果、正面板部66の溝54は、いずれも4面が閉塞された流路を形成する。本実施形態では、溝54,50及び正面蓋64又は下蓋65によって構成される流路が、燃料供給路72として機能する。
ただし、下蓋65の溝54の始端部が集中する部位には、開口74が設けられており、前記した仕切り部材73が当該開口74から外に露出している。
そして下蓋65の開口部は、前記した溝を構成する壁の一部によって7つの小開口に区切られている。本実施形態では、当該小開口が、各燃料供給路72の上流側の端部であり、7つの小開口の集まりが、開口端群22を構成している。
【0089】
本実施形態では、小開口の面積が、バーナグループ71に属するバーナ58の総容量に比例している。
【0090】
次に本実施形態で採用する調圧装置56について説明する。調圧装置56は、先の実施形態と同様にゼロガバナであり、一次圧をもって供給されたガスを二次圧に減圧して排出する調圧装置であって、圧力を信号として導入する信号圧導入口82を有し、信号圧導入口82から導入される圧力に応じた二次圧に減圧して排出する調圧装置である。
以下本実施形態で採用するゼロガバナ56について説明する。
本実施形態で採用するゼロガバナ56は、減圧弁の一種であり、ガス供給源から供給されるガスの圧力(一次圧)を所定の圧力(二次圧)に減圧する装置である。ただし、一般の減圧弁は、設定された一定の圧力に二次圧を調圧するのに対し、本実施形態で採用するゼロガバナ56は、信号圧に応じて吐出圧が変動する点で異なる。
即ち一般の減圧弁では、二次圧が一定であるのに対し、本実施形態で採用するゼロガバナ56は信号圧によって二次圧が変動する。より具体的には、本実施形態で採用するゼロガバナ56は信号圧導入口82を有し、当該信号圧導入口82から導入される気体の圧力に応じて二次圧が変動する。特に本実施形態では、信号圧導入口82から導入される気体の圧力(信号圧)に等しくなる様に二次圧が調圧される。
【0091】
図21は、本実施形態で採用するゼロガバナの概念図である。
本実施形態で採用するゼロガバナ56は、パイロット式のゼロガバナ56であり、主弁Aと補助弁(パイロット弁)Bとを備えている。またゼロガバナ56内には、主流路Dと補助流路Eが設けられており、主弁Aは主流路Dに設けられ、補助弁Bは、補助流路Eに設けられている。
【0092】
ここで主流路Dは、ゼロガバナ56のガス導入口cからガス吐出口dに至る流路であり、ガス供給源から供給されるガスが減圧されて排出される流路である。
【0093】
主流路Dは、図の様にガス導入口cに繋がる導入路eと、平行路f及び排出路gによって構成される一連の流路である。導入路eと平行路fとの間は第一開口hによって連通し、平行路fと排出路gとの間は第二開口iによって連通している。
【0094】
主弁Aは、ダイアフラムaによって動作される弁であり、ガスの主流路Dに設けられている。具体的には、主弁Aは、主流路Dの第二開口iに設けられており、第二開口iの開度を調整するものである。即ち主弁Aは、主流路Dの通過面積を増減させるものであり、主弁Aが閉じ方向に動作すると二次圧が低下し、主弁Aが開き方向に動作すると二次圧が上昇する。
【0095】
主弁Aは、前記した様にダイアフラムaによって動作される。即ちダイアフラムaを境としてその一方側には、ダイアフラムaを構成壁の一つとする作動圧室jがある。またダイアフラムaの他方側はバネuで押圧されている。従って作動圧室j内の圧力と、バネuの押圧力とが調和する様にダイアフラムaが移動し、主弁Aを移動させる。
【0096】
補助流路Eは、主流路Dの一部が分岐されたものであり、ダイアフラムaで仕切らせる一方の作動圧室jに連通するものである。また補助流路Eの一部はさらに分岐されてリーク流路kが形成されている。
即ち補助流路Eは、分岐室m、調圧室nを経て作動圧室jに至る流路である。
より具体的には、主流路Dの平行路fに設けられた開口oを介して分岐室mが連通し、分岐室m内の開口pと調圧室n内の開口qとが一点鎖線の導通路で連通している。また調圧室n内の開口rと作動圧室jの開口sが他の一点鎖線の導通路で連通している。
その結果、平行路f、開口o、分岐室m、開口p、開口q、調圧室n、開口r、開口s、作動圧室jに至る一連の補助流路Eが形成されている。
また調圧室nの一部にリーク用開口tが設けられており、リーク用開口tはリーク流路kを経て主流路Dの排出路gに連通している。なおリーク用開口tは、極めて小さい孔である。
【0097】
補助弁Bは、ダイアフラムbによって動作される弁であり、調圧室nのリーク用開口tに設けられている。即ち補助弁Bは、リーク用開口tの開度を調整するものであり、調圧室nの圧力を調節するものである。即ち補助弁Bは、リーク用開口tの通過面積を増減させるものであり、補助弁Bが閉じ方向に動作すると調圧室nの圧力が上昇し、補助弁Bが開き方向に動作すると調圧室nの圧力が降下する。
【0098】
またダイアフラムbは、一方の壁面に二次圧が作用し、他方の壁面に信号圧が作用するものであり、二次圧と信号圧の大小に応じて動作する。
即ちダイアフラムbを境としてその一方側には、ダイアフラムbを構成壁の一つとする信号圧室vがある。そして信号圧室vは、信号圧導入口82と連通している。
またダイアフラムbの他方側は二次側連通室wが設けられている。ここで二次側連通室wは、二次側連通路xを介して主流路Dの排出路gと連通している。二次側連通室wには、ゼロガバナ56の二次圧が掛かる。
【0099】
従ってダイアフラムbは、一方に信号圧室vがあり、他方に二次側連通室wが設けられており、信号圧室v内の圧力と二次側連通室w内の圧力とが調和する様に移動する。また信号圧室vには信号圧導入口82から導入される気体によって信号圧が掛かり、二次側連通室wには、二次圧が掛かるので、ダイアフラムbは、信号圧と二次圧とが調和する様に移動する。
【0100】
さらに本実施形態で採用するゼロガバナ56では、第一電磁弁zと第二電磁弁Zとを備えている。第一電磁弁zは、主流路Dの第一開口hに設けられており、主流路D自体を開閉するものである。
第二電磁弁Zは、開口oに設けられており、補助流路Eを開閉するものである。
【0101】
次に本実施形態で採用するゼロガバナ56の作用について説明する。
ゼロガバナ56は、ガス導入口cがガス供給源に接続され、ガス吐出口dが負荷側に接続されて使用される。
また信号圧導入口82は、所望の信号供給源に接続される。
第一電磁弁zと第二電磁弁Zはいずれも開いた状態で使用される。そのため主流路D及び補助流路Eはいずれも開かれている。
【0102】
燃料ガスは、前記した主流路Dを流れる。即ち燃料ガスは、ガス導入口cから導入路eに入り、さらに平行路fを流れる。そして第二開口iを経て排出路gに流れ、ガス吐出口dから排出される。
ここで第二開口iには、主弁Aが設けられているので、排出路gを流れるガスは、主弁Aによって流量が制御されることとなる。即ち第二開口iよりも上流側のガス圧は、一次圧であり、ガス供給源と同一の圧力となるが、第二開口iよりも下流側は、減圧されて低圧となる。
【0103】
一方、補助流路Eを流れるガスは、分岐室mを経て作動圧室jに流れる。
しかしながら、調圧室nにはリーク用開口tが設けられているから、作動圧室j内の圧力は、リーク用開口tの開度に依存することとなる。
即ち、リーク用開口tが閉じられると、補助流路Eは主流路Dの高圧側(第二開口iよりも上流側)の圧力と同一の圧力(一次圧)となる。一方、リーク用開口tが開くと、調圧室n内のガスが、リーク用開口tから漏れてリーク流路kを流れ、主流路Dの排出路g側に排出されるから、調圧室n内の圧力は低下する。
そしてリーク用開口tには補助弁Bが設けられており、補助弁Bはダイアフラムbによって動作し、当該ダイアフラムbは、前記した様に信号圧室vと二次側連通室wの間にあり、信号圧室v内の圧力と二次側連通室w内の圧力とが調和する様に移動する。即ちダイアフラムbは、信号圧と二次圧とが調和する様に移動する。
【0104】
従って、例えば信号圧が上昇すると、信号圧室vの圧力が上昇してダイアフラムbが図面下側に膨出し、補助弁Bを押し下げてリーク用開口tの開度を狭める。その結果、リーク用開口tから漏れるガスの流量が低下し、調圧室nの圧力が上昇する。そのため調圧室nと連通する作動圧室jの圧力が上昇し、ダイアフラムaが、バネuの力に抗して膨出し、主弁Aを押し上げて第二開口iの開度を上げ、第二開口iを通過するガスの流量を増加させて低圧側(第二開口iよりも下流側)の圧力(二次圧)を上昇させる。すなわち、信号圧が上昇すると、二次圧が上昇する。
【0105】
何らかの理由で、二次圧が低下した場合も同様であり、二次側連通室wの圧力が低下してダイアフラムbが図面下側に膨出し、補助弁Bを押し下げてダイアフラムbが図面下側に膨出し、補助弁Bを押し下げてリーク用開口tの開度を狭める。その結果、リーク用開口tから漏れるガスの流量が低下し、調圧室n及び作動圧室jの圧力が上昇し、ダイアフラムaが、バネuの力に抗して膨出し、主弁Aを押し上げて第二開口iの開度を上げ、低圧側(第二開口iよりも下流側)の圧力を上昇させる。すなわち、二次圧が低下すると、これを補正する方向に主弁Aが移動し、二次圧を上昇させる。
【0106】
逆に信号圧が降下すると、信号圧室vの圧力が下降し、二次側連通室wの圧力に押されてダイアフラムbが図面上側に移動し、補助弁Bを開いてリーク用開口tからのリーク量を増加し、調圧室nの圧力が降下させる。その結果、調圧室nと連通する作動圧室jの圧力が降下し、ダイアフラムaが、バネuの力に押されて図面下側に移動し、主弁Aを下げて第二開口iを減少させ、第二開口iを通過するガスの流量を減少させて低圧側(第二開口iよりも下流側)の圧力を降下させる。すなわち、信号圧が降下すると、これに連れて二次圧も降下する。
【0107】
二次圧が上昇した場合も同様であり、二次側連通室wの圧力が上昇してダイアフラムbが図面上側に移動し、補助弁Bを押し上げて補助弁Bを押し上げ、リーク用開口tの開度を開く。その結果、リーク用開口tから漏れるガスの流量が増加し、調圧室n及び作動圧室jの圧力が降下し、ダイアフラムaが、図面下側に移動し、主弁Aを下げて第二開口iの開度を下げ、低圧側(第二開口iよりも下流側)の圧力を降下させる。すなわち、二次圧が上昇すると、これを補正する方向に主弁Aが移動し、二次圧を降下させる。
【0108】
前記した調圧装置56は、ガス導入口30が燃料ガス供給源に接続されている。また調圧装置56のガス吐出口31が燃料供給路形成部材55の下蓋65に設けられた開口74に取り付けられる。即ち調圧装置56のガス吐出口31にはフランジ(図示しない)が設けられておれ、当該フランジ(図示しない)を開口74の周囲にネジ止めし、ガス吐出口31を下蓋65に設けられた開口74に一致させる。
【0109】
ここで前記した燃料供給路形成部材55の開口74からは、仕切り部材73が突出している。そして当該仕切り部材73は、ガス吐出口31の中に入り込み、ガス吐出口31の内部を7の領域に区画する。
【0110】
また調圧装置56の信号圧は送風機53の吐出側から検知される。即ち図11の様に送風機53の信号圧取り出し部80と調圧装置56の信号圧導入口82の間が導通管85によって接続されている。
【0111】
次に、燃焼装置51の機能について説明する。
本実施形態の燃焼装置51では、送風機53を回転させると共に開閉弁75を開き、バーナ58に燃料と空気を導入し、バーナ58内で両者を混合し、バーナ58の炎孔62から燃料ガスと空気の混合ガスを放出させ、燃焼空間86で火炎を発生させる。
即ち送風機53を回転させることによってバーナケース57内に送風を行う。送風機53から吐出された送風は、一旦バーナケース57内の空気流路形成部61に入る。そして送風は、空気流路形成部61から棚59の切れ目たる空気上下連通路70を通過して棚59上に至る。そして各バーナ58の端部に至り、空気・ガス導入口68から各バーナ58に空気が供給される。
【0112】
ここで各バーナ58に導入される空気の量は、前記した理由によって送風機53の吐出圧力によって決定されると言える。また、燃焼要求が変更され、燃焼ガスの供給を部分的に停止した場合であっても、空気流路形成部61に設けられたダンパ13により右組76bの空気上下連通路70が遮蔽され、送風機53からの送風が左組76aのみに導入される。これにより、燃焼が行われない右組76bに空気が導入されることを阻止できる。即ち、燃焼が行われない右組76b側の炎孔62から無効空気が持続的に放出されないため、熱交換器が無効空気により冷やされて熱交換効率を低下させること防止できる。
【0113】
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給源から調圧装置56に入り、調圧装置56で減圧される。そして調圧装置56を出たガスは、燃料供給路形成部材55に入り、燃料供給路形成部材55の各燃料供給路72を通過し、ノズル20から排出される。各ノズル20は、いずれも各バーナ58の空気・ガス導入口68に臨む位置に設けられており、ノズル20から吐出されたガスは、空気・ガス導入口68から各バーナ58内に入り、空気と混合されて炎孔62から放出される。
【0114】
ここで本実施形態では、20本のバーナ58を7つのバーナグループ71に区分したが、各バーナグループ71に導入される燃料ガスの量に注目すると、各バーナグループ71に導入される燃料ガス量は、燃料供給路72を通過するガスの量である。
そして燃料供給路72を通過するガスの量は、燃料供給路72の上流側のガス圧と、燃料供給路72の開口面積、燃料供給路72の内部抵抗、ノズル20の開口径、ノズル20の吐出側の雰囲気圧力によっての関数となる。
ここで本実施形態では、各燃料供給路72の端部(上流側)の開口は、下蓋65の開口部における小開口である。そして本実施形態では、小開口の面積が、バーナグループ71に属するバーナの総容量に比例している。
従って各燃料供給路72を流れる燃料ガスの流量の比率は、各バーナグループ71の総容量(バーナの個数)の比率に等しい。また各燃料供給路72の末端には、属するバーナ58の個数に等しい数のノズル20が設けられ、当該ノズル20によって各燃料供給路72を流れる燃料ガスが各バーナ58に分割される。そのため、いずれのバーナ58にも均等に燃料ガスが供給される。
【0115】
さらに前述した様に、各バーナ58に導入される燃料ガスの量は、燃料供給路72の上流側の燃料ガスの圧力との相関関係が最も高く、バーナ58に導入される燃料ガスの量は、調圧装置56の吐出圧だけによって決まると考えても、実用上差し支えないと言える。
【0116】
そして本実施形態の燃焼装置51では、調圧装置56の信号圧は送風機53の吐出側から検知されており、調圧装置56は、信号圧に相関する二次圧で燃料ガスを放出するから、調圧装置56から吐出される燃料ガスの圧力は、送風機53の吐出圧によって変化し、バーナ58に導入される空気量とガス量の比率は常に一定である。
そしてバーナ58に導入される空気量とガス量の比率は、バーナ58の空気・ガス導入口68の面積等と、ノズル20の開口径等によって決まり、本実施形態では、ガスを燃焼させるに足る空気量が空気・ガス導入口68から導入される比率となる様に、空気・ガス導入口68の面積等と、ノズル20の開口径等が設計されている。
【0117】
そのため本実施形態では、各バーナ58に対して常に適切な比率で空気と燃料ガスが導入され、空気と混合されて炎孔62から放出されて火炎を発生させる。
また燃焼量の増減は、送風機53の送風量を変化させることによって行うことができる。即ち、上記したように、本実施形態では、各バーナ58に導入される空気量とガス量の比率は常に一定である。
また本実施形態では、開閉弁75の幾つかを閉じることによって燃焼するバーナ58の本数を変更することができる。
【0118】
従って、本実施形態の燃焼装置51は、燃料ガスの供給を部分的に停止した場合であっても、ダンパ13を動作させることで炎孔62からは燃焼に供されない無効空気が生じず、熱交換器の熱交換効率を低下させることはない。
【0119】
本実施形態の燃焼装置51は、バーナグループ71をさらに組に区分けしてダンパ13を設ける構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、図22に示すように、バーナグループ71毎あるいはバーナ58毎に設ける構成であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施形態の燃焼装置の構成図である。
【図2】燃料供給路形成部材の一例を示す斜視図である。
【図3】燃料供給路形成部材の他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】燃料供給路形成部材の他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態の燃焼装置の点火時における動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の燃焼装置の動作を示すフローチャートであり、燃焼中に要求される燃焼量が減少した場合の動作について説明するものである。
【図7】燃焼中に要求される燃焼量が減少した場合の動作を示す燃焼装置の構成図である。
【図8】図7に次ぐ動作を示す燃焼装置の構成図である。
【図9】本発明の他の実施形態の燃焼装置の構成図であり、容量の異なるバーナが混在する構成を示すものである。
【図10】本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置の構成図であり、一つの燃料供給路で複数のバーナに燃料を供給する態様を有するものである。
【図11】本発明の燃焼装置の実際的構成を示す斜視図である。
【図12】図11の燃焼装置の配管系統図である。
【図13】図11の燃焼装置の正面図である。
【図14】図11のA−A平面における断面図である。
【図15】図11の燃焼装置の分解斜視図である。
【図16】(a)はバーナケースの分解斜視図、(b)は内蔵されるバーナの斜視図である。
【図17】燃料供給路形成部材の分解斜視図である。
【図18】図17のA方向斜視図である。
【図19】燃料供給路形成部材の開口端群の斜視図であり、(a)は下蓋を取り付けた状態で、(b)は下蓋を外した状態である。
【図20】燃料供給路形成部材を内側から観察した斜視図である。
【図21】本実施形態で採用するゼロガバナの概念図である。
【図22】他の実施形態の燃焼装置におけるダンパの配置状況を示す平面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置の構成図であり、燃料ガスの共通流路を備えた態様を示すものである。
【符号の説明】
【0121】
1,40,45, 51 燃焼装置
3,53 送風機
5,43,55 燃料供給路形成部材
5a,5b,5c,5d 燃焼供給路
6,56 調圧装置
7,57 バーナケース
8,58 バーナ
13 ダンパ(空気流路閉塞手段)
14,86 燃焼空間
17,62 炎孔
21,75 開閉弁
43a,43b,43c 燃焼供給路
37 送風路
71 バーナグループ
72 燃料供給路
Pt 信号圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナケースと、複数のバーナと、複数の燃料供給路と、送風機と、送風路及び調圧装置を有し、
前記複数の燃料供給路によってバーナに燃料が供給され、さらに一部又は全部の燃料供給路には開閉弁が設けられ、
前記送風路は送風機の下流にあって前記複数のバーナに対して空気を供給する流路であり、
前記調圧装置は、一次圧をもって供給されたガスを所定の信号圧に応じた二次圧に調整して排出するものであり、調圧装置の信号圧は送風路の一部又は送風機から検知され、調圧装置の下流側に燃料供給路が接続されていて二次圧に調整された燃料ガスが各燃料供給路に導入され、
前記バーナケースは、バーナ装着部と空気流路形成部を有し、前記バーナ装着部にバーナが装着され、空気流路形成部は前記送風路の一部を構成するものであって、バーナ内と連通してバーナ内に空気を供給することが可能であり、
前記空気流路形成部内には、一部のバーナに対して空気を供給する流路を遮蔽する空気流路閉塞手段を有し、
各燃料供給路を経てバーナに燃料ガスが供給され、加えて空気流路形成部からバーナに空気が供給されてバーナ内で混合され、燃焼空間に混合ガスが放出されて燃焼するものであり、
前記開閉弁を開閉すると共に空気流路閉塞手段を動作させることによって燃焼空間における燃焼領域を増減させることが可能であることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記複数のバーナは複数のバーナグループに区分けされており、
前記複数の燃料供給路はそれぞれのバーナグループに対して個々に燃料を供給するものであって、
各燃料供給路はそれぞれが受け持つバーナグループの容量に応じた断面積部又は/及びバーナグループの容量に応じた流路抵抗を持つことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
複数のバーナグループは、さらに複数の組に区分けされており、
各組に属するバーナは一体的に燃焼され、
前記空気流路閉塞手段は、特定の組に属するバーナに対して空気を供給する流路を遮蔽するものであることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−127535(P2010−127535A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302962(P2008−302962)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】