説明

燃焼装置

【課題】熱電対の温接点を淡炎口に対して確実に位置決めできる燃焼装置を提供する。
【解決手段】燃焼装置の取付板7には、熱電対40が濃淡バーナ9の長手方向に対して平行に配置されている。熱電対40は熱電対支持部材20によって支持されている。熱電対支持部材20は、濃淡バーナ9の炎口部70の一部を塞ぐ閉塞部24を備えている。閉塞部24の前端部には、熱電対40の温接点45を淡炎口に露出させる凹部31が設けられている。凹部31の両側部位で濃淡バーナ9の濃炎口を塞ぐ。閉塞部24を平面視で見た場合に、熱電対40の温接点45が凹部31の内側に配置されている。従って、熱電対40の温接点45を淡炎口に対して確実に位置決めできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電対を備えた燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料ガスと空気の混合気が供給されるバーナを有する燃焼装置であって、バーナの炎口に熱電対を臨ませたものが知られている。バーナの燃焼状態に応じて変化する熱電対の検出信号に基づいて、バーナに供給される混合気における燃焼ガスを完全燃焼させる理論空気量に対する供給空気の比率(空気過剰率)を検知できる。
【0003】
例えば、燃料ガスと空気の混合気が供給される第1のバーナ(淡バーナ)と該第1のバーナの周囲に設けられた第2のバーナ(濃バーナ)とからなり、該第1のバーナに供給される混合気の空気過剰率を1よりも大きくすると共に、該第2のバーナに供給される混合気の空気過剰率を1よりも小さくした濃淡バーナに供給される混合気の空気過剰率を検知する方法であって、濃淡バーナの燃焼炎の温度又は火炎電流を検出する炎センサ(熱電対)の感炎部を、前記第2のバーナの炎口の真上から前記第1のバーナの炎口の真上に亘って配置し、前記第2のバーナの前記炎センサの感炎部と対向する炎口の部分を、前記炎センサの感炎部の幅方向に該感炎部の幅の1.5〜5倍の長さで塞ぎ、該炎センサの検出信号に基づいて前記濃淡バーナに供給される混合気の空気過剰率を検知する濃淡バーナにおける空気過剰率検知方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3908607号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、熱電対の温接点はアルゴン溶接で溶かし込んで作ることから、先端寸法が決まりにくい。そのため、特許文献1に記載の方法では、炎センサである熱電対の感炎部(温接点)を、第1のバーナの炎口(淡炎口)の真上に位置決めするのが困難であるという問題点があった。熱電対の温接点が淡炎口からずれると、濃火炎の影響を受けてしまうので、空気過剰率を正確に検知できず、安定した性能が得られなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、熱電対の温接点を淡炎口に対して確実に位置決めできる燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る燃焼装置は、燃料ガスと空気の混合気が供給される第1炎口と該第1炎口の長手方向に直交する幅方向の両側に隣接して設けられた第2炎口とを備え、前記第1炎口に供給される混合気の空気過剰率を1よりも大きくすると共に、前記第2炎口に供給される混合気の空気過剰率を1よりも小さくした濃淡バーナと、当該濃淡バーナの燃焼炎の炎電流を検出する熱電対とを備えた燃焼装置であって、前記第1炎口の真上において、該第1炎口の前記長手方向に突出させ、前記熱電対の先端部に形成された温接点が配置されるように、前記熱電対を支持する熱電対支持部材と、前記第1炎口及び前記第2炎口の前記熱電対に対応する位置で且つ前記温接点を除く位置を塞ぐ閉塞板とを備え、前記閉塞板の一端部には、前記第1炎口の前記長手方向に凹みを形成する凹部が設けられ、前記閉塞板を平面視で見た場合に、前記温接点が前記凹部の内側に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明の燃焼装置では、熱電対が熱電対支持部材によって支持された状態では、熱電対の先端部に形成された温接点が、第1炎口の真上において、第1炎口の長手方向に突出させた状態で配置される。従って、熱電対の先端部寸法にずれがあったとしても、熱電対の温接点を、第1炎口の真上に確実に位置決めできる。さらに、第2炎口において、第1炎口の長手方向に直交する幅方向において少なくとも温接点に対応する領域が閉塞板によって閉塞されるので、熱電対の出力について、第2炎口に形成される火炎の影響を防止できる。そして、第2炎口は、第1炎口の幅方向の両側に各々設けられているので、第1炎口に形成される火炎を、第2炎口に形成される両側の火炎から保炎できる。閉塞板は、それら第1炎口及び第2炎口を塞ぎ、閉塞板の一端部の略中央に形成された凹部の内側に温接点が配置される。凹部は、第1炎口の長手方向に凹みが形成されているので、熱電対の先端部寸法にずれがあったとしても、温接点に閉塞部がかかることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】燃焼装置1の斜視図である。
【図2】図1の熱電対支持部材20の周囲を示す部分拡大図である。
【図3】燃焼装置1の平面図の一部である。
【図4】熱電対支持部材20の周囲を右側方から見た図である。
【図5】熱電対支持部材20の正面図である。
【図6】熱電対支持部材20の平面図である。
【図7】熱電対支持部材20の右側面図である。
【図8】測定試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態である燃焼装置1について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構造などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。なお、以下説明において、図1の左斜め下側、右斜め上側、右斜め下側、左斜め上側を、燃焼装置1の前側、後ろ側、右側、左側とする。
【0011】
まず、燃焼装置1の構造について説明する。図1に示す燃焼装置1は、給湯器等のガス器具(図示外)に取り付けて使用される。燃焼装置1は、上部が開口する略直方体の箱状のバーナケース2を備えている。バーナケース2の内側には、燃焼装置1の前後方向に長い12個の濃淡バーナ9が左右方向に並んで各々設置されている(以下、複数の濃淡バーナ9を総称して「バーナ群10」という。)。濃淡バーナ9は、理論空燃比より燃料の希薄な燃料空気混合気と、理論空燃比より燃料の濃い燃料空気混合気とを燃焼させる低NOxバーナである。
【0012】
図1に示すように、バーナケース2は、底板8と、該底板8の左右両端部に各々立設された右板3及び左板(図示外)と、該右板3及び左板の各前端部の上側部分の間に渡設された前板5と、底板8の後端部に立設された背板6と、該背板6の上部に設けられ、燃焼装置1を器具内に取り付けるための取付板7とを備えている。取付板7は、正面視長方形状の本体部12と、その本体部12の上端部において後方に略直角に折り曲げられた係止部13とからなる。係止部13は、器具内に設置する際に、器具内の取付箇所の被係止部(図示外)に係止させる部位である。底板8には、複数の貫通孔11が格子状に各々設けられている。給湯器の器具内では、燃焼装置1の下側に設けられたファン(図示外)から送風された空気が、貫通孔11を介してバーナケース2の内側に取り込まれる。取り込まれた空気は、濃淡バーナ9の二次燃焼用空気として利用される。
【0013】
図1,図2に示すように、取付板7の本体部12の前面の右側には、濃淡バーナ9の長手方向に対して平行に配置され、濃淡バーナ9の火炎を検知する熱電対40が設けられている。熱電対40は、熱電対支持部材20によって支持されている。熱電対40の先端側に設けられた温接点45は、濃淡バーナ9の炎口部70の幅方向中央にある淡炎口71(図3参照)の真上に配置されている。
【0014】
次に、濃淡バーナ9について説明する。図3に示すように、濃淡バーナ9の上端部には、炎口部70が形成されている。炎口部70は、平面視で見た場合に、濃淡バーナ9の前後方向を長手とする略長方形状に形成されている。炎口部70の内側には、複数の整流板を有する整流部材80が取り付けられている。整流板は上方に向かって流れる淡ガスを整流するものである。整流部材80の上端部において、複数の整流板によって複数のスリット炎口が形成され、それらによって1つの淡炎口71(本発明の「第1炎口」に相当)が形成されている。淡炎口71の幅方向両側には、スリット状の濃炎口72,73が各々設けられている。つまり、淡炎口71を中央に挟むようにして、濃炎口72,73(本発明の「第2炎口」に相当)が各々設けられている。
【0015】
淡炎口71には、空気過剰率が1よりも大きい混合気(淡ガス)が供給される。濃炎口72,73には、空気過剰率が1よりも小さい混合気(濃ガス)が供給される。なお、空気過剰率とは、バーナに供給される混合気における燃焼ガスを完全燃焼させる理論空気量に対する供給空気の比率のことである。淡炎口71では、淡ガスが燃焼して主炎が形成される。濃炎口72,73では、濃ガスが燃焼して袖火が形成される。主炎を一対の袖炎で挟むことによって、主炎を保炎することができる。炎口部70は、縦方向に並んだ5個の連結片78によって6つ領域に区画されている。よって、炎口部70には6つの主炎が形成され、各領域毎で主炎を一対の袖火で保炎するようになっている。
【0016】
一般的に、バーナで形成される火炎の温度は、混合気の空気過剰率が1.0で最も高くなる。従って、淡ガスを燃焼して形成される火炎の温度、及び濃ガスを燃焼して形成される火炎の温度は、空気過剰率が1.0の混合気を燃焼して形成される火炎の温度よりも低い。そして、濃淡バーナ9では、異物等の詰まりによって内部が閉塞すると、炎口部70に供給される空気量が減少するので、淡炎口71に形成される淡火炎の温度は上昇する。この性質を利用して、燃焼装置1では、淡炎口71の真上に熱電対40の温接点45を配置し、淡火炎の温度上昇を検知することで、濃淡バーナ9の閉塞を速やかに検知する。
【0017】
次に、熱電対40について説明する。図4に示すように、熱電対40は、円柱状の中央部41と、先端側に向けて先細り形状を有する先端側部42と、円柱状の後端側部43とが同軸上に連結した形状である。先端側部42と中央部41との境界部分は、中央部41の径に対して先端側部42の径が短いため段状に形成されている。中央部41と後端側部43との境界部分には、径方向外側に延びる鍔部44が設けられている。先端側部42の先端部には、火炎に熱せられる部分である温接点45が形成されている。温接点45は、例えば、アルゴン溶接等によって形成される。熱電対40の温接点45が火炎によって熱せられると起電力を生じる。この起電力を検知することで、火炎温度を測定できる。
【0018】
次に、熱電対支持部材20の形状について、図5〜図7を参照して説明する。熱電対支持部材20は、上下方向に延設され、熱電対40の後端側を支持する後端側支持部21と、該後端側支持部21の上端部から前方に向けて略水平に延設された水平板22と、該水平部22の前端部から下方に延設され、熱電対40の前端側を支持する前端側支持部23と、該前端側支持部23の下端部から前方に向かって略水平に延設された閉塞部24とを備えている。後端側支持部21の略中央には、熱電対40を挿通させて後端側を支持するための正面視円形状の支持孔21Aが設けられている。前端側支持部23の略中央には、熱電対40を挿通させて前端側を支持するための正面視円形状の支持孔23Aが設けられている。
【0019】
閉塞部24は平面視長方形状に形成されている。その前端部の幅方向略中央には、後方に向かって略半円形状に凹んだ凹部31が設けられている。凹部31は、熱電対40の温接点45(図3参照)を、淡炎口71に露出させる部位である。凹部31の両側部位は、濃淡バーナ9の濃炎口72,73(図3参照)を塞ぐ部位である。さらに、閉塞部24の幅方向の両端部には、下方にそれぞれ突出する係止部28,29が設けられている。係止部28,29は、濃淡バーナ9の幅方向両側に設けられた一対の外壁91,92に対して外方から嵌合して係止するものである。
【0020】
次に、熱電対40及び熱電対支持部材20の燃焼装置1への組付構造について説明する。図4に示すように、熱電対支持部材20の後端側支持部21の外面は、バーナケース2の取付板7の本体部12の前面に当接している。熱電対支持部材20の閉塞部24は、濃淡バーナ9の炎口部70の後端側の一部を塞ぐように載置されている。閉塞部24の両端に設けられた係止部28,29は、濃淡バーナ9の左右両側の外壁91,92に対して外方から係止している。これにより、閉塞部24が炎口部70に対して幅方向にずれるのを防止できる。
【0021】
一方、熱電対40は、取付板7の本体部12に設けられた円形状の取付孔12Aに対して、本体部12の裏面側から差し込まれ、鍔部44が本体部12の裏面に当接することで係止している。本体部12の前面から前方に突出する熱電対40は、熱電対支持部材20の後端側支持部21の支持孔21Aと、前端側支持部23の支持孔23Aとに挿入され、前端側支持部23の前面から先端側部42が前方に突出して支持されている。なお、熱電対支持部材20の前端側支持部23の支持孔23Aの径は、熱電対40の先端側部42の基端側の径に調整されている。よって、先端側部42と中央部41との境界部分の段部は、熱電対支持部材20の前端側支持部23の裏面に係止している。これにより、熱電対支持部材20と熱電対40との互いの位置関係が決まる。取付板7の本体部12の裏面側には、鍔部44を後方から押さえて熱電対40を固定するための押さえ板60が固定されている。
【0022】
押さえ板60は、本体部12の裏面に当接してビス(図示外)で固定される固定部61と、該固定部61の上端部から後方に立ち上がる連結部62と、該連結部62の後端部から垂直上方に延設され、熱電対40の鍔部44を後方から押さえるための押さえ部63とから構成されている。このようにして、熱電対40は、取付板7の本体部12に確実に固定されると共に、熱電対支持部材20によって、その前端側が濃淡バーナ9の炎口部70の真上に安定して支持される。
【0023】
そして、図3に示すように、閉塞部24の周囲を平面視で見た場合、凹部31の凹みは、炎口部70の長手方向に沿っている。熱電対40の温接点45は、凹部31の凹みの中央から前方に突出している。これにより、熱電対40の温接点45の先端寸法にずれがあったとしても、淡炎口71に対して確実に位置決めできる。また、熱電対40の長手方向の寸法誤差、又は取付誤差があったとしても、淡炎口71に対して確実に位置決めできる。
【0024】
熱電対40の温接点45は凹部31の内側に配置され、その幅方向に対応する濃炎口72,73は、凹部31の両側部分によって塞がれている。凹部31の両端部は、淡炎口部分のみが開口するように調整されているので、淡炎口71のみを温接点45に対して確実に露出させると共に、濃炎口72,73を確実に塞ぐことができる。また、閉塞部24の係止部28,29が、濃淡バーナ9の左右両側の外壁91,92に嵌合して係止しているので、凹部31と淡炎口71、濃炎口72,73との互いの位置関係がずれるのを防止できる。これにより、淡炎口71に形成される淡火炎の温度を確実に検知できるので、濃淡バーナ9の閉塞を速やかにかつ確実に検知できる。
【0025】
また、熱電対支持部材20に熱電対40を組み付けて、バーナケース2に取り付けることによって、熱電対40の位置決めがし易くなり、燃焼装置1の組み立てを容易にすることができる。
【0026】
次に、熱電対支持部材を使用したことによる効果を実証するために確認試験をおこなった。本試験では、熱電対支持部材を用いた本発明品(燃焼装置1)と、熱電対支持部材が無い比較品とを用意した。そして、濃淡バーナの内部を徐々に閉塞して吸気を徐々に制限した場合において、淡炎口の起電力(mV)の変化について調べた。吸気閉塞率は、内部が閉塞されていない状態を0%、内部が完全に閉塞された状態を100%とした。図8に示すグラフでは、発明品の起電力を黒塗りの菱形シンボルで示し、比較品の起電力を白抜きの三角シンボルで示した。また、吸気閉塞率に対するCO/COを×印で示した。CO/COは、二酸化炭素濃度に対する一酸化炭素濃度の割合を示し、高ければ高いほど不完全燃焼が起きていることがわかる。
【0027】
図8に示すように、CO/COは、吸気閉塞率が0〜40%までは、0付近で変化がないが、50%を過ぎてから上昇し始め、60%を過ぎてから急激に上昇する傾向が見られた。つまり、50%〜60%前後の変化を検知すれば、不完全燃焼を速やかに検知できる。しかしながら、比較品では、温接点付近の濃炎口を塞いでいないため、淡火炎の起電力を検知する際に、濃炎口の濃火炎が温接点に接してしまい、正確な起電力を検知できず、吸気閉塞率が0%で既に起電力が高く検知されてしまい、起電力の変化を見ることはできず、不完全燃焼を検知できない。
【0028】
これに対し、本発明品では、CO/COの変化と同様に、吸気閉塞率が0〜40%まではなだらかな上昇が見られ、50%を過ぎてから急激に上昇し始め、60%を過ぎてからさらに上昇する傾向が見られた。これは、熱電対支持部材の閉塞部によって、温接点付近の濃炎口を塞いでいるので、淡火炎の起電力のみを検知することができたからである。これにより、淡火炎のみの起電力の変化を検知でき、吸気閉塞率が50%〜60%前後の淡火炎のみの起電力変化を検知できるので、不完全燃焼を速やかに検知できることが実証された。
【0029】
以上説明したように、本実施形態の燃焼装置1は、バーナ群10を収納するバーナケース2を備えている。バーナケース2の取付板7の本体部12の前面の右側には、濃淡バーナ9の長手方向に対して同軸方向に配置され、濃淡バーナ9の火炎温度を検知する熱電対40が設けられている。熱電対40は、熱電対支持部材20によって支持されている。熱電対支持部材20は、濃淡バーナ9の炎口部70の一部を塞ぐ閉塞部24を備えている。閉塞部24の前端部の幅方向略中央には、凹部31が設けられており、熱電対40の温接点45を、淡炎口71に露出させる部位である。凹部31の両側部位は、濃淡バーナ9の濃炎口72,73を塞ぐ部位である。閉塞部24の周囲を平面視で見た場合、凹部31の凹みは、炎口部70の長手方向に沿っている。熱電対40の温接点45は、凹部31の凹みの中央から前方に突出している。これにより、熱電対40の温接点45の先端寸法にずれがあったとしても、淡炎口71に対して確実に位置決めできる。また、熱電対40の長手方向の寸法誤差、又は取付誤差があったとしても、淡炎口71に対して確実に位置決めできる。
【0030】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、バーナケース2の内側に収納される濃淡バーナ9の個数は上記実施形態に限られず、これより多くても少なくてもよい。
【0031】
また、濃淡バーナ9は、濃火炎のみを形成する濃バーナと、淡火炎のみを形成する淡バーナを交互に配設した構成としてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、熱電対40の位置は、左右方向に濃淡バーナ9が並ぶバーナ群10の最も右端にある濃淡バーナ9の炎口部70の真上に配置したが、他の濃淡バーナ9の炎口部70上に配置してもよく、熱電対40の位置は限定されない。
【0033】
また、上記実施形態では、熱電対支持部材20を取付板7の本体部12の前面に当接したが、取付板7の本体部12に設けられた円形状の取付孔12Aの上部に、熱電対支持部材20の幅の切欠きを設け、熱電対支持部材20の後端側支持部21を該切欠きに挿通することで、前方から本体部12、後端側支持部21、鍔部44、押さえ部63の順で配設され、固定部61を本体部12に固定するようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、火炎検知手段として熱電対を用いて行ったが、フレームロッド、サーミスタなどにも利用可能である。
【0035】
また、上記実施形態では、閉塞部24は、熱電対支持部材20の一部であるが、別体として設けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 燃焼装置
2 バーナケース
9 濃淡バーナ
20 熱電対支持部材
24 閉塞部
28,29 係止部
31 凹部
40 熱電対
45 温接点
70 炎口部
71 淡炎口
72,73 濃炎口
91,92 外壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと空気の混合気が供給される第1炎口と該第1炎口の長手方向に直交する幅方向の両側に隣接して設けられた第2炎口とを備え、前記第1炎口に供給される混合気の空気過剰率を1よりも大きくすると共に、前記第2炎口に供給される混合気の空気過剰率を1よりも小さくした濃淡バーナと、当該濃淡バーナの燃焼炎の炎電流を検出する熱電対とを備えた燃焼装置であって、
前記第1炎口の真上において、該第1炎口の前記長手方向に突出させ、前記熱電対の先端部に形成された温接点が配置されるように、前記熱電対を支持する熱電対支持部材と、
前記第1炎口及び前記第2炎口の前記熱電対に対応する位置で且つ前記温接点を除く位置を塞ぐ閉塞板と
を備え、
前記閉塞板の一端部には、前記第1炎口の前記長手方向に凹みを形成する凹部が設けられ、
前記閉塞板を平面視で見た場合に、前記温接点が前記凹部の内側に配置されていることを特徴とする燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−36738(P2013−36738A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230385(P2012−230385)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2010−58115(P2010−58115)の分割
【原出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000112015)株式会社パロマ (298)
【Fターム(参考)】