説明

燐光物質混合物を有する発光装置

本発明は燐光物質の混合物である組成物を提供する。この組成物は化学式 M1SxSey:B1で表わされる第1成分と、化学式M2Am(SpSeq)n:B2で表わされる物質を含む第2成分を含むが、M1及びM2は任意の金属種であり、B1及びB2は任意の活性剤であり得、典型的には金属種類であり、残りの変数はこの組成物が電気的に中性になるようにするために必要となる有效な数値を表わす。本発明による燐光物質の混合物は、まず、個々の成分を用意し、その次にこれらの成分を乳鉢またはボールミル中で物理的に混合することで製造される。
【代表図】図3

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロス・リファレンス
本出願は2003年9月15日に出願されたアメリカ特許出願番号第10/661,931号、2004年3月15日に出願された10/801,067、2004年3月15日に出願された10/801,082の一部継続出願として、これらの出願は現在、すべて係属中であり、 2003年8月2日に出願されたアメリカ仮特許出願の出願番号60/492,008に対する正式出願であって、これらの出願の全内容が参照として本明細書に組み入れられる。本発明は一般的に固体状態の発光装置に関するものである。より具体的には、本発明は従来の類似の装置と比べて、高性能及び高效率の改善された固体状態の物質を含む発光ダイオード、エレクトロルミネセンス装置などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
去る20年間、通常的な照明装置(すなわち、白熱ランプ、ハロゲン・ランプ及び蛍光ランプ)で少しの主要な改善しかなされなかった。しかし、発光ダイオード(“LED”)の場合には、信号灯及び自動車の尾灯のような通常の単色照明器機において白熱及びハロゲン・ランプに取って代わる位まで動作效率が改善された。これは、ある程度はLEDが従来の光源に比べて寿命が長くて、丈夫で、電力消費が少なくて、大きさが小さいという点など、多くの利点を持っているという事実に起因する。また、LEDの狭小なバンド放射特性によって、白色LEDは 1)個別の赤、緑、青(R, G, B)LEDを互いに近く配置した後に、これらによって放射された光を拡散及び混合させるとか、2)短波UVまたは青色LEDをLED光の全部または一部をより長い波長に変換させる広帯域の蛍光化合物と結合させることによってのみ生成させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した一番目の方法を利用して白色LEDを生成する場合、R, G, B発光装置が相異なる動作電圧それ故複雑な駆動回路を要求する相異なる半導体材料から作られる、という事実によって、多くの問題が発生する。R, G,
B LED放射の単色性質による結果の白色光の低い演色性特性によって他の問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
LEDから白色光を生成する二番目の方法は、一つ以上の蛍光材料でコーティングされた単一類型のLED(UVまたは青色)だけ要求し、従って白色光の生成LEDの全構成を、より小型化し、構成を簡素化して、従来に比べて費用をもっと安くするので、一般的により望ましい。また、大部分の蛍光材料、または燐光物質によって提供された広帯域の光放射によって、高い演色性の白色光の可能性を許容する。
【発明の効果】
【0005】
UV/青色LEDの有効性における最近の大きい発展で、燐光物質でコーティングされた青色LEDが現在の照明及びディスプレー背面照明への適用に使われる従来の白熱電球の力強い競争相手になっている。現在、市販の入手し得る大部分の装置は青色LED放射の一部を黄色に変換することによって作動する。そのような状況で、LEDからの青色光の一部は燐光物質を通じて透過され、黄色燐光物質の発光と混合されて、結局、白色光で認知される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は発光装置で燐光物質として有用な組成物において、A) 化学式:M1 SxSey:B1[式中、M1は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Znから成る群から選ばれた一種以上(但し、Znは単独で存在しない)の元素を含み、B1は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、前記B1の総含有量は、前記の組成物の総モル重量に対してモル%で0.0001%と約10%の間任意の量であり、x及びyはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値(但し、xとyの合計は約0.75と約1.25の間の範囲の値を持つ)を持つ]で表わされる物質を含む第1成分の燐光物質と、B) 化学式:M2Am(SpSeq)n:B2[式中、M2は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Znから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、Aは、Al, Ga, In, Y, La及びGdから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、B2は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na及びMnから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、 mは約2または約4から選ばれ、nは約4または約7から選ばれるが、mが約2の場合にnは約 4であり、mが約4の場合にnは約7であり、 前記のB2の量は、前記組成物の総モル重量に対してモル%で0.0001%と約10%の間の任意の量存在し、前記のp及びqはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値(但し、pとqの合計は約0.75と約1.25の間の範囲の値を持つ)を表わす。]で表わされる物質を含む第2成分の燐光物質を含む組成物を提供する。本発明は、本発明の燐光物質混合物を含む発光装置を更に含む。
【実施例】
【0007】
図1は従来技術のYAG : Ceの燐光物質が青色LEDによって励起されて白色光を生成する場合に放射された光のスペクトルを示したものである。YAG : Ceの他に、数種の有機ベースの蛍光物質が利用されたが、有機分子は強いUVまたは青色光及びLED表面近くの高温に暴露されると、劣化されやすく、老化が加速される。しかし、YAG : Ceの燐光物質及びその誘導物を除いて、長期間の安全性を維持しながら效果的に青色または紫色光を白色光に変換させることができる無機材料は非常にわずかしかない。更に、青色LEDに使われた標準YAG : Ceの燐光物質はスペクトルの青緑色及び赤色部分のいずれも不足で、低い、発光效率性及び演色性をもたらす。
【0008】
UV LED及びRGB燐光物質混合物の代りに単一成分の黄色燐光物質を持つ青色LEDを使用する一つの利点は、前者のアプローチが近くの高い温度及び光強度によって燐光物質の老化を受けるが、時間がたっても、より安定なカラー出力を得ることにある。
【0009】
図2a、2b及び2cは、燐光物質粒子をLEDに結合することに利用される公知の可能な構成のいくつかを示すが、ここで燐光物質はエポキシを通じて散布されるとか(図2a参照)(このような散布及びその製造技術は当業者に知られている)、LED発光領域上に直接に投与されるとか(図2b参照)、またはエポキシの外部表面上に直接に投与されることができる(図2c参照)。 これらの実施例で、 燐光物質は光源から放射された光を吸収するために光源に充分に近接するように配置されて、吸収された光の波長と違う波長を持つ光波動として光(impingent light)の少なくとも一部を再放射する。 エポキシはLEDを封入することもできる。LED型上に燐光物質を蒸着することに使われる標準商業技術は、当事者たちに知られているように、ポリプロピレン、ポリカーボネートまたはポリテトラプロオロエチレン(PTFE)または、より一般的にはエポキシ樹脂、またはシリコーンのような光学的にきれいな液体ポリマーシステムに燐光物質粉末を混合する方法がある。生成した材料は、その後に彩色されるとか、またはLEDの上に投与されて、乾燥、固化、または硬化される。その後、エポキシの最終層が全アセンブリーを保護するとか、またはある場合にはLED台から放射された光を焦点に集めるための光学レンズとして作用するように塗布される。従って、本発明によって提供された燐光物質は、発光装置のような発光装置を製造する従来公知の技術を利用して処理され、基板上に蒸着させるのに適している。
【0010】
望ましい実施例においては, 本発明は個別燐光物質の混合物として、該混合物は、以下に説明するように、少なくとも第
1 燐光物質と第 2 燐光物質を含む燐光物質を提供する。
第1成分の燐光物質
本発明による燐光物質の混合物は、第1成分の燐光物質と第 2 成分の燐光物質を含む。このような混合物の第1成分の燐光物質として有用な燐光物質の種類は次の化学式で表わされる。
M1SxSey:B1
式中、x及びyはそれぞれ独立して0と1及びその間のすべての値を含む約0と約1の間の任意の値を表わし;M1は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの中の一種以上(但し、Znは単独で存在しない)であり;活性剤B1は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm 及び Mnから成る群から選ばれた元素を表わし、該元素は組成物の総モル重量に対して0.0001%と約10%の間の任意の量で存在することができる。一実施例においては、xとyの合計が約0.5と約1.5の間の任意の数である。他の実施例によれば、xとyの合計は約0.75と約1.25の間の任意の数である。また他の実施例によれば、B1は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量でEuとして存在する。他の実施例によれば、B1は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量でCeとして存在する。他の実施例によれば、上記の化学式で0.5≤x≤1であり、0≤y≤0.5である。他の実施例によれば、上記の化学式でxは約0であり、yは約1である。他の実施例によれば、上記の化学式で 0≤x≤0.5であり、0≤y≤0.5である。他の実施例によれば、上記の化学式で xは約1であり、yは約0である。他の実施例によれば、上記の化学式で0≤x≤0.5であり、0.5≤y≤1.0である。他の実施例によれば、上記の化学式でxは約0.75であり、 yは約0.25である。
【0011】
他の実施例では, 本発明の燐光物質混合物の第1成分が次の化学式で与えられた燐光物質を含む。
M1SxSey:B1
式中、x及びyはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値を表わすが、0.001と1及びその間の全ての1/1000のを制限なしに含み、M1はBe, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの中の一種以上(但し、Zn単独は除く)であり、活性剤B1は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm 及びMnから成る群から選ばれた一種より多い元素、すなわち任意の割合でこれら元素の任意の二種の元素、三種の元素、四種の元素、五種、六種、七種、またはこれ以上の元素の混合物を含み、これら混合物中の元素は、それぞれ独立して前記組成物の総モル重量に対して0.0001%と約10%の間の任意のモル%で存在し得る。一実施例では、xとyの合計が約0.5と約1.5の間の任意の数である。他の実施例によれば、xとyの合計は約0.75と約1.25の間の任意の数である。また他の実施例によれば、活性剤B1は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の量でEuとして存在する。また、Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnから成る群から選ばれた、前記の任意の割合の2種またはそれ以上の元素の混合物を含む、一種以上の付加的な活性剤が存在することもできるし、この付加的な活性剤は、燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で、前記組成物の他の成分のは量とは独立して存在する。本発明の他の実施例によれば、前記の化学式で0.5≤x≤1であり、0≤y≤0.5である。他の実施例によれば、前記の化学式で、xは約1であり、yは約0である。他の実施例によれば、前記の化学式で0≤x≤0.5であり、0≤y≤0.5である。他の実施例によれば、前記の化学式でxは約0であり、yは約1である。
他の実施例によれば、 前記の化学式で0≤x≤0.5であり、0.5≤y≤1.0である。他の実施例によれば、 前記の化学式でxは約0.75であり、yは約0.25である。他の実施例によれば、活性剤B1は、燐光物質の総モル重量に対して、約0.0001%と約10%の間の任意の重量でCeとして存在する。また、Eu, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K,
Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnから成る群から選ばれた、前記の任意の割合の2種またはそれ以上の混合物を含む、一種以上の付加的な活性剤が存在することもできるし、この付加的な活性剤は、燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で、前記の組成物の他の成分の量と各々独立して存在する。他の実施例によれば、前記の化学式で0.5≤x≤1であり、0≤y≤0.5である。他の実施例によれば、前記の化学式でxは約1であり、yは約0である。他の実施例によれば、前記の化学式で0≤x≤0.5であり、0≤y≤0.5である。他の実施例によれば、前記の化学式でxは約0であり、yは約1である。本発明の他の実施例によれば、前記の化学式で0≤x≤0.5であり、0.5≤y≤1.0である。他の実施例によれば、上記の化学式でxは約0.75であり、yは約0.25である。
【0012】
本発明による混合物の第1成分の燐光物質材料は、出発物質として粉末金属硫化物M1S及びSeを使って合成するのが望ましいが、前記M1は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba及びZnの中の一種以上(但し、Znは単独で存在しない)を含む。所望のモル比で原料を混合した後、当業者が“活性元素”または“活性剤”とも言う最終組成物に存在するように選ばれた所定の他の元素の一種以上を含む化合物を、蒸溜水または脱イオン水及び/またはイソプロピル・アルコール, メタノール, エタノールなどのような溶剤を使用して原料混合物に混合してスラリー化する。原料の乾燥混合も可能である。本発明のいかなる実施例による組成物を提供するのに有用な活性元素は、ユーロピウム、セリウム、銅、銀、アルミニウム, テルビウム、アンチモン、ビズマス、カリウム、ナトリウム、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、マグネシウム及びマンガンを含み、本発明による最終の燐光物質内にこのような元素を供給するため、金属元素のハロゲン化物(Cl, Br, I, Fを含む)、または硫化物、酸化物、炭酸塩の使用によるようなEu,
Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnの化合物若しくは塩、または最終組成物に存在する活性元素を供給するその他の原料を使用するのが望ましい。また、ホスト材料間の反応を高めるために、この技術分野で公知の一種以上のフラックス材料(NH4Cl, ZnCl2
など)を添加するのが望ましいし、本発明の望ましい形態によるフラックス材料は、本明細書のどこかに開示された付随する制約及び特徴を有するM1SxSey:B1を含む成分燐光物質であり、このようなフラックスを使うことは当業者には公知である。乳鉢及び乳棒、ボールミル、グラインダーなどのような従来の手段を使って十分機械的な混合をした後に、生成した材料は真空、不活性または減圧の雰囲気下で好ましくは約800℃ないし約1200℃範囲の温度で焼成して、発光性であり得るM1SxSey:B1化合物を生成する。このような焼成工程で得られた材料は、その後冷却され、それから真空または窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気またはN₂/H₂, COまたはH₂Sのような還元雰囲気中、好ましくは約800℃ないし約1200℃範囲の温度で選択的な2次焼成工程の前に塗られて(cocomminutated)活性化を果たす。これらの燐光物質の相の純度(phase purity)を得るために、原料の純度の正確な調節及び調整手順が要求される。最終生産物中に存在するM1, S及びSeの相対的な量は、原料混合物の内にこれらの元素を含む原料の相対的な量を調整することによって当業者により容易に調整可能である。
【0013】
第1成分の燐光物質に対する製造工程は前述した例に限定されないで、異なる出発物質及び合成技術を使用して同一な結果及び化合物を得ることができる。
例えば、本発明は、原料出発物質として、制御された硫化水素及び/またはセレン化水素雰囲気中で適切な活性剤と一緒に焼成され得るM1S及びM1Se化合物の両方の使用を考慮している。次の例は望ましい原料混合物を例示したものであり、本発明の組成物が調整され得る方法を限定すると考えるべきではない。
実施例 1
CaS 100g
Se 11g
CeF3 8.2g
生成した組成物は、化学式CaS0.91Se0.09:Ceを有する。
実施例 2
Cas 100g
Se 15g
CeF3 8.2g
生成した組成物は、化学式CaS0.88Se0.12:Ceを有する。
【0014】
本発明による第1成分の燐光物質は、上記の実施例1または2の中で特定された成分らの混合物を使用し、脱イオン化水及び/または溶媒中で一緒にし、スラリー混合及びその後ボールミル粉砕を行って、平均粒度約1ないし10ミクロンにすることで、製造することができる。乾燥後に、これらの混合物は、ボールミル粉砕又は磨砕して微細粒子とし、その後、不活性または還元雰囲気中で2時間の間1150℃の石英るつぼ中で焼成する。それから、発光材料をるつぼから取り出し、所望の粒度分布の燐光物質を得るために篩振盪機に移される。
【0015】
本発明の望ましい一実施例では、本発明による混合物内の第1成分の燐光物質が、放射スペクトルが約590nm付近で最大である化学式CaS0.91Se0.09:Ceを含むオレンジ・黄色の燐光物質を提供する。この燐光物質単独の性能は図3に示されているが、図3は本発明の一つの成分の組成物が475nmの青色LEDからの放射の一部を590nm付近のオレンジ・黄色光にいかに效果的に変換させるのに使用できるかを説明する。
【0016】
図4は、本発明の他の第1成分の燐光物質組成物であるCaS0.88Se0.12:Ceによって現われるスペクトルを示したもので、ここではピーク波長がより短い波長にシフトされて、475nmの青色LEDからの放射線を約570nm付近の緑黄色光に效果的に変換する。
410nm付近のUV LEDによって励起された上記の二種の燐光物質、CaS0.91Se0.09:Ce 及びCaS0.88Se0.12:Ceのスペクトルが図5に示され、ここで燐光物質からの広い放射範囲が明白に示されている。従って、本発明は第1成分の燐光物質を提供することを欲する者が供給する数多くの可能な組成物がに対して広範であり、本発明を実施する者によって選択された特定組成物は、手近の必要性の特定の要求になるだろう。図5から理解できるように、第1成分の燐光物質中のSe含有量が増加すれば、放射スペクトルの緑色のシフト及びピークの広がりをもたらす。第1成分の燐光物質の元素成分を制御すれば、燐光物質の励起スペクトルが、紫外から青色領域へシフトすることが可能になる。従って、本発明はその範囲内で第1成分の燐光物質の数は、変化可能である。
【0017】
第2成分の燐光物質
本発明の燐光物質混合物は、同じ名前を見出しで前述した第1成分の燐光物質の外に、第2成分の燐光物質を含むが、この第2成分の燐光物質は、それ自体発光ダイオードによって放射された光の全部または一部を吸収することができるし、吸収された光の波長よりもっと長い波長の光を放射することができる、燐光物質を含む。この点で有用な本発明によって提供された第2成分の燐光物質組成物は次式で表わされる。
M2A2(SpSeq)4:B2
式中、p及びqはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値を表わすが、0と 1を含み、0.001と1及びその間の全ての1/1000を制限なしに含み;M2はBe, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの中の一種以上であり;AはAl, Ga, In, Y, La及びGdの一種以上であり;ここで活性剤B2はEu,
Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na及びMnから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み;このような元素は前記組成物の総モル重量に対して0.0001%と約10%の間のモル%で任意の量で存在し得る。一実施例では、pとqの合計が約0.500と約1.500の間の任意の数である。他の実施例によれば、pとqの合計は約0.750と約1.250の間の任意の数である。また、他の実施例によれば、B2は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の量でEuとして存在する。他の実施例によれば、B2は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量でCeとして存在する。
【0018】
他の実施例によれば、上記の化学式で0.5≤p≤1であり、0≤q≤0.5である。他の実施例によれば、上記の化学式でpは約0であり、qは約1である。他の実施例によれば、上記の化学式で0≤p≤0.5であり、0≤q≤0.5である。他の実施例によれば、上記の化学式でpは約1であり、qは約0である。他の実施例によれば、上記の化学式で0≤p≤0.5であり、0.5≤q≤1.0である。他の実施例によれば、上記の化学式でxは約0.75であり、yは約0.25である。他の本発明の実施例では、第2成分の燐光物質は、次の化学式で表わされる。
M2A2(SpSeq)4:B2
式中、p及びqはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値を表わすが、制限なしに1/1000単位で0.001及び1の間の任意の値を含み、M2はBe, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの一種以上であり、AはAl, Ga, In, Y, La及びGdの一種以上であり、活性剤B2は、Eu,
Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, Na, K及びMnから成る群から選ばれた一種より多くの元素、すなわち、任意の割合でこれらの元素の中で任意の二種の元素、三種の元素、四種の元素、
五種、六種、七種、またはそれ以上の元素の混合物を含み、これらの混合物内の元素はそれぞれ独立して前記組成物の総モル重量に対して0.0001%と約10%の間の任意のモル%で存在することもできる。
【0019】
一実施例では、pとqの合計が約0.500と約1.500の間の任意の数である。他の実施例によれば、pとqの合計は約0.750と約1.250の間の任意の数である。また、他の実施例によれば、活性剤B2は、燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量でEuとして存在する。また、Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na及びMnから成る群から選ばれた、各々任意の割合で存在する二種またはそれ以上の元素の混合物を含む一種以上の付加的な活性剤が存在することもでき、この付加的な活性剤は、燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で、前記の組成物の他の成分の量と独立して存在する。本発明の一つの実施形態によれば、前記の化学式で0.5≤p≤1であり、0≤q≤0.5である。他の実施形態によれば、上記の化学式で、 pは約1であり、qは約0である。他の実施形態によれば、上記の化学式で 0≤p≤0.5であり、0≤q≤0.5である。他の実施形態によれば、上記の化学式でpは約0であり、qは約1である。他の実施形態によれば、上記の化学式で 0≤p≤0.5であり、0.5≤q≤1.0である。他の実施形態によれば、上記の化学式で
pは約0.75であり、qは約0.25である。他の実施形態によれば、活性剤B2は、燐光物質の総モル重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の重量でCeとして存在する。また、Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na及び Mnから成る群から選ばれた、任意の割合で存在する二種またはそれ以上の元素から成る混合物を含む一種以上の付加的な活性剤が存在することもでき、この付加的な活性剤は燐光物質の総重量に対して約0.0001%と約10%の間の任意の量で、前記の第2成分の燐光物質組成物の他の成分の量と独立して存在する。本発明の他の別の実施形態によれば、前記の化学式で0.5≤p≤1であり、0≤q≤0.5である。本発明の他の別の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約1であり、qは約0である。本発明の他の別の実施形態によれば、前記の化学式で0≤p≤0.5で
あり、0≤q≤0.5である。本発明の他の別の実施形態によれば、前記の化学式でpは約0であり、qは約1である。本発明の他の別の実施形態によれば、前記の化学式で0≤p≤0.5であり、0.5≤q≤1.0である。本発明の他の別の実施形態によれば、前記の化学式で pは約0.75であり、qは約0.25である。
【0020】
本発明の他の実施形態は、UV/青色の発光ダイオードと、第1成分の燐光物質及び第2成分の燐光物質を含む燐光物質の混合物とを含む発光装置を提供するが、この混合物は発光ダイオードによって放射された光の全部または一部を吸収し、吸収した光の波長よりもっと長い波長の光を放射する。このような混合物中の第2成分の燐光物質として使われる燐光物質は、次の化学式で表わされる。
M2A4(SpSeq)7:B2
式中、p及びqはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値を表わすが、0と1を含んで、また制限なしに毎1/1000の単位で0.001及び1の間の任意の値を含み;M2はBe, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの中の一種以上であり、AはAl, Ga, In, Y, La及びGdの中の一種以上であり、活性剤B2はEu,
Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na及びMnから成る群から選ばれた一種より多くの元素を含み;これらの元素は、組成物の総モル重量に対して、合計量で約0.0001%と約10%の間の任意の総モル%で存在することができる。一具体例では、pとqの合計が約0.500と約1.500の間の任意の数である。他の具体例によれば、pとqの合計は約0.750と約1.250の間の任意の数である。また、他の具体例によれば、B2は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で独立してEuとして存在する。他の実施形態によれば、B2は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で独立してCeとして存在する。本発明の他の実施形態によれば、前記の化学式で、0.5≤p≤1であり、0≤q≤0.5である。他の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約0であり、qは約1である。他の実施形態によれば、前記の化学式で、0≤p≤0.5であり、0≤q≤0.5である。他の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約1であり、qは約0である。他の実施例形態によれば、前記の化学式で、0≤p≤0.5であり、0.5≤q≤.0である。他の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約0.75で、qは約0.25である。
【0021】
他の実施例では、第2成分の燐光物質が次の化学式で表わされる。
M2A4(SpSeq)7:B2
式中、p及びqはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値を表わすが、制限なしに0.001及び1を含んで毎1/1000の単位で、その間の任意の値を含み、M2はBe, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの中で少なくとも一種であり;AはAl, Ga, In, Y, La, Gdの中で少なくとも一種であり、活性剤B2は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I,
Mg, Pr, Tm, Na, K及びMnから成る群から選ばれた一種より多くの元素、すなわち、任意の割合でこれらの元素の中で任意の二種の元素、三種の元素、四種の元素、五種、六種、七種、またはそれ以上の元素の混合物を含んで、これらの混合物内の元素はそれぞれ独立して前記組成物の総モル重量に対して約0.0001%と約10%の間の任意のモル%で存在することもできる。一具体例では、pとqの合計が約0.500と約1.500の間の任意の数である。他の具体例によれば、pとqの合計は約0.750と約1.250の間の任意の数である。また、他の具体例によれば、活性剤B2は、燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量でEuとして存在する。また、Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, Na, K及びMnから成る群から選ばれた、任意の割合で存在する前述の二種、またはそれ以上の元素を含む混合物を含む一種以上の付加的な活性剤が存在することもでき、この付加的な活性剤は燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で、前記の組成物の他の成分の量と独立して存在する。本発明の他の具体例によれば、前記の化学式で、0.5≤p≤1であり、0≤q≤0.5である。他の具体例によれば、前記の化学式で、pは約1であり、qは約0である。他の具体例によれば、前記の化学式で、0≤p≤0.5であり、0≤q≤0.5である。他の具体例によれば、前記の化学式で、pは約0であり、qは約1である。他の具体例によれば、前記の化学式で、0≤p≤0.5であり、0.5≤q≤1.0である。他の具体例によれば、前記の化学式で、pは約0.75であり、qは約0.25である。他の具体例によれば、活性剤B2は、燐光物質の総モル重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の重量でCeとして存在する。また、Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F,
I, Mg, Pr, Tm, Na, K及びMnから成る群から選ばれた、任意の割合で存在する前述の二種、またはその以上の元素から成る混合物を含む一種以上の付加的な活性剤が存在することもでき、この付加的な活性剤は、燐光物質の総重量に対して、重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で、前記の組成物の他の成分量と独立して存在する。他の実施形態によれば、前記の化学式で、0.5≤p≤1であり、0≤q≤0.5である。本発明の他の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約1であり、qは約0である。本発明の他の実施形態によれば、前記の化学式で、 0≤p≤0.5であり、0≤q≤0.5である。本発明の他の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約0であり、qは約1である。本発明の他の実施形態によれば、前記の化学式で、0≤p≤0.5であり、0.5≤q≤1.0である。本発明の他の実施形態によれば、前記の化学式で、pは約0.75であり、qは約0.25である。
【0022】
本発明による第2成分の燐光物質として適している燐光物質材料は、出発物質として粉末金属硫化物(M2S及びA2S3)及びセレニウム(Se)を使って合成するのが望ましいが、ここでM2はBe, Mg, Ca, Sr, Ba, Znの少なくとも一種であり、AはAl, Ga, In, Y, La及びGdの少なくとも一種である。所望のモル比で原料を十分に混合した後、当該技術分野で活性元素、または活性剤とも言う最終組成物に存在するように選ばれた所望の他の元素の中の一種以上を含む化合物を、蒸溜水、または脱イオン水及び/または、イソプロピル・アルコール、メタノール、エチルアルコールなどのような溶媒を、スラリービヒクルとして使用して原料混合物に混合スラリー化する。本発明による第2成分の燐光物質組成物を提供するのに有用な活性元素B2は、ユーロピウム、セリウム、銅、銀、アルミニウム、テルビウム、塩素、ヨウ素、マグネシウム、プラセオジム、ナトリウム、カリウム、マンガンを含み、本発明による最終燐光物質の内にこのような元素を供給するため、金属元素のハロゲン化物(Cl, Br, I, Fを含む)、または硫化物、酸化物、 炭酸塩のようなEu, Ce,
Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na, Mnの塩または化合物、または最終組成物に存在する活性元素を供給するその他の原料を利用するのが望ましい。また、ホスト材料の間の反応を進めるために、一種以上のフラックス材料(NH4Cl, ZnCl2 など)を添加するのが望ましいし、このようなフラックス材料は本発明の望ましい形態によれば、本明細書のどこかに開示された付随的な制約及び特徴を持つM2A2(SpSeq)4が適切であるが、このようなフラックスの使用は、当業者には公知である。乳鉢及び乳棒、ボールミル、グラインダーなどのような従来の手段を使って十分機械的な混合をした後に、生成した材料は真空、不活性または減圧雰囲気で、好ましくは約700℃ないし約1200℃範囲の温度で焼成して、発光性であり得るM2A2(SpSeq)4:B2化合物を生成する。このような焼成で生成した材料は、その後冷却され、それから真空または窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気、またはN2/H2, COまたはH2Sのような還元雰囲気で約700℃ないし約1200℃範囲の温度で、選択的な第2焼成工程の前に塗られて(cocomminutated)活性化を果たす。これらの燐光物質の相の純度(phase purity)を得るために原料の純度の正確な調節及び調整手順が要求される。最終生産物中に存在するM2, S及びSeの相対的な量は原料混合物の内にこれらの元素を含む原料の相対的な量を調整することで容易に調整可能である。
【0023】
製造工程は前述した工程に限定されないで、異なる出発物質及び合成技術を利用して同一な結果及び化合物を得ることができる。例えば、本発明は出発原料として、制御された硫化水素及び/またセレンカ化水素雰囲気中で適切な活性剤を利用して焼成され得るM2A2(SpSeq)4化合物のようなホスト材料の使用を意図している。次の実施例は望ましい原料混合物を例示したことで、本発明の組成物を調製し得る方法を限定すると考えるべきではない。
実施例 3
SrS 7.62g
Ga2S3 15g
Se 10g
Eu2O3 0.56g
生成した組成物は、化学式 SrGa2(S0.67Se0.33)4:Eu(5%)を有する。
実施例 4
SrS 7.62g
Ga2S3 15g
Se 13.5g
Eu2O3 0.56g
生成した組成物は、化学式SrGa2(S0.60Se0.40)4:Eu(5%)を有する。
【0024】
本発明による第2成分の燐光物質は、上記実施例3または4で特定した成分の混合物を使用し、脱イオン水及び/または溶媒中一緒にし、スラリー混合及びその後ボールミル粉砕を行って、平均粒度約1ないし10ミクロンになるようにすることで、生成され得る。乾燥後に、混合物はボールミル粉砕または磨砕して微細粒子として、その後、不活性または減圧雰囲気中2時間の間、850℃の石英るつぼ中で焼かれる。それから、るつぼから発光材料を取り出し、所望の粒度分布の燐光物質を得るために篩振盪機に移される。
【0025】
一具体例においては、本発明は第2成分の燐光物質として、pが約0.67であり、qが約0.33である化学式SrGa2(SpSeq)4:Euを含む緑黄色の燐光物質を提供する。
この燐光物質の動作は図6に示されているが、図6は本発明組成物の一つの成分が、470nmの青色LEDからの光の一部を約540nmの黄緑色光に、いかに效果的に変換させることに使用され得るかを説明する。
【0026】
図7は、本発明の他の第2成分の燐光物質組成物のスペクトルを示したもので、 ここではピーク波長がもっと長い波長にシフトされ、放射スペクトルが幅広になる。Pが約0.60であり、qが約0.40であるSrGa2(SpSeq)4:Euは、470nmの青色LEDからの光を541nm付近の緑黄色光で変換する。
【0027】
他の具体例では、本発明によってZnuSrvGa2(SpSeq)4:Euをベースとした第2成分の燐光物質が提供されるが、ここで出発物質量に基づいてpは約0.615であり、qは約0.385であり、u=0.71であり、v=0.29であり、548nm付近の放射線ピーク及び幅広なスペクトルを持ち、図6及び図7と比べて最大吸引の半分で全巾が約11nm大きい(FWHM)吸収を持つ。青色LEDによって励起された、この燐光物質のスペクトルが図8に示されている。他の実施例では、本発明はpが約0.88であり、qが約0.12であり、u=0.78であり、v=0.22であるBauSrvGa4(SpSeq)7:Euをベースとする蛍光燐光物質を含む第2成分の燐光物質を提供する。青色LEDによって励起された燐光物質のスペクトルは、図9に示されている。これらの燐光物質は本発明の例として、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0028】
図10は、SrGa2(S0.67Se0.33)4:Eu+CaS0.90Se0.1:Ceを含む本発明による燐光物質の混合物の放射スペクトルである。図11に、CaGa2(Se,S)4:Eu+SrSeS:Euを含む本発明による燐光物質の混合物の放射スペクトルを示した。これらは、本発明によって提供された多くの混合物の中で二つのみを例示したものである。
【0029】
従って、当業者は本発明がこのような混合物に使うことができる第2成分の燐光物質の数多くの可能な組成物に対して広範であり、本発明を実施する者によって選択された第 2 成分の燐光物質に対する個々の組成物は、手近の必要性の個々の要求によるであろう。 図8で理解され得るように、Se含有量及びM2の組成物を調整すれば、放射スペクトルの赤色シフト並びにスペクトルの拡大を生じる。燐光物質の成分を調節すれば、紫外から青色領域へ燐光物質の励起スペクトルを移動させることができる。従って、本発明はその範囲内で多くの燐光物質が多分面で使用可能である。本発明による燐光物質の混合物は、先に本明細書に記載した個々の成分をまず準備し、その次に乳鉢またはボールミル中でその成分を物理的に混合することによって製造することができる。
【0030】
本発明は、第1成分の燐光物質のすべての割合を、第2成分の燐光物質とともに含む混合物を含む。例えば、第1成分の燐光物質Aは、燐光物質の混合物の総重量に対して、重量%で約99.9%と0.1%の間の任意の量で存在し得る。また、第2成分の燐光物質Bは、燐光物質の混合物の総重量に対して、重量%で約0.1%と 99.9%の間の任意の量で存在し得る。一具体例では、成分Aが混合物の総重量に対して、重量%で約10%ないし30%範囲内で存在し、成分Bは混合物の総重量に対して、重量%で約90%ないし70%範囲の任意の量で存在する。他の具体例では、成分Bが混合物の総重量に対して、重量%で約10%ないし30%範囲内で存在し、成分Aは混合物の総重量に対して、重量%で約90%ないし70%範囲の任意の量で存在する。
【0031】
一具体例では、成分Aが混合物の総重量に対して、重量%で約1%ないし10%範囲で存在し、成分Bは混合物の総重量に対して、重量%で約99%ないし90%範囲の任意の量で存在する。他の具体例では、成分Bが混合物の総重量に対して重量%で約1% ないし10%範囲内で存在し、成分Aは混合物の総重量に対して、重量%で約99%ないし90%範囲内の任意の量で存在する。
【0032】
一具体例では, 成分Aが混合物の総重量に対して、重量%で約30%ないし50%範囲内で存在し、成分Bは混合物の総重量に対して、重量%で約70%ないし50%範囲内の任意の量で存在する。他の具体例では、成分Bが混合物の総重量に対して、重量%で約 30%ないし50%範囲内で存在し、成分Aは混合物の総重量に対して、重量%で約70%ないし50% 範囲内の任意の量で存在する。他の具体例では、第1成分の燐光物質と第2成分の燐光物質の相対的な量が、重量対比で、おおよそ同一である。従って、本発明は互いにすべての割合で、本明細書に開示された燐光物質の混合物を含んで、この混合物は、このような混合物中の第1成分の燐光物質の適切な量として規定された任意の量または割合で、YAGのような他の従来技術の燐光物質を更に含むこともできる。
【0033】
本明細書及び添付した請求範囲を通じて、0≤x≤1のフォーマットで本発明の組成物の内に存在する元素成分の相対的な量を記載するのに使用したある変数に対して、範囲が与えられる。このようなフォーマットは、本明細書及び添付した請求範囲を読む者が、0と1の間のすべての数値を含む範囲に解釈されるであろうことを意図して書かれた。例えば、明確性のために、そして本明細書及び請求範囲でこの範囲の意味の広さ及び範囲を混同しないようにするために、範囲0≤x≤1は0.000001, 0.067, 1/2, 1/6, 0.3333,
0.75, 2/3, 0.41666666, 0.9999999, 0.99, 100/101, π/4, 0.74, 0.73999, 0.7400009, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 0.9, 1, 0.50001並びに各々個別的には0と1の間の値をそれぞれ持つ任意の二つの値の選択によって囲われたすべての範囲を制限なしに含む。考慮中の数値が3から減じられる場合に考慮中の数値が2≤x≤3の範囲内の任意の数の絶対値を持つ数を生じるなら、一般的に、所定の数値は0≤x≤1の範囲内にあるとみなされる。従って、0≤x≤1は0≤x≤0.1及び0.001≤x≤0.79004217のような範囲を当然に含む。範囲の一方の端にある有效数字の個数が、他方の端にある有效数字の個数より少ない 0.001≦x≦0.79004217のような範囲の場合、数学的値の解釈を妨げることで不一致の認識を償うために、適切な個数のゼロをダミー(placeholder)として追加することを読む者に伝える。
【0034】
“前期組成物の総モル重量に対する約0.0001%及び約10%の間の任意の量のモル%で存在する”という文章が、本明細書及び添付した請求範囲に頻繁に登場する。すべての場合において、この前記文章を“前記組成物(または、燐光物質であり得る)の総重量に対する重量%で約0.0001%と約10%の間の任意の量で存在する”と交換すれば、本発明の更に他の実施例を提供する。
【産業上の利用可能性】
【0035】
望ましい実施例と関連して本発明を説明し、開示したが、当業者なら本明細書及び添付の請求範囲を読み及び理解した後当業者には、自明な均等な変形例は明らかになるだろう。従って本発明は、従属項の特徴部を単独で、または他の独立項と組み合わせて任意の独立項に含んだ場合、単独でまたは他の独立項の特徴部または限定部と組み合わせた場合を含む、添付した多くの請求項の中で一つの請求項と残りの請求項の中の一つ以上を結合して定義された主題を含み、原出願の残りの従属項はそのように修正された任意の独立項に適用される。また、数値に対する修飾語句として使われる“約”という用語は実際の数値そのものを含むと理解すべきである。例えば、“xは約1である”といった場合、またはこれと類似の表現が使われた場合、そのような表現はxが1という状況を含む。従って現在開示された本発明は、そういうすべての変更、修正事項及び組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来技術のYAG:Ceの燐光物質によって放射された光のスペクトルを示す。
【図2】燐光物質粒子をLEDに結合させるの利用された既存の構成を示す。
【図3】青色LEDによって励起された新規カルシウムスルフォセレニド燐光物質(calcium sulfoselenide phosphor)のスペクトルを示す。
【図4】青色LEDによって励起された新規カルシウムスルフォセレニド燐光物質の多くの組成物の放射スペクトルを示す。
【図5】UV LEDによって励起されたカルシウムスルフォセレニド燐光物質の放射スペクトルを示す。
【図6】青色LEDによって励起された新規チオーセレニド燐光物質(thio-selenide phosphor)相の一つのスペクトルを示す。
【図7】青色LEDによって励起されたチオースルホセレニド燐光物質の異なる組成物の放射スペクトルを示す。
【図8】青色LEDによって励起されたZnSrGa2(SxSey)4:Eu燐光物質の放射スペクトルを示す。
【図9】青色LEDによって励起されたBaSrGa4(SSey)7:Eu燐光物質の放射スペクトルを示す。
【図10】SrGa2(S0.67Se0.33)4:Eu+CaS0.90Se0.1:Ceを含む本発明による燐光物質混合物の放射スペクトルを示す。
【図11】CaGa2(Se,S)4:Eu+SrSeS:Euを含む本発明による燐光物質混合物の放射スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置において、
a) 発光ダイオードと、エレクトロルミネセンス装置と、レーザーから成る群から選ばれて、約360ないし約 480ナノメーターの波長を持つ光を放射する光源と、
b) 燐光物質の混合物を含み、
上記の燐光物質の混合物は、
A)
化学式:M1SxSey:B1[式中、M1は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Znから成る群から選ばれた一種以上(但し、Zn単独では存在しない)の元素を含み、
B1、はEu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、
上記のB1の総含有量は上記の組成物の総モル重量に対してモル%で0.0001%と約10%の間の任意の量であり、x及びyはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値(但し、xとyの合計は約0.75と約1.25の間の範囲の値を持つ)を表わし]で表わされる物質を含む第1成分の燐光物質と、
B) 化学式:M2Am(SpSeq)n:B2[式中、M2は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Znから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、
AはAl, Ga, In, Y, La及びGdから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、
B2はEu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Cl, Br, F, I, Mg, Pr, Tm, K, Na及びMnから成る群から選ばれた一種以上の元素を含み、
mは約2または約4から選ばれ、nは約4または約7から選ばれるが、mが約2の場合にnは約4であり、mが約4の場合にnは約7であり、
式中、B2の量は、上記の組成物の総モル重量に対してモル%で0.0001%と約10%の間の任意の量として存在し、式中のp及びqはそれぞれ独立して約0と約1の間の任意の値(但し、pとqの合計は約0.75と約1.25の間の範囲の値を持つ)を表わす]で表わされる物質を含む第2成分の燐光物質を含む燐光物質の混合物であって、
該燐光物質の混合物は前記の光源から放射された光を吸収するように前記の光源の十分近くに配置される発光装置。
【請求項2】
請求項1において、0&#8804;x&#8804;1であり、0<y&#8804;1である組成物。
【請求項3】
請求項1において、0.5&#8804;x&#8804;1であり、0<y&#8804;0.5である組成物。
【請求項4】
請求項1において、0&#8804;x&#8804;0.5であり、0<y&#8804;0.5である組成物。
【請求項5】
請求項1において、0&#8804;x&#8804;0.5であり、0.5&#8804;y&#8804;1である組成物。
【請求項6】
請求項1において、前記のxは約0であり、yは約1である組成物。
【請求項7】
請求項1において、前記のxは約1であり、前記のyは0より大きい組成物。
【請求項8】
請求項1において、前記のM1は、カルシウム及びマグネシウムから成る群から選ばれた一種以上の元素を含む組成物。
【請求項9】
請求項8において、前記の活性剤B1は、セリウム及びユウロピウムから成る群から選ばれた一種以上の元素を含む組成物。
【請求項10】
請求項1において、前記のB1は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnから成る群から選ばれた一種の元素を含む組成物。
【請求項11】
請求項1において、前記のB1は、Eu, Ce, Cu, Ag, Al, Tb, Sb, Bi, K, Na, Cl, F, Br, I, Mg, Pr, Tm及びMnから成る群から選ばれた二種以上の元素を含む組成物。
【請求項12】
請求項1において、前記のM1は、Be, Mg, Ca, Sr及びBaから成る群から選ばれた一種の元素を含む組成物。
【請求項13】
請求項1において、前記のM1は、Be, Mg, Ca, Sr, Ba及びZnから成る群から選ばれた二種以上の元素を含む組成物。
【請求項14】
請求項1において、0&#8804;p&#8804;1であり、0<q&#8804;1である組成物。
【請求項15】
請求項1において、0.5&#8804;p&#8804;1であり、0<q&#8804;0.5である組成物。
【請求項16】
請求項1において、0&#8804;p&#8804;0.5であり、0<q&#8804;0.5である組成物。
【請求項17】
請求項1において、0&#8804;p&#8804;0.5であり、0.5<q&#8804;1.0である組成物。
【請求項18】
請求項1において、前記のpは約0であり、前記のqは約1である組成物。
【請求項19】
請求項1において、前記のpは約1であり、前記のqは0より大きい組成物。
【請求項20】
請求項1において、前記のM2は亜鉛とストロンチウムを含む組成物。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−506790(P2008−506790A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519054(P2006−519054)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/046615
【国際公開番号】WO2007/053162
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(506030723)ホスホルテック コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】