物体検出装置、および光軸ずれ検出方法
【課題】前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、のずれを検出することによって、光軸合わせにかかる作業性を向上させることができる物体検出装置を提供する。
【解決手段】投光部3は、LD31と、投光レンズ33との間に、LD31が出射した光を投光レンズ33に導く光導波路を形成する投光側ライトガイド32を有している。投光側ライトガイド32は、投光レンズ33に対向する出射面の平面形状が外周部の外側に突出する突出面を有する形状である。また、受光部4は、PD41と、受光レンズ43との間に、この受光レンズ43を介して受光した光をPD41に導く光導波路を形成する受光側ライトガイド42を有している。受光側ライトガイド42は、受光レンズ43に対向する入射面の平面形状が、投光側ライトガイド32の出射面の平面形状と同じ形状である。
【解決手段】投光部3は、LD31と、投光レンズ33との間に、LD31が出射した光を投光レンズ33に導く光導波路を形成する投光側ライトガイド32を有している。投光側ライトガイド32は、投光レンズ33に対向する出射面の平面形状が外周部の外側に突出する突出面を有する形状である。また、受光部4は、PD41と、受光レンズ43との間に、この受光レンズ43を介して受光した光をPD41に導く光導波路を形成する受光側ライトガイド42を有している。受光側ライトガイド42は、受光レンズ43に対向する入射面の平面形状が、投光側ライトガイド32の出射面の平面形状と同じ形状である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、前方に投光した光を走査して、前方に存在する物体を検出する物体検出装置、および、この物体検出装置における光軸のずれを検出する光軸ずれ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源を用いる装置では、多くの場合、光源から出射される光について、その光軸を調整する必要があった。例えば、投射型画像表示装置では、特許文献1に示されているように、R、G、Bの光軸調整を、十字形状等の模様を投射し、その投射位置を調整することにより行っている。また、特許文献2は、十字マークを形成したターゲットスクリーンを用いて、顕微鏡光源のフィラメントの心出し調整を行っている。具体的には、顕微鏡の試料ステージ上に載置したターゲットスクリーンに、顕微鏡の光源を投影して調整を行っている。
【0003】
また、第1の光導波路デバイスと、この第1の光導波路デバイスよりもスポットサイズが小さい第2の光導波路デバイスと、を結合する光結合デバイスが特許文献3に記載されている。この光結合デバイスは、光の伝搬方向に形状をテーパ状に変化させたコア層を取り囲むように形成したクラッド層に突起等を設け、その表面形状や大きさを、第1の光導波路デバイスのスポットサイズの形状や大きさに合わせることを提案している。
【0004】
さらに、前方に投光したレーザ光の反射光を検出することによって、このレーザ光を投光した方位に存在する物体の検出や、検出した物体までの距離を測定するレーザレーダが実用化されている。このレーザレーダは、例えば、車両に搭載され、前方を走行する先行車両や、前方に存在する障害物等を検出する装置として利用されている。レーザレーダでは、特許文献4に示されているように、レーザ光を投光する投光部の光軸と、その反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる必要がある。
【特許文献1】特開2004−221716号公報
【特許文献2】特開平8−304740号公報
【特許文献3】特開平9−15435号公報
【特許文献4】特開2000−329853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる光軸合わせの作業性を向上させることができる物体検出装置、および光軸ずれ検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の物体検出装置は、上記目的を達するために、以下のように構成している。
【0007】
投光部が、レーザダイオード(LD)等の発光素子を有し、この発光素子から出射された光を投光レンズを介して前方に投光する。また、受光部が、フォトダイオード(PD)等の受光素子を有し、投光部が前方に投光した光の反射光、すなわち物体からの反射光、を受光レンズを介して受光素子で受光する。走査部は、投光レンズと、受光レンズとの相対的な位置関係を保持して、これらのレンズを移動することによって、投光部が前方に投光している光を走査するとともに、走査方向からの反射光を受光部に受光させる。したがって、受光部の受光素子における反射光の受光の有無によって、走査部が光を走査している走査範囲に位置する物体の検出が行える。
【0008】
また、投光部は、発光素子と、投光レンズとの間に、この発光素子が出射した光を投光レンズに導く光導波路を形成する投光側ライトガイドを有している。投光部は、投光側ライトガイドの出射面に応じた形状の光を前方に投光する。そして、投光側ライトガイドは、投光レンズに対向する出射面の平面形状が外周部の外側に突出する突出面を有する形状である。したがって、投光部から前方に投光される光には、この突出面から出射された光も含まれている。
【0009】
さらに、受光部は、受光レンズと、受光素子との間に、この受光レンズを介して受光した光を受光素子に導く光導波路を形成する受光側ライトガイドを有している。また、受光側ライトガイドは、受光レンズに対向する入射面の平面形状が、投光側ライトガイドの出射面の平面形状と同じ形状である。したがって、投光部の光軸と、受光部の光軸と、が合っていれば、投光側ライトガイドの出射面の突出面から出射された光は、受光側ライトガイドの入射面の突出面に入射される。言い換えれば、投光側ライトガイドの出射面の突出面から出射された光が、受光側ライトガイドの入射面の突出面に入射されるように、投光部の光軸と、受光部の光軸と、を調整することにより、投光部の光軸と受光部の光軸とを合わせることができる。
【0010】
投光部の光軸と受光部の光軸とがずれているかどうかの検出は、以下のようにして行えばよい。
【0011】
まず、投光部から投光された光が投光される位置に、この位置に投光される投光側ライトガイドの突出面に対応する部分の光よりも外形の小さい反射板を設置する。この反射板を設置する位置は、適当に決めればよい。
【0012】
次に、走査部により、投光側ライトガイドの突出面に対応する部分の光で反射板を第1の方向に走査したときの、走査方向に対する、受光部の受光素子の受光量の変化を測定する第1の測定処理を行う。さらに、走査部により、第1の方向に直交する第2の方向における光の投光方向を変化させ、投光側ライトガイドの突出面でない部分の光で反射板を第1の方向に走査したときの、走査方向に対する、受光部の受光素子の受光量の変化を測定する第2の測定処理を行う。この第1の測定処理、および第2の測定処理の測定結果において、反射板の設置位置での、投光部から投光した光の形状に応じた反射光が受光部で受光できているかどうかにより、前記投光部と前記受光部との光軸がずれているかどうかを検出することができる。具体的には、第2の測定処理で、反射板を走査した光の第1の方向における長さに対して、受光部で反射光が受光できた第1の方向の長さが、適正であるかどうかによって、この第1の方向における光軸のずれが検出できる。
【0013】
さらに、受光部で反射光が受光できた第1の方向の長さが適正でなければ、適正な長さとの差分から、第1の方向における光軸のずれ量が得られる。また、第1の測定処理で第1の方向における走査位置に対して受光部で反射光が受光できた位置と、第2の測定処理で第1の方向における走査位置に対して受光部で反射光が受光できた位置と、反射板の設置位置での投光部から投光した光の形状と、によって、第1の方向における光軸のずれ方向が得られる。また、第2の測定処理を、第2の方向における光の投光方向を異ならせて、複数回行うことによって、第2の方向における光軸のずれ量や光軸のずれ方向が得られる。したがって、光軸がずれていたときには、前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる光軸合わせの作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる光軸合わせの作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施形態であるレーザレーダの主要部の構成を示すブロック図である。レーザレーダ1は、制御部2と、投光部3と、受光部4と、走査部5と、入出力部6と、を備えている。このレーザレーダ1は、車両に搭載し、その車両の前方に位置する物体(先行車両や歩行者等)を検出する。以下、レーザレーダ1を搭載した車両を自車両と言う。また、レーザレーダ1は、検出した物体毎に、自車両に対する方位、自車両との距離、自車両との相対速度、停止物であるか移動体であるか等を含む検出物体情報を生成する。レーザレーダ1は、生成した各物体の検出物体情報を車両側制御装置(不図示)に通知する。車両側制御装置は、レーザレーダ1からの通知に基づいて、自車両の制動等にかかる走行制御を行う。
【0017】
制御部2は、レーザレーダ1本体各部の動作を制御し、自車両の前方に位置する物体の検出や、検出した物体にかかる検出物体情報の生成を行う。投光部3は、制御部2からの指示にしたがって、自車両の前方にレーザ光を投光する。受光部4は、投光部3が投光したレーザ光の反射光を検出する。走査部5は、投光部3が自車両の前方に投光するレーザ光を、水平方向、および垂直方向に走査する。入出力部6は、車両側制御装置との間における入出力を制御する。
【0018】
投光部3は、駆動制御回路30と、レーザダイオード31(以下、LD31と言う。)と、投光側ライトガイド32と、投光レンズ33と、を備えている。駆動制御回路30は、制御部2からの発光指示に基づいて、発光素子であるLD31の発光を制御する。LD31の発光面は、投光側ライトガイド32の入射面に対向している。また、投光側ライトガイド32の出射面は、投光レンズ33に対向している。投光側ライトガイド32は、LD31から出射されたレーザ光を、投光レンズ33に案内する光導波路を形成する。投光側ライトガイド32では、LD31から入射されたレーザ光が内部で屈折を繰り返し、出射面まで伝搬する。投光側ライトガイド32は、入射面の中心をLD31が出射するレーザ光の光軸に合わせている。また、投光レンズ33は、投光側ライトガイド32の出射面に対して水平方向(自車両の車幅方向)、および垂直方向(自車両の高さ方向)に移動自在に取り付けている。投光レンズ33は、後述するように、走査部5により移動される。
【0019】
受光部4は、A/D変換器40と、フォトダイオード41(以下、PD41と言う。)と、受光側ライトガイド42と、受光レンズ43と、を備えている。投光レンズ33と、受光レンズ43とは、同じ焦点距離のレンズである。また、投光レンズ33と、受光レンズ43とは、機械的に連結しており、相対的な位置関係を保持して移動自在に取り付けている。ただし、投光レンズ33と、受光レンズ43と、の相対的な位置関係は、調整ネジ等で調整が行える構成である。投光レンズ33と、受光レンズ43とは、自車両の車幅方向に並ぶ。受光側ライトガイド42は、受光レンズ43と、PD41との間に配置している。受光側ライトガイド42は、入射面が受光レンズ43に対向し、出射面がPD41の受光面に対向している。受光側ライトガイド42は、受光レンズ43を介して入射された光を、PD41に案内する光導波路を形成する。受光側ライトガイド42は、入射面の中心をPD41の受光面の中心に合わせている。したがって、PD41では、受光レンズ43を介して受光側ライトガイド42に入射された光が受光される。A/D変換器40は、PD41の出力をディジタル値に変換し、制御部2に入力する。すなわち、A/D変換器40は、PD41の受光量に応じたディジタル値を制御部2に入力する。
【0020】
ここでは、投光側ライトガイド32と、受光側ライトガイド42と、は同じ部材である。ただし、投光側ライトガイド32の出射面は、受光側ライトガイド42の入射面に対応し、投光側ライトガイド32の入射面は、受光側ライトガイド42の出射面に対応する。
【0021】
なお、また、投光側ライトガイド32と、受光側ライトガイド42と、は投光側ライトガイド32の出射面と、受光側ライトガイド42の入射面と、が同じ形状であれば、光軸方向の長さ等が異なっていてもよいし、投光側ライトガイド32の入射面の形状と、受光側ライトガイド42の出射面の形状と、が異なっていてもよい。
【0022】
走査部5は、水平方向移動部51と、垂直方向移動部52と、走査位置検出部53と、を備えている。水平方向移動部51は、連結されている投光レンズ33と受光レンズ43とを水平方向に移動し、投光部3が自車両の前方に投光しているレーザ光を水平方向に走査する。垂直方向移動部52は、連結されている投光レンズ33と受光レンズ43とを垂直方向に移動し、投光部3が自車両の前方に投光しているレーザ光を垂直方向に走査する。走査位置検出部53は、レーザ光の水平方向の走査位置、および垂直方向の走査位置を検出し、これを制御部2に入力する。
【0023】
なお、走査部5は、投光レンズ33と、受光レンズ43との相対的な位置関係を保持して、これらのレンズ33、43を水平方向、および垂直方向に移動する。
【0024】
入出力部6は、自車両の走行速度等の車両情報を車両側制御装置から取得するとともに、検出した物体にかかる検出物体情報を車両側制御装置に通知する。
【0025】
このレーザレーダ1における自車両の前方に位置する物体の検出や、検出した物体にかかる検出物体情報の生成については、公知であるので、ここでは簡単に説明しておく。レーザレーダ1では、走査部5が投光部3から自車両前方に投光されるレーザ光を水平方向、および垂直方向に走査し、受光部4で反射光を受光することによって、物体を検出する。また、投光部3が受光部4で受光された反射光にかかるレーザ光を投光した方向を、この物体が存在する方向として検出する。走査部5は、上述したように、投光レンズ33と、受光レンズ43との相対的な位置関係を保持して、これらのレンズ33、43を水平方向、および垂直方向に移動するので、走査方向からの反射光を受光部4に受光させることができる。また、投光部3がレーザ光を前方に投光してから、受光部4が反射光を受光するまでの時間に基づいて、この物体までの距離を検出する。さらに、その物体についての前回の検出結果や、車両制御装置から得た自車両の走行速度や走行方向等から、その物体の移動速度や、移動方向を検出する。レーザレーダ1は、これらの検出結果に基づいて、自車両に対する方位、自車両との距離、自車両との相対速度、停止物であるか移動体であるか等を含む検出物体情報を生成し、これを車両側制御装置に通知する。
【0026】
次に、投光側ライトガイド32、受光側ライトガイド42について説明する。上述したように、投光側ライトガイド32、受光側ライトガイド42とは同じ形状の部材であるので、ここでは投光側ライトガイド32を例にして説明する。図2は、投光側ライトガイドを示す図である。投光側ライトガイド32は、略直方体形状で、出射面側に突起部32aを設けた形状である(図2(A)参照)。この突起部32aは、出射面の長辺側の略中央に形成している。また、突起部32aは、入射面から出射面まで連続して設けているのではなく、入射面と出射面の途中から、出射面に向かって形成している。また、突起部32aは、出射面に近づくにつれて高くなるテーパ状に形成しており、出射面に近づくにつれて突起部32aの断面積は大きくなる。投光側ライトガイド32の出射面の平面形状は、図2(B)に示すように、外周部の一部に突出面を有する凸形状である(図2(B)参照)。この突出面は、上述した突起部32aによるものである。この突出面は、長方形の長辺の中央に位置する。
【0027】
なお、投光側ライトガイド32の入射面の平面形状は、図2(C)に示すように長方形である。
【0028】
次に、走査部5によるレーザ光の走査について簡単に説明しておく。走査部5は、上述したように、投光レンズ33、および受光レンズ43を、水平方向と垂直方向の両方向に移動することができる。投光部3および受光部4の光学系の上面図が図3に示されている。すなわち、図3は、投光レンズ33および受光レンズ43を水平方向に移動したときのレーザ光の光路を示している。投光部3および受光部4の光学系の側面図が図4に示されている。すなわち、図4は、投光レンズ33および受光レンズ43を垂直方向に移動したときのレーザ光の光路を示している。
【0029】
LD31から出射されたレーザ光は、投光側ライトガイド32に入射され、この投光側ライトガイド32の出射面から出射される。投光レンズ33は、投光側ライトガイド32の出射面から出射されたレーザ光を焦点に集光する。すなわち、投光側ライトガイド32の出射面から出射されたレーザ光は、投光レンズ33によって、この投光レンズ33の中心方向に偏光される。この偏光角は、投光レンズ33におけるレーザ光の入射位置や、投光レンズ33の焦点距離によって決まる。例えば、図3(A)や図4(A)に示すように、投光側ライトガイド32の出射面が投光レンズ33の中心に対向している場合には、レーザ光は殆ど偏光されることなく、投光レンズ33の前方に投光される。一方、図3(B)や、図4(B)に示すように、投光側ライトガイド32の出射面が投光レンズ33の中心に対向していない場合には、レーザ光は投光レンズ33によって、この投光レンズ33の中心方向に偏光され、投光レンズ33の前方に投光される。
【0030】
このように、走査部5が、投光レンズ33、および受光レンズ43を水平方向に移動することにより、投光部3から前方に投光されるレーザ光を水平方向に走査できる。同様に、走査部5が、投光レンズ33、および受光レンズ43を垂直方向に移動することにより、投光部3から前方に投光されるレーザ光を垂直方向に走査できる。
【0031】
また、受光レンズ43に入射されるレーザ光は、受光レンズ43によって、この受光レンズ43の光軸に平行な光線に偏光される。この偏光角は、受光レンズ43に対するレーザ光の入射角によって決まる。例えば、図3(A)や図4(A)に示すように、受光レンズ43の光軸に平行なレーザ光は、殆ど偏光されることなく、受光レンズ43を通って、受光側ライトガイド42に入射される。一方、図3(B)や、図4(B)に示すように、受光レンズ43の光軸に平行でないレーザ光は、受光レンズ43によって、この受光レンズ43の光軸に平行な方向に偏光され、受光側ライトガイド42に入射される。受光側ライトガイド42に入射されたレーザ光は、受光側ライトガイド42の出射面に対向しているPD41の受光面で受光される。
【0032】
レーザレーダ1は、投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれていると、投光部3が前方に投光したレーザ光の反射光を受光部4で受光できず、物体の検出が適正に行えない。言い換えれば、レーザレーダ1は、投光部3の光軸と受光部4の光軸とを調整し、合わせる必要がある。このレーザレーダ1は、投光部3と受光部4との光軸のずれを検出することができ、投光部3の光軸と、受光部4の光軸と、を合わせる光軸調整にかかる作業が簡単に行える。
【0033】
以下、このレーザレーダ1における光軸調整にかかる作業の手順を説明しながら、投光部3の光軸と受光部4の光軸とのずれを検出する機能についても説明する。
【0034】
投光側ライトガイド32の出射面における突出面から出射された光が、受光側ライトガイド42の入射面における突出面に入射されるとき、投光部3の光軸と、受光部4の光軸と、が合っている。言い換えれば、投光側ライトガイド32の出射面における突出面から出射された光が、受光側ライトガイド42の入射面における突出面に入射されるように、投光部3の光軸と、受光部4の光軸と、を調整すればよい。
【0035】
投光部3から前方に投光されるレーザ光は拡がり、投光部3からある程度(数10m)離れた位置では、図5に示すビーム形状になる。図5において、破線で囲んだ部分が、投光側ライトガイド32の出射面における突出面から出射された光に対応する部分である。
【0036】
まず、作業者は、投光部3からある程度離れた位置に反射板100を設置する(図6参照)。反射板100を設置する方位は、投光部3の正面前方にすればよい。この反射板100の大きさは、設置位置において、投光部3から投光されたレーザ光の突出面に対応する部分よりも小さい。
【0037】
なお、反射板100周辺には、投光部3から投光されたレーザ光を反射する物体を置いていない。また、反射板100周辺でのレーザ光の反射を防止するために、反射板100の周辺に光吸収板を設けてもよい。
【0038】
次に、作業者は、図7(A)に示すように、反射板100の設置位置で、投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に投光される位置に調整する。この調整は、走査部5により投光レンズ33を移動して調整してもよいし、連結している投光レンズ33と受光レンズ43との保持機構に設けている、これらのレンズの相対的な位置関係を調整する調整機構によって行ってもよい。投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に投光される位置を、投光レンズ33の基準位置としてレーザレーダ1に設定する。この基準位置には、水平方向の基準位置と、垂直方向の基準位置と、がある。
【0039】
次に、作業者は、投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に投光され手いる状態で、投光レンズ33に対する受光レンズ43の位置を、受光部4における反射光の受光量が最大になる位置に調整する。この調整は、連結している投光レンズ33と受光レンズ43との保持機構に設けている調整機構によって行う。この調整により、反射板100で反射された反射光、すなわち投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光の反射光、が受光側ライトガイド42の入射面に入射される状態になる。
【0040】
しかし、この時点では、投光部3と受光部4との光軸が合っているとは限らない。具体的には、投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光の反射光は、図7(B)に示すように、受光側ライトガイド42の入射面の突出面に入射していることもあれば、図7(C)、(D)、(E)等に示すように、受光側ライトガイド42の入射面の突出面以外の部分に入射していることもある。
【0041】
次に、作業者は、レーザレーダ1に対して、光軸ずれ検出処理の実行を指示する入力を行う。レーザレーダ1は、この入力に応じて、垂直方向の走査位置について、先に設定した基準位置を含む複数の走査位置を設定する。具体的には、垂直方向について、先に設定した基準位置と、この基準位置よりも上側に1または複数の走査位置を設定する。ここでは、垂直方向について、
(a)投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(基準位置)(図8(A)参照)
(b)投光側ライトガイド32の長方形の上側部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(図8(B)参照)
(c)投光側ライトガイド32の長方形の中央部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(図8(C)参照)
(d)投光側ライトガイド32の長方形の下側部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(図8(D)参照)
の4つの走査位置を設定する。
【0042】
なお、垂直方向について設定する走査位置は、4つに限らず、基準位置を含む2つ以上であればよい。
【0043】
レーザレーダ1は、今回垂直方向について設定した4つの走査位置毎に、レーザ光を水平方向に走査し、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化を測定する。投光部3と、受光部4と、の光軸が合っているときには、上記(a)〜(d)の垂直方向の走査位置毎に、図9(A)〜(D)に示す受光量が測定される。一方、図7(C)、(D)、(E)に示すように、投光部3と、受光部4と、の光軸がずれていると、上記(a)〜(d)の垂直方向の走査位置毎に得られる受光量が図10〜図12に示すようになる。図10は、投光部3と、受光部4と、の光軸のずれが図7(C)に示す状態であるときに測定される、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化である。図11は、投光部3と、受光部4と、の光軸のずれが図7(D)に示す状態であるときに測定される、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化である。図12は、投光部3と、受光部4と、の光軸のずれが図7(E)に示す状態であるときに測定される、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化である。レーザレーダ1は、垂直方向について設定した走査位置毎に測定した、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化を、光軸ずれ検出結果として出力する。この光軸ずれ検出結果は、入出力部6を介して出力される。作業者は、入出力部6に接続している表示装置等で、この光軸ずれ検出結果を確認することができる。
【0044】
図10〜図12に示すように、投光部3の光軸と受光部4の光軸とが垂直方向にずれている場合、受光部4において、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置がある。また、投光部3の光軸と受光部4の光軸とが垂直方向にずれが大きくなるにつれて、受光部4において、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置の個数が増加する。したがって、受光部4において、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置があるかどうかによって、投光部3の光軸と受光部4の光軸とが垂直方向にずれているかどうかを判断することができる。また、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置の個数から、垂直方向における投光部3の光軸と受光部4の光軸とのずれ量が判断できる。
【0045】
また、ここでは、投光側ライトガイド32の出射面、および受光側ライトガイド42の入射面は、長方形の長辺側の中央に突出面を有する形状にしている。したがって、垂直方向の基準位置で測定した、水平方向の走査位置に対する受光部4の受光量の変化のピークが、垂直方向の他の走査位置で測定した、水平方向の走査位置に対する受光部4の受光量の変化の山の中央に位置しているかどうかによって、水平方向における投光部3の光軸と受光部4の光軸とのずれの有無が判断できる。また、このピークと、この山の中央と、のずれから、水平方向における投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれている方向や、そのずれ量が判断できる。
【0046】
作業者は、レーザレーダ1から出力された光軸ずれ検出結果によって、投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれているかどうかを判断し、光軸がずれていれば、投光部3や受光部4の光軸を調整する。そして、再度上述した作業を行う。
【0047】
このように、作業者は、投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれているかどうかや、光軸がずれているときには、そのずれ量が判断できるので、投光部3の光軸と受光部4の光軸とを合わせる調整作業が簡単に行える。
【0048】
また、投光側ライトガイド32に設ける突起部32aの長さは、上述した光軸調整を行うときに設置する反射板100の位置で、反射光が得られる長さであればよく、図13に示すように、入射面から出射面まで連続して設けてもよい。しかし、突起部32aの長さは、この突出面から投光されたレーザ光が、道路上方に設けられている看板等の路上設置物に投光され、その反射光を検出することによる誤検出の可能性を考慮して、を決めるのが好ましい。具体的には、図14に示すように、突起部32aの長さLは、光軸ずれの検出時に設置する反射板100の位置で照射され(図14(B)参照)、この反射板よりも数10m遠方では照射されない(図14(C)参照)長さにするのが好ましい。
【0049】
投光側ライトガイド32の出射面は、突出面を長方形の長辺側の中央ではなく、右側または左側に有する形状であってもよいし、突出面を長方形の短辺側に設けてもよい。また、出射面は、突出面を有していれば、正方形や楕円等の他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】レーザレーダの主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】投光側ライトガイドを示す図である。
【図3】水平方向の走査を説明する図である。
【図4】垂直方向の走査を説明する図である。
【図5】前方に投光されるレーザ光のビーム形状を示す図である。
【図6】光軸調整手順を説明する図である。
【図7】光軸のずれを説明する図である。
【図8】光軸調整手順を説明する図である。
【図9】光軸が合っているときの、受光量を示す図である。
【図10】光軸がずれているときの、受光量を示す図である。
【図11】光軸がずれているときの、受光量を示す図である。
【図12】光軸がずれているときの、受光量を示す図である。
【図13】別の実施形態にかかる投光側ライトガイドを示す図である。
【図14】別の実施形態にかかる投光側ライトガイドを示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1−レーザレーダ
2−制御部
3−投光部
4−受光部
5−走査部
30−駆動制御回路
31−レーザダイオード(LD)
32−投光側ライトガイド
32aー突起部
33−投光レンズ
40−A/D変換器
41−フォトダイオード(PD)
42−受光側ライトガイド
42a−突起部
43−受光レンズ
100−反射板
【技術分野】
【0001】
この発明は、前方に投光した光を走査して、前方に存在する物体を検出する物体検出装置、および、この物体検出装置における光軸のずれを検出する光軸ずれ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源を用いる装置では、多くの場合、光源から出射される光について、その光軸を調整する必要があった。例えば、投射型画像表示装置では、特許文献1に示されているように、R、G、Bの光軸調整を、十字形状等の模様を投射し、その投射位置を調整することにより行っている。また、特許文献2は、十字マークを形成したターゲットスクリーンを用いて、顕微鏡光源のフィラメントの心出し調整を行っている。具体的には、顕微鏡の試料ステージ上に載置したターゲットスクリーンに、顕微鏡の光源を投影して調整を行っている。
【0003】
また、第1の光導波路デバイスと、この第1の光導波路デバイスよりもスポットサイズが小さい第2の光導波路デバイスと、を結合する光結合デバイスが特許文献3に記載されている。この光結合デバイスは、光の伝搬方向に形状をテーパ状に変化させたコア層を取り囲むように形成したクラッド層に突起等を設け、その表面形状や大きさを、第1の光導波路デバイスのスポットサイズの形状や大きさに合わせることを提案している。
【0004】
さらに、前方に投光したレーザ光の反射光を検出することによって、このレーザ光を投光した方位に存在する物体の検出や、検出した物体までの距離を測定するレーザレーダが実用化されている。このレーザレーダは、例えば、車両に搭載され、前方を走行する先行車両や、前方に存在する障害物等を検出する装置として利用されている。レーザレーダでは、特許文献4に示されているように、レーザ光を投光する投光部の光軸と、その反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる必要がある。
【特許文献1】特開2004−221716号公報
【特許文献2】特開平8−304740号公報
【特許文献3】特開平9−15435号公報
【特許文献4】特開2000−329853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる光軸合わせの作業性を向上させることができる物体検出装置、および光軸ずれ検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の物体検出装置は、上記目的を達するために、以下のように構成している。
【0007】
投光部が、レーザダイオード(LD)等の発光素子を有し、この発光素子から出射された光を投光レンズを介して前方に投光する。また、受光部が、フォトダイオード(PD)等の受光素子を有し、投光部が前方に投光した光の反射光、すなわち物体からの反射光、を受光レンズを介して受光素子で受光する。走査部は、投光レンズと、受光レンズとの相対的な位置関係を保持して、これらのレンズを移動することによって、投光部が前方に投光している光を走査するとともに、走査方向からの反射光を受光部に受光させる。したがって、受光部の受光素子における反射光の受光の有無によって、走査部が光を走査している走査範囲に位置する物体の検出が行える。
【0008】
また、投光部は、発光素子と、投光レンズとの間に、この発光素子が出射した光を投光レンズに導く光導波路を形成する投光側ライトガイドを有している。投光部は、投光側ライトガイドの出射面に応じた形状の光を前方に投光する。そして、投光側ライトガイドは、投光レンズに対向する出射面の平面形状が外周部の外側に突出する突出面を有する形状である。したがって、投光部から前方に投光される光には、この突出面から出射された光も含まれている。
【0009】
さらに、受光部は、受光レンズと、受光素子との間に、この受光レンズを介して受光した光を受光素子に導く光導波路を形成する受光側ライトガイドを有している。また、受光側ライトガイドは、受光レンズに対向する入射面の平面形状が、投光側ライトガイドの出射面の平面形状と同じ形状である。したがって、投光部の光軸と、受光部の光軸と、が合っていれば、投光側ライトガイドの出射面の突出面から出射された光は、受光側ライトガイドの入射面の突出面に入射される。言い換えれば、投光側ライトガイドの出射面の突出面から出射された光が、受光側ライトガイドの入射面の突出面に入射されるように、投光部の光軸と、受光部の光軸と、を調整することにより、投光部の光軸と受光部の光軸とを合わせることができる。
【0010】
投光部の光軸と受光部の光軸とがずれているかどうかの検出は、以下のようにして行えばよい。
【0011】
まず、投光部から投光された光が投光される位置に、この位置に投光される投光側ライトガイドの突出面に対応する部分の光よりも外形の小さい反射板を設置する。この反射板を設置する位置は、適当に決めればよい。
【0012】
次に、走査部により、投光側ライトガイドの突出面に対応する部分の光で反射板を第1の方向に走査したときの、走査方向に対する、受光部の受光素子の受光量の変化を測定する第1の測定処理を行う。さらに、走査部により、第1の方向に直交する第2の方向における光の投光方向を変化させ、投光側ライトガイドの突出面でない部分の光で反射板を第1の方向に走査したときの、走査方向に対する、受光部の受光素子の受光量の変化を測定する第2の測定処理を行う。この第1の測定処理、および第2の測定処理の測定結果において、反射板の設置位置での、投光部から投光した光の形状に応じた反射光が受光部で受光できているかどうかにより、前記投光部と前記受光部との光軸がずれているかどうかを検出することができる。具体的には、第2の測定処理で、反射板を走査した光の第1の方向における長さに対して、受光部で反射光が受光できた第1の方向の長さが、適正であるかどうかによって、この第1の方向における光軸のずれが検出できる。
【0013】
さらに、受光部で反射光が受光できた第1の方向の長さが適正でなければ、適正な長さとの差分から、第1の方向における光軸のずれ量が得られる。また、第1の測定処理で第1の方向における走査位置に対して受光部で反射光が受光できた位置と、第2の測定処理で第1の方向における走査位置に対して受光部で反射光が受光できた位置と、反射板の設置位置での投光部から投光した光の形状と、によって、第1の方向における光軸のずれ方向が得られる。また、第2の測定処理を、第2の方向における光の投光方向を異ならせて、複数回行うことによって、第2の方向における光軸のずれ量や光軸のずれ方向が得られる。したがって、光軸がずれていたときには、前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる光軸合わせの作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、前方に光を投光する投光部の光軸と、この投光部が投光した光の反射光を受光する受光部の光軸と、を合わせる光軸合わせの作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施形態であるレーザレーダの主要部の構成を示すブロック図である。レーザレーダ1は、制御部2と、投光部3と、受光部4と、走査部5と、入出力部6と、を備えている。このレーザレーダ1は、車両に搭載し、その車両の前方に位置する物体(先行車両や歩行者等)を検出する。以下、レーザレーダ1を搭載した車両を自車両と言う。また、レーザレーダ1は、検出した物体毎に、自車両に対する方位、自車両との距離、自車両との相対速度、停止物であるか移動体であるか等を含む検出物体情報を生成する。レーザレーダ1は、生成した各物体の検出物体情報を車両側制御装置(不図示)に通知する。車両側制御装置は、レーザレーダ1からの通知に基づいて、自車両の制動等にかかる走行制御を行う。
【0017】
制御部2は、レーザレーダ1本体各部の動作を制御し、自車両の前方に位置する物体の検出や、検出した物体にかかる検出物体情報の生成を行う。投光部3は、制御部2からの指示にしたがって、自車両の前方にレーザ光を投光する。受光部4は、投光部3が投光したレーザ光の反射光を検出する。走査部5は、投光部3が自車両の前方に投光するレーザ光を、水平方向、および垂直方向に走査する。入出力部6は、車両側制御装置との間における入出力を制御する。
【0018】
投光部3は、駆動制御回路30と、レーザダイオード31(以下、LD31と言う。)と、投光側ライトガイド32と、投光レンズ33と、を備えている。駆動制御回路30は、制御部2からの発光指示に基づいて、発光素子であるLD31の発光を制御する。LD31の発光面は、投光側ライトガイド32の入射面に対向している。また、投光側ライトガイド32の出射面は、投光レンズ33に対向している。投光側ライトガイド32は、LD31から出射されたレーザ光を、投光レンズ33に案内する光導波路を形成する。投光側ライトガイド32では、LD31から入射されたレーザ光が内部で屈折を繰り返し、出射面まで伝搬する。投光側ライトガイド32は、入射面の中心をLD31が出射するレーザ光の光軸に合わせている。また、投光レンズ33は、投光側ライトガイド32の出射面に対して水平方向(自車両の車幅方向)、および垂直方向(自車両の高さ方向)に移動自在に取り付けている。投光レンズ33は、後述するように、走査部5により移動される。
【0019】
受光部4は、A/D変換器40と、フォトダイオード41(以下、PD41と言う。)と、受光側ライトガイド42と、受光レンズ43と、を備えている。投光レンズ33と、受光レンズ43とは、同じ焦点距離のレンズである。また、投光レンズ33と、受光レンズ43とは、機械的に連結しており、相対的な位置関係を保持して移動自在に取り付けている。ただし、投光レンズ33と、受光レンズ43と、の相対的な位置関係は、調整ネジ等で調整が行える構成である。投光レンズ33と、受光レンズ43とは、自車両の車幅方向に並ぶ。受光側ライトガイド42は、受光レンズ43と、PD41との間に配置している。受光側ライトガイド42は、入射面が受光レンズ43に対向し、出射面がPD41の受光面に対向している。受光側ライトガイド42は、受光レンズ43を介して入射された光を、PD41に案内する光導波路を形成する。受光側ライトガイド42は、入射面の中心をPD41の受光面の中心に合わせている。したがって、PD41では、受光レンズ43を介して受光側ライトガイド42に入射された光が受光される。A/D変換器40は、PD41の出力をディジタル値に変換し、制御部2に入力する。すなわち、A/D変換器40は、PD41の受光量に応じたディジタル値を制御部2に入力する。
【0020】
ここでは、投光側ライトガイド32と、受光側ライトガイド42と、は同じ部材である。ただし、投光側ライトガイド32の出射面は、受光側ライトガイド42の入射面に対応し、投光側ライトガイド32の入射面は、受光側ライトガイド42の出射面に対応する。
【0021】
なお、また、投光側ライトガイド32と、受光側ライトガイド42と、は投光側ライトガイド32の出射面と、受光側ライトガイド42の入射面と、が同じ形状であれば、光軸方向の長さ等が異なっていてもよいし、投光側ライトガイド32の入射面の形状と、受光側ライトガイド42の出射面の形状と、が異なっていてもよい。
【0022】
走査部5は、水平方向移動部51と、垂直方向移動部52と、走査位置検出部53と、を備えている。水平方向移動部51は、連結されている投光レンズ33と受光レンズ43とを水平方向に移動し、投光部3が自車両の前方に投光しているレーザ光を水平方向に走査する。垂直方向移動部52は、連結されている投光レンズ33と受光レンズ43とを垂直方向に移動し、投光部3が自車両の前方に投光しているレーザ光を垂直方向に走査する。走査位置検出部53は、レーザ光の水平方向の走査位置、および垂直方向の走査位置を検出し、これを制御部2に入力する。
【0023】
なお、走査部5は、投光レンズ33と、受光レンズ43との相対的な位置関係を保持して、これらのレンズ33、43を水平方向、および垂直方向に移動する。
【0024】
入出力部6は、自車両の走行速度等の車両情報を車両側制御装置から取得するとともに、検出した物体にかかる検出物体情報を車両側制御装置に通知する。
【0025】
このレーザレーダ1における自車両の前方に位置する物体の検出や、検出した物体にかかる検出物体情報の生成については、公知であるので、ここでは簡単に説明しておく。レーザレーダ1では、走査部5が投光部3から自車両前方に投光されるレーザ光を水平方向、および垂直方向に走査し、受光部4で反射光を受光することによって、物体を検出する。また、投光部3が受光部4で受光された反射光にかかるレーザ光を投光した方向を、この物体が存在する方向として検出する。走査部5は、上述したように、投光レンズ33と、受光レンズ43との相対的な位置関係を保持して、これらのレンズ33、43を水平方向、および垂直方向に移動するので、走査方向からの反射光を受光部4に受光させることができる。また、投光部3がレーザ光を前方に投光してから、受光部4が反射光を受光するまでの時間に基づいて、この物体までの距離を検出する。さらに、その物体についての前回の検出結果や、車両制御装置から得た自車両の走行速度や走行方向等から、その物体の移動速度や、移動方向を検出する。レーザレーダ1は、これらの検出結果に基づいて、自車両に対する方位、自車両との距離、自車両との相対速度、停止物であるか移動体であるか等を含む検出物体情報を生成し、これを車両側制御装置に通知する。
【0026】
次に、投光側ライトガイド32、受光側ライトガイド42について説明する。上述したように、投光側ライトガイド32、受光側ライトガイド42とは同じ形状の部材であるので、ここでは投光側ライトガイド32を例にして説明する。図2は、投光側ライトガイドを示す図である。投光側ライトガイド32は、略直方体形状で、出射面側に突起部32aを設けた形状である(図2(A)参照)。この突起部32aは、出射面の長辺側の略中央に形成している。また、突起部32aは、入射面から出射面まで連続して設けているのではなく、入射面と出射面の途中から、出射面に向かって形成している。また、突起部32aは、出射面に近づくにつれて高くなるテーパ状に形成しており、出射面に近づくにつれて突起部32aの断面積は大きくなる。投光側ライトガイド32の出射面の平面形状は、図2(B)に示すように、外周部の一部に突出面を有する凸形状である(図2(B)参照)。この突出面は、上述した突起部32aによるものである。この突出面は、長方形の長辺の中央に位置する。
【0027】
なお、投光側ライトガイド32の入射面の平面形状は、図2(C)に示すように長方形である。
【0028】
次に、走査部5によるレーザ光の走査について簡単に説明しておく。走査部5は、上述したように、投光レンズ33、および受光レンズ43を、水平方向と垂直方向の両方向に移動することができる。投光部3および受光部4の光学系の上面図が図3に示されている。すなわち、図3は、投光レンズ33および受光レンズ43を水平方向に移動したときのレーザ光の光路を示している。投光部3および受光部4の光学系の側面図が図4に示されている。すなわち、図4は、投光レンズ33および受光レンズ43を垂直方向に移動したときのレーザ光の光路を示している。
【0029】
LD31から出射されたレーザ光は、投光側ライトガイド32に入射され、この投光側ライトガイド32の出射面から出射される。投光レンズ33は、投光側ライトガイド32の出射面から出射されたレーザ光を焦点に集光する。すなわち、投光側ライトガイド32の出射面から出射されたレーザ光は、投光レンズ33によって、この投光レンズ33の中心方向に偏光される。この偏光角は、投光レンズ33におけるレーザ光の入射位置や、投光レンズ33の焦点距離によって決まる。例えば、図3(A)や図4(A)に示すように、投光側ライトガイド32の出射面が投光レンズ33の中心に対向している場合には、レーザ光は殆ど偏光されることなく、投光レンズ33の前方に投光される。一方、図3(B)や、図4(B)に示すように、投光側ライトガイド32の出射面が投光レンズ33の中心に対向していない場合には、レーザ光は投光レンズ33によって、この投光レンズ33の中心方向に偏光され、投光レンズ33の前方に投光される。
【0030】
このように、走査部5が、投光レンズ33、および受光レンズ43を水平方向に移動することにより、投光部3から前方に投光されるレーザ光を水平方向に走査できる。同様に、走査部5が、投光レンズ33、および受光レンズ43を垂直方向に移動することにより、投光部3から前方に投光されるレーザ光を垂直方向に走査できる。
【0031】
また、受光レンズ43に入射されるレーザ光は、受光レンズ43によって、この受光レンズ43の光軸に平行な光線に偏光される。この偏光角は、受光レンズ43に対するレーザ光の入射角によって決まる。例えば、図3(A)や図4(A)に示すように、受光レンズ43の光軸に平行なレーザ光は、殆ど偏光されることなく、受光レンズ43を通って、受光側ライトガイド42に入射される。一方、図3(B)や、図4(B)に示すように、受光レンズ43の光軸に平行でないレーザ光は、受光レンズ43によって、この受光レンズ43の光軸に平行な方向に偏光され、受光側ライトガイド42に入射される。受光側ライトガイド42に入射されたレーザ光は、受光側ライトガイド42の出射面に対向しているPD41の受光面で受光される。
【0032】
レーザレーダ1は、投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれていると、投光部3が前方に投光したレーザ光の反射光を受光部4で受光できず、物体の検出が適正に行えない。言い換えれば、レーザレーダ1は、投光部3の光軸と受光部4の光軸とを調整し、合わせる必要がある。このレーザレーダ1は、投光部3と受光部4との光軸のずれを検出することができ、投光部3の光軸と、受光部4の光軸と、を合わせる光軸調整にかかる作業が簡単に行える。
【0033】
以下、このレーザレーダ1における光軸調整にかかる作業の手順を説明しながら、投光部3の光軸と受光部4の光軸とのずれを検出する機能についても説明する。
【0034】
投光側ライトガイド32の出射面における突出面から出射された光が、受光側ライトガイド42の入射面における突出面に入射されるとき、投光部3の光軸と、受光部4の光軸と、が合っている。言い換えれば、投光側ライトガイド32の出射面における突出面から出射された光が、受光側ライトガイド42の入射面における突出面に入射されるように、投光部3の光軸と、受光部4の光軸と、を調整すればよい。
【0035】
投光部3から前方に投光されるレーザ光は拡がり、投光部3からある程度(数10m)離れた位置では、図5に示すビーム形状になる。図5において、破線で囲んだ部分が、投光側ライトガイド32の出射面における突出面から出射された光に対応する部分である。
【0036】
まず、作業者は、投光部3からある程度離れた位置に反射板100を設置する(図6参照)。反射板100を設置する方位は、投光部3の正面前方にすればよい。この反射板100の大きさは、設置位置において、投光部3から投光されたレーザ光の突出面に対応する部分よりも小さい。
【0037】
なお、反射板100周辺には、投光部3から投光されたレーザ光を反射する物体を置いていない。また、反射板100周辺でのレーザ光の反射を防止するために、反射板100の周辺に光吸収板を設けてもよい。
【0038】
次に、作業者は、図7(A)に示すように、反射板100の設置位置で、投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に投光される位置に調整する。この調整は、走査部5により投光レンズ33を移動して調整してもよいし、連結している投光レンズ33と受光レンズ43との保持機構に設けている、これらのレンズの相対的な位置関係を調整する調整機構によって行ってもよい。投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に投光される位置を、投光レンズ33の基準位置としてレーザレーダ1に設定する。この基準位置には、水平方向の基準位置と、垂直方向の基準位置と、がある。
【0039】
次に、作業者は、投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に投光され手いる状態で、投光レンズ33に対する受光レンズ43の位置を、受光部4における反射光の受光量が最大になる位置に調整する。この調整は、連結している投光レンズ33と受光レンズ43との保持機構に設けている調整機構によって行う。この調整により、反射板100で反射された反射光、すなわち投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光の反射光、が受光側ライトガイド42の入射面に入射される状態になる。
【0040】
しかし、この時点では、投光部3と受光部4との光軸が合っているとは限らない。具体的には、投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光の反射光は、図7(B)に示すように、受光側ライトガイド42の入射面の突出面に入射していることもあれば、図7(C)、(D)、(E)等に示すように、受光側ライトガイド42の入射面の突出面以外の部分に入射していることもある。
【0041】
次に、作業者は、レーザレーダ1に対して、光軸ずれ検出処理の実行を指示する入力を行う。レーザレーダ1は、この入力に応じて、垂直方向の走査位置について、先に設定した基準位置を含む複数の走査位置を設定する。具体的には、垂直方向について、先に設定した基準位置と、この基準位置よりも上側に1または複数の走査位置を設定する。ここでは、垂直方向について、
(a)投光側ライトガイド32の突出面に対応する部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(基準位置)(図8(A)参照)
(b)投光側ライトガイド32の長方形の上側部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(図8(B)参照)
(c)投光側ライトガイド32の長方形の中央部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(図8(C)参照)
(d)投光側ライトガイド32の長方形の下側部分から出射されたレーザ光が、反射板100に照射される位置(図8(D)参照)
の4つの走査位置を設定する。
【0042】
なお、垂直方向について設定する走査位置は、4つに限らず、基準位置を含む2つ以上であればよい。
【0043】
レーザレーダ1は、今回垂直方向について設定した4つの走査位置毎に、レーザ光を水平方向に走査し、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化を測定する。投光部3と、受光部4と、の光軸が合っているときには、上記(a)〜(d)の垂直方向の走査位置毎に、図9(A)〜(D)に示す受光量が測定される。一方、図7(C)、(D)、(E)に示すように、投光部3と、受光部4と、の光軸がずれていると、上記(a)〜(d)の垂直方向の走査位置毎に得られる受光量が図10〜図12に示すようになる。図10は、投光部3と、受光部4と、の光軸のずれが図7(C)に示す状態であるときに測定される、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化である。図11は、投光部3と、受光部4と、の光軸のずれが図7(D)に示す状態であるときに測定される、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化である。図12は、投光部3と、受光部4と、の光軸のずれが図7(E)に示す状態であるときに測定される、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化である。レーザレーダ1は、垂直方向について設定した走査位置毎に測定した、水平方向の走査位置に対する、受光部4の受光量の変化を、光軸ずれ検出結果として出力する。この光軸ずれ検出結果は、入出力部6を介して出力される。作業者は、入出力部6に接続している表示装置等で、この光軸ずれ検出結果を確認することができる。
【0044】
図10〜図12に示すように、投光部3の光軸と受光部4の光軸とが垂直方向にずれている場合、受光部4において、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置がある。また、投光部3の光軸と受光部4の光軸とが垂直方向にずれが大きくなるにつれて、受光部4において、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置の個数が増加する。したがって、受光部4において、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置があるかどうかによって、投光部3の光軸と受光部4の光軸とが垂直方向にずれているかどうかを判断することができる。また、反射板100からの反射光が受光できていない、垂直方向の走査位置の個数から、垂直方向における投光部3の光軸と受光部4の光軸とのずれ量が判断できる。
【0045】
また、ここでは、投光側ライトガイド32の出射面、および受光側ライトガイド42の入射面は、長方形の長辺側の中央に突出面を有する形状にしている。したがって、垂直方向の基準位置で測定した、水平方向の走査位置に対する受光部4の受光量の変化のピークが、垂直方向の他の走査位置で測定した、水平方向の走査位置に対する受光部4の受光量の変化の山の中央に位置しているかどうかによって、水平方向における投光部3の光軸と受光部4の光軸とのずれの有無が判断できる。また、このピークと、この山の中央と、のずれから、水平方向における投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれている方向や、そのずれ量が判断できる。
【0046】
作業者は、レーザレーダ1から出力された光軸ずれ検出結果によって、投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれているかどうかを判断し、光軸がずれていれば、投光部3や受光部4の光軸を調整する。そして、再度上述した作業を行う。
【0047】
このように、作業者は、投光部3の光軸と受光部4の光軸とがずれているかどうかや、光軸がずれているときには、そのずれ量が判断できるので、投光部3の光軸と受光部4の光軸とを合わせる調整作業が簡単に行える。
【0048】
また、投光側ライトガイド32に設ける突起部32aの長さは、上述した光軸調整を行うときに設置する反射板100の位置で、反射光が得られる長さであればよく、図13に示すように、入射面から出射面まで連続して設けてもよい。しかし、突起部32aの長さは、この突出面から投光されたレーザ光が、道路上方に設けられている看板等の路上設置物に投光され、その反射光を検出することによる誤検出の可能性を考慮して、を決めるのが好ましい。具体的には、図14に示すように、突起部32aの長さLは、光軸ずれの検出時に設置する反射板100の位置で照射され(図14(B)参照)、この反射板よりも数10m遠方では照射されない(図14(C)参照)長さにするのが好ましい。
【0049】
投光側ライトガイド32の出射面は、突出面を長方形の長辺側の中央ではなく、右側または左側に有する形状であってもよいし、突出面を長方形の短辺側に設けてもよい。また、出射面は、突出面を有していれば、正方形や楕円等の他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】レーザレーダの主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】投光側ライトガイドを示す図である。
【図3】水平方向の走査を説明する図である。
【図4】垂直方向の走査を説明する図である。
【図5】前方に投光されるレーザ光のビーム形状を示す図である。
【図6】光軸調整手順を説明する図である。
【図7】光軸のずれを説明する図である。
【図8】光軸調整手順を説明する図である。
【図9】光軸が合っているときの、受光量を示す図である。
【図10】光軸がずれているときの、受光量を示す図である。
【図11】光軸がずれているときの、受光量を示す図である。
【図12】光軸がずれているときの、受光量を示す図である。
【図13】別の実施形態にかかる投光側ライトガイドを示す図である。
【図14】別の実施形態にかかる投光側ライトガイドを示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1−レーザレーダ
2−制御部
3−投光部
4−受光部
5−走査部
30−駆動制御回路
31−レーザダイオード(LD)
32−投光側ライトガイド
32aー突起部
33−投光レンズ
40−A/D変換器
41−フォトダイオード(PD)
42−受光側ライトガイド
42a−突起部
43−受光レンズ
100−反射板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子から出射された光を投光レンズを介して前方に投光する投光部と、
前記投光部が前方に投光した光の反射光を受光レンズを介して受光素子で受光する受光部と、
前記投光レンズと、前記受光レンズとの相対的な位置関係を保持して、これらのレンズを移動する走査部と、を備えた物体検出装置において、
前記投光部は、前記発光素子と、前記投光レンズとの間に、この発光素子が出射した光を前記投光レンズに導く光導波路を形成する投光側ライトガイドを有し、
この投光側ライトガイドは、前記投光レンズに対向する出射面の平面形状が、外周部の外側に突出する突出面を有する形状であり、
前記受光部は、前記受光レンズと、前記受光素子との間に、この受光レンズを介して受光した光を前記受光素子に導く光導波路を形成する受光側ライトガイドを有し、
この受光側ライトガイドは、前記受光レンズに対向する入射面の平面形状が、前記投光側ライトガイドの出射面の平面形状と同じ形状である、物体検出装置。
【請求項2】
前記投光側ライトガイドは、出射面の平面形状が長方形であり、且つ前記突出面を長辺側に有する形状であり、
前記受光側ライトガイドは、入射面の平面形状が前記投光側ライトガイドの出射面と同様に、長方形であり、且つ前記突出面を長辺側に有する形状である、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記投光側ライトガイドは、出射面の平面形状が長方形であり、且つ前記突出面を長辺側の中央に有する形状であり、
前記受光側ライトガイドは、入射面の平面形状が前記投光側ライトガイドの出射面と同様に、長方形であり、且つ前記突出面を長辺側の中央に有する形状である、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項4】
前記投光側ライトガイドは、光軸に対して垂直な方向の断面形状において、前記突出面の面積が出射面に近づくにつれて大きくなる、請求項1〜3のいずれかに記載の物体検出装置。
【請求項5】
前記受光側ライトガイドは、光軸に対して垂直な方向の断面形状において、前記突出面の面積が入射面に近づくにつれて大きくなる、請求項1〜4のいずれかに記載の物体検出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の物体検出装置における、前記投光部と前記受光部との光軸がずれているかどうかを検出する光軸ずれ検出方法であって、
前記投光部から投光された光が投光される位置に、この位置に投光される前記投光側ライトガイドの前記突出面に対応する部分の光よりも外形の小さい反射板を設置し、
前記走査部により、前記投光レンズおよび前記受光レンズを第1の方向に移動して、前記投光側ライトガイドの前記突出面に対応する部分の光で反射板を前記第1の方向に走査し、走査方向に対する、前記受光部の前記受光素子の受光量の変化を測定する第1の測定処理を行い、
さらに、前記走査部により、前記投光レンズおよび前記受光レンズを前記第1の方向に直交する第2の方向に移動して、この第2の方向における光の投光方向を変化させ、前記投光側ライトガイドの前記突出面でない部分の光で反射板を前記第1の方向に走査し、走査方向に対する、前記受光部の前記受光素子の受光量の変化を測定する第2の測定処理を行い、
前記第1の測定処理、および前記第2の測定処理で得られた測定結果に基づいて、前記投光部と前記受光部との光軸がずれているかどうかを検出する、光軸ずれ検出方法。
【請求項1】
発光素子から出射された光を投光レンズを介して前方に投光する投光部と、
前記投光部が前方に投光した光の反射光を受光レンズを介して受光素子で受光する受光部と、
前記投光レンズと、前記受光レンズとの相対的な位置関係を保持して、これらのレンズを移動する走査部と、を備えた物体検出装置において、
前記投光部は、前記発光素子と、前記投光レンズとの間に、この発光素子が出射した光を前記投光レンズに導く光導波路を形成する投光側ライトガイドを有し、
この投光側ライトガイドは、前記投光レンズに対向する出射面の平面形状が、外周部の外側に突出する突出面を有する形状であり、
前記受光部は、前記受光レンズと、前記受光素子との間に、この受光レンズを介して受光した光を前記受光素子に導く光導波路を形成する受光側ライトガイドを有し、
この受光側ライトガイドは、前記受光レンズに対向する入射面の平面形状が、前記投光側ライトガイドの出射面の平面形状と同じ形状である、物体検出装置。
【請求項2】
前記投光側ライトガイドは、出射面の平面形状が長方形であり、且つ前記突出面を長辺側に有する形状であり、
前記受光側ライトガイドは、入射面の平面形状が前記投光側ライトガイドの出射面と同様に、長方形であり、且つ前記突出面を長辺側に有する形状である、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記投光側ライトガイドは、出射面の平面形状が長方形であり、且つ前記突出面を長辺側の中央に有する形状であり、
前記受光側ライトガイドは、入射面の平面形状が前記投光側ライトガイドの出射面と同様に、長方形であり、且つ前記突出面を長辺側の中央に有する形状である、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項4】
前記投光側ライトガイドは、光軸に対して垂直な方向の断面形状において、前記突出面の面積が出射面に近づくにつれて大きくなる、請求項1〜3のいずれかに記載の物体検出装置。
【請求項5】
前記受光側ライトガイドは、光軸に対して垂直な方向の断面形状において、前記突出面の面積が入射面に近づくにつれて大きくなる、請求項1〜4のいずれかに記載の物体検出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の物体検出装置における、前記投光部と前記受光部との光軸がずれているかどうかを検出する光軸ずれ検出方法であって、
前記投光部から投光された光が投光される位置に、この位置に投光される前記投光側ライトガイドの前記突出面に対応する部分の光よりも外形の小さい反射板を設置し、
前記走査部により、前記投光レンズおよび前記受光レンズを第1の方向に移動して、前記投光側ライトガイドの前記突出面に対応する部分の光で反射板を前記第1の方向に走査し、走査方向に対する、前記受光部の前記受光素子の受光量の変化を測定する第1の測定処理を行い、
さらに、前記走査部により、前記投光レンズおよび前記受光レンズを前記第1の方向に直交する第2の方向に移動して、この第2の方向における光の投光方向を変化させ、前記投光側ライトガイドの前記突出面でない部分の光で反射板を前記第1の方向に走査し、走査方向に対する、前記受光部の前記受光素子の受光量の変化を測定する第2の測定処理を行い、
前記第1の測定処理、および前記第2の測定処理で得られた測定結果に基づいて、前記投光部と前記受光部との光軸がずれているかどうかを検出する、光軸ずれ検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−60479(P2010−60479A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227820(P2008−227820)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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