説明

物体検知装置および物体検知方法

【課題】相互に属性が異なる複数の物体の存否、位置、変位または属性の検知ないし測定を簡単な構造により高精度に行うと共に、相互に属性が異なる複数の物体を確実に識別する。
【解決手段】発振器11から発せられる基本送信信号から相互に周波数が異なる複数の単位送信信号を生成し、これらの単位送信信号を合成して合成送信波として送信する。そして、検知対象物に反射した合成送信波の反射波を受信し、この反射波を周波数ごとに分離して複数の単位受信信号を生成し、複数の単位送信信号と複数の単位受信信号とを周波数ごとにそれぞれ重畳することにより形成される複数の定在波のそれぞれの振幅値に基づいて検知対象物の存否、位置、変位および属性を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を用いて物体の存否、位置、変位または属性を検知する物体検知装置および物体検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電波を用いて測定対象物までの距離を測定する装置として、パルスレーダ、FM−CW(周波数変調連続波)レーダ、定在波レーダ等が知られている。
【0003】
パルスレーダは、パルス信号を発信し、それが測定対象物に反射して戻ってくるまでの時間に基づいて測定対象物までの距離を測定するレーダである(特許文献1参照)。パルスレーダでは、測定対象物までの距離が例えば10m未満の近距離である場合、測定対象物までの距離を高精度に測定することが困難である。
【0004】
また、FM−CWレーダは、周波数変調した連続波を送信し、送信波と反射波との間の周波数差に基づいて測定対象物までの距離を測定するレーダである。FM−CWレーダでは、送信信号の受信回路側へのリークに起因する誤検知(偽目標の検知)を防ぐことが容易でなく、また、これを防止するためには複雑な構造を必要とする。
【0005】
一方、定在波レーダは、送信波と、測定対象物に反射した送信波の反射波とを重ね合わせることにより形成される定在波の振幅に基づいて測定対象物までの距離を測定するレーダである。定在波レーダによれば、測定対象物までの距離が10m未満の近距離である場合でも比較的容易に測定精度を高めることができると共に、FM−CWレーダに見られるような偽目標による誤検知がなく、高精度な距離測定を比較的簡単な構造により実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2655987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したような従来のレーダの多くは、その用途に応じた1種類の特定の物体を測定対象物として予め選択し、この予め選択された1種類の物体の検知ないし測定を高精度に行うことができるように設計されている。このようなレーダにおいては、測定対象物として予め選択された1種類の物体と属性が大きく異なる他の種類の物体については検知ないし測定の精度が大幅に低下する場合がある。
【0008】
この点について、物体のレーダ反射断面積に着目して説明する。物体のレーダ反射断面積は、物体の形状、大きさ、物性等、物体の属性により変化する。物体のレーダ反射断面積が小さくなると、物体に反射した反射波の受信電力が小さくなる。
【0009】
例えば、物体S1よりも表面の電波反射率が大幅に小さい物体S2は、物体S1よりもレーダ反射断面積が大幅に小さい。このため、物体S1を測定対象物とする従来のレーダにより物体S2を検知しようとしても、物体S2からの反射波の受信電力が小さいため、この反射波をノイズと識別することができず、物体S2を検知し損ねてしまう場合がある。
【0010】
また、上述したような従来のレーダは、天候など気象・環境の影響を受けて測定精度が低下することがある。例えば、降雨や霧により送信波または反射波が減衰し、反射波の受信電力が小さくなり、この結果、測定対象物の測定が困難になる場合がある。
【0011】
一方、相互に属性の異なる複数の物体を識別することが可能な物体検知装置(レーダを含む)の開発が行われている。
【0012】
上述したように、物体のレーダ反射断面積は、物体の属性により変化する。したがって、物体のレーダ反射断面積の相違を検出することにより、相互に属性の異なる複数の物体を識別することができそうである。しかしながら、以下に述べる理由により、これを実現することは容易ではない。
【0013】
すなわち、物体の形状、大きさ、物性等、物体の属性に含まれる個々の属性要素は、それぞれ独立して物体のレーダ反射断面積を変化させる要因となる。このため、同一の位置にある2つの物体の属性が相互に異なるにもかかわらず、これらの物体のレーダ反射断面積が等しくなる場合があり得る。具体的に説明すると、大きさが大きく表面の電波反射率が小さい物体と、大きさが小さく表面の電波反射率が大きい物体とは、レーダ反射断面積の差が小さくなり、大きさや電波反射率の差の程度によっては、レーダ反射断面積に差がなくなる場合がある。例えば、物体検知装置から送信される送信波の周波数が24GHzである場合、同一の位置にある人間とジュースの缶とではレーダ反射断面積がほぼ等しくなることが知られている。
【0014】
したがって、単一の周波数を有する送信波が物体に反射した反射波に基づいて物体のレーダ反射断面積を検出するだけでは、相互に属性の異なる複数の物体を確実に識別することはできない。
【0015】
なお、上記特許文献1には、互いに異なる周波数帯域にそれぞれ属する複数の周波数をそれぞれ有する複数の送信波を送信し、測定対象物に反射したこれら複数の送信波にそれぞれ対応する複数の反射波を受信し、これら受信した複数の反射波を加算し、これにより得られた信号に基づいて物標を探知する技術が記載されている。この技術は、複雑な形状を有する物標が移動することによって物標のレーダ反射断面積が変化した場合でも、物標の検知に欠落が生じることを抑制することを目指している。この技術は物標のレーダ反射断面積の変化を考慮して物標の検知精度の向上を図っている。しかしながら、この技術により、形状、大きさ、物性等が相互に異なる複数の物体の識別を確実に行うことができるかどうかは不明である。また、上記特許文献1に記載の技術は、相互に周波数が異なる複数の送信波ごとに複数の送信機を有しているため、装置の規模が大きく、製造コストが高くなる。
【0016】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、相互に属性が異なる複数の物体の存否、位置、変位または属性の検知ないし測定を簡単な構造により高精度に行うことができる物体検知装置および物体検知方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の第2の課題は、相互に属性が異なる複数の物体を確実に識別することができる物体検知装置および物体検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の第1の物体検知装置は、相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の送信波を同時に送信する送信手段と、前記送信手段により送信され検知対象物に反射した前記複数の送信波にそれぞれ対応する複数の反射波を受信する受信手段と、前記送信手段により送信された前記複数の送信波および前記受信手段により受信された前記複数の反射波に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知する検知手段とを備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第1の物体検知装置では、複数の送信波および複数の反射波から特定周波数ごとに取得される検知情報に基づいて検知対象物の検知を行う。これにより、1つの検知対象物について、特定周波数ごとに、複数通りのレーダ反射断面積、または複数通りのレーダ反射断面積がそれぞれ反映された複数通りの情報を得ることができ、これらの情報に基づいて、相互に属性が異なる複数の検知対象物について高精度な検知を行うことができると共に、気象・環境の状態によって検知対象物の検知精度が低下するのを抑制することができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第2の物体検知装置は、上述した本発明の第1の物体検知装置において、前記送信手段は、相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の単位送信信号を生成する単位送信信号生成手段と、前記単位送信信号生成手段により生成された前記複数の単位送信信号を合成することにより合成送信信号を生成する合成送信信号生成手段と、前記合成送信信号生成手段により生成された前記合成送信信号を合成送信波として送信する合成送信手段とを備え、前記受信手段は、前記合成送信手段により送信され検知対象物に反射した前記合成送信波の反射波を受信し、当該受信した反射波に対応する合成受信信号を出力する合成受信手段と、前記合成受信手段により出力された前記合成受信信号を前記複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の単位受信信号に分離する分離手段とを備え、前記検知手段は、前記単位送信信号生成手段により生成された前記複数の単位送信信号および前記分離手段により分離された前記複数の単位受信信号に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知することを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の物体検知装置では、複数の単位送信信号および複数の単位受信信号から特定周波数ごとに取得される検知情報に基づいて検知対象物の検知を行う。これにより、1つの検知対象物について、特定周波数ごとに、複数通りのレーダ反射断面積、または複数通りのレーダ反射断面積がそれぞれ反映された複数通りの情報を得ることができ、これらの情報に基づいて、相互に属性が異なる複数の検知対象物について高精度な検知を行うことができると共に、気象・環境の状態によって検知対象物の検知精度が低下するのを抑制することができる。
【0022】
また、本発明の第3の物体検知装置は、上述した本発明の第2の物体検知装置において、前記単位送信信号生成手段は、単一の発振器および1以上の周波数逓倍器を備え、前記単一の発振器から出力される信号の周波数を前記1以上の周波数逓倍器を用いて逓倍することにより前記複数の単位送信信号を生成することを特徴とする。
【0023】
本発明の第3の物体検知装置によれば、発振器の個数を1つにすることができるので、物体検知装置の構造を簡単化することができ、物体検知装置の小型化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
【0024】
また、本発明の第4の物体検知装置は、上述した本発明の第2または第3の物体検知装置において、前記検知手段は、前記単位送信信号生成手段により生成された前記複数の単位送信信号および前記分離手段により分離された前記複数の単位受信信号により前記複数の特定周波数ごとに形成される複数の定在波に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知することを特徴とする。
【0025】
本発明の第4の物体検知装置によれば、検知対象物の検知に定在波を用いることにより、物体検知装置における検知対象物の検知に係る構造を十分な検知精度を維持しながら簡単化することができる。
【0026】
また、本発明の第5の物体検知装置は、上述した本発明の第1ないし第4のいずれかの物体検知装置において、前記各特定周波数は1GHz以上300GHz以下の範囲内であることを特徴とする。
【0027】
本発明の第5の物体検知装置によれば、物体検知装置から検知対象物との間の距離が近く、例えば10m未満である場合、あるいは2つ以上の検知対象物が接近している場合でも、検知対象物の高精度な検知または識別を行うことができる。
【0028】
また、本発明の物体検知方法は、相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の送信波を同時に送信する送信工程と、前記送信工程において送信され検知対象物に反射した前記複数の送信波にそれぞれ対応する複数の反射波を受信する受信工程と、前記送信工程において送信された前記複数の送信波および前記受信工程において受信された前記複数の反射波に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知する検知工程とを備えていることを特徴とする。
【0029】
本発明の物体検知方法によれば、1つの検知対象物について、特定周波数ごとに、複数通りのレーダ反射断面積、または複数通りのレーダ反射断面積がそれぞれ反映された複数通りの情報を得ることができ、これらの情報に基づいて、相互に属性が異なる複数の検知対象物について高精度な検知を行うことができると共に、気象・環境の状態によって検知対象物の検知精度が低下するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0030】
上述した本発明によれば、相互に属性が異なる複数の物体の存否、位置、変位または属性の検知ないし測定を簡単な構造により高精度に行うことができ、また、相互に属性が異なる複数の物体を確実に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態による物体検知装置および検知対象物を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態による物体検知装置の構成を示す回路図である。
【図3】電波の周波数と電波の減衰との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施形態による物体検知装置の構成を示す回路図である。
【図5】本発明のさらなる他の実施形態による物体検知装置の構成を示す回路図である。
【図6】本発明のさらなる他の実施形態による物体検知装置の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態による物体検知装置および検知対象物を示している。図1において、本発明の実施形態による物体検知装置1は、電波を用いて、物体の存否、位置(方位、距離等)、変位(速度、移動距離等)または属性(種類、物性、形状、大きさ等)を検知する装置である。物体検知装置1は、例えば、人間2とジュースの缶3といった、相互に属性が異なる複数の物体の存否、位置、変位または属性を検知することができる。また、物体検知装置1は、相互に属性が異なる複数の物体を識別することができる。以下、物体検知装置1の検知の対象である物体をまとめて検知対象物4という。
【0033】
図2は物体検知装置1の構成を示している。図2に示すように、物体検知装置1は、単位送信信号生成手段として、発振器11、分配回路12、および2つの周波数逓倍器13、14を備えている。さらに、物体検知装置1は、合成送信信号生成手段および分離手段として合成分離回路15を備え、合成送信手段および合成受信手段としてアンテナ16を備えている。さらに、物体検知装置1は、検知手段として3つの検出回路17、18、19および信号処理回路20を備えている。
【0034】
発振器11は、例えば周波数が27GHzの正弦波である基本送信信号を出力する。分配回路12は、発振器11から出力された基本送信信号を3つの伝送路a、b、cに分配する。伝送路aに分配された基本送信信号は、27GHzの周波数を有する第1の単位送信信号として合成分離回路15に直接供給される。伝送路bの途中には周波数逓倍器13が設けられており、伝送路bに分配された基本送信信号は、周波数逓倍器13に供給される。周波数逓倍器13は伝送路bに分配された基本送信信号の周波数を2倍にし、54GHzの周波数を有する第2の単位送信信号を生成し、これを合成分離回路15に供給する。一方、伝送路cの途中には周波数逓倍器14が設けられており、伝送路cに分配された基本送信信号は、周波数逓倍器14に供給される。周波数逓倍器14は伝送路cに分配された基本送信信号の周波数を3倍にし、81GHzの周波数を有する第3の単位送信信号を生成し、これを合成分離回路15に供給する。
【0035】
合成分離回路15は、第1、第2および第3の単位送信信号を合成することにより合成送信信号を生成する。この合成送信信号は合成送信波としてアンテナ16から送信される。この結果、合成送信波は、相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の一定の周波数、すなわち、27GHz、54GHzおよび81GHzの周波数(以下、これらを「特定周波数」という。)をそれぞれ有する3つの正弦波が重畳した信号となる。
【0036】
物体検知装置1のアンテナ16から送信された合成送信波は検知対象物4に反射する。そして、検知対象物4に反射して物体検知装置1に戻ってきた、合成送信波の反射波は、アンテナ16により受信され、アンテナ16から合成分離回路15に合成受信信号として供給される。
【0037】
合成分離回路15は、上述したように第1ないし第3の単位送信信号を合成する機能に加え、合成受信信号を周波数ごとに分離・分配する機能を備えている。すなわち、合成分離回路15は、例えばバンドパスフィルタ等のフィルタ回路を備えており、合成受信信号を、27GHzの周波数を有する第1の単位受信信号、54GHzの周波数を有する第2の単位受信信号、および81GHzの周波数を有する第3の単位受信信号に分離し、第1の単位受信信号を伝送路aに、第2の単位受信信号を伝送路bに、第3の単位受信信号を伝送路cにそれぞれ分配する。これにより、伝送路aを流れる信号は、第1の単位送信信号と第1の単位受信信号とが重畳することにより形成される27GHzの周波数を有する第1の定在波となる。また、伝送路bにおいて周波数逓倍器13と合成分離回路15の間を流れる信号は、第2の単位送信信号と第2の単位受信信号とが重畳することにより形成される54GHzの周波数を有する第2の定在波となる。また、伝送路cにおいて周波数逓倍器14と合成分離回路15の間を流れる信号は、第3の単位送信信号と第3の単位受信信号とが重畳することにより形成される81GHzの周波数を有する第3の定在波となる。
【0038】
検出回路17は、第1の定在波の振幅値(第1の検知情報)を検出し、これを信号処理回路20に出力する。検出回路18、19も同様に、第2の定在波の振幅値(第2の検知情報)、第3の定在波の振幅値(第3の検知情報)をそれぞれ検出し、これらを信号処理回路20にそれぞれ出力する。信号処理回路20は、検出回路17、18、19からそれぞれ出力された第1の定在波の振幅値、第2の定在波の振幅値、および第3の定在波の振幅値に基づいて検知対象物4の存否、位置、変位または属性を検知する。
【0039】
ここで、信号処理回路20による3通りの検知動作について説明する。
【0040】
まず、信号処理回路20の第1の検知動作は、第1、第2および第3の定在波のそれぞれの振幅値に基づいて検知対象物4の存否、位置または変位を検知する動作である。第1の検知動作によれば、様々な属性を有する物体について高精度な検知を行うことができる。したがって、形状、大きさ、表面の電波反射率・電波吸収率等がそれぞれまちまちの複数の物体を検知対象物4として選択した場合でも、各検知対象物4について高精度な検知を行うことができる。
【0041】
第1の検知動作の原理を明らかにするに当たり、まず、物体のレーダ反射断面積と送信波の周波数との関係について説明する。例えば、完全導体の平板に垂直に周波数f1の送信波を当てたときのレーダ反射断面積σ1は次式で与えられる。なお、次式においてλ1は周波数f1の送信波の波長であり、Aは平板の面積である。
【0042】
【数1】

ここで、送信波を当てる物体を変えずに送信波の周波数を周波数f1の2倍の周波数f2に変えたとき(送信波の波長λ1を2分の1にしたとき)のレーダ反射断面積σ2は、上記式より次の通りである。
【0043】
【数2】

さらに、送信波を当てる物体を変えずに送信波の周波数を周波数f1の3倍の周波数f3に変えたとき(送信波の波長λ1を3分の1にしたとき)のレーダ反射断面積σ3は次の通りである。
【0044】
【数3】

上記式より、物体のレーダ反射断面積と送信波の周波数との関係は次表に示す通りである。
【0045】
【表1】

上記表より、送信波が2倍、3倍になると、物体のレーダ反射断面積が4倍、9倍になることがわかる。
【0046】
物体のレーダ反射断面積が大きいことは、物体が送信波を多く反射することを意味する。したがって、物体のレーダ反射断面積が大きいと、物体の検知精度が高まる。このことは、次のレーダ方程式において、物体のレーダ反射断面積と反射波の電力(受信電力)とが比例関係にあることから確認することができる。なお、次式において、Prは受信電力、Ptは送信電力、Gはアンテナ利得、λは送信波の波長、σはレーダ反射断面積、Rは物体検知装置1と物体までの距離である。
【0047】
【数4】

以上より、送信波の周波数を高めることにより、物体のレーダ反射断面積を大きくすることができ、物体の検知精度を高めることができる。
【0048】
ところで、物体のレーダ反射断面積は物体の属性によって異なる。大きい物体はレーダ反射断面積が大きく、小さい物体はレーダ反射断面積が小さい。また、表面の電波反射率が大きい物体はレーダ反射断面積が大きく、表面の電波反射率が小さい物体はレーダ反射断面積が小さい。
【0049】
物体の属性によりその物体のレーダ反射断面積が大きい場合には、周波数f1の比較的低い周波数を有する送信波を当該物体に当てるだけでも当該物体の高精度な検知を容易に行うことができる。一方、物体の属性によりその物体のレーダ反射断面積が小さい場合には、周波数f1の送信波を当該物体に当てるだけでは当該物体の高精度な検知を行うことは困難である。しかしながら、物体の属性によりその物体のレーダ反射断面積が小さい場合でも、周波数f1よりも高い周波数f2の送信波を当該物体に当てることにより、当該物体の高精度な検知を容易に行うことが可能になる。さらに、物体の属性によりその物体のレーダ反射断面積がより小さい場合には、周波数f2よりも高い周波数f3の送信波を当該物体に当てることにより、当該物体の高精度な検知を容易に行うことが可能になる。したがって、常に、周波数f1の送信波と周波数f2の送信波と周波数f3の送信波とを物体にそれぞれ当てて当該物体の検知を行うことにより、様々な属性を有する物体について高精度な検知を容易に行うことが可能になる。
【0050】
本発明の実施形態による物体検知装置1は、周波数27GHzの第1の単位送信信号、周波数54GHzの第2の単位送信信号、および周波数81GHzの第3の単位送信信号が合成された合成送信波を検知対象物4に当て、この結果として得られる周波数27GHzの第1の定在波、周波数54GHzの第2の定在波、および周波数81GHzの第3の定在波のそれぞれの振幅値に基づいて検知対象物4の検知を行う。例えば、第1の定在波の振幅値、第2の定在波の振幅値および第3の定在波の振幅値のそれぞれを、予め物体検知装置1内に記憶された基準値と比較することにより、検知対象物の属性を推測し、推測した検知対象物の属性に応じて上記3つの振幅値に所定の重み付けをした上で、検知対象物4の存否、位置または変位を特定するための演算処理を行う。したがって、物体検知装置1によれば、属性がそれぞれまちまちな複数の物体を検知対象物4として選択した場合でも、各検知対象物4について高精度な検知を行うことができる。
【0051】
次に、物体検知装置1における信号処理回路20の第2の検知動作は、第1、第2および第3の定在波のそれぞれの振幅値に基づいて相互に属性が異なる複数の検知対象物4を識別する動作である。第2の検知動作によれば、例えば人間とジュースの缶のように、相互に属性の異なる複数の物体を識別することができる。
【0052】
以下、第2の検知動作の原理を説明する。上述したように、送信波の周波数が24GHzである場合、同一の位置にある人間とジュースの缶とではレーダ反射断面積がほぼ等しくなることが知られている。このように、同一の位置にある2つの物体の属性が相互に異なるにもかかわらず、これらの物体のレーダ反射断面積が等しくなる場合があり得る。これは、物体の形状、大きさ、物性等、物体の属性に含まれる個々の属性要素が、それぞれ独立して物体のレーダ反射断面積を変化させる要因となるためであると考えられる。
【0053】
しかしながら、24GHzの周波数を有する送信波を当てた場合には、同一の位置にある人間とジュースの缶とでレーダ反射断面積がほぼ等しくなるとしても、例えば、24GHzとは異なる周波数を有する送信波を当てた場合には、同一の位置にある人間とジュースの缶とでレーダ反射断面積に差が生じてくる。これは、周波数の変化の割合に対するレーザ反射断面積の変化の割合が人間とジュースの缶とで異なるからである。すなわち、相互に属性が異なる物体間で、周波数の変化の割合に対するレーザ反射断面積の変化の割合が異なると考えられる。
【0054】
したがって、周波数f1の送信波および周波数f2の送信波を物体に当てて物体の検知を行えば、相互に属性の異なる複数の物体を確実に識別することができる。さらに、これらに加えて周波数f3の送信波をも物体に当てて物体の検知を行えば、相互に属性の異なる複数の物体をより一層確実に識別することができる。
【0055】
次表は、周波数f1の送信波、周波数f2の送信波、および周波数f3の送信波を、同一の位置にある相互に属性が異なる2つの物体s、tにそれぞれ当てて、物体s、tのレーダ反射断面積を調べた結果を示している。
【0056】
【表2】

上記表に示す通り、周波数f1の送信波を物体s、tにそれぞれ当てたとき、物体sのレーダ反射断面積σs1と物体tのレーダ反射断面積σt1とは相互に等しい。したがって、これらのレーダ反射断面積σs1、σt1に基づいて物体s、tを識別することができない。また、周波数f2の送信波を物体s、tにそれぞれ当てたとき、物体sのレーダ反射断面積σs2は物体tのレーダ反射断面積σt2よりも大きい。したがって、これらレーダ反射断面積σs2、σt2に基づいて物体s、tを識別することができる。しかしながら、レーダ反射断面積σs2、σt2の差がわずかな場合には、ノイズや周囲の気象・環境状態の影響により、物体s、tの識別に失敗する場合がある。一方、周波数f3の送信波を物体s、tにそれぞれ当てたとき、物体sのレーダ反射断面積σs3は物体tのレーダ反射断面積σt3よりも大幅に大きい。したがって、これらレーダ反射断面積σs3、σt3に基づけば、ノイズや周囲の気象・環境の状態の影響を相対的に小さくすることができ、物体s、tを確実に識別することができる。
【0057】
本発明の実施形態による物体検知装置1は、周波数27GHzの第1の単位送信信号、周波数54GHzの第2の単位送信信号、および周波数81GHzの第3の単位送信信号が合成された合成送信波を検知対象物4に当て、この結果として得られる周波数27GHzの第1の定在波、周波数54GHzの第2の定在波、および周波数81GHzの第3の定在波のそれぞれの振幅値に基づいて検知対象物4の検知を行う。例えば、検知対象物4が物体sと物体tである場合、物体sについて得られた第1の定在波の振幅値、第2の定在波の振幅値および第3の定在波の振幅値と、物体tについて得られた第1の定在波の振幅値、第2の定在波の振幅値および第3の定在波の振幅値とをそれぞれ相互に比較し、第1の定在波の振幅値についての物体s、t間の相違の有無または程度、第2の定在波の振幅値についての物体s、t間の相違の有無または程度、および第3の定在波の振幅値についての物体s、t間の相違の有無または程度をそれぞれ認識して、物体sと物体tとを識別する。したがって、物体検知装置1によれば、相互に属性が異なる複数の検知対象物4を確実に識別することができる。
【0058】
次に、物体検知装置1における信号処理回路20の第3の検知動作は、物体検知装置1または検知対象物4が置かれた場所の気象・環境の状態に応じて検知対象物4の検知を適切に行う動作である。第3の検知動作によれば、物体検知装置1または検知対象物4が置かれた場所の気象・環境の状態により、検知対象物4の検知精度が低下するのを抑制することができる。
【0059】
以下、第3の検知動作の原理を説明する。図3は様々な気象・環境の状態下における電波の周波数と電波の振幅または電力の減衰との関係を示している。図3から、送信波または反射波(定在波)は、周波数が高いと振幅または電力の減衰量が大きくなる傾向があること、降雨量が多くなると振幅または電力の減衰量が大きくなること、22GHz付近では水蒸気ガスの影響を受けて振幅または電力の減衰量が大きくなること、60GHz付近では酸素ガスの影響を受けて振幅または電力の減衰量が大きくなること等がわかる。そして、総じて、単一周波数の送信波では、降雨、水蒸気ガスまたは酸素ガス等の影響を受けて送信波の振幅または電力が減衰し、物体の検知精度が低下するおそれがあることがわかる。
【0060】
しかしながら、相互に周波数が異なる複数の送信波を用いれば、各送信波における振幅または電力の減衰量を調べることにより、降雨、水蒸気ガス、酸素ガス等の影響を推測し、この推測に基づいて検知結果を補正し、高い検知精度を確保することができる。
【0061】
本発明の実施形態による物体検知装置1は、周波数27GHzの第1の単位送信信号、周波数54GHzの第2の単位送信信号、および周波数81GHzの第3の単位送信信号が合成された合成送信波を検知対象物4に当て、この結果として得られる周波数27GHzの第1の定在波、周波数54GHzの第2の定在波、および周波数81GHzの第3の定在波のそれぞれの振幅値に基づいて検知対象物4の検知を行う。例えば、上記3つの定在波の振幅値をそれぞれ基準値と比較することにより、降雨、水蒸気ガス、酸素ガス等の影響を推測し、この推測に基づいて、上記3つの振幅値に所定の重み付けをし、降雨、水蒸気ガス、酸素ガス等が検知結果に与える影響を小さくする。したがって、物体検知装置1によれば、物体検知装置1または検知対象物4が置かれた場所の気象・環境の状態により、検知対象物4の検知精度が低下するのを抑制することができる。
【0062】
以上説明した通り、本発明の実施形態による物体検知装置1によれば、属性が共通する特定の1種類の物体だけでなく、様々な属性を有する複数の物体を検知対象物4として選択した場合でも、各検知対象物4の存否、位置および変位を高精度に検知することができると共に、相互に属性が異なる複数の検体対象物を確実に識別することができる。さらに、物体検知装置1または検体対象物4が置かれた場所の気象・環境の状態により検知精度ないし識別精度が低下するのを防止することができる。
【0063】
したがって、物体検知装置1によれば、例えば自動車の前方を監視して衝突を未然に防止する車載レーダや、タンク等に貯留された液体のレベルを検知するセンサ等に適用することにより、これらレーダやセンサの性能を向上させることができる。さらに、物体検知装置1によれば、ロボットの視覚機能を実現するためのセンサ、立入禁止領域における物体の侵入の有無に加えて侵入物体が人間か小動物かまでも識別可能なセンサ、一人暮らしの高齢者や身体障害者の生活を見守るために高齢者や身体障害者の存否や位置を他の物体の存否や位置と識別して高精度に検知するセンサ等、より高機能なレーダないしセンサを実現することが可能である。
【0064】
また、物体検知装置1によれば、単一の発振器11から発振される基本送信信号から周波数の異なる複数の単位送信信号を生成する構成としたから、発振器の個数を1つにすることができ、物体検知装置1の構造を簡単なものとすることができる。したがって、物体検知装置1の小型化および軽量化を図ることができると共に、製造コストを下げることができる。
【0065】
さらに、物体検知装置1によれば、第1ないし第3の定在波の振幅値に基づいて検知対象物4の検知を行う構成としたから、検知対象物4の検知を簡単な構造により実現することができる。
【0066】
なお、上述した実施形態では、相互に周波数が異なる3つの単位送信信号を合成して送信する場合を例にあげたが、単位送信信号の個数は2つでもよいし、4つ以上でもよい。また、単位送信信号の周波数は、27GHz、54GHz、81GHzに限らない。もっとも、各単位送信信号の波長をミリ波ないしマイクロ波の範囲内とし、より具体的には、各単位送信信号の周波数をおよそ1GHz以上300GHz以下の範囲内とすることが望ましい。これにより、近距離の物体の検知を高精度に行うことができる。
【0067】
また、上述した実施形態では、単位送信信号の周波数を2つの周波数逓倍器13、14を用いて基本送信信号の周波数の1倍、2倍、3倍としたが、単位送信信号の周波数を3つの周波数逓倍器を用いて基本送信信号の周波数の2倍、3倍、4倍としてもよいし、あるいは基本送信信号の周波数の2倍、4倍、8倍としてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、単一の発振器11から発振される基本送信信号を周波数逓倍して、相互に周波数が異なる複数の単位送信信号を生成したが、本発明はこれに限らない。図4に示す物体検知装置31ように、単位送信信号の個数に応じた個数の発振器32、33、34を設け、発振器32、33、34により周波数が相互に異なる単位送信信号をそれぞれ発振させる構成としてもよい。もっとも、この場合、上述した実施形態における物体検知装置1のように単一の発振器11のみを有することにより構造を簡単化することができるという効果を容易に得ることができないものの、物体検知装置31によれば、各単位送信信号の周波数を自由に設定することができる。具体的には、物体検知装置31によれば、3つの単位送信信号の周波数を相互に倍数の関係がない複数の周波数にそれぞれ設定することができる。例えば、3つの単位送信信号の周波数を、24GHz帯(24.05GHz〜24.25GHz)に属する任意の周波数、60GHz帯(60.0GHz〜61.0GHz)に属する任意の周波数、および76GHz帯(76.0GHz〜77.0GHz)に属する任意の周波数にそれぞれ設定することができる。これにより、物体検知装置で用いる送信波の周波数を、電波の利用に関する法律等による規制に適合させることができる。
【0069】
また、上述した実施形態では、相互に周波数が異なる複数の単位送信信号を合成することにより合成送信信号を生成し、これを合成送信波として送信すると共に、合成送信波の反射波を受信し、この反射波に対応する合成受信信号を、相互に周波数が異なる複数の単位受信信号に分離する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。図5に示す物体検知装置41のように、相互に周波数が異なる複数の送信波を複数のアンテナ42、43、44からそれぞれ同時に送信すると共に、これら複数の送信波にそれぞれ対応する複数の反射波をアンテナ42、43、44およびフィルタ回路45、46、47により受信および分離(抽出)する構成としてもよい。また、この構成において、図6に示す物体検知装置51のように、複数の送信波ごとに発振器32、33、34を設けてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、第1ないし第3の定在波の振幅値に基づいて検知対象物4の検知を行う場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。送信波と反射波とを分離させ、送信波の振幅ないし送信電力と反射波の振幅ないし受信電力とをそれぞれ独立に取得して検知対象物4の検知を行ってもよい。
【0071】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う物体検知装置および物体検知方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1、31、41、51 物体検知装置
4 検知対象物
11、32、33、34 発振器(送信手段、単位送信信号生成手段)
12 分配回路(送信手段、単位送信信号生成手段)
13、14 周波数逓倍器(送信手段、単位送信信号生成手段)
15 合成分離回路(送信手段、合成送信信号生成手段、受信手段、分離手段)
16、42、43、44 アンテナ(送信手段、合成送信手段、受信手段、合成受信手段)
17、18、19 検出回路(検知手段)
20 信号処理回路(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の送信波を同時に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信され検知対象物に反射した前記複数の送信波にそれぞれ対応する複数の反射波を受信する受信手段と、
前記送信手段により送信された前記複数の送信波および前記受信手段により受信された前記複数の反射波に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知する検知手段とを備えていることを特徴とする物体検知装置。
【請求項2】
前記送信手段は、
相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の単位送信信号を生成する単位送信信号生成手段と、
前記単位送信信号生成手段により生成された前記複数の単位送信信号を合成することにより合成送信信号を生成する合成送信信号生成手段と、
前記合成送信信号生成手段により生成された前記合成送信信号を合成送信波として送信する合成送信手段とを備え、
前記受信手段は、
前記合成送信手段により送信され検知対象物に反射した前記合成送信波の反射波を受信し、当該受信した反射波に対応する合成受信信号を出力する合成受信手段と、
前記合成受信手段により出力された前記合成受信信号を前記複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の単位受信信号に分離する分離手段とを備え、
前記検知手段は、前記単位送信信号生成手段により生成された前記複数の単位送信信号および前記分離手段により分離された前記複数の単位受信信号に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知することを特徴とする請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項3】
前記単位送信信号生成手段は、単一の発振器および1以上の周波数逓倍器を備え、前記単一の発振器から出力される信号の周波数を前記1以上の周波数逓倍器を用いて逓倍することにより前記複数の単位送信信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の物体検知装置。
【請求項4】
前記検知手段は、前記単位送信信号生成手段により生成された前記複数の単位送信信号および前記分離手段により分離された前記複数の単位受信信号により前記複数の特定周波数ごとに形成される複数の定在波に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知することを特徴とする請求項2または3に記載の物体検知装置。
【請求項5】
前記各特定周波数は1GHz以上300GHz以下の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物体検知装置。
【請求項6】
相互に異なる複数の周波数帯域にそれぞれ属する複数の特定周波数をそれぞれ有する複数の送信波を同時に送信する送信工程と、
前記送信工程において送信され検知対象物に反射した前記複数の送信波にそれぞれ対応する複数の反射波を受信する受信工程と、
前記送信工程において送信された前記複数の送信波および前記受信工程において受信された前記複数の反射波に基づいて前記複数の特定周波数ごとに検知情報を取得し、これら複数の検知情報に基づいて前記検知対象物の存否、位置、変位または属性を検知する検知工程とを備えていることを特徴とする物体検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−163894(P2011−163894A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26353(P2010−26353)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】