説明

物品の振り分け装置

【課題】搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を下流側の複数の搬送手段に振り分けることができるとともに、後工程における作業性を向上させることができる物品の振り分け装置を提供する。
【解決手段】供給された物品Wを搬送する第1搬送手段1と、該第1搬送手段1より搬送経路の下流側に配設された第2搬送手段2,3と、第1搬送手段1で搬送された物品Wを受けて搬送しつつ、その物品Wを第2搬送手段2,3のうち任意選択されたものに対して振り分ける振り分け手段4とを具備した物品の振り分け装置において、振り分け手段4は、第1搬送手段1から受けた物品Wをその搬送方向に対する向きを保持しつつ搬送して第2搬送手段2、3に振り分けるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を受けて搬送しつつ、その物品を下流側の第2搬送手段のうち任意選択されたものに対して振り分けるための物品の振り分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送経路における上流側の搬送コンベアから搬送されてくる物品を、複数列配設された下流側の搬送コンベア(一方の搬送コンベアと他方の搬送コンベア)に振り分けつつ搬送するための振り分け装置は、従来、例えば特許文献1などで開示されている。かかる振り分け装置は、上流側の搬送コンベアから他方の搬送コンベアに向かって回動するチェーンと、該チェーンに接続されたガイド板とを有していた。
【0003】
そして、チェーンを駆動させなければ上流側の搬送コンベアで搬送された物品は、そのまま下流側の搬送コンベア(一方の搬送コンベア)に流れて搬送されるとともに、チェーンを回動させると、物品にガイド板が当接して他方の搬送コンベア側に振り分けられるようになっていた。即ち、チェーンを回動させることによりガイド板がチェーンの回動方向に移動するので、その過程でガイド板と物品とが当接し、搬送経路が変更されて他方の搬送コンベアに至るようになっているのである。
【特許文献1】特開昭61−243721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の物品の振り分け装置においては、搬送される物品に対してガイド板が斜め方向から当接することとなるので、当該物品の搬送方向に対する向きが変わってしまうという問題があった。物品の搬送方向に対する向きが振り分け過程で変わってしまうと、後工程における作業(例えば物品側面のバーコードを読み取る作業や仕分け梱包作業等)において支障が生じる虞があり、後工程における作業性が悪化してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を下流側の複数の搬送手段に振り分けることができるとともに、後工程における作業性を向上させることができる物品の振り分け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、供給された物品を搬送する第1搬送手段と、該第1搬送手段より搬送経路の下流側に配設された複数の第2搬送手段と、前記第1搬送手段で搬送された物品を受けて搬送しつつ、その物品を該第2搬送手段のうち任意選択されたものに対して振り分ける振り分け手段とを具備した物品の振り分け装置において、前記振り分け手段は、第1搬送手段から受けた物品をその搬送方向に対する向きを保持しつつ搬送して前記第2搬送手段に振り分けることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の物品の振り分け装置において、前記振り分け手段は、前記第1搬送手段と前記第2搬送手段との間で直線状に配設され、当該第1搬送手段から一方の第2搬送手段まで物品を搬送し得る第1振り分け部と、前記第1搬送手段から他方の前記第2搬送手段に向かって懸架され、前記第1振り分け部上の物品の搬送経路を変えて当該第1搬送手段から他方の第2搬送手段まで物品を搬送し得る第2振り分け部とを具備するとともに、前記第2振り分け部は、前記第1搬送手段から受けた物品の向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の物品の振り分け装置において、前記第2振り分け部は、前記第1搬送手段から他方の第2搬送手段に向かって懸架された無端状回動コンベアと、該無端状回動コンベアに取り付けられて当該無端状回動コンベアの回動により前記第1搬送手段と他方の第2搬送手段との間を往復動可能とされるとともに、往動時に前記第1振り分け部上の物品に当接しつつ押圧してその搬送経路を変える押圧手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の物品の振り分け装置において、前記押圧手段は、物品の側面における搬送方向の寸法に対応した複数のピン状部材から成ることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の物品の振り分け装置において、前記無端状コンベアは、第1振り分け部の側方に配設されるとともに、前記ピン状部材が、前記無端状回動コンベアの側方から当該第1振り分け部上方まで突出形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項2〜請求項5の何れか1つに記載の物品の振り分け装置において、前記振り分け手段の上流端近傍には、物品を検知するための検知手段が配設され、当該検知手段の検知に基づき前記第2振り分け部を動作させ得ることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の物品の振り分け装置において、前記物品は、前記第1搬送手段上に載置された状態で平面視長方形のものとされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、第1搬送手段から受けた物品をその搬送方向に対する向きを保持しつつ搬送して第2搬送手段に振り分ける振り分け手段を具備したので、搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を下流側の複数の搬送手段に振り分けることができるとともに、第1搬送手段に供給された物品の向きが振り分け時に変化しないので、後工程における作業性を向上させることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、第1搬送手段から受けた物品の向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えるので、第2振り分け部が物品と当接する際に当該物品の向きが変わってしまうのを確実に防止することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、押圧手段が往動時に第1振り分け部上の物品に当接しつつ押圧してその搬送経路を変えるので、当該押圧手段の復動時には第1振り分け部上の物品と干渉してしまうのを確実に回避でき、一方の搬送手段に物品を搬送する間に押圧手段を初期位置に戻すことができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、押圧手段は、物品の側面における搬送方向の寸法に対応した複数のピン状部材から成るので、ピン状部材の突出長さ等を変更することにより、種々形態の物品に即座に対応させることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、無端状コンベアは、第1振り分け部の側方に配設されるとともに、ピン状部材が、無端状回動コンベアの側方から当該第1振り分け部上方まで突出形成されているので、第1振り分け部上方に無端状コンベアが配設されるものに比べ、種々高さ寸法を有する物品を容易に振り分けることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、振り分け手段の上流端近傍には、物品を検知するための検知手段が配設され、当該検知手段の検知に基づき第2振り分け部を動作させ得るので、より確実に物品を振り分けることができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、物品は、第1搬送手段上に載置された状態で平面視長方形のものとされているので、例えば書籍等平面視長方形のものの振り分けにおいてその向きを保持させ、後工程における仕分けや梱包などの作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る物品の振り分け装置は、搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を受けて搬送しつつ、その物品を下流側の第2搬送手段のうち任意選択されたものに対して振り分けるためのもので、図1〜図3に示すように、第1搬送手段1と、複数の第2搬送手段(一方の第2搬送手段2及び他方の第2搬送手段3)と、振り分け手段4と、検知手段(11a、11b)から主に構成されている。
【0021】
第1搬送手段1及び第2搬送手段(2,3)は、例えば直線状のベルトコンベアから成るもので、当該第1搬送手段1で供給された物品Wが、振り分け手段4にて振り分けられ、第2搬送手段(2,3)の何れか一方に選択的に搬送されるよう構成されている。また、一方の第2搬送手段2と他方の第2搬送手段3とは、略平行して延設されており、更なる下流側で物品Wに対する所定の作業(例えば物品側面のバーコードを読み取る作業や仕分け梱包作業等)が行われ得るよう構成されている。
【0022】
搬送される物品Wは、第1搬送手段1に載置された状態で平面視長方形(便宜上、短辺をWa及び長辺をWbとおく)のもので、例えば書籍など比較的重量の大きなものである。かかる物品Wは、第1搬送手段1に供給された状態では、短辺Waが搬送方向と略平行な状態として載置され、その状態が維持されつつ振り分け手段4、及び第2搬送手段(2、3)を経て搬送されるようになっている。
【0023】
振り分け手段4は、第1搬送手段1で搬送された物品Wを受けて搬送しつつ、その物品Wを第2搬送手段(2,3)のうち任意選択されたものに対して振り分けるためのもので、第1振り分け部5と、第2振り分け部6とから主に構成されている。このうち第1振り分け部5は、第1搬送手段1と第2搬送手段(2,3)との間で直線状に配設され、後述する第2振り分け部6が作動しない状態では、当該第1搬送手段1から一方の第2搬送手段2まで物品Wを搬送し得るよう構成されている。
【0024】
第2振り分け部6は、第1振り分け部5上方において第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3に向かって懸架され、第1振り分け部5上の物品Wの搬送経路を変えて当該第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3まで物品Wを搬送し得るもので、図示の如き無端状回動コンベアから成る。かかる無端状回動コンベアは、フレームFの前後で回転可能なスプロケット等から成る回転軸7a、7bと、該回転軸7a、7b間で懸架されたチェーン8と、該チェーン8における所定位置に接続された押圧手段9a、9bとから主に構成されている。
【0025】
フレームFは、第1振り分け部5上方において第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3に向かって懸架された無端状回動コンベアの筐体を成しており、回転軸7bに接続されたモータMを駆動することによりチェーン8が回転軸7a、7b間を回動するとともに、その回動に伴って当該チェーン8に取り付けられた押圧手段9a、9bが第1搬送手段1と他方の第2搬送手段3との間で往復動可能とされているのである。
【0026】
押圧手段9a、9bは、チェーン8の回動による往動(第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3に向かう方向の動作)時に、第1振り分け部5上の物品Wに当接しつつ押圧してその搬送経路を変えるためのもので、図示の如く物品Wの搬送方向の寸法(短辺Wa)に対応した複数のピン状部材から成るものである。また、押圧手段9a、9bは、図3に示すように、チェーン8の所定位置に固定された固定部材10に対して略垂直方向に延び、それぞれのピン状部材における突端側の側面が物品Wの短辺Waに沿って当接し得るようになっている。
【0027】
これにより、第1搬送手段1から受けた物品Wの向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えることができ、第2振り分け部6が物品Wと当接する際に当該物品Wの向きが変わってしまうのを確実に防止することができる。また、水平方向を回転軸とする無端状回動コンベアに設けられた押圧手段9a、9bが往動時に第1振り分け部5上の物品Wに当接しつつ押圧してその搬送経路を変えるので、当該押圧手段9a、9bの復動時には第1振り分け部5上の物品Wと干渉してしまうのを確実に回避でき、一方の搬送手段2に物品Wを搬送する間に押圧手段9a、9bを初期位置に戻すことができる。
【0028】
検知手段(11a、11b)は、振り分け手段4の上流端近傍(本実施形態においては第1搬送手段1の下流端)に配設された、物品Wを検知するためのセンサから成り、例えば物品Wにより発光素子11aから照射された光が受光素子11bにて受光される前に遮られたことを検知し得る非接触センサから成るものである。そして、検知手段(11a、11b)の検知に基づきモータMを駆動させ、第2振り分け部6を動作させ得るように構成されている。尚、物品Wを検知する他の汎用的な形態のセンサとしてもよい。
【0029】
次に、上記物品の振り分け装置の作用について説明する。
第1搬送手段1に供給された物品Wが検知手段(11a、11b)にて検知されると、図示しない制御手段等によりその物品Wが一方の第2搬送手段2で搬送されるべきか或いは他方の第2搬送手段3で搬送されるべきかが判定される。一方の第2搬送手段2で搬送されるべきと判定されると、第2振り分け部6は動作せず、物品Wは第1振り分け部5にて一方の第2搬送手段2まで搬送され、更に下流側に搬送されることとなる。
【0030】
また、他の第2搬送手段3で搬送されるべきと判定されると、第2振り分け部6及びモータMが駆動し、チェーン8が回転軸7a、7b間を回動するとともに、その回動に伴って当該チェーン8に取り付けられたピン状部材から成る押圧手段9a、9bが第1搬送手段1と他方の第2搬送手段3との間で往復動する。然るに、待機位置(第1搬送手段1側の位置)にある押圧手段9aは、それぞれのピン状部材が物品Wの短辺Waに沿って当接しつつ他方の第2搬送手段3に向かって移動(往動)し、その移動にて物品Wを押圧してその搬送経路を変えることとなる。
【0031】
即ち、第1振り分け部5の搬送速度と押圧手段9aの移動速度(振り分け部5の搬送方向に対する速度)とが略等しく設定されており、物品Wは、当該押圧手段9aで図1中上方向へ押されつつ同図中右方向へ搬送され、他方の第2搬送手段2の上流端に至るのである。従って、搬送経路における上流側の搬送手段(第1搬送手段1)で搬送された物品Wを下流側の複数の搬送手段(一方の第2搬送手段2及び他方の第2搬送手段3)に振り分けることができるとともに、第1搬送手段1に供給された物品Wの向きが振り分け時に変化しないので、後工程における作業性を向上させることができる。
【0032】
一方、チェーン8の回動により押圧手段9aが第1搬送手段1側から他方の第2搬送手段3側へ移動(往動)するのに伴って、押圧手段9bが他方の第2搬送手段3側から第1搬送手段1側へ移動(復動)し、その後更なるチェーン8の回動によって待機位置(図1における9aの位置)まで移動することとなる。このように一対の押圧手段9a、9bを具備することにより、振り分け速度をより向上させることができる。
【0033】
更に、本実施形態によれば、振り分け手段4の上流端近傍に物品Wを検知するための検知手段(11a、11b)が配設され、当該検知手段の検知に基づき第2振り分け部4を動作させ得るので、より確実に物品を振り分けることができる。尚、物品Wを一方の第2搬送手段2と他方の第2搬送手段3とで交互に振り分けるものの場合、第1搬送手段1への物品の供給タイミングを一定とし、そのタイミングにモータMの駆動時期を同期させれば、検知手段を不要とすることができる。
【0034】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る物品の振り分け装置は、第1の実施形態と同様、搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を受けて搬送しつつ、その物品を下流側の第2搬送手段のうち任意選択されたものに対して振り分けるためのもので、図4及び図5に示すように、第1搬送手段1と、複数の第2搬送手段(一方の第2搬送手段2及び他方の第2搬送手段3)と、振り分け手段(第1振り分け部5及び第2振り分け部12)と、検知手段(11a、11b)から主に構成されている。尚、先の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
第2振り分け部12は、第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3に向かって懸架され、第1振り分け部5上の物品Wの搬送経路を変えて当該第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3まで物品Wを搬送し得るもので、回転軸7a、7bと、チェーン8と、該チェーン8における所定位置に接続された押圧手段13とから主に構成されている。ここで、本実施形態に係る回動軸7a、7bは、第1振り分け部5の搬送面に対して略垂直方向に延設されており、チェーン8の回動に伴って押圧手段13が略同一水平面内で往復動し得るよう構成されている。
【0036】
また、押圧手段13は、図5に示すように、チェーン8から略水平方向に延設された延設部13aと、該第1延設部13aから略直交する方向に垂下した垂下部13bとを有する複数の屈曲棒状部材から成り、それぞれの垂下部13bにおける突端側の側面が物品Wの短辺Waに沿って当接し得るようになっている。これにより、第1搬送手段1から受けた物品Wの向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えることができ、第2振り分け部12が物品Wと当接する際に当該物品Wの向きが変わってしまうのを確実に防止することができる。
【0037】
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る物品の振り分け装置は、第1及び第2の実施形態と同様、搬送経路における上流側の搬送手段で搬送された物品を受けて搬送しつつ、その物品を下流側の第2搬送手段のうち任意選択されたものに対して振り分けるためのもので、図6及び図7に示すように、第1搬送手段1と、複数の第2搬送手段(一方の第2搬送手段2及び他方の第2搬送手段3)と、振り分け手段(第1振り分け部5及び第2振り分け部14)と、検知手段(11a、11b)から主に構成されている。尚、先の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0038】
第2振り分け部14は、第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3に向かって懸架され、第1振り分け部5上の物品Wの搬送経路を変えて当該第1搬送手段1から他方の第2搬送手段3まで物品Wを搬送し得るもので、回転軸7a、7bと、チェーン8と、該チェーン8における所定位置に接続された押圧手段15とから主に構成されている。本実施形態に係る回動軸7a、7bは、第2の実施形態と同様、第1振り分け部5の搬送面に対して略垂直方向に延設されており、チェーン8の回動に伴って押圧手段13が略同一水平面内で往復動し得るよう構成されている。
【0039】
また、押圧手段15は、図7に示すように、チェーン8から略水平方向に延設された上下一対の延設部15aと、これら延設部15a突端同士を連結する連結部15bとを有する複数の屈曲棒状部材から成り、それぞれの連結部15bの側面が物品Wの短辺Waに沿って当接し得るようになっている。これにより、第1搬送手段1から受けた物品Wの向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えることができ、第2振り分け部12が物品Wと当接する際に当該物品Wの向きが変わってしまうのを確実に防止することができる。
【0040】
ここで、本実施形態に係る無端状コンベア(振り分け手段)は、第1振り分け部5の側方(第1振り分け部5の上方から退避した位置)に配設されるとともに、押圧手段15a、15bを構成するピン状部材(屈曲棒状部材)が比較的長く形成されて、無端状回動コンベアの側方から当該第1振り分け部5上方まで突出形成されている。従って、第1振り分け部5上方に無端状コンベアが配設されるものに比べ、種々高さ寸法を有する物品を容易に振り分けることができる。
【0041】
上記第1〜第3の実施形態によれば、押圧手段は、物品Wの側面における搬送方向の寸法(短辺Wa)に対応した複数のピン状部材(屈曲棒状部材含む)から成るので、ピン状部材の突出長さ(第2、第3の実施形態においては延設部13a、15aの突出長さ)等を変更することにより、種々形態の物品に即座に対応させることができる。また、物品Wは、第1搬送手段1上に載置された状態で平面視長方形のものとされているので、例えば書籍等平面視長方形のものの振り分けにおいてその向きを保持させ、後工程における仕分けや梱包などの作業性を向上させることができる。
【0042】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、第1搬送手段1、第2搬送手段(2,3)又は第1振り分け部5は、ローラコンベア或いはベルトコンベア等種々汎用的な搬送手段であれば足り、第2振り分け部における押圧手段を往復動させるチェーンに代えてベルト等としてもよい。また、例えば振り分け手段を構成する第1振り分け部に代えて他の構成のもの(第2振り分け部が動作しないときは第1搬送手段から一方の第2搬送手段に搬送、第2振り分け部が動作するときは第1搬送手段から他の第2搬送手段に搬送するもの)としてもよく、例えば、図8に示すように、第1搬送手段1から一方の第2搬送手段2に向かって転動し得る複数のローラRを具備した第1振り分け部5’としてもよい。
【0043】
更に、振り分けるべき物品は、本実施形態の如き平面視長方形のものに限定されず、例えば図9及び図10に示すように、平面視楕円形又は円形のものとしてもよい。これら図面に示すように、平面視楕円形の物品W’及び平面視円形の物品W”とした場合、押圧手段9a’或いは9a”を物品W’、W”の側面寸法及びその形状に倣って配列させることにより、第1搬送手段1から受けた物品Wの向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えることができ、第2振り分け部12が物品Wと当接する際に当該物品Wの向きが変わってしまうのをより確実に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
第1搬送手段から受けた物品をその搬送方向に対する向きを保持しつつ搬送して複数の第2搬送手段の何れかに振り分ける振り分け手段を具備した物品の振り分け装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る物品の振り分け装置を示す平面図
【図2】同物品の振り分け装置を示す側面図
【図3】同物品の振り分け装置における第2振り分け部を示す断面模式図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る物品の振り分け装置を示す平面図
【図5】同物品の振り分け装置における第2振り分け部を示す断面模式図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る物品の振り分け装置を示す平面図
【図7】同物品の振り分け装置における第2振り分け部を示す断面模式図
【図8】本発明の他の実施形態に係る物品の振り分け装置を示す平面図
【図9】本発明において他の物品を適用した場合を示す平面図
【図10】本発明において更に他の物品を適用した場合を示す平面図
【符号の説明】
【0046】
1 第1搬送手段
2 (一方の)第2搬送手段
3 (他方の)第2搬送手段
4 振り分け手段
5、5’ 第1振り分け部
6、12、14 第2振り分け部
7a、7b 回転軸
8 チェーン
9a、9b、13、15 押圧手段(ピン状部材)
10 固定部材
11a、11b 検知手段
W、W’、W” 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された物品を搬送する第1搬送手段と、
該第1搬送手段より搬送経路の下流側に配設された複数の第2搬送手段と、
前記第1搬送手段で搬送された物品を受けて搬送しつつ、その物品を該第2搬送手段のうち任意選択されたものに対して振り分ける振り分け手段と、
を具備した物品の振り分け装置において、
前記振り分け手段は、第1搬送手段から受けた物品をその搬送方向に対する向きを保持しつつ搬送して前記第2搬送手段に振り分けることを特徴とする物品の振り分け装置。
【請求項2】
前記振り分け手段は、
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段との間で直線状に配設され、当該第1搬送手段から一方の第2搬送手段まで物品を搬送し得る第1振り分け部と、
前記第1搬送手段から他方の前記第2搬送手段に向かって懸架され、前記第1振り分け部上の物品の搬送経路を変えて当該第1搬送手段から他方の第2搬送手段まで物品を搬送し得る第2振り分け部と、
を具備するとともに、前記第2振り分け部は、前記第1搬送手段から受けた物品の向きを保持しつつその側面形状に沿って当接し、押圧してその搬送経路を変えることを特徴とする請求項1記載の物品の振り分け装置。
【請求項3】
前記第2振り分け部は、
前記第1搬送手段から他方の第2搬送手段に向かって懸架された無端状回動コンベアと、
該無端状回動コンベアに取り付けられて当該無端状回動コンベアの回動により前記第1搬送手段と他方の第2搬送手段との間を往復動可能とされるとともに、往動時に前記第1振り分け部上の物品に当接しつつ押圧してその搬送経路を変える押圧手段と、
を具備したことを特徴とする請求項2記載の物品の振り分け装置。
【請求項4】
前記押圧手段は、物品の側面における搬送方向の寸法に対応した複数のピン状部材から成ることを特徴とする請求項3記載の物品の振り分け装置。
【請求項5】
前記無端状コンベアは、第1振り分け部の側方に配設されるとともに、前記ピン状部材が、前記無端状回動コンベアの側方から当該第1振り分け部上方まで突出形成されたことを特徴とする請求項4記載の物品の振り分け装置。
【請求項6】
前記振り分け手段の上流端近傍には、物品を検知するための検知手段が配設され、当該検知手段の検知に基づき前記第2振り分け部を動作させ得ることを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか1つに記載の物品の振り分け装置。
【請求項7】
前記物品は、前記第1搬送手段上に載置された状態で平面視長方形のものとされたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の物品の振り分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−320725(P2007−320725A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153834(P2006−153834)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】