物品の方向転換システム及び方法
一実施例では、コンベヤシステムは、コンベヤベルト上の物品の方向を変えるように構成された複数のコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトローラに接触する駆動機構とを具え、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラを駆動するように構成されており、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラを第1の角度方向か、第2の、反対の角度方向に選択的に駆動するように調整可能であり、物品は、所望の転換角度で前記コンベヤベルトのいずれかの側へ選択的に方向転換される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2006年1月26日に出願されたシリアルナンバ60/762,227、標題「Systems and Methods for a Variable Angle High−Speed Diverting Conveyor System」の同時継続の米国暫定出願及び2007年1月25日に出願されたシリアルナンバ11/627,132、標題「Systems and Methods for Diverting Objects」の同時継続の米国非暫定出願の優先権を主張し、共に全体をここに参照として組み込む。
【背景技術】
【0002】
一又は別のタイプの工程を行うために、物品の方向を変えて、コンベヤベルトから例えば他のコンベヤベルトへ物品を送ったり配置させる必要性が時々ある。
【0003】
現在、コンベヤシステムにおいて、ベルト面の上側と下側を越えて延在する複数の小さな、角度付のローラを具えるコンベヤベルトが開示されている。このシステムでは、物品は、コンベヤベルトによって、具体的にはベルト内に収容されたローラによって運ばれ、ローラを回転させることによってベルトに対して方向を転換する。コンベヤベルトのローラは様々な方法で回転する。ある方法では、コンベヤベルトの下に配置されている摩擦プレートがローラと接触するか離脱するように選択的に移動することによって、ローラを駆動する。プレートがローラに接触すると、ローラは摩擦プレートとローラの間の摩擦力によって回転する。別の方法では、コンベヤベルトの下に配置された回転自在なローラが、コンベヤベルトのローラと選択的に接触するか離脱し、接触したローラの間の摩擦によって、両方の組のローラが対向方向に回転する。
【0004】
上記のコンベヤシステムは、コンベヤベルトから物品を方向転換させることに関し、かなりの利点を提供するが、これらを使用するためには未だいくつかの制限が存在する。例えば、コンベヤベルトのローラの角度は固定されており、固定された運搬角度でコンベヤベルトの一方の側へのみ方向転換される。従って、運搬方向や角度を変えたい場合、コンベヤのラインを停止させ、異なる方向に整列したローラを具える異なるコンベヤベルトに交換しなければならない。
【0005】
さらに、ローラのスリップに関する不利点がある。具体的には、摩擦プレートがローラと接触している状態である場合、ローラは、角速度ゼロの状態からコンベヤベルトが移動する速度に比例する最終的な角速度へ加速されなければならない。ローラが最終的な角速度へすぐに加速することが出来ない場合、ローラを摩耗させるローラスリップが起こる。コンベヤベルトローラを回転させるために回転自在なローラを使用する実施例では、より小さな速度であっても同じ現象が起こる。具体的には、回転自在なローラの回転はスリップを減らすことができるが、それでもなお、ローラからローラへの接触がなされた直後にスリップが生じる。
【0006】
さらに、摩擦プレート又は回転自在なローラがコンベヤベルトローラと接触しないときには、コンベヤベルトローラは自由に回転し、コンベヤベルト上の物品はベルトを横切って押し流される。このような横滑りは、一部の状況において望ましいが、コンベヤベルト上の物品の横方向の位置を正確に調整したい場合には望ましくない。
【0007】
開示したシステム及び方法を理解するために以下の図面を参照する。図面の構成部品の原寸に比例する必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上述したように、コンベヤベルトローラを具える既存のコンベヤシステムは、従来のシステム以上の利点を提供するが制限をも有する。しかしながら、このような制限は、後述するようにコンベヤベルト内に収容されたローラの回転を制御する回転自在の角度調整可能なローラを具える駆動機構を使用するコンベヤシステムによって克服することができる。いくつかの実施例では、コンベヤベルトは、コンベヤベルトの下に配置された回転自在の角度調整可能なローラとの接触によって「駆動される」複数の縦方向に配置された回転自在なローラを具える。このようなシステムでは、角度調整可能なローラを単に動作させることによって、物品を様々な角度でコンベヤベルトのどちらかの側へ方向転換することができる。さらに、角度調整可能なローラがベルトの移動方向に整列している場合、コンベヤベルトローラにブレーキがかかり、これらを回転させず、物品の横滑りを減らすかなくすことができる。さらに、角度調整可能なローラは、ブレーキ方向から所望される方向転換角度へ徐々に回転できるので、コンベヤベルトローラは徐々に加速され、これによってスリップを減らすかなくすことができる。
【0009】
図面を参照すると、いくつかの図面を通じて、対応する部品に同じ符号が付されており、図1は、一実施例の様々な角度でシステムのいずれかの側へ物品を方向転換するように調整できるコンベヤシステム100の一部を示す。図1に示すように、コンベヤシステム100は、コンベヤベルト102と、角度調整可能な「駆動」ローラモジュール106の領域104とを具える。図1の実施例では、コンベヤベルト102は、複数の横のモジュールコンベヤベルト部分110から成るコンベヤベルトフレーム108を具える。各コンベヤベルト部分110内に、複数の細長いコンベヤベルトリンク112があり、これらはベルトの移動方向114に延在して、隣接するコンベヤベルト部分の隣接するコンベヤベルトリンクと連結している。一例として、各コンベヤベルトリンク112は、それぞれの対向する端部に設けられた開口116を具え、隣接するコンベヤベルト部分110のコンベヤベルトリンクの開口を貫通したロッド又はシャフト(図示せず)を受けてコンベヤベルトを互いに連結しており、金属又はプラスチックの部材から成る。
【0010】
縦方向に配置された回転自在な細長いコンベヤベルトローラ118は、コンベヤベルトリンク112の間に挟まれている。この開示において、「回転自在な」という用語は、ローラが回転軸を中心としていずれかの角度方向に自由に回転することを意味する。従って、ローラ118は、適切な力によって駆動されるときに、いずれかの角度方向で自由に回転する「空転する」ローラを構成すると考えられてもよい。図1の実施例では、ローラ118は、これらの回転軸がベルトの移動方向114に平行であるように配置される。図1に示すように、ローラ118は、ローラがそれぞれ対の隣接するコンベヤベルトリンクの間に配置されるように、コンベヤベルトリンク112に関連する各コンベヤベルト部分110の幅に沿って交互に設けられてもよい。このような構成では、様々なコンベヤベルト部分110のローラ118は、ベルトの移動方向114に延在する列120及びコンベヤベルト102の幅にわたって延在する行121に配列されている。ローラ118は細長いと説明されているが、ローラは必ずしも回転軸の方向に伸長している必要はない。
【0011】
コンベヤベルトローラ118は、金属および/またはプラスチックで作られ、ローラモジュール106のローラがコンベヤベルトローラと接触する状態のときに滑りを防ぐようにゴム又はプラスチックの高摩擦の外側層を具えるか、コーティングされて提供される。各ローラ118は、そのそれぞれの端部で、コンベヤベルトフレーム108に、および/またはコンベヤベルト部分110に連結されたロッド又はシャフトに連結されている。図7に示すように、ローラ118は、これらがコンベヤベルト102に在る物品を両方向へ向けるようにコンベヤベルトフレーム108(及びベルトリンク112)の上側及び下側面を越えて延在する大きさであり、駆動ローラモジュール106によって下から駆動される。
【0012】
さらに、図1を参照すると、角度調整可能な駆動ローラモジュール106の領域104は、駆動ローラモジュールの複数の行122及び列124を具える。駆動ローラモジュール106は、これらの列124がコンベヤベルトローラ118の列120に整列し、コンベヤシステムの動作中、少なくとも断続的にこれらの行122はコンベヤベルトローラの行121に整列するように配置されている。図1の第1の実施例では、駆動ローラモジュール106は、少なくとも1の駆動ローラが動作中にいかなるコンベヤベルトローラ118にも整列するように、十分近く相互に配置された比較的短い(回転軸の寸法において)キャスタローラ(図2A及び2Bを参照)を具える。また、図1の実施例では、複数の駆動ローラモジュール106は、少なくとも2個の駆動ローラがコンベヤ動作中にいかなるコンベヤベルトローラ118とも隣接して配置されるように十分近接して配置される。
【0013】
図2A及び2Bに、単一の駆動ローラモジュール106の斜視図を示しており、各駆動ローラモジュールは、回転軸に対しいずれかの角度方向へ自由に回転する回転自在な駆動ローラ125を具える。さらに、「駆動」ローラと呼んでいるが、駆動ローラ125は、モータやそのようないくつかの機械的な手段によってこれら自身が駆動されるものではない。例として、各駆動ローラ125は、コンベヤベルトローラ118と同じく金属および/またはプラスチックで作られ、ゴム又はプラスチックの高摩擦の外側層を具えるかコーティングされている。
【0014】
図2A及び2Bに示すように、駆動ローラ125は、対向する垂直支持部材128を具えるフレーム126内で支持される。シャフト130(すなわち回転軸)は、これらの支持部材128間に延在して、駆動ローラ125に提供される中央の開口を通っており、駆動ローラはこれを中心として回転する(図示せず)。支持部材128に加え、フレーム126は、以下に記述するように第1の及び第2の制御アーム131及び132を具えており、これらを使用して、駆動ローラモジュール106を中心の垂直軸134で旋回させてベルトの移動方向114に対してローラ125の角度を調整する(図1)。図2A及び2Bに示すように、各制御アーム131、132は開口133を具えており、駆動ローラモジュール106の角度方向を調整するために使用する適切な部材に旋回可能に連結することが可能である。
【0015】
図2Bに最も良く分かるように示すが、フレーム126は、さらに基部135と、基部を支持する旋回機構137とを具える。図2Bの実施例では、旋回機構137は上側部139及び下側部141を具えており、これらは、互いに対し対向方向に回転して、これによって駆動ローラモジュール106を旋回させることができる。このような旋回を実現するようにベアリングなど好適な低摩擦部品を部分139と141の間に設ける。
【0016】
図3に、コンベヤシステム100のさらに一部を示す。さらに具体的には、図3は、駆動ローラ125とコンベヤベルトローラ118の相互作用を示す。特にコンベヤシステム100の他の構成部品を明瞭に示すため、コンベヤベルトフレーム108は図示していない。
【0017】
図3に示すように、駆動ローラ125は、コンベヤベルト120がベルトの移動方向114に動くことによって、駆動ローラとコンベヤベルトローラの間の摩擦力によりこれらの両方が回転するように、コンベヤベルトローラ118と接触するように配置されている。図3に示す方向では、駆動ローラ125は、矢印136によって示される下流方向に回転する。この回転によって、コンベヤベルトローラ118は、これらのシャフト138を中心に(すなわち回転軸)矢印140方向に回転するか「駆動される」。さらに、図3では、コンベヤベルトローラ118は、(コンベヤベルト102を上流の端部から見て)反時計回り方向に回転して、コンベヤベルトローラによって支持される物品の方向を図面において左方向へ変える。図3に示すように、各コンベヤベルトローラ118は、複数の駆動ローラ125によって上記の方法で駆動される。
【0018】
上述のように、駆動ローラモジュール106、従って駆動ローラ125は、中心の垂直軸134で旋回することができ、ベルトの移動方向に対してこれらの角度を調整することができる(図2A及び2B)。これらの駆動ローラ125は、個々に動作するか、集団で同調して動作する。図4は、後者の作動方式の機構を示している(コンベヤベルト102は図示せず)。図4に示すように、駆動ローラモジュール106の複数の行142と列144は、図2に関して記載した全体構造を具えている。図4にさらに示すように、駆動ローラモジュール106のこれらの行142は、ローラ125の角度方向を制御するようにリンク部材146で互いに連結されている。さらに具体的には、駆動ローラモジュール106の制御アーム132は、ロッド又はシャフトの形のリンク部材146に旋回可能に連結されている。一例として、この連結は、駆動ローラモジュール106の制御アーム132に設けられた開口133(図2A及び2B)を通ってリンク部材146の並んだ開口(図示せず)内へ延在するピン(図示せず)によって成される。例えば、旋回機構137の下側部141が固定されていることによって(図2A及び2B)各駆動ローラモジュール106の方向がその中心の垂直軸134に対して固定されている場合、リンク部材146が矢印148方向へ横に移動することで、ローラ125が中心の垂直軸で旋回することによってこれらの角度方向が調整される。
【0019】
リンク部材146は適切な手段で配置される。複数のリンク部材146が同時に配置されている実施例では、ローラ125の複数の行が同時に旋回されるものであり、リンク部材は、コンベヤシステム100のいずれかの側部に隣接して配置されて駆動ローラモジュール106の隣接する列144の制御アーム131に旋回可能に連結される単一の動作部材150に連結されている。このような場合、動作部材150が矢印151方向に縦に移動することで駆動ローラモジュール106の隣接する列144が旋回し、これによって、リンク部材146が横に移動して残りの駆動ローラモジュールを旋回させる。
【0020】
図5A及び5Bに、駆動ローラモジュール106の角度調整の様子を示す。コンベヤシステム100の他の構成部品を明瞭に示すためにコンベヤベルトフレーム108は図5A及び5Bに示していない。図5Aを参照すると、駆動ローラモジュール106が反時計回り方向(コンベヤベルト102を上から見て)に旋回すると、コンベヤベルトローラ118は、矢印152が示すように(コンベヤベルトを上流の端部から見て)反時計回り方向に旋回する。このようなコンベヤベルトローラ118の回転によって、物品Oが矢印154の方向に移動するような図5Aで左方向への方向転換動作が生じる。しかしながら、図5Bでは、駆動ローラモジュール106が時計回り方向(コンベヤベルト102を上から見て)に旋回することによって、コンベヤベルトローラ118は矢印155が示すように(コンベヤベルトを上流の端部から見て)時計回り方向に旋回し、物品Oが矢印156の方向に移動するような右方向への方向転換動作が生じる。
【0021】
図6A及び6Bは、駆動ローラモジュール106で可能な方向転換角度の変化を示している。図6Aに示すように、各駆動ローラモジュール106は、ローラ125の回転軸がコンベヤベルトの移動方向に対して垂直であるときの0度からαによって示される任意の負の角度へ潜在的に角度をなすことができる。図6Bに示すように、駆動ローラモジュール106は、また、0度からβによって示される任意の正の角度へ角度をなすことができる。いくつかの実施例では、αとβ双方は、0から90度までのいくらかの角度を包含しているので、角度変化を180度とみなすことができる。このように広範囲な角度変化が可能であるが、コンベヤベルトの速度及び駆動ローラ125とコンベヤベルトローラ118に使用する材料の制限によって、ローラスリップを避けることができる角度方向の範囲が制限される。しかしながら、少なくともおよそ−70度乃至70度の角度範囲では、既知の高摩擦面を使用することによって、少なくとも100feet/minuteのコンベヤベルトの速度を達成することができる。駆動ローラ125の角度変化は、得られる方向転換角度に直接的に相当する。例えば、駆動ローラ125が、図6Aに示すように0度から時計方向に35度の方向にあるとき、右方向に対して35度の方向転換角度が得られる。
【0022】
駆動ローラ125が、図7に示すように駆動ローラの回転軸がベルトの移動方向に対して垂直であって、駆動ローラの角度回転の方向がベルトの移動方向と一致している状態である0度の方向にあるとき、コンベヤベルトローラ118は、実質的に回転を止められ、「ブレーキをかけられる」。さらに、所望する場合には、駆動ローラモジュール106を0度の方向へ制御することによって、コンベヤベルト上の物品が望ましくない横方向に移動しないようにする。駆動ローラ125の角度方向を、初期の位置として0度から調整するとき、コンベヤベルトローラ118は、一方向又は他方向に徐々に加速され、これによって、摩擦プレート又は角度ローラがコンベヤベルトローラに突然接触するときに起こるローラスリップを低減するか全て共に起こらないようにすることができる。コンベヤベルトローラ125が徐々に加速されることで、比較的不安定な物品を傾けることなく方向転換することもできる。たとえば、方向転換される物品が比較的高さが高く、比較的小さい底部を有する場合には、駆動ローラの角度を0度からゆっくりと大きくすることによって物品をコンベヤベルト102の一方の側又は他の側へ徐々に加速することができる。
【0023】
角度を調整可能であることに加えて、駆動ローラモジュール106は、駆動ローラ125をコンベヤベルトローラ118に接触するか離脱するように任意に、垂直に動作することができる。このような機能性が図8A及び8Bに示されている。具体的には、図8Aは、コンベヤベルトローラ118と接触した駆動ローラ125を示し、図8Bは、コンベヤベルトローラと接触していない駆動ローラを示す。このような選択的に接触するか離脱する動作は、駆動ローラ125をコンベヤベルトローラ118と接触させるように上昇させ、コンベヤベルトローラと接触しないように駆動ローラを下降させる適切な機構(図示せず)によって提供される。
【0024】
上記のことから、コンベヤベルト内に収容されたローラを駆動する角度調整可能なローラを具えるコンベヤシステムによっていくつかの利点を達成できることが分かる。例えば、物品を様々な角度でコンベヤシステムのいずれかの側へ向けることができる。さらに、コンベヤベルトを横切る物品の横滑りを制御するようコンベヤベルトローラにブレーキをかけることができる。さらに、コンベヤベルトローラを実質的にスリップしないある所望の角速度まで加速することができる。
【0025】
このようなコンベヤシステムによって他の利点も実現できる。例えば、駆動ローラの個別の集団は、個別の制御機構(例えば連結部材)の条件によって、コンベヤベルトの移動方向だけではなく、コンベヤベルトの幅に沿ったコンベヤシステムの異なるゾーンで動作することができる。このような場合には、コンベヤベルトの物品の位置は、異なるゾーンの駆動ローラを個別に制御することによってかなり正確に制御することができる。実際には、画像ベースシステムなどの「高性能の」検出器や制御システムが提供される場合には、例えば、さらに先のコンベヤベルト上に物品を所望する順番および/または配列で物品が置くことができるように、個々の物品を識別して、ベルトに沿っておよび/または横切って正確に動かすことができる。
【0026】
図9に、コンベヤシステム200の一部の第2の実施例を示す。図示するように、コンベヤシステム200は、図1に示すコンベヤシステム100のいくつかの手段と同じである。従って、コンベヤシステム200は、複数の縦に方向付いた回転自在なコンベヤベルトローラ204を具えるコンベヤベルト202を全体に具えている。コンベヤベルト202は、矢印206によって示されるベルトの移動方向に移動する。さらに、システム200は、複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラ208を具える。しかしながら、システム200において、駆動ローラ208は、キャスタローラの代わりに細長い又は「縦の」ローラである。図9に示す実施例では、駆動ローラ206はコンベヤベルト202の幅よりも長い。
【0027】
図10A乃至10Cは、コンベヤベルト202に対して角度調整可能な駆動ローラ208を示す。具体的には、コンベヤベルトの移動方向が矢印206によって示される方向であるとすると、図10Aは、物品を左へ方向転換する駆動ローラ208の角度を示し、図10Bは、駆動ローラの「ブレーキ」方向を示し、図10Cは、物品を右へ方向転換する駆動ローラの角度を示す。
【0028】
コンベヤシステム100のように、駆動ローラ208は、様々な調整機構を使用して角度を調整することができる。図11A及び11Bは、このような機構の一つを示す(コンベヤベルトは、説明しやすくするために図示せず)。これらの図面に示すように、駆動ローラ208は、フレームの角部に配設された旋回ジョイント214で互いに旋回可能に連結された複数のフレーム部材212を具える四角形のフレーム210によって旋回可能に支持される。一例として、各旋回ジョイント214は、互いに交互に配置されてピン又はシャフト(図示せず)で互いを固定されたフレーム部材212の可動部によって形成される。このような構成では、フレーム210の向きは、図11Aに示されるように、フレーム部材212がそれぞれのフレームの角部がおよそ90度を形成する直交配向から、図11Bに示されるように2つの鋭角及び2つの鈍角がフレームの角部で形成され、これによってフレームが平行四辺形を形成するように配置される別の向きへ変わることができる。図11Aの直交配向では、駆動ローラ208は、図10Bに示すようにベルトの方向に対して垂直であるように整列する。それゆえ、図11Aの直交配向は、ブレーキ位置である。しかしながら、図11Bに示されるような他の位置では、駆動ローラ208は、ベルトの移動方向に対して角度を成して配置され、これによって方向転換機能を提供する。
【0029】
各駆動ローラ208は、方向と回転を自由に変えることができるジョイントによって両方の端部で支持される。図12の詳細図を参照すると、各駆動ローラ208は、例えば、フレーム部材212に取り付けられた支持ブラケット220を通って延在するピン218を受けるように構成された「アイ」連結具216を具えるシャフト215によって支持される。
【0030】
図11A及び11Bに戻ると、フレーム210は、例えばアクチュエータ222を使用することによって上記の方法で操作される。図11A及び11Bに示す実施例では、アクチュエータ222は、ピストンアーム226が延在するピストン本体部224を具えるピストン部材を具え、例えば、液圧又は空気圧の影響を受ける。ピストン本体部224とピストンアーム226は両方とも、ブラケット228に取り付けられた隣接するフレーム部材212に旋回可能に連結されている。このような構成では、ピストン本体部224内へのピストンアーム226の収縮が第1の角度方向において駆動ローラ208の角度を調整し、その一方で、ピストン本体部からのピストンアームの伸長は第2の反対の角度方向において駆動ローラの角度を調整する。このような操作は、図11A及び11Bから自明である。具体的には、図11Aは、ピストン本体部224からのピストンアーム226の第1の伸長の程度及び駆動ローラ208の第1の位置を示す一方、図11Bは、ピストン本体部からのピストンアームの第2の(より大きい)伸長の程度及び駆動ローラの第2の位置を示す。ピストンアーム226の適切な伸長及び収縮によって、駆動ローラ208の方向を正確に制御することができ、物品を図10A乃至10Cに示すように様々な方向転換角度でコンベヤベルト202のいずれかの側へ向けることができる。
【0031】
これまでの記述及び図面において、特定の実施例を詳細に開示しているが、例示であり、この開示した範囲から外れることなく、当業者は様々な変更や改良を成しうると理解される。このような変更の一つに、コンベヤベルトローラの軸を、コンベヤベルトの伸長部材として機能させることができる。このような場合には、コンベヤベルトフレーム及びこのリンクは、より高密度のローラにするために省略することができる。さらに、このような構成では、隣接するローラ面は対向方向へ動き、隣接して回転するローラの上方向の力によって、ある回転するローラの下方向への力を相殺するので、ベルトローラが回転するときのコンベヤベルト内へアイテムが引き下ろされる可能性を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、第1実施例のコンベヤシステムの一部の上面斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1のコンベヤシステムに使用される駆動ローラモジュールの上面斜視図である。
【図2B】図2Bは、図1のコンベヤシステムに使用される駆動ローラモジュールの下面斜視図である。
【図3】図3は、図1のコンベヤシステムのさらに一部の上面斜視図である。
【図4】図4は、図1のコンベヤシステムに使用される複数の駆動ローラモジュールの下面斜視図である。
【図5A】図5Aは、図3に示したコンベヤシステム部分の図であり、第1の方向における運搬動作を示す。
【図5B】図5Bは、図3に示したコンベヤシステム部分の図であり、第2の方向における運搬動作を示す。
【図6A】図6Aは、駆動ローラモジュールの上面図であり、第1の角度方向におけるモジュールの旋回を示す。
【図6B】図6Bは、駆動ローラモジュールの上面図であり、第2の角度方向におけるモジュールの旋回を示す。
【図7】図7は、図1のコンベヤシステムの一部の端面図であり、システムの角度調整可能な駆動ローラによって提供されるブレーキ機能を示す。
【図8A】図8Aは、図1のコンベヤシステムの一部の端部であり、角度調整可能な駆動ローラとコンベヤベルト駆動ローラの接触を示す。
【図8B】図8Bは、図1のコンベヤシステムの一部の端部であり、角度調整可能な駆動ローラとコンベヤベルト駆動ローラとが接触していない状態を示す。
【図9】図9は、第2の実施例のコンベヤシステムの一部の上面斜視図である。
【図10】図10A乃至10Cは、図9のコンベヤシステムの上面図であり、システムの駆動ローラを方向転換する角度へ調整する角度調整を示す。
【図11】図11A及び11Bは、図9のコンベヤシステムの駆動ローラの角度を調整するために使用される機構の一実施例の斜視図である。
【図12】図12は、図9のコンベヤシステムに送る駆動ローラの端部を支持するジョイントの一実施例の詳細図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2006年1月26日に出願されたシリアルナンバ60/762,227、標題「Systems and Methods for a Variable Angle High−Speed Diverting Conveyor System」の同時継続の米国暫定出願及び2007年1月25日に出願されたシリアルナンバ11/627,132、標題「Systems and Methods for Diverting Objects」の同時継続の米国非暫定出願の優先権を主張し、共に全体をここに参照として組み込む。
【背景技術】
【0002】
一又は別のタイプの工程を行うために、物品の方向を変えて、コンベヤベルトから例えば他のコンベヤベルトへ物品を送ったり配置させる必要性が時々ある。
【0003】
現在、コンベヤシステムにおいて、ベルト面の上側と下側を越えて延在する複数の小さな、角度付のローラを具えるコンベヤベルトが開示されている。このシステムでは、物品は、コンベヤベルトによって、具体的にはベルト内に収容されたローラによって運ばれ、ローラを回転させることによってベルトに対して方向を転換する。コンベヤベルトのローラは様々な方法で回転する。ある方法では、コンベヤベルトの下に配置されている摩擦プレートがローラと接触するか離脱するように選択的に移動することによって、ローラを駆動する。プレートがローラに接触すると、ローラは摩擦プレートとローラの間の摩擦力によって回転する。別の方法では、コンベヤベルトの下に配置された回転自在なローラが、コンベヤベルトのローラと選択的に接触するか離脱し、接触したローラの間の摩擦によって、両方の組のローラが対向方向に回転する。
【0004】
上記のコンベヤシステムは、コンベヤベルトから物品を方向転換させることに関し、かなりの利点を提供するが、これらを使用するためには未だいくつかの制限が存在する。例えば、コンベヤベルトのローラの角度は固定されており、固定された運搬角度でコンベヤベルトの一方の側へのみ方向転換される。従って、運搬方向や角度を変えたい場合、コンベヤのラインを停止させ、異なる方向に整列したローラを具える異なるコンベヤベルトに交換しなければならない。
【0005】
さらに、ローラのスリップに関する不利点がある。具体的には、摩擦プレートがローラと接触している状態である場合、ローラは、角速度ゼロの状態からコンベヤベルトが移動する速度に比例する最終的な角速度へ加速されなければならない。ローラが最終的な角速度へすぐに加速することが出来ない場合、ローラを摩耗させるローラスリップが起こる。コンベヤベルトローラを回転させるために回転自在なローラを使用する実施例では、より小さな速度であっても同じ現象が起こる。具体的には、回転自在なローラの回転はスリップを減らすことができるが、それでもなお、ローラからローラへの接触がなされた直後にスリップが生じる。
【0006】
さらに、摩擦プレート又は回転自在なローラがコンベヤベルトローラと接触しないときには、コンベヤベルトローラは自由に回転し、コンベヤベルト上の物品はベルトを横切って押し流される。このような横滑りは、一部の状況において望ましいが、コンベヤベルト上の物品の横方向の位置を正確に調整したい場合には望ましくない。
【0007】
開示したシステム及び方法を理解するために以下の図面を参照する。図面の構成部品の原寸に比例する必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上述したように、コンベヤベルトローラを具える既存のコンベヤシステムは、従来のシステム以上の利点を提供するが制限をも有する。しかしながら、このような制限は、後述するようにコンベヤベルト内に収容されたローラの回転を制御する回転自在の角度調整可能なローラを具える駆動機構を使用するコンベヤシステムによって克服することができる。いくつかの実施例では、コンベヤベルトは、コンベヤベルトの下に配置された回転自在の角度調整可能なローラとの接触によって「駆動される」複数の縦方向に配置された回転自在なローラを具える。このようなシステムでは、角度調整可能なローラを単に動作させることによって、物品を様々な角度でコンベヤベルトのどちらかの側へ方向転換することができる。さらに、角度調整可能なローラがベルトの移動方向に整列している場合、コンベヤベルトローラにブレーキがかかり、これらを回転させず、物品の横滑りを減らすかなくすことができる。さらに、角度調整可能なローラは、ブレーキ方向から所望される方向転換角度へ徐々に回転できるので、コンベヤベルトローラは徐々に加速され、これによってスリップを減らすかなくすことができる。
【0009】
図面を参照すると、いくつかの図面を通じて、対応する部品に同じ符号が付されており、図1は、一実施例の様々な角度でシステムのいずれかの側へ物品を方向転換するように調整できるコンベヤシステム100の一部を示す。図1に示すように、コンベヤシステム100は、コンベヤベルト102と、角度調整可能な「駆動」ローラモジュール106の領域104とを具える。図1の実施例では、コンベヤベルト102は、複数の横のモジュールコンベヤベルト部分110から成るコンベヤベルトフレーム108を具える。各コンベヤベルト部分110内に、複数の細長いコンベヤベルトリンク112があり、これらはベルトの移動方向114に延在して、隣接するコンベヤベルト部分の隣接するコンベヤベルトリンクと連結している。一例として、各コンベヤベルトリンク112は、それぞれの対向する端部に設けられた開口116を具え、隣接するコンベヤベルト部分110のコンベヤベルトリンクの開口を貫通したロッド又はシャフト(図示せず)を受けてコンベヤベルトを互いに連結しており、金属又はプラスチックの部材から成る。
【0010】
縦方向に配置された回転自在な細長いコンベヤベルトローラ118は、コンベヤベルトリンク112の間に挟まれている。この開示において、「回転自在な」という用語は、ローラが回転軸を中心としていずれかの角度方向に自由に回転することを意味する。従って、ローラ118は、適切な力によって駆動されるときに、いずれかの角度方向で自由に回転する「空転する」ローラを構成すると考えられてもよい。図1の実施例では、ローラ118は、これらの回転軸がベルトの移動方向114に平行であるように配置される。図1に示すように、ローラ118は、ローラがそれぞれ対の隣接するコンベヤベルトリンクの間に配置されるように、コンベヤベルトリンク112に関連する各コンベヤベルト部分110の幅に沿って交互に設けられてもよい。このような構成では、様々なコンベヤベルト部分110のローラ118は、ベルトの移動方向114に延在する列120及びコンベヤベルト102の幅にわたって延在する行121に配列されている。ローラ118は細長いと説明されているが、ローラは必ずしも回転軸の方向に伸長している必要はない。
【0011】
コンベヤベルトローラ118は、金属および/またはプラスチックで作られ、ローラモジュール106のローラがコンベヤベルトローラと接触する状態のときに滑りを防ぐようにゴム又はプラスチックの高摩擦の外側層を具えるか、コーティングされて提供される。各ローラ118は、そのそれぞれの端部で、コンベヤベルトフレーム108に、および/またはコンベヤベルト部分110に連結されたロッド又はシャフトに連結されている。図7に示すように、ローラ118は、これらがコンベヤベルト102に在る物品を両方向へ向けるようにコンベヤベルトフレーム108(及びベルトリンク112)の上側及び下側面を越えて延在する大きさであり、駆動ローラモジュール106によって下から駆動される。
【0012】
さらに、図1を参照すると、角度調整可能な駆動ローラモジュール106の領域104は、駆動ローラモジュールの複数の行122及び列124を具える。駆動ローラモジュール106は、これらの列124がコンベヤベルトローラ118の列120に整列し、コンベヤシステムの動作中、少なくとも断続的にこれらの行122はコンベヤベルトローラの行121に整列するように配置されている。図1の第1の実施例では、駆動ローラモジュール106は、少なくとも1の駆動ローラが動作中にいかなるコンベヤベルトローラ118にも整列するように、十分近く相互に配置された比較的短い(回転軸の寸法において)キャスタローラ(図2A及び2Bを参照)を具える。また、図1の実施例では、複数の駆動ローラモジュール106は、少なくとも2個の駆動ローラがコンベヤ動作中にいかなるコンベヤベルトローラ118とも隣接して配置されるように十分近接して配置される。
【0013】
図2A及び2Bに、単一の駆動ローラモジュール106の斜視図を示しており、各駆動ローラモジュールは、回転軸に対しいずれかの角度方向へ自由に回転する回転自在な駆動ローラ125を具える。さらに、「駆動」ローラと呼んでいるが、駆動ローラ125は、モータやそのようないくつかの機械的な手段によってこれら自身が駆動されるものではない。例として、各駆動ローラ125は、コンベヤベルトローラ118と同じく金属および/またはプラスチックで作られ、ゴム又はプラスチックの高摩擦の外側層を具えるかコーティングされている。
【0014】
図2A及び2Bに示すように、駆動ローラ125は、対向する垂直支持部材128を具えるフレーム126内で支持される。シャフト130(すなわち回転軸)は、これらの支持部材128間に延在して、駆動ローラ125に提供される中央の開口を通っており、駆動ローラはこれを中心として回転する(図示せず)。支持部材128に加え、フレーム126は、以下に記述するように第1の及び第2の制御アーム131及び132を具えており、これらを使用して、駆動ローラモジュール106を中心の垂直軸134で旋回させてベルトの移動方向114に対してローラ125の角度を調整する(図1)。図2A及び2Bに示すように、各制御アーム131、132は開口133を具えており、駆動ローラモジュール106の角度方向を調整するために使用する適切な部材に旋回可能に連結することが可能である。
【0015】
図2Bに最も良く分かるように示すが、フレーム126は、さらに基部135と、基部を支持する旋回機構137とを具える。図2Bの実施例では、旋回機構137は上側部139及び下側部141を具えており、これらは、互いに対し対向方向に回転して、これによって駆動ローラモジュール106を旋回させることができる。このような旋回を実現するようにベアリングなど好適な低摩擦部品を部分139と141の間に設ける。
【0016】
図3に、コンベヤシステム100のさらに一部を示す。さらに具体的には、図3は、駆動ローラ125とコンベヤベルトローラ118の相互作用を示す。特にコンベヤシステム100の他の構成部品を明瞭に示すため、コンベヤベルトフレーム108は図示していない。
【0017】
図3に示すように、駆動ローラ125は、コンベヤベルト120がベルトの移動方向114に動くことによって、駆動ローラとコンベヤベルトローラの間の摩擦力によりこれらの両方が回転するように、コンベヤベルトローラ118と接触するように配置されている。図3に示す方向では、駆動ローラ125は、矢印136によって示される下流方向に回転する。この回転によって、コンベヤベルトローラ118は、これらのシャフト138を中心に(すなわち回転軸)矢印140方向に回転するか「駆動される」。さらに、図3では、コンベヤベルトローラ118は、(コンベヤベルト102を上流の端部から見て)反時計回り方向に回転して、コンベヤベルトローラによって支持される物品の方向を図面において左方向へ変える。図3に示すように、各コンベヤベルトローラ118は、複数の駆動ローラ125によって上記の方法で駆動される。
【0018】
上述のように、駆動ローラモジュール106、従って駆動ローラ125は、中心の垂直軸134で旋回することができ、ベルトの移動方向に対してこれらの角度を調整することができる(図2A及び2B)。これらの駆動ローラ125は、個々に動作するか、集団で同調して動作する。図4は、後者の作動方式の機構を示している(コンベヤベルト102は図示せず)。図4に示すように、駆動ローラモジュール106の複数の行142と列144は、図2に関して記載した全体構造を具えている。図4にさらに示すように、駆動ローラモジュール106のこれらの行142は、ローラ125の角度方向を制御するようにリンク部材146で互いに連結されている。さらに具体的には、駆動ローラモジュール106の制御アーム132は、ロッド又はシャフトの形のリンク部材146に旋回可能に連結されている。一例として、この連結は、駆動ローラモジュール106の制御アーム132に設けられた開口133(図2A及び2B)を通ってリンク部材146の並んだ開口(図示せず)内へ延在するピン(図示せず)によって成される。例えば、旋回機構137の下側部141が固定されていることによって(図2A及び2B)各駆動ローラモジュール106の方向がその中心の垂直軸134に対して固定されている場合、リンク部材146が矢印148方向へ横に移動することで、ローラ125が中心の垂直軸で旋回することによってこれらの角度方向が調整される。
【0019】
リンク部材146は適切な手段で配置される。複数のリンク部材146が同時に配置されている実施例では、ローラ125の複数の行が同時に旋回されるものであり、リンク部材は、コンベヤシステム100のいずれかの側部に隣接して配置されて駆動ローラモジュール106の隣接する列144の制御アーム131に旋回可能に連結される単一の動作部材150に連結されている。このような場合、動作部材150が矢印151方向に縦に移動することで駆動ローラモジュール106の隣接する列144が旋回し、これによって、リンク部材146が横に移動して残りの駆動ローラモジュールを旋回させる。
【0020】
図5A及び5Bに、駆動ローラモジュール106の角度調整の様子を示す。コンベヤシステム100の他の構成部品を明瞭に示すためにコンベヤベルトフレーム108は図5A及び5Bに示していない。図5Aを参照すると、駆動ローラモジュール106が反時計回り方向(コンベヤベルト102を上から見て)に旋回すると、コンベヤベルトローラ118は、矢印152が示すように(コンベヤベルトを上流の端部から見て)反時計回り方向に旋回する。このようなコンベヤベルトローラ118の回転によって、物品Oが矢印154の方向に移動するような図5Aで左方向への方向転換動作が生じる。しかしながら、図5Bでは、駆動ローラモジュール106が時計回り方向(コンベヤベルト102を上から見て)に旋回することによって、コンベヤベルトローラ118は矢印155が示すように(コンベヤベルトを上流の端部から見て)時計回り方向に旋回し、物品Oが矢印156の方向に移動するような右方向への方向転換動作が生じる。
【0021】
図6A及び6Bは、駆動ローラモジュール106で可能な方向転換角度の変化を示している。図6Aに示すように、各駆動ローラモジュール106は、ローラ125の回転軸がコンベヤベルトの移動方向に対して垂直であるときの0度からαによって示される任意の負の角度へ潜在的に角度をなすことができる。図6Bに示すように、駆動ローラモジュール106は、また、0度からβによって示される任意の正の角度へ角度をなすことができる。いくつかの実施例では、αとβ双方は、0から90度までのいくらかの角度を包含しているので、角度変化を180度とみなすことができる。このように広範囲な角度変化が可能であるが、コンベヤベルトの速度及び駆動ローラ125とコンベヤベルトローラ118に使用する材料の制限によって、ローラスリップを避けることができる角度方向の範囲が制限される。しかしながら、少なくともおよそ−70度乃至70度の角度範囲では、既知の高摩擦面を使用することによって、少なくとも100feet/minuteのコンベヤベルトの速度を達成することができる。駆動ローラ125の角度変化は、得られる方向転換角度に直接的に相当する。例えば、駆動ローラ125が、図6Aに示すように0度から時計方向に35度の方向にあるとき、右方向に対して35度の方向転換角度が得られる。
【0022】
駆動ローラ125が、図7に示すように駆動ローラの回転軸がベルトの移動方向に対して垂直であって、駆動ローラの角度回転の方向がベルトの移動方向と一致している状態である0度の方向にあるとき、コンベヤベルトローラ118は、実質的に回転を止められ、「ブレーキをかけられる」。さらに、所望する場合には、駆動ローラモジュール106を0度の方向へ制御することによって、コンベヤベルト上の物品が望ましくない横方向に移動しないようにする。駆動ローラ125の角度方向を、初期の位置として0度から調整するとき、コンベヤベルトローラ118は、一方向又は他方向に徐々に加速され、これによって、摩擦プレート又は角度ローラがコンベヤベルトローラに突然接触するときに起こるローラスリップを低減するか全て共に起こらないようにすることができる。コンベヤベルトローラ125が徐々に加速されることで、比較的不安定な物品を傾けることなく方向転換することもできる。たとえば、方向転換される物品が比較的高さが高く、比較的小さい底部を有する場合には、駆動ローラの角度を0度からゆっくりと大きくすることによって物品をコンベヤベルト102の一方の側又は他の側へ徐々に加速することができる。
【0023】
角度を調整可能であることに加えて、駆動ローラモジュール106は、駆動ローラ125をコンベヤベルトローラ118に接触するか離脱するように任意に、垂直に動作することができる。このような機能性が図8A及び8Bに示されている。具体的には、図8Aは、コンベヤベルトローラ118と接触した駆動ローラ125を示し、図8Bは、コンベヤベルトローラと接触していない駆動ローラを示す。このような選択的に接触するか離脱する動作は、駆動ローラ125をコンベヤベルトローラ118と接触させるように上昇させ、コンベヤベルトローラと接触しないように駆動ローラを下降させる適切な機構(図示せず)によって提供される。
【0024】
上記のことから、コンベヤベルト内に収容されたローラを駆動する角度調整可能なローラを具えるコンベヤシステムによっていくつかの利点を達成できることが分かる。例えば、物品を様々な角度でコンベヤシステムのいずれかの側へ向けることができる。さらに、コンベヤベルトを横切る物品の横滑りを制御するようコンベヤベルトローラにブレーキをかけることができる。さらに、コンベヤベルトローラを実質的にスリップしないある所望の角速度まで加速することができる。
【0025】
このようなコンベヤシステムによって他の利点も実現できる。例えば、駆動ローラの個別の集団は、個別の制御機構(例えば連結部材)の条件によって、コンベヤベルトの移動方向だけではなく、コンベヤベルトの幅に沿ったコンベヤシステムの異なるゾーンで動作することができる。このような場合には、コンベヤベルトの物品の位置は、異なるゾーンの駆動ローラを個別に制御することによってかなり正確に制御することができる。実際には、画像ベースシステムなどの「高性能の」検出器や制御システムが提供される場合には、例えば、さらに先のコンベヤベルト上に物品を所望する順番および/または配列で物品が置くことができるように、個々の物品を識別して、ベルトに沿っておよび/または横切って正確に動かすことができる。
【0026】
図9に、コンベヤシステム200の一部の第2の実施例を示す。図示するように、コンベヤシステム200は、図1に示すコンベヤシステム100のいくつかの手段と同じである。従って、コンベヤシステム200は、複数の縦に方向付いた回転自在なコンベヤベルトローラ204を具えるコンベヤベルト202を全体に具えている。コンベヤベルト202は、矢印206によって示されるベルトの移動方向に移動する。さらに、システム200は、複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラ208を具える。しかしながら、システム200において、駆動ローラ208は、キャスタローラの代わりに細長い又は「縦の」ローラである。図9に示す実施例では、駆動ローラ206はコンベヤベルト202の幅よりも長い。
【0027】
図10A乃至10Cは、コンベヤベルト202に対して角度調整可能な駆動ローラ208を示す。具体的には、コンベヤベルトの移動方向が矢印206によって示される方向であるとすると、図10Aは、物品を左へ方向転換する駆動ローラ208の角度を示し、図10Bは、駆動ローラの「ブレーキ」方向を示し、図10Cは、物品を右へ方向転換する駆動ローラの角度を示す。
【0028】
コンベヤシステム100のように、駆動ローラ208は、様々な調整機構を使用して角度を調整することができる。図11A及び11Bは、このような機構の一つを示す(コンベヤベルトは、説明しやすくするために図示せず)。これらの図面に示すように、駆動ローラ208は、フレームの角部に配設された旋回ジョイント214で互いに旋回可能に連結された複数のフレーム部材212を具える四角形のフレーム210によって旋回可能に支持される。一例として、各旋回ジョイント214は、互いに交互に配置されてピン又はシャフト(図示せず)で互いを固定されたフレーム部材212の可動部によって形成される。このような構成では、フレーム210の向きは、図11Aに示されるように、フレーム部材212がそれぞれのフレームの角部がおよそ90度を形成する直交配向から、図11Bに示されるように2つの鋭角及び2つの鈍角がフレームの角部で形成され、これによってフレームが平行四辺形を形成するように配置される別の向きへ変わることができる。図11Aの直交配向では、駆動ローラ208は、図10Bに示すようにベルトの方向に対して垂直であるように整列する。それゆえ、図11Aの直交配向は、ブレーキ位置である。しかしながら、図11Bに示されるような他の位置では、駆動ローラ208は、ベルトの移動方向に対して角度を成して配置され、これによって方向転換機能を提供する。
【0029】
各駆動ローラ208は、方向と回転を自由に変えることができるジョイントによって両方の端部で支持される。図12の詳細図を参照すると、各駆動ローラ208は、例えば、フレーム部材212に取り付けられた支持ブラケット220を通って延在するピン218を受けるように構成された「アイ」連結具216を具えるシャフト215によって支持される。
【0030】
図11A及び11Bに戻ると、フレーム210は、例えばアクチュエータ222を使用することによって上記の方法で操作される。図11A及び11Bに示す実施例では、アクチュエータ222は、ピストンアーム226が延在するピストン本体部224を具えるピストン部材を具え、例えば、液圧又は空気圧の影響を受ける。ピストン本体部224とピストンアーム226は両方とも、ブラケット228に取り付けられた隣接するフレーム部材212に旋回可能に連結されている。このような構成では、ピストン本体部224内へのピストンアーム226の収縮が第1の角度方向において駆動ローラ208の角度を調整し、その一方で、ピストン本体部からのピストンアームの伸長は第2の反対の角度方向において駆動ローラの角度を調整する。このような操作は、図11A及び11Bから自明である。具体的には、図11Aは、ピストン本体部224からのピストンアーム226の第1の伸長の程度及び駆動ローラ208の第1の位置を示す一方、図11Bは、ピストン本体部からのピストンアームの第2の(より大きい)伸長の程度及び駆動ローラの第2の位置を示す。ピストンアーム226の適切な伸長及び収縮によって、駆動ローラ208の方向を正確に制御することができ、物品を図10A乃至10Cに示すように様々な方向転換角度でコンベヤベルト202のいずれかの側へ向けることができる。
【0031】
これまでの記述及び図面において、特定の実施例を詳細に開示しているが、例示であり、この開示した範囲から外れることなく、当業者は様々な変更や改良を成しうると理解される。このような変更の一つに、コンベヤベルトローラの軸を、コンベヤベルトの伸長部材として機能させることができる。このような場合には、コンベヤベルトフレーム及びこのリンクは、より高密度のローラにするために省略することができる。さらに、このような構成では、隣接するローラ面は対向方向へ動き、隣接して回転するローラの上方向の力によって、ある回転するローラの下方向への力を相殺するので、ベルトローラが回転するときのコンベヤベルト内へアイテムが引き下ろされる可能性を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、第1実施例のコンベヤシステムの一部の上面斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1のコンベヤシステムに使用される駆動ローラモジュールの上面斜視図である。
【図2B】図2Bは、図1のコンベヤシステムに使用される駆動ローラモジュールの下面斜視図である。
【図3】図3は、図1のコンベヤシステムのさらに一部の上面斜視図である。
【図4】図4は、図1のコンベヤシステムに使用される複数の駆動ローラモジュールの下面斜視図である。
【図5A】図5Aは、図3に示したコンベヤシステム部分の図であり、第1の方向における運搬動作を示す。
【図5B】図5Bは、図3に示したコンベヤシステム部分の図であり、第2の方向における運搬動作を示す。
【図6A】図6Aは、駆動ローラモジュールの上面図であり、第1の角度方向におけるモジュールの旋回を示す。
【図6B】図6Bは、駆動ローラモジュールの上面図であり、第2の角度方向におけるモジュールの旋回を示す。
【図7】図7は、図1のコンベヤシステムの一部の端面図であり、システムの角度調整可能な駆動ローラによって提供されるブレーキ機能を示す。
【図8A】図8Aは、図1のコンベヤシステムの一部の端部であり、角度調整可能な駆動ローラとコンベヤベルト駆動ローラの接触を示す。
【図8B】図8Bは、図1のコンベヤシステムの一部の端部であり、角度調整可能な駆動ローラとコンベヤベルト駆動ローラとが接触していない状態を示す。
【図9】図9は、第2の実施例のコンベヤシステムの一部の上面斜視図である。
【図10】図10A乃至10Cは、図9のコンベヤシステムの上面図であり、システムの駆動ローラを方向転換する角度へ調整する角度調整を示す。
【図11】図11A及び11Bは、図9のコンベヤシステムの駆動ローラの角度を調整するために使用される機構の一実施例の斜視図である。
【図12】図12は、図9のコンベヤシステムに送る駆動ローラの端部を支持するジョイントの一実施例の詳細図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤシステムにおいて:
コンベヤベルト上の物品の方向を変えるように構成された複数のコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトローラに接触する駆動機構とを具え、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラを駆動するように構成されており、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラを第1の角度方向か、第2の、反対の角度方向に選択的に駆動するように調整可能であり、物品は、所望の転換角度で前記コンベヤベルトのいずれかの側へ選択的に方向転換されることを特徴とするコンベヤシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コンベヤベルトローラが、物品の方向を前記コンベヤベルトを横切るどちらかの横方向に変えることができるように、前記コンベヤベルトローラは前記コンベヤベルトの移動方向に整列した回転軸を有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コンベヤベルトローラは、それらの回転軸の方向に伸長していることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラと接触する複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラを具え、前記駆動ローラの回転方向がベルトの移動方向に整列しないときに、この接触によって前記コンベヤベルトローラを回転させることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラは、これらが前記ベルトの移動方向と一致する方向に回転する向きから、これらが前記ベルトの移動方向に対して角度を成す方向に回転する向きへ調整できることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記駆動ローラの回転方向と前記ベルトの移動方向との間の角度が大きくなると、物品が前記コンベヤベルトによって方向転換される転換角度が大きくなることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して約−90度乃至約90度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して少なくとも約−70度乃至少なくとも約70度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項9】
コンベヤシステムにおいて:
コンベヤベルトを横切って物品の方向を変えるように構成された複数の回転自在なコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルトであって、前記コンベヤベルトローラが前記コンベヤベルトを横切るどちらかの横方向に物品の方向を変えることができるように、前記コンベヤベルトローラが前記ベルトの移動方向に整列した回転軸を有するコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトローラと接触する複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラとを具えており、前記駆動ローラの回転方向が前記ベルトの移動方向と一致しないときに、この接触によって前記コンベヤベルトローラを回転させ、前記コンベヤベルトの転換方向及び転換角度を変えるために前記駆動ローラの前記角度方向を前記ベルトの移動方向に対して調整可能であることを特徴とするコンベヤシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記コンベヤベルトローラがこれらの回転軸の方向に伸長していることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラは、これらが前記ベルトの移動方向と一致する方向に回転する向きから、これらが前記ベルトの移動方向に対して角度を成す方向に回転する向きへ調整可能であり、その角度は前記転換角度の大きさと同じであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して約−90度乃至約90度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して少なくとも約−70度乃至少なくとも約70度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラは、前記コンベヤベルトローラと選択的に接触するか離脱することを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、比較的短いキャスタローラを具えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、少なくとも2個の角度調整可能な駆動ローラが、コンベヤの動作中にコンベヤベルトローラに隣接して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、前記ベルトの移動方向に対して横方向の行、及び前記ベルトの移動方向に整列した列で配列されていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラの少なくともいくつかが、前記駆動ローラの少なくともいくつかの角度方向を独立して制御できるように独立して動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラの少なくともいくつかが、前記駆動ローラの少なくともいくつかの角度方向を同調して制御できるように集団で一緒に動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、これらの回転軸の方向に伸長していることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、フレームによって支持され、前記フレームの向きは調整可能であり、前記フレームの向きが調整されるときに、前記駆動ローラの向きが同調して調整されることを特徴とするシステム。
【請求項22】
コンベヤシステムにおいて:
フレームと、前記フレームによって支持される複数の回転自在なコンベヤベルトローラとを具えるコンベヤベルトであって、前記コンベヤベルトローラが前記フレームの上面より上及び前記フレームの下面より下に延在して前記コンベヤベルトを横切って物品の方向を変えるように構成されており、前記コンベヤベルトローラが前記コンベヤベルトを横切るどちらの横方向にも物品の方向を変えることができるように、前記コンベヤベルトローラは前記ベルトの移動方向に整列した回転軸を有しており、前記コンベヤベルトローラはこれらの回転軸に沿って伸長しているコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトの下の位置で前記コンベヤベルトローラと選択的に接触するか離脱する複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラであって、前記コンベヤベルトローラとの接触により、前記駆動ローラが、前記ベルトの移動方向以外に回転する向きから前記駆動ローラが前記ベルトの移動方向に回転する向きへと前記駆動ローラを選択的に方向付けるように、前記ベルトの移動方向に対して前記駆動ローラの角度方向を調整可能である駆動ローラと;を具え、
前記ベルトの移動方向へ駆動ローラを回転させると、前記コンベヤベルトローラにブレーキがかかりこれらを回転させず、前記ベルトの移動方向以外に駆動ローラを回転させると、前記駆動ローラと前記コンベヤベルトローラの間の摩擦力によって前記コンベヤベルトローラが駆動し;
前記駆動ローラが、前記ベルトの移動方向に対して少なくとも約−70度から少なくとも約70度へ実質的にどんな角度も成す方向に回転するように、前記駆動ローラの角度方向が調整されることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、前記ベルトの移動方向に対して横方向の行、及び前記ベルトの移動方向に整列する列で配列されている比較的短いキャスタローラを具えることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムにおいて、少なくとも2個の角度調整可能な駆動ローラが、コンベヤの動作中にコンベヤベルトローラに隣接して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項23に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラの少なくともいくつかが、前記駆動ローラの少なくともいくつかの角度方向を独立して制御できるように独立して動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、これらの回転軸の方向に伸長しており、少なくとも前記コンベヤベルトの幅と同じ長さであることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、フレームによって支持され、前記フレームの向きがアクチュエータによって調整可能であり、前記フレームの向きが調整されると、前記駆動ローラの向きが同調して調整されることを特徴とするシステム。
【請求項28】
物品を方向転換させる方法において、前記方法が:
複数の回転自在なコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルト上で前記物品を支持するステップと;
前記コンベヤベルトローラが、回転自在の角度調整可能な駆動ローラと接触するステップと;
前記コンベヤベルトの転換角度を調整するために、ベルトの移動方向に対して前記駆動ローラの角度方向を調整するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法がさらに、前記コンベヤベルトローラにブレーキをかけるために、前記駆動ローラの回転方向が前記コンベヤベルトの移動方向と一致するように、前記駆動ローラの前記角度方向を調整するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法がさらに、前記コンベヤベルトローラが角速度ゼロから最終的な角速度まで加速されるように、前記駆動ローラの回転方向が前記コンベヤベルトの移動方向と一致する向きから、前記駆動ローラの回転方向が前記ベルトの移動方向に対して角度をなす向きへと、前記駆動ローラの前記角度方向を調整するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項1】
コンベヤシステムにおいて:
コンベヤベルト上の物品の方向を変えるように構成された複数のコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトローラに接触する駆動機構とを具え、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラを駆動するように構成されており、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラを第1の角度方向か、第2の、反対の角度方向に選択的に駆動するように調整可能であり、物品は、所望の転換角度で前記コンベヤベルトのいずれかの側へ選択的に方向転換されることを特徴とするコンベヤシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コンベヤベルトローラが、物品の方向を前記コンベヤベルトを横切るどちらかの横方向に変えることができるように、前記コンベヤベルトローラは前記コンベヤベルトの移動方向に整列した回転軸を有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コンベヤベルトローラは、それらの回転軸の方向に伸長していることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記駆動機構は、前記コンベヤベルトローラと接触する複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラを具え、前記駆動ローラの回転方向がベルトの移動方向に整列しないときに、この接触によって前記コンベヤベルトローラを回転させることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラは、これらが前記ベルトの移動方向と一致する方向に回転する向きから、これらが前記ベルトの移動方向に対して角度を成す方向に回転する向きへ調整できることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記駆動ローラの回転方向と前記ベルトの移動方向との間の角度が大きくなると、物品が前記コンベヤベルトによって方向転換される転換角度が大きくなることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して約−90度乃至約90度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して少なくとも約−70度乃至少なくとも約70度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項9】
コンベヤシステムにおいて:
コンベヤベルトを横切って物品の方向を変えるように構成された複数の回転自在なコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルトであって、前記コンベヤベルトローラが前記コンベヤベルトを横切るどちらかの横方向に物品の方向を変えることができるように、前記コンベヤベルトローラが前記ベルトの移動方向に整列した回転軸を有するコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトローラと接触する複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラとを具えており、前記駆動ローラの回転方向が前記ベルトの移動方向と一致しないときに、この接触によって前記コンベヤベルトローラを回転させ、前記コンベヤベルトの転換方向及び転換角度を変えるために前記駆動ローラの前記角度方向を前記ベルトの移動方向に対して調整可能であることを特徴とするコンベヤシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記コンベヤベルトローラがこれらの回転軸の方向に伸長していることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラは、これらが前記ベルトの移動方向と一致する方向に回転する向きから、これらが前記ベルトの移動方向に対して角度を成す方向に回転する向きへ調整可能であり、その角度は前記転換角度の大きさと同じであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して約−90度乃至約90度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記転換角度が前記ベルトの移動方向に対して少なくとも約−70度乃至少なくとも約70度にわたることができることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラは、前記コンベヤベルトローラと選択的に接触するか離脱することを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、比較的短いキャスタローラを具えることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、少なくとも2個の角度調整可能な駆動ローラが、コンベヤの動作中にコンベヤベルトローラに隣接して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、前記ベルトの移動方向に対して横方向の行、及び前記ベルトの移動方向に整列した列で配列されていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラの少なくともいくつかが、前記駆動ローラの少なくともいくつかの角度方向を独立して制御できるように独立して動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラの少なくともいくつかが、前記駆動ローラの少なくともいくつかの角度方向を同調して制御できるように集団で一緒に動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、これらの回転軸の方向に伸長していることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、フレームによって支持され、前記フレームの向きは調整可能であり、前記フレームの向きが調整されるときに、前記駆動ローラの向きが同調して調整されることを特徴とするシステム。
【請求項22】
コンベヤシステムにおいて:
フレームと、前記フレームによって支持される複数の回転自在なコンベヤベルトローラとを具えるコンベヤベルトであって、前記コンベヤベルトローラが前記フレームの上面より上及び前記フレームの下面より下に延在して前記コンベヤベルトを横切って物品の方向を変えるように構成されており、前記コンベヤベルトローラが前記コンベヤベルトを横切るどちらの横方向にも物品の方向を変えることができるように、前記コンベヤベルトローラは前記ベルトの移動方向に整列した回転軸を有しており、前記コンベヤベルトローラはこれらの回転軸に沿って伸長しているコンベヤベルトと;
前記コンベヤベルトの下の位置で前記コンベヤベルトローラと選択的に接触するか離脱する複数の回転自在の角度調整可能な駆動ローラであって、前記コンベヤベルトローラとの接触により、前記駆動ローラが、前記ベルトの移動方向以外に回転する向きから前記駆動ローラが前記ベルトの移動方向に回転する向きへと前記駆動ローラを選択的に方向付けるように、前記ベルトの移動方向に対して前記駆動ローラの角度方向を調整可能である駆動ローラと;を具え、
前記ベルトの移動方向へ駆動ローラを回転させると、前記コンベヤベルトローラにブレーキがかかりこれらを回転させず、前記ベルトの移動方向以外に駆動ローラを回転させると、前記駆動ローラと前記コンベヤベルトローラの間の摩擦力によって前記コンベヤベルトローラが駆動し;
前記駆動ローラが、前記ベルトの移動方向に対して少なくとも約−70度から少なくとも約70度へ実質的にどんな角度も成す方向に回転するように、前記駆動ローラの角度方向が調整されることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、前記ベルトの移動方向に対して横方向の行、及び前記ベルトの移動方向に整列する列で配列されている比較的短いキャスタローラを具えることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムにおいて、少なくとも2個の角度調整可能な駆動ローラが、コンベヤの動作中にコンベヤベルトローラに隣接して配置されることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項23に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラの少なくともいくつかが、前記駆動ローラの少なくともいくつかの角度方向を独立して制御できるように独立して動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、これらの回転軸の方向に伸長しており、少なくとも前記コンベヤベルトの幅と同じ長さであることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムにおいて、前記角度調整可能な駆動ローラが、フレームによって支持され、前記フレームの向きがアクチュエータによって調整可能であり、前記フレームの向きが調整されると、前記駆動ローラの向きが同調して調整されることを特徴とするシステム。
【請求項28】
物品を方向転換させる方法において、前記方法が:
複数の回転自在なコンベヤベルトローラを具えるコンベヤベルト上で前記物品を支持するステップと;
前記コンベヤベルトローラが、回転自在の角度調整可能な駆動ローラと接触するステップと;
前記コンベヤベルトの転換角度を調整するために、ベルトの移動方向に対して前記駆動ローラの角度方向を調整するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法がさらに、前記コンベヤベルトローラにブレーキをかけるために、前記駆動ローラの回転方向が前記コンベヤベルトの移動方向と一致するように、前記駆動ローラの前記角度方向を調整するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法がさらに、前記コンベヤベルトローラが角速度ゼロから最終的な角速度まで加速されるように、前記駆動ローラの回転方向が前記コンベヤベルトの移動方向と一致する向きから、前記駆動ローラの回転方向が前記ベルトの移動方向に対して角度をなす向きへと、前記駆動ローラの前記角度方向を調整するステップを具えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【公表番号】特表2009−524566(P2009−524566A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552439(P2008−552439)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/002192
【国際公開番号】WO2007/089597
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/002192
【国際公開番号】WO2007/089597
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】
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