説明

物品仕分システム

【課題】物品の仕分先や物品の種類が多く、物品の数量が少ない場合でも、効率的に、短時間に仕分することができるとともに、作業者の負担が少なく仕分ミスを低減できる物品仕分システムを提供すること。
【解決手段】供給すべき物品を収容する供給ボックス122から物品を取り出し可能な複数の供給間口121を有する供給棚120と、仕分すべき物品を投入する仕分ボックス112を載置し物品を投入可能な複数の仕分間口111を有する仕分棚111と、仕分情報に基づいて供給すべき物品と投入すべき仕分先を作業者に指示し供給間口シャッター123の開閉を制御する仕分制御手段150とを有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、多品種の物品を仕分する物品仕分システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、多品種の物品を集中的に在庫管理し、多数の仕分先ごとに、発注された物品の種類、数量に応じて仕分して配送するという管理が行われている。
このように物品を仕分する場合は、図6に示すように多段の棚を有する仕分棚510が用いられ、多数の物品を載置した台車501を作業者が仕分棚510の位置まで移動させて、台車501に載置している物品を、夫々の物品と対応した仕分先の棚に載置された仕分ボックス512へ移し換えることにより仕分している。
【0003】
しかし、この仕分方法では、仕分棚510の高さを高くすると仕分の作業性が低下し、台車501が通るための広い通路を確保するための広い床面積を必要とする。
また、作業者が台車501を仕分棚510に沿って往復して仕分作業を行うため、作業能率が悪い等の問題がある。
【0004】
そこで、図7に示すように、仕分棚610を、複数段の棚を有する複数の棚ユニット612が並設して無端状に連結されるように構成し、棚ユニット612がガイドレール等に支持されて移動可能として、仕分制御手段650により目的とする棚ユニット612を作業者の直近まで移動させるようにした物品仕分システム600が公知である。
【0005】
この物品仕分システム600によれば、作業者が仕分すべき同品種の物品を多量積載した台車601を仕分制御手段650の前方まで移動して運んだ後、仕分制御手段650を操作することにより、指示した棚ユニット612が仕分棚610の作業者側に停止する。
仕分棚610の作業者側には表示部611が設けられており、表示部611により棚ユニット612の上下方向の棚段が報知され、作業者が台車601上の物品を、表示部611が報知している仕分先に対応する棚段に投入する(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、物品の搬入を台車によらず供給ボックスに収容してコンベヤ等で仕分を行う作業者の作業位置まで搬入し、かつ、仕分棚の上下方向および幅方向に複数の仕分間口を設けることで、作業効率を向上させた物品仕分システムも公知である(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平7−17249号公報(全頁、全図)
【特許文献2】特開2006−1726号公報(全頁、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示す物品仕分システムでは、仕分先が多く、しかも1つの仕分先に対する物品の数量が少ない場合は、同品種の物品を夫々仕分するために、棚ユニットを回転させる頻度が多くなって、作業効率が悪く迅速に仕分できないという問題があった。
また、物品の種類が多く1回に仕分ける物品の数量が少ない場合、物品の種類ごとに台車による搬入を行うこととなり作業効率が悪く、作業効率を上げるため台車に複数の種類の物品を同時に載置して搬入した場合、作業者による物品の仕分ミスを生じやすくなるという問題があった。
【0009】
また、特許文献2に示す物品仕分システムにおいても、物品の種類が多く1回に仕分ける物品の数量が少ない場合、物品の種類ごとに供給ボックスによる搬入を行うこととなり作業効率が悪く、作業効率を上げるため供給ボックスに複数の種類の物品を同時に収容して搬入した場合、作業者による物品の仕分ミスを生じやすくなるという問題があった。
【0010】
また、公知の物品仕分システムは、いずれも、効率化のため複数の仕分棚の仕分間口数を増加させるほど、物品を投入すべき仕分棚を作業者が間違うという仕分ミスを生じやすくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、物品の仕分先や物品の種類が多く、物品の数量が少ない場合でも、効率的に、短時間に仕分することができるとともに、作業者の負担が少なく仕分ミスを低減できる物品仕分システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本請求項1に係る発明は、供給すべき物品を収容する供給ボックスと、該供給ボックスから物品を取り出し可能な複数の供給間口を有する供給棚と、仕分すべき物品を投入する仕分ボックスと、該仕分ボックスに物品を投入可能な複数の仕分間口を有する仕分棚と、仕分情報に基づいて供給すべき物品と投入すべき仕分先を作業者に指示する仕分制御手段とを有する物品仕分システムにおいて、前記複数の供給間口が、それぞれ作業者による物品の取り出しの障害となる供給間口シャッターを有し、前記仕分制御手段が、供給すべき物品に応じて前記供給間口シャッターの開閉を制御することにより、前記課題を解決するものである。
【0013】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記複数の仕分間口が、それぞれ作業者による物品の投入の障害となる仕分間口シャッターを有し、前記仕分制御手段が、物品を投入すべき仕分先に応じて前記仕分間口シャッターの開閉を制御することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0014】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記複数の供給間口が、それぞれ載置された供給ボックスの物品の数量を計量可能な供給物品計量手段を有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0015】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記仕分棚が、仕分ボックス投入ステーション、仕分ボックス搬出ステーションおよび前記仕分間口の間で仕分ボックスを無端状に移送可能な仕分ボックス移送手段を縦方向に複数並設しており、前記仕分制御手段が、前記仕分ボックス移送手段を制御して仕分ボックスを所定の仕分間口の位置に移送することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0016】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記複数の供給間口が、それぞれ作業者が供給ボックスから取り出すべき物品の数量を表示する供給数表示部を備え、前記複数の仕分間口が、それぞれ作業者が仕分ボックスに投入すべき物品の数量を表示する投入数表示部と、作業者により操作される投入完了スイッチとを備え、前記仕分制御手段が、前記供給数表示部および投入数表示部の表示を制御するとともに、前記投入完了スイッチの信号を受けて前記仕分ボックス移送手段を制御し仕分ボックスを仕分ボックス搬出ステーションに移送することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0017】
本請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記供給棚が、作業者によって所定の供給間口に個別に供給ボックスを投入可能な供給ボックス移送手段を有し、前記仕分制御手段が、投入すべき供給ボックスを指示することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0018】
本請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記仕分制御手段が、物品の在庫管理手段と情報通信を行うように構成されるとともに、該在庫管理手段からの情報に基づいて、前記供給ボックス移送手段への供給ボックスの投入を指示するように構成されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0019】
本請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された物品仕分システムの構成に加えて、前記仕分制御手段が、前記供給棚に関する指示制御を行う供給棚管理部と前記仕分棚に関する指示制御を行う仕分棚管理部とを有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の物品仕分システムは、供給すべき物品を収容する供給ボックスと、該供給ボックスから物品を取り出し可能な複数の供給間口を有する供給棚と、仕分すべき物品を投入する仕分ボックスと、該仕分ボックスを載置し物品を投入可能な複数の仕分間口を有する仕分棚と、仕分情報に基づいて供給すべき物品と投入すべき仕分先を作業者に指示する仕分制御手段とを有することで、仕分先が多く、1つの仕分先に対する物品の数量が少ない場合でも、複数の仕分間口を有することにより仕分ボックスの移動頻度を少なくすることができるため、作業効率が向上し迅速に仕分けることが可能となる。
【0021】
また、物品の種類が多く1回に仕分ける物品の数量が少ない場合でも、複数の供給間口を有することにより、物品の種類ごとに搬入を行う頻度を少なくすることができるため、作業効率が向上し迅速に仕分けることが可能となるとともに、以下のような格別の効果を奏するものである。
【0022】
本請求項1に係る発明の物品仕分システムは、複数の供給間口が、それぞれ作業者による物品の取り出しの障害となる供給間口シャッターを有し、仕分制御手段が供給すべき物品に応じて供給間口シャッターの開閉を制御することにより、作業者が間違った供給ボックスから物品を取り出すことを確実に防止することができ、作業者の負担が少なく仕分ミスを低減することができる。
【0023】
本請求項2に係る発明の物品仕分システムは、請求項1に係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、複数の仕分間口が、それぞれ作業者による物品の投入の障害となる仕分間口シャッターを有し、仕分制御手段が物品を投入すべき仕分先に応じて仕分間口シャッターの開閉を制御することにより、作業者が間違った仕分ボックスに物品を投入することを確実に防止することができ、作業者の負担が少なく仕分ミスをさらに低減することができる。
【0024】
本請求項3に係る発明の物品仕分システムは、請求項1または請求項2に係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、複数の供給間口が、それぞれ当該供給間口に位置する供給ボックスの物品の数量を計量可能な供給物品計量手段を有することにより、作業者が仕分のために取り出した供給ボックス内の物品の数量を自動的に係数することが可能となり、仕分する物品の数量のミスを低減することが出来るとともに、仕分が完了した物品の供給ボックスを作業者が指示することなく自動的に検知することができ、作業効率が向上することができる。
【0025】
本請求項4に係る発明の物品仕分システムは、請求項1乃至請求項3のいずれかに係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、仕分棚が、仕分ボックス投入ステーション、仕分ボックス搬出ステーションおよび仕分間口の間で仕分ボックスを無端状に移送可能な仕分ボックス移送手段を縦方向に複数並設しており、仕分制御手段が仕分ボックス移送手段を制御して仕分ボックスを所定の仕分間口の位置に移送することにより、仕分制御手段によって物品の管理、仕分作業の管理等を、仕分ボックスの搬入、仕分間口のへの移送、搬出を含めて統合して行うことが可能となるため、さらに作業効率が向上し迅速に仕分けることが可能となる。
【0026】
本請求項5に係る発明の物品仕分システムは、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、複数の供給間口が、それぞれ作業者が供給ボックスから取り出すべき物品の数量を表示する供給数表示部を備え、複数の仕分間口が、それぞれ作業者が仕分ボックスに投入すべき物品の数量を表示する投入数表示部と、作業者により操作される投入完了スイッチとを備え、仕分制御手段が、供給数表示部および投入数表示部の表示を制御するとともに、投入完了スイッチの信号を受けて仕分ボックス移送手段を制御し仕分ボックスを仕分ボックス搬出ステーションに移送することにより、作業者が目視で仕分作業の手順を確認することが可能となるため、作業者の作業効率がさらに向上し迅速に仕分けることが可能となるとともに、仕分ミスをさらに低減することができる。
【0027】
本請求項6に係る発明の物品仕分システムは、請求項1乃至請求項5のいずれかに係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、供給棚が、作業者によって所定の供給間口に個別に供給ボックスを投入可能な供給ボックス移送手段を有、仕分制御手段が投入すべき供給ボックスを指示することにより、多種類の物品を仕分する際の供給ボックスの投入の作業効率が向上するとともに、供給ボックスの誤投入を防止し、仕分ミスをさらに低減することができる。
【0028】
本請求項7に係る発明の物品仕分システムは、請求項1乃至請求項6のいずれかに係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、仕分制御手段が、物品の在庫管理手段と情報通信を行うように構成されるとともに、該在庫管理手段からの情報に基づいて、供給ボックス移送手段への供給ボックスの投入を指示するように構成されていることにより、在庫管理手段からの物品の在庫情報に応じて仕分可能な仕分ボックスを選択することが可能となるとともに、必要な物品を在庫管理手段に通知して補充等の指示を行うことが可能となり、システム全体の作業効率を向上することができる。
【0029】
本請求項8に係る発明の物品仕分システムは、請求項1乃至請求項7のいずれかに係る物品仕分システムが奏する効果に加えて、仕分制御手段が、供給棚に関する指示制御を行う供給棚管理部と仕分棚に関する指示制御を行う仕分棚管理部とを有することにより、それぞれ独立して指示制御を行うことができるため、供給間口の数や、仕分間口の数に応じてそれぞれ最適な管理を行うことが可能となり、物品の仕分先、物品の種類、物品の数量等に応じてシステム全体を柔軟に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例である物品仕分システムの全体平面図。
【図2】図1の物品仕分システムの側面図。
【図3】図1の物品仕分システムの供給棚の側面図。
【図4】図1の物品仕分システムの供給棚の供給間口の正面図。
【図5】図1の物品仕分システムの仕分棚の仕分間口の正面図。
【図6】本発明の一実施例である物品仕分システムの制御概念図。
【図7】従来の物品仕分システムの説明図。
【図8】従来の他の物品仕分システムの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の物品仕分システムは、供給すべき物品を収容する供給ボックスと、該供給ボックスから物品を取り出し可能な複数の供給間口を有する供給棚と、仕分すべき物品を投入する仕分ボックスと、該仕分ボックスに物品を投入可能な複数の仕分間口を有する仕分棚と、仕分情報に基づいて供給すべき物品と投入すべき仕分先を作業者に指示する仕分制御手段とを有する物品仕分システムにおいて、複数の供給間口が、それぞれ作業者による物品の取り出しの障害となる供給間口シャッターを有し、仕分制御手段が、供給すべき物品に応じて供給間口シャッターの開閉を制御し、物品の仕分先や物品の種類が多く、物品の数量が少ない場合でも、効率的に、短時間に仕分することができるとともに、作業者の負担が少なく仕分ミスを低減できるという効果を発揮するものであれば、その具体的な実施態様はいかなるものであっても良い。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明の実施例である物品仕分システムについて、図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例である物品仕分システム100の仕分棚110は、図1、図2に示すように、仕分ボックス112を無端状に移送可能な仕分ボックス移送手段114を縦方向に3段並設して構成され、無端状の移送経路の折り返し部に、仕分ボックス投入ステーションおよび仕分ボックス搬出ステーションを兼ねた仕分ボックス搬出入ステーション113を有し、一方の直線部の側面に、仕分ボックス112に物品を投入可能な複数の仕分間口111を有している。
【0033】
仕分ボックス搬出入ステーション113には、仕分ボックス移送手段114の各段に対応ごとにローラコンベア等の仕分ボックス搬出入手段117が設けられており、作業者が、空の仕分ボックス112を仕分ボックス移送手段114に投入し、仕分が完了して物品が収容された仕分ボックス112を仕分ボックス移送手段114から搬出するように構成されている。
また、仕分ボックス搬出入ステーション113には、作業者が目視できる適宜の位置に、仕分作業全体の各種情報を適宜表示する集中表示手段151が設けられている。
【0034】
供給棚120は、図1乃至図3に示すように、供給ボックス122から物品を取り出し可能な3段3列の供給間口121を有し、作業者が、各段各列の供給間口121に供給ボックス122を投入するローラコンベア等の直線移送手段からなる供給ボックス移送手段125を個別に備えている。
【0035】
本実施例の物品仕分システム100では、図1に示すように、仕分棚110は、仕分間口111が対面するように平行して2台設置されており、供給棚120は、2台の仕分棚110の対面する仕分間口111に供給間口121が直角に面するように1台設けられている。
なお、供給棚120および仕分棚110の設置台数およびレイアウトは、供給間口121と仕分間口111が近接するような配置であれば、作業環境に応じて任意に設定可能である。
また、仕分棚110の近傍には、仕分情報や検出情報に基づいて各種演算や通信処理を行い、各表示装置や各可動装置の制御を行う仕分制御手段150が設けられている。
【0036】
供給間口121は、図4に示すように、供給棚120の作業者側に供給ボックス122が面するように3段3列に配置されており、各供給間口121には、供給ボックス122から物品を取り出す障害となる位置に、開閉可能な供給間口シャッター123が設けられている。
【0037】
また、各供給間口121の上部には、当該供給間口121に位置する供給ボックス122から取り出すべき物品の数量や残量等の情報を表示する供給間口表示パネル124が設けられている。
【0038】
さらに、各供給間口121の下部には、当該位置の供給ボックス122の重量情報等に基づいて供給ボックス122内の物品の数量を計量可能な供給物品計量手段126(図示せず)が設けられているとともに、供給間口121側の供給棚120上部には、仕分作業全体に関する各種情報を適宜表示する集中表示手段151が設けられている。
【0039】
なお、供給物品計量手段126は、物品に添付されたIDタグを電波、静電容量等で読み取り、あるいはカメラや赤外線センサ等によって光学的に読み取って、物品の取り出し・投入回数をカウントするものや、供給ボックス122内の情報処理して数量を把握するものであっても良い。
また、その設置部も下部に限定されず、それらの検出手段に応じて、各供給間口121の適宜の場所であっても良い。
【0040】
仕分間口111は、図5に示すように、仕分棚110の作業者側に仕分ボックス112が面するように3段4列に配置されており、各仕分間口111には、仕分ボックス112に物品を投入する障害となる位置に、開閉可能な仕分間口シャッター115が設けられている。
【0041】
また、各仕分間口111の下部には、当該仕分間口111に位置する仕分ボックス112に投入すべき物品の数量や残量等の情報を表示するとともに、作業者が操作する投入完了スイッチ118を備えた供給間口表示パネル124が設けられている。
【0042】
仕分制御手段150は、図6に示すように、供給棚120の供給物品計量手段126からの検出信号を処理し、供給間口シャッター123の開閉、供給間口表示パネル124の表示に関する制御を行う供給棚管理部153と、仕分棚110の投入完了スイッチ118の検出信号を処理し、仕分ボックス移送手段114の移動、仕分間口シャッター115の開閉、仕分間口表示パネル116の表示に関する制御を行う仕分棚管理部152とを有する。
【0043】
また、仕分制御手段150は、集中表示手段151に仕分作業全体に関する各種情報を表示するとともに、物品の在庫管理手段154および顧客管理や発注管理等を行う上位システム155と情報通信を行うように構成されている。
なお、この仕分制御手段150は、物理的に単体のコンピュータ等で構成されても良く、複数のコンピュータやコントローラ等で構成されても良い。
【0044】
以上のように構成された本発明の物品仕分システム100による仕分作業について説明する。
まず、仕分制御手段150が上位システム155から仕分作業情報を取得すると、必要な仕分先ごとの仕分ボックス112とその投入先を、図2に示す、仕分ボックス搬出入ステーション113の位置で作業する作業者Bに集中表示手段151によって表示するとともに、仕分すべき物品ごとの供給ボックス122とその投入先を、供給棚120の供給間口121の反対側の位置で作業する作業者Cに集中表示手段151(図示せず)によって表示する。
【0045】
この時、仕分制御手段150は在庫管理手段154と通信し、仕分作業に必要な物品の在庫に応じて、仕分作業の変更を上位システム155に通知したり、必要な物品を在庫管理手段154に通知して補充等の指示を行うことが可能である。
【0046】
必要な物品の供給ボックス122が所定の供給間口121にセットされると、仕分制御手段150の供給棚管理部153は、供給物品計量手段126からの信号を受けて物品の数を把握するとともに、当該供給間口表示パネル124に供給すべき物品の個数を表示する。
【0047】
必要な仕分先の仕分ボックス112がセットされると、仕分制御手段150の仕分棚管理部152は、仕分ボックス移送手段114を作動させて仕分ボックス112を所定の仕分間口111の位置に移動させ、当該仕分間口表示パネル116に供給すべき物品の必要個数を表示する。
【0048】
そして、仕分制御手段150の仕分棚管理部152は、仕分情報に基づいて、物品を仕分けるべき仕分ボックス112の位置する仕分間口111の仕分間口シャッター115を開状態とするとともに、仕分制御手段150の供給棚管理部153は、仕分情報に基づいて、次に仕分けるべき物品の収容された供給ボックス122の位置する供給間口121の供給間口シャッター123を開状態とする。
【0049】
仕分間口111および供給間口121の近傍で仕分作業を行う作業者Aは、集中表示手段151で仕分作業の内容を確認するとともに、各仕分間口111および供給間口121の表示と仕分間口シャッター115および供給間口シャッター123の状態を確認することで、次に行う作業を簡単に把握することができる。
【0050】
この時、必要な物品の供給間口121および必要な仕分先の仕分間口111以外の供給間口シャッター123および仕分間口シャッター115は全て閉状態であるため、誤った物品を取り出したり、誤った仕分先に物品を投入することが防止される。
【0051】
作業者Aは、供給間口シャッター123が開状態の供給間口121の物品を、仕分間口シャッター115が開状態の仕分間口111に、指示された個数だけ投入を行い、当該仕分間口111に対応する仕分間口表示パネル116に設けられた投入完了スイッチ118を操作する。
【0052】
投入完了スイッチ118の信号を受け、仕分制御手段150の仕分棚管理部152は当該仕分間口111の仕分間口シャッター115を閉状態とし、次に仕分けるべき仕分先の仕分ボックス112の位置する仕分間口111の仕分間口シャッター115を開状態とする。
【0053】
次の作業が異なる物品である場合には、仕分制御手段150の供給棚管理部153は、開状態であった供給間口121の供給間口シャッター123を閉状態とし、次に仕分けるべき物品の収容された供給ボックス122の位置する供給間口121の供給間口シャッター123を開状態とする。
【0054】
また、仕分制御手段150の供給棚管理部153は、供給物品計量手段126からの信号を受けて供給ボックス122内の物品の数量を常に把握し、供給すべき物品数に満たなくなった時に、供給棚120の供給間口121の反対側の位置で作業する作業者Cに供給ボックス122を投入するよう集中表示手段151(図示せず)によって表示する。
【0055】
上記の作業を繰り返し、仕分制御手段150の仕分棚管理部152が、投入完了スイッチ118の信号を受けた時に、当該仕分間口111の仕分ボックス112に必要な種類、必要な個数の物品の投入が全て完了したと判断すると、仕分ボックス移送手段114を作動させて当該仕分ボックス112を仕分ボックス搬出入ステーション113の位置まで移動し、仕分ボックス搬出入ステーション113の位置で作業する作業者Bに搬出するよう集中表示手段151によって表示する。
【0056】
なお、必要な種類、必要な個数の物品の投入が全て完了した仕分ボックス112の搬出動作は、各仕分間口111で完了するごとに動作しても良く、段ごとに4個が完了した時点で動作しても良く、3段4列の12個全てが完了した時点で動作しても良い。
また、各表示は、画像、文字、点滅、等いかなるものでも良く、音声やブザー、チャイム等による表示でも良く、それらを組み合わせたものであっても良い。
【0057】
以上のように、本発明の物品仕分システム100によれば、物品の仕分先や物品の種類が多く、物品の数量が少ない場合でも、効率的に、短時間に仕分することができるとともに、作業者の負担が少なく仕分ミスを低減できるなど、その効果は甚大である。
【0058】
なお、本発明の物品仕分システム100の各構成部材の構造、あるいは、全体の構成部材の配置等は、各請求項に記載の技術的事項の範囲内のものであれば、上記実施例のものに限定されず、いかなるものであっても良い。
【符号の説明】
【0059】
100、 600 ・・・物品仕分システム
501、601 ・・・台車
110、510、610 ・・・仕分棚
111 ・・・仕分間口
611 ・・・表示部
112、512 ・・・仕分ボックス
113 ・・・仕分ボックス搬出入ステーション
114 ・・・仕分ボックス移送手段
115 ・・・仕分間口シャッター
116 ・・・仕分間口表示パネル
117 ・・・仕分ボックス搬出入手段
118 ・・・投入完了スイッチ
612 ・・・棚ユニット
120 ・・・供給棚
121 ・・・供給間口
122 ・・・供給ボックス
123 ・・・供給間口シャッター
124 ・・・供給間口表示パネル
125 ・・・供給ボックス移送手段
126 ・・・供給物品計量手段
150、 650 ・・・仕分制御手段
151 ・・・集中表示手段
152 ・・・仕分棚管理部
153 ・・・供給棚管理部
154 ・・・在庫管理手段
155 ・・・上位システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給すべき物品を収容する供給ボックスと、該供給ボックスから物品を取り出し可能な複数の供給間口を有する供給棚と、仕分すべき物品を投入する仕分ボックスと、該仕分ボックスに物品を投入可能な複数の仕分間口を有する仕分棚と、仕分情報に基づいて供給すべき物品と投入すべき仕分先を作業者に指示する仕分制御手段とを有する物品仕分システムにおいて、
前記複数の供給間口が、それぞれ作業者による物品の取り出しの障害となる供給間口シャッターを有し、
前記仕分制御手段が、供給すべき物品に応じて前記供給間口シャッターの開閉を制御することを特徴とする物品仕分システム。
【請求項2】
前記複数の仕分間口が、それぞれ作業者による物品の投入の障害となる仕分間口シャッターを有し、
前記仕分制御手段が、物品を投入すべき仕分先に応じて前記仕分間口シャッターの開閉を制御することを特徴とする請求項1に記載の物品仕分システム。
【請求項3】
前記複数の供給間口が、それぞれ当該供給間口に位置する供給ボックス内の物品の数量を計量可能な供給物品計量手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品仕分システム。
【請求項4】
前記仕分棚が、仕分ボックス投入ステーション、仕分ボックス搬出ステーションおよび前記仕分間口の間で仕分ボックスを無端状に移送可能な仕分ボックス移送手段を縦方向に複数並設しており、
前記仕分制御手段が、前記仕分ボックス移送手段を制御して仕分ボックスを所定の仕分間口の位置に移送することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の物品仕分システム。
【請求項5】
前記複数の供給間口が、それぞれ作業者が供給ボックスから取り出すべき物品の数量を表示する供給数表示部を備え、
前記複数の仕分間口が、それぞれ作業者が仕分ボックスに投入すべき物品の数量を表示する投入数表示部と、作業者により操作される投入完了スイッチとを備え、
前記仕分制御手段が、前記供給数表示部および投入数表示部の表示を制御するとともに、前記投入完了スイッチの信号を受けて前記仕分ボックス移送手段を制御し仕分ボックスを仕分ボックス搬出ステーションに移送することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物品仕分システム。
【請求項6】
前記供給棚が、作業者によって所定の供給間口に個別に供給ボックスを投入可能な供給ボックス移送手段を有し、
前記仕分制御手段が、投入すべき供給ボックスを指示することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の物品仕分システム。
【請求項7】
前記仕分制御手段が、物品の在庫管理手段と情報通信を行うように構成されるとともに、該在庫管理手段からの情報に基づいて、前記供給ボックス移送手段への供給ボックスの投入を指示するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の物品仕分システム。
【請求項8】
前記仕分制御手段が、前記供給棚に関する指示制御を行う供給棚管理部と前記仕分棚に関する指示制御を行う仕分棚管理部とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の物品仕分システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−251833(P2011−251833A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128217(P2010−128217)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】