説明

物品仕分設備

【課題】物品仕分設備において、物品を投入する区画と投入個数を誤ることがないようにすることを課題とする。
【解決手段】仕分けする物品(84)を搭載したカート(40)と、複数の区画(70)に区画され、当該区画に物品投入を指定されたカートが近接しているときだけ当該区画の開閉扉(72)が開く物品仕分棚(60)とを備える物品仕分設備において、前記カートは、搭載した物品の総重量を測定する電子秤(41)と、当該区画に投入する物品の個数を表示するタッチパネルディスプレイ(44)と、物品投入を指定された区画の前に来ると、当該区画の開閉扉を開かせ、当該区画に投入する個数をタッチパネルディスプレイに表示させ、電子秤で測定した物品の総重量の変化から当該区画へ前記物品を指定された個数だけ投入したか否かを監視し、投入した物品と個数を誤ったときは警報を発するカートコンピュータ(43)とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種商品を出荷先別に収集して仕分する物品仕分設備に関し、さらに詳細には、誤って仕分しないようにする誤投入防止装置を備えた物品仕分設備に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、物品仕分設備について説明する。物品仕分設備は、図4に示したように、仕分の対象となる商品をピッキングカート40に積み込む入荷場10と、商品を出荷先別に仕分ける物品仕分部20と、商品の出荷先へ搬送するトラック32へ積み込む出荷場30とを備えている。
【0003】
このような物品仕分部20は、図5に示したように、傾斜した商品投入容器載置台21と、水平な移動待機容器載置台23と、両容器載置台21、23の下方には、空の容器1を載置しておくための傾斜した空容器載置台28とから構成されている。
【0004】
ピッキングカート40で運ばれて来た商品は、商品投入容器載置台21の出荷先毎に定められた出荷先区画25に載置された容器1内へ人手で投入される。商品の投入を完了した容器1は、移動待機容器載置台23上でトラック32へ積み込まれるまで待機する。
【0005】
物品仕分設備には、容器1に誤った出荷先の商品を投入しないようにする誤投入防止装置を備える。このような誤投入防止装置としては、下記特許文献1に記載されたように、物品仕分部20の各出荷先区画25に誤投入防止装置としてシャッター50を備えたものが知られている。このシャッター50は、載置した容器1の開口上方を跨ぐ位置の商品投入禁止状態(A)と、当該容器1の開口上方から外れた商品投入許可状態(B)との間を移動可能な変位バー56と、この変位バー56の変位を制御する図示しないコントローラを備えている。
【0006】
ピッキングカート40も、作業員に作業を指示したり、シャッター50を制御するための図示しないコントローラを搭載している。各出荷先区画25のコントローラとピッキングカート40のコントローラと間は、図示しない赤外線送受信機によってコマンドやデータ等の送受信が行われる。
【0007】
ピッキングカート40のコントローラは、積み込んだ商品の出荷先コードを記憶している。各出荷先区画25のコントローラからは、予め登録した出荷先コード信号を含む赤外線が発信されている。ピッキングカート40が指定された出荷先コードの出荷先区画25の前に来ると、ピッキングカート40のコントローラは、この出荷先コード信号を受信して、当該出荷先区画25のシャッター50を開かせるコマンド信号を出荷先区画25側のコントローラへ返信する。
【0008】
出荷先区画25のコントローラは、常時シャッター50を商品投入禁止状態(A)にしているが、ピッキンギカート40からのシャッター50を開くコマンド信号を受信すると、図示しないモータを始動させて変位バー56を商品投入許可状態(B)に変位させる。ピッキングカート40が指定された出荷先区画25の前にいる間は、ピッキングカート40からコマンド信号が定期的に送信され、その間シャッター50は商品投入許可状態を保つ。そして、ピッキングカート40が移動して、出荷先区画25側でピッキングカート側からのコマンド信号が受信されなくなって一定時間過ぎると、シャッター50は、商品投入禁止状態(A)に戻される。これで、誤った出荷先の商品を各容器1に投入することが防止される。
【0009】
なお、変位バー56は、作業員が変位バーに商品を当てたり、手をぶつけたときには、移動可能になっており、作業員や商品に衝撃で傷付けることがないようにしている。
【特許文献1】特開2000−335713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、前記公報に記載された物品仕分設備においては、誤投入防止のためのシャッター50があるので、商品の投入する区画25を誤ることは防止できるものの、商品の投入個数を誤ることはよくあるという問題があった。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、物品仕分設備において、物品を投入する区画と投入個数を誤ることがないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明では、仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区画に区画され、当該区画に物品投入を指定された前記カートが近接しているときだけ当該区画の開閉扉が開く物品仕分棚を備える物品仕分設備において、前記カートは、搭載した物品の総重量を測定する重量測定手段と、当該区画に投入する物品の個数を表示する表示手段と、物品投入を指定された区画の前に来ると、当該区画の開閉扉を開かせ、当該区画に投入する個数を前記表示手段に表示させ、前記重量測定手段で測定した物品の総重量の変化から当該区画へ前記物品を指定された個数だけ投入したか否かを監視し、投入した物品と個数を誤ったときは警報を発する演算制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記警報として、前記表示手段に投入した物品の過不足を表示するとともに、音声で前記過不足を知らせることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に係る発明において、前記物品には物品名を示す物品コード表示手段が付されており、前記カートには前記物品コード表示手段を読む読取手段が備えられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明では、請求項1、2又は3に係る発明において、前記演算制御手段は、管理手段から送信された物品を投入する区画と投入物品名と個数を記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、前記カートは、搭載した物品の総重量を測定する重量測定手段と、当該区画に投入する物品の個数を表示する表示手段と、物品投入を指定された区画の前に来ると、当該区画の開閉扉を開かせ、当該区画に投入する個数を前記表示手段に表示させ、前記重量測定手段で測定した物品の総重量の変化から当該区画へ前記物品を指定された個数だけ投入したか否かを監視し、投入した物品と個数を誤ったときは警報を発する演算制御手段とを備えているから、物品を投入する区画と投入個数を誤ることがなくなる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、投入した物品と個数を誤ったときは、前記表示手段に投入物品の過不足を表示するとともに、音声でも前記過不足を知らせるから、いっそう、物品を投入する区画と投入個数を誤ることがなくなるうえ、物品投入を誤ったときの対処が容易である。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、前記物品には物品コード表示手段が付されており、前記カートには前記物品コード表示手段を読む読取手段が備えられているから、カートに物品を搭載時に物品コード表示手段を読取手段で読むと同時に、重量測定手段で重量測定することによって、演算制御手段はカートに搭載した物品と個数の誤りをチェックできるので、カートへの物品搭載時の誤りを防止でき、いっそう、物品を投入する区画の誤りを防ぐことができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、前記演算制御手段は、管理手段から送信された物品を投入する区画と投入物品名と個数を記憶するから、集荷先の最新の要望に応じて迅速に物品を出荷できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は、本実施例の物品仕分設備における物品仕分棚とピッキングカートの斜視図である。図2は、この物品仕分設備のブロック図である。図3は、この物品仕分設備での仕分手順を説明するフローチャートである。
【0021】
この物品仕分設備は、図4に示した従来のものと同じく、物品を運搬するピッキングカート40(以下、カートと略記する。)と、カート40に物品を積み込む入荷場10と、物品が仕分けして投入される物品仕分部20と、物品を出荷先へ搬送するトラック32へ積み込む出荷場30と、仕分け作業を管理する事務室34とを備えている。
【0022】
物品仕分部20は、図1に示したように、支柱62に多段に物品載置台64を取り付けた物品仕分棚60を多数並べて構成される。物品載置台64は、前面に位置する傾斜した物品投入部64aと、物品投入部64aの後方に続く水平部64bとを有している。物品投入部64aの周囲には、落下防止枠66が固定されている。物品仕分棚60の上部には、出荷先や物品名を示すラベル68が取り付けられている。物品投入部64aは、物品投入を容易にするため、上側ほど大きく傾斜するとともに、下段のものほど上段のものよりも前方へ突出させている。そして、最下段の物品載置台64には傾斜した物品投入部64aを省いて、前端に平板状の落下防止枠66aのみを設けている。
【0023】
物品仕分棚60における個々の物品載置台64は、出荷先や物品の種類等によって定められた区画70とされる。本実施例においては、物品84を誤った区画70への投入を防ぐため、各区画70の前面には開閉扉72が設けられる。
【0024】
開閉扉72は、長方形の枠74に繊維等で補強されたビニール等の透明シート76を貼ったものであり、上側の区画70の物品投入部64aの前端下部に設けられたヒンジ78回りに回転可能に取り付けられ、エアシリンダ80によって開閉される。最上段の区画70の開閉扉72は、前側の支柱62上端を連結する横材82の下部に設けられたヒンジ78回りに回転可能に取り付けられる。枠74の一端には直角方向へアーム74aが延設されており、アーム74aの先端にエアシリンダ80のロッド80aの先端が連結されている。エアシリンダ80は、開閉扉72を閉じたとき、開閉扉72と略平行になるように配置され、物品84の投入にじゃまにならない位置に配置される。各区画70には、エアシリンダ80付近には、このエアシリンダ80を制御する図示しないコントローラ50(図2参照)も設置される。
【0025】
物品84は、工場で生産されしだい、物品名を示す物品コード表示手段であるバーコード88を付され、トレー86に収容されて、カート40に載せられ、物品仕分棚60の配置された配荷場に運ばれる。仕分けミスを少なくするため、各トレー86には同じ物品84のみを収容し、各カート40は同じ物品84を収容したトレー86のみを搭載することが望ましい。
【0026】
また、カート40は、図1及び図2に示したように、搭載している物品84の総重量をトレー86の重量も含めて測定する電子秤(重量測定手段)41を荷台45に固定しており、さらに、搭載する物品84に付されたバーコード88を読むPOSスキャナ(読取手段)42と、電子秤41で測定した重量及びPOSスキャナ42で読み取った情報が入力されるカートコンピュータ(演算制御手段)43と、カートコンピュータ43からの指令を表示するとともに種々のデータや指令をカートコンピュータ43入力するタッチパネルディスプレイ(以下、表示手段と略記する。)44と、警報等を音声で知らせるスピーカ46を備えている。カートコンピュータ43は、カートサーバ36と無線により第1送受信機47で通信可能とされるとともに、物品仕分棚60の各区画70に設置されたエアシリンダ80を制御するコントローラ38とも第2送受信機48で無線又は赤外線により通信可能とされている。
【0027】
カートサーバ36は、ホストコンピュータ37と無線又は有線で通信可能とされており、定期的にホストコンピュータ37から出荷先毎の物品名、個数に関する出荷予定データを取得し、常に最新の出荷予定データに基づいて、各カート40に仕分けに関する指示を与える。このカートサーバ36とホストコンピュータ37は、仕分け作業を指揮管理する管理手段である。
【0028】
物品仕分棚60の各区画70のコントローラ38からは、区画コード信号が発信されている。カートコンピュータ43は、物品投入を指示された区画70の区画コードを記憶しており、各区画70のコントローラ38から発信されている区画コード信号を受信し、受信した区画コードが物品投入を指示された区画70の区画コードと一致したときは、表示手段44に出荷先、物品名、投入個数を表示するとともに、当該区画70の開閉扉72を開かせるコマンド信号を当該区画70のコントローラ38に返信する。当該区画70のコントローラ38は、開閉扉72を常時閉状態にしているが、カート40から開閉扉72を開かせるコマンド信号を受信すると、エアシリンダ80を作動させて、開閉扉72を開状態にする。カート40が区画70の前にいる間は、カート40からコマンド信号が送信され続けて、開閉扉72は開状態を保つ。
【0029】
開閉扉72が開いたら、作業員は当該区画に指定された物品84を指定された個数投入するのであるが、このとき、カートコンピュータ43は、電子秤41で測定された重量の変化から指定された物品84が指定された個数だけ投入されたかどうか監視している。もし、投入した物品84の個数に過不足があった場合は、表示手段44に超過数又は不足数を表示するとともに音声で警告する。カートコンピュータ43が、物品84を過不足なく当該区画70に投入したと判断すると、投入完了と次に投入する区画70への移動の指示が表示手段44に表示されるとともに、音声でも知らせる。
【0030】
物品投入を終えて、次の区画にカート40を移動させると、当該区画70のコントローラ38ではカート40からのコマンド信号が受信されなくなって、開閉扉72は閉状態に戻される。
【0031】
次に、本実施例の物品仕分設備を用いた仕分け作業について、図3に基づいて説明する。
【0032】
まず、カートコンピュータ43は、カート40上に物品84がなくなると、カートサーバ36と連絡を取って、カートサーバ36からの指示を仰ぐ(ステップS1)。カートサーバ36は、ホストコンピュータ37から常に最新の出荷予定データを取得し、出荷先(物品を投入する区画70の区画コード)と物品名と個数に関する指示を各カートコンピュータ43に送信する。すると、表示手段44に出荷先と物品名と個数が表示される。
【0033】
次に、作業者は、カート40を入荷場10へ移動させ、表示手段44の表示を見て、表示された物品84をトレー86に収容してカート40に積み込む(ステップS2)。この際、物品84を1個づつ、物品84に付されたバーコード88をPOSスキャナ42で読み込む。同時に、カートコンピュータ43は、電子秤41でトレー86を含めて物品84の重量変化を監視して、積み込んだ物品名、重量及び個数をチェックしている(ステップS3)。ここで、カートコンピュータ43は、各物品84の重量を記憶しているので、誤った物品84を積み込んだり個数を誤れば直ちに分かるので、表示手段44に誤りを表示するとともに、音声でも知らせる。これで、作業者は、誤った物品84を取り除く等のエラー処理をするので(ステップS11)、誤った物品84をカート40に積み込むことが防止される。物品84を表示手段44に表示されただけ積み込むと、表示手段44に積み込み完了と表示されるとともに、音声でも積み込み完了と知らせる。
【0034】
作業員は、物品84の積み込みを完了すると、表示手段44の図示しない仕分け作業開始ボタンにタッチする。すると、カートコンピュータ43は、仕分け作業の進捗状態をカートサーバ36に報告するとともに、積み込んだ物品84を投入する物品仕分棚60の区画70を表示手段44に表示する。作業員は、カート40を表示手段44に表示された区画70の前に移動させる(ステップS4)。
【0035】
カート40が物品84の投入を指定された区画70の前に来ると、開閉扉72が開く(ステップS5)。ここで、作業員は、カート40の表示手段44に指示された物品を指示された個数だけ開閉扉72が開いている区画70へ投入する(ステップS6)。このとき、カートコンピュータ43は、電子秤41でトレー86を含めて物品84の重量変化を監視して、当該区画70に投入した個数をチェックしている(ステップS7)。投入した物品84の個数に過不足があった場合は、表示手段44に超過数又は不足数を表示するとともに音声で警告が出る。そのときは、作業員が、表示手段44の表示に従って、物品を不足数だけ当該区画70に投入するか、当該区画70から超過数だけ取り出してカート40上のトレー86に戻す等のエラー処理を行う(ステップS12)。これで、誤った物品84を当該区画に投入することが防止される。
【0036】
こうして、カートコンピュータ43が、物品84を過不足なく当該区画70に投入したと判断すると、指定された全区画への物品84投入を済ませたかどうかチェックする(ステップS8)。まだ、未投入の区画70があれば、次に投入する区画70への移動を指示する表示をするとともに、音声でも知らせるので、作業者はカート40を次の区画70へ移動させる(ステップS9)。当該区画70に過不足なく物品を投入しても、投入物品が非常に軽い場合、電子秤41による測定が困難で、表示手段44に投入完了と表示されないときは、作業員は、表示手段44の完了ボタンを押して強制的に当該区画70の物品投入を終了することもできる。カート40が当該区画70から離れると、開閉扉72は閉状態に戻される(ステップS10)。
【0037】
以下、ステップS5〜S10を繰り返して、指示された全区画70へ指示された物品84を指示された個数だけの投入を済ます。指示された全区画70への物品投入を済ますと、仕分け作業終了の表示が表示手段44に出されるとともに、音声でも知らされ、さらに仕分け作業の進捗状態がカートサーバ36に報告される。その後は、ステップS1に戻って、次の物品84の仕分け作業を行う。こうして、ステップS1〜S10を繰り返して、多種多数の物品84の仕分けがなされる。
【0038】
本実施例によれば、次のような効果を奏する。
【0039】
カート40は、搭載した物品84の総重量を測定する電子秤41と、当該区画70に投入する物品84の個数を表示する表示手段44と、物品投入を指定された区画70の前に来ると、当該区画の開閉扉72を開かせ、当該区画に投入する個数を表示手段44に表示させ、電子秤41で測定した物品の総重量の変化から当該区画70へ前記物品を指定された個数だけ投入したか否かを監視し、投入した物品と個数を誤ったときは警報を発するから、物品を投入する区画70と投入個数を誤ることがなくなる。
【0040】
投入した物品84と個数を誤ったときは、表示手段44に投入物品84の過不足を表示するとともに、音声でも前記過不足を知らせるから、いっそう、物品を投入する区画と投入個数を誤ることがなくなるうえ、物品84投入を誤ったときの対処が容易である。
【0041】
物品84にはバーコード88が付されており、カート40にはバーコード88を読むPOSスキャナ42が備えられているから、カート40に物品84を搭載時にバーコード88をPOSスキャナ42で読むと同時に、電子秤41で重量測定することによって、カートコンピュータ43は、カート40に搭載した物品と個数の誤りをチェックできるので、カート40への物品搭載時の誤りを防止でき、いっそう、物品84を誤った区画70へ投入することを防ぐことができる。
【0042】
カートサーバ36は、出荷先の最新の要望に応じて、カートコンピュータ43へ物品84を投入する区画70と物品名と個数を指示するから、出荷先の最新の要望に応じて迅速に物品84を出荷できる。
【0043】
開閉扉72はエアシリンダ80で開閉されるから、開閉扉72の開閉速度が速いうえ、構造が簡単で信頼性が高い物品仕分設備が得られる。また、開閉扉72は枠74に透明なシート76を貼ったものであるから、投入済みの物品が見えるため、仕分けの進捗状態が確認できるうえ、物品84を誤投入した場合にも誤りに気付き易い。
【0044】
ところで、本発明は、前記実施例に限定されず、例えば、次のように種々の変形が可能である。たとえば、前記実施例では、カートコンピュータ43とカートサーバ36とを無線で通信可能としたが、両者間のデータの授受にICカード等の記録媒体を用いてもよい。また、前記実施例では、物品84にバーコード88を付したが、物品にもICカード等の適宜物品コード表示手段を付し、カート40にはPOSスキャナ42の代わりにICカードリーダー等の適宜読取手段を備えてもよい。さらに、前記実施例では、開閉扉72を開閉するためにエアシリンダ80を用いたが、この他、電動モータ、油圧シリンダ等、適宜アクチュエータの使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施例に係る物品仕分設備に用いられる物品仕分棚及びピッキングカートの斜視図である。
【図2】前記物品仕分設備のブロック図である。
【図3】前記物品仕分設備を用いた仕分け手順を説明するフローチャートである。
【図4】従来の前記物品仕分設備全体の平面図である。
【図5】従来の物品仕分設備に備えられる物品仕分部の斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
36 カートサーバ(管理手段)
37 ホストコンピュータ(管理手段)
40 ピッキングカート
41 電子秤(重量測定手段)
42 POSスキャナ(読取手段)
43 カートコンピュータ(演算制御手段)
44 タッチパネルディスプレイ(表示手段)
60 物品仕分棚
70 区画
72 開閉扉
84 物品
88 バーコード(物品コード表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分けする物品を搭載したカートと、複数の区画に区画され、当該区画に物品投入を指定された前記カートが近接しているときだけ当該区画の開閉扉が開く物品仕分棚を備える物品仕分設備において、
前記カートは、搭載した物品の総重量を測定する重量測定手段と、当該区画に投入する物品の個数を表示する表示手段と、物品投入を指定された区画の前に来ると、当該区画の開閉扉を開かせ、当該区画に投入する個数を前記表示手段に表示させ、前記重量測定手段で測定した物品の総重量の変化から当該区画へ指定された物品を指定された個数だけ投入したか否かを監視し、投入した物品と個数を誤ったときは警報を発する演算制御手段とを備えたことを特徴とする物品仕分設備。
【請求項2】
前記警報として、前記表示手段に投入した物品の過不足を表示するとともに、音声で前記過不足を知らせることを特徴とする請求項1に記載の物品仕分設備。
【請求項3】
前記物品には物品名を示す物品コード表示手段が付されており、前記カートには前記物品コード表示手段を読む読取手段が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品仕分設備。
【請求項4】
前記演算制御手段は、管理手段から送信された物品を投入する区画と投入物品名と個数を記憶することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の物品仕分設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−189459(P2008−189459A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28308(P2007−28308)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(303018089)株式会社 日本ティーキャム (4)
【出願人】(503163837)
【Fターム(参考)】