説明

物品供給装置

【課題】収納庫の検体容器の収納容量を増やしても、安定して検体容器を取り出すための手段を提供する。
【解決手段】収納庫とピックアップ部11と傾斜を設けた収納底面の下端側に配されたベルトと突起部と複数のガイド部26aと先行貯蓄部とを備え、検体容器Tの先行貯蓄部への搬送を開始するとき、検体容器Tがベルトに接触するのを規制する位置に全てのガイド部26aを移動させ、ガイド部26aを上から順に退避位置に移動させ、ベルトの走行により突起部にすくい上げられて搬送された検体容器Tを先行貯蓄部に搬送し、ピックアップ部11によって先行貯蓄部から検体容器Tを取り出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば検体容器等の棒状物品を供給するための物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模な病院や検査センター等の医療施設で被検者から採取した検体液(血液、尿)を検査、分析するのに必要な処理(遠心分離や検査、分析項目別の分注)を行う検体処理システムが用いられ、そのシステムの一部として分注用検体容器を100本程複数種、収納して検体情報別に指定の検体容器の方向(開口面上向き)を揃えて検体処理システム内次工程装置に供給する物品供給装置としての分注用検体容器供給装置が用いられている。
【0003】
従来の物品供給装置としての分注用検体容器供給装置は、収納室の底部が排出ベルトとなっており、その排出ベルト上に検体容器を複数段に積み重ねて収納するようにしており、検体容器を排出する場合には排出ベルトを回転させることで、排出ベルト上に載った検体容器を排出口に近いものから順に排出していくようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
なお、ここで取扱う検体容器は、検査用途別にサイズ(容量)違い、形状違い、樹脂材量違い、色違い(透明または半透明)など多種存在する。
【特許文献1】特開2001−264339号公報(段落「0030」、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、排出ベルトを回転させることで検体容器を順次排出しているために、検体容器を積み重ねて収納する際にその段数が大きくなると重なった検体容器の重さによって排出ベルトが正常に動作しなくなり、検体容器の排出ジャムを引き起こしてしまうために、検体容器の収納容量が制限されてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、収納空間に棒状物品を重ねて収納する収納庫と、該収納庫から棒状物品を取り出すピックアップ部とを備えた物品供給装置であって、前記収納庫の底面に傾斜を設け、前記収納庫の傾斜の下端側に上下方向に延在するように配置され、前記棒状物品側の部分が下方から上方に向かって走行するベルトと、前記ベルトに設けられ、前記ベルトの走行により前記棒状物品をすくい上げて上方に搬送する突起部と、前記ベルトに沿って上下方向に設けられ、前記棒状物品の前記ベルトへの接触を規制する位置と、接触を妨げない退避位置に移動可能なガイド部と、前記収納庫の収納空間よりも上方に配置され、前記棒状物品を所定の数だけ貯める先行貯蓄部とを備え、棒状物品の前記先行貯蓄部への搬送を開始するとき、棒状物品が前記ベルトに接触するのを規制する位置に前記ガイド部を移動させ、前記ガイド部を前記退避位置に移動させ、前記ベルトの走行により前記突起部にすくい上げられて搬送された棒状物品を前記先行貯蓄部に搬送し、前記ピックアップ部によって前記先行貯蓄部から棒状物品を取り出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
これにより、本発明は、棒状物品としての検体容器を積み重ねる段数が増えてもベルトによって検体容器を先行貯蓄部へと搬送することができるので、収納庫の収納容量を大きくすることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明による物品供給装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の分注用検体容器準備装置を含んだ検体処理システムである。
図1において、1は検体処理システムであり、予め被検者から採取した血液等の親検体を納めた栓で閉じられた検体容器(棒状物品)からその親検体の検体情報を分析するための親検体投入装置2と、親検体の入った検体容器に対して遠心分離処理を行う遠心分離装置3、遠心分離処理がなされた検体容器の栓を開ける開栓装置4、開栓された検体容器内の親検体を分析項目別に一定少量の子検体に仕分ける分注処理を行う分注装置5、分注される子検体を納めるための検体容器を供給する分注用検体容器準備装置(物品供給装置)6、分注された子検体を納めた検体容器に閉栓を行う閉栓装置7、閉栓された検体容器を子検体の種類ごとに分けて収納する分類装置8、制御端末9等によって構成される。
【0011】
制御端末9は、LCDやCRT等の表示画面やキーボード等の入力手段を備えており、操作者が入力手段により入力した入力内容に従って検体処理システム1の各装置に動作指示を行う機能を有する。
なお、親検体が納められた検体容器と子検体を納めた検体容器は分注用トレイに立位の状態で収納され、検体処理システム1は遠心分離処理や分注処理等の各種処理を行う際に合わせて分注用トレイを各装置間で移動させるための機構を有している。
【0012】
6aはマニピュレータ部であり、分注用検体容器準備装置6から供給された分注用の検体容器を掴んで分注用トレイへと運ぶ機能を有している。
そのため、分注用検体容器準備装置6によって供給される検体容器をマニピュレータ部6aで分注用検体容器準備装置6で供給した検体容器を分注用トレイに移すと、その分注用トレイを分注装置5側に位置させ、分注装置5によって分注用の検体容器に子検体を分注するようにしている。
【0013】
図2は実施例1の分注用検体容器準備装置の構成を示す説明図、図3は実施例1の分注用検体容器準備装置のピックアップ部周りを示す説明図である。
図2において、10は検体容器収納部であり、血液等の検体の分注に用いる検体容器Tを横に倒して並べ、かつ複数段に重ねて収納するための収納空間を有する収納庫20を複数(本実施例においては4つ)備えている。
【0014】
16は一括駆動モータであり、検体容器収納部10の各収納庫20に設けられた搬送機構22を一括して駆動させるモータであって、各収納庫20の搬送機構22のローラにシャフト17が挿通し、シャフト17を一括駆動モータ16で回転させて各搬送機構22が駆動する。
11はピックアップ部であり、検体容器収納部10の上方に設けられており、水平移動用モータ12によって回転する水平移動用ベルト13と連結することで、上記の検体容器収納部10の各収納庫20上部に設けられた開口孔に合わせた位置へと移動し、収納庫20から検体容器Tを取り出す機能を有する。
【0015】
図3において、35は検体容器ピック部であり、後述する先行貯蓄部24内で並ぶ一番先頭の検体容器Tを挟み込んで掴み取る一対のアームや、収納庫20の開口孔から収納庫20内に下降するための機構を備えている。
なお、ピックアップ部11には、検体容器ピック部35で検体容器Tを掴んだか否かを検知する図示しないピック検知センサの他、検体容器ピック部35を収納庫20の開口孔へと下降させるための機構としての検体容器ピック部35に取り付けられたラック、該ラックに噛み合うピニオン、該ピニオンを回転させるためのモータを有している。
【0016】
さらに、ピックアップ部11は、検体容器ピック部35が取り出した検体容器Tの開口の向きを検知するための向き検知部等を備える。
ここで、図4は検体容器の開口部の向きを検知する向き検知部の一例を示す説明図であり、(a)は回転部材の反対側に検体容器の開口部がある場合を示し、(b)は回転部材側に検体容器の開口部がある場合を示している。
【0017】
図4において、36は向き検知部であり、検体容器Tの長手方向から検体容器Tを挟むように対向して並び、その一部が凸状に形成された接触部36a、36bを備えており、接触部36a、36bが検体容器Tを挟むように移動することで検体容器Tの向きを検知する。
また、向き検知部36は、一方の接触部(本発明では接触部36b)側でその接触部と共に移動し、該接触部の凸状の箇所よりも検体容器Tから離れる位置にある回転部材37を有し、検体容器Tの両側に位置した接触部36a、36bを検体容器T側に移動させたときに、回転部材37が検体容器Tに接触して回転するか否かをセンサ38が検知することにより、検体容器Tの向きを検知する仕組みとなっている。
【0018】
具体的には、図4(a)に示すように、検体容器Tの開口部が回転部材37の反対側のとき、接触部36a、36bを検体容器Tに寄せていくと、接触部36aの凸状箇所は検体容器Tの開口部に入り込み、接触部36bの凸状箇所が検体容器Tの広部に接触して回転部材37は検体容器Tに接触しない。
これに対し、検体容器Tの向きが逆の場合には図4(b)に示すように、接触部36bが検体容器Tの開口部に入り込むとその開口部の端部に回転部材37が接触するようになって回転する。
【0019】
このようにして検体容器Tの開口部の向きを検知するようにしている。
図3において、14は解除レバーであり、収納庫20に設けられた後述するベルトガイド壁部26の各ガイド部26aを押し出すメカロック部28のロックを解除するものであり、図示しないレバー移動機構と連結してベルトガイド壁部26の上方から段階的に下降するように動作する。
【0020】
これにより、ベルトガイド壁部26の最上位のガイド部26aをロックするメカロック部28から順にその下の各メカロック部28のロックを解除するようになる。
15はラベル貼付部であり、台紙に貼り付けられた無地ラベルに被検者情報、検体採取日時、検査項目等により構成される検体識別情報を印字し、印字したラベルを台紙から剥がして検体容器Tに貼り付けるための機構が設けられている。
【0021】
ラベル貼付部15は、ラベルを貼り付けた検体容器Tを上方へと繰り出すための機構を備えており、そこで繰り出された検体容器Tは上記マニピュレータ部6aによって分注用トレイに運ばれる仕組みとなっているが、本願発明と関係ないので説明は省略する。
なお、ラベル貼付部15の下方に図示しない検体容器リフトアップ部が配されており、ピックアップ部11で掴んだ検体容器Tを検体容器リフトアップ部へ運ぶことで、検体容器リフトアップ部は検体容器Tをラベル貼付部15へと送り込むようになっている。
【0022】
図5は検体容器収納部の構成を示す説明図である。
図5において、20は収納庫であり、水平面に対して右側が下がるように傾斜した収納底面21を有し、収納底面21の傾斜方向に対して検体容器Tの長さ方向が直交するように検体容器Tが並べられて集積して収納されるようになっている。
なお、上述したように検体容器収納部10は複数の収納庫20を備え、各収納庫20には予め定められた種類の検体容器Tが収納される。
【0023】
22は搬送機構であり、収納底面21の傾斜の下端側に上下方向に延在するように配されており、無端状のベルト23と、収納庫20内の上部下部に配されたローラ22a、22bとによって構成される。
ベルト23は検体容器をすくい上げるための突起部23aを所定の間隔をあけて複数設けられる。なお、この突起部23aは単一でも良いが先行貯蓄部24への供給能力(速度)により複数としている。
【0024】
搬送機構22は、例えば2本のベルト23を所定の間隔でローラ22a、22bに巻き掛け、一括駆動モータ16の駆動がシャフト17を介してローラ22aに伝達し、ローラ22aが回転することでベルト23の検体容器側の部分が下方から上方に向かって走行するようになり、ベルト23の走行により突起部23aで検体容器Tをすくい上げて上方に搬送する。
【0025】
24は先行貯蓄部であり、収納庫20内で検体容器Tが収納される収納空間の上方に配されており、検体容器Tを複数本(本実施例では5本とする。)一列に並べ貯めておくためのトレイが形成され、搬送機構22により搬送された検体容器Tを貯蓄する。
先行貯蓄部24を構成する底板は、検体容器ピック部35側に向かって下る傾斜となっているものとし、検体容器ピック部35により検体容器Tが1本取り出されると、次の検体容器Tが斜面を自重により滑って移動する。
【0026】
また先行貯蓄部24を構成する底板は、収納庫20に検体容器を落下させる程度の大きさで一部開閉可能な構成となっているものとする。
この底板の開閉は一部であっても全体であってもよく、検体容器を1本ずつまたはまとめて収納庫20に戻せるようにしてもよい。
更に、底板の開閉に限定するものではなく先行貯蓄部24全体を回転させてもよい。
【0027】
25は取込ローラであり、先行貯蓄部24と搬送機構22の間に配されて搬送機構22のベルト23の走行と同期して回転し、外周面から突出する受取板25a上に搬送機構22によって搬送された検体容器Tを載せるようにし、受取板25aに載った検体容器Tを先行貯蓄部24側に受け渡す。
例えば、検体容器Tの略中央部と突起部23aで支持して上昇した場合、その突起部23aと干渉しない位置で受取板25aが検体容器Tの下側に入り込み、取込ローラ25が回転することで受け取る。
【0028】
これによって搬送機構22によって搬送され、取込ローラ25で先行貯蓄部24に受け渡された検体容器Tは先行貯蓄部24の傾斜に沿って転がって一列に整列していく。なお先行貯蓄部24の上方に上記ピックアップ部11が検体容器Tを取り出すための開口孔が設けられている。
26はベルトガイド壁部であり、例えば検体容器Tの径3つ分の高さのガイド部26aを搬送機構22と並行するように縦に複数個並べて構成される。
【0029】
各ガイド部26aは圧縮バネ等の退避用スプリング27と接続し、その退避用スプリング27が伸ばされた際にベルト23よりも収納庫20の内側へと押し出され、検体容器Tがベルト23に接触しないように規制する。
28はメカロック部であり、回転支点を備えてガイド部26aごとに配される複数のカム28aとカム28aを手動で一括回転させるレバー28bとによって構成され、ベルトガイド壁部26を押し出した状態でロックする。
【0030】
カム28aは、各ガイド部26aに対して1つずつ配されており、ガイド部26aを干渉しない向きを初期状態とし、回転支点を中心に回転することでガイド部26aを収納庫20の内側へ押し出すようになる。
ガイド部26aを押し出すカム28aは、例えば上述した搬送機構22の2本のベルト23間に間隔があることから、その間でベルト23に触れないようにしてガイド部26aを押し出す。
【0031】
レバー28bは、上下に可動するように構成されており、持ち上がった状態を初期状態としてこれが下げられたときにカム28aが連動して各ガイド部26aを収納庫20の内側へと押し出すように機能する。
なお、メカロック部28は、レバー28bが下げられてカム28aが回転しベルトガイド壁部26をロックした後、レバー28bが押し上げてもカム28aは初期状態に戻ることが無い構造となっているものとする。
【0032】
29は検体容器Tを収納庫20の収納空間へ戻すためのゲート部としての落とし穴部であり、先行貯蓄部24の手前に設けられた落とし穴と、一端に回転軸を取り付けて該落とし穴を開閉するように回動する開閉部材とからなり、開閉部材を開くことで落とし穴を開放し、先行貯蓄部24と取込ローラ25との間が開いて、搬送されてくる検体容器Tを収納空間に落下させる。
【0033】
これにより、検体容器Tは収納空間内に落下する。なお、自由落下なので図3や図5に示すように検体容器Tの向きが揃わない場合も検体容器を収納空間に落下させることができる。
30は貯蓄検体容器落下部であり、先行貯蓄部24の底板の一部分であって、回転支点を中心に回転することで先行貯蓄部24の底板の一部を開閉するように機能するものであり、分注用検体容器準備装置6の動作終了後等に底板が開くことで先行貯蓄部24に残っている検体容器Tを収納底面21へと落下させて検体容器Tを収納空間に戻す。
【0034】
31は貯蓄検体容器検知部であり、光学反射式のセンサ等により構成されて先行貯蓄部24に貯蓄可能な分の検体容器Tを貯蓄した際に、その貯蓄した検体容器Tの内、最後に搬送されてきた検体容器Tを検知する。つまり本実施例においては5番目に搬送されてきた検体容器Tを検知する。
上述した構成の作用について説明する。
【0035】
ここでは、検体容器収納部から検体容器を取り出す動作を説明する。
図6は検体容器準備時におけるベルトガイド壁部を移動させた様子を示す説明図であり、(a)は移動前の様子を示し、(b)は移動させた後の様子を示す。
このとき、各収納庫20には検体容器Tが入っていない状態になっているものとする。
図6(a)に示すように、初期状態のとき、ベルトガイド壁部26のガイド壁26aは、ベルト23よりも検体容器Tの収納空間から退避して位置している。このときレバー28bは持ち上がった状態となっている。
【0036】
そして、検体処理システム1を使用する操作者がレバー28bを下げるとカム28aが回転してベルトガイド壁部26の各ガイド部26aを収納庫20の内側へと押し付けるため、図6(b)に示すようにベルトガイド壁部26がベルト23よりも内側に迫り出した位置で一斉に整列する。
次に操作者は、収納庫20に設けられた図示しない検体容器収納用の開口部を開き、収納庫20内に検体容器Tを収納する。
【0037】
操作者が検体容器を収納して検体容器収納用の開口部を閉じると、図示しないセンサで開口部が閉じられたことを検知し、一括駆動モータ16を駆動させシャフト17を介して収納部内の突起つき搬送ベルトを矢印方向に一括回転させる。
ここで、貯蓄検体容器検知部31による検体容器Tの検知有無の監視を開始する。このとき解除ベルトガイド壁部26がメカロック部28によって押し出された状態でロックされているため、検体容器Tはベルト23に触れないので先行貯蓄部24まで搬送させることが無い。
【0038】
貯蓄検体容器検知部31で検体容器Tを検知しないまま所定の時間経過すると、解除レバー14が図示しない駆動機構によって下げられ、最上位に配置されたガイド部26aに対応するメカロック部28のカム28aを回転させてロックを解除する。
これによって、当該ガイド部26aは退避用スプリング27によって、検体容器のベルト23との接触を妨げない退避位置まで移動させられるようになり、その退避した分だけ収納された検体容器Tがベルト23側に流れ込むようになる。
【0039】
また、ベルト23の突起部23aが退避したガイド部26aよりも収納空間側に突出するようになりベルト23の走行により突起部23aが検体容器Tをすくい、上方に搬送する。このベルト23の走行と回転同期をとる取込ローラ25の受取板25aによって検体容器Tは先行貯蓄部24に送られる。
貯蓄検体容器検知部31によって先行貯蓄部24に検体容器Tが5本載っていることを検知している間は、落とし穴部29の板材が下方に回動して先行貯蓄部24の上流側が開口し、それ以降に搬送されてくる検体容器Tが収納空間へ落下する。
【0040】
一方、ピックアップ部11が収納庫20の上方の開口孔を介して収納庫20内に検体容器ピック部35を下降させて先行貯蓄部24内の先頭の検体容器Tに接近させる。
そして、検体容器ピック部35で検体容器Tを掴み取って、検体容器Tを外部に取り出すようにする。
検体容器Tが外部に取り出されると、先行貯蓄部24内の検体容器Tの位置がずれて貯蓄検体容器検知部31が検体容器Tを検知しなくなるために、落とし穴部29の板材が開口を閉じるように回動し、ベルト23、取込ローラ25を介して先行貯蓄部24に検体容器Tが搬送されるようになる。
【0041】
以上説明したように、本実施例では、収納庫内の上部に先行貯蓄部を設けてその先行貯蓄部に検体容器を搬送しておき、ピックアップ部によって先行貯蓄部から検体容器を取り出すようにすることで、検体容器の収納本数に関わらず安定してピックアップ部で検体容器を取り出すことができるため、収納庫における検体容器の収納容量を増やすことができる。
【0042】
また、メカロック部によってベルトガイド壁部が検体容器をベルトから離す位置となるようにロックした状態にし、解除レバーによってベルトガイド壁部の上位から下位にかけて順にメカロック部のロックを解除するため、ベルトの面に接触する位置で積み重なる検体容器全てがベルトに接触することで、ベルトの動作不良等で検体容器の搬送ジャムが起きてしまうことを防止できる。
【0043】
さらに、本実施例においては検体容器収納部に4つの収納庫を設け、各収納庫の搬送機構を1つの一括駆動モータによって駆動させるようにしているので、装置自体の小型化を図ることができる。
加えて、先行貯蓄部にある検体容器をピックアップ部が取り出すようにすることから、検体容器が不用意に収納庫外にでることがないため、検体容器の管理が容易となる。
【0044】
なお、上記実施例1においては、解除レバーを下降させてメカロック部によるガイド部のロックを最上位から順次解除していくものとして説明したが、図7に示す収納庫の別構成例を示す説明図のように、収納された検体容器は収納庫20の上部側でベルト23に接触するようにベルト23のガイドを設けておき、収納底面21を有する収納底板40の下部にスプリング42と、収納庫20内の左右の端で上下方向に所定の間隔で配した収納底板ロック部44を設け、検体容器の収納された量に対応するように収納底板ロック部44を下部から順次開放してスプリング42によって収納底板40を持ち上げるような構成としてもよい。
【0045】
また、上記実施例1においては分注用検体容器準備装置を例に説明したが、これに限らず棒金や乾電池、ボールペン等の各種の棒状物品を取扱う装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】分注用検体容器準備装置を含んだ検体処理システム
【図2】実施例1の分注用検体容器準備装置の構成を示す説明図
【図3】実施例1の分注用検体容器準備装置のピックアップ部周りを示す説明図
【図4】検体容器の開口部の向きを検知する向き検知部の一例を示す説明図
【図5】検体容器収納部の構成を示す説明図
【図6】検体容器準備時におけるベルトガイド壁部を移動させた様子を示す説明図
【図7】収納庫の別構成例を示す説明図
【符号の説明】
【0047】
1 検体処理システム
2 親検体投入装置
3 遠心分離装置
4 開栓装置
5 分注装置
6 分注用検体容器準備装置(物品供給装置)
6a マニピュレータ部
7 閉栓装置
8 分類装置
9 制御端末
10 検体容器収納部
11 ピックアップ部
12 水平移動用モータ
13 水平移動用ベルト
14 解除レバー
15 ラベル貼付部
16 一括駆動モータ
17 シャフト
20 収納庫
21 収納底面
22 搬送機構
22a、22b ローラ
23 ベルト
23a 突起部
24 先行貯蓄部
25 取込ローラ
25a 受取板
26 ベルトガイド壁部
26a ガイド部
27 退避用スプリング
28 メカロック部
28a カム
28b レバー
29 落とし穴部(ゲート部)
30 貯蓄検体容器落下部
31 貯蓄検体容器検知部
35 検体容器ピック部
36 向き検知部
36a、36b 接触部
37 回転部材
38 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間に棒状物品を重ねて収納する収納庫と、該収納庫から棒状物品を取り出すピックアップ部とを備えた物品供給装置であって、
前記収納庫の底面に傾斜を設け、
前記収納庫の傾斜の下端側に上下方向に延在するように配置され、前記棒状物品側の部分が下方から上方に向かって走行するベルトと、
前記ベルトに設けられ、前記ベルトの走行により前記棒状物品をすくい上げて上方に搬送する突起部と、
前記ベルトに沿って上下方向に設けられ、前記棒状物品の前記ベルトへの接触を規制する位置と、接触を妨げない退避位置に移動可能なガイド部と、
前記収納庫の収納空間よりも上方に配置され、前記棒状物品を所定の数だけ貯める先行貯蓄部とを備え、
棒状物品の前記先行貯蓄部への搬送を開始するとき、棒状物品が前記ベルトに接触するのを規制する位置に前記ガイド部を移動させてから、そのガイド部を前記退避位置に移動させ、前記ベルトの走行により前記突起部にすくい上げられて搬送された棒状物品を前記先行貯蓄部に搬送し、前記ピックアップ部によって前記先行貯蓄部から棒状物品を取り出すことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品供給装置において、
前記先行貯蓄部に所定の数の棒状物品が貯まったか否かを検知するセンサと、前記先行貯蓄部の手前に設けたゲート部を開閉する開閉部材を設け、
前記先行貯蓄部に所定の数の棒状物品が貯まっていることを前記センサで検知した際、前記ゲート部の開閉部材を開いて前記ベルトによって搬送された棒状物品を前記収納空間に戻すことを特徴とする物品供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物品供給装置において、
前記先行貯蓄部に貯蓄している棒状物品を前記収納空間に戻すことを特徴とする物品供給装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の物品供給装置において、
前記先行貯蓄部は、その底板を開閉可能に構成し、
前記ピックアップ部による棒状物品の取り出しが終了したとき、前記先行貯蓄部の底板を開放することで、前記先行貯蓄部に存在している棒状物品を前記収納空間に落下させることを特徴とする物品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−30775(P2010−30775A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197569(P2008−197569)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】