説明

物品包装装置

【課題】物品を包材で胴折り包装する際に包材がずれたりすることなく正確に包装できる。
【解決手段】トイレットペーパ群Taをフィルムfに対して昇降させてバケット17,18で挟んで胴折り包装する。トイレットペーパ群を載置してエレベータ26を昇降手段によって下段位置Aと上段位置Bとの間で昇降させる。エレベータ26には3列のトイレットペーパの中央のものを係止させる略コ字状の係止壁30を設ける。下段位置と上段位置との間に位置するフィルムの一端を保持する保持部材51を設ける。フィルムの一端を保持部材で挟持した状態でトイレットペーパ群をエレベータで上昇させて胴折りする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のロール状物品等の各種の物品をフィルム等の包材で包装するための物品包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の物品包装装置として例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
この物品包装装置は、平行に配列されたキッチンタオルやトイレットペーパ等の複数のロール状物品の積層体をエレベータ上に配列して、このエレベータを上昇させることで上で待ちかまえているプラスチックフィルムのシートで胴折りして包装する。そしてシートで胴折りされたロール状物品はコンベアに取付けられた枠組に押し込まれ、枠組がコンベアで移動することでシートシールローラの棒によってシート両端が巻き込まれ、胴巻き状態に包装される。
別の物品包装装置として、図10に示すように例えば2段3列に並べた12個のロール状物品100の積層体をエレベータ101で上昇させて上側に位置するフィルムfを押して胴折りしてバケット102で挟むことで胴折り包装するような構造を採用しているものもある。
【特許文献1】米国特許第5287679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の物品包装装置は、ロール状物品をシートで胴折り包装する際に、シートの両端がフリーの状態でロール状物品に巻かれるために、ロール状物品をエレベータで上昇させてシートを胴折りする時にシートがずれてしまい、シートを正確な位置でロール状物品に包装できないことがある、という不具合があった。
また後者の物品包装装置では、フィルムfがトイレットペーパ100の積層体と両側のバケット102、102との間で押されてその張力によって負荷を生じると、図11に示すようにエレベータ101でトイレットペーパ100の積層体を上昇させる途中でフィルムfが引張られてその負荷によって積層体が崩れたり位置ずれしてしまい、正確な配列状態で包装できないことがあるという不具合があった。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、物品を包材で胴折り包装する際に包材がずれたりすることがなく正確に包装できるようにした物品包装装置を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は包材による物品の包装に際して物品のずれや崩れを防止して安定した包装を行えることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による物品包装装置は、複数の物品を包材に対して移動させてバケットで挟んで物品を包材で胴折り包装するようにした物品包装装置において、複数の物品を移動させる移動手段と、複数の物品の移動方向に配設されている包材の一端を保持する保持部材とを備え、該保持部材で包材の一端を保持した状態で複数の物品を移動させて包材で胴折り包装するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の物品を移動手段で移動させて包材を押してバケットで胴折り包装する際に、移動する物品で押される包材は一端が保持部材で保持されているために位置ずれすることなく、正確に物品の包装を行える。
【0006】
また、移動手段には、複数の物品の移動時に少なくとも一部の物品の移動を規制する規制部材が設けられていることが好ましい。
物品を移動手段で移動させて、一端を保持部材で保持された包材によって胴折り包装するために包材が物品で押されて相対的に引張られても、規制部材によって物品の移動が阻止されているから、物品が位置ずれしたり崩れたりすることなく確実且つ正確に包装できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明による物品包装装置によれば、複数の物品を移動手段で移動させて包材を押して胴折り包装する際に、包材は一端が保持部材で保持されているために位置ずれすることなく、物品に対して正確な位置に保持されて包装を行え、胴合わせ目を一定にできて胴シールを確実に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態による物品包装装置を図1乃至図9により説明する。図1は物品包装装置を含む物品包装機構の全体斜視図、図2は実施の形態による物品包装装置の胴折り機構を示す正面図、図3は胴折り機構のエレベータ駆動機構を示す正面図、図4は胴折り機構の側面図、図5は図4に示す保持部材の要部拡大図、図6は下段位置でエレベータ上にトイレットペーパ群が載置された状態を示す図、図7はトイレットペーパ群でフィルムを押した状態を示す図、図8は上段位置でトイレットペーパ群が胴折りされた状態の図、図9は胴巻き開始状態の図である。
図1において、本実施形態による物品包装装置1を含む物品包装機構2では、複数個の物品、例えば12個のトイレットペーパtからなる積層体を包材としてのフィルムfで包装したものを包装物品Tとして製造して出荷する。この包装物品Tは例えばトイレットペーパtを2個直列につなげたものを並列に3列配列し、これを上下2段に積層することで1組が形成され、この1組の積層体をフィルムfで包装して溶着する。
【0009】
そして、図1に示す物品包装機構2は、順次製造された円筒状のトイレットペーパtが図示しない第一搬送ラインに沿って2個づつ直列に接続された状態で4列、軸方向に搬送される。これら4列のうち任意の1列を順次停止または減速させて3列のトイレットペーパtを選択して図示しないガイドによって互いに寄せ集める。更に前方の3列のトイレットペーパtに対して後続の同様な3列のトイレットペーパtを上下2段積みに積層してなる1組のトイレットペーパ群Taをロール状物品の積層体として製造する。
トイレットペーパtの第一搬送ラインの延長線上には、フィルム繰り出し機構5が設けられている。この繰り出し機構5ではフィルムリール6から繰り出された帯状のフィルムfaがテンションローラ(ダンサローラ)を介して水平面状に繰り出され、切れ目カッタ7で所定間隔でミシン目が切り込まれる。また取手部3を形成するための取手部テープリール8が設けられていて、水平面状のフィルムfa上に取手部テープ3fが繰り出され、ミシン目で区画される所定幅毎のフィルムfにその両端がテープヒータ9で溶着されることになる。
【0010】
そして、繰り出されてミシン目で分断されたフィルムfの下には、上述した1組のトイレットペーパ群Taが配置されており、エレベータによってトイレットペーパ群Taを上昇させることでフィルムfを胴折り状態にする。このとき、フィルムfが胴折りされたトイレットペーパ群Taは後述のように物品包装装置1によって両側面を挟持される。フィルムfの下部両端側は折り込まれて溶着されることで胴巻き状態になる。
物品包装装置1に挟持されたトイレットペーパ群Taは第一搬送ラインに直交する方向の第二搬送ラインに沿って間欠または連続搬送されながら、物品包装装置1によってフィルム両端耳部の上下フラップの折り重ねが順次行われ、サイドヒータ12によって上下フラップが溶着されて包装物品Tとなる。
【0011】
次に上述した物品包装機構2で用いられる物品包装装置1について図2乃至図5により説明する。
図2に示す物品包装装置1の胴折り機構15において、第二搬送ラインの搬送方向に沿って二対の搬送チェーン16、16が略平行に配列されている(図では1本の搬送チェーンのみが示されている)。二対の搬送チェーン16、16にはトイレットペーパ群Taを搬送の前後方向で挟持する一対のバケット17,18が取付けられている。進行方向前側のバケット17は一方の一対の搬送チェーン16に支持された第一搬送ロッド19a、19bに支持され、進行方向後側のバケット18は他方の一対の搬送チェーン16に支持された第二搬送ロッド20a、20bに支持されている。
一対のバケット17,18は無端状に巻回された搬送チェーン16,16に所定間隔で複数組配設され、各バケット17、18間には2個×3列のトイレットペーパtが2段積み状態で挟持される。そして、搬送チェーン16,16は図示しない駆動源によって間欠搬送され、バケット17、18で挟持されたトイレットペーパ群Taが間欠搬送されることになる。
【0012】
図2に示すバケット17,18の下方には、水平方向に搬送されてきたトイレットペーパ群Taを上昇移動させるためのエレベータ機構22が設けられている。このエレベータ機構22において、水平フレーム23に略筒状のスライド受け部24が垂直方向に取付けられ、スライド受け部24内にはシャフト25が上下動可能に支持されている。シャフト25の上端にはトイレットペーパ群Taを載置するエレベータ26が固定されている。
エレベータ26はトイレットペーパ群Taを図4に示すコンベア28から受け取る下段位置Aと下段位置Aのトイレットペーパ群Taをバケット17,18間に挟持させる上段位置Bとの間で昇降可能とされている。下段位置Aにおいて、トイレットペーパ群Taの両側には隔壁29a、29bが対向して配設されている。そして、一方の隔壁29bは図示しない駆動手段に連結されていて、1組のトイレットペーパ群Taの数に応じて他方の隔壁29aとの間隔を調整可能とされている。
エレベータ26のトイレットペーパ載置面26aには、2段3列のトイレットペーパ群Taのうちの下段中央列のトイレットペーパtを移動しないように支持する略コの字状の係止壁30が規制部材として設けられている。この係止壁30によって直列に接続された2本のトイレットペーパtとその両側の各2本のトイレットペーパtとの移動が規制される。
【0013】
また、シャフト25の下端には図3に示すようにエレベータ26の昇降手段32が連結されている。この昇降手段32において、シャフト25の下端に設けた第一軸33には揺動可能な連接棒34の一端が連結され、連接棒34の他端に設けた第二軸35には、アーム36の一端が軸支されている。アーム36の他端は略水平方向に延びる棒状の揺動シャフト37に連結されている。この揺動シャフト37は略筒状の挿通部38に挿通され、挿通部38に設けた揺動軸39を中心に上下方向に揺動可能に支持されている。
挿通部38は揺動軸39回りに揺動可能に起立柱41に支持され、起立柱41の下端は基板42に設けたガイドレール42aに沿って摺動可能とされている。起立柱41は図示しない駆動源に支持された作動アーム40によってガイドレール42aに沿って進退可能とされ、起立柱41の進退は挿通部38が揺動シャフト37にガイドされることで行われて、揺動軸39とアーム36との距離を調整する。更にアーム36と起立柱41との間にはアーム36を上下方向に揺動させる揺動部材46が設けられている。
揺動部材46は、モータ等の駆動源によって所定角度範囲で正逆回転する揺動回転軸43と、揺動回転軸43に一端が連結されていて他端がアーム36の揺動シャフト37との連結部近傍に設けた支軸45に回転可能に連結されている揺動アーム44とを備えている。
【0014】
この昇降手段32によれば、起立柱41を揺動シャフト37に沿って進退させることで支軸45と揺動軸39との距離を設定し、アーム36の第二軸35と揺動軸39との距離を揺動半径として設定し、第二軸35を作用点、揺動軸39を支点とする。そして揺動回転軸43を所定角度で正逆回転させると揺動アーム44が上下方向に揺動する。これに連動して、揺動シャフト37及びアーム36が揺動軸39回りに上下方向に揺動することで、アーム36に揺動可能な連接棒34を介して支持されたシャフト25が上下動して、エレベータ26を下段位置Aと上段位置Bとで往復動させる。そのため、揺動軸39の移動位置によってエレベータ26の昇降距離を設定できる。
【0015】
次にトイレットペーパ群Taの搬送機構について図4により説明する。
トイレットペーパ群Taは積層体の状態で図示しない支持部材で両側部を支持されてコンベア28で搬送されてエレベータ機構22の下段位置Aでエレベータ26に受け渡される。トイレットペーパ群Taの搬送は二本のロッド47a、47bによって押されて行われる。上段のロッド47aは無端状の第一チェーン48aで搬送されて上段の3列のトイレットペーパtを押し、エレベータ26に受け渡した後でスプロケット49aを介してコンベア28の下方に誘導されて初期位置に戻る。同じく、下段のロッド47bは無端状の第二チェーン48bで搬送されて下段の3列のトイレットペーパtを押し、上段のトイレットペーパtと同時にエレベータ26に受け渡した後でスプロケット49bを介してコンベア28の下方に誘導されて初期位置に戻る。
【0016】
次にフィルムfの保持部材51について図2、図4及び図5により説明する。
図2及び図4において、フィルムfはミシン目で切られて搬送され、エレベータ26の下段位置Aと上段位置Bとの間に水平に配設され両端は図示しない挟持ローラで摺動可能に把持される。そして、図2において下段位置Aの左側に位置する隔壁29aの上端に隣接する外側に、フィルムfを挟持するための保持部材51が水平方向に設けられている。保持部材51において、フィルムfの上側に位置する固定部52と、フィルムfの下側に位置する可動部53とで構成され、固定部52及び可動部53はフィルムfの幅より両側に長い例えば板状または棒状に形成されている(図4参照)。
【0017】
可動部53は、支持板54と押さえ板55とが水平方向に重ねて配設され、支持板54は固定部52から離間した位置で固定支持されている。支持板54には支軸56、…が所定間隔に複数設けられ、支軸56で支持された回動腕部57の他端は押さえ板55の軸部55aに回転可能に連結されている。可動部53の一端では、図5に示すように支持板54に設けた支軸56と押さえ板55に設けた軸部55aとが回動腕部57に代えて略三角形板状の作動板58の二つの角部に支持されており、作動板58の他の角部にはロッドエンド59が取付けられている。ロッドエンド59は図示しない駆動源に連結されている。そして、支持板54には作動板58を支軸56回りに回動させた際にロッドエンド59が進入する凹部54aが設けられている。更に、押さえ板55において作動板58の反対側端部には押さえ板55を固定部52方向に付勢する付勢部材としてスプリング60が取付けられている。
【0018】
そして、常態では、押さえ板55は固定部52から離間しており、その間にフィルムfが搬送されて静止されていると共に、作動板58はロッドエンド59が凹部54aから離間している。この状態から図示しない駆動源によりロッドエンド59を凹部54aに進入させることで作動板58を支軸56で時計回りに回動させると(図5参照)、回動腕部57を介して支軸56回りに押さえ板55がスプリング60の付勢力に抗して回動して、フィルムfの一端部を固定部52と押さえ板55で挟持して固定する。
なお、保持部材51の固定部52に対して水平方向に対向する位置には、隔壁29bの上部に胴折りのためのフィルムfをガイドするガイド部材61が配設されている。
また、図2で、バケット17,18の下側にはフィルムfを胴巻きするためのフィルム折り板62、62が水平方向に接近・離間可能に設けられている。一方のフィルム折り板62と離間した位置にはフィルム合わせ目をシールするためのヒータ63が設けられている。
【0019】
本実施形態による物品包装装置1は上述の構成を備えており、次に作用を説明する。
先ず、トイレットペーパ群Taの搬送方法について説明すると、図1において、トイレットペーパtを搬送する過程でトイレットペーパ群Taを積層体の状態に積み上げる。そして、図4に示すようにトイレットペーパ群Taをコンベア28に載置して上段及び下段のトイレットペーパtをロッド47a、47bで同期して押動しながら搬送する(図4参照)。コンベア28の終端位置で、ロッド47a、47bに押されたトイレットペーパ群Taはエレベータ機構22における下段位置Aにおいて、エレベータ26上に押し出される。下段位置Aでは、トイレットペーパ群Taは両側を隔壁29a、29bで挟持される。
一方で、フィルムfはミシン目で切断されて、エレベータ機構22の下段位置Aと上段位置Bとの間に搬送されて静止される。このとき、保持部材51の固定部52と支持板54は図4及び図6に示すように離間状態にある。この状態から、ロッドエンド59を支持板54の凹部54a内に進入させると、作動板58を支軸56回りに回動(図4,5参照)して押さえ板55の軸部55aが押され、各回動腕部57においても同様に支軸56回りに軸部55aが押されて回動する。このため、押さえ板55は各支軸56回りに平行に回動して固定部52に押しつけられ、フィルムfの一端を挟持する。
【0020】
他方、エレベータ26が下段位置Aにある状態で、昇降手段32のアーム36は図3で二点鎖線の位置にあり、この状態から駆動源を駆動することで、揺動回転軸43が所定角度時計回りに回転する。すると、揺動アーム44が揺動回転軸43と一体に回動するため、揺動シャフト37及びアーム36が連動して時計回りに回動する。これによって連接棒34を介してシャフト25が上昇して、エレベータ26はトイレットペーパ群Taを下段位置Aから上段位置Bまで上昇させ、バケット17,18間に挟持させる。
このとき、図7に示すエレベータ26の上昇過程で、トイレットペーパ群Taは上方に位置するフィルムfを略U字状に押し上げるが、フィルムfの一端は保持部材51で把持されているために、フィルムfの他端側はトイレットペーパ群Taの上昇によってガイド部材61でガイドされて摺動させられる。
このとき、上昇するトイレットペーパ群Taは保持部材51で一端が保持されたフィルムfと接触して引張り力で圧力をうけるが、エレベータ26の下段中央に位置するトイレットペーパtは略U字形状の係止壁30で係止させられ、その両側のトイレットペーパtも隔壁29a及び29b、固定部52及びガイド部材61、バケット17,18に押圧して移動を阻止されているため、上段の各トイレットペーパtがフィルムfによって負荷を受けても位置ずれを起こしたり崩れたりすることが阻止される。
【0021】
そして、図8に示すように、エレベータ26によってトイレットペーパ群Taが上昇位置Bに到達して位置決めされる。この状態でトイレットペーパ群Taはフィルムfによって胴折り状態になり、フィルムfの両端は保持部材51側端部がガイド部材61側端部よりも長い状態になる。
そして、エレベータ26が停止すると、駆動源を作動させてロッドエンド59を支持板54の凹部54aから離間させ、作動板58が支軸56を中心に反時計回りに回動するため、押さえ板55を支軸56回りに回動させて固定部52から離間させる。次いでエレベータ26の両側に位置する一対のフィルム折り板62、62が互いに接近する方向に移動しフィルムfの両端付近を押して、フィルムf両端の合せ目がトイレットペーパ群Taの下段のトイレットペーパtとエレベータ26とが接する位置に至る胴巻き状態にする。
次いでバケット17、18の移動により、フィルムfで胴巻きされたトイレットペーパ群Taをヒータ63の上側に位置させ、合わせ目を加熱シールする。
【0022】
各フィルム折り板62、62の先端が下段両側のトイレットペーパtから中央のトイレットペーパtの下側に進入し始めると、これに同期して昇降手段22の揺動回転軸43が所定角度反時計回りに回転する(図3参照)。すると、揺動アーム44が揺動回転軸43と一体に回動するため、揺動シャフト37及びアーム36が連動して揺動軸39を中心にして実線位置から二点鎖線位置まで反時計回りに回動する。
これによって連接棒34を介してシャフト25が降下して、エレベータ26は上段位置Bから下段位置Aまで降下する。トイレットペーパ群Taはバケット17,18間に挟持させて置き去りにする。下段位置Aに戻されたエレベータ26はコンベア28からの次のトイレットペーパ群Taの搬送を待つ。
また、バケット17,18で支持された胴巻き状態のトイレットペーパ群Taは次工程に間欠搬送される。胴巻き状態のトイレットペーパ群Taは上下のフラップを順次折り込んでサイドヒータ12で加熱シールする。このようにしてフィルムfで包装された包装物品Tが完成する(図1参照)。
このような動作を繰り返すことで、順次搬送されるトイレットペーパ群Taをフィルムfで胴折り包装できる。
【0023】
上述のように本実施形態によれば、胴折り時にフィルムfの一端を保持部材51で挟持しているため、フィルムfが位置ずれを起こすことなく胴合わせ位置がトイレットペーパ群Taとエレベータ26とが接する位置で一定になり、胴合せのシールが確実に行え、包装不良品が発生しない。また、エレベータ26に設けた係止壁30によって胴折り時にトイレットペーパ群Taの一部が位置ずれしたり崩れたりしないため、フィルムfによる包装を安定して行えて装置稼動率も向上する。
【0024】
なお、上述の実施形態において、保持部材51を胴折り後のトイレットペーパ群Taを間欠搬送する方向に配設したが、これに代えて搬送方向後方側に配設してもよい。この場合、搬送方向側にガイド部材61を配設することが好ましい。
また、実施形態では、包装する物品として12個のトイレットペーパ群Taを採用したが、積層体として包装する1組のトイレットペーパの個数は任意である。また、包装する物品としてトイレットペーパtを用いたが、キッチンペーパ等の各種ロール状物品、その他任意の物品を採用できる。
なお、規制部材を構成する係止壁30の形状は任意であり、トイレットペーパt等のロール状物品等の各種物品のズレや崩れを阻止できればよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態による物品包装装置を含む物品包装機構の全体斜視図である。
【図2】物品包装装置の胴折り機構を示す要部正面図である。
【図3】胴折り機構のエレベータ昇降手段を示す正面図である。
【図4】図2に示す胴折り機構の側面図である。
【図5】図4に示す保持部材の作動板を示す拡大図である。
【図6】下段位置でエレベータ上にトイレットペーパ群が載置された状態を示す図である。
【図7】トイレットペーパ積層体でフィルムを押した状態を示す図である。
【図8】上段位置でトイレットペーパ群が胴折りされた状態の図である。
【図9】胴巻き開始状態の図である。
【図10】従来の胴折り機構におけるトイレットペーパ群を載置した上昇前のエレベータを示す図である。
【図11】エレベータを上昇させてトイレットペーパ群を胴折りした状態を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
1 物品包装装置
15 胴折り機構
17、18 バケット
22 エレベータ機構
25 シャフト
26 エレベータ
30 係止壁(規制部材)
32 エレベータ昇降手段
51 保持部材
52 固定部
53 可動部
55 押さえ板(押さえ部)
58 作動板(作動部材)
60 スプリング(付勢部材)
f フィルム(包材)
3f 取手部テープ
t トイレットぺーパ(物品)
Ta トイレットペーパ群
T 包装物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を包材に対して移動させてバケットで挟んで物品を包材で胴折り包装するようにした物品包装装置において、
複数の物品を移動させる移動手段と、複数の物品の移動方向に配設されている包材の一端を保持する保持部材とを備え、該保持部材で包材の一端を保持した状態で複数の物品を移動させて包材で胴折り包装するようにしたことを特徴とする物品包装装置。
【請求項2】
前記移動手段には、複数の物品の移動時に少なくとも一部の物品の移動を規制する規制部材が設けられている請求項1に記載の物品包装装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−91321(P2007−91321A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286491(P2005−286491)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】