説明

物品整列装置

【課題】 簡素な構成により、チューブ無しキャップやチューブ付きキャップの如くの各種物品を切り離し整列又は間隔詰め整列し得る物品整列装置を提供すること。
【解決手段】 物品整列装置10であって、円錐台形状の内表面を有する整列器11を該内表面の下端をなす母線が所定の傾斜角度を維持するように回転させ、該内表面で形成される空間にキャップ1を入れて一方から他方へと搬送することでキャップ1の向きを揃えるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に内容液を充填し、キャッピングする充填キャッピング設備では、多種多様な形態のキャップ、例えばチューブ無しキャップ、チューブ付きキャップ等を整列して送給するキャップ整列装置(物品整列装置)を用いている。
【0003】
特許文献1に記載の物品整列装置は、円筒状樋状物を傾斜させて回転させ、樋状物の内部に箱状物品を入れて一方から他方へ搬送することで、物品を重心が安定する姿勢に変え、結果として物品の向きを揃えるものである。
【0004】
特許文献2に記載の物品整列装置は、2本の円柱を傾斜させて互いに平行に配置し、かつ互いに反対方向に回転させ、2本の円柱の上に長柱物品を供給して搬送するに際し、2本の円柱よりなる一対の搬送素子をそれらの軸方向に多段配置し、各搬送要素の円柱の回転数を異にすることにより、長柱物品を切り離し整列するものである。
【特許文献1】特開昭51-47753
【特許文献2】特開昭52-29078
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の物品整列装置は、チューブ無しキャップの如くの箱状物品のための整列装置であり、チューブ付きキャップの如くの長柱物品を取り扱うところがない。チューブ付きキャプにあっては、キャップのチューブ同士が相互干渉して整列阻害し易く、切り離し整列することが望まれる。
【0006】
特許文献2に記載の物品整列装置は、チューブ付きキャップの如くの長柱物品のための整列装置であり、チューブ無しキャップの如くを取り扱うところがない。物品を切り離し整列するものではあるが、2本の円柱よりなる1対の搬送素子を多段配置し、各搬送要素の円柱の回転数を異にさせる等の複雑な構成を必要とする。
【0007】
本発明の課題は、簡素な構成により、チューブ無しキャップやチューブ付きキャップの如くの各種物品を切り離し整列又は間隔詰め整列し得る物品整列装置を提供することにある。
【0008】
尚、本発明の物品整列装置で整列される物品は、キャップに限定されることなく、重心が偏った物品、球状等の容易に転がる形状以外の物品等への適応が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、円錐台形状の内表面を有する整列器を該内表面の下端をなす母線が所定の傾斜角度を維持するように回転させ、該内表面で形成される空間にキャップを入れて一方から他方へと搬送することでキャップの向きを揃える物品整列装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施例1)(図1、図2)
図1の物品整列装置10は、キャップ(物品)1の向きを揃える。キャップ1は、図1(C)に示す如く、天面が下位に、開口面が上位にある姿勢を整列目標姿勢とする(キャップ1の重心が天面寄りにある)。整列対象となるキャップ1の上方からみた形状は任意のもので良い。例えば、円形、トラック形状、楕円、長方形、多角形又はこれらの形状の一部を変形させたものである。キャップ1の側面からみた形状は、キャップ1の天面側の外周角に丸みがあることが好ましく、一般的にも丸みをおびている。その半径は0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上である。また、キャップ1の天面側の外周角は斜めに切り落とされた形状でも良い。その切り落とし長さは0.1mm以上、好ましくは0.4mm以上である。キャップ1の天面側をこのような形状とすることにより、キャップ1の天面が下位になったときに後述する整列器11の影響を小さくすることができる。キャップ1の材質は任意に選択できる。例えばポリプロピレン等の樹脂材料、アルミニウムや鉄等の金属材料でも良い。
【0011】
また、整列対象となるキャップ1は、上述の形状のものに加え、それらの形状にチューブの付いたものも含まれる。チューブ付キャップの整列目標姿勢については、重心が安定する側、即ちチューブ側が整列器11の入口側を向いた状態である。
【0012】
物品整列装置10は、図1に示す如く、円錐台形状の内表面を有する整列器11を該内表面の下端をなす母線が所定の傾斜角度αを維持するように回転させ、該内表面で形成される空間にキャップ1を入れて重力の作用で一方から他方へと搬送することでキャップ1の向きを揃える。整列器11の上述の傾斜角度αは3度から18度が好ましく、より好ましくは5度〜12度である。傾斜角度αが大きいとキャップ1が整列されずに転がってしまうことがある。傾斜角度αが小さいとキャップ1の重力による移動速度が低下し、処理能力が低下する。整列器11の内表面の円錐台形状は進行方向下流に向けて拡径状をなす。整列器11の内表面の周速が進行方向下流に向けて大となり、内表面がキャップ1に与える送り速度を進行方向下流に向けて高速にし、キャップ1を進行方向下流に向けて切り離し整列可能にする。
【0013】
整列器11の小径側直径d1、大径側直径d2、整列器長さLは、整列対象の大きさによって適切に定められる。例えば20〜80mm程度の直径や幅を有するキャップ1を扱う際の大きさとしては、小径側直径d1は、30〜200mm、大径側直径d2は150〜500mm、整列器長さLは500〜1000mmのものとすることが設置スペースの面から好ましい。
【0014】
整列器11の内部周速度は、整列対象の重量によって適切に定められる。例えば40g未満程度のキャップ1の場合、大径側直径d2部の周速は0.2〜1.5m/sec程度に、好ましくは0.3〜1.2m/secになるように調整される。周速が小さいと回転の効果が現れないし、大きすぎると一度整列したキャップ1が再び乱れた状態となってしまうことがある。上記各々の速度で回転の際、周速は直径に比例することから、小径側直径d1と大径側直径d2は、周速度比率(=大径側直径d2の周速/小径側直径d1の周速)が、1.1〜6.0、好ましくは、1.5〜3.0となるように定められる。この周速度比率が適切に定められることで、整列器11を円錐台形状とした効果が得られる。
【0015】
物品整列装置10は、整列器11の内表面の性状をキャップ1の品種等に応じて調整できる。整列器11の内表面をゴム状にして摩擦を上げたり、整列器11の内表面をシリコン加工して摩擦を下げる等できる。
【0016】
物品整列装置10は、2本の並列をなし、進行方向下流に向けて下り勾配で傾斜配置される駆動ローラ21、21の谷間の上に整列器11を載置して回転させる。整列器11の外形は進行方向下流に向けて拡径する円錐台形状をなし、駆動ローラ21は真直円筒状をなす。整列器11の外表面速度は、駆動ローラ21の駆動周速に対し、表面の各部で異なるものになり、整列器11に振動を生ずる。
【0017】
物品整列装置10は、駆動ローラ21としてモータ内蔵タイプのものを採用できる。整列器11を駆動ローラ21の上に置き換え可能に載置し、整列器11を駆動ローラ21との摩擦を介して駆動可能にすることにより、キャップ1の品種等に応じて予め用意した多様な整列器11を簡易に交換使用できる。整列器11が駆動ローラ21の傾斜に沿って滑り落ちないように、整列器11の下端面にストッパ13を当てる(駆動ローラ21の下端フランジに整列器11の下端面を当てても可)。
【0018】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)キャップ1が回転する整列器11の円錐台形状の内表面に沿って搬送される過程で、キャップ1を該整列器11の内表面上で転倒させる等により、キャップ1を重心が安定する姿勢に変え、1段の整列器11を駆動ローラ21に載せるだけの簡素な構成により、キャップ1の向きを揃えることができる。
【0019】
(b)整列器11の内表面の円錐台形状が進行方向下流に向けて拡径状をなすものとすることにより、整列器11の内表面がキャップ1に与える送り速度を進行方向下流側(内表面の周速大)で高速にし、キャップ1を進行方向に向けて切り離し整列し、キャップやチューブ付きキャップの相互干渉を防止する。
【0020】
(c)整列器11が2本の並列をなす駆動ローラ21、21の上に載置されて回転される。このとき、整列器11の外形が円錐台形状であり、駆動ローラ21は円筒状をなすから、駆動ローラ21の駆動周速に対し、整列器11の外表面速度が表面の各部で異なるものとなり、整列器11に振動を生じ、この振動が整列器11内にあるキャップ1の相互干渉を改善する。
【0021】
尚、キャップ1の前述(a)の転倒の機会は、整列器11の内表面の内径が小さい位置で起こる。図2を参照し、直径34mm、高さ28mm、開口面から重心までの高さ19.5mmのキャップ1(図2(A))について説明する。
【0022】
(1)図2(B)は内径71mmと内径107mmの円筒(整列器11に相当)内で同サイズのキャップ1を転倒させている状況を示す。キャップ1が転倒できるのは、キャップ1の重心Gと回転中心R(キャップ1の開口面のエッジと円筒の内面の接触点)を結ぶ線が鉛直方向になる角度以上にキャップ1を傾斜(図では41度)させたときである。図2(B)に示す如く、小円筒直径ではキャップ1を僅かな高さ(図では2.5mm)まで持上げれば転倒位置に達する。
【0023】
(2)図2(C)は、内径71mmと内径107mmの円筒(整列器11に相当)内で、キャップ1の回転中心R(キャップ1の開口面エッジと円筒の内面の接触点)を同じ角度(例えば10度)持上げたとする。円筒内面とキャップ1との摩擦抵抗により、円筒内でキャップ1は3〜45度程度揺動する。円筒直径が小さい場合は僅かな揺動(10度)でもキャップ自身を大きく傾斜(37度)させ、キャップ1を容易に転倒させることができる。
【0024】
この原理を利用すると、整列器11を用いた円錐台形状内のキャップ送りにおいて、任意の送り位置でキャップ1を転倒させることが可能となる。例えば、図2に示すようなキャップ1を整列させたい場合ならば、小径側直径d1を71mmより小さく、また大径側直径d2を107mmよりも大きくなるように、整列器11の形状を定めることができる。この原理によって整列器11の直径の概寸は定めることができるが、実際の使用においては、周速、摩擦状態、傾斜角度、キャップ形状や重量などによって転倒の状況は変化する。従って、この原理によって本発明の整列器11の形状範囲が限定されることはない。
【0025】
(実施例2)(図3)
図3の物品整列装置10Aが図1の物品整列装置10と異なる点は、2本の駆動ローラ12、12の谷間の上に載置される整列器11の内表面の円錐台形状を、進行方向下流に向けて縮径状をなすようにしたことにある。整列器11の内表面の周速が進行方向下流に向けて小になり、内表面がキャップ1に与える送り速度を進行方向下流に向けて低速にし、キャップ1を進行方向下流に向けて間隔詰め整列可能にする。キャップ1の歯抜け搬送を防止できる。
【0026】
(実施例3)(図4)
図4の物品整列装置10Bが図1の物品整列装置10と異なる点は、整列器11を載置させる2本の駆動ローラ21、21のそれぞれが、整列器11の円錐台形状の外形と逆勾配の円錐台形状(進行方向下流に向けて縮径状をなす)をなすようにしたことにある。駆動ローラ21の駆動周速に対し、整列器11の外表面の各部の表面速度がなす差を減縮〜解消し、整列器11の振動を低減できる。
【0027】
(実施例4)(図5)
図5の物品整列装置10Cが図1の物品整列装置10と異なる点は、整列器11の内表面の周方向複数位置に突起12を設けたことにある。各突起12は、整列器11の中心軸まわりに螺旋状に配置される。突起12は整列器11の排出口近傍に設けると、キャップ1の整列破壊を起こして好ましくなく、整列器11の投入口から中間部に設けられ、キャップ1を攪拌する。
【0028】
物品整列装置10Cにおいて、整列器11に設けられる突起12の高さは、整列器11の直径、又はキャップ1の形状によって適宜調整されるが、好ましくは2mm〜10mm、より好ましくは3mm〜7mmである。突起12の形状は特に限定されないが、上方からみて整列器11の軸方向に長手をとる長方形、長円、楕円形等が好ましい。長手の長さは、キャップ1を上方からみたときの最も長い長さの好ましくは20〜150%、より好ましくは50〜100%である。突起12の長手長さが短いとキャップ1との衝突確率が低下し、整列効率が低下するため、多数の突起12が必要になる。突起12の長手長さが長いと、突起12の多数配置を行なったときに、整列器11の長さが大きくなり、物品整列装置10Cが大型になってしまう。
【0029】
物品整列装置10Cにおいて、整列器11に設けられる突起12は螺旋状に配置することができ、下流の突起12は上流の突起12よりも回転方向前方に進めた位置に配置される。下流の突起12は上流の突起12よりも回転方向前方に10°〜90°、好ましくは30〜55°進めた位置に配置される。配置角度が小さいと突起12がほぼつながった状態となり、上流と下流の突起12でキャップ1を完全にすくい上げるような形となり、キャップ1がはじき飛ばされる現象を多発する。配置角度が適切であれば、下流の突起12で僅かにキャップ1の進行速度が抑制され、上流の突起12により、開口面が下を向いているキャップ1の開口面を上方に向けるようにキャップ1が反転され、適切なキャップ1の整列が行なわれる。配置角度が大きいと、上流と下流の2つの突起12によるキャップ整列処理を行なうことができず、1つの突起12でキャップ1の反転を行なわなければならないから、キャップ整列成功確率が低下し、多数の突起12を設ける必要を生ずる。
【0030】
物品整列装置10Cにおいて、整列器11に設けられる上流と下流の突起12の最短距離は、キャップ1を上方からみたときの最短距離に概ね等しくする。上流と下流の突起12の最短距離は、キャップ1を上方からみたときの最短距離の好ましくは0.4〜1.5倍、より好ましくは0.6〜1.4倍である。上流と下流の突起12の最短距離が0又は短い場合には、上流と下流の突起12でキャップ1を完全にすくい上げるような形態となり、キャップ1がはじき飛ばされる現象を多発する。上流と下流の突起12の最短距離が、キャップ1を上方からみたときの最短距離に概ね等しいと、下流の突起12で僅かにキャップ1の進行速度が抑制され、上流の突起12により、開口面が下を向いているキャップ1の開口面を上方に向けるようにキャップ1が反転され、適切なキャップ整列が行なわれる。上流と下流の突起12の最短距離が長い場合には、上流と下流の2つの突起12によるキャップ整列処理を行なうことができず、1つの突起12でキャップの反転を行なわなければならず、キャップ整列成功確率が低下し、多数の突起12を設ける必要が生ずる。
【0031】
物品整列装置10Cによれば以下の作用効果を奏する。
(a)整列器11の内表面に突起12を設けることにより、キャップ1を突起12に当てて整列器11の内表面上で積極的に攪拌、分散させ、キャップ1の姿勢を変える効率を向上させることができる。
【0032】
(b)整列器11において突起12を螺旋状に配置するとともに、進行方向下流の突起12を、進行方向上流の突起12よりも回転方向前方に適度に進めた位置に配置することにより、キャップ1の送り速度を下流の突起12で抑制し、キャップ1の開口面のエッジを整列器11の表面の上流の突起12に当てて該キャップ1を確実に反転させ、開口面が下向きのキャップ1を重心が安定する姿勢に確実に変え、キャップ1の向きを安定確実に揃えることができる。特にチューブ付キャップの整列においては、キャップ重量が大であることと形状が複雑であるために、摩擦だけでキャップ1を転倒させることは困難である。図5のように、進行方向下流の突起12を、進行方向上流の突起12よりも回転方向前方に適度に進めた位置に突起12を設け、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状とすることで、チューブ付キャップ1を確実に転倒させ、その切り離し整列の効果を強く得ることができる。
【0033】
(実施例5)(図6、図7)
図6の物品整列装置10Dが図1の物品整列装置10と異なる点は、整列器11が円錐台形状の整列器本体11A(図1の整列器11と同じ)を真直円筒状外装ローラ11Bの中心部に同軸固定配置したことにある。外装ローラ11Bは真直円筒状駆動ローラ21の上に載置され、駆動ローラ21の駆動周速と同一の外表面速度をもって回転する。従って、外装ローラ11Bと駆動ローラ21の外表面速度差は発生することなく、整列器11の振動防止が望まれる際に有効である。この場合にも、キャップ1が外装ローラ11Bとともに回転する整列器本体11Aの円錐台形状の内表面に沿って搬送される過程で、キャップ1を整列器本体11Aの内表面上で転倒させる等により、キャップ1の重心が安定する姿勢に変え、キャップ1の向きを揃えることができる。
【0034】
また、整列器本体11Aの内表面の円錐台形状が進行方向下流に向けて拡径状をなすものとすることにより、整列器本体11Aの内表面の周速が進行方向下流に向けて大となり、内表面がキャップ1に与える送り速度を進行方向下流に向けて高速にし、キャップ1を進行方向下流に向けて切り離し整列し、キャップやチューブ付きキャップの相互干渉を防止する。
【0035】
物品整列装置10Dにおいて、キャップ1の向きを揃えるために整列器本体11Aの内表面上でキャップ1を転倒させる機会は、図2を参照して説明した如く、整列器本体11Aの内表面の内径が小さい位置、例えば図7(A)において内径d近傍以下の内径の位置で起こる。ところが、整列器本体11Aの内径がdよりも小さくなりすぎると、整列器本体11Aの内表面がキャップ1に及ぼす反転力が大となり、dの位置で揃えたキャップ1をその後裏返しさせてしまうという不都合を生ずる。この不都合を解消するため、図7(B)は整列器本体11Aの軸方向長さを延長し、内径dの位置から排出口の側への内表面への縮径度合を緩和したものであり、図7(C)は整列器本体11Aの内径dに続く排出口側の内表面を真直円筒状にしたものである。
【0036】
尚、これら図6、図7(A)〜(C)の実施例にあっても、整列器11は傾斜角度αが適切な角度になるように傾斜して配置される。
【0037】
(実施例6)(図8)
図8の物品整列装置10Eが図6の物品整列装置10Dと異なる点は、整列器本体11Aの内表面の円錐台形状を、進行方向下流に向けて縮径状をなすようにしたことにある。整列器本体11Aの内表面の周速が進行方向下流に向けて小になり、内表面がキャップ1に与える送り速度を進行方向下流に向けて低速にし、キャップ1を進行方向に向けて間隔詰め整列可能にする。キャップ1の歯抜け搬送を防止できる。
【0038】
(実施例7)(図9)
図9の物品整列装置10Fが図6の物品整列装置10Dと異なる点は、整列器本体11Aの内表面の周方向複数位置に突起12を設けたことにある。各突起12は、整列器本体11Aの中心軸まわりに螺旋状に配置される。
【0039】
物品整列装置10、10B〜10Fを用いて、実際に物品を整列した実施例1〜7の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
(実施例1−1、1−2)
図1に示す構成において、物品整列装置10により円形キャップ1とチューブ付円形キャップ1の整列を行なった。円形キャップ1については開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップが重なることなく切り離しができた。
【0042】
チューブ付円形キャップ1についてはチューブ側が整列器11の入口側を向いた状態にある姿勢を目標とし、使用上問題のない整列成功率を得ることができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップ1が重なることなく切り離しができた。
【0043】
(実施例2)
図3に示す構成において、物品整列装置10Aによりトラック形キャップ1の整列を行なった。開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて縮径状にすることで、キャップ1の間隔詰めができた。
【0044】
(実施例3)
図4に示す構成において、物品整列装置10Bにより楕円形キャップ1の整列を行なった。開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップ1が重なることなく切り離しができた。振動低減の効果により、整列成功率は高い結果となった。
【0045】
(実施例4−1、4−2)
図5に示す構成において、物品整列装置10Cにより四角形キャップ1とチューブ付円形キャップ1の整列を行なった。四角形キャップ1については開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップ1が重なることなく切り離しができた。
【0046】
チューブ付キャップ1についてはチューブ側が整列器11の入口側を向いた状態にある姿勢を目標とした。整列器11に突起12を設けたことにより、実施例1−2に比較して整列成功率を向上することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップ1が重なることなく切り離しができた。
【0047】
(実施例5)
図6に示す構成において、物品整列装置10Dにより円形キャップ1の整列を行なった。開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。振動防止により実施例1−1に比較して整列成功率を向上することができた。また整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップ1が重なることなく切り離しができた。
【0048】
(実施例6)
図8に示す構成において、物品整列装置10Eによりトラック形キャップ1の整列を行なった。開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。振動防止により、実施例2に比較して、整列成功率を僅かながら向上することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップ1の間隔詰めができた。また、振動防止により、実施例2に比較してキャップ1の間隔をより詰めることができた。
【0049】
(実施例7)
図9に示す構成において、物品整列装置10Fにより四角形キャップ1の整列を行なった。開口面が上位にある姿勢を目標とし、大部分のキャップ1を整列することができた。振動防止と、整列器11に突起12を設けたことにより、実施例4−1に比較して整列成功率を僅かながら向上することができた。また、整列器11を進行方向下流に向けて拡径状にすることで、キャップが重なることなく切り離しができた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は実施例1の物品整列装置を示す模式図である。
【図2】図2は整列器の内径が物品整列装置に及ぼす影響を示す模式図である。
【図3】図3は実施例2の物品整列装置を示す模式図である。
【図4】図4は実施例3の物品整列装置を示す模式図である。
【図5】図5は実施例4の物品整列装置を示す模式図である。
【図6】図6は実施例5の物品整列装置を示す模式図である。
【図7】図7は物品整列装置の変形例を示す模式図である。
【図8】図8は実施例6の物品整列装置を示す模式図である。
【図9】図9は実施例7の物品整列装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0051】
1 キャップ
10、10A〜10F 物品整列装置
11 整列器
11A 整列器本体
12 突起
21 駆動ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐台形状の内表面を有する整列器を該内表面の下端をなす母線が所定の傾斜角度を維持するように回転させ、該内表面で形成される空間に物品を入れて一方から他方へと搬送することで物品の向きを揃える物品整列装置。
【請求項2】
前記整列器の内表面の円錐台形状が進行方向下流に向けて拡径状をなす請求項1に記載の物品整列装置。
【請求項3】
前記整列器の内表面の円錐台形状が進行方向下流に向けて縮径状をなす請求項1に記載の物品整列装置。
【請求項4】
前記整列器が2本の並列をなす駆動ローラの上に載置されて回転される請求項1〜3のいずれかに記載の物品整列装置。
【請求項5】
前記整列器の内表面に突起を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の物品整列装置。
【請求項6】
前記突起が螺旋状に配置されるとともに、進行方向下流の突起は、進行方向上流の突起よりも回転方向前方に進めた位置に配置する請求項5に記載の物品整列装置。
【請求項7】
前記物品整列装置で向きを揃えられる物品が、キャップである請求項1〜6のいずれかに記載の物品整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−145595(P2007−145595A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89169(P2006−89169)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】