説明

物品検査選別システム

【課題】操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる物品検査選別システムを提供すること。
【解決手段】物品検査選別システム70の検査装置30は、検査装置30の検査装置情報または選別装置40の選別装置情報の一方に基づいて、検査装置30または選別装置40の他方が所望の検査選別能力となる検査選別情報を算出する算出手段71と、算出手段71が算出した検査選別情報に基づいて、前記所望の検査選別能力となるように、前記他方の前記検査装置または前記選別装置を制御する制御手段72とを備え、第1のコンベア12の搬送経路長および搬送速度を含む検査装置情報に基づいて、算出手段71が検査選別情報を算出し、制御手段72が選別装置40の第2のコンベア13の搬送速度および振り分け部材41の移動タイミングの少なくとも一方を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品検査選別システムに関し、より詳しくは、物品を搬送しながら検査および選別を行う物品検査選別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、工場等の生産ラインでは、物品の検査および選別を行う物品検査選別システムが用いられており、この物品検査選別システムは、物品を搬送しながら重量の過不足や金属等の異物の混入がないかを検査する検査装置と、この検査装置の搬送方向下流側に接続され、検査装置による検査結果に応じて物品を選別する選別装置とから構成されている。
【0003】
従来、この種の技術においては、接続される選別装置の搬送速度、選別能力等を考慮した上で、検査ライン上で安定して検査および選別が行われるよう、検査装置の搬送速度等を設定するようになっている(例えば、特許文献1参照)。また、検査装置の能力等に合わせて選別装置の搬送速度等を設定することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2727024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、選別装置の能力等に合わせて検査装置の搬送速度等を設定したり、検査装置の能力等に合わせて選別装置の搬送速度等を設定していた。このため、検査装置の能力等に合った選別装置の搬送速度等を得ることや、選別装置の能力等に合った検査装置の搬送速度等を得ることが難しく、例えば、選別装置の能力を超えた検査装置の搬送速度により、検査結果に対応した所望の選別が行われず、選別された物品が検査結果と一致しないこととなり、物品の選別結果の信頼性が低下する恐れがあった。また、検査装置および選別装置を各々独立して設定するためには、利用者が装置に習熟している必要があり、未熟な利用者が設定操作を行うことが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる物品検査選別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の物品検査選別システムは、順次投入される物品(W)を搬送する第1のコンベア(12)と、前記第1のコンベアと一体に設けられ、前記第1のコンベア上に搬入される物品を検査し、前記検査の結果に応じて判定信号を出力する判定手段(50)と、を備えた検査装置(30)と、前記第1のコンベアの搬送方向下流に配置され、前記第1のコンベアから搬出された物品を搬送する第2のコンベア(13)と、前記第2のコンベア上の所定の選別位置に設けられ、前記物品の搬送経路を切り換えるために前記判定手段からの判定信号に応じて待機位置と振り分け位置との間を移動する振り分け部材(41、42)と、を備えた選別装置(40)と、を含む物品検査選別システム(70)において、前記検査装置に備えられた前記第1のコンベアの搬送経路長または動作条件を含む検査装置情報、前記選別装置に備えられた前記第2のコンベアの動作条件または前記振り分け部材の動作条件を含む選別装置情報からなる検査選別情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記検査装置の検査装置情報から算出される該検査装置の能力である単位時間毎の検査能力または前記選別装置の選別装置情報から算出される該選別装置の能力である単位時間毎の選別能力の一方の装置の能力に基づいて、他方の装置の能力が所望の能力となる前記検査選別情報を算出する算出手段(52)と、前記算出手段が算出した前記検査選別情報を前記記憶手段に記憶させるとともに、該検査選別情報に基づいて、前記所望の能力となるように、前記他方の装置の動作条件を設定する制御手段(51)と、を備え、前記検査装置は、前記制御手段と前記算出手段を備え、前記第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む前記検査装置情報に基づいて、前記算出手段が前記検査選別情報を算出し、前記制御手段が前記選別装置の前記第2のコンベアの搬送速度および前記振り分け部材の移動タイミングの少なくとも一方を制御し、更に、前記検査装置は、前記第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む情報を入力する入力手段(53)と、前記入力手段により入力された前記第1のコンベアの搬送経路長または搬送速度が、予め設定された上限を超えているときに報知する報知手段(58)を備えたものから構成されている。
【0008】
この構成により、算出手段によって、検査装置の検査装置情報または選別装置の選別装置情報の一方に基づいて、検査装置または選別装置の他方が所望の検査選別能力となる検査選別情報を算出され、制御手段によって、算出手段が算出した検査選別情報に基づいて、検査装置または選別装置の他方が制御されることとなる。
【0009】
このため、利用者が、検査装置と選別装置とを個別に設定する必要がないので、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
【0010】
また、検査装置においては、算出手段により、第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む検査装置情報と、選別装置情報とに基づいて、検査選別情報が算出され、制御手段により、第2のコンベアの搬送速度または振り分け部材の移動タイミングの少なくとも一方が制御されることとなる。
【0011】
このため、検査装置に対して設定操作を行うだけで、制御手段により選別装置の第2のコンベアの搬送速度および振り分け部材の移動タイミングが制御されるので、検査装置と選別装置とを個別に設定する必要がない。
【0012】
したがって、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
【0013】
また、入力手段により入力された値が予め設定された上限を超えている場合に報知されるので、正しい入力操作をすることができる。
【0014】
また、本発明の物品検査選別システムは、順次投入される物品(W)を搬送する第1のコンベア(12)と、前記第1のコンベアと一体に設けられ、前記第1のコンベア上に搬入される物品を検査し、前記検査の結果に応じて判定信号を出力する判定手段(50)と、を備えた検査装置(30)と、前記第1のコンベアの搬送方向下流に配置され、前記第1のコンベアから搬出された物品を搬送する第2のコンベア(13)と、前記第2のコンベア上の所定の選別位置に設けられ、前記物品の搬送経路を切り換えるために前記判定手段からの判定信号に応じて待機位置と振り分け位置との間を移動する振り分け部材(41、42)と、を備えた選別装置(40)と、を含む物品検査選別システム(70)において、前記検査装置に備えられた前記第1のコンベアの搬送経路長または動作条件を含む検査装置情報、前記選別装置に備えられた前記第2のコンベアの動作条件または前記振り分け部材の動作条件を含む選別装置情報からなる検査選別情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記検査装置の検査装置情報から算出される該検査装置の能力である単位時間毎の検査能力または前記選別装置の選別装置情報から算出される該選別装置の能力である単位時間毎の選別能力の一方の装置の能力に基づいて、他方の装置の能力が所望の能力となる前記検査選別情報を算出する算出手段(52)と、前記算出手段が算出した前記検査選別情報を前記記憶手段に記憶させるとともに、該検査選別情報に基づいて、前記所望の能力となるように、前記他方の装置の動作条件を設定する制御手段(51)と、を備え、前記検査装置は、前記第1のコンベア上を搬送される物品の通過を検出する第1の通過検出手段(21)と、前記第1の通過検出手段の検出結果に基づいて、前記第1のコンベア上を搬送される先行する前記物品の後端と、該物品に後続する物品の先端との間隔を算出する間隔算出手段(55)と、前記制御手段とを備え、前記制御手段は、前記間隔算出手段が算出した間隔に基づいて、前記選別装置の前記第2のコンベアの搬送速度および前記振り分け部材の移動タイミングの少なくとも一方を制御し、更に、前記検査装置は、前記第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む情報を入力する入力手段(53)と、前記入力手段により入力された前記第1のコンベアの搬送経路長または搬送速度が、予め設定された上限を超えているときに報知する報知手段(58)とを備えたものから構成されている。
【0015】
この構成により、算出手段によって、検査装置の検査装置情報または選別装置の選別装置情報の一方に基づいて、検査装置または選別装置の他方が所望の検査選別能力となる検査選別情報を算出され、制御手段によって、算出手段が算出した検査選別情報に基づいて、検査装置または選別装置の他方が制御されることとなる。
【0016】
このため、利用者が、検査装置と選別装置とを個別に設定する必要がないので、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
【0017】
また、搬送される物品の間隔に基づいて第2のコンベアの搬送速度と振り分け部材の移動タイミングが制御されるので、搬送される物品の間隔に応じた効率的な検査および選別を行うことができる。
【0018】
また、入力手段により入力された値が予め設定された上限を超えている場合に報知されるので、正しい入力操作をすることができる。
【0019】
また、本発明の物品検査選別システムは、前記検査装置が、前記入力手段により入力された前記第1のコンベアの搬送経路長または搬送速度が、予め設定された上限を超えているときに、前記上限を表示する表示手段(59)を備えたものから構成されている。
【0020】
この構成により、入力手段により入力された値が予め設定された上限を超えている場合に、上限の値が表示されるので、上限未満の適切な値を入力することができる。
【0021】
また、本発明の物品検査選別システムは、前記検査装置が、前記選別装置が接続されたことを認識する認識手段を有し、該認識手段の認識結果に基づいて、前記選別装置の前記第2のコンベアおよび前記振り分け部材の情報を取得する情報取得手段(54)を備えたものから構成されている。
【0022】
この構成により、検査装置が選別装置に接続されたことを認識手段が認識するとともに、情報取得手段が第2のコンベアおよび振り分け部材の情報を自動的に取得することができるので、検査装置を選別装置に接続する際の利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる物品検査選別システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品検査選別システムの構成を示す上面図 (b)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品検査選別システムの構成を示す側面図
【図2】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品検査選別システムの選別装置の振り分け部材を待機位置に移動した状態を示す上面図 (b)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品検査選別システムの選別装置の振り分け部材を振り分け位置に移動した状態を示す上面図
【図3】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の構成を示す上面図 (b)は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の構成を示す側面図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の2次元変位センサの構成を示す斜視図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の動作を示すフロー図
【図6】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の構成を示す上面図 (b)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の構成を示す側面図
【図7】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の他の構成を示す上面図 (b)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の他の構成を示す側面図
【図8】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の他の構成を示す上面図 (b)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の他の構成を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
図1(a)、図1(b)は、それぞれ本発明の一実施の形態に係る物品検査選別システムの構成を示す上面図および側面図である。
【0027】
図1(a)、図1(b)に示すように、物品検査選別システム70は、物品を搬送しながら検査および選別を行うためのものであり、検査装置30と選別装置40とを備えている。
【0028】
検査装置30は、順次投入される物品Wを搬送する第1のコンベア12と、第1のコンベア12と一体に設けられ、第1のコンベア12上に搬入される物品Wを検査し、検査の結果に応じて判定信号を出力する判定手段50と、を備えている。
【0029】
また、選別装置40は、第1のコンベア12の搬送方向下流に配置され、第1のコンベア12から搬出された物品Wを搬送する第2のコンベア13と、第2のコンベア13上の所定の選別位置に設けられ、物品Wの搬送経路を判定手段50からの判定信号に応じて待機位置と振り分け位置との間で移動する振り分け部材41、42と、振り分け部材41、42の位置を検知する位置検知手段61、62と、を備えている。
【0030】
また、物品検査選別システム70は、検査装置30の検査装置情報または選別装置40の選別装置情報の一方に基づいて、検査装置30または選別装置40の他方が所望の検査選別能力となる検査選別情報を算出する算出手段71と、算出手段71が算出した検査選別情報に基づいて、検査装置30または選別装置40の他方を制御する制御手段72とを備えている。
【0031】
ここで、検査装置30の検査装置情報とは、検査装置30における第1のコンベア12の搬送経路長Lcw、搬送速度Vcw等の各種のパラメータのことをいう。また、選別装置40の選別装置情報とは、選別装置40における第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42のアーム長Lg、振り分け部材41、42の移動速度Vg等の各種のパラメータのことをいう。
【0032】
検査装置情報および選別装置情報は、例えば、検査装置30および選別装置40における、動作状態、動作条件、設定情報、機械情報等の情報である。動作状態とは、例えば、選別装置の振り分け部材41、42の角度、第1のコンベア12や第2のコンベア13の速度センサにより計測された搬送速度等のことである。動作条件とは、第1のコンベア12、第2のコンベア13のベルト速度、検査装置30の判定タイミング、判定の閾値等のことである。設定情報とは、検査装置30、選別装置40のソフトウェア上の時計等のことである。機械情報とは、第1のコンベア12および第2のコンベア13の搬送経路長や、検査装置30と選別装置40のそれぞれのソフトウェアのバージョン情報等のことである。図1には示していないが、検査装置30が検査装置情報を記憶する記憶手段を備え、選別装置40が選別装置情報を記憶する記憶手段を備えるようにしてもよい。
【0033】
なお、検査装置情報および選別装置情報は、上記の情報に限定されるものではない。また、制御手段72は、検査装置情報および選別装置情報として、上記の情報の全てを常に用いるのではなく、必要に応じて用いるようになっている。また、振り分け部材41、42の移動速度Vgは振り分け部材41、42の移動時間Taに換算することができるので、振り分け部材41、42の移動速度Vgに代えて振り分け部材41、42の移動時間Taを選別装置情報として用いるようにしてもよい。
【0034】
また、検査選別情報とは、検査装置情報または選別装置情報の一方が決定されたとき、検査装置情報または選別装置情報の他方の能力が所望のものとなるような、物品検査選別システム70の総合的な動作状態のことをいう。
【0035】
第1のコンベア12は、1組のローラ対およびこのローラ対に掛け渡された無端状のベルトとから構成されており、図示しない駆動源により駆動されるようになっている。第1のコンベア12は、後述する制御手段72によって搬送速度Vcwが制御されるようになっている。
【0036】
判定手段50は、第1のコンベア12上に搬入される物品Wを検査するものであり、本実施の形態では、物品Wの重量を計量するようになっている。なお、判定手段50により第1のコンベア12上に搬入される物品Wに金属や異物が含まれているか否かを検査するように構成してもよい。
【0037】
また、判定手段50は、計量された物品Wの重量が、この物品Wに対して予め決められている許容重量範囲内にあるか否かを判定し、許容重量範囲内にある場合にはPASSの判定信号を出力し、許容重量範囲内にない場合にはNGの判定信号を出力するようになっている。
【0038】
なお、判定手段50は、検査された物品Wに金属や異物が含まれているか否かを判定し、金属や異物が無いと判定した場合にはPASSの判定信号を出力し、金属や異物が有ると判定した場合にはNGの判定信号を出力するように構成してもよい。
【0039】
検査装置30の後段には、選別装置40が接続されており、選別装置40は、第1のコンベア12の搬送方向下流に配置され、第1のコンベア12から搬出された物品Wを搬送する第2のコンベア13と、第2のコンベア13上の所定の選別位置に設けられ、物品Wの搬送経路を判定手段50からの判定信号に応じて待機位置と振り分け位置との間で移動する振り分け部材41、42と、振り分け部材41、42の位置をそれぞれ検知する位置検知手段61、62と、を備えている。
【0040】
第2のコンベア13は、第1のコンベア12と同様に、1組のローラ対およびこのローラ対に掛け渡された無端状のベルトとから構成されており、図示しない駆動源により駆動されるようになっている。
【0041】
振り分け部材41、42は、判定手段50からの判定信号に応じて、判定信号がPASSであった場合には待機位置に、判定信号がNGであった場合には振り分け位置に移動するようになっている。この振り分け部材41、42は、モーター等からなる駆動部43により駆動される。
【0042】
図2(a)、図2(b)は、それぞれ本発明の第1の実施の形態に係る物品検査選別システムの選別装置の振り分け部材を待機位置および振り分け位置に移動した状態を示す上面図である。
【0043】
図2(a)に示すように、振り分け部材41、42の待機位置とは、第2のコンベア13上を搬送される物品Wがその終端まで移動することが許容されるように、振り分け部材41、42が第2のコンベア13の搬送方向と略平行に配置される位置である。また、図2(b)に示すように、振り分け部材41、42の振り分け位置とは、第2のコンベア13上を搬送される物品Wが第2のコンベア13の側方に移動されるように、振り分け部材41、42の先端が第2のコンベア13の上方に突出する位置である。
【0044】
位置検知手段61、62は、振り分け部材41、42の回動支点の近傍にそれぞれ設けられ、振り分け部材41、42の位置をそれぞれ検知するものである。具体的には、位置検知手段61、62は、第2のコンベア13の搬送方向と振り分け部材41、42との角度を計測することにより、振り分け部材41、42の先端位置をそれぞれ検知するようになっている。第2のコンベア13の搬送方向と振り分け部材41、42との角度は、例えば、振り分け部材41、42の回動支点に複数の孔を有する円盤を取り付けて、この円盤の孔をフォトセンサ等により光学的に読取ることにより計測することができる。
【0045】
このように構成された物品検査選別システム70においては、制御手段72が選別装置40を制御する際は、制御手段72は、検査装置30の能力により、第2のコンベア13の搬送速度Vrjと振り分け部材41、42の動作タイミングを制御するようになっている。すなわち、検査装置30においては、第1のコンベア12の搬送速度Vcw、第1のコンベア12の搬送経路長Lcwにより、単位時間毎の検査能力が決定される。選別能力は、振り分け部材41、42のアーム長Lg、振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは時間、第2のコンベア13の搬送経路長、第2のコンベア13の搬送速度Vrjと振り分け部材41、42の動作タイミングによって定まる。よって、第1のコンベア12の搬送速度Vcw、検査装置30の検査能力、物品Wの長さ、振り分け部材41、42のアーム長Lg、振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは時間、第2のコンベア13の搬送経路長に基づいて制御手段72が制御すべき選別装置40の第2のコンベア13の搬送速度Vrjと振り分け部材41、42の動作タイミングが決定される。物品検査選別システム70全体としての検査選別能力は、検査装置30の検査能力と、物品Wの長さ、振り分け部材41、42のアーム長Lg、振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは時間、振り分け部材41、42の動作タイミングにより定まる。この「選別能力」に基づいて、「検査選別情報」を生成する。
【0046】
また、物品検査選別システム70においては、振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動するタイミングと、振り分け位置から待機位置に移動するタイミングは個別に制御される。すなわち、選別装置40が判定信号を受け取ってから振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動するまでの時間と、振り分け位置から待機位置に移動するまでの時間は異なるようになっている。具体的には、選別装置40が判定信号を受け取ってから振り分け部材41、42が動作を開始するまでの遅延時間が、振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動するときと、振り分け位置から待機位置に移動するときとで異なっており、振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動するときは、先行するOK品の物品Wに接触しないとともに、NG品の物品Wが到達する前に動作完了するように振り分け部材41、42の移動タイミングが制御される。また、振り分け部材41、42が振り分け位置から待機位置に移動するときは、振り分けの対象とする物品Wに後続する物品Wに接触しないように振り分け部材41、42の移動タイミングが制御される。物品検査選別システム70においては、上述のような制御を行うことにより、搬送される複数の物品Wの間隔を短くすることができるようになっている。
【0047】
また、物品検査選別システム70においては、選別装置40の第2のコンベア13の搬送速度Vrjを変更した場合であっても、振り分け部材41、42の動作タイミングが、変更後の第2のコンベア13の速度に追従するよう制御されるようになっている。すなわち、物品検査選別システム70においては、第1のコンベア12の搬送速度Vcw、第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の動作タイミングが自動設定されるようになっているが、物品Wの形状の特性、検査装置30と選別装置40との速度差等に応じて調整が必要になる場合がある。その場合、選別装置40の第2のコンベア13の搬送速度Vrjのみを手動変更するだけで、振り分け部材41、42の動作タイミングは自動変更されるようになっている。たとえば、物品検査選別システム70のセッティングの初期の自動計算では、物品Wの検査および選別が確実に行われるよう余裕を持った制御をするようにし、検査装置30と選別装置40の速度差が少ないより安定した制御が必要な場合等には、第2のコンベア13の搬送速度Vrjを変更するだけで振り分け部材41、42の動作タイミングが自動計算される。このため、物品検査選別システム70の設置当初の調整パラメータを少なくすることができるので、最終的な調整時間を短縮することができる。
【0048】
また、物品検査選別システム70においては、後述するように、第1のコンベア12と第2のコンベア13との速度差により起因する選別装置40における物品Wの搬送の遅延を選別確認センサを利用して補正するように構成してもよい。すなわち、第1のコンベア12と第2のコンベア13とを厳密に等速で駆動することは困難であり、僅かであっても速度差が存在してしまうので、振り分け部材41、42の動作タイミングを補正しないと正確な選別を行うことができない。そこで、選別装置40に選別確認用センサを設けて、物品Wの遅延時間を測定し、振り分け部材41、42の動作タイミングを補正することにより、より確実に選別を行うことができる。
【0049】
選別確認センサを設けない場合、選別装置40の先端から振り分け部材41、42の移動端の先端までの距離(助走距離)に所定の係数を乗じることにより、該助走距離が延長されたものとみなして、物品Wの搬送遅延に対応することができる。例えば、速度差に応じて、実際の助走距離に係数1.3を乗じたものを補正後の助走距離として、振り分け部材41、42の動作タイミングを調整すればよい。
【0050】
また、物品Wの搬送方向の幅を検出することにより、振り分け部材41、42の動作タイミングを補正するように構成してもよい。すなわち、物品Wの幅をパラメータの1つとして加えることにより、選別の対象とする物品Wに先行または後続するOK品の物品Wに接触しないよう、より高い精度で、または高い効率で、振り分け部材41、42の動作タイミングを制御することができる。例えば、物品Wが搬送経路の中央部よりも側方を通過している状態の場合は、物品Wが振り分け部材41、42と接触する可能性が高くなるので、この場合、通常より早いタイミングで振り分け部材41、42が動作を開始するように制御する。
【0051】
また、物品検査選別システム70においては、振り分け部材41、42が動作を完了するまでに要する時間を監視する動作時間監視センサを設けて、第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の動作タイミングを補正するようにしてもよい。本実施の形態では、固定値として事前登録されている振り分け部材41、42の動作時間に関する情報を利用して振り分け部材41、42の動作タイミングを制御しているが、選別確認用として使用されている動作時間監視センサにより動作時間を補正することができる。この場合、振り分け部材41、42を駆動するアクチュエータの個体差の吸収、入力エア圧による速度変化による動作時間変化や、物品Wに優しい選別のために振り分け部材41、42の動作速度を遅くする改造を施した場合にも振り分け部材41、42の動作タイミングの自動制御が可能となる。ここで、振り分け部材41、42の移動速度Vgを遅くする改造とは、移動速度Vgを遅くするためにアクチュエータにスピードコントロール継手を追加した場合が挙げられる。なお、各コンベア間の速度差は、速度差を測定するための専用のセンサにより計測するようにしてもよい。また、上記の制御を行う制御手段72は、検査装置30と選別装置40の何れの側に設けてもよく、更に、物品検査選別システム70の外部に設けてもよい。物品検査選別システム70の外部に設ける場合、例えば、制御手段72の機能を有する汎用コンピュータを物品検査選別システム70に接続することにより前記の制御を実行することが可能である。
【0052】
以上のように、本実施の形態に係る物品検査選別システム70は、検査装置30の検査装置情報または選別装置40の選別装置情報の一方に基づいて、検査装置30または選別装置40の他方が所望の検査選別能力となる検査選別情報を算出する算出手段52と、算出手段52が算出した検査選別情報に基づいて、検査装置30または選別装置40の他方を制御する制御手段51とを備えるよう構成されている。
【0053】
このため、検査装置30または選別装置40の一方は、他方の装置の情報に基づいて、物品検査選別システムとしての検査選別情報を算出し、他方の装置に対して所望の検査選別能力となるよう制御を行うので、検査装置30と選別装置40とを個別に設定する必要がなく、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
(第2の実施の形態)
図3(a)、図3(b)は、それぞれ本発明の第2の実施の形態に係る検査装置30の構成を示す上面図および側面図である。
【0054】
ここで、図3(a)、図3(b)は、図1に示した物品検査選別システム70における検査装置30の具体的構成の一例を示すものであり、検査装置30の側に、前述した算出手段71としての算出手段52を備えるとともに、前述した制御手段72としての制御手段51を備えている。なお、前述の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
図3(a)、図3(b)に示すように、検査装置30は、第1のコンベア12の搬送経路長Lcwおよび搬送速度Vcwを含む情報を入力する入力手段53と、選別装置40の情報を取得する情報取得手段54と、入力手段53により入力された情報および情報取得手段54により取得された情報に基づいて、判定手段50の検査能力Ncwを算出する算出手段52と、算出手段52が算出した検査能力Ncwに基づいてこの検査能力Ncwを上回らないよう、第2のコンベア13の搬送速度Vrjおよび振り分け部材41、42の移動タイミングを制御する制御手段51とを備えている。
【0056】
入力手段53は、キーボード等から構成され、数値、文字等を入力するよう構成されている。また、情報取得手段54は、例えば、デバイスネットの接続仕様およびプロトコルに基づいて選別装置40と接続および通信をするようになっている。
【0057】
また、検査装置30は、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの通過を検出する第1の通過検出手段として、2次元変位センサ21を備えている。
【0058】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の2次元変位センサ21の構成を示す斜視図である。
【0059】
図4に示すように、2次元変位センサ21は、複数のレーザ光束を照射して反射光を受光することにより、測定対象物の通過、高さ、幅、長さ、形状および測定範囲内における位置等を測定することができるものであり、第1のコンベア12の上方(本実施の形態では、第1のコンベア12の搬送方向上流部の上方)に物品Wと接触しないよう十分な間隔を隔てて配置されている。2次元変位センサ21としては、例えば、株式会社キーエンス製のLJ−Gシリーズ高精度2次元変位センサを用いることができる。
【0060】
また、検査装置30は、2次元変位センサ21の検出結果に基づいて、物品Wの後端と、この物品Wに後続する物品Wの先端との間隔Lpを算出する間隔算出手段55とを備えている。そして、制御手段51は、間隔算出手段55が測定した間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrjおよび振り分け部材41、42の移動タイミングを制御するようになっている。
【0061】
間隔算出手段55は、2次元変位センサ21により、物品Wの後端を検出してから、この物品Wに後続する物品Wの先端を検出するまでの時間に、第1のコンベア12の搬送速度Vcwを乗じることにより間隔Lpを算出する。
【0062】
また、検査装置30は、位置検知手段61、62が検知する振り分け部材41、42の位置に基づいて、振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置までの移動に要する移動時間Taを算出する移動時間算出手段56と、移動時間算出手段56が算出した移動時間Taに基づいて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正する補正手段57とを備えている。
【0063】
ここで、判定手段50が物品Wの重量を計量してから判定信号を出力するまでの時間は、判定手段50が計量を終えるまでの時間T1と、T1が経過してから実際に判定手段50が判定信号を出力するまでの時間T2とからなるものであり、補正手段57は、時間T2に対して補正値を加減するようになっている。
【0064】
また、検査装置30においては、前述の2次元変位センサ21を、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの幅を検出するとともに、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの、第1のコンベア12の幅方向の通過位置を検出する第1の通過検出手段として用いるようになっている。
【0065】
補正手段57は、幅検出手段として2次元変位センサ21が検出した物品Wの幅と、第1の通過検出手段として2次元変位センサ21が検出した物品Wの通過位置に基づいて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正するようになっている。
【0066】
補正手段57は、例えば、第1のコンベア12の幅に対して物品Wの幅が等しい場合、第1のコンベア12の幅に対して物品Wの幅が2/3である場合、第1のコンベア12の幅に対して物品Wの幅が1/3である場合等のそれぞれに応じて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正、すなわち、時間T2に対して補正値を加減する。また、補正手段57は、物品Wの通過位置が第1のコンベア12の搬送方向中央である場合、物品Wの通過位置が第1のコンベア12の搬送方向左寄りである場合、物品Wの通過位置が第1のコンベア12の搬送方向右寄りである場合等のそれぞれに応じて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正、すなわち、時間T2に対して補正値を加減する。
【0067】
また、補正手段57は、第1のコンベア12の搬送速度Vcwと第2のコンベア13の搬送速度Vrjの差に基づいて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正するようになっている。
【0068】
第1のコンベア12の搬送速度Vcwと第2のコンベア13の搬送速度Vrjに差がある場合、第1のコンベア12から第2のコンベア13に物品Wが乗り継ぐ際に、ベルト面との間で滑りが発生する。このため、補正手段57は、時間T2に対して搬送速度Vcwと搬送速度Vrjの差に基づいた補正値を加減する。
【0069】
また、検査装置30は、入力手段53により入力された第1のコンベア12の搬送経路長Lcwまたは搬送速度Vcwが、予め設定された上限を超えているときに報知する報知手段58を備えている。報知手段58は、利用者が視覚または聴覚等により認識できるよう、発光または音声出力等によって報知を行うものである。
【0070】
また、検査装置30は、入力手段53により入力された第1のコンベア12の搬送経路長Lcwまたは搬送速度Vcwが、予め設定された上限を超えているときに、上限を表示する表示手段59を備えている。表示手段59は、液晶表示装置等から構成されており、例えば、入力手段53により入力された搬送速度Vcwが150m/minであり、予め設定された上限が120m/minである場合には、「上限:120m/min」等のように表示するようになっている。
【0071】
なお、情報取得手段54は、選別装置40が接続されたことを認識する認識手段63を備え、認識手段63の認識結果に基づいて、第2のコンベア13および振り分け部材41、42の情報を取得してもよい。すなわち、選別装置40が検査装置30に接続されたことを認識手段63が認識した場合に、情報取得手段54が、第2のコンベア13および振り分け部材41、42の情報を取得するようにしてもよい。認識手段63は、情報取得手段54と選別装置40との電気的接続や、デバイスネットの仕様に基づいたネゴシエーションによって認識を行う。
【0072】
次に、以上のように構成された検査装置30の動作について説明する。
【0073】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の動作を示すフロー図である。なお、以下の動作は、主として制御手段51により行われる。
【0074】
図5に示すように、検査装置30および選別装置40においては、2次元変位センサ21によって検出した物品Wの先端が、先行する物品Wの後端に対して検出リミット以下、すなわち、双方の物品Wの間隔Lpが所定の閾値以下であるか否かを判別する(ステップS1)。
【0075】
ステップS1の判別が"NO"の場合、通常の選別処理を行い(ステップS1)、ステップS1の判別が"YES"の場合、物品Wの選別方向、すなわち振り分け部材41、42を待機位置に移動するかまたは振り分け位置に移動するかが、先行する物品Wと同じであるか否かを判別する(ステップS3)。
【0076】
ステップS3の判別が"YES"の場合、選別装置40の選別能力を超えているものとしてステップS5以降の処理を行うことを決定する(ステップS4)。
【0077】
ステップS5では、物品Wに対する判定手段50の判定結果が、先行する物品Wに対する判定結果と同じであるか否かを判別する(ステップS5)。
【0078】
ステップS5の判別が"YES"である場合、すなわち、物品Wに対する判定手段50の判定結果が、先行する物品Wに対する判定結果と異なる場合、振り分け部材41、42の位置を、予め定めた待機位置または振り分け位置の何れかに移動して物品Wの選別を行う(ステップS6)。
【0079】
一方、ステップS5の判別が"NO"である場合、すなわち、物品Wに対する判定手段50の判定結果が、先行する物品Wに対する判定結果と同じである場合、物品Wに対する判定手段50の判定結果が"NG"であったか否かを判別する(ステップS7)。
【0080】
ステップS7の判別が"NG"である場合、振り分け部材41、42の位置を、先行する物品Wのときと同じ状態に保持する(ステップS8)。また、ステップS7の判別が"NG"でない場合、すなわち、物品Wに対する判定手段50の判定結果が"PASS"であった場合、振り分け部材41、42の位置を待機位置に移動する。
【0081】
以上のように、本実施の形態に係る検査装置30は、第1のコンベア12の搬送経路長Lcwおよび搬送速度Vcwを含む検査装置情報と、選別装置情報とに基づいて、算出手段52が検査選別情報を算出し、制御手段51が第2のコンベア13の搬送速度Vrjまたは振り分け部材41、42の移動タイミングの少なくとも一方を制御するようになっている。
【0082】
このため、検査装置情報と、選別装置情報とに基づいて、算出手段52が検査選別情報を算出し、検査装置30により選別装置40の第2のコンベア13の搬送速度Vrjまたは振り分け部材41、42の移動タイミングの少なくとも一方が制御されるので、検査装置30と選別装置40とを個別に設定する必要がない。
【0083】
したがって、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る検査装置30は、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの通過を検出する第1の通過検出手段としての2次元変位センサ21を備えるとともに、2次元変位センサ21の検出結果に基づいて、物品Wの後端と、この物品Wに後続する物品Wの先端との間隔を算出する間隔算出手段55とを備え、制御手段51は、間隔算出手段55が測定した間隔に基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrjおよび振り分け部材41、42の移動タイミングの少なくとも一方を制御するようになっている。
【0085】
このため、搬送される物品Wの間隔Lpに基づいて第2のコンベア13の搬送速度Vrjと振り分け部材41、42の移動タイミングが制御されるので、搬送される物品Wの間隔Lpに応じた効率的な検査および選別を行うことができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る検査装置30は、位置検知手段61、62が検知する振り分け部材41、42の位置に基づいて、振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置までの移動に要する移動時間Taを算出する移動時間算出手段56と、移動時間算出手段56が算出した移動時間Taに基づいて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正する補正手段57とを備えている。
【0087】
このため、移動時間算出手段56が算出した移動時間に基づいて、検査装置30の判定手段50から選別装置40に出力される判定信号のタイミングが補正されるので、物品Wを高速で搬送する場合や物品Wの間隔Lpが短い場合であっても、安定して正確に検査および選別を行うことができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る検査装置30は、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの幅を検出するとともに、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの、第1のコンベア12の幅方向の通過位置を検出する第1の通過検出手段としての2次元変位センサ21とを備え、補正手段57は、幅検出手段21が検出した物品Wの幅と、2次元変位センサ21が検出した物品Wの通過位置に基づいて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正するよう構成されている。
【0089】
このため、物品Wの幅が広い場合または物品Wの通過位置が第1のコンベア12の中央部にない場合および物品Wの通過位置が一定していない場合であっても、安定して正確に検査および選別を行うことができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る検査装置30においては、補正手段57は、第1のコンベア12と第2のコンベア13の搬送速度の差に基づいて、判定手段50が判定信号を出力するタイミングを補正するよう構成されている。
【0091】
このため、物品Wが第1のコンベア12から第2のコンベア13に移動する際に生じる物品Wと搬送面との滑りによる影響が補正されるので、第1のコンベア12と第2のコンベア13の搬送速度が異なる場合であっても安定して正確に検査および選別を行うことができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る検査装置30は、入力手段53により入力された第1のコンベア12の搬送経路長Lcwまたは搬送速度Vcwが、予め設定された上限を超えているときに報知する報知手段58を備えている。
【0093】
このため、入力手段53により入力された値が予め設定された上限を超えている場合に報知されるので、正しい入力操作をすることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る検査装置30は、入力手段53により入力された第1のコンベア12の搬送経路長Lcwまたは搬送速度Vcwが、予め設定された上限を超えているときに、上限を表示する表示手段59を備えている。
【0095】
このため、入力手段53により入力された値が予め設定された上限を超えている場合に、上限の値が表示されるので、上限未満の適切な値を入力することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る検査装置30においては、情報取得手段54は、選別装置40が接続されたことを認識する認識手段63を備え、認識手段63の認識結果に基づいて、第2のコンベア13および振り分け部材41、42の情報を取得するよう構成されている。
【0097】
このため、検査装置30が選別装置40に接続されたことを認識手段63が認識するとともに、情報取得手段54が第2のコンベア13および振り分け部材41、42の情報を自動的に取得することができるので、検査装置30を選別装置40に接続する際の利便性を高めることができる。
(第3の実施の形態)
図6(a)、図6(b)は、それぞれ本発明の第3の実施の形態に係る選別装置40の構成を示す上面図および側面図である。
【0098】
ここで、図6(a)、図6(b)は、図1に示した物品検査選別システム70における選別装置40の具体的構成の一例を示すものであり、選別装置40の側に、前述した算出手段71として、物品Wの間隔を算出する間隔算出手段65を備えるとともに、前述した制御手段72として、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間の制御等を行う制御手段60を備えている。なお、前述の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
図6(a)、図6(b)に示すように、選別装置40は、第1のコンベア12上に順次搬入される物品Wを検査して、検査の検査結果に応じて判定信号を出力し、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの通過を検出して通過信号を出力する検査装置30に接続されるものである。
【0100】
選別装置40は、第1のコンベア12の搬送速度Vcwおよび第2のコンベア13の搬送速度Vrj、判定信号が入力されるときの物品Wの先端から振り分け部材41、42の先端までの距離、物品Wの位置情報、および振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは移動時間の少なくとも1つに基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御する制御手段60を備えている。物品Wの位置情報とは、物品Wが第12のコンベア13の搬送方向中央、搬送方向左寄り、搬送方向右寄りの何れを通過するかに関する情報を含むものである。なお、判定信号が入力されるときの物品Wの先端の位置によっては、第1のコンベア12の搬送速度Vcwの情報がなくても、制御手段60は、振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御することができる。制御手段60が、第2のコンベア13の搬送速度Vrjを制御する際には、振り分け部材41、42のアーム長Lgの情報を必要とする。
【0101】
ここで、制御手段60に判定手段50からの判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を終了するまでの時間は、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの選別遅延時間T3と、選別遅延時間T3の経過後に振り分け部材41、42の移動に要する選別動作時間T4とからなるものであり、制御手段60は、選別遅延時間T3に対して補正値を加減するようになっている。
【0102】
また、選別装置40は、検査装置30から出力された物品Wの通過信号に基づいて、第1のコンベア12上を搬送される先行する物品Wの後端と、この物品Wに後続する物品Wの先端との間隔Lpを算出する間隔算出手段65を備えている。そして、制御手段60は、間隔算出手段65が測定した間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは移動時間の少なくとも1つに基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間(選別遅延時間T2)を制御するようになっている。
【0103】
具体的には、間隔算出手段65は、検査装置30の2次元変位センサ21により、第1のコンベア12上を搬送される先行する物品Wの後端を検出してから、先行する物品Wに後続する物品Wの先端を検出するまでの時間に、第1のコンベア12の搬送速度Vcwを乗じることにより間隔Lpを算出する。
【0104】
また、選別装置40は、第2のコンベア13上を搬送される物品Wの通過を検出する第2の通過検出手段として、2次元変位センサ22を備えている。2次元変位センサ22は2次元変位センサ21と同様に構成されている。そして、間隔算出手段65は、2次元変位センサ22の検出結果に基づいて、第2のコンベア13上を搬送される先行する物品Wの後端と、この物品Wに後続する物品Wの先端との間隔Lpを算出するようになっている。すなわち、間隔算出手段65は、2次元変位センサ22により、第2のコンベア13上を搬送される先行する物品Wの後端を検出してから、この物品Wに後続する物品Wの先端を検出するまでの時間に、第2のコンベア13の搬送速度Vrjを乗じることにより間隔Lpを算出する。
【0105】
また、選別装置40は、制御手段60が制御する第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vg、および判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間(選別遅延時間T3)のうち、これらの優先順位を設定する優先順位設定手段64を備えている。そして、制御手段60は、優先順位設定手段64による設定情報に従って、間隔算出手段65が測定した間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vg、および判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間(選別遅延時間T3)を制御するようになっている。
【0106】
ここで、第2のコンベア13の搬送速度Vrjと、振り分け部材41、42の移動速度Vgとの間には、一定の関係が存在し、例えば、搬送速度Vrjが速い場合には、振り分け部材41、42の移動速度Vgを速くする必要がある。また、第2のコンベア13の搬送速度Vrjと、選別遅延時間T3との間にも一定の関係が存在し、例えば、搬送速度Vrjが速い場合には、選別遅延時間T3を短くする必要がある。そこで、選別装置40においては、ユーザーが優先順位設定手段64により上記各パラメータに優先順位を設定しておき、この優先順位に従って、制御手段60が搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vg、および選別遅延時間T3を制御するようになっている。
【0107】
また、本実施の形態においては、判定信号が入力されてから制御手段60により振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動を開始するまでの第1の時間T3aと、判定信号が入力されてから制御手段60により振り分け部材41、42が振り分け位置から待機位置に移動を開始するまでの第2の時間T3bとが異なるように、制御手段60は、振り分け部材41、42の移動を制御するようになっている。
【0108】
振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動した場合、第2のコンベア13の搬送方向における振り分け部材41、42の先端の位置は、搬送方向下流側に移動する。一方、振り分け部材41、42が振り分け位置から待機位置に移動した場合、第2のコンベア13の搬送方向における振り分け部材41、42の先端の位置は、搬送方向上流側に移動する。このため、制御手段60は、第1の時間T3aが第2の時間T3bよりも大きくなるよう、振り分け部材41、42の移動を制御することにより、振り分け部材の移動が終了したときに振り分け部材の先端付近に物品Wが搬送されるようにすることができ、先行する物品Wの側面に振り分け部材41、42が接触することを防止することができる。
【0109】
また、制御手段60は、2次元変位センサ22による検知情報に基づいて、第1の時間T3a、第2の時間T3b、および判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間(選別遅延時間T3)を制御するようになっている。具体的には、制御手段60は、第2のコンベア13の搬送方向上流部の上方に配置された2次元変位センサ22が物品Wを検知すると、第2のコンベア13の搬送速度Vrjを参照して物品Wが振り分け部材41、42に接近するまでの時間を算出し、算出された時間に応じて第1の時間T3a、第2の時間T3b、および選別遅延時間T3を補正するようになっている。
【0110】
次に、以上のように構成された選別装置40の動作について説明する。なお、以下の動作は、検査装置30と選別装置40の双方の動作を含んでいる。
【0111】
選別装置40の動作は、図5で説明したフロー図と同様である。すなわち、図5に示すように、検査装置30および選別装置40においては、2次元変位センサ21によって検出した物品Wの先端が、先行する物品Wの後端に対して検出リミット以下、すなわち、双方の物品Wの間隔Lpが所定の閾値以下であるか否かを判別する(ステップS1)。
【0112】
ステップS1の判別が"NO"の場合、通常の選別処理を行い(ステップS1)、ステップS1の判別が"YES"の場合、物品Wの選別方向、すなわち振り分け部材41、42を待機位置に移動するかまたは振り分け位置に移動するかが、先行する物品Wと同じであるか否かを判別する(ステップS3)。
【0113】
ステップS3の判別が"YES"の場合、選別装置40の選別能力を超えているものとしてステップS5以降の処理を行うことを決定する(ステップS4)。
【0114】
ステップS5では、物品Wに対する判定手段50の判定結果が、先行する物品Wに対する判定結果と同じであるか否かを判別する(ステップS5)。
【0115】
ステップS5の判別が"YES"である場合、すなわち、物品Wに対する判定手段50の判定結果が、先行する物品Wに対する判定結果と異なる場合、振り分け部材41、42の位置を、予め定めた待機位置または振り分け位置の何れかに移動して物品Wの選別を行う(ステップS6)。
【0116】
一方、ステップS5の判別が"NO"である場合、すなわち、物品Wに対する判定手段50の判定結果が、先行する物品Wに対する判定結果と同じである場合、物品Wに対する判定手段50の判定結果が"NG"であったか否かを判別する(ステップS7)。
【0117】
ステップS7の判別が"NG"である場合、振り分け部材41、42の位置を、先行する物品Wのときと同じ状態に保持する(ステップS8)。また、ステップS7の判別が"NG"でない場合、すなわち、物品Wに対する判定手段50の判定結果が"PASS"であった場合、振り分け部材41、42の位置を待機位置に移動する。
【0118】
以上のように、本実施の形態に係る選別装置40においては、制御手段60は、第1のコンベア12および第2のコンベア13の搬送速度Vcw、Vrj、振り分け部材41、42のアーム長Lg、物品Wの位置情報、および振り分け部材41、42の移動速度Vgに基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御するようになっている。
【0119】
このため、選別装置40の制御手段60は、第1のコンベア12および第2のコンベア13の搬送速度Vcw、Vrj、振り分け部材41、42のアーム長Lg、物品Wの位置情報、および振り分け部材41、42の移動速度Vgに基づいて、検査装置30から判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御することとなる。
【0120】
また、振り分け部材41、42が移動を開始するタイミングが制御手段60により制御されるので、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
【0121】
また、振り分け部材41、42が移動を開始するタイミングは、第1のコンベア12および第2のコンベア13の搬送速度Vcw、Vrj、振り分け部材41、42のアーム長Lg、物品Wの位置情報、および振り分け部材41、42の移動速度Vgに基づいて制御されるので、安定して正確に検査および選別を行うことができる。
【0122】
したがって、安定して正確に選別を行えるとともに、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができる。
【0123】
また、本実施の形態に係る選別装置40は、検査装置30から出力された物品Wの通過信号に基づいて、第1のコンベア12上を搬送される先行する物品Wの後端と、この物品Wに後続する物品Wの先端との間隔Lpを算出する間隔算出手段65を備え、制御手段60は、間隔算出手段65が測定した間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは移動時間の少なくとも1つに基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御するよう構成されている。
【0124】
このため、第1のコンベア12上を搬送される物品Wの間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrjと振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは移動時間の少なくとも1つに基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間が制御されるので、搬送される物品Wの間隔Lpに応じた効率的な検査および選別を行うことができる。
【0125】
また、本実施の形態に係る選別装置40は、第2のコンベア13上を搬送される物品Wの通過を検出する第2の通過検出手段としての2次元変位センサ22を備え、間隔算出手段65は、2次元変位センサ22の検出結果に基づいて、第2のコンベア13上を搬送される先行する物品Wの後端と、この物品Wに後続する物品Wの先端との間隔Lpを算出するよう構成されている。
【0126】
このため、第2のコンベア13上を搬送される物品Wの間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrjと振り分け部材41、42の移動速度Vgまたは移動時間の少なくとも1つに基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間が制御されるので、搬送される物品Wの間隔Lpに応じた効率的な検査および選別を行うことができる。
【0127】
また、本実施の形態に係る選別装置40は、制御手段60が制御する第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vg、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間のうち、これらの優先順位を設定する優先順位設定手段64を備え、制御手段60は、優先順位設定手段64による設定情報に従って、間隔算出手段65が測定した間隔Lpに基づいて、第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vg、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御するよう構成されている。
【0128】
このため、制御手段60が制御する第2のコンベア13の搬送速度Vrj、振り分け部材41、42の移動速度Vg、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間の3者の間に取捨選択の関係がある場合であっても、何れを優先して動作を行うかを設定しておくことができるので、安定して正確に選別を行うことができる。
【0129】
また、本実施の形態に係る選別装置40は、判定信号が入力されてから制御手段60により振り分け部材41、42が待機位置から振り分け位置に移動を開始するまでの第1の時間T3aと、判定信号が入力されてから制御手段60により振り分け部材41、42が振り分け位置から待機位置に移動を開始するまでの第2の時間T3bとが異なるよう構成されている。
【0130】
このため、振り分け部材41、42の移動が終了したときに振り分け部材41、42の先端付近に物品Wが搬送されるように無駄の無い制御をすることが可能となるので、物品Wを高速で搬送する場合や物品Wの間隔Lpが短い場合であっても、安定して正確に検査および選別を行うことができる。
【0131】
また、本実施の形態に係る選別装置40は、制御手段60は、第2の通過検出手段としての2次元変位センサ22による検知情報に基づいて、判定信号が入力されてから振り分け部材41、42が移動を開始するまでの時間を制御するよう構成されている。
【0132】
このため、振り分け部材41、42の移動が終了したときに振り分け部材41、42の先端付近に物品Wが搬送されるように無駄の無い制御をすることが可能となるので、物品Wを高速で搬送する場合や物品Wの間隔Lpが短い場合であっても、安定して正確に検査および選別を行うことができる。
【0133】
また、本実施の形態に係る選別装置40においても、前述の実施形態の検査装置30と同様に、検査装置30が接続されたことを認識する認識手段を有し、該認識手段の認識結果に基づいて、第1のコンベア12の搬送経路長Lcwおよび搬送速度Vcwを含む検査装置30の検査装置情報を取得する情報取得手段を備えるようにしてもよい。
【0134】
その場合、選別装置40が検査装置30に接続されたことを認識手段が認識するとともに、情報取得手段が第1のコンベア12の搬送経路長Lcwおよび搬送速度Vcwを含む検査装置30の検査装置情報を自動的に取得することができるので、選別装置40を検査装置30に接続する際の利便性を高めることができる。
【0135】
なお、本発明は、以下に説明するように、ドロッパ方式またはプッシュアウト方式により選別を行うタイプの物品検査選別システムであっても適用し、同様の効果を得ることができる。
【0136】
図7(a)、図7(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の他の構成を示す上面図および側面図であり、選別装置40がドロッパ方式により選別を行うものである。
【0137】
図7(a)、図7(b)に示すように、物品Wの選別は、ドロッパとしての第2のコンベア13の一端を下方に傾斜させることによって行うようにしてもよい。
【0138】
図8(a)、図8(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る選別装置の他の構成を示す上面図および側面図であり、選別装置40がプッシュアウト方式により選別を行うものである。
【0139】
図8(a)、図8(b)に示すように、物品Wの選別は、第2のコンベア13の搬送方向の下流側の振り分け部材41、42の端部を移動させることにより行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上のように、本発明に係る物品検査選別システムは、操作に習熟していない利用者が利用する場合にも、確実に安定動作することができるという効果を有し、物品を搬送しながら検査および選別を行う物品検査選別システムとして有用である。
【符号の説明】
【0141】
12 第1のコンベア
13 第2のコンベア
21、22 2次元変位センサ(第1の通過検出手段、第2の通過検出手段)
30 検査装置
40 選別装置
41、42 振り分け部材
50 判定手段
51、60、72 制御手段
52、71 算出手段
53 入力手段
54 情報取得手段
55、65 間隔算出手段
56 移動時間算出手段
57 補正手段
58 報知手段
59 表示手段
61、62 位置検知手段
63 認識手段
64 優先順位設定手段
70 物品検査選別システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次投入される物品(W)を搬送する第1のコンベア(12)と、
前記第1のコンベアと一体に設けられ、前記第1のコンベア上に搬入される物品を検査し、前記検査の結果に応じて判定信号を出力する判定手段(50)と、
を備えた検査装置(30)と、
前記第1のコンベアの搬送方向下流に配置され、前記第1のコンベアから搬出された物品を搬送する第2のコンベア(13)と、
前記第2のコンベア上の所定の選別位置に設けられ、前記物品の搬送経路を切り換えるために前記判定手段からの判定信号に応じて待機位置と振り分け位置との間を移動する振り分け部材(41、42)と、
を備えた選別装置(40)と、
を含む物品検査選別システム(70)において、
前記検査装置に備えられた前記第1のコンベアの搬送経路長または動作条件を含む検査装置情報、前記選別装置に備えられた前記第2のコンベアの動作条件または前記振り分け部材の動作条件を含む選別装置情報からなる検査選別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記検査装置の検査装置情報から算出される該検査装置の能力である単位時間毎の検査能力または前記選別装置の選別装置情報から算出される該選別装置の能力である単位時間毎の選別能力の一方の装置の能力に基づいて、他方の装置の能力が所望の能力となる前記検査選別情報を算出する算出手段(52)と、
前記算出手段が算出した前記検査選別情報を前記記憶手段に記憶させるとともに、該検査選別情報に基づいて、前記所望の能力となるように、前記他方の装置の動作条件を設定する制御手段(51)と、を備え、
前記検査装置は、
前記制御手段と前記算出手段を備え、
前記第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む前記検査装置情報に基づいて、前記算出手段が前記検査選別情報を算出し、前記制御手段が前記選別装置の前記第2のコンベアの搬送速度および前記振り分け部材の移動タイミングの少なくとも一方を制御し、
更に、前記検査装置は、前記第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む情報を入力する入力手段(53)と、
前記入力手段により入力された前記第1のコンベアの搬送経路長または搬送速度が、予め設定された上限を超えているときに報知する報知手段(58)とを備えたことを特徴とする物品検査選別システム。
【請求項2】
順次投入される物品(W)を搬送する第1のコンベア(12)と、
前記第1のコンベアと一体に設けられ、前記第1のコンベア上に搬入される物品を検査し、前記検査の結果に応じて判定信号を出力する判定手段(50)と、
を備えた検査装置(30)と、
前記第1のコンベアの搬送方向下流に配置され、前記第1のコンベアから搬出された物品を搬送する第2のコンベア(13)と、
前記第2のコンベア上の所定の選別位置に設けられ、前記物品の搬送経路を切り換えるために前記判定手段からの判定信号に応じて待機位置と振り分け位置との間を移動する振り分け部材(41、42)と、
を備えた選別装置(40)と、
を含む物品検査選別システム(70)において、
前記検査装置に備えられた前記第1のコンベアの搬送経路長または動作条件を含む検査装置情報、前記選別装置に備えられた前記第2のコンベアの動作条件または前記振り分け部材の動作条件を含む選別装置情報からなる検査選別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記検査装置の検査装置情報から算出される該検査装置の能力である単位時間毎の検査能力または前記選別装置の選別装置情報から算出される該選別装置の能力である単位時間毎の選別能力の一方の装置の能力に基づいて、他方の装置の能力が所望の能力となる前記検査選別情報を算出する算出手段(52)と、
前記算出手段が算出した前記検査選別情報を前記記憶手段に記憶させるとともに、該検査選別情報に基づいて、前記所望の能力となるように、前記他方の装置の動作条件を設定する制御手段(51)と、を備え、
前記検査装置は、前記第1のコンベア上を搬送される物品の通過を検出する第1の通過検出手段(21)と、
前記第1の通過検出手段の検出結果に基づいて、前記第1のコンベア上を搬送される先行する前記物品の後端と、該物品に後続する物品の先端との間隔を算出する間隔算出手段(55)と、前記制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記間隔算出手段が算出した間隔に基づいて、前記選別装置の前記第2のコンベアの搬送速度および前記振り分け部材の移動タイミングの少なくとも一方を制御し、
更に、前記検査装置は、前記第1のコンベアの搬送経路長および搬送速度を含む情報を入力する入力手段(53)と、
前記入力手段により入力された前記第1のコンベアの搬送経路長または搬送速度が、予め設定された上限を超えているときに報知する報知手段(58)とを備えたことを特徴とする物品検査選別システム。
【請求項3】
前記検査装置が、前記入力手段により入力された前記第1のコンベアの搬送経路長または搬送速度が、予め設定された上限を超えているときに、前記上限を表示する表示手段(59)を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品検査選別システム。
【請求項4】
前記検査装置が、前記選別装置が接続されたことを認識する認識手段を有し、該認識手段の認識結果に基づいて、前記選別装置の前記第2のコンベアおよび前記振り分け部材の情報を取得する情報取得手段(54)を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の物品検査選別システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−176407(P2012−176407A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−110455(P2012−110455)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【分割の表示】特願2007−196977(P2007−196977)の分割
【原出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】