説明

物品移載装置及び物品移載方法

【課題】様々な大きさの物品の荷取り時及び荷置き時における物品の位置ずれ及びはみ出しを抑制し、適切な位置に物品を配置することができる物品移載装置及び物品移載方法を提供する。
【解決手段】物品4の物品載置部と昇降台6との間の通過を検出する荷通過センサ8と、フォーク7の移動量を検出可能なフォーク位置検出手段9と、フォーク7の水平移動及び伸縮を制御する制御手段10と、を備え、制御手段10は、フォーク位置検出手段9により検出されたフォーク7の移動量と荷通過センサ8により検出された物品4の通過時間とから物品4の位置ずれを検出し、該位置ずれを修正するようにフォーク7を移動させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫等において物品を搬送し、物品を格納するラック等との間で物品の入出庫を行う物品移載装置及び物品移載方法に関し、特に、適切な位置に物品を配置することができる物品移載装置及び物品移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ制御によって物品の入出庫を行う無人化された自動倉庫は、一般的に、物品を格納する複数のラックが水平方向及び上下方向に並設された格納庫と、物品を搬送して各ラックに対して物品の入出庫を行うスタッカクレーン(物品移載装置)と、を備えている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。そして、スタッカクレーンは、一般的に、格納庫に沿って床や天井に延設したレール上を走行する走行台車と、走行台車上に垂直に立設したマストと、このマストに沿って昇降する昇降台と、昇降台を昇降させる昇降装置と、を備えている。また、サイドピッキング方式のスタッカクレーンにおける昇降台では、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能、かつ、ラックとの対向方向に伸縮可能な一対のフォークを備えている。
【0003】
ここで、サイドピッキング方式のスタッカクレーンの具体的な動作について説明する。目的のラックに物品を入庫する場合は、走行台車が格納庫に沿って走行しながら昇降台が昇降し、昇降台が目的のラックの対向位置に移動し、一対のフォークが互いに接近して物品を把持し、把持した物品を昇降台からラック側に移送する。また、目的のラックから物品を出庫する場合は、昇降台が目的のラックの対向位置に移動し、一対のフォークが目的のラック内の物品の両側面を把持できる位置まで延伸し、互いに接近して物品を把持し、把持した物品を目的のラックから昇降台側に移送する。
【0004】
前記一対のフォークは、昇降台上で互いの離間距離を変化させるように水平移動可能に昇降台に支持された固定フォークと、固定フォークに支持されるとともに固定フォークの移動方向に対して直交する方向(ラックに対向する方向)にスライド移動可能に構成された可動フォークと、を有する。そして、一対のフォークは、固定フォークが昇降台上を水平移動することによって、一対のフォークの間に載置された物品を把持することができ、可動フォークがスライド移動することによって、フォークが伸縮し、把持した物品を移載することができる。
【0005】
また、上述したスタッカクレーンは、入出庫ステーション(例えば、格納庫の周辺に配置される物品を搬送するコンベヤ)においても同様の動作を行う。以下、格納庫や入出庫ステーションからスタッカクレーンの昇降台上に物品を移載する場合を「荷取り」と称し、スタッカクレーンの昇降台から格納庫や入出庫ステーションに物品を移載する場合を「荷置き」と称することとする。
【0006】
ところで、自動倉庫において、物品の昇降台やラックにおける載置位置が所定の位置からずれることが重なると、物品の荷取り時又は荷置き時に物品がラックや昇降台からはみ出してしまい、スタッカクレーンが移動できないことがある。そのため、スタッカクレーンでは、一般に、物品のはみ出しを検出するはみ出しセンサを備えており、はみ出しセンサが物品のはみ出しを検出した場合には、管理者が人手ではみ出しを直していた(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、特許文献2に記載されたスタッカクレーンでは、物品の位置ずれセンサを配置して、移載方向に対して前後方向に生じた荷の位置ずれを補正することができるようにしている。具体的には、特許文献2には、移載される荷(物品)の端部が所定の位置に至ったときに作動する位置検出スイッチと、昇降台に固定され且つ移載機による移載方向への荷の許容範囲内の位置ずれを検知する荷位置ずれセンサと、前記荷位置ずれセンサが荷の許容範囲内の位置ずれを検知したときにその位置ずれ量を測定する位置ずれ量測定手段と、前記荷位置ずれセンサが荷の許容範囲内の位置ずれを検知すると、前記位置ずれ量測定手段で測定された位置ずれ量に対応した量だけ移載機の移載ストローク量を調整して荷の移載動作を行わせるコントローラと、を備え、前記位置ずれ量測定手段は、予め決められた大きさの荷を移載する場合に移載機による移載動作の開始から前記位置検出スイッチが作動するまでの所要時間に基づいて位置ずれ量を算出することを特徴とするスタッカクレーンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−024493号公報
【特許文献2】特許第4419782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に記載されたスタッカクレーンでは、移載機による移載動作の開始から位置検出スイッチが作動するまでの所要時間に基づいて位置ずれ量を算出していることから、位置検出スイッチが正常に作動した後の物品の位置ずれに関しては位置ずれ量を算出することができないという問題があった。
【0010】
また、特許文献2に記載されたスタッカクレーンでは、予め決められた大きさの荷(物品)が移載対象となっているため、様々な大きさの物品をラックに入出庫させようとした場合に、物品の大きさによっては位置ずれを検出することができなかったり、搬送する物品の大きさごとに移載ストローク量を変更しなければならなかったりするため、効率が悪く、不便であり、結果として、物品のラック又は昇降台からのはみ出しが生じてしまうという問題もあった。
【0011】
さらに、特許文献2に記載されたスタッカクレーンでは、フォークによって荷の底面から荷を掬い取るタイプであるため、フォークが昇降台のフォーク中央に戻った際に、荷の位置ずれが許容範囲を超えている場合には、その位置ずれを修正することができず、移載動作を異常停止せざるを得ないという問題もあった。
【0012】
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、様々な大きさの物品の荷取り時及び荷置き時における物品の位置ずれ及びはみ出しを抑制し、適切な位置に物品を配置することができる物品移載装置及び物品移載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、物品が載置される物品載置部に沿って水平方向に移動可能に立設されたマストと、該マストに沿って昇降可能に支持された昇降台と、該昇降台に設けられ、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能、かつ、前記物品載置部に向かって伸縮可能な一対のフォークと、を有し、前記フォークを水平移動させて前記物品を把持し、前記フォークを伸縮させて前記物品載置部と前記昇降台との間で前記物品を移送する物品移載装置であって、前記物品の前記物品載置部と前記昇降台との間の通過を検出する荷通過センサと、前記フォークの移動量を検出可能なフォーク位置検出手段と、前記フォークの水平移動及び伸縮を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記フォーク位置検出手段により検出された前記フォークの移動量と前記荷通過センサにより検出された前記物品の通過時間とから前記物品の位置ずれを検出し、該位置ずれを修正するように前記フォークを移動させる、ことを特徴とする物品移載装置が提供される。
【0014】
前記制御手段は、前記物品載置部における前記位置ずれを検出した際に、前記物品の幅よりも狭くなるように前記フォークを水平移動させ、前記フォークを前記物品に向かって延伸させることにより、前記フォークの先端部を前記物品に押し当てて、前記位置ずれを修正するようにしてもよい。
【0015】
また、前記制御手段は、前記フォーク位置検出手段により検出された前記フォークの移動量と前記荷通過センサにより検出された前記物品の通過時間とから、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線との位置ずれ量を算出し、前記物品を把持するように前記フォークを水平移動させ、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線とを一致させるように前記位置ずれ量だけ前記フォークを伸縮させることにより、前記位置ずれを修正するようにしてもよい。
【0016】
前記フォークは、前記昇降台に水平移動可能に支持された固定フォークと、該固定フォークに支持されるとともに該固定フォークの移動方向に対して直交する方向にスライド移動可能に構成された可動フォークと、前記固定フォークの先端部に配置され前記物品のはみ出しを検出するはみ出しセンサと、を有し、前記荷通過センサは、前記昇降台と前記はみ出しセンサとの間に位置する前記固定フォークに配置されるようにしてもよい。
【0017】
前記制御手段は、前記はみ出しセンサが前記物品のはみ出しを検出した際は、前記フォークを水平移動させて前記物品を把持し直し、前記フォークを伸縮させて前記はみ出しを修正した後、前記位置ずれの検出及び修正を行うようにしてもよい。
【0018】
また、本発明によれば、物品が載置される物品載置部に沿って水平方向に移動可能に立設されたマストと、該マストに沿って昇降可能に支持された昇降台と、該昇降台に設けられ、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能、かつ、前記物品載置部に向かって伸縮可能な一対のフォークと、を有し、前記フォークを水平移動させて前記物品を把持し、前記フォークを伸縮させて前記物品載置部と前記昇降台との間で前記物品を移送する物品移載方法であって、前記物品の前記物品載置部と前記昇降台との間の通過時間と、前記フォークの移動量と、を検出することにより、前記物品の位置ずれを検出し、前記物品載置部における位置ずれを検出した際に、前記フォークの先端部を前記物品に押し当てて前記位置ずれを修正するようにした、ことを特徴とする物品移載方法が提供される。
【0019】
さらに、前記物品の通過時間と前記フォークの移動量とから、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線との位置ずれ量を算出し、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線とを一致させるように前記物品を移動させて、前記位置ずれを修正するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明に係る物品移載装置及び物品移載方法によれば、サイドピッキング方式を採用するとともに、物品の位置ずれを検出して修正するようにしたことにより、物品を移載する過程において、物品の位置ずれを検出して修正すべき量を計算し、物品を把持するフォークを離隔させて物品を解放し、位置ずれを修正するようにフォークを移動させることができる。したがって、物品の位置ずれ及びはみ出しを抑制することができ、適切な位置に物品を配置することができる。
【0021】
特に、物品の位置ずれを逐次修正することにより、位置ずれの積み重ねによる物品のはみ出しを抑制することができ、物品はみ出し時におけるリトライ(再移送)の回数を低減することができ、物品移載装置の効率の向上を図ることができる。
【0022】
また、サイドピッキング方式を採用したことにより、昇降台へ荷を引き込む過程において、荷の位置ズレを検出し、修正すべき量を計算しているので、移載直後に一旦サイドピッキングフォークによる把持から荷を解放し、荷の位置ずれを修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る物品移載装置が設置された自動倉庫の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る物品移載装置の全体斜視図である。
【図3】昇降台におけるフォークと各種センサとの位置関係を説明するための模式図である。
【図4】荷取り時における物品の位置ずれの検出方法を説明するための模式図であり、(a)はフォークの物品把持状態、(b)は荷通過センサのオン状態、(c)は荷通過センサのオフ状態、(d)はフォークの伸縮終了状態、を示している。
【図5】荷取り時における移載方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)はSP101、(b)はSP102、(c)はSP103、(d)はSP104、(e)はSP105、(f)はSP106、を示している。
【図7】図5に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)はSP107、(b)はSP108、(c)はSP109、(d)はSP110、(e)はSP111、(f)は終了状態、を示している。
【図8】荷置き時における移載方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)は開始状態、(b)はSP201、(c)はSP202、(d)はSP203、(e)はSP204、(f)はSP205、を示している。
【図10】図8に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)はSP206、(b)はSP207、(c)はSP208、(d)はSP209、(e)はSP210、(f)は終了状態、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る物品移載装置について図1乃至図3を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態に係る物品移載装置が設置された自動倉庫の全体斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る物品移載装置の全体斜視図である。図3は、昇降台におけるフォークと各種センサとの位置関係を説明するための模式図である。
【0025】
本発明の実施形態に係る物品移載装置1は、図1に示したように、自動倉庫2内に配置された格納庫3(物品載置部)に沿って平行に設置され、格納庫3に形成されたラック3aに物品4を入庫(荷置き)したり、ラック3aに格納された物品4を出庫(荷取り)したりする。また、物品移載装置1は、自動倉庫2内に形成された入出庫ステーション21(物品載置部)においても、物品4の荷取り及び荷置きを行う。
【0026】
また、図2及び図3に示したように、物品移載装置1は、物品4が載置される物品載置部(例えば、格納庫3や入出庫ステーション21)に沿って水平方向に移動可能に立設されたマスト5と、マスト5に沿って昇降可能に支持された昇降台6と、昇降台6に設けられ、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能、かつ、物品載置部に向かって伸縮可能な一対のフォーク7と、を有し、フォーク7を水平移動させて物品4を把持し、フォーク7を伸縮させて物品載置部と昇降台6との間で物品4を移送する物品移載装置であって、物品4の物品載置部と昇降台6との間の通過を検出する荷通過センサ8と、フォーク7の移動量を検出可能なフォーク位置検出手段9と、フォーク7の水平移動及び伸縮を制御する制御手段10と、を備え、制御手段10は、フォーク位置検出手段9により検出されたフォーク7の移動量と荷通過センサ8により検出された物品4の通過時間とから物品4の位置ずれを検出し、該位置ずれを修正するようにフォーク7を移動させるように構成されている。なお、図2において、荷通過センサ8、フォーク位置検出手段9、制御手段10、昇降台6の全体を覆うカバー部材の図は省略してある。
【0027】
前記物品載置部は、自動倉庫内において物品4が載置可能な場所であって、昇降台6との間で物品4が移送される場所を意味する。具体的には、物品載置部は、物品4の格納庫3や入出庫ステーション21を意味する。格納庫3は、図1に示したように、水平方向及び上下方向に並設された複数のラック3aを有する。かかるラック3aには、様々な大きさの物品4が載置可能であり、一つのラック3aに複数の物品4が載置されるものであってもよい。入出庫ステーション21は、図1に示したように、格納庫3に隣接した所定の荷置き場所に搬送台車やフォークリフトにより物品4を個別に載置する場所であってもよいし、物品4が自動搬送されるコンベヤ(図示せず)の一部によって構成されていてもよい。
【0028】
前記物品4は、例えば、荷物を収容したダンボール等の直方体又は立方体の形状を有する。また、物品4の大きさは、収容する荷物の種類や分量によって大小様々であり、同じ大きさの物品4であっても、収容する荷物の種類や分量によって重量も様々に変化する。特に、収容する荷物の形状や大きさによっては、ダンボール内で偏りが生じて物品4の重量のバランスが悪くなってしまい、移送しにくくなってしまう場合もある。
【0029】
前記マスト5は、図2に示したように、側部に鉛直に配置された一対の支柱5a,5bと、支柱5a,5b間の上部に配置された上部フレーム5cと、支柱5a,5bの下部に矩形状に配置された下部フレーム5dと、下部フレーム5dに配置された走行台車5eと、を有する。走行台車5eは、自動倉庫2の格納庫3間に設置されたガイドレール2a上で移動可能に配置される。なお、かかるマスト5の構成は、例えば、特許文献1等に記載された従来のマストと同様の構成を有し、図示した以外の構成であってもよい。
【0030】
前記昇降台6は、図2に示したように、マスト5に沿って上下方向に昇降する。昇降台6は、物品4の荷置き時には、目的の物品載置部より僅かに上方に配置されるようにして、昇降台6から目的の物品載置部に物品4を荷置きしやすくする。また、昇降台6は、物品4の荷取り時には、目的の物品載置部より僅かに下方に配置されるようにして、目的の物品載置部から昇降台6に物品4を荷取りしやすくする。かかる昇降台6の構成は、例えば、特許文献1等に記載された従来の昇降台と同様の構成を有し、図示した以外の構成であってもよい。
【0031】
前記フォーク7は、図2に示したように、昇降台6に水平移動可能に支持された固定フォーク7aと、固定フォーク7aに支持されるとともに固定フォーク7aの移動方向に対して直交する方向にスライド移動可能に構成された可動フォークと、を有する。また、可動フォークは、例えば、中間フォーク7bと、物品把持フォーク7cと、により構成される。かかるフォーク7は、物品4の側面部を把持して移送する、いわゆるサイドピッキング方式のフォークである。
【0032】
固定フォーク7aは、可動フォーク(中間フォーク7b及び物品把持フォーク7c)のスライド移動を案内するガイド部材としての機能を有する。中間フォーク7bは、固定フォーク7aの内側に配置され、物品把持フォーク7cは、中間フォーク7bの内側に配置される。これらの中間フォーク7b及び物品把持フォーク7cは、昇降台6に配置された駆動手段(例えば、電動モータ、歯車駆動機構、ベルト駆動機構、チェーン駆動機構等)により固定フォーク7aに沿ってスライド移動可能に構成されている。また、固定フォーク7aは、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能に構成されており、中間フォーク7b及び物品把持フォーク7cは、固定フォーク7aの水平移動に伴って水平移動する。したがって、物品把持フォーク7cの離間距離を変更することによって、物品4を把持したり、放したりすることができる。また、中間フォーク7b及び物品把持フォーク7cをスライド移動させることによって、フォーク7を伸縮することができ、物品4を移送することができる。かかるフォーク7の構成は、例えば、特許文献1等に記載された従来のサイドピッキング方式のフォークと同様の構成を有し、図示した以外の構成であってもよい。
【0033】
図3に示したように、昇降台6には、荷通過センサ8、フォーク位置検出手段9、はみ出しセンサ11及びフォーク位置センサ12が配置されている。ここでは、説明を簡単にするために、図の矢印A方向にフォーク7を移動させる場合に使用する荷通過センサ8及びはみ出しセンサ11を図示し、矢印B方向側の荷通過センサ8及びはみ出しセンサ11の図を省略してある。
【0034】
前記はみ出しセンサ11は、例えば、固定フォーク7aの先端部に配置され物品4のはみ出しを検出する。ここで、物品4のはみ出しとは、昇降台6と物品載置部(例えば、格納庫3や入出庫ステーション21)との間に物品4が滞留し、昇降台6を水平方向に走行させることができない状態を意味する。なお、はみ出しセンサ11には、例えば、赤外線や光等の透過や反射の性質を利用したものが利用される。
【0035】
前記荷通過センサ8は、物品4が介在する場合はオン状態と認識し、物品4が介在しない場合はオフ状態と認識するセンサであり、このオン/オフにより、物品4が通過したか否かを検出する。かかる荷通過センサ8は、例えば、昇降台6とはみ出しセンサ11との間に位置する固定フォーク7aに配置される。また、荷通過センサ8には、はみ出しセンサ11と同様に、例えば、赤外線や光等の透過や反射の性質を利用したものが利用される。なお、図3において、荷通過センサ8は、固定フォーク7aの隙間又は下方から赤外線や光を投受光可能に配置されている。
【0036】
前記フォーク位置検出手段9は、例えば、可動フォーク(中間フォーク7b及び物品把持フォーク7c)のスライド駆動手段(図示せず)に配置されたロータリーエンコーダであり、フォーク7が伸縮した距離(移動量)を検出する。なお、フォーク位置検出手段9は、直接的に移動量を検出できるものであってもよいし、移動開始時間、移動終了時間、移動速度等から間接的に移動量を検出できるものであってもよい。
【0037】
前記フォーク位置センサ12は、フォーク7が昇降台6の中央に存在しているか、昇降台6の左右のどちら側にあるか(移動しているか)、を判別するセンサである。かかるフォーク位置センサ12は、例えば、可動フォーク(中間フォーク7b等)に貼付された磁気テープ13A,13Bの存在を感知する磁気センサにより構成される。一対の磁気テープ13A,13Bは、図3に示したように、略中央部からそれぞれ反対方向に延伸するように貼付されている。そして、フォーク位置センサ12が両方の磁気テープ13A,13Bを感知した場合には、可動フォークは中央に存在していることとなる。また、フォーク位置センサ12が磁気テープ13Aのみを感知した場合には、可動フォークは図のA矢印方向に移動しており、フォーク位置センサ12が磁気テープ13Bのみを感知した場合には、可動フォークは図のB矢印方向に移動していることとなる。
【0038】
前記制御手段10は、例えば、マイクロコンピュータ等であり、上述した各種センサの出力に基づいてフォーク7の水平移動及び伸縮を制御する。かかる制御手段10は、昇降台6に配置されていてもよいし、物品移載装置1全体を制御する制御装置に統合されていてもよい。かかる制御手段10は、フォーク位置検出手段9により検出されたフォーク7の移動量と荷通過センサ8により検出された物品4の通過時間とから物品4の位置ずれを検出する。
【0039】
ここで、図4は、荷取り時における物品の位置ずれの検出方法を説明するための模式図であり、(a)はフォークの物品把持状態、(b)は荷通過センサのオン状態、(c)は荷通過センサのオフ状態、(d)はフォークの伸縮終了状態、を示している。
【0040】
例えば、荷通過センサ8から昇降台6の中心線Lまでの距離Xを250mm(既知)とする。そして、図4(a)に示すように、フォーク7が物品4を把持して、100mm移動したところで、図4(b)に示すように、荷通過センサ8がオンとなり、400mm移動したところで、図4(c)に示すように、荷通過センサ8がオフになったとする。このとき、(100mm+400mm)/2の計算より、中央値が250mmとなり、荷通過センサ8から昇降台6の中心線Lまでの距離と一致する。したがって、このとき、昇降台6の中心線Lと物品4の中心線とは一致した状態であり、物品4は昇降台6の中央に配置されていることとなる。なお、フォーク7の移動量は、フォーク位置検出手段9により検出される。
【0041】
一方、フォーク7が物品4を把持して、200mm移動したところで、荷通過センサ8がオンとなり、500mm移動したところで、荷通過センサ8がオフになったとする。このとき、(200mm+500mm)/2の計算より、中央値が350mmとなり、荷通過センサ8から昇降台6の中心線Lまでの距離と100mmずれている。したがって、このとき、物品4は、昇降台6の中心線Lよりも手前に100mmずれた状態で昇降台6上に配置されていることとなる。このように、フォーク位置検出手段9により検出されたフォーク7の移動量と荷通過センサ8により検出された物品4の通過時間(オン/オフ)とから物品4の位置ずれの有無及び位置ずれ量を容易に検出することができる。なお、ここでは、荷取りの場合について説明したが、荷置きの場合についても同様の処理により、位置ずれの有無及び位置ずれ量を検出することができる。
【0042】
また、制御手段10は、上述したように、フォーク位置検出手段9により検出されたフォーク7の移動量と荷通過センサ8により検出された物品4の通過時間とから、昇降台6の中心線Lと物品4の中心線との位置ずれ量(例えば、100mm)を算出した場合には、物品4を把持するようにフォーク7を水平移動させ、昇降台6の中心線Lと物品4の中心線とを一致させるように位置ずれ量(例えば、100mm)だけフォーク7を伸縮させることにより、位置ずれを修正する。
【0043】
ここで、荷取り時及び荷置き時における制御について、図5乃至図10を参照しつつ詳述する。最初に、荷取り時における制御について説明する。図5は、荷取り時における移載方法を説明するためのフローチャートである。図6は、図5に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)はSP101、(b)はSP102、(c)はSP103、(d)はSP104、(e)はSP105、(f)はSP106、を示している。図7は、図5に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)はSP107、(b)はSP108、(c)はSP109、(d)はSP110、(e)はSP111、(f)は終了状態、を示している。
【0044】
今、荷取り時として、物品載置部である格納庫3のラック3aから、昇降台6上に物品4を移載する場合を想定する。
【0045】
図5のSP101(フォーク拡幅工程)及び図6(a)に示したように、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が物品4の幅よりも大きくなるように水平移動させて、フォーク7を開く。なお、物品4の幅は、予め制御手段10に記憶されている。
【0046】
図5のSP102(フォーク延伸工程)及び図6(b)に示したように、制御手段10は、開いたフォーク7を昇降台6から出して、ラック3aに載置された物品4の側面部に物品把持フォーク7cが対峙する位置までフォーク7を延伸させる。
【0047】
図5のSP103(物品把持工程)及び図6(c)に示したように、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が狭まるようにフォーク7を水平移動させ、物品把持フォーク7cにより物品4を把持する。フォーク7は、物品4に対して一定の押付力を生じるように、物品4の幅よりも僅かに狭くなるように水平移動される。このときのフォーク7の水平移動量は、物品4の幅に対して予め設定された一定距離であってもよいし、圧力センサ等により一定の押付力を検出して決定するようにしてもよい。
【0048】
図5のSP104(フォーク引き込み工程)及び図6(d)に示したように、制御手段10は、物品4を把持したフォーク7を引き込んで、物品4をラック3aから昇降台6に移載するようにフォーク7を収縮させる。
【0049】
図6(e)に示したように、フォーク7(可動フォーク)が昇降台6の中央部に戻った状態において、制御手段10は、図5のSP105(はみ出し判別工程)に示したように、物品4が昇降台6からはみ出しているか否かを判別する。物品4が昇降台6からはみ出していない場合(NO)には、位置ずれ判別工程(SP108)に移行する。物品4が昇降台6からはみ出している場合(YES)には、はみ出し修正工程(SP106以降のループ)に移行する。図6(e)では、説明の都合上、物品4が昇降台6からはみ出した状態を図示している。なお、物品4がはみ出しているか否かは、上述したはみ出しセンサ11の信号により判断される。
【0050】
図5のSP106(第二フォーク拡幅工程)及び図6(f)に示したように、物品4のはみ出しを検出した場合には、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が広くなるようにフォーク7を水平移動させて、再びフォーク7を開く。
【0051】
図5のSP107(第二フォーク延伸工程)及び図7(a)に示したように、制御手段10は、開いたフォーク7を再び昇降台6から出して、はみ出した物品4の側面部に物品把持フォーク7cが対峙する位置までフォーク7を延伸させる。このときのフォーク7の移動量は、はみ出し量をはみ出しセンサ11とフォーク7の引き込み時の移動量から算出されたはみ出し量であってもよいし、予め設定された一定の移動量であってもよい。そして、物品把持工程(SP103)及びフォーク引き込み工程(SP104)を繰り返す。
【0052】
図7(b)に示したように、フォーク7(可動フォーク)が昇降台6の中央部に戻った状態において、制御手段10は、はみ出し判別工程(SP105)により、物品4が昇降台6からはみ出しているか否かを再び判別する。物品4がはみ出していない場合(NO)には、位置ずれ判別工程(SP108)に移行する。図5のSP108に示した位置ずれ判別工程では、物品4が昇降台6上で位置ずれしているか否かを判別する。物品4が位置ずれしていない場合(NO)には、物品4の移載が正常に行われており、移載処理を終了する。物品4が位置ずれしている場合(YES)には、位置ずれ修正工程(SP109〜SP111)に移行する。図7(b)では、説明の都合上、物品4の中心線Mが昇降台6の中心線LからΔXだけ位置ずれした状態を図示している。物品4が位置ずれしているか否か又は位置ずれ量ΔXは、上述した荷通過センサ8及びフォーク位置検出手段9により判断又は算出される。
【0053】
図5のSP109(第三フォーク延伸工程)及び図7(c)に示したように、物品4の位置ずれを検出した場合には、制御手段10は、開いたフォーク7を再び昇降台6から出して、位置ずれした物品4の側面部に物品把持フォーク7cが対峙する位置までフォーク7を延伸させる。このときのフォーク7の移動量は、位置ずれ量ΔXとすることが好ましい。物品4のはみ出しがなかった場合の位置ずれは、図4に示した検出方法により、位置ずれ量ΔXを容易に検出することができる。一方、物品4のはみ出しがあった場合には、物品4のはみ出し量と、荷通過センサ8及びフォーク位置検出手段9の信号とから、位置ずれ量ΔXを算出するようにすればよい。
【0054】
図5のSP110(第二物品把持工程)及び図7(d)に示したように、制御手段10は、物品把持工程(SP103)と同様に、一対のフォーク7の離間距離が狭まるようにフォーク7を水平移動させ、物品把持フォーク7cにより物品4を把持する。
【0055】
図5のSP111(第二フォーク引き込み工程)及び図7(e)に示したように、制御手段10は、フォーク引き込み工程(SP104)と同様に、物品4を把持したフォーク7を引き込んで、物品4の位置ずれを修正するようにフォーク7を収縮させる。
【0056】
図7(f)に示したように、上述した位置ずれ判別工程(SP108)〜第二フォーク引き込み工程(SP111)によって、物品4の中心線Mと昇降台6の中心線Lとを一致させることができ、物品4の位置ずれを修正することができる。
【0057】
上述したように、本実施形態における制御手段10は、フォーク位置検出手段9により検出されたフォーク7の移動量と荷通過センサ8により検出された物品4の通過時間(オン/オフ)とから、昇降台6の中心線Lと物品4の中心線Mとの位置ずれ量ΔXを算出し、物品4を把持するようにフォーク7を水平移動させ、昇降台6の中心線Mと物品4の中心線Lとを一致させるように位置ずれ量ΔXだけフォーク7を伸縮させることにより、物品4の位置ずれを修正している。すなわち、本実施形態による物品移載方法では、物品4の通過時間とフォーク7の移動量とから、昇降台6の中心線Lと物品4の中心線Mとの位置ずれ量ΔXを算出し、昇降台6の中心線Lと物品4の中心線Mとを一致させるように物品4を移動させて、位置ずれを修正している。
【0058】
かかる実施形態を採用することにより、昇降台6上における物品4の位置ずれを容易に抑制することができる。したがって、昇降台6の所定の位置に物品4が載置されていることから、荷置き時に生じる位置ずれやはみ出しも抑制することができる。さらに、荷取りの際に生じる位置ずれをその都度修正することにより、物品4の荷取り及び荷置きの繰り返しによる位置ずれの積み重ねを低減することができ、物品4のはみ出し回数を効果的に低減することができ、物品はみ出し時におけるリトライ(再移送)の回数を低減することができ、物品移載装置1の効率の向上を図ることができる。
【0059】
特に、昇降台6における物品4の位置ずれを抑制することにより、物品4の出荷が短時間に集中した場合であっても、入出庫ステーション21における位置ずれを抑制することができ、物品はみ出し時におけるリトライ(再移送)を行うことなく、円滑に出荷処理を行うことができる。さらに、入出庫ステーション21における位置ずれを抑制することにより、例えば、出荷された物品4がコンベヤ上を搬送される際に、ガイド部材等に衝突して生じる転倒や回転を抑制することができ、下流の物品搬送工程においても効率の向上を図ることができる。
【0060】
また、上述したように、本実施形態における制御手段10は、はみ出しセンサ11が物品4のはみ出しを検出した際は、フォーク7を水平移動させて物品4を把持し直し、フォーク7を伸縮させて物品4のはみ出しを修正した後、物品4の位置ずれの検出及び修正を行うようにしている。かかる処理により、荷通過センサ8がオンの状態のままになっている状態、すなわち、物品4の通過を認識できない場合であっても、物品4の位置を修正することができ、物品4のはみ出しを抑制することができるとともに、物品4の位置ずれを検出し、修正することができる。
【0061】
次に、荷置き時における制御について説明する。図8は、荷置き時における移載方法を説明するためのフローチャートである。図9は、図8に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)は開始状態、(b)はSP201、(c)はSP202、(d)はSP203、(e)はSP204、(f)はSP205、を示している。図10は、図8に示したフローチャートに対応した模式図であり、(a)はSP206、(b)はSP207、(c)はSP208、(d)はSP209、(e)はSP210、(f)は終了状態、を示している。
【0062】
今、荷置き時として、昇降台6から物品載置部である格納庫3のラック3a上に物品4を移載する場合を想定する。
【0063】
図9(a)に示したように、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が狭まるようにフォーク7を水平移動させ、物品把持フォーク7cにより昇降台6上の物品4を把持する。このとき、フォーク7は、物品4に対して一定の押付力を生じるように、物品4の幅よりも僅かに狭くなるように水平移動される。フォーク7の水平移動量は、物品4の幅に対して予め設定された一定距離であってもよいし、圧力センサ等により一定の押付力を検出して決定するようにしてもよい。なお、昇降台6上の物品4は、一般に、昇降台6の走行時に移動又は転落しないように、図9(a)に示したように、フォーク7によって把持されている。
【0064】
図8のSP201(フォーク延伸工程)及び図9(b)に示したように、制御手段10は、物品4を把持したフォーク7を昇降台6から出して、ラック3aの所定の位置(例えば、中央部)に物品4が到達するまでフォーク7(可動フォーク)を延伸させる。
【0065】
図8のSP202(フォーク拡幅工程)及び図9(c)に示したように、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が物品4の幅よりも大きくなるように水平移動させて、フォーク7を開く。かかる工程によって、物品4をラック3a上に載置することができる。
【0066】
図8のSP203(フォーク引き込み工程)及び図9(d)に示したように、制御手段10は、開いたフォーク7を引き込んで、昇降台6の中央部にフォーク7を収縮させ、可動フォークを収容する。
【0067】
図8のSP204(はみ出し判別工程)に示したように、制御手段10は、物品4がラック3aからはみ出しているか否かを判別する。ここで、図9(d)は物品4がラック3aからはみ出していない状態を図示しており、図9(e)は物品4がラック3aからはみ出している状態を図示している。そして、図9(d)に示したように、物品4がラック3aからはみ出していない場合(NO)には、位置ずれ判別工程(SP207)に移行する。図9(e)に示したように、物品4がラック3aからはみ出している場合(YES)には、はみ出し修正工程(SP205以降のループ)に移行する。なお、物品4がはみ出しているか否かは、上述したはみ出しセンサ11の信号により判断される。
【0068】
図8のSP205(第二フォーク延伸工程)及び図9(f)に示したように、制御手段10は、フォーク7を再び昇降台6から出して、はみ出した物品4の側面部に物品把持フォーク7cが対峙する位置までフォーク7を延伸させる。このときのフォーク7の移動量は、はみ出しセンサ11とフォーク7の引き込み時の移動量から算出されたはみ出し量であってもよいし、予め設定された一定の移動量であってもよい。
【0069】
図8のSP206(物品把持工程)及び図10(a)に示したように、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が狭まるようにフォーク7を水平移動させ、物品把持フォーク7cにより物品4を把持する。そして、フォーク延伸工程(SP201)、フォーク拡幅工程(SP202)及びフォーク引き込み工程(SP203)を繰り返す。
【0070】
図10(b)に示したように、フォーク7(可動フォーク)が昇降台6の中央部に戻った状態において、制御手段10は、はみ出し判別工程(SP204)により、物品4がラック3aからはみ出しているか否かを再び判別する。物品4がはみ出していない場合(NO)には、位置ずれ判別工程(SP207)に移行する。図8のSP207に示した位置ずれ判別工程では、物品4がラック3a上で位置ずれしているか否かを判別する。物品4が位置ずれしていない場合(NO)には、物品4の移載が正常に行われており、移載処理を終了する。物品4が位置ずれしている場合(YES)には、位置ずれ修正工程(SP208〜SP210)に移行する。図10(b)では、説明の都合上、物品4の中心線Mがラック3aの中心線NからΔXだけ位置ずれした状態を図示している。物品4が位置ずれしているか否か又は位置ずれ量ΔXは、上述した荷通過センサ8及びフォーク位置検出手段9により判断又は算出される。
【0071】
図8のSP208(フォーク縮幅工程)及び図10(c)に示したように、制御手段10は、一対のフォーク7の離間距離が物品4よりも狭くなるようにフォーク7を水平移動させる。
【0072】
図8のSP209(フォーク押し当て工程)及び図10(d)に示したように、制御手段10は、幅を狭めたフォーク7を物品4に向かって延伸させることにより、フォーク7の先端部を物品4に押し当てて、物品4の位置ずれを修正する。フォーク7の移動量は、物品4の中心線Mとラック3aの中心線Nとが一致するように位置ずれ量ΔXに設定してもよいし、ラック3aの縁部から一定の距離だけ離れた位置に物品4が配置されるように距離ΔD又は距離ΔCに設定してもよい。なお、距離ΔDは、距離ΔCに既知の距離であるラック3aと昇降台6との隙間の距離を合算したものであり、実質的に同じことを意味している。
【0073】
図8のSP210(フォーク引き込み工程)及び図10(e)に示したように、制御手段10は、物品4に押し当てられたフォーク7を引き込んで、物品4を昇降台6上に収容するようにフォーク7を収縮させる。そして、図10(f)に示したように、物品4の位置ずれを修正した状態で移載処理を終了する。
【0074】
上述したように、本実施形態における制御手段10は、物品載置部(例えば、格納庫3)における物品4の位置ずれを検出した際に、物品4の幅よりも狭くなるようにフォーク7を水平移動させ、フォーク7を物品4に向かって延伸させることにより、フォーク7の先端部を物品4に押し当てて、物品4の位置ずれを修正している。すなわち、本実施形態による物品移載方法では、物品4の物品載置部(例えば、格納庫3)と昇降台6との間の通過時間(オン/オフ)と、フォーク7の移動量と、を検出することにより、物品4の位置ずれを検出し、物品載置部(例えば、格納庫3)における位置ずれを検出した際に、フォーク7の先端部を物品4に押し当てて物品4の位置ずれを修正するようにしている。
【0075】
かかる実施形態を採用することにより、物品載置部(例えば、格納庫3や入出庫ステーション21)上における物品4の位置ずれを抑制することができる。したがって、物品載置部の所定の位置に物品4が載置されていることから、荷取り時において生じる位置ずれやはみ出しも抑制することができる。さらに、荷置きの際に生じる位置ずれをその都度修正することにより、荷取り及び荷置きの繰り返しによる位置ずれの積み重ねを低減することができ、物品4のはみ出し回数を効果的に低減することができ、物品はみ出し時におけるリトライ(再移送)の回数を低減することができ、物品移載装置1の効率の向上を図ることができる。
【0076】
特に、物品載置部における物品4の位置ずれを抑制することにより、物品4の出荷が短時間に集中した場合であっても、入出庫ステーション21における位置ずれを抑制することができ、物品はみ出し時におけるリトライ(再移送)を行うことなく、円滑に出荷処理を行うことができる。さらに、入出庫ステーション21における位置ずれを抑制することにより、例えば、出荷された物品4がコンベヤ上を搬送される際に、ガイド部材等に衝突して生じる転倒や回転を抑制することができ、下流の物品搬送工程においても効率の向上を図ることができる。
【0077】
なお、上述した本発明及びその実施形態の説明において、水平方向及び水平移動における「水平」とは、完全に水平な場合のみを意味するのではなく、方向の主たる成分が水平方向である場合を含む概念である。
【0078】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
1 物品移載装置
3 格納庫(物品載置部)
4 物品
5 マスト
6 昇降台
7 フォーク
7a 固定フォーク
7b 中間フォーク(可動フォーク)
7c 物品把持フォーク(可動フォーク)
8 荷通過センサ
9 フォーク位置検出手段
10 制御手段
11 はみ出しセンサ
21 入出庫ステーション(物品載置部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が載置される物品載置部に沿って水平方向に移動可能に立設されたマストと、該マストに沿って昇降可能に支持された昇降台と、該昇降台に設けられ、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能、かつ、前記物品載置部に向かって伸縮可能な一対のフォークと、を有し、前記フォークを水平移動させて前記物品を把持し、前記フォークを伸縮させて前記物品載置部と前記昇降台との間で前記物品を移送する物品移載装置であって、
前記物品の前記物品載置部と前記昇降台との間の通過を検出する荷通過センサと、
前記フォークの移動量を検出可能なフォーク位置検出手段と、
前記フォークの水平移動及び伸縮を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記フォーク位置検出手段により検出された前記フォークの移動量と前記荷通過センサにより検出された前記物品の通過時間とから前記物品の位置ずれを検出し、該位置ずれを修正するように前記フォークを移動させる、
ことを特徴とする物品移載装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記物品載置部における前記位置ずれを検出した際に、前記物品の幅よりも狭くなるように前記フォークを水平移動させ、前記フォークを前記物品に向かって延伸させることにより、前記フォークの先端部を前記物品に押し当てて、前記位置ずれを修正する、ことを特徴とする請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記フォーク位置検出手段により検出された前記フォークの移動量と前記荷通過センサにより検出された前記物品の通過時間とから、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線との位置ずれ量を算出し、前記物品を把持するように前記フォークを水平移動させ、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線とを一致させるように前記位置ずれ量だけ前記フォークを伸縮させることにより、前記位置ずれを修正する、ことを特徴とする請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項4】
前記フォークは、前記昇降台に水平移動可能に支持された固定フォークと、該固定フォークに支持されるとともに該固定フォークの移動方向に対して直交する方向にスライド移動可能に構成された可動フォークと、前記固定フォークの先端部に配置され前記物品のはみ出しを検出するはみ出しセンサと、を有し、前記荷通過センサは、前記昇降台と前記はみ出しセンサとの間に位置する前記固定フォークに配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記はみ出しセンサが前記物品のはみ出しを検出した際は、前記フォークを水平移動させて前記物品を把持し直し、前記フォークを伸縮させて前記はみ出しを修正した後、前記位置ずれの検出及び修正を行う、ことを特徴とする請求項4に記載の物品移載装置。
【請求項6】
物品が載置される物品載置部に沿って水平方向に移動可能に立設されたマストと、該マストに沿って昇降可能に支持された昇降台と、該昇降台に設けられ、互いの離間距離を変化させるように水平移動可能、かつ、前記物品載置部に向かって伸縮可能な一対のフォークと、を有し、前記フォークを水平移動させて前記物品を把持し、前記フォークを伸縮させて前記物品載置部と前記昇降台との間で前記物品を移送する物品移載方法であって、
前記物品の前記物品載置部と前記昇降台との間の通過時間と、前記フォークの移動量と、を検出することにより、前記物品の位置ずれを検出し、
前記物品載置部における位置ずれを検出した際に、前記フォークの先端部を前記物品に押し当てて前記位置ずれを修正するようにした、ことを特徴とする物品移載方法。
【請求項7】
前記物品の通過時間と前記フォークの移動量とから、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線との位置ずれ量を算出し、前記昇降台の中心線と前記物品の中心線とを一致させるように前記物品を移動させて、前記位置ずれを修正する、ことを特徴とする請求項6に記載の物品移載方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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