説明

特にダッシュボードに用いられる汎用アクチュエータ

【課題】インジケータの設置を可能にしながら、二面の任意の片面への装着によりプリント回路に接続できるようにした、出力シャフトのない単一仕様の汎用電動機を実現する。
【解決手段】本発明は、インジケータを駆動する電動機からなるダッシュボードの電気アクチュエータに関し、電動機が、この電動機の対向する二面に、前記対向面に対して突起を形成することなく連通する中空の出力軸を有し、前記インジケータが、前記電動機の中空の出力軸の内部断面に係合する断面を持つ凸状の連結部品を有し、電動機の片面が、前記片面に対して垂直な凸型または凹型の接続手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダッシュボード用のアナログ機器の分野に関し、特にダッシュボードのインジケータを位置決めするための電気アクチュエータに関する。こうしたアクチュエータは、電気部品のアセンブリ、特にインジケータの照明用の発光ダイオードを上面に含むプリント回路に溶接される。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータは、用途に応じてプリント回路の上面または下面に組立可能である。この二つの組立仕様は、アクチュエータについて次の二つの変形仕様を含む。
・第一の仕様では、アクチュエータが、プリント回路上面の部品側に組み付けられる。インジケータは電動機の上側に固定されており、これを前面組立と呼ぶ。
・第二の仕様では、アクチュエータが、プリント回路下面の空いた側に組み付けられる。インジケータは、プリント回路を介して電動機の下側に固定されており、これを背面組立と呼ぶ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、インジケータの設置を可能にしながら、二面の任意の片面への装着によりプリント回路に接続できるようにした、出力シャフトのない単一仕様の汎用電動機を実現することにある。
【0004】
出力シャフトのない電動機は、アクチュエータの両側で開放されていてインジケータの出力シャフトを受容可能な、「凹」型の接続手段を有する。従って、このインジケータは、たとえばポインタと、出力シャフトすなわち、アクチュエータの凹型接続手段の接続をアクチュエータのいずれかの側で無差別に行う凸型接続手段とを備えることができる。
【0005】
従来技術では、たとえば欧州特許出願公開第0679871号明細書にこのタイプの実施形態がみられる。しかしながら、この特許では、モータシャフトが中空であって、一般にモータの上面からはみ出ているので、モータの両面を使うことは阻止され、片側でしかインジケータを受容できない。本発明の目的は、シャフトのないアクチュエータと、二種類のモータを使わなくともモータ内部のいずれかの側で凹型の接続手段に接続されるシャフトを備えた、特殊ポインタとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その最も一般的な意味において、インジケータを駆動する電動機からなるダッシュボードの電気アクチュエータに関し、電動機が、この電動機の対向する二面に連通する中空の出力軸を備えており、前記インジケータが、前記電動機の中空の出力軸の内部断面に係合する断面を持つ凸状の連結部品を有し、電動機の片面が、前記片面に対して垂直な凸型または凹型の接続手段を有することを特徴とする。
【0007】
有利には、電気アクチュエータは、前記電動機が内部に収容されるケースを含み、前記ケースは、二つの対向面に、電動機の出力軸と同軸の一つの開口部と、前記接続手段を通すための複数の開口部とを有する。
【0008】
変形実施形態によれば、インジケータの凸状部分は、光をポインタに導くことができる。
【0009】
本発明は、また、少なくとも一つのアクチュエータとプリント回路とを含むダッシュボードモジュールに関し、前記ダッシュボードの電気アクチュエータを構成する電動機が、この電動機の対向する二面に連通する中空の出力軸を介してインジケータを駆動し、前記インジケータが、前記電動機の中空の出力軸の内部断面に係合する断面を持つ凸状の連結部品を有し、電動機の片面が、前記片面に対して垂直な凸型または凹型の接続手段を有することを特徴とする。
【0010】
特定の実施形態によれば、プリント回路は、各アクチュエータに対して、インジケータの凸状連結部品を通すための開口部を有する。
【0011】
本発明は、添付図面に関する以下の説明を読めば、いっそう理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1、2は、従来技術による二つの異なる仕様で電動機ケース(1)、(2)を示している。
【0013】
図1は、電動機の動作に必要な電子部品のアセンブリを受容するプリント回路において、組立面(4)の反対側にある電動機(1)の前面に出力シャフト(3)を有する第一の仕様を示す。これを前面組立構成と呼ぶ。
【0014】
図2は、電動機(2)の上面の反対側にある組立面(4)側に出力シャフト(3)を有する電動機(2)の第二の仕様を示す。これを背面組立構成と呼ぶ。
【0015】
この二つの仕様では、二種類の異なる電動機を構成しなければならない。
【0016】
図3は、本発明による電動機ケースを組み込んだダッシュボードの照明インジケータ(5)を示す。照明インジケータ(5)は、ポインタ(6)とシャフト(7)とからなり、シャフトは、本発明による電動機ケースの凹型接続手段に接続される中空または非中空の凸型接続手段として構成される。回転シャフト(7)は、このシャフトを介して光を受容し、またはインジケータの下部から光を受容できるように構成されるので、好適には半透明または中空である。
【0017】
図4、5は、本発明による電動機ケース(8)のそれぞれ上面図と下面図である。電動機のいずれかの側に、凸型接続部品を受容可能な凹型接続手段がある通過穴(9)が存在する。そのため、電動機(8)が生じる回転運動は、通過孔(9)で凸型−凹型接続手段を介して制御部品に伝達される。
【0018】
図6は、本発明による第一の実施形態の断面図である。
【0019】
電動機ケース(8)は、全ての電子部品(図示せず)が置かれたプリント回路(10)の上面に配置されている。ダッシュボードの照明インジケータ(5)は、凸型接続手段(7)と共に示されており、凸型接続手段は、電動機ケース(8)の上部で前記電動機ケース(8)の凹型接続手段(11)に組み入れられている。照明手段(12)、たとえば発光ダイオードは、プリント回路(10)の上面に配置される。発光ダイオードはシステムの回転軸上にあり、電動機(8)を介して照明インジケータ(5)のシャフト(7)を直接照明できる。この構成を前面組立構成と呼ぶ。
【0020】
図7は、本発明による第二の実施形態の断面図である。同一の電動機ケース(8)が、プリント回路(10)の下面の空いた側に配置されている。ダッシュボード(5)の照明インジケータは、凸型接続手段(7)と共に示されており、凸型接続手段は、電動機ケース(8)の下部でプリント回路(10)を介して前記電動機ケース(8)の凹型接続手段(11)に組み入れられている。照明手段(12)、たとえば一つまたは複数の発光ダイオードは、プリント回路(10)の下面に配置される。照明手段は、システムの回転軸からオフセットされており、照明インジケータ(5)の下部を直接照明する。この構成を背面組立構成と呼ぶ。
【0021】
図8は、本発明による電動機ケース(8)の詳細図である。電動機ケースは、底(13)とカバー(14)とからなる。内部に配置されるステータ磁気アセンブリ(15)は、少なくとも2個の電気コイル(16、17)と、磁気ロータ(18)と、減速装置(19)と、凹型接続手段(20)とを含む。電動機ケース内部にあるこの凹型接続手段(20)は、底(13)またはカバー(14)を介して電動機ケースの上面または下面から凸型接続手段に係合可能である。図8に記載された電動機ケース(8)に組み込まれる二相電動機は、考えられる電動手段の一例であって、少しも限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術による前面組立式電動機の背面斜視図である。
【図2】従来技術による背面組立式電動機の背面斜視図である。
【図3】本発明によるダッシュボードのインジケータを示す図である。
【図4】本発明による電動機ケースの前面斜視図である。
【図5】本発明による電動機ケースの背面斜視図である。
【図6】電動機の前面組立図である。
【図7】電動機の背面組立図である。
【図8】本発明によるケースを組み込むための電動機の分解組立図である。
【符号の説明】
【0023】
1、2 電動機
3 出力シャフト
4 組立面
5 照明インジケータ
6 ポインタ
7 凸型接続手段をなすシャフトまたは回転シャフト
8 電動機または電動機ケース
9 通過穴
10 プリント回路
11 凹型接続手段
12 照明手段
13 底
14 カバー
15 ステータ磁気アセンブリ
16、17 電気コイル
18 ロータ
19 減速装置
20 凹型接続手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジケータを駆動する電動機からなるダッシュボードの電気アクチュエータであって、電動機が、この電動機の対向する二面に、前記対向面に対して突起を形成することなく連通する中空の出力軸を有し、前記インジケータが、前記電動機の中空の出力軸の内部断面に係合する断面を持つ凸状の連結部品を有し、電動機の片面が、前記片面に対して垂直な凸型または凹型の接続手段を有することを特徴とする電気アクチュエータ。
【請求項2】
前記電動機を内部に収容するケースを含み、前記ケースが、対向する二面に、電動機の出力軸と同軸の一つの開口部と、前記接続手段を通すための複数の開口部とを有することを特徴とする請求項1に記載のダッシュボードの電気アクチュエータ。
【請求項3】
対向する二面がほぼ偏平であることを特徴とする請求項1または2に記載のダッシュボードの電気アクチュエータ。
【請求項4】
インジケータの凸状部分が光をポインタに導くことができることを特徴とする請求項1に記載のダッシュボードの電気アクチュエータ。
【請求項5】
中空の出力軸が透明な材料で製造されることを特徴とする請求項1に記載のダッシュボードの電気アクチュエータ。
【請求項6】
インジケータの凸状連結部品が、連通軸の一端または他端に無差別に接続可能な透明材料で製造されることを特徴とする請求項1に記載のダッシュボードの電気アクチュエータ。
【請求項7】
少なくとも一つのアクチュエータとプリント回路とを含むダッシュボードモジュールであって、前記ダッシュボードの電気アクチュエータを構成する電動機が、この電動機の対向する二面に前記対向面に対して突起を形成することなく連通する中空の出力軸を介して、インジケータを駆動し、前記インジケータが、前記電動機の中空の出力軸の内部断面に係合する断面を持つ凸状の連結部品を有し、電動機の片面が、前記片面に対して垂直な凸型または凹型の接続手段を有することを特徴とするダッシュボードモジュール。
【請求項8】
アクチュエータが、前記接続手段を介してプリント回路に溶接されることを特徴とする請求項7に記載のダッシュボードモジュール。
【請求項9】
プリント回路が、各アクチュエータに対して、インジケータの凸状連結部品を通すための開口部を有することを特徴とする請求項7または8に記載のダッシュボードモジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−504790(P2007−504790A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524464(P2006−524464)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002958
【国際公開番号】WO2005/022088
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506036851)ソンセボズ エス エー (1)
【氏名又は名称原語表記】SONCEBOZ SA
【住所又は居所原語表記】Rue Rosselet−Challandes, 5,CH−2605 Sonceboz, Switzerland
【Fターム(参考)】