説明

特に自動車の暖房装置または空調装置用の熱交換器、およびこの熱交換器を製造するための方法

【課題】 改良された安価な熱交換器を提供する。
【解決手段】 熱交換器、特に自動車の暖房装置または空調装置用の熱交換器であって、互いに平行に配置されて1つの熱伝達媒体を流通させる複数の扁平管(2)を有し、熱交換器(1)の蝋付後に取付けられる1つの電気作動式加熱素子(4)が補助ヒータとして扁平管(2)の少なくとも一部に付設されており、この加熱素子が直接にまたは間接的に熱交換器(1)に固定されている。加熱素子(4)が少なくとも一部では、大きな面で互いに強固に結合された少なくとも3つの異なる層で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器、特に自動車の暖房装置または空調装置用の熱交換器であって、互いに平行に配置されて1つの熱伝達媒体を流通させる複数の扁平管を有し、熱交換器の蝋付後に取付けられる1つの電気作動式加熱素子が補助ヒータとして扁平管の少なくとも一部に付設されており、この加熱素子が直接にまたは間接的に熱交換器に固定されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
低燃費車両では、廃熱の提供が少ないので、車室を暖めかつ特にウインドシールドガラスの曇り(氷または水)を迅速に取り除くために付加的加熱出力が必要である。このため、暖房時に熱を放出する熱伝達媒体を流す扁平管で構成された熱交換器において少なくとも外側管にPTC加熱素子の態様の補助ヒータを設けることが公知である。しかしこのようなPTC加熱素子の取付はきわめて手間がかかる。
【0003】
特許文献1では、熱交換器の個々の管をPTC加熱素子に取り替え、これらの加熱素子を接触板の間で保持し、接触板で同時に隣接フィンとの伝熱結合を実現することが提案される。その欠点として、PTC加熱素子を受容するための熱交換器の設計適合とPTC加熱素子自体がきわめて高価である。この理由から、このような複合熱交換器は従来の熱交換器を個別のPTC加熱器と組合せたものより高価であることがある。また、PTC加熱素子用の構造空間需要とそのボンディングとによって熱交換器の出力密度が著しく悪化する。熱交換器の個々の管の取替えは特許文献2および特許文献3でも読み取ることができる。
【0004】
さらに特許文献4では、扁平管を多室形材として構成し、外側室の少なくとも1つを絶縁加熱ワイヤ用挿入溝の態様に構成し、その壁を曲げ合わせて加熱ワイヤを固着することが提案される。加熱ワイヤは熱交換器の蝋付後に挿入される。その欠点として、このような熱交換器は特殊な扁平管を必要とし、電気的に持ち込まれる加熱出力の大部分が冷却材に進み、これにより、車室に供給されるべき空気の加熱には遅れて寄与するだけである。
【0005】
特許文献5が開示する熱交換器は1つの支持要素の内部に配置される1つの電気加熱器を備えており、この加熱器は2つの隣接するフィン束の間に押し込まれている。その際、支持要素が1対の平行な板を含み、板の間で1つの電気加熱素子が保持されかつ電気的にボンディングされる。電気加熱器は1つの加熱素子と1つの絶縁素子とからなり、多層構造を有する。この構造は実質的に加熱電流を個々の層に垂直に流す。固着のために、支持要素および加熱器に垂直に延びる固着要素が設けられている。このような熱交換器にもなお要望が残り、要望は特に部品の多様性および点数、それとともにヒータコア全体の製造費に関する。
【特許文献1】米国特許第6124570号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4436791号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10012320号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19858499号明細書
【特許文献5】米国特許第6178292号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、改良された安価な熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、加熱素子が少なくとも一部では、大きな面で互いに強固に結合された少なくとも3つの異なる層で形成されていることを特徴とする熱交換器によって解決される。
【発明の実施の形態】
【0008】
本発明によれば、特に自動車の暖房装置または空調装置用の熱交換器が、互いに平行に配置されて1つの熱伝達媒体を流通させる複数の扁平管を有し、熱交換器の蝋付後に取付けられる1つの電気作動式加熱素子が補助ヒータとして扁平管の少なくとも一部に付設されており、この加熱素子が直接にまたは間接的に熱交換器に固定されており、加熱素子が少なくとも一部では、大きな面で互いに強固に結合された少なくとも3つの異なる層で形成されている。製造は主に、特殊鋼帯材と高分子層に貼合せたアルミニウム箔または好適な性質を有する別の材料の薄層とを加圧する(積層する)ことによって行われる。積層プロセスを簡素化するために単数または複数の層構成要素は1つの自己粘着層または1つのヒートシール接着層を備えておくことができ、本来の層の間に製造に起因した接着層を設けておくことができ、加熱素子の動作時にも接着層は1つの機能を持つことができる。加熱素子は、突出する2つの隣接したフィン束の間に押し込まれている。加熱素子の破損を避けるためにフィンは片側が、しかし好ましくは両側が丸められ、または斜角面を備えておくことができ、これにより加熱素子の導入が容易になる。
【0009】
加熱素子は複合体として製造することも、互いに結合された個々の個別要素から製造しておくこともできる。すべての個別要素が後に平行に接続されねばならない場合は別として、複合体は後の相互接続に合せてなお分離されねばならない。個別要素は‐後の相互接続に合せて‐互いに結合されねばならない。
【0010】
その際、加熱素子は好ましくは少なくとも各1つの加熱導体層、1つの絶縁層および1つの伝熱兼保護層によって形成され、他の層、特に単数または複数の接着層を設けておくこともでき、これらは自己粘着性被覆として構成しておくこともできる。
【0011】
加熱導体層は主に1つの鋼層、特に1つの特殊鋼層によって形成されており、この層は厚さが特に0.1〜0.25mmで、弾性変形可能であり、加熱素子は相応する変形時にばね弾性的に、突出したフィン束に当接し、その間で摩擦接合式に保持される。
【0012】
絶縁層は主に、1つの高分子層、特に1つのポリエステル層によって形成されている。しかし、PENまたはポリイミド等の別の高耐熱性材料も可能である。
【0013】
絶縁層は主に、1つの絶縁フィルムまたは1つの塗膜で形成されており、好ましくは厚さが10μm〜100μm、特に15μm〜50μmである。さらに、薄い特殊紙、例えば接着テープ、または薄いプラスチックフィルムが可能である。
【0014】
有利な1構成によれば加熱導体層と絶縁層との間に1つの接着層が設けられており、この接着層は積層後に両方の層を互いに持続的に結合する。十分な絶縁性および熱伝導性を有する接着層の場合、ポリエステル絶縁層を接着層に取り替える選択案も可能である。
【0015】
伝熱兼保護層は主に、1つの金属層、特に1つのアルミニウム層または好ましくは比較的柔らかいアルミニウム合金からなる1つの層によって形成されている。伝熱兼保護層は、加熱導体層中で発生される熱を波形フィン、特に波形フィンの先端部に集束して伝達する機能を引き受け、すなわち絶縁層が限定的にのみ果たし得るような役目を引き受ける。この伝熱兼保護層は伝熱機能の他に保護機能も有し、隣接する絶縁層は例えば加熱素子の持ち込み時に損傷から保護されている。伝熱兼保護層は好ましくは厚さが20μm〜200μm、特に50μm〜100μmである。その際、伝熱兼保護層は好ましくは熱交換器のフィン束に直接隣接し当接させて配置されており、こうして最適な熱伝達が可能である。
【0016】
アルミニウム層は、加熱導体層用に使用することのできる特殊鋼帯と同様に、詳細には自己粘着性フィルムに貼合せたアルミニウム箔として市販されている。それとともに、アルミニウム層とその下にある絶縁層との間に持続的結合を実現することが可能である。ここでも選択案として、接着層によって十分な絶縁および伝熱が保証されている場合、接着層に有利となるように前記高分子絶縁層またはポリエステル絶縁層を省くことが考えられる。既に触れたように、本発明に係る積層体は加圧によって製造され、従って1枚の薄板として継続加工することができる。
【0017】
好ましくは加熱素子自体が加熱格子として構成されており、または多数の加熱素子が結合されて1つの加熱格子とされ、特に、電流が例えば蛇行状に加熱格子内に通され、所定の電圧において所要の加熱出力を達成するために所要の電気抵抗が生じるようにされる。加熱素子および/または加熱導体層は、例えば所定の層厚において電気抵抗を高めるためにそれ自体蛇行状に構成しておくことができ、互いに平行に延びる個々の加熱素子は各1つの側で結合腹部を介して少なくとも1つの隣接加熱素子と結合されている。
【0018】
加熱素子は好ましくは空気下流側に、相応する扁平管に関して正面側でかつこれと平行に延ばして取付けられており、加熱素子は少なくとも一部では、突出するフィン束の間に受容されている。そのことから簡単で空間を節約して安価な取付が可能になる。
【0019】
電気抵抗、それとともに加熱出力は好ましくは、熱発生に役立つ層に凹部を設けることによって、例えば打抜きによって製造される条溝によって、例えばエキスパンド格子状造形によって、調整することができる。
【0020】
特に積層体の導電層の間で短絡または電流ブリッジを避けるために、打抜き過程後に切断稜のばり取りが行われる。これは好ましくは、通電層の間に印加されるパルス電圧によって行われ、電圧は好ましくはパルスごとに高められる。その際、短時間形成されるアークの結果、両方の金属層の間で可能な結合ばりが焼失し、取り囲む領域はパルスの短さのゆえに、過度な熱発生によって損なわれず、またはごく限定的にのみ損なわれる。ばり取りはエッチング法またはその他の仕方でも行うことができる。
【0021】
ばり取りは例えば加熱素子の打抜き直後に、場合によっては積層前にも、または積層を行い、次に打抜きし、引き続き塑性加工した後に、行うことができる。
【0022】
好ましくは、特にばり取りされた切断稜は、例えば塗布後に硬化する塗料または接着剤の塗布によって封止される。しかし例えば、寸法の異なる要素を別々に製造したのちに互いに強固に結合する場合にも封止は行うことができ、特に良導電層の距離が小さいとき、後に稜が変形して短絡を生じるのを封止は防止する。
【0023】
その際、封止のために好ましくは高分子が使用され、粘度と塗布法(例えば浸漬塗り、ローラ塗り、刷毛塗りまたは自動塗布)の選択によって封止の厚さは調整することができる。封止は好ましくはばり取り直後に行われるが、しかし場合によっては個々の加熱素子を結合し塑性加工して1つの加熱格子としたのちに最終方法ステップとして行うことができる。
【0024】
他の有利な構成において積層体は上記諸層を有し、伝熱と保護を行うアルミニウム層が波形フィンと接触している一方、加熱導体層はその非絶縁表面が、熱交換器とは反対の側を形成する。それとともにアルミニウム層と波形フィンとの間に、特に柔らかいアルミニウム合金の場合、改良された熱伝達が得られ、波形フィンの先端部への一定の密着も可能である。
【0025】
他の有利な構成において、接触タグを備えた接触導体が設けられており、接触タグは電気伝導的に加熱装置の溝もしくは折り目内に係合し、それとともに加熱導体層を直接ボンディングする。それとともに、電気加熱装置を簡単な手段で外部からボンディングし、すなわち搭載電気系統から電気エネルギーを供給できる利点が達成される。
【0026】
他の有利な構成において格子状加熱装置は付加的に塗布される接着剤によって落下に備えて固定しておくことができる。基本的に加熱装置は摩擦接合式結合によって、すなわち突出したフィンの間の自由空間内に折り目を挟み込むことによって保持される。
【0027】
他の有利な構成において格子状加熱装置は蛇行状に構成されている。すなわち、互いに平行に配置される折り目の態様の加熱索は末端側で交互に幅広腹部と細い腹部とによって互いに結合されており、組立て時に容易に取り扱うことのできる関連した形成物が得られる。個々の電流路もしくは加熱索は遮断し、過熱から保護するためにPTC素子によって橋絡することができる。このように形成された加熱装置では、さまざまな回路変更態様も可能である。さらに、正面のそれぞれ一部を覆う複数の加熱装置を1つのヒータコアに付設しておくことができる。これらの加熱装置は順次または同時にオンオフして加熱出力を段階付けることができる。
【0028】
好ましくは電流路中に過熱防止部が設けられており、これらの過熱防止部は過度に高い温度のとき電気の流れを自動的に遮断する。過熱防止部は好ましくは、低融点蝋での蝋付結合によって2つの接触薄板の間に形成され、接触薄板の一方は予応力を受けたばね鋼である。過熱防止部は加熱格子全体および/または加熱格子の平行に接続された部分領域を過熱に備えて保護することができる。
【0029】
以下、図面を参照して変更態様を有する実施例に基づいて本発明が詳しく説明される。
【実施例】
【0030】
自動車空調装置用、特に低燃費車両用熱交換器1は、互いに平行に配置されて熱伝達媒体を流通させる複数の扁平管2と扁平管2の間に配置されるフィン束3とを備え、必要時に投入できる電気作動式加熱素子4を補助ヒータとして有する。その際、多数の個別加熱素子4は蝋付後に熱交換器の空気下流側から、隣接して突出するフィン束3の間にそれぞれ押し込まれており、このため各加熱素子4はU形に構成されている。この実施例では各列の扁平管2に1つの加熱素子4が装備されるが、しかし他の任意の変更態様も可能であり、例えば、図9、図10に示すように1列おきまたは2列おきの扁平管のみに1つの加熱素子を備えておくことが可能である。
【0031】
図1でその構造が明らかとなる加熱素子4は、1つの特殊鋼層によって形成される1つの加熱導体層5と、ポリエステルフィルムで形成される後続絶縁層7の1つの粘着性被膜によって形成される1つの接着層6と、それに続いて1つのアルミニウム層によって形成される伝熱兼保護層8とを有する。個々の層の平面的結合の製造はここでは積層によって行われ、それゆえに加熱素子4は積層体としても引き合いに出すことができる。積層後に打抜き‐曲げプロセスが予定されており、その間に加熱素子4が形成され、加熱素子は実質U形横断面となり、組込み状態のとき側面は突出するフィン束3に当接する。しかし打抜きによるのとは別の仕方で、例えばレーザによって、切抜きは行うこともできる。
【0032】
加熱導体層5はここでは厚さが約0.15mmであり、加熱導体層5の厚さは、印加電圧U(一般に13V)と個々の加熱素子の選択された電気回路とにおいて総電気抵抗が所要の加熱出力(P=U/R)を生じるように選択されている。製造技術上の諸理由から電気回路と加熱導体層は例えば凹部によって、0.1〜0.25mmの厚さにおいて所要の総抵抗が生じるように選択もしくは形成される。
【0033】
絶縁層7は厚さが約25μmであり、確実な絶縁が、しかし良好な熱貫流も保証されている。伝熱兼保護層8は厚さが約100μmであり、この厚さは塑性加工技術上何ら問題をもたらさず、保護機能に関しても十分である。
【0034】
加熱素子4、特に伝熱兼保護層8と絶縁層7を押込み時に保護するために、突出するフィン束3に導入斜面が設けられている(図2参照)。これらの導入斜面は例えばヒータコアブロックの蝋付前に、またはしかしその後でも、塑性加工過程によって取付けることができ、このため例えば特殊な塑性加工工具が加熱素子4の導入方向で各フィン束3の間に導入され、個々のフィン束3の隅が塑性加工され、これにより斜めにされる。
【0035】
特殊鋼が利用されるので、加熱素子4は変形時に一定のばね力を有し、このばね力は加熱素子4を極力大きな面で当接させてフィン束3の間で保持するのに利用される(摩擦接合式結合)。その際、加熱導体層5は内側、伝熱兼保護層8は外側に配置されている。図3と図4は突出するフィン束3のフィンと加熱素子4とを空気流れ方向に垂直な断面図で示す。その際、図4では絶縁層7内の熱流と伝熱兼保護層8内での熱集束が矢印で明示されている。
【0036】
電気抵抗、搭載電源電圧および所要の電気加熱出力に応じて個々の加熱素子4はここに詳しくは図示しない仕方で並列回路および/または直列回路によって結合腹部を介して結合することができる。出力調節のためにパルス幅変調法が利用されるが、しかし別の出力調節法も可能である。
【0037】
個々の加熱素子4は第1実施例によれば、図5a〜図5dから明らかとなるように結合腹部11と補助結合腹部12とによって結合されており、加熱素子4は、多数の加熱素子4、結合腹部11および補助結合腹部12からなる加熱格子13の加熱索と称することもできる。その際、図5aは加熱格子13の斜視図であり、図5bは拡大断面図であり、図5aでも図5cでもそうであるが導入方向は矢印で示してあり、図5cは図5bに対応する2つの加熱素子4の断面図、図5dは加熱格子13の加熱導体層5の平面図である。特に図5aから明らかとなるように、加熱素子4と結合腹部11との配置は蛇行状であり、結合腹部11とは反対の側に、加熱格子13の強度を高めるために1つの補助結合腹部12が設けられており、この補助結合腹部は組込み実行中または実行後に切断される。
【0038】
加熱素子4の熱発生領域をフィン束3の領域に最適化して配置し、またフィン束に対するU形加熱素子の側面の押付け力を最適値にするために、ここでは円形に構成される穿孔が加熱導体層5に、扁平管2に隣接する領域で設けられている。円形穿孔の代わりに、加熱素子の縦方向に延びる穿孔または窪みを設けておくこともできる。
【0039】
加熱素子の側面も、図13aと図13bに2つの他の実施例を基に示すように凹部を有することができる。図13aに示す実施例によれば、ここでは特殊鋼1.4301からなる加熱素子自体が蛇行状構造を有し、これにより個々の加熱素子の抵抗が増大する。図13bに示す好ましい実施例によれば、電気の流れ、従って熱発生がU形保持要素の底に送られるのが少なくなり、冷却材への入熱が少なくなる。ポリエステル貼合せアルミニウム箔が加熱素子に被着されている。
【0040】
図面に示さない他の1実施例によれば、矯正され相応に塑性加工されたエキスパンド構造体が設けられており、この構造体では金属帯材の特殊切断および同時的延伸によって、通電用の相応する腹部を有する菱形網目が得られる。その際、網目パラメータを選択することによって電気抵抗は広い限界内で調整することができる。
【0041】
図13c〜図13eは、穿孔の配置によって電流束の経路をどのように延長できるのかを示しており、図13cは高い電気抵抗を示し、図13dは中程度の電気抵抗を示し、図13eは比較的低い電気抵抗を示している。
【0042】
過熱から保護するために電気回路中に1つの空隙21が設けられており、この空隙は、所定の限界温度を上まわると電気回路を遮断する1つの安全素子(特にヒューズ、図示せず)によって橋絡される。
【0043】
第1実施例の1変更態様によれば、加熱素子4を付加的に保護するために熱交換器1に1つの耐熱性接着剤が設けられている。
【0044】
図6が示す熱交換器1は組み立てて電気ボンディングされた補助ヒータを備えており、この補助ヒータは蛇行状に配置される加熱素子4によって形成されている。電気ボンディングのために、詳しくは説明しないヒータコア側プラグの差込み接触用の接触タグ31が熱交換器1の短辺面に設けられている。この例で設けられている4つの接触タグ31は接触導体32と一体に構成されており、これらの接触導体は加熱素子4と接触するための接触タグ33を有する。好ましくは少なくとも2つの接触導体32が設けられており、そのうちの1つは接地レール32aとして構成され、複数の加熱格子が設けられている場合接地レールは複数の接触タグ33も有する。接地接触導体32aは熱交換ブロックとの電位補償部として1つの付加的導電結線34を有する。図7は接触タグ33と加熱素子4との接触個所の断面図である。その際、接触タグ33の寸法は加熱素子4のU形領域内の自由隙間に合せられている。この接触タグ33は確実な接触を確保するための(図示しない)ばね要素を有することができる。
【0045】
差込み接触の代わりに、別のボンディング、例えばばね舌片、ねじまたはリベットを設けておくこともできる。同様に、加熱格子と電源部との電気ボンディング用の溶接、蝋付または接着を設けておくこともでき、接触素子、特に接触薄板は加熱格子と一体にまたはそれとは分離して構成しておくことができる。別の実施例における選択的ボンディングの1例を図12が示す。接触タグ用の相応する素材選択および/または被覆、例えばスズめっき、銀めっきが、導電性、従って接触を改善する。接触タグは、例えば蝋付結合、溶接結合、クリップ結合またはリベット結合によって接触導体に固着しておくこともできる。接触導体は熱交換器に固着するための諸要素と1つの構造ユニットを形成することもでき、このため例えばクリップを設けておくことができる。この目的のためにすべての接触導体は図示しないプラスチック部品によって射出被覆しておくことができ、プラスチック部品は個々の接触導体をそれらの相対位置で保持し、クリップ要素を含み、同時にプラグのハウジングを形成する。
【0046】
図8aが示す第2実施例によれば、多数の個別に構成される加熱素子4が互いに相応に結合されている。その際、1つのI形特殊鋼製加熱基板が加熱導体層5として設けられており(図8b参照)、これが多数の円形穿孔を有し、穿孔は縦軸線に沿って配置されている。矩形に打抜かれまたは切断された1つの絶縁兼保護フィルムは1つの絶縁層と1つの伝熱兼保護層とからなり、この加熱基板に積層される。加熱基板の形状の結果としてタグ41が設けられており、これらのタグは図12に相応して接続面を形成し、または平行に接続された加熱素子4を形成し、または図9、図10に示すように過熱防止部42を形成するのに利用することができる。過熱防止部42を設けるのが有意義であるのは特に、熱交換器1を介して空気が流れず、扁平管2内を水または水混合物が流れないとき、特に熱交換器1(ヒータコア)内に水がなく、きわめて高い電気加熱出力が要求されるときである。過熱防止部42はこの場合熱で解除されるヒューズによって形成され、隣接する加熱素子4の両方のタグ41は軟蝋または共晶蝋によって互いに蝋付される。このため加熱素子4が弾性変形され、過熱およびそれに伴う蝋付結合の緩み時に加熱素子4が再び変形復帰し、タグ41が接触解消され、これにより電気回路が遮断される。蝋の選択と電流密度に基づく固有加熱と加熱腹部への熱的結合とによって、電気回路が遮断される限界温度は確定することができ、この場合約150℃である。動作時、発生される損失熱と脇を流れる空気および加熱腹部に排出される熱とが均衡する均衡温度が蝋付個所に生じる。脇を流れる空気にもはや十分な熱を放出できなくなると、蝋付個所の温度が上昇し、限界温度を上まわると蝋付結合が外れ、すなわち過熱防止部42が応答し、電気回路遮断の結果として電気補助ヒータが自動的に停止され、加熱素子4の過熱、または熱交換器1または後続空気通路の領域に配置されるその他の要素の過熱も、回避することができる。
【0047】
図11a、図11bには、溶融蝋結合領域で導電性横断面を変更することによって過熱防止部42の解除温度をどのように所要値に調整できるのかが示してある。その他の結合は特に個々の加熱素子4の強固な結合に役立ち、個々の加熱素子4から1つの加熱格子が形成され、この加熱格子は第1実施例のものに相当するが、但し各2つの加熱素子が並列に接続されている。このように関連し合った加熱格子は、個々の加熱素子を位置決めしてボンディングする必要がないので、簡単に組み立てることができる。さらに、加熱素子の並列回路と直列回路を簡単に実現することができる。
【0048】
電気接触素子との結合は先に述べたように、または図12に示すように、蝋付個所51を介して行うことができ、これらの蝋付個所は同時に過熱防止部として利用できる。
【0049】
他の1実施例によれば絶縁層7は1つのアルミニウム箔の1つの自己粘着性被覆によって既に提供され、この被覆が伝熱兼保護層8を形成する。
【0050】
やはり図1と図2が引き合いに出される他の1実施例によれば、1つの加熱素子4は鋼製加熱格子で形成される1つの給電層5(第1電極)と、定義された比抵抗を有する1つの高分子PTC材料で形成される後続高分子PTC層7の粘着性被覆で形成される1つの接着層6と、それに続いて1つのアルミニウム層(第2電極)で形成される1つの接地兼伝熱兼保護層8とによって形成されている。製造は第1実施例に相応して行われる。先行実施諸例とは異なり、フィン束3から最も離れた層は熱発生には限定的にのみ役立ち、むしろ電流の供給と分配とに役立ち、電流は接着層6と特に熱発生に役立つ高分子PTC層7とを均一に流れ、伝熱兼保護層8(第2電極)を介して導出される。その場合、接着層も十分に電気伝導性でなければならず、これは例えば導電性カーボンブラックまたは別の導電性粒子を混和することによって達成することができる。金属層と高分子PTC層との間に別の付着結合技術も考えられる。高分子PTC層7のPTC抵抗特性(正温度係数)のゆえに、このように形成される加熱格子13は十分な性能を有し、過熱防止部が必要でない。
【0051】
基本的に上記すべての実施例の構造が可能であるが、しかし電気ボンディングは別の種類の導電挙動に適合することができる。その際、熱交換器1は好ましくは、上記すべての実施例においてもそうであるが、接地電位にある。
【0052】
図14a〜図14cが示す個別素子から形成される加熱格子は電気抵抗を適合するために各2つの並列に接続される過熱素子の直列回路を備えている。その際、個々の過熱素子の間の移行部にヒューズ(過熱防止部42)として蝋付個所が設けられており、基本的に単一のヒューズで間に合うであろう。電気ボンディングのために末端に接触板が設けられており、図14cに「+」と接地記号とによって示してある。任意の別の相互接続、例えばすべての加熱素子4の直列相互接続、またはすべての加熱素子4の並列接続が可能である。
【0053】
ばりは基板の打抜き時に不可避的に発生し、場合によって両方の導電性層の間に望ましくない電気結合を生じることがあり、これらのばりを除去するために、加熱素子は打抜き後、塑性加工して1つの加熱格子へと結合する前またはその後にばり取りされ、このため‐第1実施例と図15a〜図15cとを引き合いに出すと‐加熱導体層5と伝熱兼保護層8との間に時間と共に上昇するパルス電圧が印加され、十分に大きな電圧に達すると両方の層の間の危険個所にアークが形成され、その際に発生する熱の結果としてばりが焼失する(酸化および/または蒸発する)。パルスは時間的に限定されているので、熱発生と入熱は特に温度に敏感な中間にある高分子層に限定することができ、高分子層が破損されることはない。焼失過程によって、導電性層の間にぐるりと最低距離を確保することができる。
【0054】
可能な破損に関しても最低距離を長期的に確保するために、ばり取り後、ばり取りされた切断稜の封止が行われる(図15c参照)。このため切断稜に1つの絶縁高分子(封止61)が備えられ、高分子は塗布後に硬化する。
【0055】
引き続き個々の加熱素子は塑性加工され、結合して1つの加熱格子とされる。
【0056】
ばり取りと封止は塑性加工後の最終ステップも形成できる。
【0057】
ばり取りおよび封止するための前記方法は以上述べたすべての実施例において利用することができ、既に打抜かれた個々の要素のばり取りは積層前に行うこともできる。
【0058】
図16aに示す変更態様では打抜き過程後にはじめて加熱導体層と別の層との積層が行われ、この変更態様によれば絶縁層と伝熱兼保護層が加熱導体層から少なくとも部分的に突出しており、突出する絶縁層のゆえに短絡は不可能である。
【0059】
しかし加熱導体層が絶縁層とこの絶縁層に合せて構成される伝熱兼保護層とから突出している場合、両方の導電性層の間の距離は短絡を確実に避けるのに十分でないことがある。その場合、図16bに示すように好ましくは1つの封止61が設けられている。
【0060】
図17a、図17bでは積層後、図17bに示すように後に打抜きによって分離が行われる(図17aに破線で囲んだ)領域の自由エッチングが行われる。その際、良導電性層の1つのみが、ここでは加熱導体層が、比較的小さな限定された領域で取り除かれ、絶縁層は破損されないままである。打抜き切断がこの領域内を延び、切断実行後両方の良導電性層の間で、打抜きによって存在するばりに基づく短絡が確実に排除されるのを確保できるように、領域の幅は量定されている。
【0061】
図18では1つの鋼要素(伝熱要素8)とその上に封止される1つの複合体(加熱導体層5と絶縁層7)とからなる加熱素子4が設けられている。短絡を防止するために複合体の末端領域71が折り返されており、絶縁層7が外側にあり、これにより、接地された加熱導体層5はこの末端領域71で覆われる。
【0062】
個々の加熱素子4は接着によって熱交換器1に固定しておくことができる。図19〜図21に示す他の1実施例によれば加熱素子4を熱交換器1に固定するために1つのプラスチック保持要素81が設けられており、この保持要素は熱交換器1上にずらされ、かつ加熱素子4の接触薄板82を介した固定を可能とする。その際、接触薄板82は保持要素81内にクリップ止めされる。それに加えて、諸力の大部分が保持要素81によって吸収されるので、加圧および張力に対する加熱素子4の弛緩が可能になる。
【0063】
他の1実施例によれば、加熱素子4の互いに結合される末端に、フィン束3の加熱にごく限定的に役立つだけのこれらの領域で電流密度を減らすために良導電性通電帯91が設けられている。製造は、図22aに示すように、連続した通電帯91によって行うことができ、通電帯は引き続き切断される。この場合軟質銅帯によって形成される通電帯91の取付または‐相応に形成された場合‐組込みはリベット止め、蝋付、接着、圧着またはその他の仕方で行うことができ、取付または組込みは加熱素子4の曲げ加工前または加工後に行うことができる。過熱から保護するための1つの過熱防止部42は一方または両方の通電帯91に直接一体化しておくことができる。詳細図は図23cに認めることができる。
【0064】
図22bに示す1つの通電帯91は2つの隣接する加熱素子4の間で部分的に突出しているだけであるが、しかし加熱素子の間に単一の電気接触を実現する(塑性加工後の通電帯91の取付)。図22cでは通電帯91は塑性加工の結果として生じた溝内に完全に突出している(特に塑性加工前に通電帯91を取付ける場合)。隣接する個々の加熱素子4は部分的に重なる末端領域(図22d)、突合せて配置される末端領域(図22e)または相互に離間した末端領域(図22f)を有することができる。図22gには通電帯91の塑性加工による機械的固定が示してあり、通電帯91の材料は加熱素子4の穴を通して加圧されている。図22hには通電帯91と加熱素子4との蝋付結合または溶接結合が示してある。加熱素子4の構成は図18に示すものに一致している。すなわち、短絡を防止するために、加熱導体層5と絶縁層7とからなる複合体(アルミニウム箔/絶縁フィルム)の末端領域71が折り返されており、絶縁層7が外側にあり、これにより、接地されている加熱導体層5がこの末端領域71で覆われる。従って通電帯91(銅帯)は専ら(図22gと図22hで鋼製加熱素子と称する)伝熱素子8に接触する。
【0065】
加熱格子上での過度に高い温度を防止するために、ヒューズとして構成される過熱防止部42が、ここでは加熱格子ごとに各1つ設けられている。
【0066】
図23aにはばね鋼からなる両方の接触薄板の一方への加熱格子の取付が示してあり、この取付は予応力下に低融点蝋を利用して加熱格子を取付けるとき既に行われる。
【0067】
図23bは過熱防止部42の相応する構成を示しているが、しかしこの場合2つの加熱格子の間に直接構成されている。図23cは適切に横断面を低減して過熱防止部42として役立つ通電帯91の利用を示す。相応する通電時に狭隘個所で温度が強く高まり、過大な温度上昇時にこの個所が溶断して電気回路を遮断する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】伸ばした状態における加熱素子の断面図である。
【図2】組み込まれた加熱素子の断面図である。
【図3】通常の空気流れ方向に垂直な断面図である。
【図4】図3の1領域を拡大して熱伝達を明確に示す図である。
【図5】a〜dは、多数の加熱素子を含む加熱格子のさまざまな図示である。
【図6】補助ヒータを組付けた熱交換器の斜視図である。
【図7】電気接触領域における組み込まれた加熱素子の断面図である。
【図8a】第2実施例による伸ばして図示した加熱素子の平面図である。
【図8b】加熱導体層の平面図である。
【図8c】絶縁層と伝熱兼保護層との平面図である。
【図9】過熱防止部の断面図である。
【図10】変更態様による過熱防止部の断面図である。
【図11】aとbは、加熱防止部を備えた加熱素子の2つの変更態様を示す。
【図12】選択的ボンディングの断面図である。
【図13】a〜eは、電気抵抗を適合するための加熱素子の実施例を示す。
【図14】a〜cは、電気抵抗を適合するために各2つの並列に接続される加熱素子の直列回路を備えて個別素子から形成される加熱格子の平面図と横方向断面図である。
【図15】a〜cは、打抜き後、電圧源の印加時および封止後の加熱素子の断面図である。
【図16】aとbは、打抜き後に積層が行われる加熱素子の断面図である。
【図17】aとbは、エッチングによって加工された加熱素子の断面図である。
【図18】折り返された複合体を備えた加熱素子の末端領域における断面図である。
【図19】加熱素子を備えた熱交換器の平面図であり、加熱素子は保持要素によって熱交換器に固定されている。
【図20】図19の加熱素子と保持要素とを備えた熱交換器の斜視図である。
【図21】図19と図20の保持要素の斜視図である。
【図22a】通電帯のさまざまな取付例の1つを示す。
【図22】b〜hは、通電帯の他のさまざまな取付例を示す。
【図23】a〜cは、過熱防止部の位置決めの各2つの図を有する3つの異なる例を示す。
【符号の説明】
【0069】
1 熱交換器
2 扁平管
3 フィン束
4 加熱素子
5 加熱導体層、給電層
6 接着層
7 絶縁層、高分子PTC層
8 伝熱兼保護層
11 結合腹部
12 補助結合腹部
13 加熱格子
21 隙間
31 接触タグ
32 接触導体
32a 接地レール
33 接触タグ
34 結線
41 タグ
42 過熱防止部
51 蝋付個所
61 封止
71 末端領域
81 保持要素
82 接触薄板
91 通電帯


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器、特に自動車の暖房装置または空調装置用の熱交換器であって、互いに平行に配置されて1つの熱伝達媒体を流通させる複数の扁平管(2)を有し、熱交換器(1)の蝋付後に取付けられる1つの電気作動式加熱素子(4)が補助ヒータとして扁平管(2)の少なくとも一部に付設されており、この加熱素子が直接にまたは間接的に熱交換器(1)に固定されているものにおいて、加熱素子(4)が少なくとも一部では、大きな面で互いに強固に結合された少なくとも3つの異なる層で形成されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
加熱素子(4)が、少なくとも各1つの加熱導体層(5)、1つの絶縁層(7)および1つの伝熱兼保護層(8)によって形成されていることを特徴とする、請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
加熱素子(4)が、金属層、特に特殊鋼層によって形成される1つの加熱導体層(5)を有することを特徴とする、請求項1または2記載の熱交換器。
【請求項4】
加熱素子(4)が、厚さ0.1〜0.25mmの1つの加熱導体層(5)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項5】
加熱素子(4)が、弾性変形可能な1つの加熱導体層(5)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項6】
加熱素子(4)が1つの絶縁層(7)を有し、この絶縁層が1つの高分子層、特に1つのポリエステル層、1つのPEN層またはポリイミド層によって形成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項7】
加熱素子(4)が、1つの絶縁フィルムまたは1つの塗膜で形成される1つの絶縁層(7)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項8】
加熱素子(4)が、厚さ10μm〜100μm、特に15μm〜50μmの1つの絶縁層(7)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項9】
加熱素子(4)が、1つのアルミニウム層によって形成される1つの伝熱兼保護層(8)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項10】
加熱素子(4)が、厚さ20μm〜200μm、特に50μm〜100μmの1つの伝熱兼保護層(8)を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項11】
加熱素子(4)が1つの接着層(6)を有し、および/または層の少なくとも1つ(5、7および/または8)が少なくとも1つの自己粘着性被覆(6)または1つのヒートシール被覆を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項12】
加熱素子(4)が加熱格子として構成されており、または多数の加熱素子(4)が結合されて1つの加熱格子(13)とされていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項13】
加熱素子(4)が空気下流側に、相応する扁平管に関して正面側でかつこれと平行に延ばして取付けられていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項14】
加熱素子(4)が少なくとも一部では、突出するフィン束(3)の間に受容されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項15】
加熱素子(4)または加熱素子(4)の主要領域が少なくとも部分的に、突出するフィン束(3)の間に押し込まれていることを特徴とする、請求項14記載の熱交換器。
【請求項16】
少なくとも加熱導体層(5)が蛇行状に構成されており、互いに平行に延びる個々の加熱素子(4)が各1つの側で結合腹部(11)を介してそれぞれ少なくとも1つの隣接加熱素子(4)と結合されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項17】
少なくとも1つの結合腹部(11)に1つの過熱防止部が設けられていることを特徴とする、請求項16記載の熱交換器。
【請求項18】
過熱防止部が1つの蝋付個所として構成されていることを特徴とする、請求項17記載の熱交換器。
【請求項19】
フィン束(3)に隣接して伝熱兼保護層(8)が配置され、次に直接に、または単数または複数の中間層を配置して絶縁層(7)が配置され、次に直接に、または単数または複数の中間層を配置して加熱導体層(5)が配置されているように、加熱素子(4)がフィン束(3)の間に配置されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項20】
少なくとも1つの過熱防止部(42)が設けられていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項21】
過熱防止部(42)が、特に2つの隣接する加熱素子の単数または複数の蝋付結合によっておよび/または1つの横断面狭隘部によって形成されていることを特徴とする、請求項20記載の熱交換器。
【請求項22】
多数の加熱素子(4)がタグ(41)によって隣接加熱素子(4)と結合されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項23】
多数の加熱素子(4)が格子状に配置されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項24】
加熱導体層(5)が1つの加熱基板、特に特殊鋼製加熱基板によって形成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項25】
加熱導体層(5)が、末端に少なくとも2つのタグ(41)を備えた縦長矩形造形を有し、タグが横方向で隣接加熱素子(4)の方向に延びていることを特徴とする、請求項25記載の熱交換器。
【請求項26】
1つの加熱素子(4)の加熱導体層(5)上に、縦長矩形造形を有する1つの組合せられた絶縁層(7)および伝熱兼保護層(8)が取付けられていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項27】
少なくとも各1つの給電層(5)、1つの高分子PTC層(7)および1つの伝熱兼保護層(8)が設けられていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項28】
電気抵抗が凹部によって調整可能であることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項29】
少なくとも加熱導体層(5)と絶縁層(7)とからなる1つの複合体が伝熱素子(8)に封止されており、絶縁層(7)が末端領域(71)で外側にあるように複合体の少なくとも1つの末端領域(71)が折り返されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項30】
1つの通電帯(91)が設けられていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項31】
熱交換器(1)で電気補助ヒータとして使用するための加熱素子において、請求項1〜30のいずれか1項記載の構造を特徴とする加熱素子。
【請求項32】
請求項31記載の加熱素子を製造するための方法において、打抜き過程、積層過程または塑性加工過程後にばり取り過程が行われることを特徴とする方法。
【請求項33】
パルス印加電圧によってばり取りが行われることを特徴とする、請求項32記載の方法。
【請求項34】
電圧がパルスごとに上昇することを特徴とする、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ばり取り後に切断稜の封止が行われることを特徴とする、請求項32〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1つの稜領域の封止が行われることを特徴とする、請求項31記載の加熱素子製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2007−511412(P2007−511412A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540305(P2006−540305)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013036
【国際公開番号】WO2005/050101
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)
【Fターム(参考)】